JP2001271235A - 片側式リング精紡機 - Google Patents

片側式リング精紡機

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JP2001271235A
JP2001271235A JP2000085934A JP2000085934A JP2001271235A JP 2001271235 A JP2001271235 A JP 2001271235A JP 2000085934 A JP2000085934 A JP 2000085934A JP 2000085934 A JP2000085934 A JP 2000085934A JP 2001271235 A JP2001271235 A JP 2001271235A
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sliver
cans
spinning machine
ring spinning
guide
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JP2000085934A
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Tetsuya Oketani
哲也 桶谷
Takashi Ogiso
隆 小木曽
Yutaka Tanaka
豊 田中
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Howa Machinery Ltd
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Howa Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライバ切れ、ケンス交換の際に、スライバ
をドラフト部へ容易に取り回しでき、ケンス扱いの容易
な片側式リング精紡機を提供する。 【解決手段】 スライバ2列を収容できるケンス14
を、機台背面に前後2列に配置し、ケンス14上側のス
ライバ案内手段30の高さを、スライバSの取り回しが
容易な高さとし、また、機台背面側におけるケンス14
の占有領域が、スライバSの取り回し容易な広がりとな
るようにケンスサイズを設定したので、ケンス高さは従
来より低くなり、しかも、ケンス数がスピンドル数の半
分になるから、ケンス交換時のケンス取り扱い数量を従
来の半分にでき、ケンス作業やスライバ切れ時のスライ
バ継ぎ作業などが簡便となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、機台の前面側
に、ドラフト部とこれに対応した巻き取り部(スピンド
ル、トラベラ等を含む)から成る多数の精紡ポジション
を機台長手に多数並設し、機台の背面側に、多数の精紡
ポジションへスライバを供給するためのスライバケンス
を配置して、ケンスから供給されるスライバをハイドラ
フトして精紡糸を紡出する、いわゆる片側式リング精紡
機に関する。
【0002】
【従来の技術】このような片側式リング精紡機として、
機台背面側のスライバ供給ケンスを、スピンドルピッ
チの3倍の直径のケンスとして3列準備し、そのケンス
の1列若しくは、2列をローラビームより低い位置であ
って機台の背面側に配置し、残りの2列または1列をド
ラフト部より上方となる位置に配置したもの(実公昭3
8−16537号、実公昭38−16537号)、片
側式リング精紡機の背面側に、後方に向かって4列のケ
ンス列を備え、各ケンス高さはドラフト部の高さ位置よ
り少しばかり低く、ケンス直径が、スピンドルの機台長
手方向ピッチの4倍となっているもの(特開平7−27
8972号)などがある。このような片側式リング精紡
機では、粗紡工程を省略できてランニングコストを低減
できる利点があるものの、通常の粗糸ボビンに比べて高
価なケンスを多数使用することなどによる設備費用の高
騰により、普及していないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】では、ドラフト部よ
り高い位置にあるケンス内のスライバが消尽されたと
き、その空ケンスを満ケンスに交換し、満ケンスからの
スライバをドラフト部へ取り回してのスライバ継ぎ作業
は、ケンスが極めて高い高さ位置に配置されていること
によって大変困難であった。では、機台の後方へ4列
のケンスが並設されるため、スピンドルピッチが75m
mの場合、ケンス直径は300mmとなるので、機台背
面からもっとも機台後方へ離れたケンスまでの距離は
1.2Mとなり、ケンス設置スペースが大きくなる問題
がある上に、最も機台から後方へ離れたケンスの背部か
ら、スライバ切れなどの時にスライバをドラフト部へ取
り回そうとしても、作業者の手の届く範囲を超えていて
スライバの取り回しが極めて困難であった。また、これ
らの従来技術では、ケンス数がスピンドル数と同数であ
って、ケンス交換時に取り扱うケンス数が極めて多くな
る欠点がある。この発明の課題は、ケンス数を従来より
減らし、ケンス交換の際に取り扱い数量を減らし、ま
た、スライバをドラフト部へ容易に取り回しできる片側
式リング精紡機を提供することにある。また、本願で
は、機台下の風綿等を除去容易とする前記精紡機を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため、本
願の片側式リング精紡機は、機台前面側にドラフト部と
これに対応する巻き取り部とを含む多数の精紡ポジショ
ンが配置され、機台背面側には、前記各精紡ポジション
のドラフト部へスライバを供給するための多数のケンス
が配列され、それらのケンスから供給されるスライバか
ら精紡糸を紡出する片側式リング精紡機において、一対
のスライバ列を収容する多数のケンスを機台背面側に前
後2列に配置し、ケンス列の上方に各ケンスからのスラ
イバを案内するスライバ案内手段を設け、機台背面側に
配置したケンスの背部側から、各ケンスから引き出した
スライバをドラフト部へ取り回すことができるように、
前記スライバ案内手段の高さ位置、ケンスのサイズを設
定したことを特徴とする(請求項1)。これらによれ
ば、ケンスを、スライバ2列を収容できるケンスとし
て、機台背面に前後2列に配置し、ケンス上側のスライ
バ案内手段の高さを、スライバの取り回しが容易な高さ
とし、また、機台背面側におけるケンスの占有領域が、
スライバの取り回し容易な広がりとなるようにケンスサ
イズを設定したので、ケンス高さは従来より低くなり、
しかも、ケンス数がスピンドル数の半分になるから、ケ
ンス交換時のケンス取り扱い数量を従来の半分にでき、
ケンス交換時やスライバ切れ時のスライバ継ぎ作業など
が簡便となる。
【0005】スライバ案内手段は、ドラフト部より高い
位置の前側ガイドと、前側ガイドより低い位置にある後
側ガイドとを備えており(請求項2)、好適には、後側
ガイドを、前後ケンス列の中間部上方に設け、前側ケン
ス列、後側ケンス列からのスライバを後側ガイドを経て
前側ガイドに案内して成る(請求項3)。一旦前側ガイ
ドより低い後側ガイドに前後ケンス列からのスライバを
掛けることで、スライバが垂直に近い角度で立ち上がる
高さが低くなり、ケンスから引き出されたスライバが、
その自重で下方に引っ張られて不正ドラフトを発生する
不都合を少なくできる。スライバ案内手段は、スライバ
の向きを変える後側ガイド、前側ガイドとしてのガイド
ローラを含んでいる(請求項7)。
【0006】各ケンスは、外形を形成する胴体部分の内
側にスライバを受ける受皿を昇降可能に備えたケンスで
あって、胴体部分には隣り合うコイリングスライバ列の
境界となる部分に、列方向に突出する突起部を対向して
設けて複数のスライバ収容領域を形成し、前記受皿は、
前記複数のスライバ収容領域にまたがるように構成され
ているケンスである(請求項4)。これによれば、1つ
の受皿で2列のコイリングスライバ列を載置できて部品
点数が少なくなって、ケンスを安価に提供でき、また、
スライバ列の長手両端部が突起部で支えられるので、ケ
ンス搬送中にスライバ列が倒れてしまうことを防止でき
る。
【0007】ケンスは、胴体部分自体の一部が列方向に
対向する突起部に形成されている(請求項5)。これに
よれば、樹脂成形などによる場合には、別途突起部を設
ける場合に比べて安価に製造できる。胴体部分の外形
は、スライバ収容領域形状が列方向に沿って長円形とな
るように、列方向端部をコイリング形状と対応した半円
弧部としてあると好ましい(請求項6)。これによれ
ば、スライバ列と胴体部分との間に生じる隙間が小さく
なって、一層倒れにくくなる。ケンスは、機台背面側に
おいて、精紡機設置床面から浮き上がった状態に配置さ
れ(請求項8)、具体的には、機台背面側には、精紡機
設置床面との間に清掃気流通過空間を保ってケンス載置
棚を設け、そのケンス載置棚上にケンスを載置して成る
(請求項9)。この構成により、機台下には清掃気流通
過空間が形成され、別途設けた移動式クリーナから吹き
出される清掃気流が機台下を吹き払うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1〜3に片側精紡機としての片
側式リング精紡機を示す。機台Tの長手方向に所定間隔
でフレーム1が配置され、各フレーム1は、その上端部
が機台長手方向のローラビーム2で互いに結合されてい
る。フレーム1の前面側には、機台長手方向のスピンド
ルレール3が一体に連結されている。ローラビーム2上
に取付けたローラスタンド4を介して、複数のドラフト
ローラから成るドラフト部5が設けてある。このドラフ
ト部5は、3線式のドラフト構造を採用し、粗糸から精
紡糸を紡出するリング精紡機のそれに比べて、はるかに
大きなドラフト比で繊維束をドラフトするようになって
おり、最大で300倍程度牽伸するものである。このよ
うなドラフト部5としては、トップバックローラをエプ
ロンローラとし、ボトムバックローラを筋ローラとし、
セカンドローラをエプロンローラとし、ボトムバックロ
ーラとセカンドローラとの間に、トップバックローラの
エプロンが摺接するガイドプレートを設けたものが知ら
れている(特開平8−144134号)。
【0009】スピンドルレール3には、スピンドル6が
長手方向に所定ピッチ(ここでは75mmとする)で並
設され、各スピンドル6に対応して、リング巻き取り構
造に周知の部材、即ち昇降するリングレール、リングレ
ール上のトラベラリング、トラベラリングに周回案内さ
れるトラベラ、昇降する周知のラペットなどが設けられ
て、機台長手方向に、精紡糸を巻き取るための多数の巻
き取り部7が構成されている。巻き取り部7と、巻き取
り部7に対応するドラフト部5とを含んで精紡ポジショ
ン8が構成され、その精紡ポジション8が機台前面に多
数並設されている。
【0010】フレーム1の背面1aの下端には、機台後
方へ向けて、後述のケンスを前後2列に載置するケンス
載置棚10が、機台長手に沿って配置されている。ケン
ス載置棚10は、支持脚11により精紡機設置床面12
から浮き上がった状態に支持されており、床面12との
間に、清掃気流通過空間13を形成している。前記ケン
ス載置棚10の上には、ケンス14が機台長手方向に隣
接配置され、前後2列のケンス列15,16を構成す
る。
【0011】次にケンス14について説明する。ケンス
14は、図4に示すように筒状の側壁部分19と底板部
分22とを備えた胴体部分17と、その胴体部分17の
内側に収容されるスライバ載置用の受皿18とを備えて
いる。胴体部分17と受皿18とは、樹脂成形品であ
る。従って、全体重量がきわめて軽量となリ、ケンスハ
ンドリングが容易となる。胴体部分17の外形を形成す
る側壁部分19は、図4に示すように横断面において、
コイリングするときのケンスの往復移動方向(スライバ
列A,Bに沿う方向:列方向)で対向する前後壁部20
とスライバ列A,Bの長手と直交する方向(列の並び方
向)で対向する左右壁部21とから成る。前後壁部20
と左右壁部21とで囲まれた内側空間を、列の並び方向
に2つのスライバ収容領域P1、P2に区画するため
に、前後壁部20には、スライバ収容領域P1,P2の
境界となる部分に、胴体部分17の内側空間に向かって
所定量突出する突起部20aが、前後壁部20の上下方
向全長にわたって設けてある。前後壁部20は、それ自
体がコイリングされたスライバSのコイリング径より僅
かに大きな半径の半円弧部20bが複数(ここでは2
つ)連続するように形成されており、前記突起部20a
は、これらの各半円弧部20bの接続部分である。対向
する突起部20aを結ぶ線Lと、列方向に対向する一対
の半円弧部20bとそれらの半円弧部20bに連続する
左右の壁部21とにより形成されるスライバ収容領域P
1、P2は、図1、3、4から明らかなように、前後方
向(列方向)が左右方向より長い長円形になっている。
前記胴体部分17の底部を塞ぐように、胴体部分17の
横断面形状と略同じ形状で形成される底板部分22は、
その中央に、後述のコイラ装置100側に配置される受
皿押し上げ板115が通過する円形孔23が形成されて
いる。
【0012】一方、受皿18は、胴体部分17の横断面
の内側形状に倣った形状で形成されて前記境界部分を超
えて隣り合う収容領域P1,P2に跨っており、胴体部
分17の内面17aと僅かな隙間をもって昇降可能に内
装されている。その下側面の周囲と内側には、図6に示
すようにリブ18aが形成されており、中央には、コイ
ラ装置100の受皿押し上げ板115の中央の係止ピン
119が入り込む係合孔18bが形成されている。各ケ
ンスの横幅(機台長手方向の幅)は、スピンドルピッチ
の4倍(300mm)であり、縦方向長さは400mm
程度に設定され、前側ケンス列15は、機台背面1aに
接近配置される。これにより、機台背面1aから後側ケ
ンス列16背部までの距離は800mm程度となってい
る。また、その高さは500mm程度となっており、ス
ピンドルレール3とほぼ同じ高さ位置となっている。受
皿18が2つの収容領域P1、P2に跨っているため、
2列のスライバ列A,Bを1つの受皿18に載置でき、
ケンス14を構成する部品点数を少なくでき、製造が容
易となる。また、前後壁部20自体に突起部20aを形
成しているので、この実施形態のように樹脂成形するこ
とで、前後壁部に別途突起部を設ける場合に比べて、製
造が極めて容易に行い得る。
【0013】次に、このケンス14にスライバSを列状
に収容するコイラ装置100について説明すると、図5
において、ケンス14を載置する載置台111が前記列
方向に移動自在に案内レール112によって案内されて
いる。載置台111は、モータ113による送りねじ機
構114により、列方向に所定量往復移動するようにな
っている。載置台111の内側には、受皿押し上げ板1
15が載置台111との間にケンススプリング116を
介装することにより上方へ付勢されており、載置部11
7には、円形の受皿押し上げ板115が上下方向に挿通
移動する通過孔118が形成されており、前記ケンス1
4が載置されると、底板部分22の円形孔23と同心と
なる。受皿押し上げ板115の中央上部に係止ピン11
9が突設されている。係止ピン119の下端には、チェ
ン、ロープのごとき牽引索120の一端が連結され、他
端はロッドレスシリンダ121の外部移動体122に連
結されている。ロッドレスシリンダ121の外部移動体
122は前記列方向に往復移動できるようになってい
る。前記ケンス14の2つの収容空間P1,P2に対応
して一対のコイラホイール123が並設され、コイラホ
イール123からスライバSが紡出されるとともにケン
ス14が列方向に往復移動されてスライバSを前記ケン
ス14内の収容空間P1,P2に夫々列状態で収容する
ようになっている。コイリング時には、牽引索120は
緩められて、前記ばね116のばね力で受皿押し上げ板
115を受皿18の下面に圧接して受皿18を上方へ押
し上げた状態として、コイラホイール123から紡出さ
れてくるスライバSを受皿18とコイラホイール123
との間で圧縮しつつコイリングし、満ケンスとなると、
図5で示す位置まで牽引索120を引くことで、受皿1
8から係止ピン119を抜き去るようにしてある。この
ようなコイリング装置100を使用することにより、ケ
ンス14の受皿18を上方へ付勢するスプリングをケン
ス14に内装していないため、ケンス14内のスライバ
収容量を増加させることができる。また、スライバ列
A,Bが並んで収容される横断面で中央の窪んだ略矩形
の形状のケンス14であるから、従来の円形断面ケンス
に比べて、機台背面側に隣接配置したときの無駄空間が
少なく、より多量のスライバSを収容できる。
【0014】次に、ケンス列15の上方に設けられるス
ライバ案内手段30について説明する。ローラビーム2
上面からは、機台長手に沿って所定間隔で、上方にクリ
ールピラー31が立設してある。クリールピラー31
の、後側ケンス列16の後側に立った作業者Hの手の届
く高さ位置(ドラフト部5の高さより少しばかり上方位
置)からは、機台Tの後側に向けて下がり勾配の支持バ
ー32が延設され、前後側ケンス列15、16のちょう
ど中間部上方に達している。隣り合う支持バー32間に
は、機台長手に沿って延びるローラ支持シャフト33
a,33bが、機台Tに近い部分と支持バー32先端部
とに夫々横架されている。機台Tに近いローラ支持シャ
フト33aには、各スピンドル6と前後に対応してスピ
ンドルピッチPで前列ガイドローラ34a(前側ガイ
ド)が回動自在に支持されている。また、後方のローラ
支持シャフト33bには、後側ケンス列16からのスラ
イバSを案内する後列ガイドローラ34b(後側ガイ
ド)が、機台長手方向にスピンドルピッチPの2倍のピ
ッチ2Pで回動自在に支持されている。これらのガイド
ローラ34a,34bを対応する各シャフト33a,3
3bに一体とし、シャフト33a,33bをモータなど
により回転させることでガイドローラ34a,34bを
積極回転させ、スライバSを積極的に引き上げるように
してあってもよいし、ガイドローラ34a,34bを全
く回転しないようにして、スライバSをガイドローラ集
面で摺接案内してもよい。
【0015】この片側リング精紡機は、図7に示すよう
に、通路40を挟んで夫々の前面を向かい合わせにして
1組の精紡機列41を形成し、その組となった精紡機列
41が、互いに背面側を通路40aを挟んで対向されて
精紡機群Gが構成されている。図2に示すように、各組
の精紡機のうちの一方には、前記クリールピラー31の
上端に、機台幅方向の支持部材42が設けてある。支持
部材42間には、機台長手全長に渡って一対のレール4
3が取付けてある。レール43上には、移動式クリーナ
45が機台長手方向に往復移動可能に案内載置されてい
る。移動式クリーナ45は、ブローユニット47とサク
ションユニット48とを備え、ブローユニット47には
ブローパイプ49が接続され、ブローパイプ49は機台
前面側、即ち通路40に垂下されている。ブローパイプ
49には、その両側の精紡機の精紡ポジション8に向け
て、ブローユニット47からの清掃気流を吹き出すブロ
ーノズル50が斜め下向きに多数突出されている。精紡
機の前面を対向させ、その間に両側にブローノズル50
を設けたブローパイプ49を垂下させているこの構造に
より、1組の精紡機に対して、1つのブローパイプ49
が兼用され、各精紡機毎にブローパイプ49を持たない
ので設備費用を低減できる。またサクションユニット4
8には、ブローパイプ49と機台幅方向に対向してサク
ションパイプ51が接続され、機台の背面方向に伸び
て、後側ケンス列16の背面側に垂下し、サクションパ
イプ51の吸引口52が精紡機設置床面12に向いて開
口し、サクションユニット48による吸引気流を床面上
に作用させる。
【0016】精紡機が稼動されると、移動式クリーナ4
5は機台長手に沿って往復移動し、ブローノズル50か
ら清掃気流を下方に向けて吹き出して精紡ポジション8
の風綿等を吹き払い、床面12に落下させて機台Tの下
側を通過させる。機台Tの下方の気流通過空間13を通
ってケンス列15,16背面に運ばれた風綿等は、サク
ションパイプ51の吸引作用で吸引される。1組の精紡
機列41において、クリーナ45を設けていない側の精
紡機では、その後側ケンス列16の背面側に、隣り合う
精紡機列41の移動式クリーナ45のサクションパイプ
51が配置されるので、吹き払われた風綿等は、そのサ
クションパイプ51から吸引除去される。ブローノズル
50からの清掃気流は、精紡機の前面側に作用するの
で、背面側(ケンス列側)には、直接作用しない。その
ため、ケンス14から引き出されたスライバSに、ブロ
ーノズル50からの強い吹き出し気流が作用して表面が
毛羽立つようなことがなく、ドラフト後の糸品質を低下
させることがない。
【0017】紡出中に、前後側ケンス列15,16のケ
ンス14のどれかでスライバ切れを起こした場合、図8
のように、作業者Hは、そのケンス14の中に手を伸ば
してスライバSを引き出し、そのケンス14が前側ケン
ス列15であれば、前列ガイドローラ34aへ掛け、ド
ラフト部5の上方へ垂れ下げる。また、後側ケンス列1
6のケンス14であれば、後列ガイドローラ34b、前
列ガイドローラ34aに掛けてドラフト部5の上方へた
れ下げる。その後、機台の前方から、垂れ下げたスライ
バSをドラフト部5へスライバ継ぎする。
【0018】次にケンス交換について説明する。紡出が
進み、すべてのケンス14が略同時に空ケンスとなる少
し前のタイミングで機台Tを停止し、ドラフト部5に供
給されていたスライバSをすべてドラフト部5のバック
ローラより少し上流側で切断する。次いで、作業者Hが
前後列のすべてのケンス14をケンス載置棚10上から
除去する。その後、ケンス載置棚10の背面側の通路4
0aを台車に載せて運ばれてきた満ケンス14を順にケ
ンス載置棚10に載せ、前記したスライバ切れのときと
同じように、前後列の各ケンス14からスライバSを引
き出し、ガイドローラ34a,34bを経てドラフト部
5上方へ垂れ下げる、という作業を、すべての前後側ケ
ンス列15,16の各ケンス14に対して行う。その
後、作業者Hは機台の前側に回って、ドラフト部5上方
に取り回されて垂れ下がっている多数のスライバSを、
ドラフト部5の手前で切断されて残っている先のスライ
バと手作業で撚り合わせ、その後、機台を再起動する。
【0019】ケンス交換時には、多数のケンス14を運
搬搬送する作業が行われるが、ケンスが一対のスライバ
列を収容しているために、スピンドル数の半分のケンス
取り扱い数となり、ケンス運搬個数が減ってケンス交換
作業時間が短くできる。また、2列のスライバ列を収容
するものであってもケンス高さが低く抑えられてケンス
自体が小型で軽量となること、そのようなケンス14
が、高くても作業者の手作業の及ぶ比較的低い高さ範囲
に設置されていることにより、ケンスハンドリングが容
易である。また、ケンスの背部から機台後面までの距離
が小さく、作業者Hの手の届く範囲でケンス14からス
ライバSを引き出して、スライバ案内手段に掛けてドラ
フト部5へ取り回しできるので、スライバSの取り回し
が極めて容易である。
【0020】図9に他の実施形態を示す。ここでは、前
列ガイドローラ34aと機台長手方向位相を一致させて
前後に対向する位置に後列ガイドローラ34bが設けて
ある。したがって、前述の実施形態とは異なり、後列ガ
イドローラ34bと前列ガイドローラ34aはスピンド
ル数と一致している。前後側ケンス列15,16からの
各スライバSは、夫々一旦後列ガイドローラ34bに掛
けられて前列ガイドローラ34aに案内されている。後
列ガイドローラ34bが前後側ケンス列15,16の中
間部上方に位置されているので、前後側ケンス列15,
16からのスライバSにおいて、ケンス14から引き出
されてからドラフト部5に到達するまでのスライバ経路
長が略同じになり、また、ドラフト部5に至るまでにス
ライバが通過するガイドローラの数も同じである。この
ように、スライバSがドラフト部5に至るまでに与えら
れる外的条件が同じなので、前後側ケンス列15,16
から供給されるスライバSをドラフトした精紡糸の間に
品質むらを生じない。また、後列ガイドローラ34bの
高さが前列ガイドローラ34aより低い位置にあるた
め、スライバSがケンス14から垂直に近い状態で引き
出されるときに(図9の状態)、その垂直に近い部分の
長さが短くなり、スライバ自体が自重で下方に引っ張ら
れて生じる不正ドラフトを少なくできる。このガイドロ
ーラ34a,34bの配置とスライバSの掛け回し形態
は、特に自重で不正ドラフトを生じ易いコーマ上がりス
ライバに対して有効である。
【0021】
【発明の効果】以上のように本願発明の精紡機において
は、機台の背面側に2列のスライバ列を並べて収容でき
るケンス列を前後2列に設け、そのケンス列上方に配置
されるスライバ案内手段の高さ位置や使用されるケンス
の大きさや背面側での配置を、機台背面側に配置したケ
ンスの背部側から、各ケンスから引き出したスライバを
ドラフト部へ取り回すことができるように設定したの
で、ケンスが小型化し、かつ、ケンス交換時に扱うべき
ケンス数量が精紡ポジション数の半分となりケンス扱い
が容易になってケンス交換時間を短くでき、また、ケン
ス高さが低いものとなることから、ケンス交換時やスラ
イバ切れ時のスライバ継ぎ作業などが簡便となる。ま
た、ケンスにスプリングを内蔵しないようにすれば、ケ
ンス自体のコストは一層小さくなり、また、スライバ収
容量を増加させることができ、ケンス交換周期を長くで
きる。更に本願発明では、ケンスの下側に清掃気流通過
空間を形成したので、機台前側から清掃気流を吹き出
し、後列ケンス列の背面側で吸引する形式の移動式クリ
ーナと組み合わせることで、機台下を効率よく清掃でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願片側式リング精紡機の斜視図である。
【図2】移動式クリーナを配置した片側式リング精紡機
の側面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】本願精紡機で使用するケンスが、コイラ装置上
に乗っている状態の平面図である。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】受皿を底側から見上げた図である。
【図7】本願精紡機の工場内配置を示す図である。
【図8】スライバ取り回し作業時の作業状態を示す側面
図である。
【図9】他の実施形態である。
【符号の説明】
5 ドラフト部 7 巻き取り部 8 精紡ポジション 10 ケンス載置棚 12 精紡機設置床面 13 清掃気流通過空間 14 ケンス 15 前側ケンス列 16 後側ケンス列 17 胴体部分 18 受皿 20a 突起部 20b 半円弧部 30 スライバ案内手段 34a 前列ガイドローラ(前側ガイド) 34b 後列ガイドローラ(後側ガイド) A,B コイリングスライバ列 S スライバ T 機台 P1、P2 スライバ収容領域

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機台前面側にドラフト部とこれに対応す
    る巻き取り部とを含む多数の精紡ポジションが配置さ
    れ、機台背面側には、前記各精紡ポジションのドラフト
    部へスライバを供給するための多数のケンスが配列さ
    れ、それらのケンスから供給されるスライバから精紡糸
    を紡出する片側式リング精紡機において、一対のスライ
    バ列を収容する多数のケンスを機台背面側に前後2列に
    配置し、ケンス列の上方に各ケンスからのスライバを案
    内するスライバ案内手段を設け、機台背面側に配置した
    ケンスの背部側から、各ケンスから引き出したスライバ
    をドラフト部へ取り回すことができるように、前記スラ
    イバ案内手段の高さ位置、ケンスのサイズを設定したこ
    とを特徴とする片側式リング精紡機。
  2. 【請求項2】 スライバ案内手段は、ドラフト部より高
    い位置の前側ガイドと、前側ガイドより低い位置にある
    後側ガイドとを備えていることを特徴とする請求項1記
    載の片側式リング精紡機。
  3. 【請求項3】 後側ガイドを、前後ケンス列の中間部上
    方に設け、前側ケンス列、後側ケンス列からのスライバ
    を後側ガイドを経て前側ガイドに案内して成る請求項2
    記載の片側式リング精紡機。
  4. 【請求項4】 各ケンスは、外形を形成する胴体部分の
    内側にスライバを受ける受皿を昇降可能に備えたケンス
    であって、胴体部分には隣り合うコイリングスライバ列
    の境界となる部分に、列方向に突出する突起部を対向し
    て設けて複数のスライバ収容領域を形成し、前記受皿
    は、前記複数のスライバ収容領域にまたがるように構成
    されているケンスであることを特徴とする請求項1〜3
    の何れかに記載の片側式リング精紡機。
  5. 【請求項5】 ケンスは、胴体部分自体の一部が列方向
    に対向する突起部に形成されていることを特徴とする請
    求項4記載の片側式リング精紡機。
  6. 【請求項6】 胴体部分の外形は、スライバ収容領域形
    状が列方向に沿って長円形となるように、列方向端部を
    コイリング形状と対応した半円弧部としたことを特徴と
    する請求項5に記載の片側式リング精紡機。
  7. 【請求項7】 スライバ案内手段は、前、後側ガイドと
    して、スライバの向きを変えるガイドローラを含むこと
    を特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の片側式リン
    グ精紡機。
  8. 【請求項8】 ケンスは、機台背面側において、精紡機
    設置床面から浮き上がった状態に配置されていることを
    特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の片側式リング
    精紡機。
  9. 【請求項9】 機台背面側には、精紡機設置床面との間
    に清掃気流通過空間を保ってケンス載置棚を設け、その
    ケンス載置棚上にケンスを載置して成る請求項8記載の
    何れかに記載の片側式リング精紡機。
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