JP2001267643A - 焦電型赤外線検知素子およびその製造方法 - Google Patents
焦電型赤外線検知素子およびその製造方法Info
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Landscapes
- Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】焦電体基板への電荷の蓄積を回避してポップコ
ーンノイズを低減し、大幅に検知信頼性を高めた焦電型
赤外線検知素子を提供する。 【解決手段】Z面を主要対向面に持つ単結晶タンタル酸
リチウム焦電体基板の表裏両面に導電パターンを対向さ
せて赤外線感受部を形成した焦電型赤外線検知素子にお
いて、前記基板表面近傍に高密度の結晶格子欠陥を形成
した。または、前記基板内全域に高密度の結晶格子欠陥
を形成した。結晶格子欠陥は、水素イオン、リチウムイ
オン、酸素イオン、タンタルイオン、ナトリウムイオン
またはカリウムイオンの注入により形成する。
ーンノイズを低減し、大幅に検知信頼性を高めた焦電型
赤外線検知素子を提供する。 【解決手段】Z面を主要対向面に持つ単結晶タンタル酸
リチウム焦電体基板の表裏両面に導電パターンを対向さ
せて赤外線感受部を形成した焦電型赤外線検知素子にお
いて、前記基板表面近傍に高密度の結晶格子欠陥を形成
した。または、前記基板内全域に高密度の結晶格子欠陥
を形成した。結晶格子欠陥は、水素イオン、リチウムイ
オン、酸素イオン、タンタルイオン、ナトリウムイオン
またはカリウムイオンの注入により形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱や温度の検知に
用いられる焦電型赤外線センサーに使用される焦電型赤
外線検知素子およびその製造方法に関するものである。
用いられる焦電型赤外線センサーに使用される焦電型赤
外線検知素子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱や温度の検知器として利用されている
焦電型赤外線検知素子は、通常焦電性を持つ強誘電体基
板(以下焦電体基板)に赤外線感受部となる対向導電膜
(コンデンサ)を形成することによって作製される。そ
の基本構造および回路記号を図5に示す。図5(a)
中、1は焦電体基板、1aおよび1bは、焦電体基板1
が最も大きい焦電係数を持つ方向(図中Pと表示)の鉛
直面(タンタル酸リチウム焦電体基板ならば、所謂Zカ
ット面)で、この面1aおよび1bに、蒸着、スパッタ
リング、スクリーン印刷等の手法によって表裏対向導電
膜2が形成され、かかる領域が赤外線感受部3として機
能する。面1a側は、導電膜2の形成面であると同時
に、赤外線(図中IRと表示)の入射面ともなってい
る。赤外線IRの入射による感受部3の温度上昇に応じ
た焦電体基板1の自発分極の変化分が導電膜2上に焦電
荷として出現し、引き出し線4などによって取り出され
る。また図5(b)は図5(a)の赤外線感受部3を回
路記号的に表したもので、矢印は図5(a)の焦電体基
板1が最も大きい焦電係数を持つ方向Pに対応してい
る。
焦電型赤外線検知素子は、通常焦電性を持つ強誘電体基
板(以下焦電体基板)に赤外線感受部となる対向導電膜
(コンデンサ)を形成することによって作製される。そ
の基本構造および回路記号を図5に示す。図5(a)
中、1は焦電体基板、1aおよび1bは、焦電体基板1
が最も大きい焦電係数を持つ方向(図中Pと表示)の鉛
直面(タンタル酸リチウム焦電体基板ならば、所謂Zカ
ット面)で、この面1aおよび1bに、蒸着、スパッタ
リング、スクリーン印刷等の手法によって表裏対向導電
膜2が形成され、かかる領域が赤外線感受部3として機
能する。面1a側は、導電膜2の形成面であると同時
に、赤外線(図中IRと表示)の入射面ともなってい
る。赤外線IRの入射による感受部3の温度上昇に応じ
た焦電体基板1の自発分極の変化分が導電膜2上に焦電
荷として出現し、引き出し線4などによって取り出され
る。また図5(b)は図5(a)の赤外線感受部3を回
路記号的に表したもので、矢印は図5(a)の焦電体基
板1が最も大きい焦電係数を持つ方向Pに対応してい
る。
【0003】焦電型赤外線検知素子に用いられる焦電体
基板1は、大きく単結晶基板とセラミック(焼結体)基
板に区分され、単結晶基板としてはタンタル酸リチウム
(LiTaO3 )やニオブ酸リチウム(LiNbO3 )
などが、セラミック基板としはチタン酸鉛(PbTiO
3 )やジルコニウム添加のチタン酸鉛(Pb(Zr,T
i)O3 )、ランタン添加のチタン酸鉛(Pb(La,
Ti)O3 )などが挙げられるが、いずれも強誘電体材
料であり、かつ、非常に大きいバルク抵抗率を持つ電気
絶縁体である。ゆえに焦電型赤外線検知素子から電気信
号を安定に取り出すには、例えば図6に示すような電界
効果型トランジスタ5および焦電型赤外線検知素子6と
並列に接続された高抵抗7からなるインピーダンス変換
回路などによる、インピーダンス変換によって出力イン
ピーダンスを低くする手法がとられる。一般に、焦電型
赤外線検知素子および前記インピーダンス変換回路(以
下外付け回路という)は、所望の波長の赤外線を透過す
るフィルター窓および赤外線検知信号が出力される端子
および前記インピーダンス変換回路への電力供給用端子
等を具備した金属ケース内に納められることで実用的な
形態となる。
基板1は、大きく単結晶基板とセラミック(焼結体)基
板に区分され、単結晶基板としてはタンタル酸リチウム
(LiTaO3 )やニオブ酸リチウム(LiNbO3 )
などが、セラミック基板としはチタン酸鉛(PbTiO
3 )やジルコニウム添加のチタン酸鉛(Pb(Zr,T
i)O3 )、ランタン添加のチタン酸鉛(Pb(La,
Ti)O3 )などが挙げられるが、いずれも強誘電体材
料であり、かつ、非常に大きいバルク抵抗率を持つ電気
絶縁体である。ゆえに焦電型赤外線検知素子から電気信
号を安定に取り出すには、例えば図6に示すような電界
効果型トランジスタ5および焦電型赤外線検知素子6と
並列に接続された高抵抗7からなるインピーダンス変換
回路などによる、インピーダンス変換によって出力イン
ピーダンスを低くする手法がとられる。一般に、焦電型
赤外線検知素子および前記インピーダンス変換回路(以
下外付け回路という)は、所望の波長の赤外線を透過す
るフィルター窓および赤外線検知信号が出力される端子
および前記インピーダンス変換回路への電力供給用端子
等を具備した金属ケース内に納められることで実用的な
形態となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した焦電型赤外線
検知素子、広くは焦電性を利用した素子には共通の課題
がある。それは、スパイクノイズあるいはポップコーン
ノイズなどと呼ばれる、環境温度変化等の急激な変化が
生じたときなどに突発的に発生するノイズ(以下ポップ
コーンノイズと言う)が存在することである。ポップコ
ーンノイズの発生機構は諸説提案されているが、共通し
ているのは、かかる素子上に高電圧が発生し、近傍の導
電膜2や外付け回路基板、またはこれらを収納する金属
ケースなどに放電してノイズとなるという点である。前
記高電圧は、主に環境温度変化等によって焦電体基板上
に発生する焦電性電荷の蓄積、同じく環境温度変化等に
よって生ずる素子実装応力の変化による圧電性電荷の蓄
積によって発生する。
検知素子、広くは焦電性を利用した素子には共通の課題
がある。それは、スパイクノイズあるいはポップコーン
ノイズなどと呼ばれる、環境温度変化等の急激な変化が
生じたときなどに突発的に発生するノイズ(以下ポップ
コーンノイズと言う)が存在することである。ポップコ
ーンノイズの発生機構は諸説提案されているが、共通し
ているのは、かかる素子上に高電圧が発生し、近傍の導
電膜2や外付け回路基板、またはこれらを収納する金属
ケースなどに放電してノイズとなるという点である。前
記高電圧は、主に環境温度変化等によって焦電体基板上
に発生する焦電性電荷の蓄積、同じく環境温度変化等に
よって生ずる素子実装応力の変化による圧電性電荷の蓄
積によって発生する。
【0005】以上を鑑みて為された本発明は、かかる電
荷の蓄積を回避してポップコーンノイズを低減し、大幅
に検知信頼性を高めた焦電型赤外線検知素子を提供する
ことを主たる目的とする。
荷の蓄積を回避してポップコーンノイズを低減し、大幅
に検知信頼性を高めた焦電型赤外線検知素子を提供する
ことを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明は、Z面を主要対向面に
持つ単結晶タンタル酸リチウム焦電体基板の表裏両面に
導電パターンを対向させて赤外線感受部を形成した焦電
型赤外線検知素子において、前記基板表面近傍に高密度
の結晶格子欠陥を形成したことを特徴とするものであ
る。
ために、請求項1に記載の発明は、Z面を主要対向面に
持つ単結晶タンタル酸リチウム焦電体基板の表裏両面に
導電パターンを対向させて赤外線感受部を形成した焦電
型赤外線検知素子において、前記基板表面近傍に高密度
の結晶格子欠陥を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0007】請求項2に記載の発明は、Z面を主要対向
面に持つ単結晶タンタル酸リチウム焦電体基板の表裏両
面に導電パターンを対向させて赤外線感受部を形成した
焦電型赤外線検知素子において、前記基板内全域に高密
度の結晶格子欠陥を形成したことを特徴とするものであ
る。
面に持つ単結晶タンタル酸リチウム焦電体基板の表裏両
面に導電パターンを対向させて赤外線感受部を形成した
焦電型赤外線検知素子において、前記基板内全域に高密
度の結晶格子欠陥を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の焦電型赤外線検知素子において、高密度の結晶格子欠
陥を形成される領域が、最表面から100nm以内の深
さであることを特徴とするものである。
の焦電型赤外線検知素子において、高密度の結晶格子欠
陥を形成される領域が、最表面から100nm以内の深
さであることを特徴とするものである。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方
法において、水素イオン注入の工程を有することを特徴
とするものである。
のいずれかに記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方
法において、水素イオン注入の工程を有することを特徴
とするものである。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項1または
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、リチウムイオンまたは酸素イオンまたはタンタルイ
オンのうち少なくとも一つのイオン注入の工程を有する
ことを特徴とするものである。
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、リチウムイオンまたは酸素イオンまたはタンタルイ
オンのうち少なくとも一つのイオン注入の工程を有する
ことを特徴とするものである。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項1または
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンのうち少な
くとも一方のイオン注入の工程を有することを特徴とす
るものである。
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンのうち少な
くとも一方のイオン注入の工程を有することを特徴とす
るものである。
【0012】請求項7に記載の発明は、請求項1または
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、水素イオン注入の工程を有し、水素イオンの注入条
件が、加速エネルギー12KeV以下、ドーズ量1.3
×1015cm-2以下であることを特徴とするものであ
る。
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、水素イオン注入の工程を有し、水素イオンの注入条
件が、加速エネルギー12KeV以下、ドーズ量1.3
×1015cm-2以下であることを特徴とするものであ
る。
【0013】請求項8に記載の発明は、請求項2に記載
の焦電型赤外線検知素子を製造する方法において、前記
焦電体基板の厚さが100μm以下であり、水素イオン
注入の工程を有し、かつ、水素イオンの注入条件が、加
速エネルギー5MeV以上、ドーズ量4×1022cm-2
以下であることを特徴とするものである。
の焦電型赤外線検知素子を製造する方法において、前記
焦電体基板の厚さが100μm以下であり、水素イオン
注入の工程を有し、かつ、水素イオンの注入条件が、加
速エネルギー5MeV以上、ドーズ量4×1022cm-2
以下であることを特徴とするものである。
【0014】請求項9に記載の発明は、請求項1または
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、リチウムイオン注入の工程を有し、リチウムイオン
の注入条件が、加速エネルギー26KeV以下、ドーズ
量6.5×1013cm-2以下であることを特徴とするも
のである。
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、リチウムイオン注入の工程を有し、リチウムイオン
の注入条件が、加速エネルギー26KeV以下、ドーズ
量6.5×1013cm-2以下であることを特徴とするも
のである。
【0015】請求項10に記載の発明は、請求項1また
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、酸素イオン注入の工程を有し、酸素イオンの注入
条件が、加速エネルギー73KeV以下、ドーズ量1.
5×1013cm-2以下であることを特徴とするものであ
る。
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、酸素イオン注入の工程を有し、酸素イオンの注入
条件が、加速エネルギー73KeV以下、ドーズ量1.
5×1013cm-2以下であることを特徴とするものであ
る。
【0016】請求項11に記載の発明は、請求項1また
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、ナトリウムイオン注入の工程を有し、ナトリウム
イオンの注入条件が、加速エネルギー80KeV以下、
ドーズ量9×1012cm-2以下であることを特徴とする
ものである。
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、ナトリウムイオン注入の工程を有し、ナトリウム
イオンの注入条件が、加速エネルギー80KeV以下、
ドーズ量9×1012cm-2以下であることを特徴とする
ものである。
【0017】請求項12に記載の発明は、請求項1また
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、カリウムイオン注入の工程を有し、カリウムイオ
ンの注入条件が、加速エネルギー180KeV以下、ド
ーズ量5×1012cm-2以下であることを特徴とするも
のである。
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、カリウムイオン注入の工程を有し、カリウムイオ
ンの注入条件が、加速エネルギー180KeV以下、ド
ーズ量5×1012cm-2以下であることを特徴とするも
のである。
【0018】請求項13に記載の発明は、請求項1また
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、タンタルイオン注入の工程を有し、タンタルイオ
ンの注入条件が、加速エネルギー680KeV以下、ド
ーズ量1×1012cm-2以下であることを特徴とするも
のである。
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、タンタルイオン注入の工程を有し、タンタルイオ
ンの注入条件が、加速エネルギー680KeV以下、ド
ーズ量1×1012cm-2以下であることを特徴とするも
のである。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態を示す
もので、図1(a)はタンタル酸リチウム焦電体基板1
の表裏にリチウムイオンを請求項9に示す条件でイオン
注入した焦電型赤外線検知素子の断面構造を示し、図1
(b)は表面近傍の拡大断面図を示す。本実施例におい
ては、リチウムイオンの加速エネルギーは10KeV、
ドーズ量6×1013cm-2(室温)でイオン注入を行っ
たものである。この時のイオン注入深さ(リチウム濃度
ピーク位置)は約40nm(図1(b)中Rp)で、お
よそその25nm両側にリチウムは分布している(図1
(b)中領域A)。このイオン注入によって生成された
格子欠陥(空格子)は、基板1の表面からイオン注入深
さ(約40nm)にまで分布し(図1(b)中領域
B)、その密度は約1原子%であった。イオン注入は基
板1の表裏面1aおよび1bに対して行われているの
で、かかる表裏面に約40nmの導電層8が形成され、
前述した焦電荷の蓄積を回避でき、ポップコーンノイズ
発生頻度の大幅な低減を達成している。
もので、図1(a)はタンタル酸リチウム焦電体基板1
の表裏にリチウムイオンを請求項9に示す条件でイオン
注入した焦電型赤外線検知素子の断面構造を示し、図1
(b)は表面近傍の拡大断面図を示す。本実施例におい
ては、リチウムイオンの加速エネルギーは10KeV、
ドーズ量6×1013cm-2(室温)でイオン注入を行っ
たものである。この時のイオン注入深さ(リチウム濃度
ピーク位置)は約40nm(図1(b)中Rp)で、お
よそその25nm両側にリチウムは分布している(図1
(b)中領域A)。このイオン注入によって生成された
格子欠陥(空格子)は、基板1の表面からイオン注入深
さ(約40nm)にまで分布し(図1(b)中領域
B)、その密度は約1原子%であった。イオン注入は基
板1の表裏面1aおよび1bに対して行われているの
で、かかる表裏面に約40nmの導電層8が形成され、
前述した焦電荷の蓄積を回避でき、ポップコーンノイズ
発生頻度の大幅な低減を達成している。
【0020】図2もまた本発明の一実施形態を示すもの
で、厚さが50μmのタンタル酸リチウム焦電体基板1
に、請求項8に示す条件で、水素イオンを注入した焦電
型赤外線検知素子の断面構造を示すものである。本実施
例においては、水素イオンの加速エネルギーは5Me
V、ドーズ量は2×1022cm-2(室温)でイオン注入
を行ったものである。本加速エネルギーのもとでは、水
素イオンは厚さが50μmのタンタル酸リチウム焦電体
基板1を貫通するため、基板内全域に結晶格子欠陥(空
格子)を形成することができる。このため、図2におい
ては、基板1内全域が導電率を高めた領域8と一致して
いる。以上の通り、焦電体基板内全域で導電率が高めら
れているので、前述した焦電荷の蓄積を回避でき、ポッ
プコーンノイズ発生頻度の大幅な低減を達成している。
で、厚さが50μmのタンタル酸リチウム焦電体基板1
に、請求項8に示す条件で、水素イオンを注入した焦電
型赤外線検知素子の断面構造を示すものである。本実施
例においては、水素イオンの加速エネルギーは5Me
V、ドーズ量は2×1022cm-2(室温)でイオン注入
を行ったものである。本加速エネルギーのもとでは、水
素イオンは厚さが50μmのタンタル酸リチウム焦電体
基板1を貫通するため、基板内全域に結晶格子欠陥(空
格子)を形成することができる。このため、図2におい
ては、基板1内全域が導電率を高めた領域8と一致して
いる。以上の通り、焦電体基板内全域で導電率が高めら
れているので、前述した焦電荷の蓄積を回避でき、ポッ
プコーンノイズ発生頻度の大幅な低減を達成している。
【0021】図3は本発明の各請求項において記載のあ
るイオン種について、加速エネルギーと、注入深さ(分
布ピーク深さ)の関係を示したものである。本図よりそ
れぞれのイオン種について、深さが100nm以内とな
る加速エネルギーが読みとれる。例えば水素イオンであ
れば12KeV以下、リチウムイオンであれば26Ke
Vなどである。当然質量数が大きい元素ほど、同じ加速
エネルギーならば、注入深さは浅くなっている。
るイオン種について、加速エネルギーと、注入深さ(分
布ピーク深さ)の関係を示したものである。本図よりそ
れぞれのイオン種について、深さが100nm以内とな
る加速エネルギーが読みとれる。例えば水素イオンであ
れば12KeV以下、リチウムイオンであれば26Ke
Vなどである。当然質量数が大きい元素ほど、同じ加速
エネルギーならば、注入深さは浅くなっている。
【0022】図4は本発明の各請求項において記載のあ
るイオン種について、加速エネルギーと、同密度(1原
子%)の格子欠陥を形成するためのドーズ量の関係を示
したものである。図3より読みとった加速エネルギーを
この図に適用すると、その時に必要なドーズ量が読みと
れ、より低密度(即ち導電率上昇率が低い)の格子欠陥
を形成するときには、そのドーズ量以下で注入を行う。
例えば水素イオンであれば12KeVの加速エネルギー
で注入するときは、1.3×1015cm-2のドーズ量の
時に、リチウムイオンであれば26KeVの加速エネル
ギーで注入するときは、6.5×1013cm-2のドーズ
量の時に、1原子%の格子欠陥を形成することができ
る。イオン種の質量数依存性は認められ、軽イオンほ
ど、加速エネルギーの増大とともに、ドーズ量は増大で
きるが、重イオンになると逆の傾向が認められる。カリ
ウムイオンでは、ほぼ加速エネルギーに依存せず一定の
ドーズ量(5×1012cm-2)で一定の格子欠陥層(も
ちろん層厚は加速エネルギーに依存するが)を形成する
ことができる。
るイオン種について、加速エネルギーと、同密度(1原
子%)の格子欠陥を形成するためのドーズ量の関係を示
したものである。図3より読みとった加速エネルギーを
この図に適用すると、その時に必要なドーズ量が読みと
れ、より低密度(即ち導電率上昇率が低い)の格子欠陥
を形成するときには、そのドーズ量以下で注入を行う。
例えば水素イオンであれば12KeVの加速エネルギー
で注入するときは、1.3×1015cm-2のドーズ量の
時に、リチウムイオンであれば26KeVの加速エネル
ギーで注入するときは、6.5×1013cm-2のドーズ
量の時に、1原子%の格子欠陥を形成することができ
る。イオン種の質量数依存性は認められ、軽イオンほ
ど、加速エネルギーの増大とともに、ドーズ量は増大で
きるが、重イオンになると逆の傾向が認められる。カリ
ウムイオンでは、ほぼ加速エネルギーに依存せず一定の
ドーズ量(5×1012cm-2)で一定の格子欠陥層(も
ちろん層厚は加速エネルギーに依存するが)を形成する
ことができる。
【0023】以上、図3および図4に示すイオン種にお
いても、焦電体基板表面に格子欠陥による導電層が形成
されており、ポップコーンノイズの低減に大きな効果が
認められている。
いても、焦電体基板表面に格子欠陥による導電層が形成
されており、ポップコーンノイズの低減に大きな効果が
認められている。
【0024】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、Z面を主要対
向面に持つ単結晶タンタル酸リチウム焦電体基板の表裏
両面に導電パターンを対向させて赤外線感受部を形成し
た焦電型赤外線検知素子において、前記基板表面近傍に
高密度の結晶格子欠陥を形成したことを特徴とする焦電
型赤外線検知素子であるから、前記格子欠陥が存在する
表面近傍は、前記格子欠陥が作る局在準位の作用によっ
て導電度が増大、即ち抵抗値が低下し、前述した環境温
度変化等によって焦電体基板上に発生した電荷を、抵抗
値が低下した焦電体基板表面を通じて再結合・消滅させ
ることができ、よって高電圧の発生に至る電荷蓄積に至
らないため、ポップコーンノイズの発生が抑制される。
向面に持つ単結晶タンタル酸リチウム焦電体基板の表裏
両面に導電パターンを対向させて赤外線感受部を形成し
た焦電型赤外線検知素子において、前記基板表面近傍に
高密度の結晶格子欠陥を形成したことを特徴とする焦電
型赤外線検知素子であるから、前記格子欠陥が存在する
表面近傍は、前記格子欠陥が作る局在準位の作用によっ
て導電度が増大、即ち抵抗値が低下し、前述した環境温
度変化等によって焦電体基板上に発生した電荷を、抵抗
値が低下した焦電体基板表面を通じて再結合・消滅させ
ることができ、よって高電圧の発生に至る電荷蓄積に至
らないため、ポップコーンノイズの発生が抑制される。
【0025】請求項2に記載の発明は、Z面を主要対向
面に持つ単結晶タンタル酸リチウム焦電体基板の表裏両
面に導電パターンを対向させて赤外線感受部を形成した
焦電型赤外線検知素子において、前記基板内全域に高密
度の結晶格子欠陥を形成したことを特徴とする焦電型赤
外線検知素子であるから、前記格子欠陥が全域に存在す
る基板は、前記格子欠陥が作る局在準位の作用によって
導電度が増大、即ち抵抗値が低下し、請求項1の発明と
同様、前述した環境温度変化等によって焦電体基板上に
発生した電荷を、抵抗値が低下した焦電体基板内を通じ
て再結合・消滅させることができ、よって高電圧の発生
に至る電荷蓄積に至らないため、ポップコーンノイズの
発生が抑制される。
面に持つ単結晶タンタル酸リチウム焦電体基板の表裏両
面に導電パターンを対向させて赤外線感受部を形成した
焦電型赤外線検知素子において、前記基板内全域に高密
度の結晶格子欠陥を形成したことを特徴とする焦電型赤
外線検知素子であるから、前記格子欠陥が全域に存在す
る基板は、前記格子欠陥が作る局在準位の作用によって
導電度が増大、即ち抵抗値が低下し、請求項1の発明と
同様、前述した環境温度変化等によって焦電体基板上に
発生した電荷を、抵抗値が低下した焦電体基板内を通じ
て再結合・消滅させることができ、よって高電圧の発生
に至る電荷蓄積に至らないため、ポップコーンノイズの
発生が抑制される。
【0026】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の焦電型赤外線検知素子において、高密度の結晶格子欠
陥を形成される領域が、最表面から100nm以内の深
さであることを特徴とするものであるから、焦電体基板
または焦電型赤外線検知素子の表面のみに導電率の高い
層を設けることができるだけでなく、後述するイオン注
入法によって効率の良い製造を可能にすることができ
る。
の焦電型赤外線検知素子において、高密度の結晶格子欠
陥を形成される領域が、最表面から100nm以内の深
さであることを特徴とするものであるから、焦電体基板
または焦電型赤外線検知素子の表面のみに導電率の高い
層を設けることができるだけでなく、後述するイオン注
入法によって効率の良い製造を可能にすることができ
る。
【0027】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方
法において、水素イオン注入の工程を有することを特徴
とするものであるから、低エネルギーイオン注入によっ
て前記基板表面近傍に、また、高エネルギーイオン注入
によって基板内全域に高密度の結晶格子欠陥を非常に制
御性良く形成することができる。
のいずれかに記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方
法において、水素イオン注入の工程を有することを特徴
とするものであるから、低エネルギーイオン注入によっ
て前記基板表面近傍に、また、高エネルギーイオン注入
によって基板内全域に高密度の結晶格子欠陥を非常に制
御性良く形成することができる。
【0028】請求項5に記載の発明は、請求項1または
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、リチウムイオンまたは酸素イオンまたはタンタルイ
オンのうち少なくとも一つのイオン注入の工程を有する
ことを特徴とするものであるから、タンタル酸リチウム
焦電体基板の構成元素と同一のイオン種であるため、注
入元素種に起因する二次的効果がなく、かつ、前記基板
表面近傍のみに高密度の結晶格子欠陥を非常に制御性良
く形成することができる。
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、リチウムイオンまたは酸素イオンまたはタンタルイ
オンのうち少なくとも一つのイオン注入の工程を有する
ことを特徴とするものであるから、タンタル酸リチウム
焦電体基板の構成元素と同一のイオン種であるため、注
入元素種に起因する二次的効果がなく、かつ、前記基板
表面近傍のみに高密度の結晶格子欠陥を非常に制御性良
く形成することができる。
【0029】請求項6に記載の発明は、請求項1または
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンのうち少な
くとも一方のイオン注入の工程を有することを特徴とす
るものであるから、タンタル酸リチウム焦電体基板の構
成元素の一つであるリチウムと同族のアルカリ金属種で
あるため、注入元素種に起因する二次的効果が少なく、
かつ、前記基板表面近傍のみに高密度の結晶格子欠陥を
非常に制御性良く形成することができる。
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンのうち少な
くとも一方のイオン注入の工程を有することを特徴とす
るものであるから、タンタル酸リチウム焦電体基板の構
成元素の一つであるリチウムと同族のアルカリ金属種で
あるため、注入元素種に起因する二次的効果が少なく、
かつ、前記基板表面近傍のみに高密度の結晶格子欠陥を
非常に制御性良く形成することができる。
【0030】請求項7に記載の発明は、請求項1または
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、水素イオン注入の工程を有し、水素イオンの注入条
件が、加速エネルギー12KeV以下、ドーズ量1.3
×1015cm-2以下であるから、前記基板表面近傍に適
度な低抵抗層を形成することができる。
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、水素イオン注入の工程を有し、水素イオンの注入条
件が、加速エネルギー12KeV以下、ドーズ量1.3
×1015cm-2以下であるから、前記基板表面近傍に適
度な低抵抗層を形成することができる。
【0031】請求項8に記載の発明は、請求項2に記載
の焦電型赤外線検知素子を製造する方法において、前記
焦電体基板の厚さが100μm以下であり、水素イオン
注入の工程を有し、かつ、水素イオンの注入条件が、加
速エネルギー5MeV以上、ドーズ量4×1022cm-2
以下であるから、前記基板表面内全域に適度な低抵抗層
を形成することができる。
の焦電型赤外線検知素子を製造する方法において、前記
焦電体基板の厚さが100μm以下であり、水素イオン
注入の工程を有し、かつ、水素イオンの注入条件が、加
速エネルギー5MeV以上、ドーズ量4×1022cm-2
以下であるから、前記基板表面内全域に適度な低抵抗層
を形成することができる。
【0032】請求項9に記載の発明は、請求項1または
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、リチウムイオン注入の工程を有し、リチウムイオン
の注入条件が、加速エネルギー26KeV以下、ドーズ
量6.5×1013cm-2以下であるから、前記基板表面
近傍に適度な低抵抗層を形成することができる。
3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法におい
て、リチウムイオン注入の工程を有し、リチウムイオン
の注入条件が、加速エネルギー26KeV以下、ドーズ
量6.5×1013cm-2以下であるから、前記基板表面
近傍に適度な低抵抗層を形成することができる。
【0033】請求項10に記載の発明は、請求項1また
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、酸素イオン注入の工程を有し、酸素イオンの注入
条件が、加速エネルギー73KeV以下、ドーズ量1.
5×1013cm-2以下であるから、前記基板表面近傍に
適度な低抵抗層を形成することができる。
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、酸素イオン注入の工程を有し、酸素イオンの注入
条件が、加速エネルギー73KeV以下、ドーズ量1.
5×1013cm-2以下であるから、前記基板表面近傍に
適度な低抵抗層を形成することができる。
【0034】請求項11に記載の発明は、請求項1また
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、ナトリウムイオン注入の工程を有し、ナトリウム
イオンの注入条件が、加速エネルギー80KeV以下、
ドーズ量9×1012cm-2以下であるから、前記基板表
面近傍に適度な低抵抗層を形成することができる。
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、ナトリウムイオン注入の工程を有し、ナトリウム
イオンの注入条件が、加速エネルギー80KeV以下、
ドーズ量9×1012cm-2以下であるから、前記基板表
面近傍に適度な低抵抗層を形成することができる。
【0035】請求項12に記載の発明は、請求項1また
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、カリウムイオン注入の工程を有し、カリウムイオ
ンの注入条件が、加速エネルギー180KeV以下、ド
ーズ量5×1012cm-2以下であるから、前記基板表面
近傍に適度な低抵抗層を形成することができる。
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、カリウムイオン注入の工程を有し、カリウムイオ
ンの注入条件が、加速エネルギー180KeV以下、ド
ーズ量5×1012cm-2以下であるから、前記基板表面
近傍に適度な低抵抗層を形成することができる。
【0036】請求項13に記載の発明は、請求項1また
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、タンタルイオン注入の工程を有し、タンタルイオ
ンの注入条件が、加速エネルギー680KeV以下、ド
ーズ量1×1012cm-2以下であるから、前記基板表面
近傍に適度な低抵抗層を形成することができる。
は3に記載の焦電型赤外線検知素子を製造する方法にお
いて、タンタルイオン注入の工程を有し、タンタルイオ
ンの注入条件が、加速エネルギー680KeV以下、ド
ーズ量1×1012cm-2以下であるから、前記基板表面
近傍に適度な低抵抗層を形成することができる。
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図であり、
(a)はタンタル酸リチウム焦電体基板の表裏にリチウ
ムイオンを請求項9に示す条件でイオン注入した焦電型
赤外線検知素子の断面構造を示す図、(b)はその表面
近傍の拡大断面図である。
(a)はタンタル酸リチウム焦電体基板の表裏にリチウ
ムイオンを請求項9に示す条件でイオン注入した焦電型
赤外線検知素子の断面構造を示す図、(b)はその表面
近傍の拡大断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す断面図であり、タ
ンタル酸リチウム焦電体基板に請求項8に示す条件で水
素イオンを注入した焦電型赤外線検知素子の断面構造を
示す断面図である。
ンタル酸リチウム焦電体基板に請求項8に示す条件で水
素イオンを注入した焦電型赤外線検知素子の断面構造を
示す断面図である。
【図3】本発明の各請求項において記載のあるイオン種
について、加速エネルギーと、注入深さの関係を示す特
性図である。
について、加速エネルギーと、注入深さの関係を示す特
性図である。
【図4】本発明の各請求項において記載のあるイオン種
について、加速エネルギーと、同密度の格子欠陥を形成
するためのドーズ量の関係を示す特性図である。
について、加速エネルギーと、同密度の格子欠陥を形成
するためのドーズ量の関係を示す特性図である。
【図5】焦電型赤外線検出素子の原理的構造を示す図で
あり、(a)は断面図、(b)は回路記号を示す図であ
る。
あり、(a)は断面図、(b)は回路記号を示す図であ
る。
【図6】電界効果型トランジスタおよび高抵抗からなる
インピーダンス変換回路の一例を示す回路図である。
インピーダンス変換回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】 1 焦電体基板 2 導電膜 3 赤外線感受部 8 格子欠陥が形成された領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井狩 素生 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 高田 裕司 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 谷口 良 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内
Claims (13)
- 【請求項1】 Z面を主要対向面に持つ単結晶タンタ
ル酸リチウム焦電体基板の表裏両面に導電パターンを対
向させて赤外線感受部を形成した焦電型赤外線検知素子
において、前記基板表面近傍に高密度の結晶格子欠陥を
形成したことを特徴とする焦電型赤外線検知素子。 - 【請求項2】 Z面を主要対向面に持つ単結晶タンタ
ル酸リチウム焦電体基板の表裏両面に導電パターンを対
向させて赤外線感受部を形成した焦電型赤外線検知素子
において、前記基板内全域に高密度の結晶格子欠陥を形
成したことを特徴とする焦電型赤外線検知素子。 - 【請求項3】 請求項1に記載の焦電型赤外線検知素
子において、高密度の結晶格子欠陥を形成される領域
が、最表面から100nm以内の深さであることを特徴
とする焦電型赤外線検出素子。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の焦
電型赤外線検知素子を製造する方法において、水素イオ
ン注入の工程を有することを特徴とする焦電型赤外線検
知素子の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1または3に記載の焦電型赤外
線検知素子を製造する方法において、リチウムイオンま
たは酸素イオンまたはタンタルイオンのうち少なくとも
一つのイオン注入の工程を有することを特徴とする焦電
型赤外線検知素子の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1または3に記載の焦電型赤外
線検知素子を製造する方法において、ナトリウムイオン
またはカリウムイオンのうち少なくとも一方のイオン注
入の工程を有することを特徴とする焦電型赤外線検知素
子の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1または3に記載の焦電型赤外
線検知素子を製造する方法において、水素イオン注入の
工程を有し、水素イオンの注入条件が、加速エネルギー
12KeV以下、ドーズ量1.3×1015cm-2以下で
あることを特徴とする焦電型赤外線検知素子の製造方
法。 - 【請求項8】 請求項1または2に記載の焦電型赤外
線検知素子を製造する方法において、水素イオン注入の
工程を有し、前記焦電体基板の厚さが100μm以下で
あり、かつ、水素イオンの注入条件が、加速エネルギー
5MeV以上、ドーズ量4×1022cm-2以下の範囲で
あることを特徴とする焦電型赤外線検知素子の製造方
法。 - 【請求項9】 請求項1または3に記載の焦電型赤外
線検知素子を製造する方法において、リチウムイオン注
入の工程を有し、リチウムイオンの注入条件が、加速エ
ネルギー26KeV以下、ドーズ量6.5×1013cm
-2以下であることを特徴とする焦電型赤外線検知素子の
製造方法。 - 【請求項10】 請求項1または3に記載の焦電型赤
外線検知素子を製造する方法において、酸素イオン注入
の工程を有し、酸素イオンの注入条件が、加速エネルギ
ー73KeV以下、ドーズ量1.5×1013cm-2以下
であることを特徴とする焦電型赤外線検知素子の製造方
法。 - 【請求項11】 請求項1または3に記載の焦電型赤
外線検知素子を製造する方法において、ナトリウムイオ
ン注入の工程を有し、ナトリウムイオンの注入条件が、
加速エネルギー80KeV以下、ドーズ量9×1012c
m-2以下であることを特徴とする焦電型赤外線検知素子
の製造方法。 - 【請求項12】 請求項1または3に記載の焦電型赤
外線検知素子を製造する方法において、カリウムイオン
注入の工程を有し、カリウムイオンの注入条件が、加速
エネルギー180KeV以下、ドーズ量5×1012cm
-2以下であることを特徴とする焦電型赤外線検知素子の
製造方法。 - 【請求項13】 請求項1または3に記載の焦電型赤
外線検知素子を製造する方法において、タンタルイオン
注入の工程を有し、タンタルイオンの注入条件が、加速
エネルギー680KeV以下、ドーズ量1×1012cm
-2以下であることを特徴とする焦電型赤外線検知素子の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000078751A JP2001267643A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | 焦電型赤外線検知素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000078751A JP2001267643A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | 焦電型赤外線検知素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001267643A true JP2001267643A (ja) | 2001-09-28 |
Family
ID=18596119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000078751A Pending JP2001267643A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | 焦電型赤外線検知素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001267643A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100414276C (zh) * | 2005-09-12 | 2008-08-27 | 电子科技大学 | 单元热释电红外探测器件及其制备方法 |
US8653789B2 (en) | 2009-10-28 | 2014-02-18 | Superior Communications, Inc. | Method and apparatus for recharging batteries in a more efficient manner |
CN104465851A (zh) * | 2014-11-28 | 2015-03-25 | 电子科技大学 | 一种热释电红外探测器敏感单元及其制造方法 |
-
2000
- 2000-03-21 JP JP2000078751A patent/JP2001267643A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100414276C (zh) * | 2005-09-12 | 2008-08-27 | 电子科技大学 | 单元热释电红外探测器件及其制备方法 |
US8653789B2 (en) | 2009-10-28 | 2014-02-18 | Superior Communications, Inc. | Method and apparatus for recharging batteries in a more efficient manner |
US8836282B2 (en) | 2009-10-28 | 2014-09-16 | Superior Communications, Inc. | Method and apparatus for recharging batteries in a more efficient manner |
CN104465851A (zh) * | 2014-11-28 | 2015-03-25 | 电子科技大学 | 一种热释电红外探测器敏感单元及其制造方法 |
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