JP2001266176A - 画像処理装置および画像処理方法、並びに記録媒体 - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法、並びに記録媒体

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JP2001266176A
JP2001266176A JP2001001919A JP2001001919A JP2001266176A JP 2001266176 A JP2001266176 A JP 2001266176A JP 2001001919 A JP2001001919 A JP 2001001919A JP 2001001919 A JP2001001919 A JP 2001001919A JP 2001266176 A JP2001266176 A JP 2001266176A
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JP2001001919A
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Kyoko Nakamura
恭子 中村
Mitsuharu Oki
光晴 大木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然な展開画像を得て、容易に、編集を行う
ことができるようにする。 【解決手段】 注目面#1の展開画像としての正方形の
左辺上の点a(−1/2,ye)に対応する投影画像上
の点として、点A(xp,yp)が求められるとともに、
点aに一致する、面#2の展開画像としての正方形の右
辺上の点b(1/2,ye)に対応する投影画像上の点
として、点B(xp’,yp’)が求められる。そして、
点A(xp,yp)と点B(xp’,yp’)との平均値
((xp+xp’)/2,(yp+yp’)/2)が求めら
れ、この平均値で表される投影画像上の点Cが、注目面
#1の展開画像としての正方形の左辺上の点a(−1/
2,y e)に対応する投影画像上の点として、新たに対
応付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置およ
び画像処理方法、並びに記録媒体に関し、特に、例え
ば、2次元画像に表示された3次元物体に対して、容易
に、3次元的な編集等を施すことができるようにする画
像処理装置および画像処理方法、並びに記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、デザイナなどが、絵
筆やエアブラシ(絵の具を粉末状にして紙に飛ばして絵
を描く技術)を用いて、紙に絵を描くのと同様の作業を
コンピュータに行わせる、2D(2次元)ペイントと呼
ばれる画像処理技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
2Dペイントでは、画像に3次元物体が表示されている
場合でも、画像自体が2次元の平面で取り扱われるた
め、そのような2次元画像に表示された3次元物体の3
次元空間における向き等を考慮せずに、文字を描画した
り、また、図形を追加すると、画像が不自然なものとな
る。
【0004】即ち、例えば、図1(A)に示すような、
家屋を模した3次元物体が、2次元画像に表示されてい
る場合において、家屋の壁の部分に、その向きを考慮せ
ずに、文字を描いたときには、図1(B)に示すよう
に、文字は、壁に描かれているようにはならない。ま
た、家屋の壁の部分に、直方体形状の部屋を追加しよう
として、長方形を描いても、その向きを考慮せずに、長
方形を描いたのでは、図1(C)に示すように、画像は
不自然なものとなる。さらに、例えば、図2(A)に示
すように、円柱が、2次元画像に表示されている場合に
おいて、その側面に文字を描いても、その側面の向きを
無視したのでは、図2(B)に示すように、文字は、円
柱の側面に描かれているようにはならない。
【0005】従って、2Dペイントを行う場合におい
て、画像を不自然なものとしないようにするには、2次
元画像に表示された3次元物体の向きにあわせて、文字
や図形を変形しながら、その描画を行う必要があるが、
そのような描画のための操作を行うには、ある程度の熟
練を要する。
【0006】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
た物であり、2次元画像に対して、容易に、3次元的な
編集等を施すことができるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、2次元画像の中の3次元物体を構成する面の投影画
像と、その面の展開画像との対応関係を規定する変換式
を算出する算出手段と、変換式によって規定される対応
関係を補正し、その補正結果である新対応関係を出力す
る補正手段とを備えることを特徴とする。
【0008】この画像処理装置には、新対応関係に基づ
いて、3次元物体を構成する複数の面それぞれの投影画
像を、複数の面それぞれの展開画像に変換する投影画像
変換手段と、複数の面それぞれの展開画像を、その複数
の面それぞれの接続関係にしたがって接続した接続画像
を作成する接続手段とをさらに設けることができる。
【0009】補正手段には、展開画像において隣接する
第1の面と第2の面とが共有する辺上の各点が、投影画
像上の同一の点に対応するように、対応関係を補正させ
ることができる。
【0010】また、補正手段には、展開画像において隣
接する第1の面と第2の面とが共有する辺上の点が、そ
の点を第1の面についての変換式に基づいて変換した投
影画像上の第1の点と、第2の面についての変換式に基
づいて変換した投影画像上の第2の点との平均値で表さ
れる点に対応するように、対応関係を補正させることが
できる。
【0011】本発明の画像処理装置には、接続画像を加
工する加工手段と、新対応関係に基づいて、加工後の接
続画像を構成する複数の面それぞれの展開画像を、その
複数の面それぞれの投影画像に変換する展開画像変換手
段とをさらに設けることができる。
【0012】算出手段には、3次元物体を構成する面の
形状に関する形状情報と、その面の投影画像上の特徴点
とに基づいて、その面についての変換式を算出させるこ
とができる。
【0013】また、算出手段には、展開画像を、3次元
空間上の3次元物体を構成する面に写像する関数をψ
と、その3次元物体を、スクリーンに投影し、2次元画
像とする関数をMと、それぞれするとき、変換式とし
て、関数Mψまたはその逆関数を算出させることができ
る。
【0014】本発明の画像処理方法は、2次元画像の中
の3次元物体を構成する面の投影画像と、その面の展開
画像との対応関係を規定する変換式を算出する算出ステ
ップと、変換式によって規定される対応関係を補正し、
その補正結果である新対応関係を出力する補正ステップ
とを備えることを特徴とする。
【0015】本発明の記録媒体は、2次元画像の中の3
次元物体を構成する面の投影画像と、その面の展開画像
との対応関係を規定する変換式を算出する算出ステップ
と、変換式によって規定される対応関係を補正し、その
補正結果である新対応関係を出力する補正ステップとを
備えるプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0016】本発明の画像処理装置および画像処理方
法、並びに記録媒体においては、2次元画像の中の3次
元物体を構成する面の投影画像と、その面の展開画像と
の対応関係を規定する変換式が算出される。そして、そ
の変換式によって規定される対応関係が補正され、その
補正結果である新対応関係が出力される。
【0017】
【発明の実施の形態】図3は、本発明を適用した画像処
理装置の一実施の形態の構成例を示している。この画像
処理装置は、コンピュータをベースに構成されており、
2次元画像に対して、容易に、3次元的な編集等を施す
ことができるようになっている。
【0018】即ち、演算処理回路1は、例えば、CPU
(Central Processing Unit)などで構成され、プログ
ラムメモリ2に記憶(ロード)されたOS(Operating
System)の制御の下、同じくプログラムメモリ2に記憶
されたアプリケーションプログラムを実行することで、
2次元画像に対して、後述するような各種の処理を施す
ようになっている。プログラムメモリ2は、例えば、R
AM(Random AccessMemory)などでなり、外部記憶装
置7に記憶(記録)されているOSやアプリケーション
プログラムを一時記憶するようになっている。データメ
モリ3は、例えば、RAMなどでなり、演算処理回路1
の処理上必要なデータを一時記憶するようになってい
る。フレームメモリ4は、例えば、RAMなどでなり、
画像表示装置5に表示させる画像データを記憶するよう
になっている。画像表示装置5は、例えば、CRT(Ca
thode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどでなり、フレ
ームメモリ4に記憶された画像データを、例えばマルチ
ウインドウで表示するようになっている。入力装置6
は、例えば、マウスや、ペンおよびタブレットの組み合
わせ、キーボードなどでなり、必要なコマンドやデータ
を入力するときや、画像表示装置5に画面上の所定の位
置を指示するときなどに操作されるようになっている。
外部記憶装置7は、例えば、ハードディスクやフロッピ
ー(登録商標)ディスク、CD−ROM(Compact Disc
ROM)、光磁気ディスクなどでなり、OSやアプリケー
ションプログラムを記憶している。また、外部記憶装置
7は、演算処理回路1の動作上必要なデータや、処理の
対象となる2次元画像(ディジタルデータ)も記憶する
ようになっている。外部インターフェイス8は、例え
ば、カメラ9などで撮影された2次元画像や、図示せぬ
通信回線を介して送信されてくるデータなど、外部から
供給されるデータを取り込むためのインターフェイスと
して機能するようになっている。
【0019】なお、演算処理装置1、プログラムメモリ
2、データメモリ3、フレームメモリ4、入力装置6、
外部記憶装置7、外部インターフェイス8は、相互に、
バスを介して接続されており、プログラムやデータ等
は、このバスを介して、各ブロックの間でやりとりされ
る。
【0020】以上のように構成される画像処理装置で
は、電源が投入されると、外部記憶装置7に記憶された
OSが読み出され、プログラムメモリ2に展開されて、
演算処理回路1により実行される。そして、アプリケー
ションプログラムを実行するように、入力装置6が操作
されると、演算処理回路1において、OSの制御の下、
外部記憶装置7からアプリケーションプログラムが読み
出され、プログラムメモリ2に展開されて実行される。
これにより、例えば、カメラ9によって撮影され、外部
インターフェイス8を介して、外部記憶装置7に記憶さ
れた2次元画像に対して、各種の処理が施される。
【0021】図4は、演算処理回路1がアプリケーショ
ンプログラムを実行することにより実現される、図3の
画像処理装置の機能的構成例を示している。
【0022】入力イベント処理部11には、OSからの
GUIイベントが供給されるようになっており、入力イ
ベント処理部11は、そのGUIイベントを解析し、そ
の解析結果にしたがって、コピー操作処理部12、ペー
スト操作処理部13、ペーストバッファ選択処理部1
4、イレース操作処理部15、マット操作処理部16、
物体属性操作処理部17、ペイント処理部18を起動し
て処理を行わせるようになっている。
【0023】ここで、GUIイベントとしては、例え
ば、マウスカーソルの移動、マウスのクリック(マウス
ボタンの押し下げや押し上げ)、GUI上のメニューの
選択やボタンの操作などがある。GUIイベントは、例
えば、X Windowなどのウインドウシステムで定義されて
いる。
【0024】コピー操作処理部12は、後述するペース
トバッファに画像を記憶させる(コピーする)コピー処
理を行うようになっている。ペースト操作処理部13
は、ペーストバッファに記憶された画像を、後述する画
像バッファに記憶された2次元画像に貼り付ける(ペー
ストする)ペースト処理を行うようになっている。ペー
ストバッファ選択処理部14は、画像バッファの中か
ら、ペーストバッファとするものを選択し、そのバッフ
ァID(Identification)をバッファID記憶部21に
記憶させるペーストバッファ選択処理を行うようになっ
ている。
【0025】ここで、データメモリ3には、画像の画素
値を、例えば、1画面単位などで記憶する領域が、画像
バッファとして確保されるようになっている。ここで
は、画像バッファは、データメモリ3の中に複数確保さ
れるようになっており、また、各画像バッファには、そ
れぞれを識別することができるように、バッファIDが
付されている。複数の画像バッファのうち、バッファI
D記憶部21にバッファIDが記憶されているものが、
特に、ペーストバッファと呼ばれる。なお、画像バッフ
ァは、2次元画像の画素値(例えば、RGB値など)を
記憶することができる他、その2次元画像に表示された
物体のマット(matte)も記憶することができるように
なっている。マットについては後述する。
【0026】イレース操作処理部15は、ペーストバッ
ファに記憶された画像の一部を削除するイレース処理を
行うようになっている。マット操作処理部16は、画像
バッファに記憶された2次元画像に表示された3次元物
体について、マットを生成するマット処理を行うように
なっている。物体属性操作処理部17は、画像バッファ
に記憶された2次元画像に表示された3次元物体の色や
材質感などの、いわゆる材質属性(material propert
y)を変更する物体属性処理や、光源を変更(画像バッ
ファに記憶された2次元画像中の3次元物体の照明の具
合を変更)する光源変更処理を行うようになっている。
ペイント処理部18は、ペーストバッファに記憶された
画像に対して、2Dペイントを施すペイント処理を行う
ようになっている。
【0027】変換指定処理部19は、コピー操作処理部
12、ペースト操作処理部13の指示にしたがって、ユ
ーザが入力装置6を操作することにより指定した、画像
バッファに記憶された2次元画像上の特徴点の位置を補
正し、その補正後の特徴点を、コピー操作処理部12、
ペースト操作処理部13に戻すようになっている。画像
変換処理部20は、コピー操作処理部12、ペースト操
作処理部13の指示にしたがい、画像バッファまたはペ
ーストバッファに記憶された画像を変換するようになっ
ている。バッファID記憶部21は、ペーストバッファ
選択処理部14によってペーストバッファとして選択さ
れた画像バッファのバッファIDを記憶するようになっ
ている。なお、バッファID記憶部21に記憶されたバ
ッファIDは、イレース操作処理部15、ペイント処理
部18、および画像変換処理部20に供給されるように
なっており、これにより、イレース操作処理部15、ペ
イント処理部18、および画像変換処理部20は、ペー
ストバッファとなっている画像バッファを認識するよう
になっている。
【0028】表示処理部22は、画像バッファに記憶さ
れた2次元画像を、画像表示装置5に表示するのに必要
な処理を施すようになっている。なお、表示処理部22
が出力する画像データは、OSの表示処理に渡されるよ
うになっており、これにより、その画像データは、フレ
ームメモリ4に書き込まれ、画像表示装置5に表示され
るようになっている。
【0029】なお、図4におけるブロックのうち、デー
タメモリ3およびバッファID記憶部21を除いたブロ
ックは、演算処理回路1がアプリケーションプログラム
を実行することで実現されるが、それぞれのブロックに
相当するプログラムは、例えばモジュール化されてい
る。
【0030】以上のように構成される画像処理装置によ
れば、例えば、図5(A)に示すような、家屋を模した
3次元物体が表示された2次元画像が、画像バッファに
記憶されている場合において、家屋の壁の向きを特に意
識せずに、文字を描いても、図5(B)に示すように、
文字が、壁に沿って描かれているかのような2次元画像
を得ることができるようになっている。また、家屋の壁
の向きを意識せずに、長方形を描いても、図5(C)に
示すように、家屋の壁に、直方体形状の部屋が追加され
ている2次元画像を得ることができるようになってい
る。さらに、例えば、図6(A)に示すように、円柱が
表示された2次元画像が、画像バッファに記憶されてい
る場合において、その側面の向きを特に意識せずに、文
字を描いても、図6(B)に示すように、その側面に沿
って文字が描かれているかのような2次元画像を得るこ
とができるようになっている。
【0031】即ち、例えば、ビデオカメラ9で、文字等
の描かれている3次元物体を実際に撮影しなくても、文
字等の描かれていない3次元物体を、ビデオカメラ9で
撮影した2次元画像に、3次元的な操作を加え、これに
より、その文字等の描かれている3次元物体を、実際に
撮影したかのような2次元画像を、容易に得ることがで
きるようになっている。
【0032】次に、図7のフローチャートを参照して、
図4の画像処理装置の処理について説明する。
【0033】演算処理回路1(図3)において、アプリ
ケーションプログラムが実行されると、画像表示装置5
には、例えば、図8に示すようなメインウインドウが表
示される。メインウインドウの右側には、コマンドボタ
ン(Command)31と形状ボタン(Shape)32が表示さ
れ、その左側には、画像バッファに記憶された2次元画
像が表示されたウインドウ(以下、適宜、バッファウイ
ンドウ)が表示される。
【0034】ここで、コマンドボタン31は、コマンド
を入力するときに操作されるもので、図8の実施の形態
では、ペーストバッファ選択処理を行うときに操作され
る「Paste Sel.」ボタン、コピー処理を行うときに操作
される「Copy」ボタン、ペースト処理を行うときに操作
される「Paste」ボタン、イレース処理を行うときに操
作される「Erase」ボタン、マット処理を行うときに操
作される「Matte」ボタン、物体属性処理を行うときに
操作される「Material」ボタン、光源変更処理を行うと
きに操作される「Light」ボタン、ペイント処理を行う
ときに操作される「Paint」ボタンが設けられている。
【0035】また、形状ボタン32は、処理対象となる
3次元物体の面の形状(形状情報)を入力するときに操
作されるもので、図8の実施の形態では、長方形である
こと、円柱の側面であること、球面であること、円錐の
側面であることを、それぞれ指定するときに操作される
「Rectangle」ボタン、「Cylinder」ボタン、「Spher
e」ボタン、「Cone」ボタンが設けられている。
【0036】さらに、図8の実施の形態では、3つのバ
ッファウインドウが表示されており、それぞれには、複
数の画像バッファのうちの、画像バッファ#1,#2,
#3の記憶内容が表示されている(画像バッファ#iの
サフィックスiは、例えば、バッファIDを表す)。な
お、バッファウインドウが複数表示されている場合に
は、その複数のバッファウインドウのうちの、例えば、
後述する注目バッファの記憶内容が表示されているもの
が、最も手前に表示される(アクティブにされる)よう
になっている。
【0037】メインウインドウの操作は、基本的に、処
理の対象とする画像バッファを選択し、その後に処理を
選択するというユーザインターフェイスに統一されてお
り、従って、ユーザは、まず最初に、メインウインドウ
に表示されたバッファウインドウのうちのいずれかを、
入力装置6を操作することによりクリックすることで、
処理の対象とする画像バッファを選択する。
【0038】即ち、ユーザが、いずれかのバッファウイ
ンドウをクリックすると、ステップS1において、入力
イベント処理部11は、そのバッファウインドウに記憶
内容が表示されている画像バッファを、注目バッファと
して選択する。
【0039】その後、ユーザは、コマンドボタン31の
うちのいずれかをクリックする。この場合、ステップS
2において、入力イベント処理部11は、コマンドボタ
ン31のうちのいずれがクリックされたかを認識し、ス
テップS3に進み、その認識結果に基づいて、どのよう
な処理(操作)を行うことが指示されたのかを判定す
る。ステップS3において、ペーストバッファ選択処理
を行うことが指示されたと判定された場合、即ち、コマ
ンドボタン31の中の「Paste Sel.」ボタンが操作(ク
リック)された場合、ステップS4に進み、入力イベン
ト処理部11は、ペーストバッファ選択処理部14を起
動し、ペーストバッファ選択処理を行わせる。即ち、こ
の場合、ペーストバッファ選択処理部14は、注目バッ
ファのバッファIDを、バッファID記憶部21に上書
きし、これにより、いま注目バッファとなっている画像
バッファを、ペーストバッファとして、ステップS1に
戻る。
【0040】また、ステップS3において、コピー処理
またはペースト処理のうちのいずれかを行うことが指示
されたと判定された場合、即ち、コマンドボタン31の
中の「Copy」ボタンまたは「Paste」ボタンが操作され
た場合、形状ボタン32が操作されるのを待って、ステ
ップS5に進む。即ち、コピー処理は、注目バッファに
記憶された2次元画像に表示された3次元物体を構成す
る面を、2次元平面に展開した展開画像を生成し、ペー
ストバッファに記憶させる処理であり、ペースト処理
は、ペーストバッファに記憶された2次元平面上の画像
を、3次元物体を構成する面に貼り付けてスクリーンに
投影した投影画像を生成し、その投影画像を、注目バッ
ファに記憶された2次元画像に貼り付ける処理であり、
いずれも3次元物体を構成する面を処理の対象とするこ
とから、ユーザは、「Copy」ボタンまたは「Paste」ボ
タンを操作した場合、続けて、コピー処理またはペース
ト処理の対象とする3次元物体の面の形状に関する形状
情報を、形状ボタン32を操作することで指定(入力)
する。
【0041】ステップS5では、形状ボタン32の操作
に基づいて、コピー処理またはペースト処理の対象とす
る3次元物体の面の形状(形状情報)が認識される。そ
して、特徴点が入力されるのを待って、ステップS6に
進む。即ち、コピー処理では、注目バッファに記憶され
た2次元画像に表示された3次元物体の面を構成する幾
つかの点を指定することによって、展開画像を生成する
部分(面)を特定する必要がある。また、ペースト処理
では、ペーストバッファに記憶された画像の投影画像
を、例えば、注目バッファに記憶された2次元画像に表
示された3次元物体を構成する面に貼り付けるのに、そ
の面を構成する幾つかの点を指定することによって、そ
の面を特定する必要がある。そこで、ユーザは、「Cop
y」ボタンまたは「Paste」ボタンを操作し、続けて、コ
ピー処理またはペースト処理の対象とする3次元物体の
面の形状を、形状ボタン32を操作することで指定して
後に、さらに、注目バッファに記憶された2次元画像中
の、処理の対象とする3次元物体の面を構成する幾つか
の点を、入力装置6を操作することにより、特徴点とし
て指定する。
【0042】ステップS6では、このようにして指定さ
れた特徴点の、2次元画像中の座標が認識される。
【0043】なお、上述の場合には、3次元物体の形状
を指定してから、特徴点を指定するようにしたが、先
に、特徴点を指定してから、3次元物体の形状を指定す
るようにすることも可能である。また、ステップS5お
よびS6の処理は、コピー処理が指令されている場合に
は、コピー操作処理部12で、ペースト処理が指令され
ている場合には、ペースト操作処理部13で、それぞれ
行われる。
【0044】ステップS6において、ユーザによって指
定された特徴点を認識したコピー操作処理部12または
ペースト操作処理部13は、その特徴点を、変換指定処
理部19に供給する。変換指定処理部19は、特徴点を
受信すると、ステップS7において、その位置の補正を
行い、補正後の特徴点を、コピー操作処理部12または
ペースト操作処理部13のうちの、特徴点を供給してき
た方に供給する。
【0045】その後、ステップS8において、入力イベ
ント処理部11は、「Copy」ボタンまたは「Paste」ボ
タンのうちのいずれが操作されたのかを判定する。ステ
ップS8において、「Copy」ボタンが操作されたと判定
された場合、コピー操作処理部12において、コピー処
理が行われる。即ち、この場合、ステップS8からS9
に進み、コピー操作処理部12において、形状情報およ
び特徴点に基づいて、注目バッファに記憶された2次元
画像の中の3次元物体を構成する面を、展開画像に変換
するための変換式(以下、適宜、逆変換式という)が算
出され、画像変換処理部20に供給される。画像変換部
20では、ステップS10において、逆変換式に基づい
て、注目バッファに記憶された2次元画像の中の3次元
物体を構成する面(特徴点によって特定される面)が、
展開画像に変換される。さらに、画像変換部20は、ス
テップS11において、その展開画像を、バッファID
記憶部21にバッファIDが記憶されている画像バッフ
ァ、即ち、ペーストバッファにコピー(上書き)し、ス
テップS1に戻る。
【0046】以上のようなコピー処理によれば、例え
ば、図9(A)に示すような、家屋を模した3次元物体
Vが表示された2次元画像が、注目バッファに記憶され
ている場合において、形状情報として、縦線のある壁面
Sの形状である長方形が指定されるとともに、特徴点と
して、その壁面Sの4頂点P1,P2,P3,P4が指定さ
れたときには、図9(B)に示すように、3次元物体V
を、2次元平面上に展開して得られる、縦線のある壁面
Sの2次元画像(展開画像)が生成され、ペーストバッ
ファに記憶される。
【0047】従って、図9(A)に示すような3次元物
体Vが表示された2次元画像が、画像バッファに記憶さ
れている場合に、その縦線のある壁面Sの展開画像を得
たいときには、ユーザは、第1に、その3次元物体Vが
表示された2次元画像の記憶されている画像バッファを
注目バッファとし、第2に、コピー処理を指令する「Co
py」ボタンを操作し、第3に、壁面Sの形状を指定する
「Rectangle」ボタンを操作し、第4に、図9(A)に
示したように、2次元画像中の、縦線のある壁面Sを構
成する四角形の4頂点P1,P2,P3,P4を、特徴点と
して指定すれば良い。
【0048】一方、ステップS8において、「Paste」
ボタンが操作されたと判定された場合、ペースト操作処
理部13において、ペースト処理が行われる。即ち、こ
の場合、ステップS8からS12に進み、ペースト操作
処理部13において、形状情報および特徴点に基づい
て、ペーストバッファに記憶された2次元平面上の画像
(展開画像)を、投影画像に変換するための変換式(以
下、適宜、順変換式という)が算出され、画像変換処理
部20に供給される。画像変換処理部20では、ステッ
プS13において、順変換式に基づいて、ペーストバッ
ファに記憶された画像が、投影画像に変換される。さら
に、画像変換部20は、ステップS14において、その
投影画像を、注目バッファに記憶された2次元画像に表
示された3次元物体の面(特徴点によって特定される
面)に貼り付け、ステップS1に戻る。
【0049】以上のようなペースト処理によれば、例え
ば、図9で説明したコピー処理によって、図10(A)
に示すような2次元平面上の画像が、ペーストバッファ
に記憶されており、さらに、図10(B)に示すよう
な、家屋を模した3次元物体Vが表示された2次元画像
が、注目バッファに記憶されている場合において、形状
情報として、無模様の壁面S’の形状である長方形が指
定されるとともに、特徴点として、壁面S’の4頂点P
1’,P2’,P3’,P4’が指定されたときには、図1
0(C)に示すように、ペーストバッファに記憶された
画像が、3次元物体Vの壁面S’に貼り付けられた状態
で、その3次元物体Vをスクリーン上に投影した場合
の、その壁面S’の部分の投影画像が生成され、注目バ
ッファに記憶された2次元画像に表示された3次元物体
Vの、特徴点P1’乃至P4’で特定される壁面S’に貼
り付けられる。
【0050】従って、図10(A)に示すような画像
が、ペーストバッファに記憶されているとともに、図1
0(B)に示すような、家屋を模した3次元物体Vが表
示された2次元画像が、画像バッファに記憶されている
場合に、ペーストバッファに記憶された画像を、3次元
物体Vの壁面S’に貼り付けた2次元画像を得たいとき
には、ユーザは、第1に、その3次元物体Vが表示され
た2次元画像の記憶されている画像バッファを注目バッ
ファとし、第2に、ペースト処理を指令する「Paste」
ボタンを操作し、第3に、壁面S’の形状を指定する
「Rectangle」ボタンを操作し、第4に、図10(B)
に示したように、2次元画像中の、壁面S’を構成する
四角形の4頂点P1’,P2’,P3’,P4’を、特徴点
として指定すれば良い。
【0051】以上から明らかなように、3次元物体Vが
表示された2次元画像が記憶された画像バッファを注目
バッファとして、図9で説明したようなコピー処理を行
い、さらに、図10で説明したようなペースト処理を行
うことで、壁面Sのテクスチャを、別の壁面S’にコピ
ーすることができる。即ち、ユーザは、壁面Sおよび
S’の向きを特に意識しなくても、上述のようなコピー
処理とペースト処理を行うための操作を行うだけで、2
次元画像中の壁面Sのテクスチャを、別の壁面S’にコ
ピーすることができる。
【0052】さらに、例えば、ペーストバッファに、
「ABC」の文字や、「DEF」の文字を、従来の2D
ペイント等を利用して、平面に文字を描くのと同様にし
て描き、それを、ペースト処理によって、上述の図5
(A)に示した家屋の壁面に貼り付けることで、図5
(B)に示したような自然な2次元画像を得ることがで
きる。即ち、壁面に沿って、文字を描く必要がない。
【0053】また、コピー処理を行い、何らかの展開画
像をペーストバッファに記憶させておき、あるいは、何
らかのテクスチャが記憶された画像バッファをペースト
バッファとして選択し、図5(C)に示す面S1を構成
する頂点p1,p2,p3,p4、面S2を構成する頂点
3,p4,p5,p6、面S3を構成する頂点p2,p3
6,p7を、それぞれ特徴点として指定して、ペースト
処理を3回行うことで、図5(C)に示したように、家
屋の壁に、直方体形状の部屋が追加された2次元画像
を、容易に作成することができる(この場合、面S1
至S3の形状情報としては、いずれも長方形を指定す
る)。
【0054】ここで、図5に示したことから分かるよう
に、ペースト処理を行う対象とする3次元物体は、注目
バッファに記憶された2次元画像中に表示されていても
良いし、表示されていなくても良い。即ち、図5(B)
は、ペースト処理を行う対象とする3次元物体(文字が
貼り付けられる3次元物体)が、元の2次元画像(図5
(A)に示した2次元画像)に表示されている場合を表
しており、図5(C)は、ペースト処理を行う対象とす
る3次元物体(図5(C)における面S1,S2,S3
よって規定される直方体)が、元の2次元画像に表示さ
れていない場合を表している。なお、ペースト処理を行
う対象とする3次元物体が、元の2次元画像に表示され
ていない場合には、その3次元物体上の点として、ユー
ザが指定した特徴点の補正、即ち、図7のステップS7
の処理はスキップされる。これは、ステップS7では、
後述するように、ユーザが指定した特徴点が、3次元物
体の輪郭線上に位置するように補正されるが、3次元物
体が、元の2次元画像に表示されていない場合には、そ
の輪郭線が存在しないためである。
【0055】また、2次元画像から、コピー処理によっ
て得られた展開画像は、元の2次元画像以外の2次元画
像に貼り付けることができるし、さらに、展開画像を貼
り付ける3次元物体の面は、その展開画像を生成する元
になった3次元物体の面と同一の形状でなくても良い。
即ち、例えば、図11(A)に示すような2次元画像に
表示された3次元物体(家屋の形状をした3次元物体)
における格子模様の壁面を対象にコピー処理を行い、図
11(B)に示すように、その展開画像を、ペーストバ
ッファに記憶させた後、図11(C)に示すような2次
元画像に表示された円柱の側面を対象にペースト処理を
行い、図11(D)に示すように、格子模様の展開画像
を、円柱の側面に沿って貼り付けることが可能である。
即ち、ある3次元物体のテクスチャを、他の3次元物体
のテクスチャとして貼り付けることができる。
【0056】さらに、ペーストバッファには、コピー処
理によって得られる画像の他、任意の画像を記憶させる
ことができ、従って、ペースト処理によれば、任意の画
像を、2次元画像に表示された3次元物体(但し、上述
したように、3次元物体は、2次元画像に表示されてい
なくてもかまわない)に貼り付けることができる。
【0057】また、コピー処理やペースト処理によれ
ば、2次元画像に対して、上述した操作の他にも、各種
の3次元的な操作を施すことができる。即ち、例えば、
2次元画像に表示された3次元物体の面に凹凸がある場
合には、コピー処理によって、その面の展開画像を、ペ
ーストバッファに記憶させ、ペーストバッファ上で、凹
凸の部分を削除し、その削除後の画像を、ペースト処理
によって、元の3次元物体の面に貼り付ければ、凹凸が
取り除かれた3次元物体が表示された2次元画像を得る
ことができる。また、例えば、同一の3次元物体を対象
にコピー処理およびペースト処理を行う場合において、
ペースト処理を行うときに指定する特徴点を、コピー処
理を行うときに指定する特徴点と変えることで、3次元
物体の移動や、拡大、縮小、その他非線形な変形(例え
ば、いわゆる魚眼レンズなどの特殊な光学的特性を有す
るレンズを用いて撮影を行ったかのような変形など)を
行うことができる。
【0058】図7に戻り、ステップS3において、マッ
ト処理を行うことが指示されたと判定された場合、即
ち、コマンドボタン31の中の「Matte」ボタンが操作
された場合、ステップS15に進み、入力イベント処理
部11は、マット操作処理部16を起動し、マット処理
を行わせる。即ち、この場合、マット操作処理部16
は、注目バッファに記憶された2次元画像に表示された
3次元物体のマットを生成し、注目バッファに記憶させ
て、ステップS1に戻る。なお、マット処理の詳細につ
いては、後述する。
【0059】また、ステップS3において、物体属性処
理または光源変更処理を行うことが指示されたと判定さ
れた場合、即ち、コマンドボタン31の中の「Materia
l」ボタンまたは「Light」ボタンが操作された場合、ス
テップS16に進み、入力イベント処理部11は、物体
属性操作処理部17を起動し、物体属性処理または光源
変更処理(物体属性/光源変更処理)を行わせ、ステッ
プS1に戻る。なお、物体属性/光源変更処理の詳細に
ついては、後述する。
【0060】一方、ステップS3において、イレース処
理を行うことが指示されたと判定された場合、即ち、コ
マンドボタン31の中の「Erase」ボタンが操作された
場合、ステップS17に進み、入力イベント処理部11
は、イレース操作処理部15を起動し、イレース処理を
行わせ、ステップS1に戻る。なお、イレース処理の詳
細については、後述する。
【0061】また、ステップS3において、ペイント処
理を行うことが指示されたと判定された場合、即ち、コ
マンドボタン31の中の「Paint」ボタンが操作された
場合、ステップS18に進み、入力イベント処理部11
は、ペイント処理部18を起動し、ペイント処理を行わ
せ、ステップS1に戻る。即ち、ペイント処理では、例
えば、従来と同様の2Dペイントを行うペイントツール
によって、ユーザによる入力装置6の操作にしたがい、
ペーストバッファに記憶された画像の一部が消去され、
あるいは、他の画像(文字、図形を含む)が付加され
る。
【0062】例えば、上述したように、2次元画像に表
示された3次元物体の面に凹凸がある場合において、コ
ピー処理によって、その面の展開画像を、ペーストバッ
ファに記憶させ、そのペーストバッファ上で、ペイント
処理によって、凹凸の部分を削除し、その削除後の画像
を、ペースト処理によって、元の3次元物体の面に貼り
付けることにより、凹凸が取り除かれた3次元物体が表
示された2次元画像を得ることができる。また、例え
ば、図5(A)に示したような3次元物体が表示された
2次元画像を対象に、コピー処理を行い、その壁面の展
開画像を、ペーストバッファに記憶させ、そのペースト
バッファに記憶された画像に、ペイント処理によって、
「ABC」の文字や、「DEF」の文字を描き、それ
を、ペースト処理によって、元の壁面に貼り付けること
で、図5(B)に示したような自然な2次元画像を得る
ことができる。即ち、2Dペイントによって、3次元的
な描画を、容易に行うことができる。
【0063】次に、例えば、図9または図10で説明し
たコピー処理またはペースト処理を行う場合に、図9
(A)または図10(B)に示したように、頂点P1
至P4または頂点P1’乃至P4’の位置を、正確に、特
徴点として指定することは、操作に熟練したユーザであ
っても困難である。即ち、例えば、図9に示したような
コピー処理を行う場合において、ユーザが指定する特徴
点P1乃至P4は、例えば、図12に示すように、本来指
定すべき頂点の位置からずれるのが一般的である。さら
に、かなり操作に熟練したユーザであっても、2次元画
像がぼけていたり、また、2次元画像にぶれがある場合
には、本来指定すべき頂点の位置を、正確に、特徴点と
して指定するのは困難である。
【0064】そこで、図7のステップS7では、ユーザ
が指定した特徴点を、本来指定すべき位置に補正する自
動補正処理が行われるようになっている。
【0065】即ち、コピー操作処理部12またはペース
ト操作処理部13は、ステップS7において、変換指定
処理部19を起動し、ユーザが入力装置6を操作するこ
とによって指定した形状情報と特徴点を供給する。
【0066】変換指定処理部19は、形状情報および特
徴点を受信すると、その特徴点を補正する自動補正処理
を行う。
【0067】ここで、特徴点として指定すべき点は、後
述するように、基本的に、コピー処理またはペースト処
理の対象とする3次元形状の面の輪郭線(境界線)上の
点になっている。そこで、変換指定処理部19では、コ
ピー処理またはペースト処理の対象とする3次元形状
(の面)の輪郭線を抽出し、その輪郭線上に位置するよ
うに、特徴点を補正するようになっている。
【0068】図13は、変換指定処理部19が行う自動
補正処理を説明するフローチャートを示している。な
お、ここでは、説明を簡単にするために、例えば、図1
2に示したように、コピー処理またはペースト処理の対
象となる、2次元画像に表示された3次元物体の面が、
四角形であり、従って、同図に示したように、特徴点と
して、その四角形の4つの頂点を指定すべき場合を例に
説明を行う。
【0069】変換指定処理部19では、まず最初に、ス
テップS21において、ユーザが入力(指定)した特徴
点のうちの、隣接する2点の組が選択される。即ち、特
徴点として指定すべき点は、上述したように、基本的
に、コピー処理またはペースト処理の対象とする、2次
元画像に表示された3次元物体の面の輪郭線上の点であ
り、さらに、後述するように、その輪郭線上のどの位置
を指定すべきかは、3次元物体の形状によって、あらか
じめ定められている。従って、ユーザが入力した特徴点
のうち、輪郭線上において隣接する2つの特徴点は、形
状情報に基づいて認識することができるので、変換指定
処理部19は、そのようにして認識した2つの特徴点の
組のうちの1つを、ステップS21において選択する。
【0070】その後、ステップ22に進み、後述するス
テップS23でエッジ検出の対象とする領域(以下、適
宜、エッジ候補領域という)が検出される。即ち、ステ
ップS22では、例えば、ステップS21で選択した2
つの特徴点(以下、適宜、選択特徴点という)を結ぶ線
分が求められ、その線分上の画素から所定の距離(例え
ば、5画素分の距離)の範囲内にある画素が検出され
る。そして、そのような画素で構成される領域が、エッ
ジ候補領域とされる。
【0071】即ち、例えば、図12に示したように、特
徴点P1乃至P4が指定された場合において、そのうちの
特徴点P1とP2が、選択特徴点として選択されたときに
は、図14に斜線を付して示すような領域が、エッジ候
補領域として検出される。
【0072】なお、ステップS22において、2つの選
択特徴点を結ぶ線分上の画素から、どの程度の距離の範
囲内にある画素を検出するかは、あらかじめ設定してお
くこともできるし、ユーザに、入力装置6を操作するこ
とにより入力してもらうようにすることも可能である。
【0073】エッジ候補領域の検出後は、ステップS2
3に進み、そのエッジ候補領域を対象として、エッジの
検出が行われる。
【0074】ここで、エッジの検出方法としては、従来
より各種の方法が提案されており、そのうちのいずれか
によって行うことも可能であるが、ここでは、例えば、
以下の手法により行う。
【0075】即ち、ここでは、エッジ候補領域内の画素
が、ソーベルオペレータ(Sobel operator)と呼ばれる
エッジ検出用のフィルタによってフィルタリングされ、
各画素におけるグラディエント(gradient)(グラディ
エントベクトル)が求められる。このグラディエントが
大きい画素をエッジとして検出する手法は、従来より知
られているが、ここでは、さらに、2つの選択特徴点を
結ぶ線分に直交する方向の単位ベクトル、即ち、法線ベ
クトルと、エッジ候補領域内の各画素のグラディエント
それぞれとの内積が演算され、その内積が所定の閾値以
上の画素が、エッジを構成する画素(以下、適宜、エッ
ジ画素という)として検出される。
【0076】ここで、特徴点としては、図12に示した
ように、コピー処理またはペースト処理の対象とする3
次元物体を構成する面である四角形の頂点には一致しな
いまでも、それに近い点が指定される。従って、2つの
選択特徴点を結ぶ線分は、コピー処理またはペースト処
理の対象とする3次元物体を構成する面である四角形の
輪郭線にほぼ一致している。その結果、法線ベクトルと
グラディエントとの内積は、グラディエントの、法線ベ
クトル方向の成分、即ち、グラディエントの、輪郭線に
ほぼ直交する方向の成分を表すから、この内積の大小に
よってエッジを検出することにより、グラディエントそ
のものの大小によってエッジを検出する場合に比較し
て、ノイズ等の影響を低減したエッジ検出を行うことが
できる。即ち、2次元画像上のノイズや、縞模様等のテ
クスチャの影響を受けにくいエッジ検出を行うことがで
きる。
【0077】エッジ画素の検出後は、ステップS24に
進み、そのエッジ画素を通る直線が、例えば、最小自乗
法によって求められる。即ち、ステップS24では、ス
テップS23で検出されたエッジ画素からの距離の自乗
の総和を最小にする直線(以下、適宜、エッジ直線とい
う)が求められる。
【0078】そして、ステップS25に進み、ユーザが
入力した特徴点のうちの、隣接する2点の組すべてにつ
いて、エッジ直線が求められたかどうかが判定され、ま
だ、隣接する2つの特徴点の組すべてについて、エッジ
直線が求められていないと判定された場合、ステップS
21に戻り、また、エッジ直線が求められていない、隣
接する2つの特徴点が、選択特徴点として選択され、以
下、同様の処理が繰り返される。
【0079】また、ステップS25において、隣接する
2つの特徴点の組すべてについて、エッジ直線が求めら
れたと判定された場合、即ち、図12において、特徴点
1とP2の組、P2とP3の組、P3とP4の組、P4とP1
の組それぞれについて、エッジ直線が求められた場合、
ステップS26に進み、その4つの組について求められ
た4つのエッジ直線の交点が求められる。即ち、特徴点
4およびP1の組について求められたエッジ直線と特徴
点P1およびP2の組について求められたエッジ直線との
交点(以下、適宜、第1の交点という)、特徴点P1
よびP2の組について求められたエッジ直線と特徴点P2
およびP3の組について求められたエッジ直線との交点
(以下、適宜、第2の交点という)、特徴点P2および
3の組について求められたエッジ直線と特徴点P3およ
びP4の組について求められたエッジ直線との交点(以
下、適宜、第3の交点という)、特徴点P3およびP4
組について求められたエッジ直線と特徴点P4およびP1
の組について求められたエッジ直線との交点(以下、適
宜、第4の交点という)が求められる。さらに、ステッ
プS26では、各交点に最も近い特徴点が、その交点の
位置に補正され、即ち、特徴点P1乃至P4が、第1乃至
第4の交点の位置にそれぞれ補正され、リターンする。
【0080】以上のような自動補正処理によれば、ユー
ザが指定した特徴点P1乃至P4が、本来、特徴点として
指定すべき四角形の頂点の位置に移動されるので、ユー
ザは、本来、特徴点として指定すべき位置を、正確に指
定せずに済むようになる。即ち、ユーザは、本来、特徴
点として指定すべき位置に近い点を指定するだけで済
む。
【0081】なお、図7の実施の形態では、特徴点の自
動補正処理を必ず行うようにしたが、自動補正処理は、
ユーザからの指示があった場合にのみ行うようにするこ
とが可能である。また、自動補正処理による補正後の特
徴点を、さらに、ユーザによって補正させるようにする
ことも可能である。
【0082】次に、特徴点の自動補正処理は、図13で
説明したエッジ画素の検出方法を利用して、例えば、以
下のように行うことも可能である。
【0083】即ち、いま、注目バッファに、例えば、図
15に示すような、2次元画像が記憶されているとす
る。なお、図15において、斜線を付してある部分が、
2次元画像に表示された3次元物体(これは、3次元空
間における3次元物体を、スクリーンに投影したもので
あるから、以下、適宜、投影画像という)を表してい
る。
【0084】図15では、2次元画像について、点PA
およびPBが、3次元物体の投影画像の特徴点として指
定されている。なお、特徴点PAおよびPBは、3次元物
体の投影画像の輪郭線上において、隣接したものとなっ
ている。
【0085】いま、注目バッファに記憶された2次元画
像について、図15に示すように、xp軸またはyp
を、それぞれ横軸または縦軸とする2次元座標系(以
下、適宜、スクリーン座標系という)を定義すると、2
次元画像に表示された3次元物体の形状は、形状情報か
ら認識することができ、さらに、3次元物体の形状が分
かれば、その投影画像の、特徴点PAとPBとの間の輪郭
線(投影画像の輪郭線は、基本的に、閉ループを構成す
るから、特徴点PAとPBとの間の輪郭線は2つ存在する
が、ここでは、その2つの輪郭線(図15において、細
線と太線で示す)のうち、その線上に、他の特徴点が存
在しない方(図15において、太線で示す))は、一般
に、1以上のパラメータを用いて表される、xpおよび
pを変数とする関数fによる式f=0で定義すること
ができる(関数fは、3次元物体の形状ごとに、異なる
型(プログラミングでいうところの実装)を有する)。
【0086】即ち、いま、パラメータを、C1,C2,・
・・,CN(Nは1以上の整数)と表すと、特徴点PA
Bとの間の輪郭線は、次式により定義することができ
る。 f(xp,yp,C1,C2,・・・,CN)=0 ・・・(1)
【0087】一方、真の輪郭線を構成する画素において
は、一般に、その画素値の、輪郭線と直交する方向の成
分が急激に変化している。従って、式(1)で表される
スクリーン座標系上の画素の画素値の微分値のうちの、
その画素における法線ベクトル方向(輪郭線と直交する
方向)の成分を最大にするパラメータC1,C2,・・
・,CNを求めれば、そのパラメータを用いて表される
式(1)によって定義される線が、真の輪郭線を表して
いるということができる。
【0088】そこで、式(1)によって定義される特徴
点PAとPBとの間の輪郭線に相当する線(上述したよう
に、投影画像の輪郭線に相当する、特徴点PAとPBとの
間の線は2つ存在するが、その2つの線のうち、他の特
徴点が存在しない方)について、エネルギEfを、例え
ば、次式で定義する。
【0089】
【数1】 ・・・(2) ここで、式(2)において、Σは、式(1)で表される
線上の画素すべてについてのサメーションをとることを
表す。また、▽はナブラ演算子を表し、B(xp,yp
は、スクリーン座標系の位置(xp,yp)にある画素の
画素値を表す。さらに、ベクトルnf(xp,yp)は、
位置(xp,yp)にある画素における法線ベクトル(図
15)(式(1)で表される線に直交する方向のベクト
ル(ここでは、輪郭線に囲まれる領域の、外側または内
側のうちの、例えば、外側方向のベクトルとする)の、
位置(xp,yp)における単位ベクトル)を表す。ま
た、|x|は、ベクトルxのノルムを表し、・は、内積
を表す。さらに、Kは、式(1)で表される線上の画素
の総数を表す。
【0090】式(2)における▽B(xp,yp)は、式
(1)で表される線上の画素の画素値の微分値、つまり
グラディエントを表すが、これは、ソーベルオペレータ
を用いることで求めることができる。即ち、▽B
(xp,yp)は、次式にしたがって求めることができ
る。
【0091】 ▽B(xp,yp)=(△xB(xp,yp),△yB(xp,yp)) △xB(xp,yp)=B(xp+1,yp−1)+2B(xp+1,yp) +B(xp+1,yp+1)−(B(xp−1,yp−1) +2B(xp−1,yp)+B(xp−1,yp+1)) △yB(xp,yp)=B(xp−1,yp+1)+2B(xp,yp+1) +B(xp+1,yp+1)−(B(xp−1,yp−1) +2B(xp,yp−1)+B(xp+1,yp−1)) ・・・(3)
【0092】また、エネルギEfを最大にするパラメー
タCn(n=1,2,・・・,N)は、例えば、次のよ
うにして求めることができる。即ち、例えば、パラメー
タCnの初期値を、Cn’と表すとすると、パラメータC
nを、Cn’−εn乃至Cn’+εnの範囲で変えて、式
(2)を計算し、その値が最大になるときのパラメータ
nを求めれば良い(εnは、所定の微小値とする)。
【0093】具体的には、特徴点PAとPBとの間の輪郭
線が、例えば、線分Lであるとすると、式(2)は、次
のように表すことができる。
【0094】
【数2】 ・・・(4) ここで、Σは、上述したように、式(1)で表される
線、即ち、ここでは、線分L上の画素すべてについての
サメーションをとることを表す。また、ベクトルn
Lは、式(2)におけるベクトルnf(xp,yp)に相当
し、線分Lの法線ベクトルを表す。さらに、式(4)に
おいて、Kは、線分L上の画素の総数を表す。
【0095】一方、特徴点PAとPBとの間の輪郭線が線
分の場合、式(1)は、例えば、3つのパラメータ
1,C2,C3を用いて、次のように表すことができ
る。 f(xp,yp,C1,C2,C3)=C1p+C2p+C3=0 ・・・(5)
【0096】そして、いま、特徴点PAまたはPBの座標
を、(x1,y1)または(x2,y2)とそれぞれする
と、式(5)におけるパラメータC1,C2,C3は、次
のように表すことができる。 C1=y1−y2,C2=−x1+x2,C3=x12−x21 ・・・(6)
【0097】従って、この場合、式(6)で表される値
を、パラメータC1,C2,C3の初期値C1’,C2’,
3’として、それぞれの値を変えながら、式(4)で
表されるエネルギEfを計算し、そのエネルギEfが最大
になるときのパラメータC1,C2,C3を求める。この
ときのパラメータC1,C2,C3を用いて表される式
(5)は、特徴点PAとPBとの間の真の輪郭線を表して
おり、従って、式(5)で表される線上に、特徴点PA
とPBを移動すれば、特徴点PAとPBは、真の輪郭線上
に移動されることになる。
【0098】なお、特徴点PAとPBとの間の輪郭線が線
分の場合、式(6)から明らかなように、パラメータC
1,C2,C3を変えるということは、特徴点PAまたはP
Bのそれぞれの座標(x1,y1)または(x2,y2)を
変えることに相当し、従って、座標x1,y1,x2,y2
が、関数fのパラメータであるということができる。
【0099】また、特徴点PAとPBとの間の輪郭線が線
分の場合には、式(5)における関数fの3つのパラメ
ータC1,C2,C3すべてについて、特徴点PAおよびP
Bによって初期値が与えられるが、特徴点PAとPBとの
間の輪郭線が曲線の場合には、関数fのパラメータすべ
てについて初期値が与えられるとは限らない。この場
合、初期値が与えられないパラメータについては、あら
かじめ設定しておいた値を、初期値として与えても良い
し、あるいは、初期値とする値を、ユーザに入力させて
も良い。
【0100】さらに、上述の場合においては、説明を簡
単にするために、隣接する2つの特徴点だけに注目して
説明を行ったが、この場合、実際の処理では、以下のよ
うな問題が生じることがある。即ち、いま、輪郭線上
に、特徴点#1、それに隣接する特徴点#2、さらにそ
れに隣接する特徴点#3の3つの特徴点が指定されたと
して、特徴点#1および#2に注目して、上述の自動補
正処理を行い、さらに、特徴点#2および#3に注目し
て自動補正処理を行った場合、特徴点#1および#2に
注目して自動補正処理を行って得られる補正後の特徴点
#2の位置と、特徴点#2および#3に注目して自動補
正処理を行って得られる補正後の特徴点#2の位置とが
ずれることがある。
【0101】そこで、実際の処理では、特徴点#1およ
び#2の間の輪郭線を定義する式(1)のパラメータ
(以下、適宜、第1のパラメータという)、並びに特徴
点#2および#3の間の輪郭線を定義する式(1)のパ
ラメータ(以下、適宜、第2のパラメータという)は、
補正後の特徴点#2の上述したような位置ずれが生じな
いように変えるのが望ましい。この場合、第1と第2の
パラメータは独立ではなくなり、それらの間の関係は、
補正後の特徴点#2の位置ずれが生じないという条件に
拘束されるため、例えば、特徴点#1および#2に注目
して得られる式(2)のエネルギEfを最大にする第1
のパラメータと、特徴点#2および#3に注目して得ら
れる式(2)のエネルギEfを最大にする第2のパラメ
ータとが、特徴点#2の位置ずれが生じないという条件
を満足する関係にならないことがある。そこで、この場
合には、例えば、特徴点#1および#2に注目して得ら
れる式(2)のエネルギEfと、特徴点#2および#3
に注目して得られる式(2)のエネルギEfとの和を最
大にする第1および第2のパラメータを求めるようにす
れば良い。
【0102】なお、ここでは、説明を簡単にするため
に、1の特徴点#2の位置がずれる場合を例にしたが、
このずれが生じることは、同一の輪郭線上にある特徴点
すべてについていえるので、同一の輪郭線上にある、隣
接する特徴点の組の間の輪郭線を定義する式(1)のパ
ラメータは、すべての組について、上述の手法を適用し
て求めるのが望ましい。即ち、同一の輪郭線上にある、
隣接する特徴点の組についてのエネルギEfの総和を求
め、その総和を最大にするパラメータを求めるのが望ま
しい。
【0103】次に、図16のフローチャートを参照し
て、上述の自動補正処理が図7のステップS7で行われ
る場合の処理について、さらに説明する。
【0104】なお、ここでは、説明を簡単にするため、
投影画像を四角形とし、その四角形の4つの頂点が、特
徴点P1乃至P4として指定されているものとする。
【0105】また、この場合、式(5)における3つの
パラメータC1,C2,C3、つまり、式(6)における
2つの特徴点のx座標x1,x2とy座標y1,y2を変え
ながら、式(4)で表されるエネルギEfを計算し、そ
の値を最大にするx1,x2,y1,y2を求めることとな
るが、この計算量は比較的多いものとなる。そこで、こ
こでは、計算量を少なくするために、簡略化した手法を
用いることとする。
【0106】即ち、ここでは、まず最初に、ステップS
31において、4つの特徴点P1乃至P4のうちのいずれ
か1つが、注目特徴点として選択され、ステップS32
に進み、その注目特徴点を通る(その注目特徴点と他の
特徴点とを結んでつくられる)四角形の2つの辺のエネ
ルギEfがそれぞれ求められる。即ち、例えば、いま、
図17において、斜線で示す投影画像について、点P1
乃至P4が特徴点として指定され、そのうちの特徴点P4
が注目特徴点として選択されたとする。この場合、ステ
ップS32では、四角形P1234の4辺のうちの、
注目特徴点P 4を通る辺P41およびP34のエネルギ
fが求められる。
【0107】そして、ステップS33に進み、ステップ
S32でエネルギEfが求められた2つの辺のうち、そ
のエネルギEfの大きい方が、より投影画像の輪郭に沿
ったものとして選択され、その辺を延長した直線(この
直線も、以下、適宜、エッジ直線という)に沿って、注
目特徴点が移動される。そして、その移動後の位置にお
ける注目特徴点と、それに隣接する2つの特徴点それぞ
れとがつくる2つの辺のエネルギEfが算出される。即
ち、例えば、図17において、特徴点P4が注目特徴点
とされている場合に、辺P41またはP34のエネルギ
fのうちの、例えば、辺P34のエネルギの方が、辺
41のエネルギに比較して大のときには、注目特徴点
4が、図中、矢印Dで示すように、直線P34に沿っ
て移動される。そして、その移動後の注目特徴点P4
それに隣接する1の特徴点P3とがつくる辺P34のエ
ネルギEf、および移動後の注目特徴点P4とそれに隣接
する他の1の特徴点P1とがつくる辺P41のエネルギ
fが求められる。
【0108】その後、ステップS34に進み、ステップ
S33で求められた2つの辺のエネルギEfの和が最大
値となっているかどうかが判定され、最大値になってい
ないと判定された場合、ステップS33に戻り、注目特
徴点が、再度、エッジ直線に沿って移動され、以下、同
様の処理が繰り返される。
【0109】一方、ステップS34において、ステップ
S33で求められた2つの辺のエネルギEfの和が最大
値となっていると判定された場合、即ち、例えば、上述
したように、注目特徴点P4を、直線P34に沿って移
動することにより、辺P41の法線ベクトルn14が、本
来、特徴点P1およびP4によって指定されるべき2つの
頂点を結ぶ辺に、ほぼ直交するようになった場合、ステ
ップS35に進み、ユーザによって指定された特徴点P
1乃至P4すべてを、注目特徴点として処理を行ったかど
うかが判定され、まだ、ユーザによって指定された特徴
点P1乃至P4すべてを、注目特徴点として処理を行って
いないと判定された場合、ステップS31に戻り、ま
だ、注目特徴点とされていない特徴点が、新たに注目特
徴点として選択され、ステップS32以下の処理を繰り
返す。
【0110】また、ステップS35において、ユーザに
よって指定された特徴点P1乃至P4すべてを、注目特徴
点として処理を行ったと判定された場合、ステップS3
6に進み、特徴点P1乃至P4の中で、前回のステップS
33の処理で移動した移動量(移動前の特徴点と、移動
後の特徴点との間の距離)が、所定の閾値εより大きい
ものがあるかどうかが判定される。ステップS36にお
いて、特徴点P1乃至P4の中で、前回のステップS33
の処理で移動した移動量が、所定の閾値εより大きいも
のがあると判定された場合、ステップS31に戻り、以
下、同様の処理を繰り返す。即ち、再び、特徴点P1
至P4を、順次、注目特徴点として、各注目特徴点がつ
くる2つの辺のエネルギの和が最大となるように、その
位置が移動される。
【0111】一方、ステップS36において、特徴点P
1乃至P4の中で、前回のステップS33の処理で移動し
た移動量が、所定の閾値εより大きいものがないと判定
された場合、即ち、前回のステップS33の処理におい
て、特徴点P1乃至P4のうちのいずれも、ほとんど移動
されなかった場合、リターンする。
【0112】次に、図4のコピー操作処理部12または
ペースト操作処理部13では、上述したようして補正さ
れた特徴点と、形状情報とを用いて、逆変換式または順
変換式がそれぞれ算出されるが、この逆変換式および順
変換式の算出方法について説明する。
【0113】例えば、カメラ9(図3)によって、図1
8(A)に示すような3次元空間にある3次元物体を撮
影した場合、カメラ9が出力する2次元画像には、図1
8(B)に示すように、その3次元物体をスクリーンに
投影した投影像(投影画像)が表示される。従って、画
像バッファ(ペーストバッファを除く)には、このよう
な投影画像が表示された2次元画像が記憶される。
【0114】一方、ペーストバッファには、図18
(C)に示すように、3次元空間にある3次元物体の表
面(図18(A))を2次元平面に展開した展開画像が
記憶される。即ち、3次元物体の面が平面であれば、例
えば、その平面を正面から見た2次元画像が、ペースト
バッファに記憶される。また、3次元物体の面が円柱の
側面であれば、例えば、その側面を、2次元平面上に展
開して長方形状にした2次元画像が、ペーストバッファ
に記憶される。さらに、3次元物体の面が球面であれ
ば、例えば、地図の作成で用いられる正距円筒図法その
他の手法で、その球面を、2次元平面上に展開した2次
元画像が記憶される。また、例えば、3次元物体の面が
ベジェ(Bezier)曲面などの2つの助変数s,tで表さ
れる3次の曲面であれば、助変数sまたはtをそれぞれ
横軸または縦軸にして、その曲面を2次元平面に展開し
た2次元画像が、ペーストバッファに記憶される。さら
に、例えば、3次元物体が回転体であれば、その円周の
方向または回転軸の方向をそれぞれ横軸または縦軸にし
て、その回転体を2次元平面に展開して2次元画像が、
ペーストバッファに記憶される。
【0115】コピー処理では、図18(B)に示したよ
うに、注目バッファに記憶された2次元画像に表示され
た3次元物体の(面の)投影画像上の幾つかの特徴点
(図18(B)において、■印で示す部分)と、その3
次元物体の(面の)形状情報を指定すると、逆変換式が
算出され、その逆変換式にしたがい、図18(B)に示
したような投影画像から、図18(C)に示したような
展開画像が生成され、ペーストバッファに記憶される。
また、ペースト処理では、図18(B)に示したよう
に、注目バッファにおいて、3次元物体の(面の)投影
画像を貼り付ける領域上の幾つかの特徴点(図18
(B)において、■印で示す部分)と、その3次元物体
の(面の)形状情報を指定すると、順変換式が算出さ
れ、その順変換式にしたがい、ペーストバッファに記憶
された、図18(C)に示したような画像(展開画像)
から、図18(B)に示したような投影画像が生成さ
れ、画像バッファに貼り付けられる。
【0116】従って、逆変換式および順変換式の算出に
あたっては、3次元空間上にある3次元物体、その投影
画像、およびその展開画像の相互の関係が問題となる。
【0117】そこで、いま、例えば、図19に示すよう
に、展開画像についての2次元座標系、3次元物体につ
いての3次元座標系、および投影画像についての2次元
座標系を考える。なお、展開画像についての2次元座標
系におけるx,y座標はxe,yeと、3次元物体につい
ての3次元座標系におけるx,y,z座標はxo,y o
oと、投影画像についての2次元座標系におけるx,
y座標はxp,ypと、それぞれ表す。また、点(xp
p)における投影画像の画素値(注目バッファの記憶
値)をB(xp,yp)と、点(xe,ye)における展開
画像の画素値(ペーストバッファの記憶値)をC
(xe,ye)と、それぞれ表す。また、展開画像を、3
次元物体の表面に貼り付ける写像をψと、3次元物体を
投影画像に変換する写像をMと、それぞれ表す。
【0118】ここで、展開画像についての2次元座標
系、3次元物体についての3次元座標系、および投影画
像についての2次元座標系(スクリーン座標系)は、任
意にとることができる。即ち、例えば、3次元物体につ
いての3次元座標系は、その3次元物体の表現に都合の
良い形でとることが可能である。具体的には、例えば、
3次元物体が円柱である場合には、2つの底面である円
のうちのいずれか一方の中心を原点(0,0,0)と
し、その回転軸(2つの底面である円の中心どうしを結
ぶ直線)をyo軸に一致させるようにすることができ
る。また、例えば、3次元物体の面が長方形である場合
には、例えば、図20に示すように、その長方形の4つ
の頂点のうちの最も左下のものを原点(0,0,0)と
し、その長方形の横軸または縦軸を、それぞれxo軸ま
たはyo軸に一致させるようにすることができる。
【0119】3次元物体上の点(xo,yo,zo)と、
展開画像上の点(xe,ye)とは、1対1に対応し、そ
れらの間の関係、即ち、写像ψ(またはψ-1)は、幾何
学的計算により求めることができる。従って、3次元物
体上の点(xo,yo,zo)と、投影画像上の点(xp
p)との関係、即ち、写像M(またはM-1)が分かれ
ば、展開画像上の点(xe,ye)を、投影画像上の点
(xp,yp)に変換する写像Mψを求めることができ
る。
【0120】しかしながら、3次元物体と投影画像とだ
けに注目した場合、写像Mは、3次元物体上の点
(xo,yo,zo)が、投影画像上の点(xp,yp)の
いずれに投影されているのかが分からなければ求めるこ
とができない。そして、3次元物体上の点(xo,yo
o)が、投影画像上の点(xp,yp)のいずれに投影
されているのかを、投影画像から求めるためには、基本
的に、複数の2次元画像を用意して三角測量の原理を用
いる必要がある。さらに、3次元物体の3次元モデルを
表すために、3次元空間における3次元物体上の点(x
o,yo,zo)を、視点(後述するカメラ座標の原点)
から見たときの3次元のデータを、テンポラリとして保
持しておくためのメモリが必要となり、また、そのよう
な3次元のデータを取り扱う計算も必要となる。
【0121】そこで、ここでは、ユーザによって与えら
れる形状情報に基づいて、写像ψを求めるとともに、ユ
ーザによって与えられる特徴点に基づいて、写像Mを求
め、さらに、展開画像と投影画像との関係、即ち、展開
画像を投影画像に変換する写像Mψを求めることとす
る。なお、この写像Mψが順変換式であり、この写像M
ψに相当する変換の逆変換を行う写像(Mψ)-1が逆変
換式である。従って、逆変換式は、写像Mψの逆行列
を、例えば、ガウスの消去法などを用いて計算すること
で求めることができる。
【0122】このように、逆変換式(Mψ)-1は、順変
換式Mψを求めれば、容易に求めることができるので、
ここでは、順変換式Mψの算出方法について説明する。
【0123】上述したように、3次元物体上の点
(xo,yo,zo)と、展開画像上の点(xe,ye)と
は、1対1に対応するため、点(xo,yo,zo)は、
写像ψと、点(xe,ye)を用いて、式(7)のように
表すことができる。
【0124】
【数3】 ・・・(7) いま、3次元空間において、3次元物体をカメラ9で撮
影して、その投影画像を得た場合、カメラ9の位置(x
c,yc,zc)を表す3次元座標(以下、適宜、カメラ
座標という)を考えることができ、点(xo,yo
o)のカメラ座標(xc,yc,zc)は、3次元空間に
おける回転移動を表す9の要素をr11,r12,r13,r
21,r22,r23,r31,r32,r33とするとともに、3
次元空間における平行移動を表す3つの要素をt1
2,t3として、次式で表すことができる。
【0125】
【数4】 ・・・(8) 投影画像上の点(xp,yp)は、カメラ座標における3
次元物体上の点(xc,yc,zc)をスクリーン上に投
影したものであり、この変換は、例えば、JamesD.Fole
y, Andries van Dam, Steven K.Feiner, John F.Hughe
s, "Computer Graphics, principles and practice", A
DDISON-WESLEY PUBLISHING COMPANY, 1996などに記載さ
れているように、透視変換(射影変換)であるから、分
母と分子のいずれもが、x座標、y座標、z座標のうち
のいずれかの一次式(x,y,zのうちのいずれかの1
次の項と定数項)であるような有理式で表すことができ
る。即ち、wを、同次座標を表す任意の数とすると、ス
クリーン上の投影画像の点(xp,yp)は、同次座標に
より、例えば、式(9)のように表すことができる。
【0126】
【数5】 ・・・(9) ここで、カメラ9の焦点距離をfとするとともに、カメ
ラ座標系におけるスクリーンの1画素の横または縦の長
さを、それぞれhまたはvとした場合において、式
(9)におけるfhまたはfvは、f×hまたはf×vを
それぞれ表す。
【0127】式(9)から明らかなように、同次座標の
x座標wxpまたはy座標wypを、そのz座標wで除算
した値が、投影画像のx座標xpまたはy座標ypとな
る。
【0128】式(7)乃至(9)から、式(10)を導
くことができる。
【0129】
【数6】 ・・・(10) 式(10)において、Mは、図19からも明らかなよう
に、ψ(xe,ye)、つまり(xo,yo,zo)を、
(xp,yp)に変換する行列であり、次式のように表さ
れる。
【0130】
【数7】 ・・・(11) 式(10)におけるψ(ψ1,ψ2,ψ3)は、ユーザに
よって与えられる形状情報に基づき、幾何学的計算によ
って求めることができる。また、式(10)における行
列Mは、ユーザによって与えられる特徴点に基づいて求
めることができる。即ち、行列Mは、式(11)に示す
ように、一般には、11の要素m11,m12,m13
14,m21,m22,m23,m24,m31,m32,m33を未
知数として有するから、例えば、投影画像上の、自由度
が2の5点と、自由度が1の1点との合計6点が特徴点
として指定されれば、m11乃至m14,m21乃至m24,m
31乃至m 33を求めることができる。なお、投影画像上
の、上述の6点を超える数の点が指定された場合には、
例えば、最小自乗法などを用いることで、11の要素m
11乃至m14,m21乃至m24,m31乃至m33を求める。
【0131】以上のように、ここでは、行列Mは、ユー
ザによって与えられる特徴点に基づいて求めることとし
ているため、カメラ座標における3次元物体の3次元の
データを取り扱う必要がなく、従って、その3次元のデ
ータを用いた計算も行う必要がない。さらに、同一の3
次元物体を複数の位置から撮影した複数の2次元画像を
用いる必要もない。即ち、ある位置から3次元物体を撮
影した1つの2次元画像から、行列Mを求めることがで
きる。その結果、写像Mψ(および(Mψ)-1)も、カ
メラ座標における3次元のデータを用いた計算を行った
り、また、複数の2次元画像を用いたりすることなく求
めることができる。
【0132】次に、3次元物体として、直方体を用いた
場合のψおよびMの算出方法について説明する。
【0133】3次元物体が、直方体である場合において
は、式(7)のψ、即ち、直方体のある面(長方形)
の、3次元空間上の点(xo,yo,zo)と、展開画像
上の点(xe,ye)との関係は、例えば、次のように表
すことができる。
【0134】
【数8】 ・・・(12) 但し、ここでは、投影画像についての2次元座標(以
下、適宜、スクリーン座標という)として、3次元物体
についての3次元座標(以下、適宜、単に、3次元座標
という)におけるzo=0の平面上の座標であって、
x,y座標が等しいもの(xe=xo,ye=yo)、つま
り、3次元物体についての3次元座標系のxy平面を使
用することとしている。また、3次元座標系としては、
直方体のある面のうちの1の頂点が、原点に一致し、か
つその面が、xy平面に含まれるようなものを用いるこ
ととしている。
【0135】式(12)では、zo=0であるから、式
(11)における行列Mの第3列m1 3,m23,m33は不
要となる。即ち、この場合、式(10)は、次のように
表すことができる。
【0136】
【数9】 ・・・(13)
【0137】従って、この場合、求めるべき行列Mの要
素は、m11,m12,m14,m21,m 22,m24,m31,m
32の8個であるから、展開画像上の4点に対応する投影
画像上の4点を特徴点として指定すれば(4つの特徴点
のxp,yp座標の合計で8個の情報を与えれば)、これ
らの8個の要素m11,m12,m14,m21,m22,m24
31,m32を求めることができる。
【0138】3次元物体が直方体である場合において
は、その面(長方形)の投影画像は、例えば、図21
(A)に示すような四角形となる。そこで、ここでは、
ユーザに、例えば、四角形の投影画像の4つの頂点を、
特徴点として指定してもらうこととする。また、ここで
は、例えば、図21(A)に示したように、四角形の投
影画像の頂点を、左上の頂点から時計回りに、点P1
2,P3,P4とそれぞれするとともに、図21(B)
に示すように、ペーストバッファに長方形状に記憶され
る展開画像の頂点を、左上の頂点から時計回りに、点E
1,E2,E3,E4とそれぞれして、点P1とE1、点P2
とE2、点P3とE3、点P4とE4を、それぞれ対応させ
ることとする。
【0139】さらに、展開画像についての2次元座標
(以下、適宜、ペーストバッファ座標という)系におけ
る点E1,E2,E3,E4の座標を、それぞれ(0,
0),(L W,0),(LW,LH),(0,LH)とす
る。ここで、LWまたはLHは、それぞれ、長方形状の展
開画像の横または縦の長さを表し、ペーストバッファの
容量の許す範囲で、ユーザが任意に設定することが可能
である。また、LWおよびLHは、このようにユーザに設
定させる他、展開画像が、ペーストバッファの、例えば
80%などの所定の割合の大きさ(面積)となるような
ものに定めておくことも可能である。さらに、LWおよ
びLHは、あらかじめ固定の値に設定しておくことも可
能である。
【0140】この場合、ユーザによって指定された特徴
点としての点P1,P2,P3,P4のスクリーン座標を、
それぞれ(xp1,yp1),(xp2,yp2),(xp3
p3),(xp4,yp4)とすると、式(10)から、次
式が成り立つ。
【0141】
【数10】 ・・・(14) 但し、式(14)において、w1,w2,w3,w4は、同
次座標を表す任意の数である。
【0142】式(14)における行列Mは、式(13)
における8個の要素m11,m12,m 14,m21,m22,m
24,m31,m32を未知数とするものであり、また、式
(14)からは、8つの方程式をたてることができるか
ら、8個の未知数m11,m12,m14,m21,m22
24,m31,m32、即ち、行列Mを求めることができ
る。なお、行列Mを求めるための特徴点としては、基本
的に、ユーザによって指定された特徴点を、上述の自動
補正処理により補正したものが用いられる。
【0143】3次元物体が、直方体である場合におい
て、その面(長方形)を対象にコピー処理またはペース
ト処理を行うときには、式(12)によりψを求めると
ともに、式(14)からMを求める。そして、ペースト
処理の場合は、写像Mψがそのまま順変換式とされ、コ
ピー処理の場合は、写像Mψの逆行列が求められ、逆変
換式とされる。ここで、3次元物体が直方体である場合
に限らず、ペースト処理において用いられる変換式は、
写像Mψがそのまま使用されるため順変換式と呼び、コ
ピー処理において用いられる変換式は、写像Mψの逆写
像が使用されるため逆変換式と呼んでいる。
【0144】コピー処理を行う場合においては、画像変
換処理部20において、注目バッファの、図21(A)
に示した投影画像である四角形P1234内の画素そ
れぞれが、逆変換式(Mψ)-1にしたがい、ペーストバ
ッファの、図21(B)に示した長方形E1234
の対応する位置に書き込まれる。
【0145】なお、注目バッファの1画素が、ペースト
バッファの複数の画素に対応する場合には、その複数の
画素すべてについて、注目バッファの1画素の画素値を
書き込むようにしても良いし、また、注目バッファの複
数の画素を用いて補間を行うことにより補間値を求め、
その補間値を、ペーストバッファに書き込むようにして
も良い。即ち、例えば、注目バッファのある画素Aが、
ペーストバッファの隣接する2つの画素a1,a2に対応
する場合には、画素a1には、画素Aの画素値を書き込
み、画素a2には、画素Aと、それに隣接する注目バッ
ファの画素との画素値の平均値等を書き込みようにする
ことができる。
【0146】逆に、注目バッファの複数の画素が、ペー
ストバッファの1画素に対応する場合には、例えば、そ
の複数の画素のうちのいずれか1の画素値を、ペースト
バッファに書き込んでも良いし、その複数の画素に対し
てフィルタをかけることにより重み付け加算値などを求
め、その重み付け加算値を、ペーストバッファに書き込
んでも良い。
【0147】ここで、ペーストバッファへの画素値の書
き込みは、逆変換式(Mψ)-1にしたがっていれば、上
述のように、注目バッファの投影画像の各画素が、ペー
ストバッファの展開画像のどの画素に変換されるのかを
計算して行っても良いし、逆に、展開画像の各画素に変
換されるのが、投影画像のどの画素なのかを計算して行
っても良い。
【0148】一方、ペースト処理を行う場合において
は、画像変換処理部20において、ペーストバッファ
の、図21(B)に示した展開画像である長方形E12
34内の画素それぞれが、順変換式Mψにしたがい、
注目バッファの、図21(A)に示した四角形P12
34内の対応する位置に書き込まれ、これにより、注目
バッファに記憶された2次元画像上に、投影画像が貼り
付けられる。
【0149】なお、ペーストバッファの1画素が、注目
バッファの複数の画素に対応する場合には、コピー処理
における場合と同様に、その複数の画素すべてについ
て、ペーストバッファの1画素の画素値を書き込むよう
にしても良いし、また、ペーストバッファの複数画素を
用いて補間を行うことにより補間値を求め、その補間値
を書き込むようにしても良い。
【0150】逆に、ペーストバッファの複数の画素が、
注目バッファの1画素に対応する場合には、例えば、そ
の複数の画素のうちのいずれか1の画素値を、注目バッ
ファに書き込んでも良いし、その複数の画素に対してフ
ィルタをかけることにより重み付け加算値などを求め、
その重み付け加算値を、注目バッファに書き込んでも良
い。
【0151】ここで、注目バッファへの画素値の書き込
みも、順変換式Mψにしたがっていれば、上述のよう
に、ペーストバッファの展開画像の各画素が、注目バッ
ファの投影画像のどの画素に変換されるのかを計算して
行っても良いし、逆に、投影画像の各画素に変換される
のが、展開画像のどの画素なのかを計算して行っても良
い。
【0152】以上、3次元物体として、直方体を用いた
場合のψおよびMの算出方法について説明したが、プリ
ミティブな形状の3次元物体としての、例えば、円柱
や、円錐、球についてのψおよびMの算出方法について
は、本件出願人が先に提案した、例えば、特願平1−1
64654号(特願平10−197390号を基礎とす
る国内優先権主張出願)等に、その詳細が開示されてい
るため、ここでは、その説明を省略する。
【0153】なお、プリミティブな形状以外の3次元物
体であっても、その形状を、関数で表現することができ
るものであれば、そのような3次元物体を対象に、ψお
よびMを算出することが可能である。
【0154】また、特徴点として指定すべき点は、上述
したものに限定されるものではない。即ち、例えば、図
21では、直方体の面である四角形の投影画像の特徴点
として、その四角形の頂点を指定するようにしたが、四
角形の投影画像の特徴点としては、その他、例えば、そ
の四角形の各辺の中点などを指定するようにすることも
可能である。
【0155】また、特徴点としては、投影画像として表
示される点(見える点)の他、表示されない点(見えな
い点)を指定することも可能である。
【0156】但し、投影画像の特徴点として指定される
点が、ペーストバッファに記憶される展開画像のどの位
置に対応するのかという対応関係は、あらかじめ設定し
ておく必要がある。
【0157】次に、ペースト処理においては、基本的に
は、上述したように、ペーストバッファに記憶された画
像が、注目バッファに記憶された2次元画像の、ユーザ
によって指定された特徴点により特定される3次元物体
の面に貼り付けられる。即ち、ペーストバッファに記憶
された画像の画素値が、注目バッファに上書きされる。
しかしながら、例えば、ペースト処理によって、注目バ
ッファに記憶された2次元画像に、新たな3次元物体を
追加する場合に、ペーストバッファに記憶された画像の
画素値を、注目バッファに、単に上書きするのでは、注
目バッファに記憶された2次元画像に既に表示されてい
る3次元物体の手前側に、新たな3次元物体を追加する
ことはできるが、その奥側に、新たな3次元物体を追加
することはできない。
【0158】そこで、本実施の形態では、マットを利用
して、注目バッファに記憶された2次元画像に既に表示
されている3次元物体の奥側に、新たな3次元物体を追
加することができるようになっている。
【0159】マットは、2次元画像に表示された物体の
形状を表す、いわゆるグレースケールの画像で、その値
は、2次元画像を構成する各画素における物体の寄与率
(αと呼ばれる)を表すことから、α画像とも呼ばれ
る。ここでは、マットは、図7のステップS15におけ
るマット処理が行われることによって、注目バッファに
記憶された2次元画像のマットが生成されるようになっ
ている。なお、2次元画像のマットは、上述したよう
に、その2次元画像が記憶されている画像バッファに記
憶されるようになっている。
【0160】ここで、マットを構成する各画素の画素値
は、例えば、0乃至1の範囲の値をとり、いわゆる前景
を構成する画素の画素値は1に、いわゆる背景を構成す
る画素の画素値は0に、前景と背景との境界部分を構成
する画素の画素値は、その画素に含まれる前景と背景と
の割合に応じた値となる(前景の割合が多いほど1に近
い値となり、背景の割合が多いほど0に近い値とな
る)。
【0161】従って、例えば、いま、図22(A)に示
すような家屋の形状をした3次元物体が表示されている
2次元画像が、注目バッファに記憶されている場合にお
いて、家屋の部分を前景とし、それ以外の部分を背景と
して、マット処理が行われると、マット操作処理部16
では、図22(B)に示すようなマットが生成され、注
目バッファに記憶される。なお、図22(B)におい
て、影を付してある部分の画素値は1になっており、影
を付していない部分の画素値は0になっている。
【0162】ここで、マットの生成方法としては、例え
ば、Eric N.Mortensen, William A.Barrett, "Intellig
ent Scissors for Image Composition", Proceedings o
f SIGGRAPH 95, pp.191-198や、本件出願人が先に提案
した特開平8−331455号公報、特開平10−14
3654号などに開示されているものを利用することが
できる。
【0163】注目バッファに、2次元画像とともに、そ
のマットが記憶されている場合において、そのマットを
有効または無効とするかは、入力装置6を操作すること
により設定することができるようになっている。
【0164】いま、例えば、注目バッファに、図22
(A)または図22(B)にそれぞれ示したような2次
元画像またはマットが記憶されており、新たな3次元物
体として、例えば、円柱を、注目バッファの2次元画像
に貼り付けるペースト処理が指令された場合には、マッ
トが無効とされているときには、円柱の投影画像は、2
次元画像に単に上書きされ、これにより、例えば、図2
2(C)に示すような、円柱が、家屋の手前にあるよう
な2次元画像が生成される。
【0165】一方、マットが有効とされているときに
は、注目バッファに記憶されている2次元画像を構成す
る画素の画素値をAと、円柱の投影画像を構成する画素
の画素値をBと、マットを構成する画素の画素値をα
と、ペースト処理により得られる2次元画像をCと、そ
れぞれ表すと、2次元画像Cは、式C=αA+(1−
α)Bに基づいて生成される。従って、この場合、例え
ば、図22(D)に示すような、円柱が、家屋の奥側に
あるような2次元画像が生成される。
【0166】以上のように、マットを有効にしてペース
ト処理を行うことで、2次元画像に既に表示されている
3次元物体の奥側に隠れている部分を見えなくする、い
わゆるオクルージョン(Occlusion)を実現することが
でき、従って、この場合、マットは、投影画像の書き込
みを許可するかどうかのフラグとして機能しているとい
うことができる。
【0167】なお、マットは、ユーザに作成してもらう
ようにすることも可能である。
【0168】次に、図23のフローチャートを参照し
て、図7のステップS16における物体属性/光源変更
処理について説明する。なお、ここでは、注目バッファ
に記憶された2次元画像のマットが既に生成され、注目
バッファに記憶されているものとする。
【0169】物体属性/光源変更処理では、まず最初
に、ステップS51において、注目バッファに記憶され
たマットにより表される、同じく注目バッファに記憶さ
れた2次元画像に表示された物体の領域における色分布
が検出される。即ち、ステップS51では、注目バッフ
ァに記憶された2次元画像に表示された物体の領域が、
注目バッファに記憶されたマットから認識され、その領
域を構成する画素のRGB値の、RGB空間における分
布(色分布)が検出される。
【0170】色分布の検出後は、ステップS52に進
み、物体の領域を構成する画素のうち、その色の彩度が
最も大きい画素(以下、適宜、最大彩度画素)が、ステ
ップS51で検出された色分布に基づいて検出される。
【0171】即ち、図24は、RGB空間における物体
の色分布(同図において実線で囲んで示す部分)の例を
示している。なお、図24は、R,G,Bの最大値を1
に正規化した色分布を示している。従って、図24のR
GB空間において、(R,G,B)が(0,0,0)の
点は黒を、(1,1,1)の点は白を、それぞれ表す。
【0172】RGB空間において、彩度は、黒の点と白
の点を結ぶ直線、即ち、図24では、点(0,0,0)
と(1,1,1)とを結ぶ直線から離れるほど大きくな
る。従って、ステップS52では、ステップS51で検
出された色分布において、点(0,0,0)と(1,
1,1)とを結ぶ直線から最も離れた点に位置する色を
有する画素が、最大彩度画素として検出される。図24
の実施の形態では、同図においてCで示す色の画素が、
最大彩度画素として検出される。
【0173】ここで、最大彩度画素の色(RGB値)C
が、注目バッファに記憶された2次元画像に表示された
物体の本来の色と考えられる。
【0174】その後、ステップS53に進み、ステップ
S51で検出された色分布が変換され、その変換後の色
分布に対応した画素値(RGB値)が、注目バッファに
記憶された2次元画像を構成する、対応する画素に書き
込まれて、リターンする。即ち、ステップ53では、最
大彩度画素の色Cが、所定の色Dに変換され、さらに、
所定のルールにしたがって、物体の領域を構成する他の
画素の色も変換される。
【0175】具体的には、物体の色や材質感などの材質
属性を変更する物体属性処理が指令された場合、ステッ
プS53では、最大彩度画素の色Cが、所定の色Dに変
換され、その変換と同様にして、物体の領域を構成する
他の画素の色も、線形的に変換される。
【0176】即ち、図24において、最大彩度画素の色
Cが、色Dに変更された場合、物体の色分布の中で、色
Cと、白色を表す点(1,1,1)との間にある色は、
色Dと、白色を表す点(1,1,1)との間にある色
に、線形に変換される。さらに、物体の色分布の中の、
色Cと、黒色を表す点(0,0,0)との間にある色
は、色Dと、黒色を表す点(0,0,0)との間にある
色に、線形に変換される。その結果、物体の色分布は、
図24において、実線で示すものから点線で示すものに
変更される。ここでは、色が線形に変換されるため、元
の色分布の中で、最も明るい色Qは、変換後の色分布の
中でも、最も明るい色Tに変換される。同様に、元の色
分布の中で、最も暗い色Pは、変換後の色分布の中で
も、最も暗い色Sに変換される。
【0177】色Cと、白色を表す点(1,1,1)との
間にある色は、物体における、光源からの光の鏡面反射
による鏡面反射成分であり、また、色Cと、黒色を表す
点(0,0,0)との間にある色は、物体における、光
源からの光の拡散反射による拡散反射成分であり、上述
のように、物体の色分布を、拡散反射成分と鏡面反射成
分とに分けて、それぞれを線形に変換することにより、
注目バッファに記憶された2次元画像に表示されている
物体の投影画像の色を、元の陰影を保持したまま変更す
ることができる。即ち、上述の場合、2次元画像に表示
された物体の色を、色Cから色Dに変更することができ
る。
【0178】なお、このような色の変更は、ダイクロマ
ティックリフレクションモデル(dichromatic reflecti
on model)の理論に基づくものである。
【0179】また、上述の場合には、物体の色分布のう
ちの拡散反射成分または鏡面反射成分それぞれを線形に
変換するようにしたが、ステップS53では、拡散反射
成分や鏡面反射成分を非線形に変換するようにすること
も可能である。即ち、例えば、図24において、鏡面反
射成分である、色CとQとの間にある色のほとんどを、
色D付近に変換し、色Qおよびその付近の色を、色T付
近に変換した場合には、物体を、ごく一部において、強
い鏡面反射が生じているようなものとすることができ
る。この場合、例えば、図25(A)に示すように、拡
散反射が多く、全体的に明るい物体を、図25(B)に
示すように、一部で強い鏡面反射が生じている物体に変
更することができる。
【0180】以上のように、拡散反射成分や鏡面反射成
分を非線形に変換することで、物体において、鏡面反射
している領域を狭くまたは広くしたり、鏡面反射の強度
を変えたりすることができ、これにより、物体の材質感
を変更することができる。
【0181】なお、上述のように、一部で強い鏡面反射
が生じるのは、表面粗度が小さい物体の性質であり、従
って、そのように色分布を変更した場合には、物体の表
面を滑らかな表面に変更することができる。
【0182】次に、光源を変更する光源変更処理が指令
された場合、図23のステップS53では、図24にお
いて、鏡面反射成分である色CとQとの間にある色が、
色Cから、新たな光源の色に沿って分布するように変換
される。即ち、物体の色分布において、最も明るい色
は、光源の色であると考えられるから、図24におい
て、色Cから、最も明るい色Qに沿って分布する色を、
色Cから、新たな光源の色に沿って分布するように変換
することで、光源が、新たな光源に変更されたかのよう
な効果を得ることができる。
【0183】次に、図7のステップS17において行わ
れるイレース処理について説明する。
【0184】イレース処理は、上述したように、画像バ
ッファに記憶された2次元画像の一部を削除するもので
あるから、基本的には、そのイレース処理の対象とする
2次元画像が記憶された画像バッファを注目バッファと
して、コピー処理を行い、展開画像をペーストバッファ
に記憶させ、さらに、ペーストバッファに記憶された展
開画像の一部を消去し、ペースト処理を行い、展開画像
に対応する投影画像を、注目バッファの元の位置に貼り
付けることで行うことができる。
【0185】しかしながら、例えば、図26(A)に示
すような2次元画像のうちの、格子状の模様が描かれた
壁に埋め込まれている円柱を削除する場合において、コ
ピー処理を行い、図26(B)に示すように、その壁の
展開画像をペーストバッファに記憶させた後、単に、円
柱の部分を削除して、ペースト処理を行ったのでは、円
柱のあった部分が無模様の、不自然な2次元画像が得ら
れることになる。
【0186】そこで、イレース処理では、ペーストバッ
ファに記憶された展開画像の一部を削除し、さらに、そ
の削除が行われた部分の背景を再現するようになってい
る。
【0187】即ち、例えば、図26(A)に示すような
2次元画像のうちの、格子状の模様が描かれた壁に埋め
込まれている円柱を削除する場合において、コピー処理
を行い、図26(B)に示すように、その壁の展開画像
が、ペーストバッファに記憶されたときには、イレース
処理では、円柱の部分が削除され、さらに、その削除が
行われた部分の背景が描画される。これにより、ペース
トバッファの展開画像は、例えば、図26(C)に示す
ように、全体に、格子状の模様が描かれたものとされ
る。
【0188】従って、そのような展開画像を用いて、ペ
ースト処理を行うことにより、図26(D)に示すよう
に、円柱が削除され、さらに、その円柱のあった部分に
格子状の模様が再現された、自然な2次元画像を得るこ
とができる。
【0189】なお、上述のように、画像の一部を削除
し、その削除が行われた部分に背景を再現する方法とし
ては、例えば、本件出願人が先に提案した特開平9−1
28529号公報(EP公開番号0772157に対
応)や特開平10−105700号(USP5,89
2,853に対応)などに記載されているものなどを採
用することができる。
【0190】次に、上述の場合においては、コピー処理
において、注目バッファに記憶された2次元画像に表示
された3次元物体の1面だけの展開画像を生成し、ペー
ストバッファに記憶させるようにしたが、コピー処理で
は、注目バッファに記憶された2次元画像の中の3次元
物体を構成する面のうち、隣接する2面以上の部分につ
いて、展開画像を生成し、ペーストバッファに記憶させ
るようにすることも可能である。
【0191】即ち、例えば、図27(A)に示すよう
に、家屋の形状をした3次元物体が表示されている2次
元画像が、注目バッファに記憶されている場合におい
て、格子状の模様が描かれた壁と、それに隣接する無模
様の壁に、連続した文字や図形を付加するときには、格
子状の模様が描かれた壁を対象に、コピー処理を行い、
その展開画像をペーストバッファに記憶させ、文字や図
形を描き、ペースト処理を行うことで、文字や図形が描
かれた格子状の模様の壁を貼り付け、さらに、無模様の
壁を対象に、コピー処理を行い、その展開画像をペース
トバッファに記憶させ、文字や図形を描き、ペースト処
理を行うことで、文字や図形が描かれた無模様の壁を貼
り付けるのでは、面倒であり、また、連続した文字や図
形を描きにくい。
【0192】そこで、コピー処理では、図27(B)に
示すように、格子状の模様が描かれた壁と、それに隣接
する無模様の壁の両方の展開画像を生成し、その2つの
展開画像を接続した形で、ペーストバッファに記憶させ
ることができる。この場合、格子状の模様が描かれた壁
と、それに隣接する無模様の壁に、連続した文字や図形
を、容易に描くことができる。
【0193】また、例えば、図28に示すように、直方
体が表示されている2次元画像が、注目バッファに記憶
されている場合において、見えている3つの面S1
2,S 3に、同図に点線で示すような連続した線を描く
ときなども、面S1,S2,S3それぞれについて、展開
画像の生成、線の描画、展開画像の貼り付けを行うより
は、面S1,S2,S3それぞれの展開画像を、それらの
面S1,S2,S3の接続関係にしたがって接続したもの
を生成し、そのような展開画像に対して、線を描いた方
が、面S1,S2,S3に亘って連続した線を、容易に描
くことができる。
【0194】従って、注目バッファに記憶された2次元
画像に表示された3次元物体の隣接する2面以上の複数
の面に対して、連続した文字や図形の付加等の加工を施
す場合には、その複数の面を対象としてコピー処理を行
うのが望ましい。
【0195】そこで、図29のフローチャートを参照し
て、注目バッファに記憶された2次元画像に表示された
3次元物体の隣接する複数の面を対象としたコピー処理
について説明する。
【0196】複数の面を対象としたコピー処理では、ま
ず最初に、ステップS61において、コピー操作処理部
12は、変数nに、初期値としての、例えば1をセット
する。そして、ユーザが、形状ボタン32(図8)を操
作するのを待って、ステップS62に進み、コピー操作
処理部12において、ユーザによる形状ボタン32の操
作に基づいて、コピー処理の対象とする3次元物体の面
の形状(形状情報)が認識される。
【0197】その後、ユーザが、入力装置6を操作する
ことにより、注目バッファに記憶された2次元画像中
の、処理の対象とする3次元物体の面についての特徴点
を指定するのを待って、ステップS63に進み、コピー
操作処理部12において、その特徴点の、2次元画像中
の座標が認識される。なお、コピー操作処理部12は、
特徴点の座標の認識後、必要に応じて、その特徴点を、
変換指定処理部19に渡し、上述の自動補正処理を行わ
せる。
【0198】2次元画像中の、処理の対象とする3次元
物体の面についての特徴点が認識されると、ステップS
64に進み、コピー操作処理部12において、ステップ
S62で認識された形状情報、および前回のステップS
63で認識された特徴点に基づいて、注目バッファに記
憶された2次元画像の中の3次元物体を構成する面を、
展開画像に変換するための逆変換式(Mnψ)-1が算出
される。ここで、逆変換式(Mnψ)-1を構成する行列
nは、コピー処理の対象とする複数の面のうち、n回
目のステップS63において認識された特徴点によって
特定される面(以下、適宜、面#nという)について
の、上述の行列M(図19で説明した3次元空間上の3
次元物体を構成する面を、スクリーン上に投影する行列
M)を意味する。
【0199】その後、ステップS65に進み、入力イベ
ント処理部11において、コピー処理の対象とする複数
の面すべてについて、特徴点の入力が終了したかどうか
が判定される。ステップS65において、コピー処理の
対象とする複数の面すべてについて、特徴点の入力が、
まだ終了していないと判定された場合、即ち、例えば、
そのように、入力装置6が操作された場合、ステップS
66に進み、コピー操作処理部12において、変数nが
1だけインクリメントされる。そして、次の処理対象と
なる面についての特徴点が、ユーザによって入力装置6
が操作されることにより入力されるのを待って、ステッ
プS63に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0200】また、ステップS65において、コピー処
理の対象とする複数の面すべてについて、特徴点の入力
が終了したと判定された場合、即ち、例えば、そのよう
に、入力装置6が操作された場合、ステップS67に進
み、コピー操作処理部12において、変数iに、初期値
としての、例えば1がセットされ、逆変換式(Miψ)
-1が、画像変換処理部20に供給される。画像変換処理
部20では、ステップS68において、コピー操作処理
部12からの逆変換式(Miψ)-1に基づいて、注目バ
ッファに記憶された2次元画像の中の3次元物体を構成
する面#i(特徴点によって特定される)の投影画像
が、展開画像に変換される。
【0201】そして、画像変換処理部20は、ステップ
S69に進み、面#iの展開画像を、ペーストバッファ
に書き込む。
【0202】ここで、画像変換処理部20は、面#iの
展開画像を、ペーストバッファに書き込む際、面#i
と、コピー処理の対象とする複数の面のうちの面#iと
接続している面(以下、適宜、接続面という)との間の
接続関係にしたがって、面#iの展開画像を、ペースト
バッファに書き込む。即ち、例えば、面#i’が、ペー
ストバッファに既に書き込まれており(i’は、1乃至
i−1の間の整数)、3次元物体において、面#iが、
面#i’と接している場合には、画像変換処理部20
は、基本的に、面#iの展開画像を、ペーストバッファ
に既に書き込まれている面#i’の展開画像に接するよ
うに書き込む。従って、この場合、ペーストバッファに
は、3次元物体の面#i’と面#iとを、同時に2次元
平面上に展開した状態の展開画像が記憶されることにな
る。
【0203】なお、i=1の場合、即ち、面#1の展開
画像をペーストバッファに書き込む場合においては、ペ
ーストバッファには、コピー処理の対象とする複数の面
のいずれの展開画像も、まだ記憶されていないため、面
#1の展開画像は、ペーストバッファの任意の位置、即
ち、例えば、ペーストバッファのほぼ中央部分に書き込
まれる。
【0204】面#iの展開画像を、ペーストバッファに
書き込んだ後は、ステップS70に進み、コピー操作処
理部12において、変数iがnに等しいかどうかが判定
される。ステップS70において、変数iがnに等しく
ないと判定された場合、即ち、コピー処理の対象とする
複数の面の展開画像のすべてを、まだ、ペーストバッフ
ァに書き込んでいない場合、ステップS71に進み、変
数iが1だけインクリメントされる。そして、ステップ
S68に戻り、以下、ステップS70で変数iがnに等
しいと判定されるまで、ステップS68乃至S71の処
理を繰り返す。
【0205】一方、ステップS70において、変数iが
nに等しいと判定された場合、処理を終了する。
【0206】以上のように、ステップS68乃至S71
の処理が繰り返されることで、ペーストバッファには、
まず最初に、面#1の展開画像が書き込まれ、次に、面
#2の展開画像が、面#1との接続関係にしたがった位
置に書き込まれる。さらに、第3面の展開画像が、面#
1または面#2との接続関係にしたがった位置に書き込
まれ、以下、同様にして、面#nまでの展開画像が書き
込まれていく。その結果、ペーストバッファには、最終
的に、面#1を元(基準)にして、コピー処理の対象と
する複数の面それぞれの展開画像を、その複数の面それ
ぞれの接続関係にしたがって接続したもの(以下、適
宜、接続画像という)が記憶される。
【0207】即ち、例えば、図30(A)に示すよう
な、点A1,B1,C1,D1を頂点とする長方形の面#1
と、点A2,B2,C2,D2を頂点とする面#2とが、辺
11とA22とを共通にして接続している投影画像に
ついては、ペーストバッファにおいて、面#1の展開画
像が書き込まれ、次に、面#2の展開画像が、面#1と
の接続関係にしたがった位置に書き込まれる。これによ
り、ペーストバッファでは、図30(B)に示すような
面#1と#2の展開画像でなる接続画像が記憶される。
【0208】なお、図30の実施の形態では、面#1に
ついては、投影画像上における頂点A1,B1,C1,D1
が特徴点として指定され、頂点A1,B1,C1,D1それ
ぞれが、面#1の展開画像上の点a1,b1,c1,d1
それぞれ対応するものとしてある。さらに、面#1の展
開画像は、横×縦が1×1のものとされており、その座
標系(ペーストバッファ座標系)は、面#1の展開画像
の重心を原点とし、右方向をx軸に、下方向をy軸にし
たものとされている。
【0209】ここで、面#iの展開画像の座標系(ペー
ストバッファ座標系)におけるx軸またはy軸を、以
下、適宜、それぞれxeiまたはyeiと表す。
【0210】従って、図30(B)では、点a1,b1
1,d1の、面#1における座標(xe1,ye1)は、そ
れぞれ(−1/2,−1/2),(1/2,−1/
2),(1/2,1/2),(−1/2,1/2)にな
っている。
【0211】面#2についても、投影画像上における頂
点A2,B2,C2,D2が特徴点として指定され、頂点A
2,B2,C2,D2それぞれが、面#2の展開画像上の点
2,b2,c2,d2にそれぞれ対応するものとしてあ
る。さらに、面#2の展開画像も、横×縦が1×1のも
のとされており、そのペーストバッファ座標系は、面#
2の展開画像の重心を原点とし、右方向をx軸に、下方
向をy軸にしたものとされている。
【0212】従って、図30(B)では、点a2,b2
2,d2の、面#2における座標(xe2,ye2)は、そ
れぞれ(−1/2,−1/2),(1/2,−1/
2),(1/2,1/2),(−1/2,1/2)にな
っている。
【0213】なお、ここでは、形状が長方形である面#
1や#2の展開画像を、横×縦が1×1の正方形とする
ようにしたが、面#1や#2の展開画像は、上述したよ
うに、その他の任意のスケールの長方形とすることが可
能である。
【0214】以上のようにして、ペーストバッファに、
図30(B)に示したような接続画像が記憶された後
は、ペーストバッファに1つの面の展開画像が記憶され
た場合と同様に、その接続画像に対して、文字や図形を
書き込むことができる。
【0215】次に、形状情報がいずれも長方形である5
つの面#1,#2,#3,#4,#5でなる3次元物体
を、カメラ9で撮影し、その結果得られる、例えば、図
31(A)に示すような投影画像を、図29のフローチ
ャートにしたがった処理によって、面#1乃至#5それ
ぞれの展開画像で構成される接続画像に変換すると、図
31(B)に示すような接続画像が得られることがあ
る。
【0216】即ち、図31(A)の投影画像において
は、接続している面#1乃至#3に亘って連続する線状
の模様が描かれているが、図31(B)の展開画像で
は、その線状の模様が、面どうしの接続部分である面#
1と#2との間、および面#1と#3との間で不連続に
なっている。このように、投影画像において連続してい
る模様が、展開画像において不連続になることは、不自
然であり、ユーザに違和感を感じさせる。
【0217】ここで、上述のような現象が生じるのは、
カメラ9において、3次元物体を撮影して得られる投影
画像は、カメラ9のレンズの歪曲収差等の影響を受ける
ため、3次元物体を、単純に透視変換したものに一致し
ていないことによる。
【0218】そこで、例えば、カメラ9のレンズの歪曲
収差その他の、いわゆるカメラパラメータを求め、式
(9)で表される透視変換を、カメラパラメータを考慮
して行うことで、上述したような不自然な展開画像が得
られることを防止する方法がある。
【0219】しかしながら、カメラ9が出力する画像と
しての投影画像から、3次元物体を撮影したときのカメ
ラパラメータを厳密に求めることは、多量の演算を要
し、時間もかかる。
【0220】そこで、カメラ9が出力する投影画像が、
レンズの歪曲収差等に起因する誤差を含んでいないもの
と仮定して、その投影画像を、展開画像に変換する方法
がある。
【0221】即ち、レンズの歪曲収差等に起因する誤差
を含んでいない投影画像においては、3次元空間におい
て平行な直線どうしが、消失点と呼ばれる一点に収束す
る。そこで、投影画像における消失点が一点に収束する
ものとして、その投影画像を、展開画像に変換する方法
がある。
【0222】具体的には、例えば、図32(A)に示す
ように、面#1および#2からなる3次元物体を、カメ
ラ9で撮影した投影画像においては、カメラ9のレンズ
の歪曲収差等に起因して、頂点A,B,C,Dからなる
面#1の消失点(ここでは、直線ABとDCとの交点)
と、頂点A,B,F,Eからなる面#2の消失点(ここ
では、直前ABとEFとの交点)とは一致しない。この
ため、面#1および#2の展開画像からなる接続画像
は、図32(B)に示すようになり、投影画像におい
て、面#1と#2との間に亘って連続になっている線状
の模様がある場合に、その模様が、展開画像において不
連続な模様として現れる。
【0223】なお、図32では、投影画像上の点A乃至
Fが、展開画像上の点a乃至fにそれぞれ対応してい
る。
【0224】そこで、図33(A)に示すように、投影
画像における面#1および#2の消失点が、同一の点と
なるものとして、投影画像を展開画像に変換する。この
場合、投影画像において、複数の面に亘って連続してい
る模様は、展開画像においても、複数の面に亘って連続
している模様として現れる。
【0225】しかしながら、この場合、図33(A)に
示した、消失点を補正した投影画像から得られる展開画
像は、例えば、図33(B)に示すようになる。即ち、
投影画像における面#1の構成部分でない部分が、展開
画像において、面#1の構成部分として現れたり、逆
に、投影画像における面#2の構成部分が、展開画像に
おいて、面#2の構成部分として現れないことになり、
不自然な展開画像となる。
【0226】そこで、画像変換処理部20(図4)にお
いては、順変換式Mψまたは逆変換式(Mψ)-1で規定
される投影画像と展開画像との間の対応関係を補正し、
その補正の結果得られる新たな対応関係(以下、適宜、
新対応関係という)に基づいて、投影画像から展開画像
への変換を行うようにすることで、自然な展開画像を得
るようにすることができる。
【0227】図34は、そのような処理を行う画像変換
処理部20の機能的構成例を示している。
【0228】順変換式記憶部41は、展開画像に変換す
る、処理対象の投影画像に表示された3次元物体の各面
についての順変換式を記憶する。なお、順変換式Mψ
は、上述したように、ペースト操作処理部13で算出さ
れるが、ここでは、コピー操作処理部12において、ペ
ースト操作処理部13における場合と同様にして、順変
換式Mψが算出され、順変換式記憶部41に供給される
ようになっているものとする。
【0229】第1変換部42は、展開画像において隣接
する2つの面が共有する辺上の点を、そのうちの一方の
面についての、順変換式記憶部41に記憶された順変換
式に基づいて、投影画像上の点に変換するとともに、他
方の面についての、順変換式記憶部41に記憶された変
換式に基づいて、投影画像上の点に変換し、それぞれの
変換結果を、変換前の展開画像上の点とともに、対応関
係補正部43に出力する。
【0230】対応関係補正部43は、第1変換部42の
出力に基づいて、順変換式で規定される投影画像と展開
画像との間の対応関係を補正し、補正後の対応関係(新
対応関係)を、新対応関係記憶部44に供給する。
【0231】新対応関係記憶部44は、対応関係補正部
43から供給される新対応関係を記憶する。
【0232】第2変換部45は、新対応関係記憶部44
に記憶された新対応関係に基づいて、画像バッファに記
憶された投影画像を、展開画像に変換し、ペーストバッ
ファに供給して記憶させる。また、第2変換部45は、
新対応関係記憶部44に記憶された新対応関係に基づい
て、ペーストバッファに記憶された展開画像を、投影画
像に変換し、画像バッファに貼り付ける。
【0233】なお、以下においては、形状情報が長方形
の面投影画像が、図35に示すように、横×縦が1×1
の正方形の展開画像に変換されるものとする。また、各
面の展開画像についての座標系(ペーストバッファ座標
系)は、その面の展開画像としての正方形の重心を原点
としてとることとする。
【0234】次に、図36のフローチャートを参照し
て、複数の面を対象としたコピー処理を行う場合の、図
34の画像変換処理部20の処理について説明する。
【0235】まず最初に、ステップS81において、コ
ピー操作処理部12(図4)は、変数nに、初期値とし
ての、例えば1をセットする。そして、ユーザが、形状
ボタン32(図8)を操作するのを待って、ステップS
82に進み、コピー操作処理部12において、ユーザに
よる形状ボタン32の操作に基づいて、コピー処理の対
象とする3次元物体の面の形状(形状情報)が認識され
る。
【0236】その後、ユーザが、入力装置6を操作する
ことにより、注目バッファに記憶された投影画像中の、
処理の対象とする3次元物体の面(以下、適宜、注目面
という)についての特徴点を指定するのを待って、ステ
ップS83に進み、コピー操作処理部12において、そ
の特徴点の、2次元画像中の座標が認識される。なお、
コピー操作処理部12は、特徴点の座標の認識後、必要
に応じて、その特徴点を、変換指定処理部19に渡し、
上述の自動補正処理を行わせる。
【0237】特徴点が認識されると、ステップS84に
進み、コピー操作処理部12において、ステップS82
で認識された形状情報、および前回のステップS83で
認識された特徴点に基づいて、注目バッファに記憶され
た3次元物体の面の投影画像と、その面の展開画像との
対応関係を規定する順変換式Mnψが、上述したように
して算出される。ここで、順変換式Mnψを構成する行
列Mnは、上述したように、コピー処理の対象とする複
数の面のうち、n回目に注目面とされた面#nについて
の、上述の行列Mを意味する。
【0238】その後、ステップS85に進み、入力イベ
ント処理部11において、コピー処理の対象とする複数
の面すべてについて、特徴点の入力が終了したかどうか
が判定される。ステップS85において、コピー処理の
対象とする複数の面すべてについて、特徴点の入力が、
まだ終了していないと判定された場合、即ち、例えば、
そのように、入力装置6が操作された場合、ステップS
86に進み、コピー操作処理部12において、変数nが
1だけインクリメントされる。そして、次の処理対象と
なる面についての特徴点が、ユーザによって入力装置6
が操作されることにより入力されるのを待って、ステッ
プS83に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0239】また、ステップS85において、コピー処
理の対象とする複数の面すべてについて、特徴点の入力
が終了したと判定された場合、即ち、例えば、そのよう
に、入力装置6が操作された場合、ステップS87に進
み、コピー操作処理部12において、変数iに、初期値
としての、例えば1がセットされる。さらに、ステップ
S87では、上述のステップS83乃至S86のループ
処理で得られた各面の投影画像と、それぞれの展開画像
との対応関係を規定する順変換式M1ψ,M2ψ,・・
・,Mnψが、画像変換処理部20(図34)の順変換
式記憶部41に供給されて記憶される。
【0240】そして、ステップS88に進み、画像変換
処理部20(図34)において、順変換式で規定される
面#iの投影画像と展開画像との対応関係が補正され、
その結果得られる新対応関係に基づいて、面#iの投影
画像が、展開画像に変換されて、ステップS89に進
む。
【0241】ステップS89では、ステップS88で得
られた面#iの展開画像が、図29のステップS69に
おける場合と同様にして、面#iと接続している接続面
との間の接続関係にしたがって、ペーストバッファに書
き込まれ、ステップS90に進む。
【0242】ステップS90では、変数iがnに等しい
かどうかが判定され、等しくないと判定された場合、即
ち、コピー処理の対象とする複数の面の展開画像のすべ
てを、まだ、ペーストバッファに書き込んでいない場
合、ステップS91に進み、変数iが1だけインクリメ
ントされる。そして、ステップS88に戻り、以下、ス
テップS90で変数iがnに等しいと判定されるまで、
ステップS88乃至S91の処理を繰り返す。
【0243】一方、ステップS90において、変数iが
nに等しいと判定された場合、処理を終了する。
【0244】次に、図37のフローチャートを参照し
て、図34の画像変換処理部20で行われる、図36の
ステップS88の処理について、さらに説明する。
【0245】まず最初に、ステップS101において、
第1変換部42および対応関係補正部43は、注目面で
ある面#iの展開画像上の点(−1/2,ye)に対応
させるべき投影画像上の点(xpL,ypL)を求め、その
展開画像上の点(−1/2,ye)と、投影画像上の点
(xpL,ypL)との組が、新対応関係として、新対応関
係記憶部44に供給されて記憶される。
【0246】即ち、ここでは、図35に示したように、
形状情報が長方形の、投影画像上の面が、横×縦が1×
1の正方形の展開画像に変換され、展開画像についての
座標系(ペーストバッファ座標系)は、その展開画像と
しての正方形の重心を原点としてとることとしているか
ら、いま、ペーストバッファ座標系のye軸を下方向に
向けるとともに、xe軸を右方向に向けて見る場合を基
準とすれば、展開画像上の点(−1/2,ye)は、そ
の展開画像としての正方形の左辺上の各点を表す。従っ
て、ステップS101では、注目面#iの展開画像とし
ての正方形の左辺上の点(−1/2,ye)に対応させ
るべき投影画像上の点(xpL,ypL)が求められ、それ
らの組が、新対応関係として、新対応関係記憶部44に
記憶される。
【0247】そして、ステップS102に進み、第1変
換部42および対応関係補正部43は、注目面である面
#iの展開画像上の点(1/2,ye)に対応させるべ
き投影画像上の点(xpR,ypR)を求め、その展開画像
上の点(1/2,ye)と、投影画像上の点(xpR,y
pR)との組が、新対応関係として、新対応関係記憶部4
4に供給されて記憶される。
【0248】即ち、上述のように、ペーストバッファ座
標系のye軸を下方向に向けるとともに、xe軸を右方向
に向けて見る場合を基準とすれば、展開画像上の点(1
/2,ye)は、その展開画像としての正方形の右辺上
の各点を表す。従って、ステップS102では、注目面
#iの展開画像としての正方形の右辺上の点(1/2,
e)に対応させるべき投影画像上の点(xpR,ypR
が求められ、それらの組が、新対応関係として、新対応
関係記憶部44に記憶される。
【0249】さらに、ステップS103に進み、第1変
換部42および対応関係補正部43は、注目面である面
#iの展開画像上の点(xe,−1/2)に対応させる
べき投影画像上の点(xpU,ypU)を求め、その展開画
像上の点(xe,−1/2)と、投影画像上の点
(xpU,ypU)との組が、新対応関係として、新対応関
係記憶部44に供給されて記憶される。
【0250】即ち、上述のように展開画像を見る場合に
は、その展開画像上の点(xe,−1/2)は、その展
開画像としての正方形の上辺上の各点を表す。従って、
ステップS103では、注目面#iの展開画像としての
正方形の上辺上の点(xe,−1/2)に対応させるべ
き投影画像上の点(xpU,ypU)が求められ、それらの
組が、新対応関係として、新対応関係記憶部44に記憶
される。
【0251】そして、ステップS104に進み、第1変
換部42および対応関係補正部43は、注目面である面
#iの展開画像上の点(xe,1/2)、即ち、面#i
の展開画像としての正方形の下辺上の点(xe,1/
2)に対応させるべき投影画像上の点(xpD,ypD)を
求め、その展開画像上の点(xe,1/2)と、投影画
像上の点(xpD,ypD)との組を、新対応関係として、
新対応関係記憶部44に供給して記憶させる。
【0252】なお、上述のステップS101乃至S10
4の処理は、任意の順番で行うことが可能である。ま
た、ステップS101乃至S104の処理は、並列に行
うことも可能である。
【0253】ステップS104の処理後は、ステップS
105に進み、第2変換部45は、ステップS101乃
至S104で求めた展開画像としての正方形の各辺の点
と、投影画像上の各点との新対応関係に基づいて、展開
画像としての正方形の内部の各点(xe,ye)に対応さ
せるべき投影画像上の点(xp,yp)を求め、これらの
点の組も、新対応関係として、新対応関係記憶部44に
供給して記憶させる。
【0254】そして、ステップS106に進み、第2変
換部45は、新対応関係記憶部44に記憶された面#i
の投影画像と展開画像との新対応関係に基づいて、面#
iの投影画像を、展開画像に変換し、リターンする。
【0255】次に、図38のフローチャートを参照し
て、図37のステップS101の処理について、さらに
説明する。
【0256】まず最初に、ステップS111において、
第1変換部42は、順変換式記憶部41に記憶された注
目面である面#iについての順変換式Miψに基づい
て、注目面#iの展開画像としての正方形の左辺上の各
点(−1/2,ye)に対応する投影画像上の点(xp
p)を求め、それらの点(−1/2,ye)および(x
p,yp)の組を、対応関係補正部43に出力する。
【0257】ここで、例えば、図31において、注目面
が、面#1であるとすると、その面#1の展開画像とし
ての正方形の左辺上の各点(−1/2,ye)に対応す
る投影画像上の点(xp,yp)は、式(13)に相当す
る次式によって求めることができる。 (w1p,w1p,w1T=M1ψ(−1/2,ye,1)T ・・・(15) 但し、w1は、同次座標を表す任意の数であり、上付き
のTは、転置を表す。
【0258】そして、ステップS112に進み、対応関
係補正部43において、注目面#iの展開画像としての
正方形の左辺に、他の面が隣接しているかどうか、即
ち、注目面#iの展開画像としての正方形の左辺を辺と
する、他の面の展開画像としての正方形が存在するかど
うかが判定される。
【0259】ステップS112において、注目面#iの
展開画像としての正方形の左辺に、他の面が隣接してい
ないと判定された場合、即ち、注目面#iの展開画像と
しての正方形の左辺を共通の辺とする、他の面の展開画
像としての正方形が存在しない場合、ステップS113
に進み、対応関係補正部43は、注目面#iの展開画像
としての正方形の左辺上の各点(−1/2,ye)に対
応させるべき投影画像上の点(xpL,ypL)として、ス
テップS111で求められた点(xp,yp)を設定し、
リターンする。
【0260】即ち、注目面#iの展開画像としての正方
形の左辺に、他の面が隣接していない場合には、その左
辺上の各点(−1/2,ye)に対応させるべき投影画
像上の点(xpL,ypL)は、順変換式Miψに基づいて
得られる点(xp,yp)のままとされ、従って、この場
合、順変換式Miψで規定される面#iの展開画像とし
ての正方形の左辺上の各点と、展開画像上の点との対応
関係は、そのままとされる。
【0261】一方、ステップS112において、注目面
#iの展開画像としての正方形の左辺に、他の面が隣接
していると判定された場合、即ち、注目面#iの展開画
像としての正方形の左辺を共通の辺とする、他の面の展
開画像(以下、適宜、隣接展開画像という)としての正
方形が存在する場合、ステップS114に進み、対応関
係補正部43は、第1変換部42に、注目面#iの点
(−1/2,ye)に一致する隣接展開画像上の点(注
目面#iの展開画像としての正方形の左辺と共通の辺上
の点)に対応する投影画像上の点(xp’,yp’)を、
隣接展開画像の面についての順変換式に基づいて求めさ
せる。
【0262】ここで、例えば、図31において、注目面
が、面#1であるとすると、その面#1の展開画像とし
ての正方形には、面#2の展開画像が隣接しており、こ
の面#2の展開画像が隣接展開画像となる。そして、図
31では、面#1の展開画像についてのペーストバッフ
ァ座標系(xe1,ye1)と、面#2の展開画像について
のペーストバッファ座標系(xe2,ye2)とは、原点ど
うしが1だけ離れた位置に、同一方向に設定されている
から、注目面#1の点(−1/2,ye)に一致する、
隣接展開画像としての面#2の展開画像としての正方形
の右辺上の各点は、(1/2,ye)で表される。従っ
て、ステップS114では、(1/2,ye)で表され
る面#2の展開画像としての正方形の右辺上の各点に対
応する投影画像上の点(xp’,yp’)が、面#2につ
いての順変換式に基づいて求められるが、これは、式
(13)に相当する次式によって求めることができる。 (w2p’,w2p’,w2T=M2ψ(1/2,ye,1)T ・・・(16) 但し、w2は、同次座標を表す任意の数である。
【0263】そして、ステップS115に進み、対応関
係補正部43は、注目面#iの展開画像上の点(−1/
2,ye)に対応させるべき投影画像上の点(xpL,y
pL)として、例えば、ステップS111で求められた投
影画像上の点(xp,yp)と、ステップS114で求め
られた投影画像上の点(xp’,yp’)との平均値
((xp+xp’)/2,(yp+yp’)/2)を設定
し、リターンする。
【0264】即ち、例えば、いま、図31における面#
1を注目面として、図39に示すように、注目面#1の
展開画像としての正方形の左辺上の点a(−1/2,y
e)に対応する投影画像上の点として、点A(xp
p)が求められるとともに、点aに一致する、面#2
の展開画像としての正方形の右辺上の点b(1/2,y
e)に対応する投影画像上の点として、点B(xp’,y
p’)が求められたとすると、展開画像上において一致
する面#1上の点a(−1/2,ye)と、面#2上の
点b(1/2,ye)それぞれに対応する投影画像上の
点A(xp,yp)と、点B(xp’,yp’)が一致して
いない場合には、図31に示したように、模様がずれ
る。
【0265】そこで、対応関係補正部43は、図39に
示すように、点A(xp,yp)と点B(xp’,yp’)
との平均値((xp+xp’)/2,(yp+yp’)/
2)を求め、この平均値で表される投影画像上の点C
を、注目面#1の展開画像としての正方形の左辺上の点
a(−1/2,ye)に対応する投影画像上の点とし
て、新たに対応付ける。
【0266】従って、面#2を注目面として同様の処理
が行われることにより、展開画像において一致する面#
1の点aと、面#2の点bとは、いずれも、投影画像上
の同一の点Cに対応するようになる。
【0267】次に、図40のフローチャートを参照し
て、図37のステップS102の処理について、さらに
説明する。
【0268】まず最初に、ステップS121において、
第1変換部42は、順変換式記憶部41に記憶された注
目面である面#iについての順変換式Miψに基づい
て、注目面#iの展開画像としての正方形の右辺上の各
点(1/2,ye)に対応する投影画像上の点(xp,y
p)を求め、その点(1/2,ye)および(xp,yp
の組を、対応関係補正部43に出力する。
【0269】ここで、例えば、図31において、注目面
が、面#1であるとすると、その面#1の展開画像とし
ての正方形の右辺上の各点(1/2,ye)に対応する
投影画像上の点(xp,yp)は、式(13)に相当する
次式によって求めることができる。 (w1p,w1p,w1T=M1ψ(1/2,ye,1)T ・・・(17)
【0270】そして、ステップS122に進み、対応関
係補正部43において、注目面#iの展開画像としての
正方形の右辺に、他の面が隣接しているかどうか、即
ち、注目面#iの展開画像としての正方形の右辺を辺と
する、他の面の展開画像としての正方形が存在するかど
うかが判定される。
【0271】ステップS122において、注目面#iの
展開画像としての正方形の右辺に、他の面が隣接してい
ないと判定された場合、即ち、注目面#iの展開画像と
しての正方形の右辺を共通の辺とする、他の面の展開画
像としての正方形が存在しない場合、ステップS123
に進み、対応関係補正部43は、注目面#iの展開画像
としての正方形の右辺上の各点(1/2,ye)に対応
させるべき投影画像上の点(xpR,ypR)として、ステ
ップS121で求められた点(xp,yp)を設定し、リ
ターンする。
【0272】即ち、注目面#iの展開画像としての正方
形の右辺に、他の面が隣接していない場合には、その右
辺上の各点(1/2,ye)に対応させるべき投影画像
上の点(xpR,ypR)は、順変換式Miψに基づいて得
られる点(xp,yp)のままとされ、従って、この場
合、順変換式Miψで規定される面#iの展開画像とし
ての正方形の右辺上の各点と、展開画像上の点との対応
関係は、そのままとされる。
【0273】一方、ステップS122において、注目面
#iの展開画像としての正方形の右辺に、他の面が隣接
していると判定された場合、即ち、注目面#iの展開画
像としての正方形の右辺を共通の辺とする、他の面の展
開画像(隣接展開画像)としての正方形が存在する場
合、ステップS124に進み、対応関係補正部43は、
第1変換部42に、注目面#iの点(1/2,ye)に
一致する隣接展開画像上の点(注目面#iの展開画像と
しての正方形の左辺と共通の辺上の点)に対応する投影
画像上の点(xp’,yp’)を、隣接展開画像の面につ
いての順変換式に基づいて求めさせる。
【0274】ここで、例えば、図31において、注目面
が、面#1であるとすると、その面#1の展開画像とし
ての正方形には、面#3の展開画像が隣接しており、こ
の面#3の展開画像が隣接展開画像となる。そして、図
31では、面#1の展開画像についてのペーストバッフ
ァ座標系(xe1,ye1)に対して、面#3の展開画像に
ついてのペーストバッファ座標系(xe2,ye2)が、原
点を右方向に1だけずらした位置に、反時計回りに90
度回転した方向に設定されているから、注目面#1の点
(1/2,ye)に一致する、隣接展開画像としての面
#3の展開画像としての正方形の上辺(xe3軸が右方向
に、ye3軸が下方向に、それぞれ向くようにして見た場
合の上辺)上の各点は、(−ye,−1/2)で表され
る。従って、ステップS124では、(−ye,−1/
2)で表される面#3の展開画像としての正方形の上辺
上の各点に対応する投影画像上の点(xp’,yp’)
が、面#3についての順変換式に基づいて求められる
が、これは、式(13)に相当する次式によって求める
ことができる。 (w3p’,w3p’,w3T=M3ψ(−ye,−1/2,1)T ・・・(18) 但し、w3は、同次座標を表す任意の数である。
【0275】そして、ステップS125に進み、対応関
係補正部43は、注目面#iの展開画像上の点(1/
2,ye)に対応させるべき投影画像上の点(xpR,y
pR)として、例えば、ステップS121で求められた投
影画像上の点(xp,yp)と、ステップS124で求め
られた投影画像上の点(xp’,yp’)との平均値
((xp+xp’)/2,(yp+yp’)/2)を設定
し、リターンする。
【0276】即ち、例えば、いま、図31における面#
1を注目面として、図41に示すように、注目面#1の
展開画像としての正方形の右辺上の点d(1/2,
e)に対応する投影画像上の点として、点D(xp,y
p)が求められるとともに、点dに一致する、面#3の
展開画像としての正方形の右辺上の点e(−ye,−1
/2)に対応する投影画像上の点として、点E
(xp’,yp’)が求められたとすると、展開画像上に
おいて一致する面#1上の点d(1/2,ye)と、面
#3上の点e(−ye,−1/2)それぞれに対応する
投影画像上の点D(xp,yp)と、点E(xp’,
p’)が一致していないと、図31に示したように、
模様がずれる。
【0277】そこで、対応関係補正部43は、図41に
示すように、点D(xp,yp)と点E(xp’,yp’)
との平均値((xp+xp’)/2,(yp+yp’)/
2)を求め、この平均値で表される投影画像上の点F
を、注目面#1の展開画像としての正方形の右辺上の点
d(1/2,ye)に対応する投影画像上の点として、
新たに対応付ける。これにより、図39で説明した場合
と同様に、展開画像において一致する面#1の点dと、
面#3の点eとは、いずれも、投影画像上の同一の点F
に対応するようになる。
【0278】次に、図42と図43は、図37のステッ
プS103とS104の処理の詳細をそれぞれ示したフ
ローチャートである。
【0279】図42のステップS131乃至S135で
は、注目面#iの上辺上の点(xe,−1/2)につい
て、図38のステップS111乃至S115における場
合とそれぞれ同様の処理が行われ、これにより、注目面
#iの展開画像としての正方形の上辺上の各点(xe
−1/2)に対応させるべき投影画像上の点(xpU,y
pU)が求められる。また、図43のステップS141乃
至S145では、注目面#iの下辺上の点(xe,1/
2)について、図38のステップS111乃至S115
における場合とそれぞれ同様の処理が行われ、これによ
り、注目面#iの展開画像としての正方形の下辺上の各
点(xe,1/2)に対応させるべき投影画像上の点
(xpD,ypD)が求められる。
【0280】図37で説明したように、ステップS10
1乃至S104において、展開画像としての正方形の各
辺上の点と、投影画像上の各点との新対応関係とが求め
られると、ステップS105において、対応関係補正部
43は、展開画像としての正方形の内部の各点(xe
e)に対応させるべき投影画像上の点(xp,yp)を
求め、これらの点の組も、新対応関係として、新対応関
係記憶部44に供給して記憶させるが、これは、次のよ
うにして行われる。
【0281】即ち、透視変換(射影変換)は線形変換で
あり、従って、透視変換によれば、例えば、直線は、や
はり直線に変換される。従って、例えば、図44に示す
ように、面#1の展開画像上の点(xe,ye)は、点
(xe,−1/2)および(xe,1/2)を結ぶ直線
と、点(−1/2,ye)および(1/2,ye)を結ぶ
直線との交点となっているから、点(xe,ye)に対応
させるべき投影画像上の点(xp,yp)は、ステップS
101乃至S104で求められる面#1の投影画像にお
ける点(xpU,ypU)および(xpD,ypD)を結ぶ直線
と、点(xpL,ypL)および(xpR,ypR)を結ぶ直線
との交点となる。
【0282】そこで、対応関係補正部43では、ステッ
プS105において、投影画像における点(xpU
pU)および(xpD,ypD)を結ぶ直線と、点(xpL
pL)および(xpR,ypR)を結ぶ直線との交点が、展
開画像上の点(xe,ye)に対応させるべき投影画像上
の点(xp,yp)として求められる。
【0283】その後、第2変換部45において、図37
のステップS106で説明したように、投影画像と展開
画像との、上述したような新対応関係に基づいて、投影
画像が、展開画像に変換される。その結果、例えば、図
31(A)に示したのと同一の図45(A)に示したよ
うな、連続する模様が表示された投影画像について、図
45(B)に示すように、連続する模様が表示された展
開画像を得ることができる。
【0284】なお、以上のようにして得た展開画像につ
いては、上述したように、2Dペイント処理を施するこ
とができる。さらに、その2Dペイントが施された後の
展開画像は、第2変換部45において、新対応関係記憶
部44に記憶された新対応関係に基づいて、投影画像に
変換することができ、これにより、3次元物体が表示さ
れた2次元画像に対して、容易に、編集を施すことがで
きる。
【0285】以上のように、2次元画像の中の3次元物
体を構成する面の投影画像と、その面の展開画像との対
応関係を規定する変換式Mψを算出し、その変換式Mψ
によって規定される対応関係を補正して、新対応関係を
求め、その新対応関係に基づいて、投影画像から展開画
像への変換、および展開画像から投影画像への変換を行
うようにすることで、投影画像において連続している模
様が、展開画像において不連続になるような不自然な状
態が生じることを防止することができる。
【0286】また、ここでは、特徴点を、ユーザに指定
してもらうようにしたので、投影画像上の、不自然な領
域が、展開画像に変換する対象とされることがない。但
し、投影画像上の、展開画像に変換する領域を特定する
特徴点は、ユーザに指定してもらうのではなく、例え
ば、エッジ抽出等によって、いわば自動的に検出するよ
うにすることが可能である。
【0287】なお、上述の場合においては、説明を簡単
にするために、展開画像上の各点と、その各点に対応さ
せるべき投影画像上の各点との組を、新対応関係として
すべて記憶させておくようにしたが、新対応関係として
は、例えば、展開画像としての正方形の辺上の各点と、
その各点に対応させるべき投影画像上の各点との組だけ
を記憶させておき、正方形の内部の点については、上述
の透視変換が線形変換であることを利用して、投影画像
を展開画像に変換するときや、展開画像を投影画像に変
換するときに求めるようにすることが可能である。
【0288】また、本実施の形態では、展開画像におい
て隣接する第1の面と第2の面とが共有する辺上の点
が、その点を第1の面についての順変換式に基づいて変
換した投影画像上の第1の点と、第2の面についての順
変換式に基づいて変換した投影画像上の第2の点との平
均値で表される点に対応するように、対応関係を補正す
るようにしたが、展開画像において隣接する第1の面と
第2の面とが共有する辺上の点は、投影画像上の第1の
点と第2の点との平均値で表される点に対応させる他、
例えば、第1または第2の点のいずれか一方に対応させ
ることも可能である。即ち、展開画像において隣接する
第1の面と第2の面とが共有する辺上の点を、投影画像
上におけるどの点に対応させるかは、特に限定されるも
のではない。
【0289】なお、本実施の形態においては、上述した
一連の処理を、演算処理回路1等にプログラムを実行さ
せることにより行うようにしたが、一連の処理は、それ
専用のハードウェアによって行うことも可能である。
【0290】なお、プログラムは、あらかじめ外部記憶
装置7(図3)等に記憶させておく他、フロッピーディ
スク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Ma
gneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Dis
c)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記
録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)してお
くことができる。そして、このようなリムーバブル記録
媒体を、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供
し、外部記憶装置7にインストールするようにすること
ができる。
【0291】また、プログラムは、リムーバブル記録媒
体からインストールする他、ダウンロードサイトから、
ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、無線で転送
したり、LAN(Local Area Network)、インターネットと
いったネットワークを介して、有線で転送し、外部記憶
装置7にインストールすることができる。
【0292】この場合、プログラムがバージョンアップ
されたとき等に、そのバージョンアップされたプログラ
ムを、外部記憶装置7に、容易にインストールすること
ができる。
【0293】ここで、本明細書において、演算処理回路
1等に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述す
る処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載
された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列
的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あ
るいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0294】また、プログラムは、1の演算処理回路に
より処理されるものであっても良いし、複数の演算処理
回路によって分散処理されるものであっても良い。
【0295】
【発明の効果】本発明の画像処理装置および画像処理方
法、並びに記録媒体によれば、2次元画像の中の3次元
物体を構成する面の投影画像と、その面の展開画像との
対応関係を規定する変換式が算出される。そして、その
変換式によって規定される対応関係が補正され、その補
正結果である新対応関係が出力される。従って、その新
対応関係に基づいて、投影画像から展開画像への変換
や、展開画像から投影画像への変換を行うことで、ユー
ザに対して、自然な展開画像等を提供することができ、
さらに、2次元画像に対して、容易に、3次元的な編集
等を施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のペイントツールによる描画結果を示す図
である。
【図2】従来のペイントツールによる描画結果を示す図
である。
【図3】本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態
のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図4】図3の画像処理装置の機能的構成例を示すブロ
ック図である。
【図5】図4の画像処理装置による2次元画像の処理結
果を示す図である。
【図6】図4の画像処理装置による2次元画像の処理結
果を示す図である。
【図7】図4の画像処理装置の処理を説明するためのフ
ローチャートである。
【図8】図4の画像処理装置が起動されたときに表示さ
れるメインウインドウを示す図である。
【図9】コピー処理を説明するための図である。
【図10】ペースト処理を説明するための図である。
【図11】コピー処理とペースト処理との組み合わせに
よるテクスチャのコピーを説明するための図である。
【図12】ユーザによって指定される特徴点を示す図で
ある。
【図13】図7のステップS7の処理の詳細を説明する
ためのフローチャートである。
【図14】図13のステップS22の処理を説明するた
めの図である。
【図15】2次元画像に表示された3次元物体の輪郭線
の抽出方法を説明するための図である。
【図16】図7のステップS7の処理の詳細を説明する
ためのフローチャートである。
【図17】特徴点の補正方法を説明するための図であ
る。
【図18】逆変換式および順変換式の算出方法を説明す
るための図である。
【図19】3次元空間上の3次元物体、展開画像、およ
び投影画像の関係を示す図である。
【図20】座標軸の取り方を示す図である。
【図21】3次元物体が直方体である場合の、逆変換式
および順変換式の算出方法を説明するための図である。
【図22】マット処理を説明するための図である。
【図23】図7のステップS16の処理の詳細を説明す
るためのフローチャートである。
【図24】図23のステップS53の処理を説明するた
めの図である。
【図25】物体の色分布を非線形に変換した変換結果を
示す図である。
【図26】イレース処理を説明するための図である。
【図27】複数の面を対象としたコピー処理を説明する
ための図である。
【図28】3つの面に亘って線が描かれた3次元物体が
表示された2次元画像を示す図である。
【図29】複数の面を対象としたコピー処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図30】複数の面を対象としたコピー処理を説明する
ための図である。
【図31】レンズの歪曲収差等の影響による不具合を説
明するための図である。
【図32】レンズの歪曲収差等の影響により、消失点が
一致していない状態を示す図である。
【図33】消失点が一致するように補正した投影画像
を、展開画像に変換した状態を示す図である。
【図34】図4の画像変換処理部20の機能的構成例を
示すブロック図である。
【図35】ペーストバッファ座標系の取り方を示す図で
ある。
【図36】複数の面を対象としたコピー処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図37】図36のステップS88の処理の詳細を説明
するためのフローチャートである。
【図38】図37のステップS101の処理の詳細を説
明するためのフローチャートである。
【図39】図37のステップS101の処理の詳細を説
明するための図である。
【図40】図37のステップS102の処理の詳細を説
明するためのフローチャートである。
【図41】図37のステップS102の処理の詳細を説
明するための図である。
【図42】図37のステップS103の処理の詳細を説
明するためのフローチャートである。
【図43】図37のステップS104の処理の詳細を説
明するためのフローチャートである。
【図44】図37のステップS105の処理の詳細を説
明するための図である。
【図45】図36のコピー処理によって得られる展開画
像を示す図である。
【符号の説明】
1 演算処理回路, 2 プログラムメモリ, 3 デ
ータメモリ, 4 フレームメモリ, 5 画像表示装
置, 6 入力装置, 7 外部記憶装置,8 外部イ
ンターフェイス, 9 カメラ, 11 入力イベント
処理部, 12 コピー操作処理部, 13 ペースト
操作処理部, 14 ペーストバッファ選択処理部,
15 イレース操作処理部, 16 マット操作処理
部, 17 物体属性操作処理部, 18 ペイント処
理部, 19 変換指定処理部,20 画像変換処理
部, 21 バッファID記憶部, 22 表示処理
部,31 コマンドボタン, 32 形状ボタン, 4
1 順変換式記憶部, 42 第1変換部, 43 対
応関係補正部, 44 新対応関係記憶部, 45第2
変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 5/36 510 G09G 5/36 510V 520D

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元画像に投影された3次元物体を構
    成する面の投影画像を2次元平面に展開した画像である
    展開画像を生成するための画像処理を行う画像処理装置
    であって、 前記2次元画像の中の前記3次元物体を構成する面の投
    影画像と、その面の前記展開画像との対応関係を規定す
    る変換式を算出する算出手段と、 前記変換式によって規定される前記対応関係を補正し、
    その補正結果である新対応関係を出力する補正手段とを
    備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記新対応関係に基づいて、前記3次元
    物体を構成する複数の面それぞれの投影画像を、前記複
    数の面それぞれの展開画像に変換する投影画像変換手段
    と、 前記複数の面それぞれの前記展開画像を、その複数の面
    それぞれの接続関係にしたがって接続した接続画像を作
    成する接続手段とをさらに備えることを特徴とする請求
    項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、前記展開画像において
    隣接する第1の面と第2の面とが共有する辺上の各点
    が、前記投影画像上の同一の点に対応するように、前記
    対応関係を補正することを特徴とする請求項2に記載の
    画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、前記展開画像において
    隣接する第1の面と第2の面とが共有する辺上の点が、
    その点を前記第1の面についての前記変換式に基づいて
    変換した前記投影画像上の第1の点と、前記第2の面に
    ついての前記変換式に基づいて変換した前記投影画像上
    の第2の点との平均値で表される点に対応するように、
    前記対応関係を補正することを特徴とする請求項3に記
    載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記接続画像を加工する加工手段と、 前記新対応関係に基づいて、加工後の前記接続画像を構
    成する前記複数の面それぞれの展開画像を、その複数の
    面それぞれの投影画像に変換する展開画像変換手段とを
    さらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処
    理装置。
  6. 【請求項6】 前記算出手段は、前記3次元物体を構成
    する面の形状に関する形状情報と、その面の投影画像上
    の特徴点とに基づいて、その面についての前記変換式を
    算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記算出手段は、前記展開画像を、3次
    元空間上の前記3次元物体を構成する面に写像する関数
    をψと、その3次元物体を、スクリーンに投影し、前記
    2次元画像とする関数をMと、それぞれするとき、前記
    変換式として、関数Mψまたはその逆関数を算出するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 2次元画像に投影された3次元物体を構
    成する面の投影画像を2次元平面に展開した画像である
    展開画像を生成するための画像処理を行う画像処理方法
    であって、 前記2次元画像の中の前記3次元物体を構成する面の投
    影画像と、その面の前記展開画像との対応関係を規定す
    る変換式を算出する算出ステップと、 前記変換式によって規定される前記対応関係を補正し、
    その補正結果である新対応関係を出力する補正ステップ
    とを備えることを特徴とする画像処理方法。
  9. 【請求項9】 2次元画像に投影された3次元物体を構
    成する面の投影画像を2次元平面に展開した画像である
    展開画像を生成するための画像処理を、コンピュータに
    行わせるプログラムが記録されている記録媒体であっ
    て、 前記2次元画像の中の前記3次元物体を構成する面の投
    影画像と、その面の前記展開画像との対応関係を規定す
    る変換式を算出する算出ステップと、 前記変換式によって規定される前記対応関係を補正し、
    その補正結果である新対応関係を出力する補正ステップ
    とを備えるプログラムが記録されていることを特徴とす
    る記録媒体。
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