JP2001264541A - ホログラム素子およびその製造方法、並びにそのホログラム素子を用いた半導体レーザ装置 - Google Patents

ホログラム素子およびその製造方法、並びにそのホログラム素子を用いた半導体レーザ装置

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JP2001264541A
JP2001264541A JP2000079179A JP2000079179A JP2001264541A JP 2001264541 A JP2001264541 A JP 2001264541A JP 2000079179 A JP2000079179 A JP 2000079179A JP 2000079179 A JP2000079179 A JP 2000079179A JP 2001264541 A JP2001264541 A JP 2001264541A
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hologram
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light
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Katsushige Masui
克栄 増井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折格子またはホログラムの溝の断面形状を
理想的な形状からずらすことなく、表面での光反射を低
減させるコーティング膜を設ける。 【解決手段】 透明基板7上にコーティング膜20を形
成した後で、エッチングまたは2P法により溝203を
形成する。溝203の側面202や角部201に不要な
コーティング膜20が形成されないため、散乱光が生じ
て光の利用効率が低下したり、半導体レーザ装置におい
て信号対雑音比が低下することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面での光反射を
低減したホログラム素子およびその製造方法並びにその
ホログラム素子を用いた半導体レーザ装置に関する。特
に、光ディスクシステムに使用され、半導体レーザ素子
から出射したレーザ光を透過させると共に、光学系によ
って光ディスクに集光され、光ディスクで反射して戻っ
てきた信号光を信号検出用フォトダイオードの方向に偏
向させる機能を有するホログラム素子およびその製造方
法並びにそのホログラム素子を用いた半導体レーザ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に、従来のホログラム素子を搭載し
た半導体レーザ装置100の構成を示す。
【0003】この半導体レーザ装置100において、半
導体レーザ素子1から出射したレーザ光Aはキャップ5
のキャップガラス6を透過し、透明基板7の表面に回折
格子7bおよびホログラム7aを形成したホログラム素
子を透過して、レンズ(図示せず)によって光ディスク
(図示せず)の情報記録面に集光される。光ディスクの
情報記録面で反射されたレーザ光には、その光ディスク
に記録された情報が重畳されており、この反射されたレ
ーザ光を、ホログラム7aで信号検出用フォトダイオー
ド2の方向に偏向して集光する。そして、信号検出用フ
ォトダイオード2の出力から上記光ディスクに記録され
た情報を読み取る。なお、この図4において、3はサブ
マウント、4は放熱ブロック、8はリードピン、9はワ
イヤ、10はステムである。
【0004】上記回折格子7bおよびホログラム7a
は、いずれも、透明基板7の表面に互いに平行な複数の
溝を形成したものである。
【0005】回折格子7bは、直線状に伸びる溝が形成
されており、レーザ光を0次光および±1次光の計3つ
の光に分ける機能を有する。より高次の回折光は使用さ
れないので、集光レンズに入射しないように光学系を構
成してある。
【0006】溝の断面形状は矩形であるのが好ましい。
これは、高次回折光として2次の回折光が発生しないた
めに、光量損失が少なく、光の利用効率が向上するから
である。
【0007】ホログラム7aも、レーザ光を0次光およ
び±1次光の計3つの光に分ける機能を有するが、半導
体レーザ素子1から出射したレーザ光については、真っ
直ぐ透過する0次光のみを使用する。よって、±1次光
の回折光は信号検出に使用されないので、集光レンズに
入射しないように光学系を構成してある。一方、光ディ
スクで反射されたレーザ光については、ホログラム7a
で発生する±1次の回折光のうちの一方の光のみを使用
し、残りの光および0次光は使用しない。例えば、図4
では+1次光Bのみを使用する場合について示してい
る。+1次回折光Bは半導体レーザ素子1からの出射光
Aの光軸に対して傾斜した方向に回折されると共に、信
号検出用フォトダイオード2の所定の位置に集光される
特性も有している。このため、ホログラム7aは、回折
格子7bのように単純な直線状に伸びる溝ではなく、曲
線状の溝を形成する。しかし、それらの曲線状の溝が交
差しないで互いに平行に伸びていることは、回折格子7
bの場合と同様である。
【0008】すなわち、回折格子はホログラムの特殊な
形態と考えることができる。ここでは、少なくとも1つ
の回折格子またはホログラムを有する基板をホログラム
素子と称する。この基板は、透明基板であってもよく、
反射性を有する基板であってもよい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、半導
体レーザ素子から出射したレーザ光は、ホログラム素子
を少なくとも2回透過する。このとき、異なる媒質の境
界面では反射が起こるので、通常はホログラム素子の表
面に無反射コーティング膜を形成する。その理由は、回
折以外の光量損失要因をできるだけ低減する必要がある
ためである。
【0010】図5に、通常の蒸着法を用いて回折格子ま
たはホログラムに対して無反射コーティング膜を形成す
る方法を示す。
【0011】まず、真空装置内に、基板7を蒸着源50
に対して十分離れた位置にセットする。これにより、蒸
着材料Cは、実質的に互いに平行に基板7に入射する。
一度に多数の基板に対して蒸着を行う場合には、通常、
プラネタリと称される蒸着源を中心軸上に配置し、下方
に開いた円錐形のホルダーの側壁に基板を並べて配置す
る(特開平7−218711号公報の図2および図4参
照)。この場合、溝の凸部が蒸着材料に対して影を作ら
ないように、溝の伸びる方向が蒸着源に対して垂直にな
るように配置する。
【0012】このようにして蒸着を行った場合、平坦面
に対しては平坦なコーティング膜が形成されるが、回折
格子またはホログラムのように、断面が凹凸を有する面
の場合には、図5に示すように、溝503の角部501
が丸くなったり、溝503を覆うようにコーティング膜
が形成されたり、溝503の側面502にもコーティン
グ膜が形成されて不均一な厚さになったりする。その結
果、溝503の断面形状が理想的な形状からずれてしま
い、不要な散乱光や2次の回折光が発生するという問題
があった。但し、回折光の強度は、次数の2上に比例し
て減少するので、より高次の回折光については発生して
も問題は生じない。
【0013】散乱光は進行方向が不定であるため、パッ
ケージの内壁で反射されて迷光となって信号検出用フォ
トダイオードに入射したり、回折効率が低下したりす
る。
【0014】本発明はこのような従来技術の課題を解決
するためになされたものであり、回折格子またはホログ
ラムの溝の断面形状を理想的な形状からずらすことな
く、表面での光反射を低減させるコーティング膜を設け
ることができるホログラム素子およびその製造方法並び
にそのホログラム素子を用いた半導体レーザ装置を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のホログラム素子
は、基板の表面に複数の並列する溝を設けてなり、該表
面での光反射を低減させるコーティング膜を備えたホロ
グラム素子において、該溝は、該コーティング膜が設け
られていない側面を有しており、そのことにより上記目
的が達成される。
【0016】前記基板は、ガラスまたはプラスチック材
料からなっていてもよい。
【0017】本発明のホログラム素子の製造方法は、前
記基板上にコーティング膜を形成した後で、エッチング
を行って前記溝を形成しており、そのことにより上記目
的が達成される。
【0018】本発明のホログラム素子の製造方法は、前
記基板上にコーティング膜を形成した後で、2P法によ
り前記溝を形成しており、そのことにより上記目的が達
成される。
【0019】本発明のホログラム素子の製造方法は、前
記基板上にコーティング膜を形成し、該コーティング膜
上にガラス膜を蒸着した後で、エッチングを行って前記
溝を形成しており、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0020】前記溝の底面が、前記コーティング膜表面
からλ/4n(但し、nは前記ガラス膜の屈折率)の厚
さの位置になるように、エッチングを行うのが好まし
い。
【0021】本発明の半導体レーザ装置は、本発明のホ
ログラム素子が、半導体レーザ素子を収納しているパッ
ケージに一体的に搭載されており、そのことにより上記
目的が達成される。
【0022】以下に、本発明の作用について説明する。
【0023】本発明にあっては、基板の表面に回折格子
またはホログラムを形成する際に、基板上にコーティン
グ膜を形成した後で、イオンミリング法やRIE(Ri
active Ion Etching)法等によりエ
ッチングを行って溝を形成する。これにより、後述する
実施形態1に示すように、溝の側面や溝の角部に不要な
コーティング膜が形成されず、溝の断面形状が理想的な
形状からずれないため、散乱光や2次の回折光が生じて
光の利用効率が低下したり、半導体レーザ装置において
信号対雑音比が低下することがない。
【0024】または、基板の表面に回折格子またはホロ
グラムを形成する際に、基板上にコーティング膜を形成
した後で、2P法により溝を形成する。これにより、後
述する実施形態2に示すように、溝の側面や溝の角部に
不要なコーティング膜が形成されず、溝の断面形状が理
想的な形状からずれないため、散乱光や2次の回折光が
生じて光の利用効率が低下したり、半導体レーザ装置に
おいて信号対雑音比が低下することがない。なお、2P
法とは、Photo Polymer(光硬化性樹脂)
を用いた加工法のことで、CDの作製等に用いられる。
【0025】または、基板の表面に回折格子またはホロ
グラムを形成する際に、基板上にコーティング膜を形成
し、そのコーティング膜上にガラス膜を蒸着した後で、
イオンミリング法やRIE法等によりエッチングを行っ
て溝を形成する。これにより、後述する実施形態3に示
すように、溝の側面や溝の角部に不要なコーティング膜
が形成されず、溝の断面形状が理想的な形状からずれな
いため、散乱光が生じて光の利用効率が低下したり、半
導体レーザ装置において信号対雑音比が低下することが
ない。また、回折格子またはホログラムを形成する層が
ガラスからなるので、高温や高湿等の環境条件に強いホ
ログラム素子が得られる。さらに、コーティング膜をエ
ッチングストップ層として利用することができるので、
溝の深さを制御するのが容易となる。
【0026】このとき、溝の底部がコーティング膜表面
からλ/4n(但し、nはガラス膜の屈折率)の厚さの
位置になるようにエッチングを行うことにより、溝底部
での反射を防止することができる。この場合、凸部表面
での反射は残るが、コーティング膜が無い場合に比べて
略1/2の反射率とすることができる。
【0027】基板として、ガラスまたはプラスチック材
料を用いることにより、光の損失が少なく、光学的異方
性が少ない。また、加工が容易でホログラム素子を大量
に製造することが可能である。
【0028】なお本明細書において、少なくとも1つの
回折格子またはホログラムを有する基板をホログラム素
子と称する。この基板は透明基板であってもよく、反射
性を有する基板であってもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て説明する。
【0030】(実施形態1)図1(c)に実施形態1の
ホログラム素子の断面形状を示す。
【0031】このホログラム素子は、透明基板7上に無
反射コーティング膜20が設けられ、その表面に透明基
板7まで達するように溝203が設けられている。
【0032】このホログラム素子の製造工程について、
図1を参照しながら説明する。ここでは、透明基板7と
してガラス基板を用いた場合を示す。
【0033】図1(a)に示すように、通常の真空蒸着
技術により、透明基板7上に無反射コーティング膜20
を形成する。このとき、基板7は平坦であるので、無反
射コーティング膜20も均一に形成される。ここで、無
反射とは、基板と空気との界面での反射が殆ど無いとい
う意味であり、良く知られているように、d1×n1=
m×λ/4の関係を満たすような膜厚にすれば良い。な
お、上記式において、λはレーザ光の波長、n1は蒸着
材料の屈折率、d1はコーティング膜の厚さ、mは正の
奇数である。本実施形態では、フッ化マグネシウム(M
gFx)(n=1.28(λ=642nm))を用いて
膜厚125nmのコーティング膜20を形成した。この
ときの反射率は1つの面当たり1%以下となった。
【0034】次に、図1(b)に示すように、無反射コ
ーティング膜20の上にホトレジスト21を塗布して通
常のホトリソグラフィー法により回折格子またはホログ
ラムのパターンを形成する。
【0035】このホトレジスト21をマスクとして、通
常のイオンミリング法によりエッチングを行って、図1
(c)に示すような溝203を形成する。このとき、使
用する波長および必要な回折効率に応じて溝の深さを調
整し、例えば200nm〜400nmの範囲で変えてい
る。本実施形態では、深さ300nmの溝203を形成
した。
【0036】その後、ホトレジストを除去することによ
り、回折格子またはホログラムを有する本実施形態のホ
ログラム素子を作製する。
【0037】本実施形態では、溝203の底面204に
は無反射コーティング膜20が形成されないが、溝20
3の角部201の形状は尖っており、溝203の側面2
02に不要な膜が形成されない。このため、ホログラム
または回折格子において、溝の断面形状が理想的な形状
からずれることによる散乱が生じず、光の利用効率が低
下することはない。また、信号検出用フォトダイオード
に散乱光が入射して迷光となることが無いので、信号対
雑音比がかえって向上するという効果が得られる。
【0038】なお、溝を形成する際に、ホログラムでは
溝が曲がっているので、従来の方法では、場所によって
蒸着材料の付着状態が異なるという不具合が生じるが、
本発明ではいずれの実施形態でもそのような問題は生じ
ない。
【0039】(実施形態2)図2(d)に実施形態2の
ホログラム素子の断面形状を示す。
【0040】このホログラム素子は、透明基板7上に無
反射コーティング膜20が設けられ、その表面にUV樹
脂30からなる溝303が設けられている。
【0041】このホログラム素子の製造工程について、
図2を参照しながら説明する。
【0042】図2(a)に示すように、実施形態1と同
様に、通常の真空蒸着技術により平坦な透明基板7上に
無反射コーティング膜20を形成する。
【0043】次に、通常の2P法により回折格子または
ホログラムを形成する。まず、図2(b)に示すよう
に、無反射コーティング膜20の上にUV樹脂30を塗
布し、図2(c)に示すように、回折格子またはホログ
ラムのパターンを有するガラス型31で押圧する。そし
て、押圧した状態で透明基板7側から基板7を通してU
V光Dを照射し、またはガラス型31側からガラス型3
1を通してUV光を照射することにより、UV樹脂30
を硬化させて、UV樹脂30に図2(c)に示すような
溝303を形成する。なお、この図2(c)において、
32はガラス型ホルダー(金属製)である。
【0044】その後、ガラス型31を除去することによ
り、回折格子またはホログラムを有する本実施形態のホ
ログラム素子を作製する。なお、ガラス型31を外すと
きに、UV樹脂30がコーティング膜20から剥がれな
いように、ガラス型31表面に離型剤を塗布しておくの
が好ましい。
【0045】本実施形態では、溝303の底面304に
のみ無反射コーティング膜20が形成されており、溝3
03の角部302および溝303の側面301に不要な
膜が形成されない。このため、実施形態1と同様に、ホ
ログラムまたは回折格子において、溝の断面形状が理想
的な形状からずれることによる散乱が生じず、光の利用
効率が低下することはない。また、信号検出用フォトダ
イオードに散乱光が入射して迷光となることが無いの
で、信号対雑音比が向上するという効果も得られる。
【0046】さらに、本実施形態では、回折格子または
ホログラムの溝が2P法により形成されるので、ホログ
ラム素子を大量生産することが容易になる。また、エッ
チング(特にイオンミリング)により溝を形成してから
反射を低減するためのコーティング膜を蒸着する従来の
方法ではコーティング膜と基板との密着性を高めるため
に基板の温度を100℃〜300℃に加熱して蒸着する
必要があり、基板に樹脂を使用する場合に樹脂材料が限
定され、2P法とのなじみの良さも含めると適切な樹脂
材料が殆どなかった。本実施形態では、先にコーティン
グ膜を形成してから溝を形成するので、そのような制限
は無い。
【0047】(実施形態3)図3(d)に実施形態3の
ホログラム素子の断面形状を示す。
【0048】このホログラム素子は、透明基板7上に無
反射コーティング膜20およびガラス膜40が設けら
れ、その表面に溝403が設けられている。
【0049】このホログラム素子の製造工程について、
図3を参照しながら説明する。
【0050】図3(a)に示すように、実施形態1と同
様に、通常の真空蒸着技術により平坦な透明基板7上に
無反射コーティング膜20を形成する。
【0051】次に、図3(b)に示すように、ガラス材
料を蒸着してガラス膜40を形成する。本実施形態で
は、石英ガラス(n=1.457(λ=642nm))
を用いて膜厚h=413nmのガラス膜40を形成し
た。
【0052】続いて、図3(c)に示すように、ガラス
膜40の上にホトレジスト21を塗布して通常のホトリ
ソグラフィー法により回折格子またはホログラムのパタ
ーンを形成する。
【0053】このホトレジスト21をマスクとして、通
常のRIE法によりエッチングを行って、図3(d)に
示すような溝403を形成する。このとき、溝403の
底部がコーティング膜20の表面からλ/4n(但し、
nはガラス膜の屈折率)の厚さdの位置になるように、
エッチングを行う。本実施形態では、厚さd=113n
mとした。
【0054】その後、ホトレジストを除去することによ
り、回折格子またはホログラムを有する本実施形態のホ
ログラム素子を作製する。
【0055】本実施形態では、溝403の側面401、
角部402および底面404に無反射コーティング膜2
0が形成されていない。このため、実施形態1と同様
に、ホログラムまたは回折格子において、溝の断面形状
が理想的な形状からずれることによる散乱が生じず、光
の利用効率が低下することはない。また、信号検出用フ
ォトダイオードに散乱光が入射して迷光となることが無
いので、信号対雑音比が向上するという効果も得られ
る。
【0056】本実施形態では、回折格子またはホログラ
ムの溝403がガラス膜40に形成されているので、高
温や高湿といった条件に強いホログラム素子が得られ
る。さらに、無反射コーティング膜20をエッチングス
トップ層として利用することができるので、溝の深さを
制御するのが容易である。
【0057】なお、上記実施形態1〜実施形態3では、
透明基板の表面に回折格子またはホログラムの溝を設け
たが、一方の面に回折格子を設けて、他方の面にホログ
ラムを設けたホログラム素子にも本発明は適用可能であ
る。
【0058】上記実施形態1〜実施形態3では、ガラス
基板を用いた例について説明したが、本発明はプラスチ
ック基板を用いた場合についても適用可能である。プラ
スチック材料としては、安価で光学特性が良いというこ
とから、アクリルを用いるのが好ましい。但し、アクリ
ルは熱に弱いので、反射を低減するためのコーティング
膜を行うときに、基板温度を80℃以下となるように蒸
着するのが好ましい。コーティング膜としては、ZrO
xやTiOx等がプラスチック基板との密着性が良いので
好ましい。しかし、これらの材料は屈折率が高いので、
その上に、さらにSiOx(n=1.45)をλ/4n
となるように蒸着することができる。
【0059】本発明の半導体レーザ装置では、このよう
に構成された本発明のホログラム素子を用いることによ
り、図4に示した構成において、信号検出用フォトダイ
オード2に回折格子またはホログラムで散乱された光が
入射されず、光ディスクの情報をエラーが少ない状態で
読み取ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
回折格子またはホログラムにおいて、溝の側面や溝の角
部に不要なコーティング膜が形成されず、溝の断面形状
が理想的な形状からずれない。よって、散乱光が生じて
光の利用効率が低下したり、半導体レーザ装置において
信号対雑音比が低下することがなく、光の利用効率が高
く、信頼性に優れた光ディスクシステムを実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は実施形態1のホログラム素子
の製造工程を説明するための断面図である。
【図2】(a)〜(d)は実施形態2のホログラム素子
の製造工程を説明するための断面図である。
【図3】(a)〜(d)は実施形態3のホログラム素子
の製造工程を説明するための断面図である。
【図4】従来の半導体レーザ装置の構成を示す斜視図で
ある。
【図5】従来のホログラム素子の製造工程を説明するた
めの断面図である。
【符号の説明】
100 半導体レーザ装置 1 半導体レーザ素子 2 信号検出用フォトダイオード 3 サブマウント 4 放熱ブロック 5 キャップ 6 キャップガラス 7 透明基板 7b 回折格子 7a ホログラム 8 リードピン 9 ワイヤ 10 ステム 20 無反射コーティング膜 21 ホトレジスト 30 UV樹脂 31 ガラス型 32 ガラス型ホルダー 40 ガラス膜 50 蒸着源 203、303、403、503、溝 201、302、402、501 溝の角部 202、301、401、502 溝の側面 204、304、404 溝の底面 A レーザ光 B +1次光 C 蒸着材料 D UV光
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 CA05 CA20 CA28 2K008 AA08 EE01 FF12 FF13 FF14 GG05 HH01 5D119 AA20 AA38 BA01 JA03 JA13 JA22 JA46 JA64 JA65 NA05 5F073 AB21 AB25 AB27 BA05 FA02 FA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に複数の並列する溝を設けて
    なり、該表面での光反射を低減させるコーティング膜を
    備えたホログラム素子において、 該溝は、該コーティング膜が設けられていない側面を有
    するホログラム素子。
  2. 【請求項2】 前記基板は、ガラスまたはプラスチック
    材料からなるホログラム素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のホログ
    ラム素子を製造する方法であって、 前記基板上にコーティング膜を形成した後で、エッチン
    グを行って前記溝を形成するホログラム素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のホログ
    ラム素子を製造する方法であって、 前記基板上にコーティング膜を形成し、2P法により前
    記溝を形成するホログラム素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載のホログ
    ラム素子を製造する方法であって、 前記基板上にコーティング膜を形成し、該コーティング
    膜上にガラス膜を蒸着した後で、エッチングを行って前
    記溝を形成するホログラム素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記溝の底面が、前記コーティング膜表
    面からλ/4n(但し、nは前記ガラス膜の屈折率)の
    厚さの位置になるように、エッチングを行う請求項5に
    記載のホログラム素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2に記載のホログ
    ラム素子が、半導体レーザ素子を収納しているパッケー
    ジに一体的に搭載されている半導体レーザ装置。
JP2000079179A 2000-03-21 2000-03-21 ホログラム素子およびその製造方法、並びにそのホログラム素子を用いた半導体レーザ装置 Withdrawn JP2001264541A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006517307A (ja) * 2003-02-10 2006-07-20 ナノオプト コーポレーション 汎用広帯域偏光器、それを含むデバイスおよびその製造方法

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