JP2001263925A - 恒温保管用冷却装置 - Google Patents

恒温保管用冷却装置

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JP2001263925A
JP2001263925A JP2000073181A JP2000073181A JP2001263925A JP 2001263925 A JP2001263925 A JP 2001263925A JP 2000073181 A JP2000073181 A JP 2000073181A JP 2000073181 A JP2000073181 A JP 2000073181A JP 2001263925 A JP2001263925 A JP 2001263925A
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fluid
cooling device
constant temperature
refrigerator
slurry
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JP2000073181A
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English (en)
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Toshikatsu Miura
敏克 三浦
Hisao Kazama
久生 風間
Tomonori Nakanishi
知典 中西
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KASHIMA KINITSU REIKYAKU SOCHI
KASHIMA KINITSU REIKYAKU SOCHI KAIHATSU KYODO KUMIAI
Nippon Steel Business Service East Nippon Co Ltd
Original Assignee
KASHIMA KINITSU REIKYAKU SOCHI
KASHIMA KINITSU REIKYAKU SOCHI KAIHATSU KYODO KUMIAI
Sumikin Management Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置内の温度を一定温度に制御することので
きる冷蔵庫又は冷凍庫等の恒温保管用冷却装置を提供す
ること。 【解決手段】 冷却装置本体である冷蔵庫1と、冷蔵庫
1にスラリー状流体を循環供給する流体発生装置2とで
構成する。冷蔵庫1は複数の伝熱パネル3、3…でその
庫壁1a、1a…及び仕切壁1b、1b…を構成し、外
面を断熱材4で被覆する。伝熱パネル3は内部にスラリ
ー状流体を流動させる流路5を備える。流体発生装置2
は、冷凍サイクルの構成要素である蒸発器2a等と、相
変化物質として選択されたプロピレングリコール水溶液
を貯留するタンク2dと、タンク2dから蒸発器2aに
送り込まれて冷却され、固液二相のスラリー状流体に変
換されたそのスラリー状流体を冷蔵庫1に供給する供給
ポンプ2eとで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生鮮食料品、薬品
類又は人体臓器その他一定低温で厳密に温度管理する必
要のある被冷却物の冷却保管に適する冷蔵庫又は冷凍庫
等の恒温保管用冷却装置に関する。なおこの明細書中で
温度に関して「一定」と云っている場合は、厳密な意味
での一定ではなく、±0.5℃程度の範囲内での変動を
含む意味で云っている。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に使用されてきた冷蔵庫や
冷凍庫は、図5に示すように、フロンガス等の冷媒の供
給をオンオフ制御することで庫内雰囲気を一定温度帯に
保持しようとしているものである。このような冷蔵庫又
は冷凍庫では、庫内の温度変化は、その管理温度域や個
々の冷蔵庫又は冷凍庫によって若干の差はあるが、前者
で2〜5℃、後者で5〜10℃とその幅が大きく、一定
低温の温度場を提供しているとは云えない。
【0003】近年、生鮮魚介類その他の生鮮食品の長期
保存、保存食品の改質、菌の増殖抑制、熟成及び冷凍食
品の解凍時に於ける品質劣化の抑制等に冷凍直前温度帯
(物体が氷点下でも凝固しない温度帯)での保存が効果
的であるとして着目されつつあるが、この保存には、上
記温度帯内かつ凝固温度以上に於ける±0.5℃の精度
の厳密な温度管理が必要とされている。
【0004】従来の冷蔵庫や冷凍庫は、先に述べたよう
に、その提供できる温度場が、前者で2〜5℃、後者で
5〜10℃とその管理できる温度帯の幅が広すぎて、上
記のような生鮮食品等の保存には全く適しない。
【0005】また従来の冷蔵庫には、厳密な温度管理が
できるとされるペルチェ素子を用いたものが提案されて
いるが、素子の冷却面が極めて小さく、かつ冷却能力も
低く、更に冷却能力あたりの素子単価も非常に高価であ
ることなどから、一般の冷蔵庫等には容易に実用化でき
ない。
【0006】更に以上の冷蔵庫や冷凍庫とは異なるシャ
ーベット状の氷を用いた形態の熱交換器が提案(特開平
8−193732号)されているが、これは夜間電力等
の余剰傾向にある電力を利用して氷を製造し、昼間これ
を空調等に利用しようとするもので、その目的は省エネ
ルギーにある。なおこの提案そのものはこの技術に於け
る別の問題点の解決にある。
【0007】このような熱交換器にシャーベット状の氷
を用いる技術も、上記のように、省エネルギーに力点が
あり、それによって提供される温度場を一定温度に保持
する技術としては確立されておらず、前記冷蔵庫等と同
様に管理温度帯の幅の広い温度場しか得られないもので
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来例の不都合を解消し、装置内の温度を一定温度、
即ち、できるだけ狭い温度変化の範囲内に制御すること
のできる冷蔵庫又は冷凍庫等の恒温保管用冷却装置を提
供することを解決の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の1は、容器状の
冷却装置本体であって、その四囲壁内に、相変化物質の
固液二相流体であるスラリー状流体を流動循環させる流
路を構成した冷却装置本体と、上記冷却装置本体の四囲
壁内の流路を流動して排出されたスラリー状流体を受け
取って再冷却し、適当な凝固体密度に上昇させた上で前
記流路に再供給する流体生成装置と、で構成した恒温保
管用冷却装置である。
【0010】本発明の2は、本発明の1の恒温保管用冷
却装置に於いて、前記冷却装置本体を、内部に前記スラ
リー状流体を流動させる流路を密に形成した伝熱パネル
を組み合わせて構成した恒温保管用冷却装置である。
【0011】本発明の3は、本発明の2の恒温保管用冷
却装置に於いて、前記冷却装置本体の内部空間を、内部
に流路を備えた伝熱パネルで構成した仕切壁で複数の小
空間に区画した恒温保管用冷却装置である。
【0012】本発明の4は、本発明の1の恒温保管用冷
却装置に於いて、前記冷却装置本体の四囲壁の少なくと
も内面側を高熱伝導性材質で構成し、上記四囲壁の外面
を断熱材で被覆した恒温保管用冷却装置である。
【0013】本発明の5は、本発明の2の恒温保管用冷
却装置に於いて、前記伝熱パネルの少なくとも内面側を
高熱伝導性材質で構成した恒温保管用冷却装置である。
【0014】本発明の6は、本発明の1、2、3、4又
は5の恒温保管用冷却装置に於いて、前記スラリー状流
体を構成する相変化物質を選択し又はその組成を調整す
ることにより所望の融点を得て、提供できる一定温度場
の温度帯を設定することとした恒温保管用冷却装置であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、容器状の冷却装置本体
と流体生成装置とで構成した恒温保管用冷却装置であ
る。上記冷却装置本体は、容器状、例えば、箱状等に構
成し、上下左右の壁部、即ち、四囲壁の内部には平均か
つ密に流路を構成する。流路はいずれかが出口となり又
は入口となる二つの出入り口を有すべきであるのは云う
までもない。
【0016】また上記四囲壁は少なくともその内面側は
熱伝導の良好な材質で構成すべきである。外面側は断熱
材で構成するのが適当である。もっともこのように二つ
に分けて構成するのが製作上適当でない場合は、全体を
熱伝導の良好な材質で構成し、外面側には断熱材を被覆
することとするのが良い。なお前記流路は、後述するよ
うに、この中を流動させる後記相変化物質の固液二相流
体によって侵されない材質で構成する必要があり、四囲
壁の他の部位と同一材質で構成するとすれば、四囲壁の
材質の選択には、熱伝導の問題の外に、そのような観点
からの考慮も必要となる。
【0017】また前記冷却装置本体の内部空間、即ち、
被冷却物を装入する冷却空間は、必要に応じて、仕切壁
で小空間に区画するのが適当である。この場合、上記仕
切壁は、内部に流路を備えた伝熱パネルで構成し、この
内部にもスラリー状流体を流動させることとすべきであ
る。こうすることによって、その内部に装入する被冷却
物をよりスピーディに冷却することができる。また内部
の温度分布もより均一にすることができる。
【0018】前記流路は、その中を相変化物質の固液二
相流体であるスラリー状流体を流動循環させ、その凝固
体の融解潜熱を利用して、前記冷却装置本体内に保管し
た被冷却物を凝固・融点温度に冷却しようとするもので
ある。それ故、この流路内を流動させる上記スラリー状
流体は、要冷却温度に応じて、対応する凝固・融点を持
った相変化物質を選択し、若しくは2以上の物質を組み
合わせて対応する凝固・融点になる組成の混合流体を作
成する。
【0019】上記相変化物質の固液二相流体であるスラ
リー状流体は、上記のように、要冷却温度に対応する凝
固・融点をもったそれを選択又は作成すべきものである
が、このような条件を満足しつつ、安全上若しくは衛生
上及び前記四囲壁に対する腐食等の問題のないものを選
択すべきである。具体的には、そのような観点から、水
又はプロピレングリコール等のアルコール系の物質を溶
質とする水溶液が適当である。
【0020】前記流体生成装置は、上記水又はプロピレ
ングリコール等の水溶液若しくはその他の相変化物質の
液体を冷却して固液二相のスラリー状流体に変換するこ
とのできるものであれば、特定の装置に限定されない。
【0021】したがって本発明の恒温保管用冷却装置に
よれば、その冷却装置本体内に被冷却物を装入して冷却
動作させると、被冷却物の保持している熱は、冷却装置
本体内の雰囲気及び四囲壁を伝わり、その内部の流路を
流れるスラリー状流体に供給され、その中の凝固体によ
る融解潜熱によって吸収され、凝固・融点まで冷却され
ることとなる。勿論、これは上記被冷却物から供給され
る熱量が流路を流れるスラリー状流体の有する凝固体の
融解潜熱量を越えないことが前提であるが、云うまでも
なく、このような恒温保管用冷却装置は、そのような条
件の下で使用されるべきものである。そしてその後、前
記被冷却物は前記凝固・融点温度に保持され、温度の変
動は殆ど生じない。
【0022】前記スラリー状流体は、前記四囲壁中の流
路を流れる間に、該四囲壁を伝わる恒温保管用冷却装置
内の被冷却物からの熱及び外部からの熱を吸収して、そ
の凝固体が融解し、凝固体比率が低下することとなる
が、これは冷却装置本体から吐出されると前記流体生成
装置に送り返され、再度冷却されて適当な凝固体比率の
スラリー状流体となってまた冷却装置本体内の流路に供
給されることとなる。即ち、スラリー状流体は、冷却装
置本体内の流路内で吸熱して低下した凝固体比率が、前
記流体生成装置による再冷却で回復させられ、また冷却
装置本体に戻されてその流路を流動するものであり、両
者間を循環流動することとなるものである。
【0023】こうして本発明の恒温保管用冷却装置によ
れば、冷却装置本体内の被冷却物を固液二相のスラリー
状流体で冷却するものであり、該スラリー状流体に含ま
れる凝固体の融解潜熱により被冷却物の供給する熱を吸
収するものであるため、既述のように、被冷却物を融解
・凝固点の温度まで冷却し、該被冷却物の供給する熱量
が融解潜熱の熱量を超えない限り、その温度を維持す
る。凝固体比率の低下したスラリー状流体は、前記のよ
うに、前記流体生成装置で再冷却され、凝固体比率を回
復させられて再供給されるので、融解潜熱は失われず、
継続して、その凝固・融点の温度を維持することとな
る。
【0024】したがって、被冷却物の要求する冷却温度
に応じて、対応する凝固・融点を持った相変化物質を選
択し、若しくは2以上の物質を組み合わせて対応する凝
固・融点になる組成の混合流体を作成すれば、例えば、
生鮮食品の冷凍直前温度帯(物体が氷点下でも凝固しな
い温度帯)での保存等を有効に行うことも可能であり、
該食品の上記温度帯内かつ凝固温度以上に於ける±0.
5℃以内の精度での厳密な温度管理も充分可能になるも
のである。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。図1〜図3は本発明を適用した実施例
1を示しており、図1はその全体の概要を示す説明図、
図2は冷蔵庫を構成する冷却パネルの概略斜視図、図3
は冷却パネルを組み合わせて構成した冷蔵庫の概略断面
説明図である。
【0026】図4は本発明を自動車に適用した実施例2
を示しており、(a)は自動車のコンテナ部中に装入す
る冷蔵箱を示す概略斜視図、(b)は冷蔵箱を自動車の
コンテナ部中に装入した状態を示す概略斜視図である。
図5は従来の冷蔵庫等で冷却した場合の冷媒の供給のタ
イミングと庫内の冷却温度の変化との関係を示す図であ
る。
【0027】<実施例1>この実施例1の恒温保管用冷
却装置は、図1に示すように、冷却装置本体である冷蔵
庫1と、上記冷蔵庫1に相変化物質の固液二相流体であ
るスラリー状流体を循環供給する流体発生装置2とで構
成したものである。
【0028】前記冷蔵庫1は、この実施例1では、図3
に示すように、複数の伝熱パネル3、3…によりその庫
壁1a、1a…及び仕切壁1b、1b…を構成し、更に
その庫壁1a、1a…の外面を断熱材4で被覆したもの
であり、その庫内容量は4.5m3に構成したものであ
る。
【0029】上記伝熱パネル3は、図2及び図3に示す
ように、内部に前記スラリー状流体を流動させる流路5
を備えた、文字通り、パネル材である。これは庫内雰囲
気又は被冷却物との間での熱交換機能を果たすべきもの
で、充分熱伝導率が高く、かつ前記スラリー状流体に侵
されない材質で構成されるべきである。この実施例1で
は上記伝熱パネル3はアルミニウムで構成した。
【0030】前記流路5は、特に図2に示すように、伝
熱パネル3内を両側部で折り返しながら一端から他端ま
で延長したものであり、全体に均一にスラリー状流体が
流動してその冷熱が全体に伝達できるようになってい
る。該流路5の出入り口6、6はそれぞれ末端の側部に
開口してある。
【0031】前記冷蔵庫1に於いて、庫壁1a、1a…
及び仕切壁1b、1b…を構成する前記伝熱パネル3、
3…内部の流路5、5…の出入り口6、6…は、この実
施例では、各々出口となるべきそれら相互及び入口とな
るべくそれら相互を接続して出入り口を纏めた。したが
って前記流体発生装置2から前記冷蔵庫1に供給される
相変化物質の固液二相流体であるスラリー状流体は、一
つに纏められた入口から流入し、各伝熱パネル3、3…
毎の出入り口6、6…で分岐し、それぞれの流路5を流
動して他の出入り口6から流出し、一つに纏められた出
口に合流してここから外部に流出し、前記流体発生装置
2で再度必要な凝固体比率に調整されて同様の循環流動
を繰り返すようになっている。
【0032】前記流体発生装置2は、図1に示すよう
に、一般的な冷凍サイクルの備える構成要素とその他の
構成要素とからなり、前者は、蒸発器2aと、該蒸発器
2aで蒸気となった冷媒を吸入して次段の凝縮器2cで
凝縮するまで圧縮する圧縮機2bと、上記凝縮器2c
と、図示しない受液器及び膨張弁とを基本的構成要素と
して構成したものである。また後者は、相変化物質とし
て選択されたプロピレングリコール水溶液(運転開始後
は、その固液二相のスラリー状流体)を貯留するタンク
2dと、このタンク2dから上記蒸発器2aに送り込ま
れて冷却され、所定の氷比率の固液二相のスラリー状流
体に変換された該スラリー状流体を、前記冷蔵庫1に供
給する供給ポンプ2eとで構成したものである。
【0033】前記流体発生装置2の供給ポンプ2eの吐
出口は、適当なパイプ類を介して、先に述べたところか
ら理解されるように、前記冷蔵庫1に於ける各伝熱パネ
ル3、3…毎の流路5、5…の一方の出入り口6、6…
を纏めた入口に接続し、該流体発生装置2のタンク2d
の流入口は該流路5、5…の他方の出入り口6、6…を
合流させた出口に接続する。
【0034】また前記流体発生装置2で冷却されて固液
二相のスラリー状流体に変換され、前記冷蔵庫1の冷媒
として用いられる相変化物質としては、既述のように、
プロピレングリコールの水溶液を用いた。この実施例1
では、−2℃を目標温度としたので、その温度に管理で
きるように、即ち、凝固・融点が−2℃になるように、
その濃度を調整した。この濃度は氷比率を最適にした状
態に於けるそれとして調整した。
【0035】したがってこの実施例1の恒温保管用冷却
装置によれば、運転開始直後から、開始時点の冷蔵庫1
の庫体温度、庫体内部の雰囲気、庫内に装入した被冷却
物7、7…の温度及び熱容量等によって異なるが、それ
ぞれに応じた一定時間を要して目標温度に達し、その後
は、特別な場合を除いて、前記目標温度、即ち、−2℃
±0.5℃以内を維持することができる。
【0036】この恒温保管用冷却装置の運転を開始する
と、前記流体発生装置2に於いて、前記冷凍サイクルの
各部が動作し、他方、前記タンク2dから前記プロピレ
ングリコール水溶液が前記蒸発器2aに送り込まれ、こ
こで冷却されて所定の氷比率の固液二相のスラリー状流
体に変換され、更に該スラリー状流体は前記供給ポンプ
2eのポンピング動作で前記冷蔵庫1の流路5、5…に
供給される。該流路5、5…へは前記各一端の出入り口
6、6…を纏めた入口を通じて供給されるのは云うまで
もない。
【0037】こうして各伝熱パネル3、3…の一方の出
入り口6、6…に導かれたスラリー状流体は、庫壁1
a、1a…及び仕切壁1b、1b…を構成する各伝熱パ
ネル3、3…毎に、それぞれの流路5、5…中を流動し
てそれぞれの末端の出入り口6、6…に至って一つの出
口に合流し、ここから流出して前記流体発生装置2のタ
ンク2dに戻ることとなる。以上の間にスラリー状流体
は被冷却物7等に潜熱を奪われ、氷比率が低下すること
となるが、再度、該タンク2dから前記蒸発器2aに送
り込まれて冷却され、氷比率をまた所定のそれまで上昇
させて、以上に述べたサイクルを又繰り返す。このサイ
クルはこの恒温保管用冷却装置の運転継続中は繰り返さ
れることとなる。
【0038】前記流路5、5…は高熱伝導性の伝熱パネ
ル3、3…中に密にかつ均一に構成してあり、前記庫壁
1a、1a…及び仕切壁1b、1b…は、既述のよう
に、該伝熱パネル3、3…で構成されているものである
から、前記スラリー状流体は、該庫壁1a、1a…及び
仕切壁1b、1b…中を密にかつ均一に流動することと
なり、その供給する冷熱がこれらに良好に伝達し、その
表面全体の温度を低下させる。この温度は、流路5、5
…を流動するスラリー状流体がその状態、即ち、固液二
相の状態を保持する間は、その凝固・融点である−2℃
であり、その状態を保持する間は正確にこれを維持する
ことができる。
【0039】したがって庫内に装入される被冷却物7、
7…から庫壁1a、1a…及び仕切壁1b、1b…の表
面に供給される熱量がスラリー状流体の氷の有する融解
潜熱量以下であれば、該スラリー状流体及びこれを流動
させている流路5、5…を備えた庫壁1a、1a…及び
仕切壁1b、1b…の表面は、凝固・融点である−2℃
に保たれることとなる。それ故、以上のバランスを崩す
ような高温かつ熱容量の大きな被冷却物7、7…につい
ては、予め0℃〜−0.5℃程度まで予冷してから装入
することとし、上記のバランス内で被冷却物7、7…を
装入して運転を継続する限り、この冷蔵庫1の庫壁1
a、1a…及び仕切壁1b、1b…の表面温度及び庫内
雰囲気の温度は−2℃を恒温的に維持することができ
る。また温度分布も均一に保持することができる。
【0040】既述のように、庫内は前記仕切壁1b、1
b…によって若干小さく仕切られており、これによって
冷熱の伝達も良好となり、更に温度分布の均一性もより
高められるものとなってもいる。なおこの実施例装置に
は設けていないが、冷蔵庫1に庫内雰囲気の撹拌手段を
配して庫内雰囲気を撹拌することとすれば、上記のよう
な温度分布の均一性を高めるとともに、冷却速度も高め
ることができる。
【0041】こうしてスラリー状流体は、前記流路5、
5…を流動する内に、庫壁1a、1a…及び仕切壁1
b、1b…を通じて供給された熱量相当分を融解潜熱と
して受け取り、既述のように、氷が溶けて氷比率が低下
することとなるが、これは、再度前記流体発生装置2で
冷却されて氷比率が回復され、既述のように、再循環使
用されることになる。
【0042】次にこの実施例1の恒温保管用冷却装置に
よる冷却テスト例を示す。 庫内雰囲気の温度が25℃の常温にある冷蔵庫1を庫
内に被冷却物を一切装入せず、空のまま運転を開始した
ところ、庫内雰囲気が−2℃近辺まで降下するのに約3
0分を要した。また冷却完了後、そのまま5日間にわた
って運転を継続したが、その間の庫内雰囲気の温度変化
は±0.2℃程度であった。
【0043】庫内雰囲気の温度が25℃の常温にある
冷蔵庫1に、図3に示すように、既に−0.5℃程度ま
で冷却してある被冷却物7、7…を、同様に冷却してあ
るトレー8とともに装入して運転を開始したところ、庫
内雰囲気は殆ど直ちに−2℃付近まで降下し、そのまま
5日間にわたって運転を継続したが、その間の庫内雰囲
気の温度変化は±0.1℃程度であった。また被冷却物
7、7…の温度はその間−2℃の恒温を呈し、殆ど温度
変化を認めることができなかった。
【0044】したがってこの実施例1の恒温保管用冷却
装置は、文字通り恒温保管用の冷却装置として極めて有
効に働くことが理解される。
【0045】<実施例2>この実施例2は、図4(a)
及び(b)に示すように、車載用に構成した恒温保管用
冷却装置の例であり、小型の冷蔵箱11と、自動車12
のエンジンを動力として動作する流体発生装置とで構成
したものである。
【0046】上記冷蔵箱11は、前記伝熱パネル3、3
…を用いて庫壁を構成し、その庫壁の外面を断熱材で被
覆したものである。小型で仕切壁がないこと及び上記冷
蔵箱11の流路5、5…の出入り口を後部の一部からジ
ョイント部11aとして突出させ、前記流体発生装置の
スラリー状流体の流出流入ジョイント部と着脱自在に結
合できるようにしたことを除けば、実施例1の冷蔵庫1
と同様である。
【0047】前記流体発生装置は、自動車12のエンジ
ンを動力として利用して動作する点を除けば、実施例1
の流体発生装置2と同様である。そのスラリー状流体の
発生能力は、対応する自動車12のコンテナ部12aに
積み込むことのできる数の冷蔵箱11、11…が要する
それの量とする。
【0048】前記冷蔵庫11の冷媒として用いられる相
変化物質は、前記実施例1と同様に、プロピレングリコ
ールの水溶液を用いた。この実施例2でも−2℃を目標
温度として、この温度に温度管理できるように、その濃
度を調整した。この濃度は氷比率を最適にした状態に於
けるそれとして調整した。
【0049】この実施例2の恒温保管用冷却装置もその
作用は実施例1のそれと全く同様で、庫内雰囲気及び庫
内に装入した被冷却物を−2℃±0.2℃程度の範囲に
保持することができる。
【0050】
【発明の効果】したがって本発明の1の恒温保管用冷却
装置によれば、冷却装置本体内に装入した被冷却物を、
固液二相のスラリー状流体として用いる相変化物質を適
切に選択することで、所望の温度に冷却して恒温状態に
保持することができる。
【0051】そのため、例えば、被冷却物の冷却に於い
て、±0.5℃以内の厳密な温度管理が可能になり、生
鮮魚介類その他の生鮮食品の長期保存、保存食品の改
質、菌の増殖抑制、熟成及び冷凍食品の解凍時に於ける
品質劣化の抑制等のために必要な食品の冷凍直前温度帯
(物体が氷点下でも凝固しない温度帯)かつ凝固温度以
上に於ける±0.5℃の精度の厳密な温度管理が可能と
なるものである。
【0052】本発明の2の恒温保管用冷却装置によれ
ば、簡単に冷却効率の良い冷却装置本体を構成すること
ができる。
【0053】本発明の3の恒温保管用冷却装置によれ
ば、冷却装置本体内を小さな区画に区切ったので、冷却
効率が高まり、かつ温度分布の均一性を一層高めること
ができる。
【0054】本発明の4の恒温保管用冷却装置によれ
ば、冷却効率を高め、かつ熱エネルギーの無駄を省くこ
とができる。
【0055】本発明の5の恒温保管用冷却装置によれ
ば、冷却効率を高めることができるものである。
【0056】本発明の6の恒温保管用冷却装置によれ
ば、所望の冷却温度を容易に選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の恒温保管用冷却装置の全体の概要を
示す説明図。
【図2】実施例1の冷蔵庫を構成する冷却パネルの概略
斜視図。
【図3】冷却パネルを組み合わせて構成した実施例1の
冷蔵庫の概略断面説明図。
【図4】(a)は、自動車のコンテナ部中に装入する実
施例2の冷蔵箱を示す概略斜視図。(b)は、実施例2
の冷蔵箱を自動車のコンテナ部中に装入した状態を示す
概略斜視図。
【図5】従来の冷蔵庫等で冷却した場合の冷媒の供給の
タイミングと庫内の冷却温度の変化との関係を示す図。
【符号の説明】
1 冷蔵庫 1a 庫壁 1b 仕切壁 2 流体発生装置 2a 蒸発器 2b 圧縮機 2c 凝縮器 2d タンク 2e 供給ポンプ 3 伝熱パネル 4 断熱材 5 流路 6 出入り口 7 被冷却物 8 トレー 11 冷蔵箱 11a ジョイント部 12 自動車 12a コンテナ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 風間 久生 茨城県鹿嶋市光3番地 住金マネジメント 株式会社鹿島省エネ事業部内 (72)発明者 中西 知典 茨城県鹿嶋市光3番地 住金マネジメント 株式会社鹿島省エネ事業部技術開発センタ ー内 Fターム(参考) 3L102 JA01 JA06 JA09 LC01 LC24 LC30 LC31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器状の冷却装置本体であって、その四
    囲壁内に、相変化物質の固液二相流体であるスラリー状
    流体を流動循環させる流路を構成した冷却装置本体と、 上記冷却装置本体の四囲壁内の流路を流動して排出され
    たスラリー状流体を受け取って再冷却し、適当な凝固体
    密度に上昇させた上で前記流路に再供給する流体生成装
    置と、 で構成した恒温保管用冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却装置本体を、内部に前記スラリ
    ー状流体を流動させる流路を密に形成した伝熱パネルを
    組み合わせて構成した請求項1の恒温保管用冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却装置本体の内部空間を、内部に
    流路を備えた伝熱パネルで構成した仕切壁で複数の小空
    間に区画した請求項2の恒温保管用冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却装置本体の四囲壁の少なくとも
    内面側を高熱伝導性材質で構成し、上記四囲壁の外面を
    断熱材で被覆した請求項1の恒温保管用冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記伝熱パネルの少なくとも内面側を高
    熱伝導性材質で構成した請求項2又は3の恒温保管用冷
    却装置。
  6. 【請求項6】 前記スラリー状流体を構成する相変化物
    質を選択し又はその組成を調整することにより所望の融
    点を得て、提供できる一定温度場の温度帯を設定するこ
    ととした請求項1、2、3、4又は5の恒温保管用冷却
    装置。
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