JP2001263273A - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧側の吐出室と、低圧側の電動機室とをメ
インフレームにより区画し、気密性保持の信頼性を向上
するとともに、部品点数が低減でき、且つ組立工数を少
なくすることができるスクロール圧縮機を提供する。 【解決手段】 胴体と蓋体とからなる密閉容器内に電動
機と圧縮部を配置し、圧縮部を渦捲き状のラップを有す
る固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わせて圧
縮室を形成し、固定スクロールに設けられた吐出口から
吐出される圧縮ガスの高圧の吐出室と、電動機を収容す
る低圧の電動機室とを仕切ると共に、旋回スクロールを
摺動自在に支持するメインフレーム10とを備えたスクロ
ール圧縮機において、メインフレーム10の外周面に全周
にわたって、上方および下方に向けそれぞれ切欠いた上
段部10a と下段部10b を設け、上段部10a に蓋体の先端
面を、下段部10bに胴体の先端面を挟んでそれぞれ密着
固定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
に係り、詳しくは高圧の吐出室と低圧の電動機室とを区
画し気密性を保持するメインフレームと、密閉容器の胴
体および蓋体との取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のスクロール圧縮機は例えば図５に
示すように、一側を開口する有底筒状の胴体1aと、蓋体
1bとからなる密閉容器１内に電動機２と、この電動機２
で駆動される圧縮部３を左右に配置し、同圧縮部３を、
鏡板の内面に渦捲き状のラップを有する固定スクロール
４と、旋回スクロール５とを互いに噛み合わせて複数の
圧縮室６を形成し、前記旋回スクロール５の旋回駆動軸
5aを挿入したクランク軸を形成して旋回駆動し、左端か
ら右端まで貫通する潤滑油送路８を形成したシャフト９
と、クランク軸を軸支するメインフレーム10とでスクロ
ール圧縮機を構成している。

【０００３】前記密閉容器１内を、前記メインフレーム
10および前記固定スクロール４を含めた圧縮部３により
低圧側と高圧側に区画し、同高圧側を前記固定スクロー
ル４の鏡板中央に設けた吐出口4aから吐出される圧縮ガ
スの吐出室11とし、前記低圧側を前記電動機２を収容す
る電動機室2aとし、内部低圧式のスクロール圧縮機を構
成している。前記電動機室2aに接続された吸込管12を通
して低圧冷媒ガスが電動機室2aに吸入されると同時に、
前記圧縮部３に吸入され、同圧縮部３で圧縮された圧縮
ガスは吐出室11を経由し吐出管13より外部に吐出され
る。

【０００４】上記構成において、前記メインフレーム10
および固定スクロール４の外周面と、前記胴体1aの内周
面との接触面は点溶接で接合させている。圧縮機の内部
圧力を低圧型とする場合、圧縮部３にかかる軸方向荷重
は数トンになり、また前記接触面には僅かな隙間が生じ
ると、高圧側の冷媒ガスが低圧側へ漏れてしまい圧縮効
率を低下させるという問題がある。この対策として、吐
出室11側に円板状の仕切壁14' 設け、同仕切壁14' の中
央部を前記固定スクロール４に接合するとともに、その
外周部を前記胴体1aと蓋体1b間に挟着し、仕切壁14' お
よび蓋体1bの先端全周部を溶接により封着し、高圧側と
低圧側とを気密に仕切る構成となっている。

【０００５】しかしながら、上記構成の場合、仕切壁1
4' と固定スクロール４の接合部は精度が必要であり、
且つこの接合部のガス漏れ防止に環状のパッキン14a が
必要であるため、構造が複雑となり、かつ部品点数も増
えることから信頼性およびコスト面上不利であるという
問題があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、高圧側の吐出室と、低圧側の電動
機室とをメインフレームにより区画し、気密性保持の信
頼性を向上するとともに、部品点数が低減でき、且つ組
立工数を少なくすることができるスクロール圧縮機を提
供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためなされたもので、有底円筒状の胴体と蓋体とか
らなる密閉容器内に電動機と、この電動機で駆動される
圧縮部を配置し、同圧縮部を鏡板に渦捲き状のラップを
有する固定スクロールと旋回スクロールとを互いに噛み
合わせて複数の圧縮室を形成し、前記固定スクロールの
鏡板に設けられた吐出口から吐出される圧縮ガスの高圧
の吐出室と、前記電動機を収容する低圧の電動機室とを
仕切るとともに、前記旋回スクロールを摺動自在に支持
するメインフレームとを備えてなるスクロール圧縮機に
おいて、前記メインフレームの外周面に全周にわたっ
て、上方および下方に向けそれぞれ切欠いた段部を設
け、同それぞれの段部の一方の段部に前記胴体の先端面
を、他方の段部に前記蓋体の先端面を挟んでそれぞれ密
着固定した構成となっている。

【０００８】また、前記蓋体側の段部を、前記メインフ
レームと前記固定スクロールとの当接面から少許離間さ
せた構成となっている。

【０００９】また、前記それぞれの段部間を少許離間さ
せた構成となっている。

【００１０】また、前記胴体と前記蓋体の外周径を略同
一径とした構成となっている。

【００１１】また、前記メインフレームの外周面を前記
胴体および前記蓋体の外周部肉厚の略中央部に位置する
よう形成し、前記メインフレームの外周面と前記胴体お
よび前記蓋体とのそれぞれの接合部を溶接した構成とな
っている。

【００１２】また、前記メインフレームの外周面を前記
胴体および前記蓋体の外周面より突出するよう形成し、
同突出部の前記メインフレームと前記胴体および前記蓋
体のそれぞれの接合部を溶接した構成となっている。

【００１３】また、前記それぞれの段部を前記メインフ
レームと材質の異なる仕切板により形成した構成となっ
ている。

【００１４】また、前記仕切板に鉄系材料を用いた構成
となっている。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施例を示すス
クロール圧縮機の側断面図、図２は、本発明の要部拡大
断面図である。図において、一側を開口する有底円筒状
の胴体1aと、蓋体1bとからなる密閉容器１内に電動機２
と、この電動機２で駆動される圧縮部３を上下に配置
し、同圧縮部３を、鏡板の内面に渦捲き状のラップを有
する固定スクロール４と、旋回スクロール５とを互いに
噛み合わせて複数の圧縮室６を形成し、前記旋回スクロ
ール５の旋回駆動軸5aを挿入したクランク軸７を形成し
て旋回駆動し、上端から下端まで貫通する潤滑油送路８
を形成したシャフト９と、前記クランク軸７を軸支する
メインフレーム10とでスクロール圧縮機を構成してい
る。

【００１６】前記密閉容器１内を、前記メインフレーム
10により低圧側と高圧側に区画し、同高圧側を前記固定
スクロール４の鏡板中央に設けた吐出口4aから吐出され
る圧縮ガスの吐出室11とし、前記低圧側を前記電動機２
を収容する電動機室2aとし、内部低圧式のスクロール圧
縮機を構成している。前記電動機室2aに接続された吸込
管12を通して低圧冷媒ガスが電動機室2aに吸入されると
同時に、前記圧縮部３に吸入され、同圧縮部３で圧縮さ
れた圧縮ガスは吐出室11を経由し吐出管13より外部に吐
出される。

【００１７】前記メインフレーム10の外周面に全周にわ
たって上方および下方に向け、それぞれ切欠いた上段部
10a および下段部10b を設け、同上段部10a に前記蓋体
1bの先端面を、前記下段部10b に前記胴体1aの先端面を
挟んでそれぞれ密着固定した構成となっている。

【００１８】前記胴体1aと前記蓋体1bの外周径を略同一
径とするとともに、前記メインフレーム10の外周面を前
記胴体1aおよび前記蓋体1bの外周部肉厚の略中央部に位
置するよう形成し、前記メインフレーム10の外周面と前
記胴体1aおよび前記蓋体1bとのそれぞれの接合部( 溶接
部）ａを溶接した構成となっている。

【００１９】また、前記蓋体1b側の上段部10a を、前記
メインフレーム10と前記固定スクロール４との当接面ｂ
から少許離間させた構成とすることによって、溶接によ
る変形が圧縮部３に重要な前記当接面ｂの変形に影響し
ないようになされている。

【００２０】また、前記上段部10a と下段部10b の接合
部( 溶接部）ａの間隔を少許離間させた構成とすること
によって、溶接部の干渉によって母材の変形があった場
合に、圧縮機に与える影響が大きくなり、最悪の場合に
はロック現象を起す可能性がある。

【００２１】図３は本発明の他の実施例を示したもの
で、前記メインフレーム10の外周面を前記胴体1aおよび
前記蓋体1bの外周面より突出するよう形成し、同突出部
の前記メインフレーム10と前記胴体1aおよび前記蓋体1b
のそれぞれの接合部（溶接部）ｃを溶接した構成となっ
ている。

【００２２】図４は本発明の更に他の実施例を示したも
ので、前記胴体1aおよび前記蓋体1bの先端面にそれぞれ
接合する前記上段部10a と下段部10b を、前記メインフ
レーム10と材質の異なる鉄系材料により形成した仕切板
14により、低圧側と高圧側に区画した構成となってい
る。

【００２３】上記構成おいて、前記メインフレーム10の
外周面に全周にわたって上方および下方に向け、それぞ
れ切欠いた上段部10a および下段部10b を設け、同上段
部10a に前記蓋体1bの先端面を、前記下段部10b に前記
胴体1aの先端面を挟んでそれぞれ密着固定した構成と
し、高圧側の吐出室11と、低圧側の電動機室2aとをメイ
ンフレーム10により区画することにより、気密性保持の
信頼性を向上するとともに、部品点数が低減でき、且つ
組立工数を少なくすることができるスクロール圧縮機と
なる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明においては、メイン
フレームの外周面に全周にわたって上方および下方に向
け、それぞれ切欠いた上段部および下段部を設け、上段
部に蓋体の先端面を、下段部に胴体の先端面を挟んでそ
れぞれ密着固定した構成とし、高圧側の吐出室11と、低
圧側の電動機室とをメインフレームにより区画すること
により、気密性保持の信頼性を向上するとともに、部品
点数が低減でき、且つ組立工数を少なくすることができ
るスクロール圧縮機となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示すスクロール圧縮機の側断
面図である。

【図２】本発明の実施例を示す要部拡大断面図である。

【図３】本発明の他の実施例を示す要部拡大断面図であ
る。

【図４】本発明の更に他の実施例を示す要部拡大断面図
である。

【図５】従来例を示すスクロール圧縮機の側断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 密閉容器 1a 胴体 1b 蓋体 ２ 電動機 2a 電動機室 ３ 圧縮部 ４ 固定スクロール 4a 吐出口 ５ 旋回スクロール 5a 旋回駆動軸 ６ 圧縮室 ７ クランク軸 ８ 潤滑油送路 ９ シャフト 10 メインフレーム 10a 上段部 10b 下段部 11 吐出室 12 吸入管 13 吐出管 14 仕切板 ａ、ｃ 接合部( 溶接部） ｂ 当接面

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底円筒状の胴体と蓋体とからなる密閉
   容器内に電動機と、この電動機で駆動される圧縮部を配
   置し、同圧縮部を鏡板に渦捲き状のラップを有する固定
   スクロールと旋回スクロールとを互いに噛み合わせて複
   数の圧縮室を形成し、前記固定スクロールの鏡板に設け
   られた吐出口から吐出される圧縮ガスの高圧の吐出室
   と、前記電動機を収容する低圧の電動機室とを仕切ると
   ともに、前記旋回スクロールを摺動自在に支持するメイ
   ンフレームとを備えてなるスクロール圧縮機において、 前記メインフレームの外周面に全周にわたって、上方お
   よび下方に向けそれぞれ切欠いた段部を設け、同それぞ
   れの段部の一方の段部に前記胴体の先端面を、他方の段
   部に前記蓋体の先端面を挟んでそれぞれ密着固定してな
   ることを特徴とするスクロール圧縮機。
2. 【請求項２】 前記蓋体側の段部を、前記メインフレー
   ムと前記固定スクロールとの当接面から少許離間させて
   なることを特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮
   機。
3. 【請求項３】 前記それぞれの段部間を少許離間させて
   なることを特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮
   機。
4. 【請求項４】 前記胴体と前記蓋体の外周径を略同一径
   としてなることを特徴とする請求項１記載のスクロール
   圧縮機。
5. 【請求項５】 前記メインフレームの外周面を前記胴体
   および前記蓋体の外周部肉厚の略中央部に位置するよう
   形成し、前記メインフレームの外周面と前記胴体および
   前記蓋体とのそれぞれの接合部を溶接してなることを特
   徴とする請求項１記載のスクロール圧縮機。
6. 【請求項６】 前記メインフレームの外周面を前記胴体
   および前記蓋体の外周面より突出するよう形成し、同突
   出部の前記メインフレームと前記胴体および前記蓋体の
   それぞれの接合部を溶接してなることを特徴とする請求
   項１記載のスクロール圧縮機。
7. 【請求項７】 前記それぞれの段部を前記メインフレー
   ムと材質の異なる仕切板により形成してなることを特徴
   とする請求項１記載のスクロール圧縮機。
8. 【請求項８】 前記仕切板に鉄系材料を用いてなること
   を特徴とする請求項７記載のスクロール圧縮機。