JP2001262270A - 被削性に優れた機械構造用鋼 - Google Patents

被削性に優れた機械構造用鋼

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JP2001262270A
JP2001262270A JP2000075460A JP2000075460A JP2001262270A JP 2001262270 A JP2001262270 A JP 2001262270A JP 2000075460 A JP2000075460 A JP 2000075460A JP 2000075460 A JP2000075460 A JP 2000075460A JP 2001262270 A JP2001262270 A JP 2001262270A
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Tatsuo Fukuzumi
達夫 福住
Miki Watanabe
幹 渡辺
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Mitsubishi Steel Muroran Inc
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Mitsubishi Steel Muroran Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理を行わず、鋼材の靭性および疲労
強度を劣化させることなく、被削性を向上させた機械構
造用鋼を提供する。 【解決手段】 重量パーセントで、C=0.10〜0.
70%、Si=0.05〜0.50%、Mn=0.20
〜2.50%、Cr=0.01〜2.50%、Sb=
0.015〜0.100%、P=0.020%以下、O
=0.0015%以下を含有し、かつ、S=0.005
〜0.050%、Ca=0.0010〜0.0100
%、Bi=0.04〜0.20%、Te=0.001〜
0.050%、Zr=0.01〜0.20%のうちから
1種または2種以上を含有していることを特徴とする被
削性に優れた機械構造用鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車および建設
機械部品等、その製造過程において切削加工が施される
部品の素材として用いられる被削性に優れた機械構造用
鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、機械構造用鋼の被削性を向上させ
る手段として、Pb、S、P、Caを添加した鋼材が開
発され、その中でもPbは鋼材の機械的性質を劣化しな
いため、Pbを添加した鋼材が多く使用されてきた。し
かし、Pbは人体に極めて有毒であり、また、製造工程
において、集塵装置の設置等、環境への対策が必要であ
るため、Pbを添加せずに被削性を向上する鋼材の開発
が望まれていた。
【0003】SおよびPを添加した鋼材は被削性は向上
するが、同時に靭性および疲労強度を著しく劣化させる
ため、添加量は制限される。また、Caを添加した鋼材
は工具寿命、特に高速切削加工において効果が認められ
るが、低速切削加工および切屑の破砕性についてはその
効果が十分に発揮されないという問題がある。
【0004】これらの問題を解決するため、特開平6−
212348号等では鋼中のCを黒鉛として存在させ、
この黒鉛を利用することによって被削性を向上させる方
法が開示されている。しかし、鋼中のCを黒鉛化するに
は熱処理(黒鉛化処理)を行う必要があるため、生産性
および経済的な問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人体および
環境に有害なPbの添加および製造コストを増大するよ
うな熱処理を行うことなく、かつ、鋼材の靭性および疲
労強度を劣化させることなく被削性を向上させた機械構
造用鋼を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、化学成分を調整することにより、靭性を
劣化することなく被削性を向上する手段を見出した。
【0007】具体的な手段は、重量パーセントで、C=
0.10〜0.70%、Si=0.05〜0.50%、
Mn=0.20〜2.50%、Cr=0.01〜2.5
0%、Sb=0.015〜0.100%、P=0.02
0%以下、O=0.0015%以下を含有し、かつ、S
=0.005〜0.050%、Ca=0.0010〜
0.0100%、Bi=0.04〜0.20%、Te=
0.001〜0.050%、Zr=0.01〜0.20
%のうちから1種または2種以上を含有していることを
特徴とする被削性に優れた機械構造用鋼を製造すること
である。
【0008】更に、強度を向上する元素で、重量パーセ
ントで、Mo=0.01〜1.00%、Ni=0.01
〜2.00%、V=0.01〜0.50%、B=0.0
005〜0.0050%のうちから1種または2種以上
を含有していることを特徴とする被削性に優れた機械構
造用鋼を製造することである。
【0009】更に、オーステナイト結晶粒を微細化する
元素で、重量パーセントで、Ti=0.005〜0.0
50%、Nb=0.005〜0.050%、Al=0.
005〜0.050%、N=0.0050〜0.020
0%のうちから1種または2種以上を含有していること
を特徴とする被削性に優れた機械構造用鋼を製造するこ
とである。
【0010】次に本発明の上記化学成分について、その
限定理由を説明する。 C:0.10〜0.70wt% Cは強度を付与する元素である。その効果を発揮するた
めには、少なくとも0.10wt%以上の添加が必要で
ある。しかしながら、過剰な添加は熱間加工性および被
削性を劣化させる。これを回避するためには上限を0.
70wt%に限定する必要がある。したがって、Cの添
加量は0.10〜0.70wt%の範囲とした。
【0011】Si:0.05〜0.50wt% Siは溶鋼の脱酸用として効果がある。その効果を発揮
するためには、少なくとも0.05wt%以上の添加が
必要である。しかしながら、過剰な添加は熱間加工性お
よび被削性を劣化させる。これを回避するためには上限
を0.50wt%に限定する必要がある。したがって、
Siの添加量は0.05〜0.50wt%の範囲とし
た。
【0012】Mn:0.20〜2.50wt% Mnは強度を付与する元素である。その効果を発揮する
ためには、少なくとも0.20wt%以上の添加が必要
である。しかしながら、過剰な添加は被削性を劣化させ
る。これを回避するためには上限を2.50wt%に限
定する必要がある。したがって、Mnの添加量は0.2
0〜2.50wt%の範囲とした。
【0013】Cr:0.01〜2.50wt% Crは強度を付与する元素である。その効果を発揮する
ためには、少なくとも0.01wt%以上の添加が必要
である。しかしながら、過剰な添加は被削性を劣化させ
る。これを回避するためには上限を2.50wt%に限
定する必要がある。したがって、Crの添加量は0.0
1〜2.50wt%の範囲とした。
【0014】Sb:0.015〜0.100wt% Sbは本発明において最も重要な元素である。Sbはマ
トリックス中に固溶し、鋼を脆化させることにより、被
削性を向上する。またSbは粒界酸化深さを低減する効
果を有し、この粒界酸化深さの低減を介して疲労強度向
上に寄与する。その効果を発揮するためには、少なくと
も0.015wt%以上の添加が必要である。しかしな
がら、過剰な添加は靭性を劣化させる。これを回避する
ためには上限を0.100wt%に限定する必要があ
る。したがって、Sbの添加量は0.015〜0.10
0wt%の範囲とした。
【0015】P:0.020wt%以下 Pはオーステナイト粒界に偏析して粒界を脆弱にさせ、
靭性および疲労強度を劣化させる。これを回避するため
には上限を0.020wt%に限定する必要がある。し
たがって、Pの含有量は0.020wt%以下と限定し
た。
【0016】O:0.0015wt%以下 Oは鋼中においては酸化物系介在物として存在し、靭性
および疲労強度を劣化させる。これを回避するためには
上限を0.0015wt%に限定する必要がある。した
がって、Oの含有量は0.0015wt%以下と限定し
た。
【0017】S:0.005〜0.050wt% Sは大部分は硫化物系介在物として鋼中に存在し、被削
性を向上させる。その効果を発揮するためには、少なく
とも0.005wt%以上の添加が必要である。しかし
ながら、過剰な添加は靭性および疲労強度の低下を招く
要因となる。これを回避するためには上限を0.050
wt%に限定する必要がある。したがって、Sの添加量
は0.005〜0.050wt%の範囲とした。
【0018】Ca:0.0010〜0.0100wt% Caは被削性を向上させる元素である。その効果を発揮
するためには、少なくとも0.0010wt%以上の添
加が必要である。しかしながら、過剰な添加は靭性を劣
化させる。これを回避するためには上限を0.0100
wt%に限定する必要がある。したがって、Caの添加
量は0.0010〜0.0100wt%の範囲とした。
【0019】Bi:0.04〜0.20wt% Biは被削性を向上させる元素である。その効果を発揮
するためには、少なくとも0.04wt%以上の添加が
必要である。しかしながら、過剰な添加は靭性を劣化さ
せる。これを回避するためには上限を0.20wt%に
限定する必要がある。したがって、Biの添加量は0.
04〜0.20wt%の範囲とした。
【0020】Te:0.001〜0.050wt% Teは被削性を向上する元素である。その効果を発揮す
るためには、少なくとも0.001wt%以上の添加が
必要である。しかしながら、過剰な添加は熱間加工性を
劣化させる。これを回避するためには上限を0.050
wt%に限定する必要がある。したがって、Teの添加
量は0.001〜0.050wt%の範囲とした。
【0021】Zr:0.01〜0.20wt% Zrは被削性を向上する元素である。その効果を発揮す
るためには、少なくとも0.01wt%以上の添加が必
要である。しかしながら、過剰な添加は靭性を劣化させ
る。これを回避するためには上限を0.20wt%に限
定する必要がある。したがって、Zrの添加量は0.0
1〜0.20wt%の範囲とした。
【0022】Mo:0.01〜1.00wt% Moは強度を付与する元素である。その効果を発揮する
ためには、少なくとも0.01wt%以上の添加が必要
である。しかしながら、過剰な添加は被削性を劣化させ
る。これを回避するためには上限を1.00wt%に限
定する必要がある。したがって、Moの添加量は0.0
1〜1.00wt%の範囲とした。
【0023】Ni:0.01〜2.00wt% Niは強度を付与する元素である。その効果を発揮する
ためには、少なくとも0.01wt%以上の添加が必要
である。しかしながら、過剰な添加は被削性を劣化させ
る。これを回避するためには上限を2.00wt%に限
定する必要がある。したがって、Niの添加量は0.0
1〜2.00wt%の範囲とした。
【0024】V:0.01〜0.50wt% Vは強度を付与する元素である。その効果を発揮するた
めには、少なくとも0.01wt%以上の添加が必要で
ある。しかしながら、過剰な添加は被削性を劣化させ
る。これを回避するためには上限を0.50wt%に限
定する必要がある。したがって、Vの添加量は0.01
〜0.50wt%の範囲とした。
【0025】B:0.0005〜0.0050wt% Bは強度を付与する元素である。その効果を発揮するた
めには、少なくとも0.0005wt%以上の添加が必
要である。しかしながら、過剰な添加は熱間加工性を劣
化させる。これを回避するためには上限を0.0050
wt%に限定する必要がある。したがって、Bの添加量
は0.0005〜0.0050wt%の範囲とした。
【0026】Ti:0.005〜0.050wt% Tiは鋼中のCおよびNと結合して炭窒化物を形成し、
オーステナイト結晶粒の微細化に効果がある元素であ
り、この微細化を介して靭性向上に寄与する。その効果
を発揮するためには、少なくとも0.005wt%以上
の添加が必要である。しかしながら、過剰な添加は被削
性を劣化させる。これを回避するためには上限を0.0
50wt%に限定する必要がある。したがって、Tiの
添加量は0.005〜0.050wt%の範囲とした。
【0027】Nb:0.005〜0.050wt% Nbは鋼中のCおよびNと結合して炭窒化物を形成し、
オーステナイト結晶粒の微細化に効果がある元素であ
り、この微細化を介して靭性向上に寄与する。その効果
を発揮するためには、少なくとも0.005wt%以上
の添加が必要である。しかしながら、過剰な添加は被削
性を劣化させる。これを回避するためには上限を0.0
50wt%に限定する必要がある。したがって、Nbの
添加量は0.005〜0.050wt%の範囲とした。
【0028】Al:0.005〜0.050wt% Alは鋼中のCおよびNと結合して炭窒化物を形成し、
オーステナイト結晶粒の微細化に効果がある元素であ
り、この微細化を介して靭性向上に寄与する。その効果
を発揮するためには、少なくとも0.005wt%以上
の添加が必要である。しかしながら、過剰な添加は被削
性を劣化させる。これを回避するためには上限を0.0
50wt%に限定する必要がある。したがって、Alの
添加量は0.005〜0.050wt%の範囲とした。
【0029】N:0.0050〜0.0200wt% NはTi、Nb、Alと結合してTiN、NbN、Al
Nを形成し、オーステナイト結晶粒の微細化に効果があ
る元素であり、この微細化を介して靭性向上に寄与す
る。その効果を発揮するためには、少なくとも0.00
50wt%以上の添加が必要である。しかしながら、過
剰な添加は凝固時の鋼塊表面での気泡の発生や被削性を
劣化させる。これを回避するためには上限を0.020
0wt%に限定する必要がある。したがって、Nの添加
量は0.0050〜0.0200wt%の範囲とした。
【0030】
【発明の実施の形態】数多くの実験による検証を積み重
ねた結果の例を以下に示す。表1には被削性および靭性
を評価するために使用した発明鋼と比較鋼の化学成分を
示す。ここで、発明鋼No.1からNo.12は請求項
1に該当する発明鋼、発明鋼No.13からNo.16
は請求項2に該当する発明鋼、発明鋼No.17からN
o.19は請求項3に該当する発明鋼である。
【0031】
【表1】
【0032】発明鋼No.1からNo.19および比較
鋼No.AからNo.Jは実験室における高周波真空溶
解炉により溶製した。これらの鋼を1250℃に加熱
し、60mmφに鍛伸後、925℃で焼準し、試験片を
作製した。
【0033】表2に被削性試験結果および衝撃値を示
す。被削性試験は直径60mm、長さ40mmの試験片
を表3に示す条件にてドリル穿孔試験を行い、切屑の破
砕性および穴あけ個数(工具刃先の損耗により穿孔不能
になるまで試験片を貫通した数)を調査した。なお、切
屑破砕性の評価は切屑が短く破断する(5巻き以下)場
合を切屑破砕性良好(○と表記)とし、切屑が連なる
(5巻き超)場合を切屑破砕性不良(×と表記)とし
た。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】本試験により、切屑破砕性および穴あけ個
数を調査した結果、発明鋼および比較鋼No.G、N
o.H、No.Iにおいて良好な被削性が確認された。
【0037】また、鋼材の硬さの違いによる被削性への
影響を考慮して、基本成分が同じ(硬さが同等)であ
る、発明鋼No.2と比較鋼No.D、発明鋼No.7
と比較鋼No.E、発明鋼No.8と比較鋼No.B、
発明鋼No.18と比較鋼No.Aについて各々を比較
しても、いずれの場合も発明鋼の方が被削性が良好であ
ることが確認できる。
【0038】図1にSb含有量と穴あけ個数の関係を示
す。Sb含有量が多いほど穴あけ個数が多くなっている
が、0.015%未満では、その効果は小さくなってい
る。したがって、被削性を向上させるにはSb含有量は
0.015wt%以上含有させる必要がある。
【0039】一方、衝撃値については、60mmφの1
/2RからJIS3号衝撃試験片を作製し、シャルピー
衝撃試験を実施した。なお、衝撃値は鋼材の硬さの影響
を受けるため、硬さが同等である発明鋼No.5、N
o.9、No.10、No.11、No.12および比
較鋼No.C、No.F、No.G、No.H、No.
I、No.Jについて衝撃値を調査した。本試験によ
り、被削性が良好であった比較鋼No.G、No.H、
No.Iの衝撃値は発明鋼よりも低下していることが確
認された。
【0040】次に、発明鋼No.9と比較鋼No.J、
比較鋼No.Cと比較鋼No.Iを比較すると、Sbを
含有させることにより、衝撃値は低下している。しか
し、発明鋼No.9、比較鋼No.C、比較鋼No.I
の比較から、P及びO含有量を低減することにより衝撃
値が向上しており、したがって、Sbの含有により低下
した衝撃値をP及びO含有量を低減することにより、S
bを含有しない鋼と同等の衝撃値が得られることが確認
された。また、基本成分が同じ(硬さが同等)である、
発明鋼No.2と比較鋼No.D、発明鋼No.7と比
較鋼No.E、発明鋼No.8と比較鋼No.B、発明
鋼No.18と比較鋼No.Aについて各々を比較して
も、発明鋼と比較鋼の衝撃値はほぼ同等であり、その効
果が確認できる。
【0041】図2にSb含有量と衝撃値の関係を示す。
Sb含有量が0.100wt%まではほぼ同等の衝撃値
であるが、0.100wt%を越えると衝撃値の低下が
顕著になる。したがって、靭性を劣化させないために
は、Sb含有量は0.100wt%以下に制限する必要
がある。
【0042】以上説明した研究成果から、SbとS、C
a、Bi、Te、Zrのうちから1種または2種以上を
含有させ、かつ、PおよびO含有量を制限することによ
り、靭性を劣化させることなしに被削性を向上させる具
体的な手法が発明された。
【0043】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明を詳細に説明
する。表4には、以上の知見を元にして実炉溶製した発
明鋼と比較鋼の化学成分を示す。比較鋼はJISに規定
されているSCr420Hである。
【0044】
【表4】
【0045】これらの発明鋼および比較鋼の被削性を評
価するため、60mmφに圧延した後、925℃で焼準
し、直径60mm、長さ40mmの試験片を作製して、
表3に示す条件にてドリル穿孔試験を実施し、切屑破砕
性および穴あけ個数を調査した。ドリル穿孔試験結果を
表5に示す。本試験結果より、発明鋼の被削性は比較鋼
よりも優れていることが確認された。
【0046】
【表5】
【0047】次にこれらの発明鋼および比較鋼におい
て、疲労特性を評価するため、図3に示す試験片を作製
した後、図4に示す条件で浸炭焼入−焼戻し処理を行
い、小野式回転曲げ疲労試験を実施した。
【0048】表6に試験片の浸炭硬さ、有効硬化層深さ
および粒界酸化層深さを示す。発明鋼の浸炭硬さおよび
有効硬化層深さは比較鋼とほぼ同等であるが、粒界酸化
層深さは発明鋼の方が比較鋼よりも浅くなっている。小
野式回転曲げ疲労試験結果を図5に示す。発明鋼の疲労
強度は比較鋼よりも優れていることが確認された。
【0049】
【表6】
【0050】
【発明の効果】以上のように、本研究により、人体およ
び環境に有害なPbの添加および製造コストを増大する
ような熱処理を行うことなく、かつ、靭性および疲労強
度を劣化させることなく被削性を向上することが可能と
なった。したがって、本発明の効果としては、自動車お
よび建設機械部品等、その製造過程において切削加工を
施して部品を製造する産業において製造コストの低減と
信頼性の向上に広く貢献することが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Sb含有量と穴あけ個数の関係を示す図であ
る。
【図2】Sb含有量と衝撃値の関係を示す図である。
【図3】小野式回転曲げ疲労試験片寸法形状を示す図で
ある。
【図4】浸炭焼入−焼戻し条件を示す図である。
【図5】小野式回転曲げ疲労試験結果を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量パーセントで、 C=0.10〜0.70%、 Si=0.05〜0.50%、 Mn=0.20〜2.50%、 Cr=0.01〜2.50%、 Sb=0.015〜0.100%、 P=0.020%以下、 O=0.0015%以下 を含有し、かつ、 S=0.005〜0.050%、 Ca=0.0010〜0.0100%、 Bi=0.04〜0.20%、 Te=0.001〜0.050%、 Zr=0.01〜0.20% のうちから1種または2種以上を含有していることを特
    徴とする被削性に優れた機械構造用鋼。
  2. 【請求項2】 強度を向上する元素で、重量パーセント
    で、 Mo=0.01〜1.00%、 Ni=0.01〜2.00%、 V=0.01〜0.50%、 B=0.0005〜0.0050% のうちから1種または2種以上を含有していることを特
    徴とする請求項1に記載された被削性に優れた機械構造
    用鋼。
  3. 【請求項3】 オーステナイト結晶粒を微細化する元素
    で、重量パーセントで、 Ti=0.005〜0.050%、 Nb=0.005〜0.050%、 Al=0.005〜0.050%、 N=0.0050〜0.0200% のうちから1種または2種以上を含有していることを特
    徴とする請求項1又は2に記載された被削性に優れた機
    械構造用鋼。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011074467A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Jfe Steel Corp 浸炭用鋼

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011074467A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Jfe Steel Corp 浸炭用鋼

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