JP2001260784A - 車両の横転判定方法 - Google Patents
車両の横転判定方法Info
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Abstract
て該車両が横転する可能性の有無を判定する際に、車両
の横転可能性の判定精度を高める。 【解決手段】 車両のロール角θおよびロール角速度ω
をパラメータとする二次元マップ上に設定される敷居値
ラインSは傾斜部分と水平部分とから成り、斜線部分が
横転領域とされる。車両のロール角θがフルバンプロー
ル角θFBを越えない限り該車両が横転する可能性がな
いため、θ=±θFBのラインよりも原点側の領域を非
横転領域とすることにより、車両のロール角θが増加し
てフルバンプロール角θFBに達する以前にロール角θ
が減少して横転に至らない場合には、履歴ラインH9,
H10が敷居値ラインSを非横転領域から横転領域に横
切らなくなり、横転可能性有りの誤判定がなされるのを
防止して判定精度を高めることができる。
Description
よびロール角速度に基づいて該車両が横転する可能性の
有無を判定するための方法に関する。
ラメータとする二次元マップ上で、ロール角およびロー
ル角速度が大きいところ(原点から離れた領域)に横転
領域を設定するとともに、ロール角およびロール角速度
が小さいところ(原点を含む領域)に非横転領域を設定
し、センサで検出した実際のロール角およびロール角速
度をマップ上にプロットした履歴ラインが前記非横転領
域から前記横転領域に入ったとき、車両が横転する可能
性が有ると判定してアクティブロールバーを起立させる
ものが、特開平7−164985号公報により公知であ
る。
リングして横転に至る過程において、先ずロールセンタ
ーを中心として左右の懸架ばねの一方が伸長し、他方が
収縮しながらロール角が増加する。続いてロール角がフ
ルバンプロール角に達して左右の懸架ばねがそれ以上伸
縮できなくなると、懸架ばねが収縮した側の車輪の接地
点を中心としてロール角が更に増加して横転に至ること
になる。即ち、ロール角がフルバンプロール角に達しな
い限り車両は横転しないことになる。図9には車両のロ
ール角θがフルバンプロール角θFBに達した状態が示
される。
れる従来の二次元マップの横転領域は、ロール角θがフ
ルバンプロール角θFB未満の領域にまで延びており、
実際には車両が横転する可能性が殆ど無いにも拘わらず
横転可能性が有ると誤判定される可能性があった。
で、車両のロール角およびロール角速度に基づいて該車
両が横転する可能性の有無を判定する際に、車両の横転
可能性の判定精度を高めることを目的とする。
に、請求項1に記載された発明によれば、車両のロール
角およびロール角速度をパラメータとする二次元マップ
上に敷居値ラインを設定し、車両の実際のロール角およ
びロール角速度の履歴ラインが前記敷居値ラインの原点
側の非横転領域から反原点側の横転領域に横切ったとき
に車両が横転する可能性が有ると判定する車両の横転判
定方法において、ロール角がフルバンプロール角以上の
領域に前記横転領域を設定したことを特徴とする車両の
横転判定方法が提案される。
ロール角以上の領域に横転領域を設定したので、車両の
ロール角が増加してフルバンプロール角に達する以前に
ロール角が減少して横転に至らない場合には、ロール角
およびロール角速度の履歴ラインが敷居値ラインを非横
転領域から横転領域に横切ることがないため、横転可能
性有りの誤判定がなされるのを防止して判定精度を高め
ることができる。
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
で、図1は車両の横転の種類を示す図、図2はロール角
θおよびロール角速度ωと車両の横転可能性との関係を
説明する図、図3は車両の横転可能性の有無を判定する
ためのマップ、図4はエアカーテンの制御系のブロック
図、図5は横加速度Gyからロール角θの初期値θiを
算出する手法の説明図、図6は履歴ラインが横転領域に
あるか非横転領域にあるかを判定する手法を示す図、図
7は作用を説明するフローチャート、図8は車両が横転
に至らないロールバックモードの説明図、図9は車両の
フルバンプロール角θFBの説明図である。
て示すものである。車両の横転の種類は、横転に至る過
程における車両挙動に応じて「単純回転」、「単純回転
+横滑り速度」および「発散」に分類され、「単純回
転」型の横転は、更に「フリップオーバー」、「クライ
ムオーバー」および「フォールオーバー」に細分類され
る。「単純回転+横滑り速度」型の横転の代表的なもの
は「トリップオーバー」と呼ばれ、また「発散」型の横
転の代表的なものは「ターンオーバー」と呼ばれる。
の車輪が障害物に乗り上げて発生する横転である。「ク
ライムオーバー」は、底部を障害物に乗り上げてタイヤ
が路面から浮き上がった車両が側方に倒れて発生する横
転である。「フォールオーバー」は、車両の左右一方の
車輪が路肩を踏み外して落下する横転である。「トリッ
プオーバー」は、車両が横滑りして左右一方のタイヤが
縁石等に衝突したときに、この縁石を支点とするロール
モーメントにより発生する横転である。「ターンオーバ
ー」は、ダブルレーンチェンジやトリプルレーンチェン
ジを行うべく、あるいはS字路を通過すべくステアリン
グホイールを左右に交互に操作したような場合に、その
ステアリングホイールの操作の周波数が車両のサスペン
ションの固有振動の周波数に接近していると、車両のロ
ール角が共振により発散して発生する横転である。
二次元マップの一部(第1象限)を示すもので、縦軸の
ロール角θは正値(原点の上側)が右ロール角に対応
し、横軸のロール角速度ωは正値(原点の右側)が右ロ
ール角速度に対応する。この二次元マップには右下がり
の直線と横軸に平行な直線とよりなる折れ線状の敷居値
ラインSが設定されており、敷居値ラインSの原点側、
つまりロール角θおよびロール角速度ωが小さい領域が
非横転領域とされ、敷居値ラインSの反原点側、つまり
ロール角θおよびロール角速度ωが大きい領域が横転領
域とされる。そして車両の実際のロール角θおよびロー
ル角速度ωの履歴ラインH1〜H3が敷居値ラインSを
原点側の非横転領域から反原点側の横転領域に横切る
と、車両の横転可能性が有ると判定される。
ル角速度ωが共に0の状態(原点)から、ロール角速度
ωを0にほぼ保持したままロール角θだけをゆっくりと
増加させた場合であり、敷居値ラインSが縦軸と交わる
切片であるa点においてロール角θが臨界ロール角θC
RTに達したときに車両の横転可能性が有ると判定され
る。このときローリングの支点となるロール方向外側の
タイヤを通る鉛直線上に車両の重心位置CGがあり、こ
の状態が車両の横転についての静的な安定限界となる。
臨界ロール角θCRTの値は車両の形状や積載状態によ
って異なるが、一般的に50°程度である。
ール角速度ωが作用していれば車両が横転する可能性が
ある。このときのロール角速度ωを臨界ロール角速度ω
CRTとする。
角速度ωを持つ場合には、このロール角速度ωによって
横転が助長されるため、ロール角θが臨界ロール角θC
RTより小さい状態であっても横転が発生することにな
る。例えば、ロール角θおよびロール角速度ωの履歴ラ
インがH2で示される場合、履歴ラインH2が敷居値ラ
インSを原点側から反原点側に横切るb点において車両
の横転可能性が有ると判定される。このときのロール角
θは前記臨界ロール角θCRTよりも小さい値となる。
歴ラインがH3で示される場合には、正値のロール角速
度ωが速やかに増加から減少に転じ、更に負値へと移行
するために履歴ラインH3が敷居値ラインSを横切るこ
とがなく、従って車両の横転可能性が無いと判定され
る。
二次元マップの全体を示すものである。2本の敷居値ラ
インS,Sは第1象限および第3象限に設定されてお
り、それらの敷居値ラインS,Sは初期設定状態におい
て原点を中心とする点対称である。ロール角θが正でロ
ール角速度ωが負である第2象限と、ロール角θが負で
ロール角速度ωが正である第4象限とに横転領域が設定
されていないのは、ロール角θの方向と逆方向のロール
角速度ωが発生している状態では車両の横転が発生しな
いからである。 図3には、図1で説明した種々の横転
の種類に対応するロール角θおよびロール角速度ωの履
歴ラインH4〜H8が示される。
ー」、「クライムオーバー」、「フォールオーバー」等
の「単純回転」型の横転に対応するもので、ロール角θ
の絶対値およびロール角速度ωの絶対値が単純に増加し
て横転に至っている。
と呼ばれる「単純回転+横滑り速度」型の横転に対応す
るもので、車両が横滑りする過程でタイヤが縁石等に衝
突して発生するロールモーメントによりロール角速度ω
が急激に増加して横転に至っている。
ー」と呼ばれる「発散」型の横転に対応するものであ
る。履歴ラインH6はダブルレーンチェンジでの横転を
示すもので、最初のレーンチェンジで右にロールした車
両が次のレーンチェンジで左にロールする過程でロール
角θの絶対値が発散し、第3象限の敷居値ラインSを越
えて横転に至っている。履歴ラインH7はトリプルレー
ンチェンジでの横転を示すもので、最初のレーンチェン
ジで右にロールした車両が次のレーンチェンジで左にロ
ールし、続くレーンチェンジで再度右にロールする過程
でロール角θの絶対値が発散し、第1象限の敷居値ライ
ンSを越えて横転に至っている。
る前にロール角θが原点に向かって収束するので、この
場合には車両が横転に至ることはない。
するエアカーテンを車室の内側面に沿って展開するため
の制御系の一例を示すものである。
カーテンを展開するための高圧ガスを発生するインフレ
ータ13と、点火トランジスタ14とが直列に接続され
る。電子制御ユニットUからの指令で点火トランジスタ
14がONするとインフレータ13が点火して高圧ガス
が発生し、この高圧ガスの供給を受けたエアカーテンが
車室の内側面に沿って展開する。車両の横転可能性の有
無を判定すべく、電子制御ユニットUには、車体左右方
向の加速度である横加速度Gyを検出する横加速度セン
サ15からの信号と、車両のロール角速度ωを検出する
ロール角速度センサ16からの信号とが入力される。
した横加速度センサ15はイグニッションスイッチをO
Nしたときの横加速度Gyを出力する。イグニッション
スイッチをONしたとき車両は停止状態にあるため、車
両の旋回に伴う遠心力に起因する横加速度を検出するこ
となく、重力加速度G=1の車体左右方向の成分だけを
横加速度Gyとして検出する。従って、前記横加速度G
yを用いて、車両のロール角θの初期値θiを、θi=
sin -1Gyにより算出することができる。
をONしたときの横加速度センサ15の出力に基づいて
車両のロール角θの初期値θiが算出されると、この初
期値θiにロール角θの変動分を加算することにより車
両のロール角θが算出される。即ち、イグニッションス
イッチをONした時点から、ロール角速度センサ16が
出力するロール角速度ωの積分値∫ωdtをロール角θ
の変動分として前記初期値θiに加算することにより、
車両のロール角θが算出される。
には横加速度Gyを検出できず、また車両の旋回に伴う
遠心力に起因する横加速度を、重力加速度Gの車体左右
方向の成分である横加速度Gyと識別できずに誤検出し
てしまうというデメリットを持つが、この横加速度セン
サ15が出力する横加速度Gyをイグニッションスイッ
チをONした時点での車両のロール角θの初期値θiの
算出にだけ使用し、その後の車両のロール角θの算出に
はロール角速度センサ16が出力するロール角速度ωの
積分値∫ωdtを使用することにより、上記デメリット
を解消して正確なロール角θを算出することができる。
ロール角θと、ロール角速度センサ16が出力するロー
ル角速度ωとが成す座標点の軌跡である履歴ラインを図
6に示すマップ上に描き、その履歴ラインが敷居値ライ
ンS,Sを原点側から反原点側に横切ったときに、車両
が横転する可能性が有ると判定し、点火トランジスタ1
4をONしてエアカーテンのインフレータ13を点火す
る。
に説明する。
ロール角速度ωを読み込み、ステップS2で横加速度G
yに応じてマップ上の敷居値ラインS,Sを確定する。
敷居値ラインS,Sの斜めの部分は、マップの縦軸の切
片である臨界ロール角θCRTと横軸の切片である臨界
ロール角速度ωCRTとが決まれば確定する。本実施例
では横加速度Gyによって車両の横転が助長されるとき
には、臨界ロール角θCRTおよび臨界ロール角速度ω
CRTが共に減少して敷居値ラインS,Sの斜めの部分
が原点に近づく方向に移動し、横加速度Gyによって車
両の横転が抑制されるときには、臨界ロール角θCRT
および臨界ロール角速度ωCRTが共に増加して敷居値
ラインS,Sの斜めの部分が原点から遠ざかる方向に移
動する。これにより、車両の横加速度Gyに応じた適切
な横転領域および非横転領域を設定することができる。
また、敷居値ラインS,Sの水平な部分、つまりθ=±
θFBのラインは車両に固有のフルバンプ角θFB(一
般的に8°±2°前後)に応じて決定され、横加速度G
yに応じて移動することはない。
遠ざかる方向に移動するときには第3象限の敷居値ライ
ンSは原点に近づく方向に移動し、第1象限の敷居値ラ
インSが原点に近づく方向に移動するときには第3象限
の敷居値ラインSは原点から遠ざかる方向に移動する。
速度ωCRTが決まると、敷居値ラインS,Sの斜めの
部分の方程式は、 θ=−(θCRT/ωCRT)ω±θCRT で与えられる(図3参照)。
角速度ω1の成す座標点Pが横転領域にあるか非横転領
域にあるかを判定する。即ち、ステップS3で、上記敷
居値ラインSの斜めの部分の方程式のωに現在のロール
角速度ω1の値を代入して判定値θ2を算出する。判定
値θ2は直線ω=ω1と敷居値ラインSとの交点Qのθ
座標である。続くステップS4で、判定値θ2と現在の
ロール角θ1とを比較して|θ2|<|θ1|が成立し
ており、かつステップS5でθFB<|θ1|が成立し
ていれば、ステップS6で現在のロール角θ1およびロ
ール角速度ω1の成す座標点Pが横転領域にあると判定
される。また前記ステップS3で|θ2|<|θ1|が
成立しない場合と、前記ステップS5でθFB<|θ1
|が成立しない場合とには、ステップS7で現在のロー
ル角θ1およびロール角速度ω1の成す座標点Pが非横
転領域にあると判定される。図6には、座標点Pが横転
領域にある場合が示されている。
に傾斜した状態から右方向にローリングして逆に右に傾
斜した状態になったが、右方向のロール角θがフルバン
プロール角θFBに達する前にロール角θが0に向かっ
て収束し、横転に至らない場合を示している(ロールバ
ックモード)。H10で示す履歴ラインは、前記H9で
示す履歴ラインと、車両のローリングの方向が逆の場合
である。これらの場合には履歴ラインH9,H10が敷
居値ラインS,Sを原点側から反原点側に越えていない
ため、車両の横転可能性が無いと正しい判定を下すこと
ができる。
斜めの部分だけから構成されており、敷居値ラインS,
Sの水平な部分(θ=±θFB)が存在しなければ、履
歴ラインH9,H10が敷居値ラインS,Sの斜めの部
分を原点側から反原点側に越えているため、車両の横転
可能性が有ると誤った判定が下されてしまう。
ンプロール角θFB以上の領域に限って横転領域を設定
することにより、車両の横転可能性の判定精度を高めて
誤判定の発生を防止することができる。
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
無の判定をエアカーテンの展開制御に適用しているが、
それをサイドエアバッグの展開制御や格納式ロールバー
の展開制御等の他の用途に適用することができる。また
車両のロール角θの初期値θiを、重力加速度Gの車体
上下方向の成分である上下加速度Gzを用いて、θi=
cos -1Gzにより算出することができる。
によれば、ロール角がフルバンプロール角以上の領域に
横転領域を設定したので、車両のロール角が増加してフ
ルバンプロール角に達する以前にロール角が減少して横
転に至らない場合には、ロール角およびロール角速度の
履歴ラインが敷居値ラインを非横転領域から横転領域に
横切ることがないため、横転可能性有りの誤判定がなさ
れるのを防止して判定精度を高めることができる。
可能性との関係を説明する図
プ
算出する手法の説明図
るかを判定する手法を示す図
明図
Claims (1)
- 【請求項1】 車両のロール角(θ)およびロール角速
度(ω)をパラメータとする二次元マップ上に敷居値ラ
イン(S)を設定し、車両の実際のロール角(θ)およ
びロール角速度(ω)の履歴ラインが前記敷居値ライン
(S)の原点側の非横転領域から反原点側の横転領域に
横切ったときに車両が横転する可能性が有ると判定する
車両の横転判定方法において、 ロール角(θ)がフルバンプロール角(θFB)以上の
領域に前記横転領域を設定したことを特徴とする車両の
横転判定方法。
Priority Applications (1)
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JP2000077166A JP4119069B2 (ja) | 2000-03-17 | 2000-03-17 | 車両の横転判定方法 |
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- 2000-03-17 JP JP2000077166A patent/JP4119069B2/ja not_active Expired - Fee Related
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