JP2001259857A - プロジェクション溶接機 - Google Patents

プロジェクション溶接機

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JP2001259857A
JP2001259857A JP2000081548A JP2000081548A JP2001259857A JP 2001259857 A JP2001259857 A JP 2001259857A JP 2000081548 A JP2000081548 A JP 2000081548A JP 2000081548 A JP2000081548 A JP 2000081548A JP 2001259857 A JP2001259857 A JP 2001259857A
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Japan
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nut
upper electrode
conductive collar
welding machine
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JP2000081548A
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English (en)
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Takahiro Yamada
孝洋 山田
Yasuhiro Abe
康広 安部
Yokichi Samizo
庸吉 佐溝
Hirotake Inukai
裕岳 犬飼
Toshiyuki Horiba
俊幸 堀場
Shinji Toda
真司 戸田
Makoto Todoroki
誠 等々力
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YAJIMA GIKEN KK
Yashima Kogyo KK
Original Assignee
YAJIMA GIKEN KK
Yashima Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ナットのセット状態を正確に検出し溶接不良を
防止するとともに、ナットの切粉などが電気絶縁物に付
着することによる導通不良を防止すること。 【解決手段】上部電極15は、ナット2の上面2dの外
径よりも僅かに大きな外径D1 を有する下面15dを備
え、該下面15dに正向きナット2の上面2d全体が当
接される。導電カラー17は、上部電極15の下部外周
に環装される。導電カラー17は、上部電極下面15d
と略面一の下面17aを有し、該下面17aに逆向きナ
ット2の複数のナット被溶接部2bが当接される。絶縁
材16、18は、上部電極15と導電カラー17との間
を電気的に絶縁する。異常検出コントローラは、導電カ
ラー17に通電し、該導電カラー17からナット2への
通電の有無に基づいてナット2のセット状態を判定す
る。また、上部電極15の通気孔50を介してガイドピ
ン逃し孔15cから圧縮空気を吹き出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナットをワークに
溶接するプロジェクション溶接機において、ナットの逆
向きセット等セット異常を検出し誤溶接を防止するため
のプロジェクション溶接機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ナットをワークに溶接するプロ
ジェクション溶接機は、ガイドピンを有する下部電極と
昇降可能な上部電極とを備える。このプロジェクション
溶接機において、ナットをワークに溶接する際は、まず
ワークの挿通孔をガイドピンに嵌めることによってワー
クの位置決めを行い、次に、手操作又はナットフィーダ
ーによってナットをワーク上に供給しナット孔をガイド
ピンに嵌めることによってナットをワーク上にセット
し、その後、上部電極を下降させ上部電極の加圧力によ
りナットの被溶接部をワーク上面に加圧しながら上部電
極、下部電極間に所定時間通電する一連の工程が行わ
れ、通電によりナットの被溶接部が溶融しその後固化す
ることによってワークにナットが溶接される。
【0003】この種のプロジェクション溶接機において
は、ナットが正向きでワーク上の正位置にセットされて
いる、すなわち、被溶接部がワーク側に位置しかつナッ
ト孔がガイドピンに嵌った状態にナットがセットされて
いる場合には、正常な溶接が行われる。しかし、なんら
かの理由で、ナットがワーク上の正位置に逆向きでセッ
トされたり、ナットが正向きではあるがワーク上の不正
位置にセットされたような場合、溶接強度不足等の溶接
不良を招くことになる。
【0004】そこで、従来から、このような溶接不良を
防止するための対策がいろいろ講じられており、関連す
る従来技術として、実公昭56−14945号公報、実
開昭59−175490号公報、実公平3−24299
号公報、実公昭60−39172号公報、実公平7−4
1582号公報、特開平7−299571号公報などが
知られている。
【0005】これらの従来技術は、おおむね二つのタイ
プに分類され、その一つのタイプは、上部電極の外周に
絶縁カバーを環装し、その絶縁カバーの突出した下端面
へのナット等の当接の有無により、ナットの正向き、逆
向きなどを検出するよう構成されたものであり、他のタ
イプは、ナットの正規姿勢時と異常姿勢時の高さの違い
を上部電極のストロークの差に置き換えてナットのセッ
ト状態を検出するよう構成されたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
のタイプの従来技術においても、絶縁カバーの下端面を
上部電極の下端面よりも下方へ突出させた構造を採用し
ているため、この種の溶接で定期的あるいは不定期的に
必要とされる電極面の修整作業の際、絶縁カバーを上部
電極に装着したままの状態では電極面を研磨することが
できず、一旦絶縁カバーを取り外した後に電極面を研磨
し、その後再び絶縁カバーを上部電極に取り付ける煩雑
な作業が必要とされる。
【0007】また、絶縁カバー自体も、異常姿勢にある
ナットへの加圧の際に摩耗するため、絶縁カバーの交換
が必要となる。
【0008】また、上部電極のストロークの差によりナ
ットのセット状態を検出する方式においては、ストロー
ク差が微小になるに従い検出精度を確保するための機構
が複雑になるとともに、電極交換時あるいは電極修整時
に検出基準位置が変化するため検出基準位置を設定し直
す必要が生じる。
【0009】さらに、プロジェクション溶接機において
は、通常、ジュール熱による電極の温度上昇を抑制する
ために電極内に冷却水を循環させており、上部電極内の
冷却は、図20に示すように、上部電極15の上部中央
の冷却孔15fに注水パイプ80を挿入し、この注水パ
イプ80から冷却孔15fに冷却水を注水し、冷却孔1
5fを経て冷却水を排出させることによって行われる。
この冷却水の循環中に、上部電極ホルダー14と上部電
極15との嵌合部に微小な歪みや形状の違いがあると、
その微小隙間を通って冷却水が上部電極15の外周面に
出るようになり、この漏水が上部電極15の外周面を伝
わり、上部電極15の下面15dと絶縁部材16と導電
カラー17の下面17aとに跨がる図示二点鎖線で示す
ような水滴40となる場合が発生する。このような水滴
40が形成されると、絶縁部材16が存在しているにも
かかわらず上部電極15と導電カラー17との間が導通
状態となり、逆向きナット2の被溶接部2bが導電カラ
ー17に溶着されてしまう不具合が生じる。
【0010】このような不具合は、ワーク又はナットの
表面に多くの場合付着している加工用等の軽質油など
が、プロジェクション溶接の繰り返しにより上部電極の
下端面に付着、堆積し、図20に二点鎖線で示すような
付着物41となり、上部電極15と導電カラー17との
間が導通状態となる場合にも発生する。
【0011】そこで、本出願人は、上述したような従来
技術の問題点を解決し、簡素な構成によってナットのセ
ット状態を正確に検出し溶接不良を防止することを主目
的として、特願平10−358126号の特許出願をし
た。
【0012】本発明は、上記特許出願に係る発明の改良
発明であり、ナット表面上の切粉などの付着物や溶接時
に飛散するスパッター(溶融鉄粉等)が電気絶縁物に付
着して生じる導通不良を防止することを目的としてなさ
れたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明のプロジェクション溶接機は、ワー
ク上面に、ナット本体部の下端外周付近から斜め外方へ
延在する複数の被溶接部を溶着させることにより、ナッ
トをワークに溶接するプロジェクション溶接機であっ
て、前記ナットの上面の外径よりも僅かに大きな外径を
有する下面を備え、該下面に正向きナットの上面全体が
当接される上部電極と、前記上部電極の下部外周に環装
される導電カラーであって、前記上部電極下面と略面一
の下面を有し、該下面に逆向きナットの前記複数の被溶
接部が当接される導電カラーと、前記上部電極と前記導
電カラーとの間を電気的に絶縁する絶縁材と、前記導電
カラーに微小電圧を印加し、該導電カラーから前記ナッ
トへの導通の有無に基づいて前記ナットのセット状態を
判定する異常検出コントローラと、を備え、かつ、前記
上部電極の外面からガイドピン逃し孔に通じる通気孔を
設け、該通気孔を介して前記ガイドピン逃し孔から圧縮
気体を吹出すよう構成されることを特徴とする。
【0014】ここで、前記圧縮気体の吹出終了時点は、
前記ナットがナット正常状態でセットされている場合、
最も早いときで溶接電流を流し終えた時点である。
【0015】また、前記圧縮気体の吹出終了時点は、前
記異常検出コントローラがセット異常状態を判定した場
合、この判定時点である。
【0016】また、前記導電カラーの外周に着脱可能に
導電リングが環装され、該導電リングに前記異常検出コ
ントローラのリード線が接続される。
【0017】また、前記異常検出コントローラが異常を
検出したとき、前記上部電極は加圧保持されることが好
ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。
【0019】図1は、一実施形態に係るプロジェクショ
ン溶接機の全体構成図を示す。このプロジェクション溶
接機1は、図9に示すナット2を板状ワーク3(図2
等)に溶接する溶接機である。なお、ナット2は、ナッ
ト本体部2aと、このナット本体部2aの下端外周付近
から斜め外方へ延在する複数の被溶接部2bとから構成
され、ナット本体部2aはナット孔2cを有する。
【0020】図1において、溶接機本体10は、二点鎖
線で示すように側面略C形状に構成されている。上部電
極加圧電磁弁11は、溶接機本体10の上面に配設さ
れ、空気圧システムの構成要素である。上部電極加圧シ
リンダ12は、溶接機本体10の上側突出部10aに配
設されており、上部電極加圧電磁弁11によって制御さ
れる。上部電極部13は、上部電極加圧シリンダ12に
よって昇降可能に支持されている。
【0021】上部電極部13は上部電極ホルダー14を
保持している。上部電極15は、図2等に示すように、
上部電極ホルダー14の下部に離脱可能にテーパ嵌合さ
れている。
【0022】上部電極15は、図2等に示すように、上
部に大径部15a、下部に小径部15bをそれぞれ有す
る。小径部15bの外径D1 は、図9に示すナット2の
上面2dの外径D3 よりも僅かに大きな値に設定されて
いる。小径部15bは、下部中央にガイドピン逃し孔1
5cを有する。小径部15bの外周面は、耐熱性絶縁薄
膜16によって被覆されている。さらに、上部電極15
には、その外面からガイドピン逃し孔15cに通じる通
気孔50が設けられている。この通気孔50には、ホー
ス51の一端が接続され、ホース51の他端は図示しな
いエア制御回路に接続される。エア制御回路は、ホース
51、通気孔50を経てガイドピン逃し孔15cから吹
き出す圧縮空気(圧縮気体)の圧力、風量などを設定す
るものである。
【0023】導電カラー17は耐熱性絶縁薄膜16の外
周に圧入されている。導電カラー17は、上部電極15
よりも硬度の高い金属材により形成されている。導電カ
ラー17は、筒状体、すり割付き筒状体のいずれの形状
を有するものであってもよい。導電カラー17は、小径
部15bの下面15dと略面一の下面17aを有する。
導電カラー17の厚さtは、ナット2の被溶接部2bの
外径D2 からナット上面2dの外径D3 を減じた数値の
1/2より大きな寸法に設定されている。
【0024】絶縁リング18は、導電カラー17の上面
17aと大径部15aの下面15eとの間に挿入されて
いる。この絶縁リング18は、単体からなるもの、導電
カラー17の上端面に被覆された耐熱性絶縁薄膜からな
るもののいずれであってもよい。
【0025】このように、導電カラー17は、耐熱性絶
縁薄膜16及び絶縁リング18からなる絶縁材により上
部電極15に対し電気的に絶縁され、上部電極15の下
部外周に環装されている。
【0026】導電リング19は導電カラー17の外周に
切り込んだズレ防止溝に嵌め合わされている。導電リン
グ19は上部電極15の上下動の際の振動等によって導
電カラー17から脱落しないよう、ばね弾性によって導
電カラー17の外周面を締め付けている。
【0027】下部電極部20は、溶接機本体10の下側
突出部10bに配設されている。下部電極21は下部電
極部20によって保持されている。下部電極21は、図
2等に示すように、ワーク3及びナット2の位置決め用
ピンとしてのガイドピン22を内装している。ガイドピ
ン22は、下部電極21内部に設けられたスプリング
(図示せず)又はエアー圧によって上下動可能である。
【0028】上記のような構成を有するプロジェクショ
ン溶接機1の電気系統は、図1及び図10に示すように
構成される。
【0029】図1及び図10において、リード線23の
一端は、図2等に示すように、上部電極15側の導電リ
ング19に接合されている。他のリード線24の一端
は、図1に示すように下部電極21に接合されている。
これらのリード線23、24の他端は、異常検出コント
ローラ25に接続されている。フットスイッチ26は、
信号線27を介して異常検出コントローラ25に電気的
に接続されている。異常検出コントローラ25は電源2
8に接続される。溶接機タイマー29は電源28に接続
されるとともに、信号線30a、30bを介して異常検
出コントローラ25に接続される。上部電極加圧電磁弁
11は信号線31を介して異常検出コントローラ25に
接続されている。異常検出コントローラ25は、リセッ
トボタン32、異常ランプ33、異常ブザー34、上部
電極加圧保持スイッチ35及び上部電極下降スイッチ3
6を備える。
【0030】手操作でナット2をワーク3上に供給する
場合、電気系統は上記のように構成される。一方、ナッ
トフィーダー(図示せず)によりナット2をワーク3上
に自動供給する場合、電気系統は、上記のような構成の
他に、図10に二点鎖線で示すように、ナットフィーダ
ーの制御盤37に電源28を接続し、さらに、信号線3
8を介して制御盤37を異常検出コントローラ25に電
気的に接続するとともに、信号線39を介して制御盤3
7を溶接機タイマー29に電気的に接続して構成され
る。
【0031】以下、ワーク3上にセットされるナット2
のセット状態の種類について図2〜図8を参照して説明
した上で、プロジェクション溶接機1の動作について説
明する。
【0032】セット状態は、セット正常状態とセット異
常状態に大別される。
【0033】セット正常状態 セット正常状態とは、図2及び図3に示すように、ナッ
ト2が正向きでワーク3上の正位置(ナット孔2cがガ
イドピン22に嵌っているときのナット位置)にセット
された状態をいう。なお、図2は、上部電極15が上端
位置にある状態に対応し、また、図3は、上部電極15
が図2に示す状態から下降し、ナット2の被溶接部2b
をワーク上面3aに加圧する位置まで達した状態に対応
する。
【0034】セット異常状態 セット異常状態には、図4〜図8にそれぞれ示すような
各種のセット異常状態がある。
【0035】図4に示すセット異常状態は、ナット2が
逆向きでガイドピン22に嵌められたナット2の姿勢状
態であり、以下、このセット異常状態をナット逆向き正
位置状態という。
【0036】図5に示すセット異常状態は、ナット2が
正向きではあるがガイドピン22に嵌っておらず上部電
極15の下降時に上部電極15と当接するようになるナ
ット2の姿勢状態であり、以下、ナット正向き不正位置
状態という。
【0037】図6に示すセット異常状態は、ナット2が
ワーク3上に供給されなかったか、あるいは、ナット2
がガイドピン22から比較的遠く離れた位置にセットさ
れたため、上部電極15の下降時に上部電極15とワー
ク3とが当接するようになる状態であり、以下、ナット
不存在状態という。
【0038】図7に示すセット異常状態は、ナット2が
逆向きでしかもガイドピン22に嵌っていない状態で上
部電極15と当接するようになるナット2の姿勢状態で
あり、以下、ナット逆向き不正位置状態という。
【0039】図8に示すセット異常状態は、厳密な意味
ではナット2のセット異常とはいえないが、上部電極1
5の下面15dに水滴40又は付着物41が付着した状
態で上部電極15とナット2とが当接するようになる状
態であり、以下、電極異常状態という。
【0040】次に、プロジェクション溶接機1の動作
を、図12に示すフローチャートを基本に順に説明す
る。なお、図12において、ステップS1〜S5は、手
操作でナット2をワーク3上に供給するナット手供給時
の動作内容を表し、また、ステップS6〜S10は、ナ
ットフィーダーによりナット2をワーク3上に供給する
ナット自動供給時の動作内容を表し、また、ステップS
11〜S25は、ナット手供給時、ナット自動供給時に
共通の動作内容を表している。
【0041】(1) 動作開始前 図12に示す動作の開始前においては、上部電極15は
上端位置で待機しており、また、下部電極21のガイド
ピン22は、スプリング又はエアー圧により上方に突出
した状態にある。
【0042】(2)a ナット手供給時の動作 上記の状態において、まずワーク3を下部電極21のガ
イドピン22にセットする(S1)。
【0043】次に、ワーク3がセットされたガイドピン
22に、ナット2を正向きで嵌めるための、手操作によ
るナットセットを行う(S2)。このナット手供給によ
り、ナット2のセット状態は、セット正常状態又はセッ
ト異常状態のいずれかの状態となる。なお、このナット
手供給によりナット2がセット正常状態でセットされた
とき、ナット被溶接部2bはワーク上面3aから僅かに
浮いた状態となる(図2参照)。
【0044】その後、フットスイッチ26(起動スイッ
チ)をONする(S3)。
【0045】このフットスイッチ26のON信号は、信
号線27、異常検出コントローラ25及び信号線30a
を経て溶接機タイマー29に送信され、溶接機タイマー
29はONする(S4)。この溶接機タイマー29は、
信号線30b、異常検出コントローラ25及び信号線3
1を経て上部電極加圧電磁弁11に上部電極加圧信号を
送信し、この上部電極加圧信号により上部電極加圧電磁
弁11のポジションが切り換わり、上部電極加圧シリン
ダ12は上部電極部13を下降させ、上部電極15は下
降を開始する(S5)。なお、下降を開始した上部電極
15は、初期加圧期間T1 (図13参照)内にフットス
イッチ26がOFFした場合には、上昇可能となるが、
初期加圧期間T1 経過後は、フットスイッチ26がOF
Fしても直ちには上昇しないよう制御される。また、上
部電極15の下降開始と同時に、エア制御回路からホー
ス51、通気孔50を経てガイドピン逃し孔15cから
圧縮空気を吹き出すようにする、すなわち、エアブロー
を開始する(S50)。なお、エア制御回路は、例え
ば、溶接機タイマー29からの信号によって起動する。
【0046】(2)b ナット自動供給時の動作 一方、ナット自動供給時には、ワークセット(S6)の
後、フットスイッチ26をONする(S7)。
【0047】このフットスイッチ26のON信号は、信
号線27、異常検出コントローラ25及び信号線38を
経てナットフィーダーの制御盤37に送信され、制御盤
37はナットフィーダーにナット供給開始信号を送信
し、ナットフィーダーはナット2を一個正向き状態でガ
イドピン22に嵌めるようワーク上面3aに向けて供給
する(S8)。このナット自動供給により、ナット2の
セット状態は、ナット手供給時と同様、セット正常状態
又はセット異常状態のいずれかの状態となる。
【0048】その後、制御盤37から信号線39を経て
溶接機タイマー29にナット供給完了信号が送信される
と、溶接機タイマー29はONする(S9)。この溶接
機タイマー29は、ナット手供給時と同様、上部電極加
圧電磁弁11に上部電極加圧信号を送信し、上部電極1
5を下降開始させる(S10)。また、上部電極15の
下降開始と同時に、エア制御回路からホース51、通気
孔50を経てガイドピン逃し孔15cから圧縮空気を吹
き出すようにする、すなわち、エアブローを開始する
(S60)。なお、エア制御回路は、例えば、溶接機タ
イマー29からの信号によって起動する。
【0049】(3) 初期加圧期間T1 における導通検知
(異常検知) 上記のような上部電極15の下降開始後、異常検出コン
トローラ25は、リード線23、24間に電圧を継続し
て印加するとともに、図11に示すような異常検出コン
トローラ25の入力部に設けられた導通検知回路25a
により、リード線23、24間の導通の有無を検出する
ようにし、導通検知回路25aによりリード線23、2
4間の導通が検知されたとき、導通検知回路25aから
導通検知信号を出力するようにする(S11)。換言す
ると、上部電極15の下降開始後、導通検知回路25a
は、ナット2のセット状態がセット正常状態であるかセ
ット異常状態であるかの判定を行う。なお、この判定結
果により、後述するように、上部電極15、下部電極2
1間に溶接電流を流したり、あるいは溶接電流を流さな
いで異常ブザー34を鳴らすなどの、後の動作が決定さ
れる。
【0050】導通検知回路25aは、ナット2のセット
状態がセット正常状態(図2)のときは、図3に示すよ
うに上部電極15の下降により、上部電極15が導電カ
ラー17とは当接せずナット上面2dのみと当接するよ
うになり、リード線23、24間が遮断状態に保たれる
ため、導通検知回路25aは開状態を保ち、異常検知信
号を出力しない。このように、ナット2のセット状態が
セット正常状態のとき、導通検知回路25aはセット正
常状態であると判定する。
【0051】また、ナット2のセット状態がナット逆向
き正位置状態(図4)のときには、上部電極15の下降
により導電カラー17がナット被溶接部2bと当接する
ようになり、上部電極15側のリード線23から導電リ
ング19、導電カラー17、ナット被溶接部2b、ナッ
ト上面2d、ワーク3、下部電極21を経て下部電極2
1側のリード線24に至る閉回路が生成され、導通検知
回路25aは閉状態となり、導通検知回路25aは異常
検知信号を出力するようになる。このように、ナット2
のセット状態がナット逆向き正位置状態のとき、導通検
知回路25aはセット異常状態であると判定する。
【0052】また、ナット2のセット状態がナット正向
き不正位置状態(図5)のときには、上部電極15の下
降により導電カラー17がナット上面2dと当接するよ
うになり、上部電極15側のリード線23から導電リン
グ19、導電カラー17、ナット上面2d、ナット被溶
接部2b、ワーク3、下部電極21を経て下部電極21
側のリード線24に至る閉回路が生成される。このた
め、上記と同様、導通検知回路25aは異常検知信号を
出力するようになり、セット異常状態であると判定す
る。
【0053】また、ナット2のセット状態がナット不存
在状態(図6)のときには、上部電極15の下降により
上部電極15がワーク上面3aと当接するようになり、
上部電極15側のリード線23から導電リング19、導
電カラー17、ワーク3、下部電極21を経て下部電極
21側のリード線24に至る閉回路が生成される。この
ため、上記と同様、導通検知回路25aは異常検知信号
を出力するようになり、セット異常状態であると判定す
る。
【0054】また、ナット2のセット状態がナット逆向
き不正位置状態(図7)のときには、上部電極15の下
降により上部電極15が導電カラー17とは当接せずナ
ット被溶接部2bのみと当接するようになり、リード線
23、24間が遮断状態に保たれるため、導通検知回路
25aは開状態を保ち、異常検知信号を出力しない。し
たがって、このようなナット逆向き不正位置状態は本来
ならばセット異常状態であるが、導通検知回路25a
は、セット正常状態であると誤判定するようになる。な
お、この誤判定による溶接後の不良品の流出を防止する
ために、後述するように、溶接後、異常ブザー34の鳴
動等により作業者にセット異常が知らされる。
【0055】また、厳密な意味ではナット2のセット状
態とはいえないが電極異常状態(図8)のときには、上
部電極15の下降により上部電極15がナット上面2d
と当接するようになると上部電極15側のリード線23
から導電リング19、導電カラー17、水滴40又は付
着物41、ナット2、ワーク3、下部電極21を経て下
部電極21側のリード線24に至る閉回路が生成され
る。このため、上記と同様、導通検知回路25aは異常
検知信号を出力するようになり、セット異常状態である
と判定する。しかし、水滴40又は付着物41が溶接品
質に支障をきたさない程度の少量である場合(以下、擬
似異常状態という。)には、上記のようなセット異常状
態との判定はしないでセット正常状態との判定をし、後
続の溶接を行う方が好ましい。そこで、図11に二点鎖
線で示すように、導通検知回路25aに並列に抵抗Rf
を接続し、当該擬似異常状態の時に導通検知回路25a
にかかる電圧を、異常検知信号の出力の基準となる閾値
よりも小さくなるよう構成する。このような構成をとる
ことにより、擬似異常状態の時には、導通検知回路25
aは異常検知信号を出力せず、セット正常状態と判定す
ることができるようになる。
【0056】以上のように、導通検知回路25aは、初
期加圧期間T1 において、リード線23、24間の導通
の有無を検出し、ナット2のセット状態がセット正常状
態(異常検知信号が出力されない場合に対応する。)で
あるか又はセット異常状態(異常検知信号が出力される
場合に対応する。)であるかを判定する。以下、セット
正常状態と判定された場合と、セット異常状態と判定さ
れた場合に大別して以後の動作を説明する。
【0057】(4)a 初期加圧期間T1 内に異常検知信号
が出力されずセット正常状態と判定された場合の動作異
常検出コントローラ25は、上部電極15、下部電極2
1間に溶接電流を流して予め定めた溶接時間、ナット2
の溶接を行わせる(S12)。
【0058】その後、溶接機タイマー29がタイマーア
ップするまでの間、リード線23、24間の導通の有無
を検知する(S14)。
【0059】図2及び図3に示すようなセット正常状態
のため導通検知回路25aから異常検知信号が出力され
ない場合、溶接機タイマー29は予め定めた上部電極加
圧時間T2 (図13参照)が経過した時点、すなわち、
溶接機タイマー29がタイマーアップした時点で、上部
電極加圧電磁弁11への上部電極加圧信号の送信を停止
し、これにより、上部電極15は上昇を開始する(S1
5)。なお、図12においては、溶接機タイマーアップ
(S13)後に、導通検知(S14)を行うように図示
したが、これは、便宜上、フローチャートが煩雑になる
のを回避するためである。その後、フットスイッチ26
をOFFし、ナット2が溶接されたワーク3をアン・ロ
ーディングする(S25)。
【0060】一方、S50又はS60で開始したエアブ
ローは、作業条件に合わせて、溶接電流を流し終った時
点から上部電極15が上昇開始するまでの期間内の任意
の時点で終了する(S51)。ここで、溶接電流を流し
終えた時点をエアブロー終了時点の最も早い時点として
設定した理由は、溶接時に飛散したスパッターが絶縁材
16に付着して導電カラー17と上部電極15とが導通
する導通不良を防止するとともに、ワーク3の材質によ
っては、溶接電流通電後、溶融部を急冷することができ
ない場合があるためである。
【0061】導通検知(S14)において、図7に示す
ようなナット逆向き不正位置状態の場合、溶接電流によ
りナット被溶接部2bが溶融し、このため、上部電極1
5側のリード線23から、導電リング19、導電カラー
17、ナット2、ワーク3、下部電極21を経て下部電
極21側のリード線24に至る閉回路が生成され、導通
検知回路25aから異常検知信号が出力されるようにな
る。このような場合、後述する動作(S16)へと移行
し、異常ブザー34が鳴動するなどしてセット異常状態
が作業者に知らされる。
【0062】(4)b 初期加圧期間T1 内に異常検知信号
が出力されセット異常状態と判定された場合の動作 導通検知回路25aから異常検知信号が出力されると、
上部電極加圧保持スイッチ35がONされているかOF
Fされているかによって(S16)、次のような異なる
動作を行う。
【0063】上部電極加圧保持スイッチ35がOFF
されている場合 導通検知回路25aからの異常検知信号により、溶接機
タイマー29はOFFし、異常ランプ33及び異常ブザ
ー34はONする(S17)。この溶接機タイマー29
のOFFへのスイッチングにより、溶接機タイマー29
は上部電極加圧信号の送信を停止し、上部電極15は上
昇を開始する(S18)。そして、この異常ランプ33
の点灯、異常ブザー34の鳴動により、作業者はセット
異常を知ることができる。一方、エアブローは、異常ラ
ンプ33等をONさせると同時に終了させる(S6
1)。
【0064】その後、作業者はフットスイッチ26をO
FFするとともに、リセットボタン32をONする。こ
のリセットボタン32のONにより、異常ランプ33及
び異常ブザー34はOFFする(S19)。そして、作
業者は、セット異常のナット2をアンロードする(S2
5)。
【0065】上部電極加圧保持スイッチ35がONさ
れている場合 異常検出コントローラ25は、上部電極加圧保持信号を
ONし、上部電極加圧保持信号を上部電極加圧電磁弁1
1に送信する(S20)。また、溶接機タイマー29を
OFFするとともに、異常ランプ33及び異常ブザー3
4をONする(S21)。したがって、溶接機タイマー
29のOFFへのスイッチングにより、上部電極加圧信
号の送信が停止するが、その代わりに、上部電極加圧保
持信号が送信されることから、上部電極15は加圧保持
を継続するようになる。その後、作業者はフットスイッ
チ26をOFFするとともに、リセットボタン32をO
Nする。このリセットボタン32のONにより、異常ブ
ザー34はOFFする(S22)。そして、作業者は再
びリセットボタン32をONする。このリセットボタン
32のONにより、異常ランプ33はOFFするととも
に上部電極加圧保持信号の送信が停止される(S2
3)。この上部電極加圧保持信号の送信停止により、上
部電極15は上昇を開始する(S24)。そして、作業
者は、セット異常のナット2をアンロードする(S2
5)。
【0066】一方、エアブローは、異常ランプ33等を
ONさせると同時に終了させる(S62)。図13〜図
17は、上述したようなプロジェクション溶接機1の動
作を、より具体的に説明するためのタイミングチャート
を示す。
【0067】図13は、ナット2のセット状態がセット
正常状態にあるとき(図2、図3)のタイミングチャー
トを示す。このセット正常状態の場合、初期加圧期間T
1 が経過した時点で溶接電流が流れ、ナット2がワーク
3に溶接される。また、上部電極15の下降開始時点か
ら、早くて溶接電流が流れ終わる時点、遅くて上部電極
15が上昇開始する時点までの期間T3 、エアブローが
行われる。そして、上部電極加圧期間T2 が経過した時
点で上部電極15は上昇開始する。なお、図13に示す
タイミングチャートは、上部電極加圧保持スイッチ35
がOFFしている場合に対応するが、上部電極加圧保持
スイッチ35がONしている場合にも同様な内容とな
る。
【0068】図14は、ナット2のセット状態が、図
4、図5及び図6に示すようなセット異常状態であり、
かつ、上部電極加圧保持スイッチ35がOFF状態にあ
るときのタイミングチャートを示す。この場合、初期加
圧期間T1 内にリード線23、24間の導通が検知され
ると、上部電極15は上昇を開始し、また、異常ランプ
33及び異常ブザー34がONされて作業者はセット異
常を知ることができる。また、エアブローは、導通検知
時点で終了する。
【0069】図15は、ナット2のセット状態が、図
4、図5及び図6に示すようなセット異常状態であり、
かつ、上部電極加圧保持スイッチ35がON状態にある
ときのタイミングチャートを示す。この場合、初期加圧
期間T1 内にリード線23、24間の導通が検知される
と、異常ランプ33及び異常ブザー34によりセット異
常が作業者に知らされる。また、リード線23、24間
の導通が検知されたとき、上部電極15は上昇を開始せ
ず加圧保持され、二度目の異常リセットにより上昇を開
始するため、作業者は、セット異常状態を実際に目で確
認することができる。したがって、上部電極15を上記
のように加圧保持することは、品質管理上有効な手段と
なる。また、エアブローは、導通検知時点で終了する。
【0070】図16は、ナット2のセット状態が、図7
に示すようなセット異常状態であり、かつ、上部電極加
圧保持スイッチ35がOFF状態にあるときのタイミン
グチャートを示す。この場合、溶接中にリード線23、
24間の導通が検知されても、上部電極15は上昇せず
加圧保持され、保持加圧期間T2 が経過した時点から上
昇を開始する。そして、異常ランプ33及び異常ブザー
34によって作業者はセット異常を知ることができ、溶
接不良品の流出を防止することができる。また、エアブ
ローは、導通検知時点で終了する。
【0071】図17は、ナット2のセット状態が、図7
に示すようなセット異常状態であり、かつ、上部電極加
圧保持スイッチ35がON状態にあるときのタイミング
チャートを示す。この場合、上部電極15は、初期加圧
期間T1 が経過した後も上部電極加圧保持信号により加
圧保持され、二度目の異常リセットにより上昇を開始す
る。このため、上述した図15に示したセット異常の場
合と同様、作業者は、セット異常状態を実際に目で確認
することができる。また、エアブローは、導通検知時点
で終了する。
【0072】なお、上述した図13〜図17は、手操作
でナット2の供給を行うナット手供給時の場合の動作を
示したが、ナット自動供給時の場合には、起動スイッチ
26がONするとナットフィーダーが起動し、ナットフ
ィーダーがナット1個を供給終了した時点で溶接機タイ
マー29がONする。そして、その後の動作はナット手
供給時の場合と同様である。
【0073】ところで、溶接の繰り返しにより電極面が
損耗して平坦度が失われた場合、電極面の修整を行う必
要が生じる。
【0074】以下、このような電極面の修整を行う際の
作業を説明する。
【0075】まず、導電カラー17の外周に嵌められた
ばね状の導電リング19を外し、上部電極15を上部電
極ホルダー14から外す。そして、上部電極15を旋盤
等のチャックに締め付け、上部電極15の下面15d及
び導通カラー17の下面17aを同時に削り平坦度を回
復させる。
【0076】なお、このような電極面の研削は、導電リ
ング19のセット位置近傍まで繰り返し行うことが可能
である。
【0077】そして、このような電極面の修整の後、上
部電極15を上部電極ホルダー14に取り付け、さら
に、導通カラー17に導電リング19を取り付けて、作
業を終了する。
【0078】その後、異常検出コントローラ25の動作
確認を行う。この動作確認方法は、次のように行われ
る。
【0079】まず、ワーク3をセットした後、ナット2
をガイドピン22に正向きでセットする。そして、上部
電極下降スイッチ36を手動でONする。異常検出コン
トローラ25は、上部電極下降スイッチ36がONする
と、上部電極下降信号を上部電極加圧電磁弁11に送信
し、上部電極15は下降を開始する。そして、この上部
電極15の下降により異常ランプ33がONしないこと
を作業者が確認することにより、異常検出コントローラ
25がセット正常状態を正しく判定したと確認する。な
お、この確認動作の間、溶接機タイマー29は切り離さ
れており、溶接電流の供給は行わない。図18は、この
ようにナット2をセット正常状態でセットした場合の確
認動作の内容を示している。
【0080】次に、今度はナット2をガイドピン22に
逆向きでセットする。そして、上述したセット正常状態
の判定の確認の場合と同様、上部電極下降スイッチ36
を手動でONし、上部電極15を下降させる。そして、
この上部電極15の下降により異常ランプ33がONし
たことを作業者が確認することにより、異常検出コント
ローラ25がセット異常状態を正しく判定したと確認す
る。図19は、このようにナット2をセット異常状態で
セットした場合の確認動作の内容を示している。
【0081】
【発明の効果】本発明のプロジェクション溶接機は、ナ
ットの上面の外径よりも僅かに大きな外径を有する下面
を備え、該下面に正向きナットの上面全体が当接される
上部電極と、上部電極の下部外周に環装される導電カラ
ーであって、上部電極下面と略面一の下面を有し、該下
面に逆向きナットの複数のナット被溶接部が当接される
導電カラーと、上部電極と導電カラーとの間を電気的に
絶縁する絶縁材と、導電カラーに通電し、該導電カラー
からナットへの通電の有無に基づいてナットのセット状
態を判定する異常検出コントローラとを備え、かつ、前
記上部電極の外面からガイドピン逃し孔に通じる通気孔
を設け、該通気孔を介して前記ガイドピン逃し孔から圧
縮気体を吹出すよう構成されることを特徴とする。
【0082】本発明によると、ナットがセット正常状態
でセットされている場合には、導電カラーがナットと接
触することがないため、導電カラーからナットへの通電
が無いことを確認することで、ナットのセット正常状態
を正しく判定することができる。一方、ナットがセット
異常状態でセットされている場合には、導電カラーがナ
ットと接触するため、導電カラーからナットへの通電が
有ることを確認することで、ナットのセット異常状態を
正しく判定することができるようになる。したがって、
本発明によると、きわめて簡素な構成によってナットの
セット状態を正確に検出し溶接不良を防止することが可
能になる。さらに、本発明によると、上部電極のガイド
ピン逃し孔からナットに向けて圧縮気体が吹き出される
ことから、ナット上面上の切粉などの付着物や、溶接時
に飛散するスパッターを吹き飛ばし、これらの付着物や
スパッターを介して、絶縁材を挟んだ導電体間が導通し
てしまう導通不良を防止することができる。
【0083】また、圧縮気体の吹出終了時点は、ナット
がナット正常状態でセットされている場合、最も早いと
きで溶接電流を流し終えた時点に設定すると、溶接電流
通電後、溶融部を急冷できないワークに対しても良好な
溶接を行うことができる。
【0084】また、圧縮気体の吹出終了時点は、異常検
出コントローラがセット異常状態を判定した場合、この
判定時点に設定すると、以後の無駄な圧縮空気吹出を行
わなくて済む。
【0085】また、導電カラーの外周に着脱可能に導電
リングが環装され、該導電リングに異常検出コントロー
ラのリード線が接続されるよう構成する。これにより、
損耗した電極面の修整作業を行う際、導電リングを取り
外すことにより、上部電極及び導電カラーのみを旋盤等
にセットして、上部電極の下面と導電カラーの下面とを
同時に研削することができるようになる。
【0086】また、異常検出コントローラが異常を検出
したとき、上部電極は加圧保持されるよう構成する。こ
れにより、作業者はセット異常状態を実際に目で確認す
ることができるようになり、品質管理を行う上で有効な
手段となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロジェクション溶
接機の全体構成図である。
【図2】図1に示すプロジェクション溶接機において、
ナットが正向きでワーク上の正位置にセットされた場合
(セット正常時)に、上部電極が上端位置にあるときの
要部の部分断面図である。
【図3】上部電極が図2に示す状態から下降し、ナット
の被溶接部をワーク上面に加圧する位置まで達したとき
の要部の部分断面図である。
【図4】ナットが逆向きでワーク上の正位置にセットさ
れた場合(セット異常時又はナット逆向き正位置時)
に、上部電極が下降し、ナットの被溶接部と当接する位
置まで達したときの要部の部分断面図である。
【図5】ナットが正向きでワーク上の不正位置にセット
された場合(セット異常時又はナット正向き不正位置
時)に、上部電極が下降し、ナットの上面と当接する位
置まで達したときの要部の部分断面図である。
【図6】ナットがワーク上に存在しない場合(セット異
常時又はナット不存在時)に、上部電極が下降し、ワー
クと当接する位置まで達したときの要部の部分断面図で
ある。
【図7】ナットが逆向きでワーク上の不正位置にセット
された場合(セット異常時又はナット逆向き不正位置
時)に、上部電極が下降し、ナットの被溶接部と当接す
る位置まで達したときの要部の部分断面図である。
【図8】上部電極の下端面に水滴又は付着物が付着して
いる場合(電極異常時)に、上部電極が上端位置にある
ときの要部の部分断面図である。
【図9】ナットの平面、縦断面及び底面図である。
【図10】図1に示すプロジェクション溶接機の電気系
統図である。
【図11】図10に示す異常検出コントローラの入力部
の構成図である。
【図12】図1に示すプロジェクション溶接機による一
連の動作を示すフローチャートである。
【図13】ナットのセット状態がセット正常状態にある
とき(図2、図3)のタイミングチャートである。
【図14】ナットのセット状態が、図4、図5及び図6
に示すようなセット異常状態であり、かつ、上部電極加
圧保持スイッチがOFF状態にあるときのタイミングチ
ャートである。
【図15】ナットのセット状態が、図4、図5及び図6
に示すようなセット異常状態であり、かつ、上部電極加
圧保持スイッチがON状態にあるときのタイミングチャ
ートである。
【図16】ナットのセット状態が、図7に示すようなセ
ット異常状態であり、かつ、上部電極加圧保持スイッチ
がOFF状態にあるときのタイミングチャートである。
【図17】ナットのセット状態が、図7に示すようなセ
ット異常状態であり、かつ、上部電極加圧保持スイッチ
がON状態にあるときのタイミングチャートである。
【図18】電極面修整後、ナットをセット正常状態でセ
ットした場合の異常検出コントローラの動作確認のため
の動作内容を示すタイミングチャートである。
【図19】電極面修整後、ナットをセット異常状態でセ
ットした場合の異常検出コントローラの動作確認のため
の動作内容を示すタイミングチャートである。
【図20】従来のプロジェクション溶接機の問題点を説
明するための断面図である。
【符号の説明】
1 プロジェクション溶接機 2 ナット 2a ナット本体部 2b 被溶接部 2d 上面 3 ワーク 3a 上面 15 上部電極 15c ガイドピン逃し孔 15d 下面 16、18 絶縁材 17 導電カラー 19 導電リング 23 リード線 25 異常検出コントローラ 50 通気孔
フロントページの続き (72)発明者 安部 康広 愛知県名古屋市中区金山5丁目2番22号 矢嶋工業株式会社内 (72)発明者 佐溝 庸吉 愛知県名古屋市中区金山5丁目2番22号 矢島技研株式会社内 (72)発明者 犬飼 裕岳 愛知県名古屋市中区金山5丁目2番22号 矢島技研株式会社内 (72)発明者 堀場 俊幸 愛知県名古屋市中区金山5丁目2番22号 矢島技研株式会社内 (72)発明者 戸田 真司 愛知県名古屋市中区金山5丁目2番22号 矢島技研株式会社内 (72)発明者 等々力 誠 愛知県名古屋市中区金山5丁目2番22号 矢島技研株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーク上面に、ナット本体部の下端外周
    付近から斜め外方へ延在する複数の被溶接部を溶着させ
    ることにより、ナットをワークに溶接するプロジェクシ
    ョン溶接機であって、 前記ナットの上面の外径よりも僅かに大きな外径を有す
    る下面を備え、該下面に正向きナットの上面全体が当接
    される上部電極と、 前記上部電極の下部外周に環装される導電カラーであっ
    て、前記上部電極下面と略面一の下面を有し、該下面に
    逆向きナットの前記複数の被溶接部が当接される導電カ
    ラーと、 前記上部電極と前記導電カラーとの間を電気的に絶縁す
    る絶縁材と、 前記導電カラーに微小電圧を印加し、該導電カラーから
    前記ナットへの導通の有無に基づいて前記ナットのセッ
    ト状態を判定する異常検出コントローラと、 を備え、 かつ、 前記上部電極の外面からガイドピン逃し孔に通じる通気
    孔を設け、該通気孔を介して前記ガイドピン逃し孔から
    圧縮気体を吹出すよう構成されることを特徴とするプロ
    ジェクション溶接機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記圧縮気体の吹出
    終了時点は、前記ナットがナット正常状態でセットされ
    ている場合、最も早いときで溶接電流を流し終えた時点
    であることを特徴とするプロジェクション溶接機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記圧縮気体
    の吹出終了時点は、前記異常検出コントローラがセット
    異常状態を判定した場合、この判定時点であることを特
    徴とするプロジェクション溶接機。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3において、前記導電
    カラーの外周に着脱可能に導電リングが環装され、該導
    電リングに前記異常検出コントローラのリード線が接続
    されることを特徴とするプロジェクション溶接機。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4において、前記
    異常検出コントローラが異常を検出したとき、前記上部
    電極は加圧保持されることを特徴とするプロジェクショ
    ン溶接機。
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