JP2001259434A - 有機el素子もしくはledを併せ持つ無機半導体、脱臭、抗菌、防かび及び防汚装置 - Google Patents

有機el素子もしくはledを併せ持つ無機半導体、脱臭、抗菌、防かび及び防汚装置

Info

Publication number
JP2001259434A
JP2001259434A JP2000082680A JP2000082680A JP2001259434A JP 2001259434 A JP2001259434 A JP 2001259434A JP 2000082680 A JP2000082680 A JP 2000082680A JP 2000082680 A JP2000082680 A JP 2000082680A JP 2001259434 A JP2001259434 A JP 2001259434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
inorganic semiconductor
group
light
led
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000082680A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4051852B2 (ja
Inventor
Yoshiyuki Suzurisato
善幸 硯里
Hiroshi Kita
弘志 北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2000082680A priority Critical patent/JP4051852B2/ja
Publication of JP2001259434A publication Critical patent/JP2001259434A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4051852B2 publication Critical patent/JP4051852B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機半導体光触媒を用いる脱臭・抗菌・防汚
・防かび装置において、高効率、省電力、省スペースが
でき、かつ、フレキシブルとすることが可能で水銀フリ
ーな装置を提供すること。 【解決手段】 有機ELもしくはLEDの発光光源を併
せ持つ無機半導体及び有機ELもしくはLEDの発光光
源を併せ持つ脱臭装置、防汚装置、抗菌、防かび装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】有機EL素子もしくはLEDと無
機半導体を併せ持つ無機半導体及び脱臭、抗菌、防かび
及び防汚等の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から光を照射することにより、物質
の分解や酸化を促進する活性を示す光触媒が知られてい
るが、最近この光触媒を利用して硫黄酸化物や窒素酸化
物等の大気汚染物質を除去する試み等がなされてきてい
る。また、それら光触媒として酸化チタンを用いる試み
もなされている(例えば、特開平6−385号公報、同
6−49677号公報、同6−39285号公報等参
照)。
【0003】ところで、近年、地球環境汚染に対する関
心が高まっている中で、大気中のCO2、NOx及びSO
xなどの物質を除去する要請が高まり、また、これら有
害物質を除去してアメニティー空間を創出する構想もみ
られているように、居住空間の脱臭・抗菌・防汚・防か
び等への要請がますます強くなってきている。 そこ
で、このような汚染物質等を除去するために、上述の無
機半導体光触媒を利用することが考えられる。
【0004】光触媒機能を発現させるための発光部とし
ては紫外線を多く含む光源を用いることが望ましい。こ
れは無機半導体触媒が可視部にほとんど吸収を持たず、
紫外域に吸収を有するからである。しかし、一般的に、
居住空間内で脱臭・抗菌・防汚・防かび等に無機半導体
触媒を使用する場合、光触媒機能を発現させるための発
光部として、蛍光灯に頼らざるを得ない。蛍光灯からは
紫外線が射出されるが、この紫外線は人体に有害である
ため、蛍光灯等はその射出光に紫外線を極力含まないよ
うに改良がなされている。そのため、充分な光触媒能が
得られないのが現状である。
【0005】更に、蛍光灯に代表される発光に用いる放
電管は基本的に大きくならざるを得ない。そのため、狭
い場所での脱臭・抗菌・防汚・防かびを無機半導体触媒
をもって行うことができない。更に、蛍光灯に代表され
る放電管は起電圧、消費電力が大きいために使用する場
所が限られてしまう。また、蛍光灯は剛直であり、フレ
キシブルな構造の中で用いることができない。さらに蛍
光灯の内部には有害である水銀を含有しているため、万
が一蛍光灯が破損したとき人体に危険な状態になる等の
問題点もある。さらには廃棄するときの水銀の処理にも
問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、無機半導体光触媒を用いる脱臭・抗菌・防汚・防か
び装置において、高効率、省電力、省スペースができ、
かつ、フレキシブルとすることが可能で水銀フリーな装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明者らは前記の脱臭・抗菌
・防汚・防かび装置を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、発光光源に有機EL素子、LEDを用いた脱臭・抗
菌・防汚・防かび装置が、その目的に適合しうることを
見出し、本発明はかかる知見に基づいて完成したもので
ある。
【0008】すなわち、本発明の上記目的は、 (1)有機EL素子もしくはLEDの発光光源を併せ持
つことを特徴とする無機半導体。 (2)有機EL素子もしくはLED発光光源の発光色が
紫色領域ないしは紫外領域にあることを特徴とする上記
(1)に記載の無機半導体。 (3)発光光源が面状であることを特徴とする上記
(1)または(2)に記載の無機半導体。 (4)有機EL素子もしくはLEDの発光光源と、該発
光により励起される無機半導体とを併せ持つことを特徴
とする装置。 (5)有機EL素子もしくはLED発光光源の発光色が
紫色領域ないしは紫外領域にあることを特徴とする上記
(4)に記載の装置。 (6)発光光源が面状であることを特徴とする上記
(4)または(5)に記載の装置。 (7)無機半導体がTiO2、ZnO、SnO2、SrT
iO3、WO3、Bi23、Fe23、Nb23からなる
群から選ばれた1種の金属酸化物を含む無機半導体から
なることを特徴とする上記(4)〜(6)のいずれかに
記載の装置。 (8)無機半導体にTiO2が含有されることを特徴と
する上記(4)〜(6)のいずれかに記載の装置。 (9)無機半導体がTiO2であることを特徴とする上
記(4)〜(6)のいずれかに記載の装置。 (10)無機半導体にルチル型チタニアが含有されるこ
とを特徴とする上記(4)〜(6)のいずれかに記載の
装置。 (11)無機半導体にアパタイト被膜チタニアを含有す
ることを特徴とする上記(4)〜(6)のいずれかに記
載の装置。 (12)無機半導体が有機・無機傾斜膜であることを特
徴とする上記(6)〜(11)のいずれかに記載の装
置。 (13)無機半導体を、発光光源表面に直接的にもしく
は間接的に接するように設けたことを特徴とする上記
(6)〜(12)のいずれかに記載の装置。 (14)発光色が紫色領域ないしは紫外領域にある有機
EL素子と該有機EL素子と発光により励起可能なTi
2、ZnO、SnO2、SrTiO3、WO3、Bi
23、Fe23、Nb23からなる群から選ばれた1種
の金属酸化物を含む無機半導体とを併せ持つことを特徴
とする装置。 (15)発光色が紫色領域ないしは紫外領域にあるLE
Dと該LEDの発光により励起可能なTiO2、Zn
O、SnO2、SrTiO3、WO3、Bi23、Fe 2
3、Nb23からなる群から選ばれた1種の金属酸化物
を含む無機半導体とを併せ持つことを特徴とする装置。 (16)発光色が紫色領域ないしは紫外領域にある有機
EL素子と該有機EL素子の発光により励起可能なTi
2、ZnO、SnO2、SrTiO3、WO3、Bi
23、Fe23、Nb23からなる群から選ばれた1種
の金属酸化物を含む無機半導体とを併せ持つことを特徴
とする装置。 (17)発光色が紫色領域ないしは紫外領域にある有機
EL素子と該有機EL素子の発光により励起可能なTi
2含有無機半導体を併せ持つことを特徴とする装置。 (18)発光色が紫色領域ないしは紫外領域にあるLE
Dと該LEDの発光により励起可能なTiO2含有無機
半導体を併せ持つことを特徴とする装置。 (19)発光色が紫色領域ないしは紫外領域にある光を
発する有機EL素子と該有機EL素子の発光により励起
可能なアパタイト被膜チタニア含有無機半導体を併せ持
つことを特徴とする装置。 (20)発光色が紫色領域ないしは紫外領域にあるLE
Dと該LEDの発光により励起可能なアパタイト被膜チ
タニア含有無機半導体を併せ持つことを特徴とする装
置。 (21)発光色が紫色領域ないしは紫外領域にある有機
EL素子と該有機EL素子の発光により励起可能な有機
・無機傾斜膜を併せ持つことを特徴とする装置。 (22)無機半導体を、発光光源表面に直接的にもしく
は間接的に接するように設けたことを特徴とする上記
(14)〜(21)のいずれかに記載の装置。 (23)上記(6)〜(22)のいずれかに記載の装置
を有することを特徴とする脱臭装置。 (24)上記(6)〜(22)のいずれかに記載の装置
を有することを特徴とする防汚装置。 (25)上記(6)〜(22)のいずれかに記載の装置
を有することを特徴とする抗菌、防かび装置。 によって達成される。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、電界により発光する発光体は紫外・赤外
領域等のどの領域で発光してもよいが、紫外領域または
紫色領域に発光することが望ましい。ここでいう紫色領
域とは以下の条件を満たす領域であればどちらでもよ
い。 1.CIE色度計でのパープルからパープリッシュブル
ーを含む領域。 2.発光スペクトルでは縦軸を発光強度、横軸を波長
(nm)としたときの波長430nm以上のスペクトル
の面積(A1)と波長430nm未満のスペクトルの面
積(A2)の比(A1/A2)が0.8以下である領
域。(0.4以下であることがさらに好ましい。)
【0010】発光光源が面状であるとは発光可能な光源
全体が面状となっていることであり、面状とは二次元方
向に広がった面をいい、好ましくはシート状である。し
かし、この面は湾曲させたような形でもよい。大きさは
好ましくは0.1mm2〜5m2で、さらに好ましくは1
mm2〜1m2である。
【0011】本発明の発光光源は、電界により発光する
有機EL素子あるいはLED(発光ダイオード)であれ
ば特に制限はない。LEDの一例としては、窒化ガリウ
ム(GaN)等の無機発光ダイオードが挙げられ、有機
EL素子の一例としては、紫外発光する有機エレクトロ
ルミネッセンス(有機EL)材料(OLED)が挙げら
れる。具体的に紫外発光する有機EL材料としては、例
えば、特開平3−152897号公報の第3ページ右上
欄2行目〜第4ページ左上欄下から5行目に記載されて
いる化合物が挙げられ、それ以外では下記化合物がその
範疇に入るがこれらに限られるものではない。
【0012】以下に有機EL素子について詳細に説明す
る。有機EL素子は、基本的には一対の電極の間に発光
層を挾持し、必要に応じ正孔注入層や電子注入層を介在
させた構造を有している。具体的には、 (i)陽極/発光層/陰極 (ii)陽極/正孔注入層/発光層/陰極 (iii)陽極/発光層/電子注入層/陰極 (iv)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極 などの構造がある。
【0013】上記発光層は、(1)電界印加時に、陽極
又は正孔注入層により正孔を注入することができ、かつ
陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注
入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力
で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場
を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能
などを有している。ただし、正孔の注入されやすさと電
子の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔
と電子の移動度で表される輸送機能に大小があってもよ
いが、どちらか一方の電荷を移動させる機能を有するも
のが好ましい。
【0014】この発光層に用いられる発光材料の種類に
ついては特に制限はなく、従来有機EL素子における発
光材料として公知のものを用いることができる。このよ
うな発光材料は主に有機化合物であり、具体的には所望
の色調により、様々な化合物を用いることができる。発
光層は、例えば、蒸着法、スピンコート法、キャスト
法、LB法などの公知の方法により薄膜化することによ
り形成することができるが、特に分子堆積膜であること
が好ましい。ここで、分子堆積膜とは、該化合物の気相
状態から沈着され形成された薄膜や、該化合物の溶融状
態又は液相状態から固体化され形成された膜のことであ
る。通常、この分子堆積膜はLB法により形成された薄
膜(分子累積膜)と凝集構造、高次構造の相違や、それ
に起因する機能的な相違により区別することができる。
【0015】また、この発光層は、特開昭57−517
81号公報に記載されているように、樹脂などの結着材
と共に上記発光材料を溶剤に溶かして溶液としたのち、
これをスピンコート法などにより薄膜化して形成するこ
とができる。このようにして形成された発光層の膜厚に
ついては特に制限はなく、状況に応じて適宜選択するこ
とができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
【0016】このEL素子における陽極としては、仕事
関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化
合物及びこれらの混合物を電極物質とした陽極が好まし
く用いられる。このような電極物質の具体例としては、
Auなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(I
TO)、SnO2 、ZnOなどの導電性透明材料が挙げ
られる。該陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタ
リングなどの方法により、薄膜を形成させ、フォトリソ
グラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよ
く、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は
(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッ
タリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形
成してもよい。
【0017】この陽極より発光を取り出す場合には、陽
極の透過率を10%より大きくすることが望ましく、ま
た、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好まし
い。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μ
m、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれ
る。
【0018】一方、陰極としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合
金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質と
した陰極が用いられる。このような電極物質の具体例と
しては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグ
ネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネ
シウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合
物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/
酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リ
チウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げら
れる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する
耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の
値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例え
ばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウ
ム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニ
ウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム
/アルミニウム混合物などが好適である。
【0019】該陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパ
ッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることに
より、作製することができる。また、陰極としてのシー
ト抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10n
m〜1μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で
選ばれる。なお、発光を透過させるため、有機EL素子
の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であ
れば発光効率が向上し好都合である。
【0020】次に、必要に応じて設けられる正孔注入層
は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を
有し、この正孔注入層を陽極と発光層の間に介在させる
ことにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入
され、そのうえ、発光層に陰極又は電子注入層より注入
された電子は、発光層と正孔注入層の界面に存在する電
子の障壁により、発光層内の界面に累積され発光効率が
向上するなど発光性能の優れた素子となる。この正孔注
入層の材料(以下、正孔注入材料という)については、
前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はな
く、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸送材
料として慣用されているものやEL素子の正孔注入層に
使用される公知のものの中から任意のものを選択して用
いることができる。
【0021】上記正孔注入材料は、正孔の注入、電子の
障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物
のいずれであってもよい。この正孔注入材料としては、
例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導
体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレ
ンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換
カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアント
ラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共
重合体、また、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェ
ンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材料として
は、上記のものを使用することができるが、ポルフィリ
ン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミ
ン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いること
が好ましい。
【0022】上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリ
ルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’
−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル;N,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニ
ル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン
(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリ
ルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N’,
N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェ
ニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニ
ル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチ
ルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタ
ン;N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキ
シフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル;N,
N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル;4,4’−ビス(ジフェニルアミ
ノ)クォードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリ
ル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−
〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベ
ン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニル
ビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4’−N,N−ジフ
ェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾー
ル、さらには、米国特許第5,061,569号明細書
に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する
もの、例えば、4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)
−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平
4−308688号公報に記載されているトリフェニル
アミンユニットが3つスターバースト型に連結された
4,4’,4’’−トリス〔N−(3−メチルフェニ
ル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MT
DATA)などが挙げられる。また、p型−Si、p型
−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料として使用す
ることができる。
【0023】この正孔注入層は、上記正孔注入材料を、
例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、L
B法などの公知の方法により、薄膜化することにより形
成することができる。正孔注入層の膜厚については特に
制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。この
正孔注入層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一
層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層
からなる積層構造であってもよい。さらに、必要に応じ
て用いられる電子注入層は、陰極より注入された電子を
発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料と
しては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して
用いることができる。
【0024】この電子注入層に用いられる材料(以下、
電子注入材料という)の例としては、ニトロ置換フルオ
レン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオ
キシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタ
ン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導
体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。また、
特開昭59−194393号公報に記載されている一連
の電子伝達性化合物は、該公報では発光層を形成する材
料として開示されているが、本発明者らが検討した結
果、電子注入材料として用い得ることが分かった。さら
に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジア
ゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾー
ル誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン
環を有するキノキサリン誘導体も、電子注入材料として
用いることができる。
【0025】また、8−キノリノール誘導体の金属錯
体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム
(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノ
ール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−
キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8
−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−
8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノ
ール)亜鉛(Znq)など、及びこれらの金属錯体の中
心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPb
に置き替わった金属錯体も、電子注入材料として用いる
ことができる。
【0026】その他、メタルフリーもしくはメタルフタ
ロシアニンまたはそれらの末端がアルキル基やスルホン
酸基などで置換されているものも電子注入材料として好
ましく用いることができる。また、発光層の材料として
例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子注入材料と
して用いることができるし、正孔注入層と同様に、n型
−Si、n型−SiCなどの無機半導体も電子注入材料
として用いることができる。
【0027】この電子注入層は、上記化合物を、例え
ば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法
などの公知の薄膜化法により製膜して形成することがで
きる。電子注入層としての膜厚は、特に制限はないが、
通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子注入
層は、これらの電子注入材料一種又は二種以上からなる
一層構造であってもよいし、あるいは、同一組成又は異
種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0028】次に、該有機EL素子を作製する好適な例
を説明する。例として、前記の陽極/正孔注入層/発光
層/電子注入層/陰極からなるEL素子の作製法につい
て説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質、
例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好まし
くは10nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、
蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陽極
を作製する。次に、この上に素子材料である正孔注入
層、発光層、電子注入層の材料からなる薄膜を形成させ
る。
【0029】この薄膜化の方法としては、前記の如くス
ピンコート法、キャスト法、蒸着法などがあるが、均質
な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいな
どの点から、真空蒸着法が好ましい。この薄膜化に、こ
の蒸着法を採用する場合、蒸着条件は、使用する化合物
の種類、分子堆積膜の目的とする結晶構造、会合構造な
どにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜450
℃、真空度10-6〜10-3Pa、蒸着速度0.01nm
〜50nm/秒、基板温度−50℃〜300℃、膜厚5
nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
【0030】これらの層の形成後、その上に陰極用物質
からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50nm〜20
0nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパ
ッタリングなどの方法により形成させ、陰極を設けるこ
とにより、所望のEL素子が得られる。この有機EL素
子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から
陰極まで作製するのが好ましいが、作製順序を逆にし
て、陰極、電子注入層、発光層、正孔注入層、陽極の順
に作製することも可能である。
【0031】このようにして得られたEL素子に、直流
電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性と
して電圧5V〜40V程度を印加すると、発光が観測で
きる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず
に発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場
合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発
光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
【0032】発光層として以下の一般式(N1)、(A
1)、(A2)、(A3)、(B1)、(C1)、(D
1)、(E1)、(F1)及び(F2)で表される化合
物を用いることができる。
【0033】
【化1】 [式中、Arはアリール基を表し、Aは炭素原子、窒素
原子、硫黄原子または酸素原子を表し、XはA、Cおよ
びNとともに5員または6員の含窒素芳香族複素環を形
成するのに必要な原子群を表し、Yは3つの炭素原子と
ともに5員または6員の芳香族炭化水素環または芳香族
複素環を形成するのに必要な原子群を表す。式中のC−
N結合、C−A結合、C−C結合は単結合または2重結
合を表し、Rは水素原子または置換基またはArを表
す。また、
【0034】
【化2】 で表される含窒素芳香族複素環および
【0035】
【化3】 で表される芳香族炭化水素環または芳香族複素環は炭化
水素環または複素環を縮合環として有していてもよ
い。]
【0036】
【化4】 [式中、Ar11、 Ar12およびAr13はそれぞれ独立
にアリール基または芳香族複素環基を表す。ただし、一
般式((A1))で表される化合物の分子内には少なく
とも2つの内部回転異性性を付与しうる結合軸を持つビ
アリール基が存在する。]
【0037】
【化5】 [式中、Ar21、 Ar22およびAr23はそれぞれ独立
に内部回転異性性を付与しうる結合軸を持つアリール基
を表す。]
【0038】
【化6】 [式中、Ar31、 Ar32およびAr33はそれぞれ独立
にアリール基または芳香族複素環基を表す。ただし、A
31、 Ar32およびAr33の少なくとも2つは1,
1’−ビナフチル部分を有するアリール基である。]
【0039】
【化7】 [式中、Ar41およびAr42はそれぞれ独立にアリール
基または芳香族複素環基を表し、L11、 L12およびL
13は5員の芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を
表し、L11、 L12およびL13のうち少なくとも1つは
=N− 、−N(R41)−、−S−または−O− を表
し、R41は水素原子または置換基を表す。ただし、Ar
41、 Ar42 およびR41のうち少なくとも1つは、内部
回転異性性を付与しうるC2対称軸が存在するビアリー
ル基またはその部分を有する基である。また、隣接する
置換基同士は互いに縮合して飽和または不飽和の環を形
成してもよい。]
【0040】
【化8】 [式中、Ar51はアリール基または芳香族複素環基を表
し、nは0から6の整数を表し、nが2以上のとき複数
のAr51は同じであっても異なっていてもよく、また、
21、 L22、 L23、 L24、 L25およびL26は6員の
含窒素芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表
す。ただし、L21、 L22、 L23、 L24、 L25および
26のうち少なくとも1つは=N−または−N(R51
−(R51は水素原子または置換基を表す。)を表す。た
だし、Ar51 およびR51のうち少なくとも1つは、内
部回転異性性を付与しうるC2対称軸が存在するビアリ
ール基またはその部分を有する基である。また、隣接す
る置換基同士は互いに縮合して飽和または不飽和の環を
形成してもよい。]
【0041】
【化9】 [式中、Ar61およびAr62はアリール基または芳香族
複素環基を表し、R61およびR62は水素原子または置換
基を表す。ただし、Ar61、 Ar62、 R61およびR62
のうち少なくとも1つは、内部回転異性性を付与しうる
2対称軸が存在するビアリール基またはその部分を有
する基である。また、隣接する置換基同士は互いに縮合
して飽和または不飽和の環を形成してもよい。]
【0042】
【化10】 [式中、Mは1価から4価にイオン状態を取りうる金属
元素を表し、n’は1から4の自然数を表し、L71 -
Mとイオン結合を形成し、かつ、Mに配位可能な部分を
有する1価のアニオンを表し、mはn’と同じかまたは
それよりも小さい自然数を表し、R71 -はMとイオン結
合を形成する1価のアニオンを表す。ただし、L71 -
たは R71 - の少なくとも1つは、内部回転異性性を付
与しうるC 2対称軸が存在するビアリール部分を有する
基である。]
【0043】
【化11】 [式中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に1価の発光性
化合物残基を表し、Z 3はk価の発光性化合物残基を表
す。kは1〜8の自然数を表す。xは1〜3の自然数を
表し、yは0〜3の整数を表す。xが2以上のときは複
数のZ1は同じであっても異なっていてもよく、yが2
以上のときは複数のZ2は同じであっても異なっていて
もよく、さらにxおよびyが共に1以上のときはZ1
2は同じであっても異なっていてもよい。R81および
82はそれぞれ独立に置換基を表し、nは0〜4の整数
を表し、mは0〜4の整数を表す。nが2以上のときは
複数のR81は同じであっても異なっていてもよく、また
互いに縮合して環を形成してもよい。mが2以上のとき
は複数のR82は同じであっても異なっていてもよく、ま
た互いに縮合して環を形成してもよく、さらにnおよび
mが共に1以上のときはR81とR82は同じであっても異
なっていてもよい。また、Z1、 Z2で表される一価の
発光化合物残基及び R81、R82で表される置換基は、
ナフタレン環と縮合環を形成してもよい。]
【0044】一般式(N1)、(A1)、(A2)、
(A3)、(B1)、(C1)および(D1)におい
て、Ar、Ar11、Ar12、Ar13、Ar21、Ar22
Ar23、Ar31、Ar32、Ar33、Ar41、Ar42、A
51、Ar61およびAr62で表されるアリール基は、π
電子の数が 4n+2(nは自然数)であれば特に制限
はなく、単環でも縮合環でもいい。さらに該アリール基
は置換基によって置換されていてもよく、該置換基とし
ては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、複素環基、アミノ基、ハロ
ゲン原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、ア
シルアミノ基、スルホンアミド基、ホスホンアミド基、
カルバモイル基、エステル基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、ニトロ基、シアノ基、シリル基等が挙げられ
る。また該アリール基の互いに隣接する場所に複数の置
換基が置換する場合には、互いに縮合して炭化水素環ま
たは複素環を形成してもよく、さらにはスピロ構造を有
する部分があってもよい。
【0045】一般式(N1)、(A1)、(A2)、
(A3)、(B1)、(C1)および(D1)におい
て、Ar、Ar11、Ar12、Ar13、Ar21、Ar22
Ar23、Ar31、Ar32、Ar33、Ar41、Ar42、A
51、Ar61およびAr62で表される芳香族複素環基
は、π電子の数が 4n+2(nは自然数)である単環
もしくは縮合環の複素環化合物の任意の位置から水素原
子を一つ取り除いた芳香族複素環基であり、該複素環化
合物としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロー
ル、イミダゾール、ピラゾール、1,2,4−トリアゾ
ール、1,2,3−トリアゾール、オキサゾール、チア
ゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、フラザ
ン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、
1,3,5−トリアジン等が挙げられ、それら複素環は
さらに縮合環を形成していてもよい。
【0046】一般式(N1)、(B1)、(C1)、
(D1)、(F1)および(F2)において、R、
41、R51、R61、R62、R81、R82、R91およびR92
で表される置換基としては、置換可能なものであれば特
に制限はないが、代表的には、アルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複
素環基、アミノ基、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト
基、カルボキシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ホスホンアミド基、カルバモイル基、エステル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ
基、シリル基等が挙げられる。また、該置換基中の互い
に隣接する場所に複数の置換基が置換する場合には、互
いに縮合して炭化水素環または複素環を形成してもよ
く、さらにはスピロ構造を有する部分があってもよい。
一般式(N1)において、
【0047】
【化12】 で表される含窒素複素環基としては、5員または6員の
6π系の芳香族複素環が好ましく、具体的には、2−ピ
リジル基、2−ピリミジル基、6−ピリミジル基、2−
ピラジル基、3−ピリダジル基、2−オキサゾリル基、
2−チアゾリル基、3−イソオキサゾリル基、3−イソ
チアゾリル基、3−フラザニル基、3−ピラゾリル基、
2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、2−ピロロ
基、2−オキサジアゾリル基、2−チアジアゾリル基、
2−(1,2,4−トリアゾリル)基、2−(1,3,
5−トリアジル)基、3−(1,2,4−トリアジル)
基等が挙げられる。さらに該含窒素複素環は、例えば、
41の説明で示したような置換基によって置換されてい
てもよく、さらに縮合環(例えば、2−ピリジル基に炭
化水素環を縮合させた2−キノリル基、3−ピラゾリル
基に複素環を縮合させた6−(1H−ピラゾロ[5,1
c][1,2,4]トリアゾリル)基等)を形成しても
よい。一般式(N1)において、
【0048】
【化13】 で表される芳香族炭化水素環基は、4n+2π系の芳香
族炭化水素化合物から任意の位置の水素原子を1つ取り
除いたものであり、具体的には、フェニル基、1−ナフ
チル基、2−ナフチル基、9−アントラセニル基、1−
アントラセニル基、9−フェナントリル基、2−トリフ
ェニレニル基、3−ペリレニル基等が挙げられる。さら
に該炭化水素環は、例えば、R41の説明で示したような
置換基によって置換されていてもよく、さらに縮合環
(例えば9−フェナントリル基に炭化水素環を縮合させ
た9−ピレニル基、フェニル基に複素環を縮合させた8
−キノリル基等)で置換されてもよい。一般式(N1)
において、
【0049】
【化14】 で表される芳香族複素環基は、含窒素芳香族複素環に結
合する部分の両隣接位が炭素原子であり、かつ、4n+
2π系の芳香族基であれば特に制限はなく、具体的に
は、3−ピリジル基、5−ピリミジル基、4−ピリダジ
ル基、5−ピリダジル基、4−イソオキサゾリル基、4
−イソチアゾリル基、4−ピラゾリル基、3−ピロロ
基、3−フリル基、3−チオフェニル基等が挙げられ
る。さらに該複素環は、例えば、R41の説明で示したよ
うな置換基によって置換されていてもよく、さらに縮合
環を形成してもよい。
【0050】以下に、「内部回転異性性を付与しうる結
合を持つビアリール基」を有する置換基の基本骨格(基
本骨格の任意の位置の水素原子を取り除いたものが置換
基となる。また、これら基本骨格はさらにR41の説明で
示したような置換基によって置換されていればよく、さ
らに複合環を形成してもよい。)の一例を示すが本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
【化18】 一般式(E1)においてMで表される金属元素は、1価
から4価のイオン構造が採れるものであれば特に制限は
ないが、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、
Hg、Pd、Cu、B、Al、Ga、In、Tl、S
i、Geが好ましく、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、
Zn、Cu、B、Al、Ga、Inがさらに好ましく、
Be、Al、Zn、Gaが最も好ましい。
【0055】一般式(E1)において、L71 -で表され
るMとイオン結合を形成し、かつ、Mに配位可能な部分
を有する1価のアニオンとは、酸性状態では酸素原子、
硫黄原子または窒素原子上にプロトンが付加された状態
を採りうるもの、すなわち、解離性基(例えば、−O
H、=NH、−SHからプロトンを1つ取った基)を有
し、かつ、該解離基から2ないし3原子隔てた位置に窒
素原子またはカルコゲン原子(O、S、Se、Te)の
ような金属に配位可能な原子を有するものであり、例え
ば、8−ヒドロキシキノリンの水酸基からプロトンを取
った酸素アニオン、1H−2−(−ピラゾリル)イミダ
ゾールの1位のNHからプロトンを取った窒素アニオン
等が挙げられる。一般式(E1)において、R71 -で表
されるMとイオン結合を形成する1価のアニオンは、p
H8以上の塩基性条件下でアニオンを発生するものであ
れば特に制限はなく、例えば、4−ヒドロキシ−1,1
−ビフェニル、2−メルカプトナフタレン、1h−ピラ
ゾロ[5,1c][1,2,4]トリアゾールからプロ
トンを1つ取り除いたアニオン等が挙げられる。
【0056】
【化19】
【0057】一般式(F1)において、Z1およびZ2
表される1価の発光性化合物残基とは、室温下で発光を
示す化合物の任意の位置から水素原子または置換基を1
つ取り除いたものをいい、一般式(F1)において、Z
3で表されるk価の発光性化合物残基化合物残基とは、
室温下で発光を示す化合物の任意の位置から水素原子ま
たは置換基をk個取り除いたものをいう。上記室温下で
の発光は蛍光発光でも燐光発光でもよい。
【0058】発光性化合物残基となりうる発光性化合物
としては、レーザー色素のように可視領域に吸収を有す
る蛍光色素でも、蛍光増白剤のように紫外領域に吸収を
有する蛍光化合物でも、さらにポルフィリンのプラチナ
錯体やビアセチルのような燐光発光化合物でもよい。具
体的には、例えば、八木國夫、吉田善一、太田利一共著
「蛍光−理論・測定・応用−」(南江堂)の第99ペー
ジ〜122ページに記載されている有機蛍光物質、同書
第251ページ〜270ページに記載されている蛍光増
白剤、さらに同書第274ページ〜287ページに記載
されている蛍光色素がその代表例として挙げられ、特に
好ましくは、トリフェニレンやペリレン等に代表される
縮合環式芳香族炭化水素環化合物、p−ターフェニルや
クォーターフェニル等に代表される線状共役多環式炭化
水素化合物、アクリジン、キノリン、カルバゾール、カ
ルバゾン、フルオレン、キサンチオン、アロキサジン、
アクリドン、フラボン、クマリン、ナフトイミダゾー
ル、ベンゾオキサゾール及びジベンゾフェナジン等に代
表される縮合環式芳香族複素環化合物、チアゾール、オ
キサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール及びト
リアゾール等に代表される芳香族複素環化合物、アミノ
クロロマレイックイミド、メチルアミノシトラコニック
メチルイミド、デカペンタエンカルボン酸及びデカペン
タエンジカルボン酸等に代表される共役系脂肪族化合
物、アクリジンオレンジNO、メチレンブルー、フルオ
ロセイン、エオシン、ローダミン及びベンゾフラビン等
に代表される蛍光色素化合物、オキサカルボシアニン、
カルボシアニン、チアカルボシアニン及び2−(アニリ
ノポリエチニル)−ベンゾチアゾール等の感光色素化合
物、ポルフィリン、クロロフィル及びリボフラビン等に
代表される天然色素化合物、ジアミノスチルベン、ジス
チリルベンゼン、ベンジジン、ジアミノカルバゾール、
トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾー
ル、イミダゾロン、ジヒドロピリジン、クマリン、カル
ボスチリル、ジアミノジベンゾチオフェンオキシド、シ
アミノフルオレン、オキサシアニン、アミノナフタルイ
ミド、ピラゾリン及びオキサジアゾール系の蛍光増白剤
等が挙げられ、さらにこれらは置換基を有していてもよ
く、さらに縮合環を形成していてもよい。以下に本発明
の化合物の具体例を挙げるが、本発明はそれらに限定さ
れるものではない。
【0059】
【化20】
【0060】
【化21】
【0061】
【化22】
【0062】
【化23】
【0063】
【化24】
【0064】
【化25】
【0065】
【化26】
【0066】
【化27】
【0067】
【化28】
【0068】
【化29】
【0069】
【化30】
【0070】
【化31】
【0071】
【化32】
【0072】
【化33】
【0073】
【化34】
【0074】
【化35】
【0075】
【化36】
【0076】
【化37】
【0077】
【化38】
【0078】
【化39】
【0079】
【化40】
【0080】次に、本発明に用いられる無機半導体を詳
細に説明する。無機半導体は光触媒能により、有機物を
分解する能力があり、これを利用して脱臭・抗菌・防汚
・防かび効果が見いだされている。無機半導体は光触媒
能を示せば、何れを用いてもよい。無機半導体として好
ましいものは、TiO2、ZnO、SnO2、SrTiO
3、WO3、Bi23、Fe23、Nb23であり、さら
に好ましくはTiO2である。
【0081】上記光触媒としては、0.5eV〜5e
V、好ましくは1eV〜4eVの禁止帯幅を有する光触
媒作用を有する半導体が好適である。特に無機半導体
は、構造安定性や光触媒能力、更には取扱い上の安全性
等から生活空間で使用するのに最適であり、本発明に係
わる光触媒として有利に用いられる。
【0082】無機半導体は、光触媒能により細菌や黴の
繁殖を押さえることができ、抗菌、防汚、防カビに用い
ることができる。例えば、特開平2−6333号公報に
は酸化チタンの粒子表面に銅、亜鉛等の抗菌性金属を担
持させた抗菌性粉末について開示されており、この粉末
を樹脂、ゴム、ガラス等に配合することによって抗菌性
組成物が得られ、また、公知の方法により、電機機器、
家具調度品、室内装飾材、食品等の包装資材などの抗菌
性処理のほか、環境衛生施設、機器類の抗菌剤として上
記粉末を利用できる。特開平6−65012号公報に
は、銀、銅、亜鉛、白金等の金属を含有した酸化チタン
膜をコンクリート、ガラス、プラスチック、セラミック
ス、金属等の材質からなる基板にコーティングすること
によって、該基板において雑菌及び黴の繁殖を防止でき
る旨が開示されてている。これらは本発明に用いること
ができる。
【0083】本発明の無機半導体には、アパタイト被膜
チタニアを用いてもよい。プラスチックス、ゴム、紙、
塗料などの有機系材料に酸化チタンを配合した場合、酸
化チタンの強い酸化力が、着色や劣化等を引き起こす点
等の問題があるが、アパタイト被膜チタニアを用いるこ
とによりこれらを解消できる。また、特開平11−29
0694号公報に開示されているようにアパタイトが有
害物質等を吸着させることが知られており、有害物質を
吸収し、かつ、光触媒作用で分解促進を同時に満たす光
触媒体を得ることができる。
【0084】本発明において、無機半導体として、有機
・無機傾斜膜を用いてもよい。有機・無機傾斜膜とは、
無機半導体が有機樹脂中で成分濃度傾斜構造を有する膜
をいい、特開平9−328557号公報で開示されてい
るような酸化チタンと熱可塑性樹脂を成分濃度傾斜構造
を持って分散した成形材料、フィルム、繊維等が挙げら
れる。これにより必要な部所に金属酸化物濃度を部分的
に高め、かつ、金属酸化物濃度を高くしてもクラックを
生じさせない、樹脂と無機半導体の複合体の製造が可能
である。
【0085】本発明において無機半導体を、面状発光体
の面の上に直接、設けてもよい。さらに間接的に設けて
もよく、例えば、天井と床や、箱の中の底の部分と天井
の部分や壁同士など、支柱、壁、部品等で接した面、部
位間において空間を挟んで間接的に面発光体と無機半導
体を設置することができる。さらに、光ファイバー等を
介在させて導光させてもよい。
【0086】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0087】UV−1面状発光体(紫外発光有機EL素
子) ガラス上にITOを150nm厚で成膜して形成した陽
極を有するガラス基板(NHテクノグラス社製NA−4
5)にパターニングを行った後、このITO透明電極を
設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波
洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分
間行なった。この透明支持基板を、市販の真空蒸着装置
の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱
ボートに、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3
−メチルフェニル)[1,1’−ビフェニル]−4,
4’−ジアミン(TPD)200mgを入れ、別のモリ
ブデン製抵抗加熱ボートにp−クウオーターフェニル
(PQP)200mgを入れ、さらに別のモリブデン製
抵抗加熱ボートにトリス(8−ヒドロキシキノリナー
ト)アルミニウム(Alq3)を200mg入れ、真空
蒸着装置に取付けた。
【0088】次いで、真空槽を4×10-4Paまで減圧
した後、TPDの入った前記加熱ボートに通電して、2
20℃まで加熱し、蒸着速度0.1nm〜0.3nm/
secで透明支持基板に蒸着し、膜厚60nmの正孔注
入層を設けた。さらに、PQPの入った前記加熱ボート
を通電して220℃まで加熱し、蒸着速度0.1nm〜
0.3nm/secで前記正孔注入層上に蒸着して膜厚
40nmの発光層を設けた。さらに、Alq3 の入った
前記加熱ボートを通電して250℃まで加熱し、蒸着速
度0.1nm/secで前記発光層の上に蒸着して膜厚
20nmの電子注入層を設けた。なお、蒸着時の基板温
度は室温であった。
【0089】次に、真空槽をあけ、電子注入層の上にス
テンレス鋼製の長方形穴あきマスクを設置し、一方、モ
リブデン製抵抗加熱ボートにマグネシウム3gを入れ、
タングステン製の蒸着用バスケットに銀を0.5g入
れ、再び真空槽を2×10-4Paまで減圧した後、マグ
ネシウム入りのボートに通電して蒸着速度1.5nm〜
2.0nm/secでマグネシウムを蒸着し、この際、
同時に銀のバスケットを加熱し、蒸着速度0.1nm/
secで銀を蒸着し、前記マグネシウムと銀との混合物
からなる対向電極を形成し、紫外線発光有機EL素子
UV−1を作製した。この素子のITO電極を陽極、マ
グネシウムと銀からなる対向電極を陰極として直流10
ボルトを印加したところ、発光最大波長380nmの発
光を得た。
【0090】
【化41】
【0091】UV−2面状発光体 紫外発光LED(日亜化学製) 実施例1 脱臭シート1の作成 光触媒である酸化チタン(日本アエロジル製;P25S
6)10重量部を含有する凝集体分散液と、0.5デニ
ール×5mmの熱可塑性樹脂繊維(帝人製;ポリエステ
ル繊維)38重量部、2デニール×5mmの芯鞘構造を
有する熱可塑性樹脂繊維(ユニチカ製;メルティー#4
080)40重量部及び分散剤からなる熱可塑性樹脂繊
維分散液とを撹拌しながら混合し、丸網型抄造機にて脱
臭シートAを抄造、100℃で乾燥し、脱臭シート1を
作成した。UV−1面状発光体の上に脱臭シート1を貼
りつけ、防臭装置1とした。UV−1面状発光体は単三
電池4本で駆動した。その時の消費電力は0.0002
Wであった。
【0092】実施例2 脱臭シート1から30cm離した所にUV−1面状発光
体を設置し、防臭装置2とした。UV−1面状発光体は
単三電池4本で駆動した。その時の消費電力は0.00
02Wであった。
【0093】実施例3 防臭シート1から30cm離した所にUV−2面状発光
体を設置し、防臭装置3とした。UV−2面状発光体は
単三電池4本で駆動した。その時の消費電力は0.04
Wであった
【0094】比較例1 脱臭シート1から30cm離した所に照明用光源として
20W 蛍光灯を設置し、脱臭機能付照明装置4とし
た。蛍光灯は家庭用電源から駆動した。脱臭性試験:1
3の密閉容器中に実施例1〜3および比較例1に記載
の照明器具を各1個ずつ設置し、注射器を用いてタバコ
の主な臭い成分のひとつであるアセトアルデヒドを注入
し、光源を点灯し、30分後の臭気で脱臭性を評価し
た。得られた結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】実施例4 125mlのチタンイソプロポキシドを20mlのイソ
プロピルアルコールに加えた後、750mlの蒸留水に
攪拌しながら滴下し、硝酸銀5gと硝酸亜鉛6水和物1
2g、70%の硝酸6mlを添加した。この溶液を80
℃で8時間加熱して透明なゾル液を調製し、以下に示す
ように、スピンコーティング法により酸化錫電極を設け
たガラス基板(酸化錫ガラス基板)上に酸化チタン膜を
コートした。まず、酸化錫ガラス基板を1分間に300
0回転の速度で回転させながらこのゾル液を滴下し、乾
燥した後、400℃で焼成した。これを20回繰り返し
た後、550℃で焼成して約5μmの酸化チタン膜を酸
化錫ガラス基板上に作った。これを2g/lの塩化白金
酸カリウムのエタノール水溶液に入れ、マグネチックス
ターラーで攪拌しながら、100Wの水銀ランプの光を
4時間照射し、光電着法で酸化チタン膜の表面に白金を
コートした(抗菌抗カビ性セラミックス1)。
【0097】得られた抗菌抗カビ性セラミックス1の抗
菌抗カビ効果を次の方法で調べた。まず、肉エキスブイ
ヨン培地で培養したブドウ球菌または大腸菌の菌液1m
lを試料の上に2か所滴下し、その上にメンブラン・フ
ィルターを乗せ、37℃にて3時間、UV−1面状発光
体から光照射しつつ静置培養を行った。UV−1面状発
光体は単三電池4本で駆動した。その時の消費電力は
0.0002Wであった。その後、燐酸緩衝液を加え、
振とうした後、1ml取り出し、混釈平板培養法により
生残菌数を測定した。その結果、ただの酸化錫ガラスを
用いて行ったブランクテストに比べ、ブドウ球菌の場合
で99.8%の、または大腸菌の場合で99.1%の減
菌率が得られた。
【0098】比較例2 実施例4と同様に抗菌抗カビ性セラミックス1を用い、
肉エキスブイヨン培地で培養したブドウ球菌または大腸
菌の菌液1mlを試料の上に2か所滴下し、その上にメ
ンブラン・フィルターを乗せ、37℃にて3時間、20
W蛍光灯から光照射しつつ静置培養を行った。蛍光灯は
家庭用電源から駆動した。その後、燐酸緩衝液を加え、
振とうした後、1ml取り出し、混釈平板培養法により
生残菌数を測定した。その結果、ただの酸化錫ガラスを
用いて行ったブランクテストに比べ、ブドウ球菌の場合
で80.6%の、または大腸菌の場合で71.2%の減
菌率が得られた。
【0099】実施例5 平均分子量8500、平均粒径1μmの四フッ化エチレ
ン樹脂粉末80wt%とフッ化ビニリデン樹脂14.5
wt%にフッ化オイル(パーフルオロポリエーテル)を
0.5wt%を加えた樹脂成分に、平均粒径50μmの
アナターゼ型酸化チタン粉末をそれぞれ5.0wt%加
えて酢酸ブチルで希釈し、ボールミルを用いて撹拌しフ
ッ素樹脂塗料を作製した。これらのフッ素樹脂塗料をエ
ポキシ樹脂を主材料とするFRP板にスプレー塗装した
(防汚板1)。
【0100】得られた防汚板について、屋外暴露による
表面の防汚評価を行った。サンプルの暴露はビル屋上
(東京都日野市)で北側日の当たらない物陰で行った。
そこに防水加工したUV−1面状発光体にて光照射し、
1ヵ月後の汚れを目視により評価した。UV−1面状発
光体は単三電池4本で駆動した。その時の消費電力は
0.0002Wであった。防汚板1の表面上にほとん
ど、汚れは付いていなかった。
【0101】比較例3 実施例5と同様にして比較の防汚実験を行った。防汚板
1を同様にビル屋上(東京都日野市)で北側日の当たら
ない物陰に置き20W 蛍光灯で光照射した。蛍光灯は
家庭用電源で駆動した。1ヵ月後の汚れを目視により評
価すると縦方向の雨筋や水垢が認められた。
【0102】実施例6 図1に示す5cm角の正方形で厚さ3cmの大きさの脱
臭装置を作成た。図1において、1は基板、2はUV−
1面状発光体、3は脱臭シート1、4は送風ファンであ
る。冷蔵庫の脱臭装置とした電源は単三電池4本で駆動
させた。その時の消費電力は0.0002Wであった。
脱臭装置を使用することにより、冷蔵庫内の脱臭がされ
た。
【0103】実施例7 比重1.055で温度が8℃の石灰乳(水酸化カルシウ
ムの水懸濁液)7000リッターに、炭酸ガス濃度27
重量%の炉ガスを24m3の流速で導通しpH9まで炭
酸化反応を行った。その後40〜50℃で5時間攪拌熟
成を行うことにより粒子間のアルカリを溶出させpH1
0.8として分散させ、電子顕微鏡写真より測定した平
均粒子径0.05μmで粒度分布測定器(株式会社島津
製作所製SA・CP3)により測定した平均粒子径が
0.48μmである炭酸カルシウムの水懸濁液Aを調製
した。
【0104】表2に記載した原料及び混合条件に従い、
邪魔板付きで、直径0.6mのタービン羽根1枚の攪拌
機付きの0.4m3ステンレスタンクに、希釈により濃
度を調整及び温調した上記炭酸カルシウムの水懸濁液A
の水懸濁液を投入し、攪拌下において燐酸の希釈水溶液
を滴下混合し、Ca/Pの原子比1.85、撹拌時間
2.5時間、液温度27℃、pH=6.5〜7、撹拌羽
根周速6m/秒の条件で熟成した。熟成終了後、撹拌し
ながら光触媒酸化チタンを30%添加し、27℃、12
時間、撹拌羽根周速0.5m/秒の条件で光触媒酸化チ
タンを担持せしめた。次いで、常法に従い、脱水、乾燥
を行うことにより粒子表面が花弁状多孔質ヒドロキシア
パタイトで被覆された粒子に酸化チタンを担持した粒子
を調製した。 脱臭シート2の作成 オレフィン系樹脂に上記酸化チタンを担持した粒子を5
重量%配合したフィルムを作成し防臭シート2とした。
【0105】脱臭シート2から30cm離した所にUV
−1面状発光体を設置し防臭装置5とした。UV−1面
状発光体は単三電池4本で駆動した。その時の消費電力
は0.0002Wであった。極めて高く良好な脱臭性を
示した。
【0106】
【表2】
【0107】実施例8 脱臭シート3の作成 ビスフェノール・A型エポキシ樹脂と脂肪族ポリアミン
系のエポキシ硬化剤(エピクロンB・053;大日本イ
ンキ化学工業株式会社製)(重量比=10:3)を均質
になるまで十分に攪拌混合した。混合液をアルミカップ
に流入して、80℃で6時間熱処理を行った後、更に8
0℃で1時間熱処理を行いエポキシ樹脂を部分硬化し
た。
【0108】得られた部分硬化物を、テトラエトキシチ
タン(TET;東京化成株式会社製特級試薬)10g、
アセチルアセトン8.7g、テトラヒドロフラン(TH
F)5gの組成の含浸液に浸漬させた。その時、液の温
度は30℃に保った。混合溶液より取り出して、表面の
溶液を良く拭き取った後、室温(25℃、50%)で約
15時間乾燥後、80℃で24時間、150℃で3時間
熱処理を行いクラックのないエポキシ樹脂と酸化チタン
との複合体を得た。これを脱臭シート3とした。
【0109】脱臭シート3から30cm離れた所にUV
−1面状発光体を設置し防臭装置6とした。UV−1面
状発光体は単三電池4本で駆動した。その時の消費電力
は0.0002Wであった。良好な脱臭性を示した。
【0110】実施例9 UV−3面状発光体(紫外発光有機EL素子) UV−1面状発光体のガラス基板をフレキシブルなフィ
ルムに変えることにより、フレキシブルなUV−3面状
発光体(紫外発光有機EL素子)を作成した。実施例1
と同様に脱臭シート1を貼り付けることにより、フレキ
シブルな脱臭装置を作成することができた。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、脱臭・抗菌・防汚・防
かびが、水銀フリーで、高効率、省電力、省スペースな
装置で実施でき、かつ、フレキシブル化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱臭装置を説明するための図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 BB05 BB08 CC02 HH05 MM02 QQ11 QQ20 4D048 AA02 AA06 AA22 AB01 AB03 BA07X BA07Y BA15Y BA16Y BA18Y BA21Y BA22Y BA27Y BA36Y BA41X BA42Y BA44Y BB03 CA06 CD10 EA01 4G069 AA03 BA04A BA04B BA48A BB04A BB04B BB06A BC22A BC25A BC38A BC50A BC60A BC66A BD07A CA01 CA07 CA10 CA12 CA13 CA17 DA06 EA11 EC22X EC22Y

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機EL素子もしくはLEDの発光光源
    を併せ持つことを特徴とする無機半導体。
  2. 【請求項2】 有機EL素子もしくはLED発光光源の
    発光色が紫色領域ないしは紫外領域にあることを特徴と
    する請求項1に記載の無機半導体。
  3. 【請求項3】 発光光源が面状であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の無機半導体。
  4. 【請求項4】 有機EL素子もしくはLEDの発光光源
    と、該発光により励起される無機半導体とを併せ持つこ
    とを特徴とする装置。
  5. 【請求項5】 有機EL素子もしくはLED発光光源の
    発光色が紫色領域ないしは紫外領域にあることを特徴と
    する請求項4に記載の装置。
  6. 【請求項6】 発光光源が面状であることを特徴とする
    請求項4または5に記載の装置。
  7. 【請求項7】 無機半導体がTiO2、ZnO、Sn
    2、SrTiO3、WO3、Bi23、Fe23、Nb2
    3からなる群から選ばれた1種の金属酸化物を含む無
    機半導体からなることを特徴とする請求項4〜6のいず
    れかに記載の装置。
  8. 【請求項8】 無機半導体にTiO2が含有されること
    を特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の装置。
  9. 【請求項9】 無機半導体がTiO2であることを特徴
    とする請求項4〜6のいずれかに記載の装置。
  10. 【請求項10】 無機半導体にルチル型チタニアが含有
    されることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載
    の装置。
  11. 【請求項11】 無機半導体にアパタイト被膜チタニア
    を含有することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに
    記載の装置。
  12. 【請求項12】 無機半導体が有機・無機傾斜膜である
    ことを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の装
    置。
  13. 【請求項13】 無機半導体を、発光光源表面に直接的
    にもしくは間接的に接するように設けたことを特徴とす
    る請求項6〜12のいずれかに記載の装置。
  14. 【請求項14】 発光色が紫色領域ないしは紫外領域に
    ある有機EL素子と該有機EL素子と発光により励起可
    能なTiO2、ZnO、SnO2、SrTiO 3、WO3
    Bi23、Fe23、Nb23からなる群から選ばれた
    1種の金属酸化物を含む無機半導体とを併せ持つことを
    特徴とする装置。
  15. 【請求項15】 発光色が紫色領域ないしは紫外領域に
    あるLEDと該LEDの発光により励起可能なTi
    2、ZnO、SnO2、SrTiO3、WO3、Bi
    23、Fe23、Nb23からなる群から選ばれた1種
    の金属酸化物を含む無機半導体とを併せ持つことを特徴
    とする装置。
  16. 【請求項16】 発光色が紫色領域ないしは紫外領域に
    ある有機EL素子と該有機EL素子の発光により励起可
    能なTiO2、ZnO、SnO2、SrTiO 3、WO3
    Bi23、Fe23、Nb23からなる群から選ばれた
    1種の金属酸化物を含む無機半導体とを併せ持つことを
    特徴とする装置。
  17. 【請求項17】 発光色が紫色領域ないしは紫外領域に
    ある有機EL素子と該有機EL素子の発光により励起可
    能なTiO2含有無機半導体を併せ持つことを特徴とす
    る装置。
  18. 【請求項18】 発光色が紫色領域ないしは紫外領域に
    あるLEDと該LEDの発光により励起可能なTiO2
    含有無機半導体を併せ持つことを特徴とする装置。
  19. 【請求項19】 発光色が紫色領域ないしは紫外領域に
    ある光を発する有機EL素子と該有機EL素子の発光に
    より励起可能なアパタイト被膜チタニア含有無機半導体
    を併せ持つことを特徴とする装置。
  20. 【請求項20】 発光色が紫色領域ないしは紫外領域に
    あるLEDと該LEDの発光により励起可能なアパタイ
    ト被膜チタニア含有無機半導体を併せ持つことを特徴と
    する装置。
  21. 【請求項21】 発光色が紫色領域ないしは紫外領域に
    ある有機EL素子と該有機EL素子の発光により励起可
    能な有機・無機傾斜膜を併せ持つことを特徴とする装
    置。
  22. 【請求項22】 無機半導体を、発光光源表面に直接的
    にもしくは間接的に接するように設けたことを特徴とす
    る請求項14〜21のいずれかに記載の装置。
  23. 【請求項23】 請求項6〜22のいずれかに記載の装
    置を有することを特徴とする脱臭装置。
  24. 【請求項24】 請求項6〜22のいずれかに記載の装
    置を有することを特徴とする防汚装置。
  25. 【請求項25】 請求項6〜22のいずれかに記載の装
    置を有することを特徴とする抗菌、防かび装置。
JP2000082680A 2000-03-23 2000-03-23 有機el素子もしくはledを併せ持つ無機半導体、脱臭、抗菌、防かび及び防汚装置 Expired - Fee Related JP4051852B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000082680A JP4051852B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 有機el素子もしくはledを併せ持つ無機半導体、脱臭、抗菌、防かび及び防汚装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000082680A JP4051852B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 有機el素子もしくはledを併せ持つ無機半導体、脱臭、抗菌、防かび及び防汚装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001259434A true JP2001259434A (ja) 2001-09-25
JP4051852B2 JP4051852B2 (ja) 2008-02-27

Family

ID=18599451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000082680A Expired - Fee Related JP4051852B2 (ja) 2000-03-23 2000-03-23 有機el素子もしくはledを併せ持つ無機半導体、脱臭、抗菌、防かび及び防汚装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4051852B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004006969A1 (ja) * 2002-07-11 2004-01-22 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 多孔質半導体及びその製造方法
WO2005053363A1 (ja) * 2003-11-27 2005-06-09 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Elファイバー及び光触媒反応容器
JP2019155278A (ja) * 2018-03-13 2019-09-19 株式会社東芝 光触媒分散液、光触媒複合材料および光触媒装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004006969A1 (ja) * 2002-07-11 2004-01-22 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 多孔質半導体及びその製造方法
US7468529B2 (en) 2002-07-11 2008-12-23 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Porous UV-emitting semiconductor on porous substrate as sterilizing filter made by filtering suspended semiconductor particles
WO2005053363A1 (ja) * 2003-11-27 2005-06-09 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Elファイバー及び光触媒反応容器
JP2019155278A (ja) * 2018-03-13 2019-09-19 株式会社東芝 光触媒分散液、光触媒複合材料および光触媒装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4051852B2 (ja) 2008-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI395510B (zh) Blue light emitting organic electroluminescent components
TWI357925B (en) Improved electroluminescent stability
TWI305799B (ja)
JP5120398B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置
JP4435990B2 (ja) 有機金属錯体分子およびこれを用いる有機電子発光素子
JPH02191694A (ja) 薄膜有機el素子
JP2009105460A (ja) エレクトロルミネッセント・デバイス
TW200825152A (en) New heterocyclic bridged biphenyls
CN1821341A (zh) 有机电致发光器件
JP4804661B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5340999B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置
JP2004241374A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
TW200540251A (en) Material for organic electroluminescent element and organic electroluminescent element employing the same
JPH02291696A (ja) 電界発光素子
JP2004356033A (ja) 有機el素子
CN104347808B (zh) 一种高色稳定性白光有机电致发光器件
JP4521182B2 (ja) 有機電界発光素子
WO2007026581A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2005310547A (ja) 有機電界発光素子
JP4051852B2 (ja) 有機el素子もしくはledを併せ持つ無機半導体、脱臭、抗菌、防かび及び防汚装置
JP2001192653A (ja) 新規縮合へテロ環化合物、発光素子材料およびそれを使用した発光素子
JPH09115668A (ja) 発光色変換膜
JP5321710B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置
JP2006278067A (ja) 有機電界発光素子の製造方法、及び有機電界発光素子
JP4686895B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071126

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees