JP2001259343A

JP2001259343A - 酸素濃縮器の吸着塔及びバッファタンク

Info

Publication number: JP2001259343A
Application number: JP2000077978A
Authority: JP
Inventors: Toshitaka Nakane; 敏貴中根; Toshiteru Tamura; 敏輝田村
Original assignee: Marutaka Co Ltd
Current assignee: Marutaka Co Ltd
Priority date: 2000-03-21
Filing date: 2000-03-21
Publication date: 2001-09-25

Abstract

(57)【要約】【課題】圧縮スイング吸着方式により空気から濃縮酸
素を得る酸素濃縮器に於いて、吸着塔とバッファタンク
の構造を改良して製品の小型化を図るとともに、組立作
業性並びにメンテナンス性を向上させる。【解決手段】吸着塔２９，３０は入口２９ａ，３０ａ
と出口２９ｂ，３０ｂが夫々上方に設けられ、且つ、中
間部２９ｃ，３０ｃが折り返された略Ｕ字形に形成され
ている。そして、一方の吸着塔２９と他方の吸着塔３０
の間にバッファタンク３１を配設して、吸着塔２９，３
０とバッファタンク３１を一体構造にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は酸素濃縮器の吸着塔
及びバッファタンクに関するものであり、特に、圧縮ス
イング吸着方式によって空気から濃縮酸素を得るための
酸素濃縮器の吸着塔及びバッファタンクに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来の酸素濃縮器は、吸着剤を充填した
複数の吸着塔を備え、圧縮スイング吸着方式により空気
から窒素と酸素を分離して濃縮酸素を得るようにしたも
のが知られている。此種酸素濃縮器は、コンプレッサに
て圧縮した空気が制御弁を介して何れかの吸着塔へ送気
され、該吸着塔内の吸着剤に圧縮空気中の窒素を吸着さ
せて濃縮酸素を得るとともに、吸着工程が終了した他の
吸着塔内の窒素が該制御弁を介して外部に放出される。
該制御弁の切り換えにより、各吸着塔にて生成される濃
縮酸素を順次取り出してバッファタンクに蓄える。そし
て、バッファタンクから導出される酸素ガスを酸素取り
出し口から外部に供給する。

【０００３】図８は従来の酸素濃縮器に於ける吸着塔と
バッファタンクの構造を示し、筒状に形成した少なくと
も二つの吸着塔１，２の上面に夫々の入口１ａ，２ａが
設けられ、制御弁（図示せず）を介して圧縮空気が二つ
の吸着塔１，２へ交互に送気される。吸着塔１，２内の
吸着剤に窒素を吸着させて得られた濃縮酸素は、吸着塔
の下面に夫々設けられた出口１ｂ，２ｂから逆止弁３，
４を通過してバッファタンク５に蓄えられ、酸素取り出
し口（図示せず）から外部へ供給される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の酸素濃縮器は、
少なくとも二つの吸着塔と、酸素ガスを蓄えるためのバ
ッファタンクとを別個に配置してあり、夫々が配管にて
接続されている。このため、部品点数が多くなり且つ吸
着塔とバッファタンクの占めるスペースが大となってい
る。また、夫々の配管が長くて複雑であるため、組立作
業が煩雑になるとともにメンテナンス性も良好でなかっ
た。

【０００５】そこで、圧縮スイング吸着方式により空気
から濃縮酸素を得る酸素濃縮器に於いて、吸着塔とバッ
ファタンクの構造を改良して製品の小型化を図るととも
に、組立作業性並びにメンテナンス性を向上させるため
に解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明
はこの課題を解決することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、吸着剤を充填した複
数の吸着塔を備え、圧縮スイング吸着方式により空気中
の窒素を吸着剤に吸着させて濃縮酸素を得るとともに、
該濃縮酸素をバッファタンクに蓄えて酸素取り出し口か
ら外部へ酸素ガスを供給する酸素濃縮器に於いて、前記
吸着塔は入口と出口が夫々上方に設けられ且つ中間部が
折り返された略Ｕ字形であり、複数の吸着塔の間にバッ
ファタンクを配設して、吸着塔とバッファタンクを一体
構造にした酸素濃縮器の吸着塔及びバッファタンク、及
び、前記吸着塔の出口とバッファタンクの隔壁に通路を
開穿して逆止弁を設けた酸素濃縮器の吸着塔及びバッフ
ァタンクを提供するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に従って詳述する。図１及び図２は酸素濃縮器１１の
外観を示し、該酸素濃縮器１１の正面には酸素ガスを外
部に供給するための酸素取り出し口１２と酸素ガス供給
流量を表示する表示パネル１３が設けられ、その下部に
ワンタッチカプラ１４を介して加湿瓶１５が着脱可能に
装着されている。一方、該酸素濃縮器１１の背面に空気
の吸気口１６を開穿し、その上部に把手１７を装着する
とともに、背面下部に主電源スイッチ１８を設ける。ま
た、該酸素濃縮器１１の上面前方部位に酸素ガス供給流
量を設定する「＋」ボタンＢ₁及び「−」ボタンＢ₂と
スタートボタンＢ₃とを備えた操作パネル１９が設けら
れている。尚、２０は電源ケーブルであり、２１は移動
用のキャスタである。

【０００８】図３及び図４は該酸素濃縮器１１の内部を
示し、図５は酸素濃縮器１１のブロック図である。吸気
口１６から取り入れた空気をコンプレッサ２５にて圧縮
するが、該コンプレッサ２５の駆動電源周波数（以下、
単に「周波数」という）はインバータ装置２６により制
御され、所定の酸素ガス濃度と供給流量とを維持すべ
く、制御部５０にて前記インバータ装置２６を制御する
ことにより、周波数を上下動させてコンプレッサ２５の
回転数を調整する。

【０００９】また、該コンプレッサ２５にはポンプ冷却
用としてブロア２２が設けられており、該ブロア２２に
て大量の空気を酸素濃縮器１１内に取り入れてポンプを
冷却した後に、この空気を排風口２３から外部へ排出し
ている。そして、前記ブロア２３の吸入口（図示せず）
または酸素濃縮器１１の排風口２３に、空気集塵器やマ
イナスイオン発生器等の空気清浄装置２４を設けてお
き、酸素濃縮器１１が設置されている室内の空気を清浄
化するようにしている。前記コンプレッサ２５からの圧
縮空気は制御弁２８を介して一方の吸着塔２９または他
方の吸着塔３０に送気される。夫々の吸着塔２９，３０
内には天然ゼオライトや合成ゼオライト等の吸着剤３２
を充填し、圧縮スイング吸着方式により圧縮空気中の窒
素を該吸着剤３２に吸着させ、窒素と酸素を分離して濃
縮酸素を得るように形成してある。

【００１０】図６（ａ）に示すように、双方の吸着塔２
９，３０は合成樹脂にて筒状に形成され、入口２９ａ，
３０ａと出口２９ｂ，３０ｂが夫々上方に設けられ且つ
中間部２９ｃ，３０ｃが折り返された略Ｕ字形であり、
前記入口２９ａ，３０ａと出口２９ｂ，３０ｂとの間は
夫々隔壁２９ｄ，３０ｄにて仕切られている。また、双
方の吸着塔２９，３０は樹脂成型加工の金型を小型にす
るため上下二分割に形成されている。そして、二分割さ
れた上下を一体に固着してＵ字形の通路を形成し、一方
の吸着塔２９と他方の吸着塔３０との間にバッファタン
ク３１を配設して、吸着塔２９，３０とバッファタンク
３１を一体構造にする。また、吸着塔２９，３０の出口
２９ｂ，３０ｂとバッファタンク３１の隔壁Ｗａ，Ｗｂ
に通路を開穿して逆止弁６５，６６を設けてあり、バッ
ファタンク３１に蓄えられた濃縮酸素が吸着塔２９，３
０へ逆流しないように形成してある。

【００１１】組立時には、前記吸着塔２９，３０内に前
述した天然ゼオライト等の吸着剤３２を充填した後、図
６（ｂ）に示すように、平面視正方形の一体構造にした
前記吸着塔２９，３０とバッファタンク３１の上面に上
ぶた６７を蓋装し、吸着塔の入口側２９ａ，３０ａにパ
イプ６８ａ，６８ａを配管して前記制御弁２８に接続す
るとともに、バッファタンク３１の出口３１ｂにパイプ
６８ｂを配管して後述の流量調整装置４０に接続する。

【００１２】図７は他の実施の形態を示し、同図（ａ）
に示すように、平面視長方形の筒状に形成した吸着塔２
９，３０は、隔壁２９ｄ，３０ｄにて入口２９ａ，３０
ａと出口２９ｂ，３０ｂが仕切られており、且つ、該隔
壁２９ｄ，３０ｄの下端部は吸着塔２９，３０の全長よ
りも短く形成されている。一方、バッファタンク３１は
略正方形に形成され、前記吸着塔の下面２９ｅ，３０ｅ
及びバッファタンクの下面３１ｅは開放されているの
で、上下に分割にしなくても樹脂成型が容易である。そ
して、一方の吸着塔２９の出口２９ｂ側と他方の吸着塔
３０の出口３０ｂ側との間にバッファタンク３１を配設
して、吸着塔２９，３０とバッファタンク３１を一体構
造にする。前述と同様に、吸着塔の出口２９ｂ，３０ｂ
とバッファタンク３１の隔壁Ｗａ，Ｗｂに通路を開穿し
て逆止弁６５，６６を設ける。

【００１３】組立時には、開放されている前記吸着塔の
下面２９ｅ，３０ｅ及びバッファタンクの下面３１ｅ
に、長方形の下ぶた６９を固着して下面２９ｅ，３０ｅ
及び３１ｅを密閉し、吸着塔２９，３０内にＵ字形の通
路を形成する。そして、吸着塔２９，３０内に前記吸着
剤３２を充填した後、図７（ｂ）に示すように、平面視
長方形の一体構造にした前記吸着塔２９，３０とバッフ
ァタンク３１の上面に上ぶた７０を蓋装し、吸着塔の入
口側２９ａ，３０ａにパイプ６８ａ，６８ａを配管して
前記制御弁２８に接続するとともに、バッファタンク３
１の出口３１ｂにパイプ６８ｂを配管して後述の流量調
整装置４０に接続する。

【００１４】図６及び図７に示したように、吸着塔２
９，３０内の通路をＵ字形に形成したことにより、該吸
着塔２９，３０の全長を長くすることなく、吸着作業に
必要な内部容積を確保することができる。また、双方の
吸着塔２９，３０の間にバッファタンク３１を配設し
て、吸着塔２９，３０とバッファタンク３１を一体構造
にしたので、部品点数が減少して吸着塔２９，３０とバ
ッファタンク３１の占めるスペースがコンパクトにな
る。また、夫々のパイプ６８ａ，６８ｂの配管が短くな
るとともに、吸着塔２９，３０の出口２９ｂ，３０ｂと
バッファタンク３１の隔壁Ｗａ，Ｗｂに通路を開穿して
逆止弁６５，６６を設けたので、配管が簡単になって組
立作業を短縮することができる。

【００１５】而して、図３乃至図５に示すように、コン
プレッサ２５からの圧縮空気が何れか一方の吸着塔（例
えば吸着塔２９）に送気され、窒素の吸着作業が進んで
いくと吸着塔２９内の圧力が上昇する。吸着塔２９に送
気される空気が所定圧まで上昇すると、圧力センサ３３
の検出信号により前記制御部５０では一方の吸着塔２９
での吸着工程が終了したものと判断する。然るときは、
前記制御弁２８を切り換えてコンプレッサ２５からの圧
縮空気を他方の吸着塔３０へ送気し、他方の吸着塔３０
内の吸着剤３２で窒素を吸着して濃縮酸素を得ると同時
に、吸着工程が終了した一方の吸着塔２９を開放して窒
素を大気に排出する。

【００１６】このように、前記制御弁２８の切り換えに
より、一方の吸着塔２９にて窒素の吸着を行うとととも
に、他方の吸着塔３０を開放して窒素を外部に排出する
操作を順次交互に繰り返すことにより、複数の吸着塔２
９，３０を交互に使用して連続的に濃縮酸素を得ること
ができる。尚、前記吸着塔２９，３０に送気される圧縮
空気中の水分が高いと窒素の吸着効率が低下するため、
前記制御弁２８と吸着塔２９，３０との間にアルミナ塔
３４を設けて、吸着塔２９，３０に送気される圧縮空気
中の水分を除去する。除去された水分はドレン３５に貯
留しておく。また、図示は省略するが、吸着塔２９，３
０とバッファタンク３１との間には逆止弁を設けてあ
り、バッファタンク３１に蓄えられた濃縮酸素が吸着塔
２９，３０へ逆流しないように形成してある。

【００１７】前記バッファタンク３１に蓄えられた濃縮
酸素は酸素取り出し口１２に導出されるが、その途中に
濃度センサ３６を設けて酸素ガスが所定濃度（９０％）
であるか否かを検出するとともに、流量調整装置４０に
よって酸素ガスの供給流量を調整する。該流量調整装置
４０は圧力レギュレータ４１と、自動流量制御弁４２
と、圧力センサ４３等から構成される。そして、患者の
状態に応じて前記操作パネル１９を操作すれば、酸素ガ
ス供給流量を所定範囲内で任意に変更することができ
る。

【００１８】本実施の形態では、当該酸素濃縮器１１は
酸素ガス濃度９０％で最大供給流量が５Ｌ/minの性能を
具備しており、「＋」ボタンＢ₁または「−」ボタンＢ
₂を操作することにより、「0」「0.25」「0.5」「0.75」
「1.0」「1.5」「2.0」「2.5」「3.0」「3.5」「4.0」「4.5」
「5.0」(Ｌ/min)の１３段階の供給流量を設定することが
できる。該操作パネルにて設定された酸素ガス供給流量
は、表示パネル１３にデジタル表示される。

【００１９】而して、この設定に基づいて、コントロー
ラ５０がインバータ装置２６を制御することにより、最
適な酸素ガス濃度と供給流量を維持すべくコンプレッサ
２５の回転数を自動調整するとともに、前記流量調整装
置４０を自動制御する。また、酸素取り出し口１２の直
前位置に加湿瓶１５が着脱自在に設けられており、該加
湿瓶１５内に精製水を充填しておく。水分が除去されて
乾燥した酸素ガスは、加湿瓶１５内の精製水を通過する
ことにより適度の湿気が含まれる。従って、所定濃度及
び適度な湿気の酸素ガスが、設定した供給流量で酸素取
り出し口１２から外部へ安定的に供給される。尚、本発
明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為す
ことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶ
ことは当然である。

【００２０】

【発明の効果】本発明は上記一実施の形態に詳述したよ
うに、吸着剤を充填した複数の吸着塔を備え、圧縮スイ
ング吸着方式によって各吸着塔から濃縮酸素を得るよう
にした酸素濃縮器に於いて、複数の吸着塔の間にバッフ
ァタンクを配設して、吸着塔とバッファタンクを一体構
造にしたので、吸着塔とバッファタンクの占めるスペー
スがコンパクトになり、配管も簡素化される。斯くし
て、酸素濃縮器の小型化を図ることが可能になるととも
に、組立作業が簡素化しメンテナンス性も向上できる
等、正に諸種の効果を奏する発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の酸素濃縮器の外観を示し、（ａ）は正
面図、（ｂ）は背面図。

【図２】本発明の酸素濃縮器の外観を示し、（ａ）は平
面図、（ｂ）は左側面図。

【図３】本発明の酸素濃縮器の内部を示し、（ａ）は正
面図、（ｂ）は背面図。

【図４】本発明の酸素濃縮器の内部を示す左側面図。

【図５】本発明の酸素濃縮器のブロック図

【図６】（ａ）本発明の吸着塔とバッファタンクの構造
の一例を示す斜視図。（ｂ）組み立てられた吸着塔とバッファタンクの斜視
図。

【図７】（ａ）本発明の吸着塔とバッファタンクの構造
の他の一例を示す斜視図。（ｂ）組み立てられた吸着塔とバッファタンクの斜視
図。

【図８】従来の吸着塔とバッファタンクの構造を示す斜
視図。

【符号の説明】

１１酸素濃縮器１２酸素取り出し口２９，３０吸着塔２９ａ，３０ａ入口２９ｂ，３０ｂ出口２９ｃ，３０ｃ中間部３１バッファタンク３２吸着剤

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】吸着剤を充填した複数の吸着塔を備え、
圧縮スイング吸着方式により空気中の窒素を吸着剤に吸
着させて濃縮酸素を得るとともに、該濃縮酸素をバッフ
ァタンクに蓄えて酸素取り出し口から外部へ酸素ガスを
供給する酸素濃縮器に於いて、前記吸着塔は入口と出口
が夫々上方に設けられ且つ中間部が折り返された略Ｕ字
形であり、複数の吸着塔の間にバッファタンクを配設し
て、吸着塔とバッファタンクを一体構造にしたことを特
徴とする酸素濃縮器の吸着塔及びバッファタンク。
【請求項２】前記吸着塔の出口とバッファタンクの隔
壁に通路を開穿して逆止弁を設けた請求項１記載の酸素
濃縮器の吸着塔及びバッファタンク。