JP2001258097A - 超音波トランスデューサおよびその製造方法 - Google Patents

超音波トランスデューサおよびその製造方法

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JP2001258097A
JP2001258097A JP2000065261A JP2000065261A JP2001258097A JP 2001258097 A JP2001258097 A JP 2001258097A JP 2000065261 A JP2000065261 A JP 2000065261A JP 2000065261 A JP2000065261 A JP 2000065261A JP 2001258097 A JP2001258097 A JP 2001258097A
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Yukio Sato
佐藤幸夫
Masato Saito
斉藤正人
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Coorstek KK
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波トランスデューサにおいてケースと圧
電セラミック素子との間の接着剤層を最適化して超音波
の伝搬効率、及び寿命を改善する。 【解決手段】 ケース底部に、ケース内壁に接すること
なく先端が非平面形状である3以上の突起部を設け、こ
の突起部に囲まれた内部に音響インピーダンス特性を最
適化した接着剤を塗布し、圧電セラミック素子を突起部
でケース底部から所定の距離で離間するように接着剤で
固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、超音波診断装置
などに使用される超音波トランスデューサの改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超音波トランスデューサは、医療用の診
断装置や非破壊検査用金属探傷装置の超音波発受信源等
として広く用いられている。超音波を用いた診断は、被
診断個所に圧電セラミック素子を内蔵した超音波トラン
スデューサ(超音波プローブ、超音波振動子等とも呼ば
れる)を接触させて、超音波の発受信を行ない、被診断
箇所の音響的状況から診断を行うものである。
【0003】このような従来の超音波トランスデューサ
の典型的な例を、図3に示す。図は従来の超音波トラン
スデューサの断面図であり、図中30は、トランスデュ
ーサのケースである。ケース内には、両表面に電極膜3
2、33を備えた圧電セラミック素子31が配置されて
おり、該圧電セラミック素子の被診断箇所側表面には素
子から発信される超音波が効率よく被診断箇所に伝達で
きるように音響インピーダンスを調整するための音響マ
ッチング層34があり、該音響マッチング層34には接
着剤35を用いて圧電セラミック素子31が接着されて
いる。また、この音響マッチング層34の反対側面には
不要な超音波振動を吸収するためのバッキング層36が
配置されている。このような構造の超音波トランスデュ
ーサの圧電セラミック素子31にリード線37を介して
電圧パルスを印加すると、圧電セラミック素子固有の周
波数の超音波が発信され、音響マッチング層を経由して
被診断箇所に放射されることになる。被診断箇所から反
射される反射波は、音響マッチング層を経由して圧電セ
ラミック素子に到達し、素子の圧電変換機能により超音
波信号は電気信号に変換され、その信号データをもと
に、被診断箇所の音響的特性から診断が行われる。
【0004】かかる圧電セラミック素子から音響マッチ
ング層へ超音波振動が伝わる際、その音響マッチング層
の厚みは、超音波振動子の共振周波数(f)と音響マッ
チング層の音速(v)から求められる波長(λ)の1/
4の寸法にした時が、最も効率よく圧電セラミック素子
から音響マッチング層を経由して被診断個所へと超音波
が伝播されることが知られている。
【0005】このような、超音波トランスデューサにお
いては、超音波が通過する経路の音響的な状況が超音波
トランスデューサの特性に影響する。特に、超音波振動
子とケースとの接着固定は、経路の音響的特性に大きく
影響を与えることとなる。そのため、設計上その音響特
性をコントロールしにくい接着剤層等の圧電セラミック
素子とケースとの間の介在層はない方が理想的である
が、実際にはケースと圧電セラミック素子との機械的強
度向上などの要求から接着剤を用いる場合が多く、超音
波の伝播効率を低下させる要因の一つとなっていた。以
上のような状況の中で、圧電セラミック素子のケースへ
の固定について、従来様々な工夫がなされている。
【0006】例えば、図4の従来の超音波トランスデュ
ーサでは、圧電セラミック素子41の端部側面を接着剤
44を用いてリング状内ケース46に固定し、さらにリ
ング状内ケース46をエポキシ系接着剤47を用いてケ
ース40に固定している(特開昭3−295545号公
報参照)。かかる構造の超音波トランスデューサでは、
圧電セラミック素子41は、音響マッチング層45a、
45bとの間は接着されていない。そのため、設計通り
の音響特性を有する超音波トランスデューサが得られる
一方で、長期間の使用により機械的劣化が発生しやすく
寿命が短いという特徴がある。
【0007】さらに、図5の従来の超音波トランスデュ
ーサでは、有底円筒状体のケース51中に圧電セラミッ
ク素子52を収容し、スペーサとして作用する突起部も
しくはリング55を配置し接着剤56を用いてケース底
部に圧電セラミック素子52を固定することが記載され
ている(特開平6−78398号公報参照)。この技術
では、接着剤としてエポキシ樹脂を用いており、材料の
選定に当たっては音響インピーダンスのバランスを考慮
して選定することは開示されているが、具体的な材料選
択技術を開示してはいない。また、接着剤を用いて圧電
セラミック素子を固定する際の作業性についても考慮さ
れていない。そのため、最適な音響特性を発揮する超音
波トランスデューサとは言えないものである。
【0008】このように、圧電セラミック素子とケース
との接着に関しては従来各種改良が行われているが、接
着という機能を重点にして、接着剥がれなどの信頼性の
面で種々材質の検討はされていたが、超音波の伝播とい
う面では接着剤の層が薄いこともあり、ほとんど検討さ
れていなかった。また、圧電セラミック素子とケースと
の音響インピーダンス(密度と音速の積)の整合をとる
ための材質選定も、接着という機能を優先しているた
め、検討が不十分なのが現状である。
【0009】すなわち、微弱な超音波の受発信を行なう
非破壊診断(医療用、工業用)用では、マッチング層の
厚みおよびその音響インピーダンスは製品としての性能
に大きく影響するため、接着層厚みの管理、材質の最適
化は非常に重要な要素となっているが、圧電セラミック
素子と金属製のケースなどを接着する超音波トランスデ
ューサでは、接着の機能を優先させるため接着剤層の厚
み、音響的な特性はほとんど考慮されていなかった。ま
た、治療等を目的とした比較的出力パワーの大きい超音
波トランスデューサでは、圧電セラミック素子から熱が
発生するため、熱劣化を防ぐため接着層はできるだけ薄
くするというのが一般的であった。従って、従来の接着
剤を使用して超音波セラミック素子をケースに固定する
型の超音波トランスデューサにおいては接着剤が音響工
学的に最適化されていないため、超音波の伝搬損失が大
きく、最近の高効率化に対する要求を満足していなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したよう
な超音波トランスデューサにおける問題点に鑑み、圧電
セラミック素子とケースとの接着に用いる接着剤につい
て、音響インピーダンスの面から検討を行い、その接着
構造及び組成を改良することにより、超音波の伝搬効
率、及び寿命を大幅に改善しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の上
記問題点を解決すべくなされたもので、有底筒状体から
なり底部から少なくとも3個の突起部が形成されている
導電性を有するケース内に、該突起部に支持されてケー
ス底部より離間してケース内径より小径の超音波セラミ
ック素子が配置され、ケース底部と超音波セラミック素
子との間の間隙が接着剤で充填接着されていることを特
徴とする超音波トランスデューサである。
【0012】また、本発明の好ましい態様は、上記ケー
スと上記超音波セラミック素子との直径の比を1:0.
9〜1:0.6とすることであり、また、上記突起部の
先端が非平面形状とすることであり、さらに、接着剤
が、エポキシ樹脂にセラミック粒子もしくは金属粒子を
配合したものであることであり、また該接着剤が導電性
を有するものであることである。
【0013】第2の本発明は、有底筒状体からなり底部
から少なくとも3個の突起部が形成されている導電性を
有するケース内の該突起部で囲まれている内側に接着剤
を塗布し、次いで、超音波セラミック素子を該突起部上
に配置して接着を行うことを特徴とする超音波トランス
デューサの製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を図を用いて説明す
る。図1が、本発明の超音波トランスデューサの概略断
面図であり、また図2が本発明のトランスデューサであ
ってケース底部突起部に圧電セラミック素子を載置した
状態でケース開口部から内部を見た概略図である。図中
1が、有底円筒状体からなるケースである。このケース
は、超音波トランスデューサの一方の電極を兼ねている
ため導電性を有しており、アルミニウムもしくはその合
金であることが好ましい。
【0015】該ケース内部底部には圧電セラミック素子
3を底部から離間して支持するための突起部2が設けら
れている。この突起部2は、ケース本体と一体的に成型
されていてもよいが、別体として成型し、ケース本体に
接合してもよい。突起部材料としてはケース本体と同じ
材料で形成することが望ましい。該突起部のケース底面
からの高さは、圧電セラミック素子の音響インピーダン
ス整合層の厚さを決定することとなるため厳密に制御す
る必要がある。また、突起部の先端部は非平面形状であ
ることが必要であり、長さ方向の断面が円形もしくは尖
形とする。先端部が平面であると、ケース底部と圧電セ
ラミック素子間に充填する接着剤が突起部先端部と圧電
セラミック素子との間に残留し、ケース底部と圧電セラ
ミック素子間の距離のばらつきを防止することが困難に
なるからである。
【0016】該突起部2は、ケース1の内側壁1aから
離間して配置される。これは、突起部で囲まれるケース
底部の領域に接着剤7を充填し圧電セラミック素子3を
接着するが、その際に過剰に充填された接着剤を逃がす
ための空間を確保するためであり、もし、かかる突起部
2がケース内壁面1aに接しケース内径と圧電セラミッ
ク素子の直径が近接していた場合、余剰の接着剤が障害
となりケース底部と圧電セラミック素子との距離を所定
の寸法範囲に収めることができず、あるいは所定の寸法
範囲に収めるために過剰な力を要するため、圧電セラミ
ック素子破損の原因ともなる。該突起部の数は、3以上
であれば使用可能であるが、製作の容易性から3もしく
は4が好ましい。この突起部がないと、接着剤層を介し
て圧電セラミック素子を接着固定してもケース底部と圧
電セラミック素子とを平行に固定することが困難であ
り、超音波の音場に歪みが生じてしまい期待する精度の
信号が得られない結果となる。
【0017】次に接着剤7は、上記ケースと圧電セラミ
ック素子とを接着固定すると共に、ケース底部1bと協
働して音響インピーダンス整合層として圧電セラミック
素子から発信される超音波を効率よく外部に放射できる
ようにする機能を有している。接着剤の材料としては、
エポキシ樹脂が一般的に用いられるがこれに限定される
ことなく、ケース及び圧電セラミック素子と接着する機
能を有していれば使用可能である。また、接着剤には、
音響インピーダンスを所定範囲に制御するため、及び熱
伝導性及び導電性を付与するために、フィラーが配合さ
れる。かかるフィラーとしては、タングステン等の金属
粒子あるいはセラミック粒子が用いられる。
【0018】この接着剤層の最適音響インピーダンスは
次のようにして決定される。 Ia=(Id x Ic)1/2 ここで、Iaは、接着剤層の最適音響インピーダンスで
あり、Idは圧電セラミック素子の音響インピーダン
ス、そしてIcはケースの音響インピーダンスである。
また、接着剤層の厚さtは、次のようにして決定され
る。 λ=v/f t=λ/4 ここで、vは接着剤中における音速(m/s)、fは周
波数を表す。
【0019】上記、圧電セラミック素子3は、圧電性を
有するセラミック材料円盤状体4の両表面に電極層5、
6を形成したものである。この電極に高周波電圧を印加
することにより圧電セラミック材料が振動し超音波を発
生する。かかる際、発生する超音波の周波数は、形状依
存性があり、それぞれの素子に固有の周波数で振動する
ことになる。圧電性を有するセラミック材料としては、
PZT等、従来周知の材料を用いることができる。
【0020】電極層5、6としては、銀ペーストを塗布
する方法、アルミニウム等の金属を蒸着する方法、メッ
キ方法、金属薄膜を接着する方法等の方法によって形成
することができるが、作業性等の点で銀ペーストを塗布
する方法が望ましい。圧電セラミック素子3の超音波発
射側表面からの電極取り出しは、導電性を有するケース
突起部を経由して行うことができるが、接着剤中に導電
性粒子を配合した導電性接着剤を使用した方が信頼性が
向上するため望ましい。また、圧電セラミック素子のバ
ッキング層側電極6からの電極取り出しは、電極表面に
リード線9を半田付け等の手段で取り付けることによっ
て行われる。
【0021】上記円盤状圧電セラミック素子3の直径
は、ケース内側壁内径に対して0.9/1〜0.6/1
の範囲とすることが望ましい。圧電セラミック素子の直
径が上記範囲を上回ると、接着剤7を用いて接着した場
合、充填する接着剤の量を高精度に管理する必要があ
り、作業性が低下するばかりでなく、圧電セラミック素
子を接着する際に過剰の力で接着する必要が生じる場合
があり、素子破損の原因ともなる。また、圧電セラミッ
ク素子の直径が上記範囲を下回ると、所定の特性を有す
る超音波トランスデューサを得るために過大なケース1
を必要とし、スペース効率が低下する。
【0022】また、上記圧電セラミック素子3の超音波
発射側表面の裏面には、バッキング層8を形成すること
が望ましい。これは、圧電セラミック素子3の裏面から
発生する超音波が、表面から発射される超音波と干渉し
て超音波の強度、波形、発射方向に悪影響を及ぼすこと
を避けるためである。かかるバッキング材料としては、
フィラーの充填された軟質エポキシ樹脂が通常用いられ
ている。
【0023】次に本発明の製造方法について説明する。
まず、アルミニウムもしくはその合金のような金属から
有底円筒状体のケース1を深絞り加工等公知の方法で製
作し、そのケース内部底部1bに非平面先端部を有する
突起部2を溶接等の方法で形成する。あるいは、ケース
底部の厚みを上記突起部の高さ分を加味して厚くしたケ
ースを製作し、次いでケース内部底部を削りだして突起
部を形成することもできる。このようにして突起部2を
有するケース1を製作する。
【0024】次いで、ケース底部の突起部の内側領域す
なわち、図2の圧電セラミック素子3に相当する領域
に、フィラーを配合し音響インピーダンスを制御した接
着剤を塗布する。この接着剤塗布工程においては、塗布
接着剤量について、格別厳密に管理する必要はないが、
圧電セラミック素子と接着剤との間に空隙が生じないよ
うに、接着剤表面は突起部よりわずかに盛り上がる程度
に塗布することが望ましい。
【0025】次いで、圧電セラミック材料からなる円盤
状体4の両表面に銀ペースト塗布等の方法により表面電
極層5、6を形成し、超音波放射面裏面の電極層6にリ
ード線9を接続した圧電セラミック素子を接着剤表面に
載置し、接着を行う。この際、接着剤として導電性を有
していない接着剤を使用する場合は上記突起部との導通
を確保するため電極5と突起部2の接触する部分に導電
ペーストを塗布するなどの方法を採用することが望まし
い。接着剤が完全に固化した段階で、ケース内面に、リ
ード線9を接続し、必要に応じてバッキング層8を形成
するためにケース内部に軟質エポキシ樹脂などのバッキ
ング材料を注入する。以上の工程により本発明の超音波
トランスデューサを製造することができる。
【0026】以上に記載した本発明の特徴をまとめると
次の通りとなる。 1)接着剤層の最適厚さを確保するため、ケースの接着
面に厚み設定用の突起部を設ける。これにより、接着剤
層の厚みの管理が容易となり、音響的に適切な接着剤層
が形成できるようになる 2)ケースと圧電セラミック素子の音響インピーダンス
から求められる最適な音響インピーダンスを有する接着
剤を使用する。 3)接着剤にセラミックあるいは金属粉末からなるフィ
ラーを配合することにより、音響インピーダンスを調整
することができ、また接着剤層の熱伝導を向上させ、熱
の蓄積に伴う接着剤層の劣化を防ぐことができる。かか
る際、配合する粉末は、音響インピーダンスの調整が可
能であれば、より熱伝導率の高い粉末が望ましい。 4)接着剤に配合するフィラーとして導電性のある粉末
を用いることにより、圧電セラミック素子の超音波放射
側表面からの電極取り出しを信頼性あるものとすること
ができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例について説
明する。下記特性を有するケース及び圧電セラミック素
子を用意した。 圧電セラミック素子: 音響インピーダンス:30.3[Mlayls] アルミ製ケース: 比 重: 2.71 音 速: 7300[m/s] 音響インピーダンス:19.8[Mlayls] 上記の材料を用いた場合の接着剤の最適音響インピーダ
ンスは、以下のようにして決定することができる。 接着剤の最適音響インピーダンス =(圧電セラミック素子の音響インピーダンス x ケースの音響インピーダ ンス)1/2 =(30.3 x 19.8) 1/2 =25.0[Mlayls]
【0028】そこで、エポキシ樹脂とタングステン粉末
を混合し、上記の音響インピーダンスを有する接着剤を
作製した。このときの接着剤の硬化後の特性は以下のよ
うになった。 比 重: 3.57 音 速: 7000[m/s] 3MHzの共振周波数を有する圧電セラミック素子を使
用して、接着剤層の最適厚みを、作製した接着剤の音速
(v)と使用する圧電セラミック素子の共振周波数から
以下の式で求めた。 波長(λ)= 音速(v)/周波数(f) = 7000[m/s]/3E10[1/s] = 2.33E―3[m]= 2.33[mm] 接着剤層の最適厚み = λ/4 = 2.33[mm]/4 = 0.58[mm] 以上のようにして求めた接着剤層の最適厚みをケース突
起部の高さとした。また、バッキング層としては、フィ
ラーを充填した軟質エポキシ樹脂を用いた。
【0029】以上に記載した各設定条件を基に、図1に
示す本発明の超音波トランスデューサを作成した(実施
例)。また、上記実施例におけるケース内部の突起部を
設けなかったこと以外は、上記と同じ条件で超音波トラ
ンスデューサを製作した(比較例1)。次に、エポキシ
樹脂接着剤として特に音響インピーダンスを制御するこ
となく従来うより用いられている音響インピーダンスが
3.5Mlaylsのエポキシ樹脂を採用したこと以外
は上記実施例と同様にして図1のケースを用いて超音波
トランスデューサを製作した(比較例2)。さらに、図
3のケースを用い、エポキシ樹脂接着剤として特に音響
インピーダンスを制御することなく従来より用いられて
いる音響インピーダンスが3.5Mlaylsのエポキ
シ樹脂を用いて超音波トランスデューサを製作した(比
較例3)。
【0030】こうして得た実施例及び比較例1、2、及
び3について、500Vp−pのパルスを印加し、水中
に向けて超音波を発信した時のハイドロホンで感知した
音圧を相対比較した(試験1)。その結果を表1に示
す。また、同様にして500Vp−pのパルスを100
ms間隔で連続(1000h)印加した後、試験1と同
様の方法で測定した音圧の相対比較を行った(試験
2)。試験2では音圧の相対比較で試験1の比較例3の
数値を1として比較した。その結果を表1に併せて示
す。
【0031】
【表1】
【0032】これらの結果から、次のことが判明した。 ・本発明を採用することにより約40%の出力アップが
得られる。 ・接着剤層が厚くなったことによる熱的な劣化は、セラ
ミックあるいは金属粉末をエポキシ中に混入することに
より、熱発散が容易となり、従来と同レベルの劣化で抑
えられる。また接着材層の劣化に関しても、セラミック
あるいは金属粉末を混入することにより接着剤自体の剛
性が高くなり振動に対する寿命が向上した。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、超
音波発射側端部の音響インピーダンスが容易に最適化さ
れるため、出力が大幅に向上するばかりでなく、熱放散
の改善及び接着剤層の剛性向上により寿命が大幅に改善
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波トランスデューサの概略断面図
である。
【図2】本発明の製造過程の超音波トランスデューサを
上面から見た概略図である。
【図3】従来の典型的な超音波トランスデューサの断面
図である。
【図4】従来のトランスデューサの一例を示す図であ
る。
【図5】従来のトランスデューサの他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1・・・ケース、2・・・突起部、3・・・圧電セラミ
ック素子 30・・・ケース、31・・・圧電セラミック素子、3
5・・・接着剤 40・・・ケース、41・・・圧電セラミック素子、4
6・・・リング状内ケース、44・・・接着剤、47・
・・接着剤 51・・・ケース、52・・・圧電セラミック素子、5
5・・・突起部、56・・・接着剤

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有底筒状体からなり底部から少なくとも3
    個の突起部が形成されている導電性を有するケース内
    に、該突起部に支持されてケース底部より離間してケー
    ス内径より小径の圧電セラミック素子が配置され、ケー
    ス底部と超音波セラミック素子との間の間隙が接着剤で
    充填接着されていることを特徴とする超音波トランスデ
    ューサ。
  2. 【請求項2】上記ケースの内径と上記圧電セラミック素
    子との直径の比が1:0.9〜1:0.6であることを
    特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
  3. 【請求項3】上記突起部の先端が非平面形状となってい
    ることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のある超
    音波トランスデューサ。
  4. 【請求項4】上記接着剤が、エポキシ樹脂にセラミック
    粒子もしくは金属粒子を配合したものであることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の超音波トラ
    ンスデューサ。
  5. 【請求項5】上記接着剤が、導電性接着剤であることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の超音波
    トランスデューサ。
  6. 【請求項6】有底筒状体からなり底部から少なくとも3
    個の突起部が形成されている導電性を有するケース内の
    該突起部で囲まれている内側に接着剤を塗布し、次い
    で、超音波セラミック素子を該突起部上に配置して接着
    を行うことを特徴とする超音波トランスデューサの製造
    方法。
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