JP2001257397A - 位相制御多電極型交流放電励起レーザ装置 - Google Patents
位相制御多電極型交流放電励起レーザ装置Info
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- JP2001257397A JP2001257397A JP2000069527A JP2000069527A JP2001257397A JP 2001257397 A JP2001257397 A JP 2001257397A JP 2000069527 A JP2000069527 A JP 2000069527A JP 2000069527 A JP2000069527 A JP 2000069527A JP 2001257397 A JP2001257397 A JP 2001257397A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】構造が簡単で冷却効率に優れ、高出力・高効率
の気体レーザ装置を提供する。 【解決手段】筒状の放電室1を放電管2の軸方向の外周
に沿って一体に取り付け、放電管2の両側に部分反射鏡
3と全反射鏡4を設置し、放電管2に送風機5と熱交換
器6を連通する。放電室1は、内壁に設けた電極取付面
11にn片のシート状の分割電極12を僅かな間隙aを
空けて軸方向に沿って配列し、シート状の絶縁体13を
介して密着固定する。放電室1の外周は二重壁cを形成
し、冷却水dを二重壁cの間に流して壁面に密着する分
割電極12を冷却する。二重壁cの外側は、複数の棒状
の磁石14を分割電極12の間隙aに沿って密着して固
定し、分割電極12間を磁力線が結ぶような多極磁場を
形成する。さらに、磁石14を取り付けた二重壁cの外
側を磁気シールド板15で覆う。
の気体レーザ装置を提供する。 【解決手段】筒状の放電室1を放電管2の軸方向の外周
に沿って一体に取り付け、放電管2の両側に部分反射鏡
3と全反射鏡4を設置し、放電管2に送風機5と熱交換
器6を連通する。放電室1は、内壁に設けた電極取付面
11にn片のシート状の分割電極12を僅かな間隙aを
空けて軸方向に沿って配列し、シート状の絶縁体13を
介して密着固定する。放電室1の外周は二重壁cを形成
し、冷却水dを二重壁cの間に流して壁面に密着する分
割電極12を冷却する。二重壁cの外側は、複数の棒状
の磁石14を分割電極12の間隙aに沿って密着して固
定し、分割電極12間を磁力線が結ぶような多極磁場を
形成する。さらに、磁石14を取り付けた二重壁cの外
側を磁気シールド板15で覆う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度で大容量の
弱電離低温プラズマを効率的に安定して発生する新しい
放電を利用した放電励起型のレーザ装置に関する。
弱電離低温プラズマを効率的に安定して発生する新しい
放電を利用した放電励起型のレーザ装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】気体の状態をレーザ媒
質として利用する気体レーザ装置は、放電による励起を
一般に最も多く利用している。通常グロー放電で励起さ
れる気体レーザ装置であるが、安定なグロー放電を維持
するためには、気体の組成や圧力に制約がある。このた
め、気体レーザ装置を高出力・高効率なものにするため
には、例えば、外部から高エネルギーの電子ビームを入
射するなどして種々の媒質を高密度で励起させる必要が
ある。ところが、このような装置は構造が複雑になって
保守が面倒であるという問題があった。また、気体レー
ザ装置は大電流放電のため、大掛かりな強制冷却装置を
必要とした。
質として利用する気体レーザ装置は、放電による励起を
一般に最も多く利用している。通常グロー放電で励起さ
れる気体レーザ装置であるが、安定なグロー放電を維持
するためには、気体の組成や圧力に制約がある。このた
め、気体レーザ装置を高出力・高効率なものにするため
には、例えば、外部から高エネルギーの電子ビームを入
射するなどして種々の媒質を高密度で励起させる必要が
ある。ところが、このような装置は構造が複雑になって
保守が面倒であるという問題があった。また、気体レー
ザ装置は大電流放電のため、大掛かりな強制冷却装置を
必要とした。
【0003】本出願人は、特開平8−330079号公
報に開示された低コストで大容量の放電(弱電離低温プ
ラズマ)を安定して発生できる低周波交流電源として、
位相が配列(制御・調整)された複数個の交流出力から
なる位相制御多出力型交流電源装置を先に出願し、さら
に、この電源を用いて、特開平10−130836号公
報に開示された放電を効率的に発生させるための電極
と、特開平10−134994号公報に開示された磁場
の構成方法を出願している。電極の構成方法は、電極を
熱伝導性のよい絶縁シートを介して冷却された装置内壁
に密着固定する方法であり、磁場の構成方法は、装置外
壁に複数の磁石を取り付けて電極表面付近にプラズマの
流出を抑える多極磁場を形成する方法である。
報に開示された低コストで大容量の放電(弱電離低温プ
ラズマ)を安定して発生できる低周波交流電源として、
位相が配列(制御・調整)された複数個の交流出力から
なる位相制御多出力型交流電源装置を先に出願し、さら
に、この電源を用いて、特開平10−130836号公
報に開示された放電を効率的に発生させるための電極
と、特開平10−134994号公報に開示された磁場
の構成方法を出願している。電極の構成方法は、電極を
熱伝導性のよい絶縁シートを介して冷却された装置内壁
に密着固定する方法であり、磁場の構成方法は、装置外
壁に複数の磁石を取り付けて電極表面付近にプラズマの
流出を抑える多極磁場を形成する方法である。
【0004】そこで本発明は、位相制御多出力型交流電
源を用いて放電を効率的に発生させる壁密着電極と多極
磁場を使用することにより、構造が簡単で冷却効率に優
れ、高出力・高効率の気体レーザ装置を提供することを
目的になされたものである。
源を用いて放電を効率的に発生させる壁密着電極と多極
磁場を使用することにより、構造が簡単で冷却効率に優
れ、高出力・高効率の気体レーザ装置を提供することを
目的になされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は以下のように構成した。
めに、本発明は以下のように構成した。
【0006】すなわち、レーザガスを循環冷却する放電
管の内壁に電極取付面を設け、この電極取付面に絶縁層
を介して複数の電極片を横に並べて密着固定することに
より放電室を形成し、この放電室の外側に、前記電極片
を冷却する冷却手段と、前記電極片表面に多極磁場を形
成して放電を閉じ込める多極磁場形成手段と、を設け、
しかして各々の前記電極片に位相制御多出力交流電源を
接続して放電管内のレーザガスを励起してなる位相制御
多電極型交流放電励起レーザ装置である。
管の内壁に電極取付面を設け、この電極取付面に絶縁層
を介して複数の電極片を横に並べて密着固定することに
より放電室を形成し、この放電室の外側に、前記電極片
を冷却する冷却手段と、前記電極片表面に多極磁場を形
成して放電を閉じ込める多極磁場形成手段と、を設け、
しかして各々の前記電極片に位相制御多出力交流電源を
接続して放電管内のレーザガスを励起してなる位相制御
多電極型交流放電励起レーザ装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施の形態について説明する。
実施の形態について説明する。
【0008】図1と図2に、本発明を実施した放電励起
レーザ装置の縦断面図と横断面図を示す。放電励起レー
ザ装置Aは、筒状の放電室1を放電管2の軸方向の外周
に沿って一体に取り付け、放電管2の両側に部分反射鏡
3と全反射鏡4を設置し、放電管2に送風機5と熱交換
器6を連通する。
レーザ装置の縦断面図と横断面図を示す。放電励起レー
ザ装置Aは、筒状の放電室1を放電管2の軸方向の外周
に沿って一体に取り付け、放電管2の両側に部分反射鏡
3と全反射鏡4を設置し、放電管2に送風機5と熱交換
器6を連通する。
【0009】放電室1は、内壁に設けた電極取付面11
にn片のシート状の分割電極12を僅かな間隙aを空け
て軸方向に沿って配列し、シート状の絶縁体13を介し
て密着固定する。分割電極12は、電極取付面11いっ
ぱいにとると大きな放電電流を流すことができるので、
レーザの励起密度をより高密度にすることができる。
にn片のシート状の分割電極12を僅かな間隙aを空け
て軸方向に沿って配列し、シート状の絶縁体13を介し
て密着固定する。分割電極12は、電極取付面11いっ
ぱいにとると大きな放電電流を流すことができるので、
レーザの励起密度をより高密度にすることができる。
【0010】放電室1の外周は二重壁cを形成し、冷却
水dを二重壁cの間に流して壁面に密着する分割電極1
2を冷却する。これにより、大きな放電電流を継続して
流すことができるので、レーザの励起密度を連続的に高
密度にすることができる。放電室1は、外側に空冷用の
フィンなどを取り付けて冷却してもよい。
水dを二重壁cの間に流して壁面に密着する分割電極1
2を冷却する。これにより、大きな放電電流を継続して
流すことができるので、レーザの励起密度を連続的に高
密度にすることができる。放電室1は、外側に空冷用の
フィンなどを取り付けて冷却してもよい。
【0011】二重壁cの外側は、図3に配置構造を示す
複数の棒状の磁石14を分割電極12の間隙aに沿って
密着して固定し、分割電極12間を磁力線が結ぶような
多極磁場を形成する。磁石14の矢印は磁極の方向を示
す。多極磁場の磁石14は、永久磁石の代わりに電磁コ
イルを用いてもよい。また、ラバー・マグネットなどの
シート状の磁石14を絶縁体13の表側あるいは裏側に
張り付けて多極磁場を形成することもできる。さらに、
磁石14を取り付けた二重壁cの外側を磁気シールド板
15で覆う。これにより、プラズマPを磁場に閉じ込め
て密度を上げ、レーザの励起密度をより高密度にするこ
とができる。
複数の棒状の磁石14を分割電極12の間隙aに沿って
密着して固定し、分割電極12間を磁力線が結ぶような
多極磁場を形成する。磁石14の矢印は磁極の方向を示
す。多極磁場の磁石14は、永久磁石の代わりに電磁コ
イルを用いてもよい。また、ラバー・マグネットなどの
シート状の磁石14を絶縁体13の表側あるいは裏側に
張り付けて多極磁場を形成することもできる。さらに、
磁石14を取り付けた二重壁cの外側を磁気シールド板
15で覆う。これにより、プラズマPを磁場に閉じ込め
て密度を上げ、レーザの励起密度をより高密度にするこ
とができる。
【0012】ここで、磁石14と分割電極12との位置
関係は任意であるが、図2では磁石14を分割電極12
と分割電極12との間隙aの真後ろに置く場合を示す。
このとき、多極磁場は分割電極12の表面が磁力線で覆
われるように形成されるので、プラズマPが分割電極1
2で囲まれた領域に効果的に閉じ込められる。
関係は任意であるが、図2では磁石14を分割電極12
と分割電極12との間隙aの真後ろに置く場合を示す。
このとき、多極磁場は分割電極12の表面が磁力線で覆
われるように形成されるので、プラズマPが分割電極1
2で囲まれた領域に効果的に閉じ込められる。
【0013】レーザ励起が十分でない場合は、分割電極
12の表面を波形にするなど、放電面積を広げたり、磁
石14に希土類永久磁石などを使用して多極磁場を強く
し、プラズマの密度を高くする。
12の表面を波形にするなど、放電面積を広げたり、磁
石14に希土類永久磁石などを使用して多極磁場を強く
し、プラズマの密度を高くする。
【0014】位相制御多出力交流電源の位相と波形は、
レーザ媒質の発振条件に応じて調節する。例えば、本質
的にパルス状の繰り返し発振励起が必要な場合は、各出
力の波形をパルス状にすると共に、各位相をある瞬間に
一組の対角位置にある分割電極12間にのみ大きな電位
差がパルス状に生じるように調節する。パルス状の放電
は、電極取付面11の円周に沿って移動し、1秒間に交
流電源の周波数だけ回転する。連続的な発振励起が必要
な場合は、波形および各位相を分割電極12間の放電が
途切れることなく連続的に隣接する分割電極12間に移
動するように調節する。放電は、電極取付面11の円周
に沿って移動し、交流電源の周波数で滑らかに回転す
る。このとき、全体的に見ると、放電励起は連続して発
生するので、低周波の交流放電にも拘わらず直流放電の
ような連続放電励起と等価な励起となる。従って、高価
な直流電源を使用しなくても、経済的な商用交流電源を
使用して連続励起が可能になり、装置コストを低減でき
る。
レーザ媒質の発振条件に応じて調節する。例えば、本質
的にパルス状の繰り返し発振励起が必要な場合は、各出
力の波形をパルス状にすると共に、各位相をある瞬間に
一組の対角位置にある分割電極12間にのみ大きな電位
差がパルス状に生じるように調節する。パルス状の放電
は、電極取付面11の円周に沿って移動し、1秒間に交
流電源の周波数だけ回転する。連続的な発振励起が必要
な場合は、波形および各位相を分割電極12間の放電が
途切れることなく連続的に隣接する分割電極12間に移
動するように調節する。放電は、電極取付面11の円周
に沿って移動し、交流電源の周波数で滑らかに回転す
る。このとき、全体的に見ると、放電励起は連続して発
生するので、低周波の交流放電にも拘わらず直流放電の
ような連続放電励起と等価な励起となる。従って、高価
な直流電源を使用しなくても、経済的な商用交流電源を
使用して連続励起が可能になり、装置コストを低減でき
る。
【0015】一般にグロー放電において放電電流を大き
くしていくと、電流が急増して局所的なアーク放電に移
行する。位相制御多出力交流電源は、各出力に抵抗など
を直列に接続すると、電流が急増したときに出力電圧が
自動的に降下するので、アーク放電への移行を阻止して
放電を安定化させることができる。
くしていくと、電流が急増して局所的なアーク放電に移
行する。位相制御多出力交流電源は、各出力に抵抗など
を直列に接続すると、電流が急増したときに出力電圧が
自動的に降下するので、アーク放電への移行を阻止して
放電を安定化させることができる。
【0016】放電管2は、アルゴン、クリプトンなどの
希ガス、窒素や二酸化炭素などの分子ガス、塩化キセノ
ンや弗化クリプトンなどの希ガスハライドエキシマなど
を流入し、送風機5と熱交換器6で循環冷却する。
希ガス、窒素や二酸化炭素などの分子ガス、塩化キセノ
ンや弗化クリプトンなどの希ガスハライドエキシマなど
を流入し、送風機5と熱交換器6で循環冷却する。
【0017】分割電極12は、位相制御多出力交流電源
を接続し、放電は分割電極12に印加する電圧の位相差
による電位差によって発生する。また、電流は放電管2
の径方向に流れて光軸およびガス流と直交する。従来の
電極は、直流放電用の陰極と陽極を放電管2の両端に配
置していたため、レーザ光の増幅や出力を妨げないよう
に、例えば、リング状や円筒状にするなど、電極の形状
を工夫する必要があった。この分割電極12は、放電管
2の光軸と平行に配列するので、レーザ光の増幅や出力
の妨げにならないという利点がある。
を接続し、放電は分割電極12に印加する電圧の位相差
による電位差によって発生する。また、電流は放電管2
の径方向に流れて光軸およびガス流と直交する。従来の
電極は、直流放電用の陰極と陽極を放電管2の両端に配
置していたため、レーザ光の増幅や出力を妨げないよう
に、例えば、リング状や円筒状にするなど、電極の形状
を工夫する必要があった。この分割電極12は、放電管
2の光軸と平行に配列するので、レーザ光の増幅や出力
の妨げにならないという利点がある。
【0018】本発明を実施した放電励起レーザ装置Aは
以上のような構成で、n片の分割電極2に1kw以下の
位相制御n出力交流電源を接続して放電電気エネルギー
を供給する。その結果、放電室1の内壁に設けた電極取
付面11に沿って安定な交流グロー放電が発生し、放電
管2内のレーザガスが励起されて誘導放出を誘発する。
これにより、光の増幅現象が起こり、放電管2の軸方向
に進む光が反射して両側に設置した部分反射鏡3と全反
射鏡4の間に光の定在波が発生し、光を共振してレーザ
発振する。
以上のような構成で、n片の分割電極2に1kw以下の
位相制御n出力交流電源を接続して放電電気エネルギー
を供給する。その結果、放電室1の内壁に設けた電極取
付面11に沿って安定な交流グロー放電が発生し、放電
管2内のレーザガスが励起されて誘導放出を誘発する。
これにより、光の増幅現象が起こり、放電管2の軸方向
に進む光が反射して両側に設置した部分反射鏡3と全反
射鏡4の間に光の定在波が発生し、光を共振してレーザ
発振する。
【0019】図4に、本発明を実施したバリア放電型の
放電励起レーザ装置の横断面図を示す。放電励起レーザ
装置Bは、内壁に設けた電極取付面11にn片のシート
状の分割電極12を幅広の間隙aを空けて軸方向に沿っ
て配列し、シート状の絶縁体13の中に埋め込んで電極
取付面11に密着固定する。この場合、分割電極12の
幅を広くする必要はない。
放電励起レーザ装置の横断面図を示す。放電励起レーザ
装置Bは、内壁に設けた電極取付面11にn片のシート
状の分割電極12を幅広の間隙aを空けて軸方向に沿っ
て配列し、シート状の絶縁体13の中に埋め込んで電極
取付面11に密着固定する。この場合、分割電極12の
幅を広くする必要はない。
【0020】絶縁体13は、例えば、窒化ホウ素のよう
な電気絶縁性と熱伝導性の良好な材質のものを使用して
絶縁体層を形成する。分割電極12で発生する熱は、絶
縁体13を介して電極取付面11の二重壁cから排熱
し、二重壁cは冷却水dを壁の間に流して冷却する。
な電気絶縁性と熱伝導性の良好な材質のものを使用して
絶縁体層を形成する。分割電極12で発生する熱は、絶
縁体13を介して電極取付面11の二重壁cから排熱
し、二重壁cは冷却水dを壁の間に流して冷却する。
【0021】二重壁cの外側は、分割電極12に沿って
棒状の磁石14を密着して固定する。これにより、磁力
線が分割電極12の間隙aを繋ぐように多極磁場を形成
する。一般に、分割電極12は露出してないと放電しに
くいので、分割電極12間の電位差によって発生する電
界の向きと磁力線の向きを一致させることにより、分割
電極12間の放電を発生しやすくする。
棒状の磁石14を密着して固定する。これにより、磁力
線が分割電極12の間隙aを繋ぐように多極磁場を形成
する。一般に、分割電極12は露出してないと放電しに
くいので、分割電極12間の電位差によって発生する電
界の向きと磁力線の向きを一致させることにより、分割
電極12間の放電を発生しやすくする。
【0022】棒状の磁石14の代わりに、例えば、ラバ
ー・マグネットなどのシート状の磁石14を絶縁体13
と二重壁cの間に挟み込んだり、二重壁cの外側に張り
付けて多極磁場を形成してもよい。これにより、磁石1
4の厚みが薄くなる分、放電励起レーザ装置Bの形状を
薄くコンパクトに形成できる。
ー・マグネットなどのシート状の磁石14を絶縁体13
と二重壁cの間に挟み込んだり、二重壁cの外側に張り
付けて多極磁場を形成してもよい。これにより、磁石1
4の厚みが薄くなる分、放電励起レーザ装置Bの形状を
薄くコンパクトに形成できる。
【0023】絶縁体13は、表面を酸化マグネシウムな
どのスパッタ防止膜eで被膜する。スパッタ防止膜e
は、2次電子放出係数のできるだけ大きいものを使用し
て放電を容易にする。
どのスパッタ防止膜eで被膜する。スパッタ防止膜e
は、2次電子放出係数のできるだけ大きいものを使用し
て放電を容易にする。
【0024】磁石14を取り付けた二重壁cの外側は磁
気シールド板15で覆い、磁力線を外部に発散させない
で内部に集中させる。
気シールド板15で覆い、磁力線を外部に発散させない
で内部に集中させる。
【0025】ここで、磁石14と分割電極12との位置
関係は任意であるが、図4では磁石14を分割電極12
の真後ろに置く場合を示す。このようにすると、多極磁
場は分割電極12と分割電極12との間隙aが磁力線で
繋がれるように形成されるので、分割電極12間の放電
の発生が容易になる。
関係は任意であるが、図4では磁石14を分割電極12
の真後ろに置く場合を示す。このようにすると、多極磁
場は分割電極12と分割電極12との間隙aが磁力線で
繋がれるように形成されるので、分割電極12間の放電
の発生が容易になる。
【0026】本発明を実施した放電励起レーザ装置Bは
以上のような構成で、n片の分割電極2に位相を制御し
たn相の交流電圧を印加する。これにより、スパッタ防
止膜eの表面に沿ってバリア放電が発生する。放電の結
果生じたプラズマPは、多極磁場によって囲まれた領域
に閉じ込められ、これにより、プラズマPによるレーザ
媒質ガスの衝突励起が盛んになってレーザの発振効率が
高まる。
以上のような構成で、n片の分割電極2に位相を制御し
たn相の交流電圧を印加する。これにより、スパッタ防
止膜eの表面に沿ってバリア放電が発生する。放電の結
果生じたプラズマPは、多極磁場によって囲まれた領域
に閉じ込められ、これにより、プラズマPによるレーザ
媒質ガスの衝突励起が盛んになってレーザの発振効率が
高まる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の位相制御
多電極型交流放電励起レーザ装置は、レーザガスを循環
冷却する放電管の内壁に電極取付面を設け、この電極取
付面に絶縁層を介して複数の電極片を横に並べて密着固
定することにより放電室を形成し、この放電室の外側
に、電極片を冷却する冷却手段と、電極片表面に多極磁
場を形成して放電を閉じ込める多極磁場形成手段とを設
け、しかして各々の電極片に位相制御多出力交流電源を
接続して放電管内のレーザガスを励起する。従って、本
発明によれば、電極片に印加する位相制御多出力交流電
圧の位相を調整することにより、どの時刻においても何
れかの電極間で放電を起こすことができるので、レーザ
発振に必要な安定なグロー放電を維持できる。
多電極型交流放電励起レーザ装置は、レーザガスを循環
冷却する放電管の内壁に電極取付面を設け、この電極取
付面に絶縁層を介して複数の電極片を横に並べて密着固
定することにより放電室を形成し、この放電室の外側
に、電極片を冷却する冷却手段と、電極片表面に多極磁
場を形成して放電を閉じ込める多極磁場形成手段とを設
け、しかして各々の電極片に位相制御多出力交流電源を
接続して放電管内のレーザガスを励起する。従って、本
発明によれば、電極片に印加する位相制御多出力交流電
圧の位相を調整することにより、どの時刻においても何
れかの電極間で放電を起こすことができるので、レーザ
発振に必要な安定なグロー放電を維持できる。
【0028】また、電極片の総面積を放電管の内壁いっ
ぱいまで大きくとれるので、大きな放電電流を流すこと
ができ、レーザ媒質ガスを高密度で励起することができ
る。
ぱいまで大きくとれるので、大きな放電電流を流すこと
ができ、レーザ媒質ガスを高密度で励起することができ
る。
【0029】また、電極片を放電室の壁を通して至近距
離から冷却するので、大きな放電電流を継続して流すこ
とができ、レーザ媒質ガスを高密度で連続して励起でき
る。
離から冷却するので、大きな放電電流を継続して流すこ
とができ、レーザ媒質ガスを高密度で連続して励起でき
る。
【0030】また、放電空間に多極磁場が形成されるの
で、プラズマが効果的に閉じ込められ、その結果、プラ
ズマの衝突によるレーザ媒質ガスの励起密度をより一層
高めることができる。
で、プラズマが効果的に閉じ込められ、その結果、プラ
ズマの衝突によるレーザ媒質ガスの励起密度をより一層
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した放電励起レーザ装置の縦断面
図である。
図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】磁石の配置構造を示す斜視図である。
【図4】本発明を実施したバリア放電型の放電励起レー
ザ装置の横断面図である。
ザ装置の横断面図である。
1 放電室 2 放電管 3 部分反射鏡 4 全反射鏡 5 送風機 6 熱交換器 11 電極取付面 12 電極 13 絶縁体 14 磁石 15 磁気シールド板 a 間隙 c 二重壁 d 冷却水 e スパッタ防止膜 P プラズマ
フロントページの続き (72)発明者 川端 繁樹 富山県射水郡小杉町黒河5180 富山県立大 学内 (72)発明者 山崎 茂一 富山県高岡市大坪町3丁目6−12 成美コ ーポ604号 Fターム(参考) 5F071 CC04 DD03 HH09 JJ05 JJ10 5F072 GG01 JJ05 TT01 TT23
Claims (1)
- 【請求項1】 レーザガスを循環冷却する放電管の内壁
に電極取付面を設け、この電極取付面に絶縁層を介して
複数の電極片を横に並べて密着固定することにより放電
室を形成し、 この放電室の外側に、 前記電極片を冷却する冷却手段と、 前記電極片表面に多極磁場を形成して放電を閉じ込める
多極磁場形成手段と、を設け、 しかして各々の前記電極片に位相制御多出力交流電源を
接続して放電管内のレーザガスを励起してなる位相制御
多電極型交流放電励起レーザ装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000069527A JP2001257397A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | 位相制御多電極型交流放電励起レーザ装置 |
EP01912303A EP1276136B1 (en) | 2000-03-13 | 2001-03-13 | Phase controlled multi-electrode type ac discharge light source |
US10/220,307 US6822404B2 (en) | 2000-03-13 | 2001-03-13 | Phase-controlled, multi-electrode type of AC discharge light source |
PCT/JP2001/001951 WO2001069649A1 (fr) | 2000-03-13 | 2001-03-13 | Source de lumiere a decharge ca de type a electrodes multiples a commande de phase |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000069527A JP2001257397A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | 位相制御多電極型交流放電励起レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001257397A true JP2001257397A (ja) | 2001-09-21 |
Family
ID=18588385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000069527A Pending JP2001257397A (ja) | 2000-03-13 | 2000-03-13 | 位相制御多電極型交流放電励起レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001257397A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7144130B2 (en) | 2003-06-09 | 2006-12-05 | Moritex Corporation | Illumination device |
JP2009187862A (ja) * | 2008-02-08 | 2009-08-20 | Ushio Inc | プラズマ発生装置 |
-
2000
- 2000-03-13 JP JP2000069527A patent/JP2001257397A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7144130B2 (en) | 2003-06-09 | 2006-12-05 | Moritex Corporation | Illumination device |
JP2009187862A (ja) * | 2008-02-08 | 2009-08-20 | Ushio Inc | プラズマ発生装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031104 |