JP2001257109A - 抵抗素子の製造方法 - Google Patents

抵抗素子の製造方法

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JP2001257109A
JP2001257109A JP2000073934A JP2000073934A JP2001257109A JP 2001257109 A JP2001257109 A JP 2001257109A JP 2000073934 A JP2000073934 A JP 2000073934A JP 2000073934 A JP2000073934 A JP 2000073934A JP 2001257109 A JP2001257109 A JP 2001257109A
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precursor layer
conductive
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Kentaro Sawamura
建太郎 澤村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極の電気的接続を十分に確保することがで
きる抵抗素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 まず、基板31の上にSi3 4 を含む
絶縁前駆体層11aとWを含む導電前駆体層12aとを
積層し、素子形成領域に対応して切断して前駆体チップ
10aを形成する。次いで、前駆体チップ10aの間の
溝にWを含む電極スラリーを塗布して乾燥させ、前駆体
チップ10aの側面に電極前駆体層20aを形成する。
続いて、電極前駆体層20aの表面にBNなどを含む難
焼結材スラリー33を塗布して乾燥させ、難焼結材層3
4を形成したのち、前駆体チップ10aと電極前駆体層
20aとを同時に焼成する。隣り合う電極前駆体層20
aが接着することなく、導電前駆体層12aと電極前駆
体層20aとを接続させて焼結することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁層の内部に導
電層が埋設されると共に、この導電層に対して電極が電
気的に接続された抵抗素子を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天然ガス、プロパンガス、灯油等
の気体燃料や液体燃料の着火には、セラミックスを用い
た通電式の抵抗素子が一般に用いられている。
【0003】この種の抵抗素子としては、例えば、窒化
ケイ素を用いたセラミックスよりなる絶縁層の中にタン
グステン(W)などの高融点金属を含む導電層を埋設
し、絶縁層から露出させた導電層の一部に銀ろうなどよ
りなる電極を電気的に接続したものが知られている。こ
の抵抗素子は、耐熱衝撃性および耐酸化性に優れ、2秒
〜3秒間程度で1000℃以上の温度に達する急速昇温
と、空気中で1500℃〜1550℃程度の高温に耐え
得るという優れた特性を有している。
【0004】従来、この抵抗素子は、例えば、窒化ケイ
素を含む絶縁前駆体層の内部にタングステンを含む導電
前駆体層を埋設した成形体を形成し、この成形体を焼成
して焼結体としたのち、この焼結体に電極を焼き付ける
ことにより作製されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この抵
抗素子は電極を接続する導電層の露出部の面積が小さ
く、かつ導電層の露出部が脆弱で破損しやすいので、焼
結体を形成したのちに電極を焼き付ける従来の製造方法
では、導電層と電極との接続を十分に確保することが難
しいという問題があった。そのため、抵抗値が基準値よ
りも高くなる不良品が発生してしまい、良品率を十分に
高くすることが難しかった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、電極の電気的接続を十分に確保する
ことができる抵抗素子の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による抵抗素子の
製造方法は、絶縁層の内部に導電層が埋設されると共
に、この導電層に対して電極が電気的に接続された抵抗
素子を製造するものであって、絶縁層の原料を含む絶縁
前駆体層の内部に、導電層の原料を含む導電前駆体層が
埋設された前駆体チップを形成する工程と、この前駆体
チップに対して電極の原料を含む電極前駆体層を形成す
る工程と、前駆体チップと電極前駆体層とを同時に焼成
する工程とを含むものである。
【0008】本発明による抵抗素子の製造方法では、絶
縁前駆体層の内部に導電前駆体層を埋設した前駆体チッ
プに対して電極前駆体層が形成されたのち、同時に焼成
される。よって、導電前駆体層と電極前駆体層とが容易
に接続され、導電層と電極との接続が容易に確保され
る。
【0009】なお、電極前駆体層の形成に際しては、電
極の原料と溶媒とを含む電極スラリーを前駆体チップに
塗布することにより形成するようにしてもよく、電極ス
ラリーには絶縁前駆体層に含まれるバインダーよりも導
電前駆体層に含まれるバインダーとの溶解性が高い溶媒
を用いることが好ましい。また、この電極スラリーには
更にバインダーを含ませるようにしてもよく、そのバイ
ンダーには絶縁前駆体層に含まれるバインダーよりも導
電前駆体層に含まれるバインダーとの相溶性が高いもの
を用いることが好ましい。
【0010】更に、焼成に際しては、電極前駆体層の表
面に難焼結材層を形成することが好ましく、その際に
は、窒化ホウ素および炭化ケイ素からなる群のうちの少
なくとも1種を含む難焼結材料を用いて難焼結材層を形
成することが好ましい。加えて、焼成は加圧下において
行うことが好ましい。
【0011】更にまた、絶縁層の原料には窒化ケイ素を
含むものを用い、導電層の原料にはタングステン,炭化
タングステンおよびモリブデンからなる群のうちの少な
くとも1種、またはタングステン,炭素およびモリブデ
ンからなる群のうちの少なくともタングステンと炭素と
を含むものを用い、電極の原料にはタングステン,炭化
タングステンおよびモリブデンからなる群のうちの少な
くとも1種、またはタングステン,炭素およびモリブデ
ンからなる群のうちの少なくともタングステンと炭素と
を含むものを用いるようにしてもよい。その際、電極の
原料にはニッケルおよびコバルトからなる群のうちの少
なくとも1種を更に含むものを用いることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0013】なお、ここでは、図1に示したような抵抗
素子を製造する場合について説明する。この抵抗素子
は、例えば着火素子として用いられるものであり、絶縁
層11の内部に並列回路を構成する複数の導電層12が
埋設された素子本体10を備え、この素子本体10に導
電層12と電気的に接続された電極20が設けられたも
のである。
【0014】図2および図3は本発明の一実施の形態に
係る抵抗素子の製造方法における各工程を図1に示した
I−I線に沿った断面構造で表すものである。本実施の
形態では、まず、絶縁層11を形成する窒化ケイ素を含
む原料を用意し、これに公知のバインダーおよび溶媒な
どを添加して、ボールミルなどにより湿式混合して絶縁
スラリーを調製する。
【0015】絶縁層11の原料には、例えば、窒化ケイ
素と、酸化アルミニウムと、酸化ケイ素とを含む混合粉
末を用いることが好ましい。これらの焼結により得られ
る複合材料(いわゆるサイアロン)は、緻密性が高く、
耐酸化性および機械的強度にも優れているからである。
窒化ケイ素と酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの割合
は、例えば、窒化ケイ素100molに対して酸化ケイ
素が5〜30mol、好ましくは9〜21mol、酸化
アルミニウムが3〜10mol、好ましくは4〜8mo
lの範囲内が好適である。これらの範囲内において優れ
た特性が得られるからである。
【0016】また、絶縁層11の原料には、希土類元素
を例えば酸化物で添加してもよい。好ましい希土類元素
としては、イットリウム(Y)、サマリウム(Sm)、
ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(N
d)あるいはイッテルビウム(Yb)などが挙げられ、
中でも、イットリウム、ランタンおよびセリウムが好ま
しい。なお、添加する希土類元素は1種でもよく、2種
以上を組み合わせ用いてもよい。
【0017】更に、バインダーには例えばメタアクリル
系バインダーを用い、溶媒には例えばトルエンおよびま
たはエタノールを用いる。
【0018】次いで、図2(A)に示したように、調整
した絶縁スラリーをドクターブレード法、プレス成形法
あるいは押し出し成形法などにより成形し、乾燥させて
絶縁前駆体層11aを形成する。続いて、導電層12を
形成する原料を用意し、これに公知のバインダーおよび
溶媒などを添加して、ボールミルなどにより湿式混合し
て導電スラリーを調製する。
【0019】導電層12の原料には、高融点、低熱膨張
率および低電気比抵抗を有するものが好ましく、例え
ば、タングステン(W),炭化タングステンおよびモリ
ブデン(Mo)からなる群のうちの少なくとも1種を含
む粉末を用いることが好ましい。なお、炭化タングステ
ンに代えて、炭素(C)とタングステンとの混合粉末を
用いてもよい。中でも、タングステンと炭素との原子比
が1:0.4から1:0.98の炭化タングステン粉
末、または原子比がその範囲内となるように配合した炭
素とタングステンとの混合粉末を用いることが特に好ま
しい。タングステンのケイ化を抑制することができ、抵
抗値の増加を防止することができるからである。
【0020】また、導電層12の原料には、窒化ケイ
素、シリマナイト、ムライト、窒化アルミニウム、酸窒
化ケイ素およびサイアロンからなる群のうちの少なくと
も1種の粉末を体積占有率で65%以下、更には10%
以上60%以下の範囲内で含ませることが好ましい。抵
抗温度特性を損なうことなく、絶縁層11との接合性を
高めることができ、サイクル特性および連続通電特性な
どの信頼性を向上させることができるからである。な
お、この体積占有率とは、物質が室温(25℃)で混合
状態にあるとき、各々の物質の占有する体積を百分率表
示したものである。
【0021】更に、バインダーには例えばエチルセルロ
ース系バインダーを用い、溶媒には例えばα−テルピネ
オールを用いる。
【0022】導電スラリーを調整したのち、図2(A)
に示したように、例えば、この導電スラリーを先に形成
した絶縁前駆体層11aの表面に所定のパターンで印刷
し、乾燥させて導電前駆体層12aを形成する。そのの
ち、図2(B)に示したように、例えば、複数の素子形
成領域31aを有する黒鉛あるいはプラスチックなどよ
りなる基板31を用意し、その上に、導電前駆体層12
aを印刷した絶縁前駆体層11aと未印刷の絶縁前駆体
層11aとを交互に所定数積層する。
【0023】基板31の上に積層したのち、図2(C)
に示したように、例えば、この積層体を素子形成領域3
1aに対応してスライサーなどで切断し、前駆体チップ
10aを形成する。そののち、電極20を形成する原料
を用意し、これに公知のバインダーおよび溶媒などを添
加して、ボールミルなどにより湿式混合して電極スラリ
ーを調製する。
【0024】その際、電極20の原料には、導電層12
の原料と構成元素の少なくとも一部が共通するものが好
ましく、例えば、タングステン,炭化タングステンおよ
びモリブデンからなる群のうちの少なくとも1種を主成
分として含む粉末を用いることが好ましい。導電層12
との接続性を向上させることができるからである。な
お、炭化タングステンに代えて、炭素とタングステンと
の混合粉末を用いてもよい。
【0025】また、電極20の原料には、ニッケル(N
i)およびコバルト(Co)からなる群のうちの少なく
とも1種を添加物として含ませることが好ましい。絶縁
層11との接合性を向上させることができるからであ
る。なお、主成分と添加物との割合は、質量比で主成分
100に対して添加物が0.01以上4.0以下の範囲
内であることが好ましい。これよりも添加物が少ないと
絶縁層11との接合性を十分に高めることができず、添
加物が多いと素子の強度が低下してしまうからである。
【0026】更に、電極20の原料には、導電層12の
原料と同様に、窒化ケイ素、シリマナイト、ムライト、
窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素およびサイアロンから
なる群のうちの少なくとも1種の粉末を体積占有率で6
5%以下、更には10%以上60%以下の範囲内で含ま
せるようにしてもよい。絶縁層11との接合性を更に高
めることができるからである。
【0027】加えて、バインダーおよび溶媒には、絶縁
前駆体層11aに含まれるバインダーよりも導電前駆体
層12aに含まれるバインダーとの相溶性または溶解性
が高いものを用いることが好ましい。導電前駆体層12
aを電極スラリーで少し溶解させることにより、導電前
駆体層12aと後述する電極前駆体層20aとの接合性
を高め、導電層12と電極20との接続性を高めるため
である。例えば、バインダーにはエチルセルロース系バ
インダーを用い、溶媒にはテルビン油を用いることが好
ましい。
【0028】電極スラリーを調整したのち、図2(C)
に示したように、例えば、前駆体チップ10aの間の溝
および両端の外側に、導電前駆体層12aの露出部に対
応して、電極スラリー32を流し込みあるいは刷毛塗り
などにより塗布する。その際、圧力を印加するようにす
れば、前駆体チップ10aの溝に電極スラリー32を十
分に挿入することができるので好ましい。
【0029】電極スラリー32を塗布したのち、図3
(A)に示したように、電極スラリー32を乾燥させて
溶媒を除去し、前駆体チップ10aの側面に電極前駆体
層20aを形成する。なお、電極前駆体層20aが例え
ば図4に示したように隣り合う前駆体チップ10aの間
で連結している場合には、スライサーMなどにより切断
する。その場合、スライサーMには、積層体を切断して
前駆体チップ10aを形成する際に用いたスライサーよ
りも刃の厚さが薄いものを用いる。
【0030】電極前駆体層20aを形成したのち、図3
(B)に示したように、隣り合う電極前駆体層20の間
および両端の外側に位置する電極前駆体層20の表面
に、難焼結材料と溶媒とを混合した難焼結材スラリー3
3を流し込みあるいは刷毛塗りなどにより塗布する。そ
の際、圧力を印加するようにすれば、電極前駆体層20
の間に難焼結材スラリー33を十分に挿入することがで
きるので好ましい。その際、難焼結材料には、高温下に
おいて電極前駆体層20aよりも焼結しにくく化学的に
安定なもの、例えば、窒化ホウ素および炭化ケイ素から
なる群のうちの少なくとも1種を含む粉末を用いること
が好ましい。また、溶媒には、トルエンおよびまたはエ
タノールを用いることが好ましい。
【0031】難焼結材スラリー33を塗布したのち、図
3(C)に示したように、難焼結材スラリー33を乾燥
させて溶媒を除去し、隣り合う電極前駆体層20aの表
面を覆うように難焼結材層34を形成する。難焼結材層
34を形成したのち、例えば下記の条件で脱バインダー
処理を行う。なお、この脱バインダー処理は、脱バイン
ダー炉で行っても、後続の焼成工程で用いる焼成炉で行
ってもよい。 [脱バインダー処理条件] 昇温速度 : 1℃/分 保持温度 : 800℃ 保持時間 : 0.5時間〜24時間 雰囲気 : 窒素ガス中
【0032】脱バインダー処理を行ったのち、例えば下
記の条件で前駆体チップ10aと電極前駆体層20aと
を同時に焼成する。 [焼成条件] 昇温速度 : 1750℃まで2時間かけて昇温 保持温度 : 1750℃ 保持時間 : 1時間 雰囲気 : 窒素ガス中
【0033】これにより、前駆体チップ10aおよび電
極前駆体層20aはそれぞれ焼結され、絶縁層11の内
部に導電層12が埋設された素子本体10および導電層
12と電気的に接続された電極20が形成される。ここ
では、前駆体チップ10aと電極前駆体層20aとを同
時に焼成するので、導電層12と電極20とが強固に接
続される。また、電極前駆体層20aにはニッケルおよ
びコバルトからなる群のうちの少なくとも1種が含まれ
ているので、電極20は絶縁層11とも強固に接合され
る。
【0034】更に、ここでは、隣り合う電極前駆体層2
0aの表面に難焼結材層34が形成されているので、電
極前駆体層20aが接着して焼結され、隣り合う電極2
0が接着してしまうことが防止される。
【0035】なお、焼成は常圧下において行うようにし
てもよいが、ホットプレス焼成方法、窒素ガス圧力焼成
法あるいは熱間静水圧(HIP)焼成法などのように加
圧下において行うようにしてもよい。加圧下において焼
成する場合には特に隣り合う電極20が接着しやすい
が、本実施の形態では電極前駆体層20aの表面に難焼
結材層34を形成しているので、加圧下において焼成し
ても電極20aの接着は防止される。
【0036】焼成ののち、難焼結材層34を取り除くと
共に、基板31をサンドブラストあるいはバレル研磨機
などにより除去する。これにより、図1に示したような
抵抗素子が得られる。
【0037】なお、この抵抗素子は、例えば、電極20
にろう材などを介して図示しないリード線が接続される
と共に、このリード線を介して図示しない外部電源に対
して接続されることにより用いられる。
【0038】このように本実施の形態によれば、前駆体
チップ10aと電極前駆体層20aとを同時に焼成する
ようにしたので、容易に導電層12と電極20とを強固
に接続させることができる。よって、導電層12と電極
20との電気的接続を十分な確保することができ、抵抗
値の増大による不良品の発生を防止でき、良品率を改善
することができる。
【0039】特に、絶縁前駆体層11aに含まれるバイ
ンダーよりも導電前駆体層12aに含まれるバインダー
との溶解性が高い溶媒を電極スラリー32に用いるよう
にすれば、導電前駆体層12aを電極スラリー32の溶
媒で溶解させることにより、導電前駆体層12aと電極
前駆体層20aとの接合性を高めることができ、導電層
12と電極20と接続性を高めることができる。
【0040】また、絶縁前駆体層11aに含まれるバイ
ンダーよりも導電前駆体層12aに含まれるバインダー
との相溶性が高いバインダーを電極スラリー32に用い
るようにすれば、導電前駆体層12aを電極スラリー3
2でより容易に溶解させることができる。
【0041】更に、電極20の原料に、導電層12の原
料と構成元素の少なくとも一部が共通するもの、例え
ば、タングステン,炭化タングステンおよびモリブデン
からなる群のうちの少なくとも1種、またはタングステ
ン,炭素およびモリブデンからなる群のうちの少なくと
もタングステンと炭素とを含むものを用いるようにすれ
ば、導電層12と電極20との接続性を更に高めること
ができる。
【0042】加えて、電極20の原料に、ニッケルおよ
びコバルトからなる群のうちの少なくとも1種を添加物
として含ませるようにすれば、電極20を絶縁層11と
も強固に接合させることができ、導電層12と電極20
との接続を更に高めることができる。
【0043】更にまた、電極前駆体層20aの表面に難
焼結材層34を形成して焼成するようにすれば、焼成の
際に隣り合う電極前駆体層20aが接着して焼結され、
隣り合う電極20が接着してしまうことを防止すること
ができる。
【0044】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施
例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例
えば、上記実施の形態では、絶縁層11の原料,導電層
12の原料,電極20の原料および難焼結材料について
具体的な例を挙げて説明したが、本発明は他の材料を用
いる場合についても同様に適用することができる。
【0045】また、上記実施の形態では、絶縁スラリ
ー,導電スラリー,電極スラリー32および難焼結材ス
ラリー33にそれぞれ用いるバインダーおよび溶媒につ
いて具体的な例を挙げて説明したが、他のバインダーお
よび溶媒を用いることもできる。
【0046】更に、上記実施の形態では、導電前駆体層
12aを印刷した絶縁前駆体層11aを基板31の上に
積層して前駆体チップ10aを形成する場合について説
明したが、基板31の上に絶縁スラリーを印刷して絶縁
前駆体層11aを形成したのち、その上に導電スラリー
を印刷して導電前駆体層12aを形成することにより前
駆体チップ10aを形成するようにしてもよい。
【0047】更に、上記実施の形態では、着火素子を例
に挙げて説明したが、本発明は他の発熱素子あるいはサ
ーミスタなどの他の抵抗素子についても広く適用するこ
とができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項8のいずれか1に記載の抵抗素子の製造方法によれ
ば、前駆体チップと電極前駆体層とを同時に焼成するよ
うにしたので、容易に導電層と電極とを強固に接続させ
ることができる。よって、導電層と電極との電気的接続
を十分な確保することができ、抵抗値の増大による不良
品の発生を防止でき、良品率を改善することができると
いう効果を奏する。
【0049】特に、請求項2ないし請求項8のいずれか
1に記載の抵抗素子の製造方法によれば、絶縁前駆体層
に含まれるバインダーよりも導電前駆体層に含まれるバ
インダーとの溶解性が高い溶媒を電極スラリーに用いる
ようにしたので、導電前駆体層を電極スラリーの溶媒で
溶解させることにより、導電前駆体層と電極前駆体層と
の接合性を高めることができ、導電層と電極と接続性を
高めることができるという効果を奏する。
【0050】また、請求項3ないし請求項8のいずれか
1に記載の抵抗素子の製造方法によれば、絶縁前駆体層
に含まれるバインダーよりも導電前駆体層に含まれるバ
インダーとの相溶性が高いバインダーを電極スラリーに
用いるようにしたので、導電前駆体層を電極スラリーで
より容易に溶解させることができるという効果を奏す
る。
【0051】更に、請求項4ないし請求項8のいずれか
1に記載の抵抗素子の製造方法によれば、電極前駆体層
の表面に難焼結材層を形成して焼成するようにしたの
で、焼成の際に隣り合う電極前駆体層が接着して焼結さ
れ、隣り合う電極が接着してしまうことを防止できると
いう効果を奏する。
【0052】加えて、請求項7または請求項8に記載の
抵抗素子の製造方法によれば、電極の原料に、導電層の
原料と構成元素の少なくとも一部が共通するものを用い
るようにしたので、導電層と電極との接続性を更に高め
ることができるという効果を奏する。
【0053】更にまた、請求項8記載の抵抗素子の製造
方法によれば、電極の原料に、ニッケルおよびコバルト
からなる群のうちの少なくとも1種を添加物として含ま
せるようにしたので、電極を絶縁層とも強固に接合させ
ることができ、導電層と電極との接続を更に高めること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る抵抗素子の製造方
法により製造する抵抗素子の構成を表す斜視図であり、
一部を分解すると共に一部を切断して表したものであ
る。
【図2】本発明の一実施の形態に係る抵抗素子の製造方
法における各工程を図1に示したI−I線に沿って表す
断面図である。
【図3】図2に続く各工程を図1に示したI−I線に沿
って表す断面図である。
【図4】図3に示した一工程を詳しく説明するための断
面図である。
【符号の説明】
10…素子本体、10a…前駆体チップ、11…絶縁
層、11…絶縁前駆体層、12…導電層、12a…導電
前駆体層、20…電極、20a…電極前駆体層、31…
基板、31a…素子形成領域、32…電極スラリー、3
3…難焼結材スラリー、34…難焼結材層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/03 H05B 3/03 3/14 3/14 F 3/18 3/18 Fターム(参考) 3K092 PP16 QA05 QB02 QB08 QB33 QB45 QB56 QB72 QB74 QB76 QC02 QC25 QC42 QC49 QC55 RF03 RF11 RF17 RF26 UB04 VV03 VV25 VV28 VV31 5E032 AB10 BA07 BB01 CA02 CC03 CC06 CC11 CC14 CC19 DA02 5E033 AA59 BA01 BB02 BC01 BD02 BG01 BH02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層の内部に導電層が埋設されると共
    に、この導電層に対して電極が電気的に接続された抵抗
    素子の製造方法であって、 絶縁層の原料を含む絶縁前駆体層の内部に、導電層の原
    料を含む導電前駆体層が埋設された前駆体チップを形成
    する工程と、 この前駆体チップに対して電極の原料を含む電極前駆体
    層を形成する工程と、 前記前駆体チップと前記電極前駆体層とを同時に焼成す
    る工程とを含むことを特徴とする抵抗素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁前駆体層および前記導電前駆体
    層にはそれぞれバインダーが含まれると共に、 前記電極前駆体層の形成に際しては、電極の原料と溶媒
    とを含む電極スラリーを前駆体チップに塗布することに
    より形成し、 この電極スラリーには、絶縁前駆体層に含まれるバイン
    ダーよりも導電前駆体層に含まれるバインダーとの溶解
    性が高い溶媒を用いることを特徴とする請求項1記載の
    抵抗素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電極スラリーには更にバインダーが
    含まれると共に、 このバインダーには絶縁前駆体層に含まれるバインダー
    よりも導電前駆体層に含まれるバインダーとの相溶性が
    高いものを用いることを特徴とする請求項2記載の抵抗
    素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 焼成に際しては、前記電極前駆体層の表
    面に難焼結材層を形成して焼成することを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれか1に記載の抵抗素子の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 窒化ホウ素および炭化ケイ素からなる群
    のうちの少なくとも1種を含む難焼結材料を用いて難焼
    結材層を形成することを特徴とする請求項4記載の抵抗
    素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼成は加圧下において行うことを特徴と
    する請求項1ないし請求項5のいずれか1に記載の抵抗
    素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁層の原料には窒化ケイ素を含むもの
    を用いると共に、 導電層の原料にはタングステン,炭化タングステンおよ
    びモリブデンからなる群のうちの少なくとも1種、また
    はタングステン,炭素およびモリブデンからなる群のう
    ちの少なくともタングステンと炭素とを含むものを用
    い、 かつ、電極の原料にはタングステン,炭化タングステン
    およびモリブデンからなる群のうちの少なくとも1種、
    またはタングステン,炭素およびモリブデンからなる群
    のうちの少なくともタングステンと炭素とを含むものを
    用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいず
    れか1に記載の抵抗素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 電極の原料には、ニッケルおよびコバル
    トからなる群のうちの少なくとも1種を更に含むものを
    用いることを特徴とする請求項7記載の抵抗素子の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100495130B1 (ko) * 2002-11-19 2005-06-14 엘에스전선 주식회사 열융착을 이용한 인쇄회로기판용 표면실장형 전기장치제조방법 및 이를 통해 제조된 표면실장형 전기장치

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