JP2001255214A - 着火素子 - Google Patents

着火素子

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JP2001255214A
JP2001255214A JP2000073937A JP2000073937A JP2001255214A JP 2001255214 A JP2001255214 A JP 2001255214A JP 2000073937 A JP2000073937 A JP 2000073937A JP 2000073937 A JP2000073937 A JP 2000073937A JP 2001255214 A JP2001255214 A JP 2001255214A
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temperature measuring
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heat generating
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Kentaro Sawamura
建太郎 澤村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で容易に着火を検出することがで
きる着火素子を提供する。 【解決手段】 絶縁部材11の内部に複数の発熱層12
が埋設されると共に、異なる2箇所の温度を測定するた
めの第1の温度測定層13と第2の温度測定層14とが
それぞれ埋設されている。第1の温度測定層13および
第2の温度測定層14の温度測定部13a,14aは、
発熱層12の発熱により発熱部13aの中央部を中心と
して温度分布がほぼ対称となる領域において温度がほぼ
等しい位置に対称的に設けられている。これにより、発
熱層12の発熱により温度測定部13a,14aの温度
が上昇してもその温度差は基準値よりも小さく、着火に
より一方がより加熱されると、その温度差が基準値以上
に大きくなる。よって、温度差により着火を容易に検出
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着火を検出する手
段を備えた着火素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天然ガス、プロパンガス、灯油等
の気体燃料や液体燃料の着火には、セラミックスを用い
た通電式の着火素子が一般に用いられている。
【0003】この種の着火素子としては、例えば、窒化
ケイ素を用いたセラミックスよりなる絶縁部材の中にタ
ングステン(W)などの高融点金属を含む発熱層を埋設
したものが知られている。この着火素子は、発熱層を発
熱させることにより発熱部近傍の温度を1000℃以上
に上昇させて燃料に着火をするものである。従来、この
ような着火素子による着火の有無は、例えば、着火素子
の近傍に配置したフレームセンサにより空気の抵抗値を
測定し、着火すると抵抗値が低下することを利用して確
認していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フレー
ムセンサを用いる従来の方法では、着火素子に加えてフ
レームセンサを配設しなければならないので、装置が複
雑化してしまい、しかも狭い領域での使用には限界があ
るという問題があった。
【0005】なお、フレームセンサ以外の着火を検出す
る方法としては、例えば、着火素子にサーミスタを内蔵
させて温度変化から着火を検出する方法も考えられる
が、素子の発熱部の温度は1200℃〜1500℃にも
達するのに対して炎の温度は1200℃と低いので、サ
ーミスタは発熱部の影響を強く受けてしまい着火の検出
は難しかった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、簡単な構造で容易に着火を検出する
ことができる着火素子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による着火素子
は、発熱手段と、異なる2箇所の温度を測定し、その温
度差の変化から着火を検出するための温度測定手段とを
備えたものである。
【0008】本発明による着火素子では、温度測定手段
により異なる2箇所の温度が測定され、その温度差の変
化から着火が検出される。
【0009】また、本発明による他の着火素子は、絶縁
部材の内部に発熱層が埋設されたものであって、絶縁部
材の内部に埋設され、異なる2箇所の温度を測定するた
めの第1の温度測定層と第2の温度測定層とを備えたも
のである。
【0010】本発明による他の着火素子では、第1の温
度測定層と第2の温度測定層とにより素子の異なる2箇
所の温度が測定され、それにより着火が検出される。
【0011】なお、第1の温度測定層の温度測定部およ
び第2の温度測定層の温度測定部は、着火によりそれら
の温度差が変化して基準値以上となる位置にそれぞれ設
けられることが好ましい。この場合、第1の温度測定層
により測定された温度と第2の温度測定層により測定さ
れた温度との差が基準値以上か否かにより、着火の有無
が検出される。
【0012】また、第1の温度測定層および第2の温度
測定層は、温度測定部の断面積が他の部分の断面積の1
/5以下1/100以上とされることが好ましい。これ
により、温度測定部の温度が正確に測定される。
【0013】更に、絶縁部材は窒化ケイ素を含むセラミ
ックスにより構成されると共に、発熱層,第1の温度測
定層および第2の温度測定層はタングステン,炭化タン
グステンおよびモリブデンからなる群のうちの少なくと
も1種を含むように構成されることが好ましい。この場
合、発熱層,第1の温度測定層および第2の温度測定層
は窒化ケイ素、シリマナイト、ムライト、窒化アルミニ
ウム、酸窒化ケイ素およびサイアロンからなる群のうち
の少なくとも1種を更に含むように構成されることが好
ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0015】図1は本発明の一実施の形態に係る着火素
子の構成を分解して表すものであり、図2は図1に示し
た着火素子の外観構成を表すものである。この着火素子
は、例えば、絶縁部材11の内部に並列回路を構成する
複数の発熱層12が埋設されると共に、異なる2箇所の
温度を測定するための第1の温度測定層13と第2の温
度測定層14とがそれぞれ埋設された素子本体10を有
している。なお、このうち発熱層12は本発明の「発熱
手段」の一具体例に該当し、第1の温度測定層13およ
び第2の温度測定層14は本発明の「温度測定手段」の
一具体例に該当している。
【0016】絶縁部材11は、例えば、一方向に伸長さ
れた直方体形状とされており、窒化ケイ素を含むセラミ
ックスにより構成されている。中でも、絶縁部材11
は、窒化ケイ素と酸化ケイ素と酸化アルミニウムとを含
む複合材料(いわゆるサイアロン)により構成されるこ
とが好ましい。サイアロンは、緻密性が高く、耐酸化性
および機械的強度にも優れた材料だからである。サイア
ロンにおける窒化ケイ素と酸化ケイ素と酸化アルミニウ
ムとの割合は、例えば、窒化ケイ素100molに対し
て酸化ケイ素が5〜30mol、好ましくは9〜21m
ol、酸化アルミニウムが3〜10mol、好ましくは
4〜8molの範囲内が好適である。これらの範囲内に
おいて緻密性を高くすることができると共に、耐酸化性
および機械的強度を高くすることができるからである。
【0017】絶縁部材11は、更に、希土類元素を含有
していてもよく、この希土類元素は例えば酸化物として
含有される。好ましい希土類元素としては、イットリウ
ム(Y)、サマリウム(Sm)、ランタン(La)、セ
リウム(Ce)、ネオジム(Nd)あるいはイッテルビ
ウム(Yb)などが挙げられ、中でも、イットリウム、
ランタンおよびセリウムが好ましい。なお、含まれる希
土類元素は1種でもよく、2種以上が組み合わされてい
てもよい。
【0018】発熱層12は、絶縁部材11の伸長方向に
おける一端部側に断面積が他の部分よりも小さくなるよ
うに形成された発熱部12aを有すると共に、絶縁部材
11の伸長方向における他端部側に絶縁部材11から露
出された一対の露出部12bをそれぞれ有している。発
熱部12aの断面積は、例えば、他の部分における断面
積の1/5以下1/100以上とされることが好まし
い。発熱部12aにおいて効率的に発熱させることがで
きるからである。
【0019】発熱層12は、高融点、低熱膨張率および
低電気比抵抗を有する材料、例えば融点2000℃以
上、熱膨張率6.0×10-6/℃以下、電気比抵抗10
-5Ω・cm以下である材料により構成されることが好ま
しい。このような材料としては、タングステン,炭化タ
ングステンおよびモリブデン(Mo)などが挙げられ、
これらの2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。中
でも、タングステンと炭素(C)との原子比が1:0.
4から1:0.98の炭化タングステンが特に好まし
い。タングステンがケイ化されにくく、抵抗値の増加を
防止することができるからである。
【0020】発熱層12は、更に、窒化ケイ素、シリマ
ナイト、ムライト、窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素お
よびサイアロンからなる群のうちの少なくとも1種を体
積占有率で65%以下、更には10%以上60%以下の
範囲内で含有していることが好ましい。抵抗温度特性を
損なうことなく、絶縁部材11との接合性を高めること
ができ、サイクル特性および連続通電特性などの信頼性
を向上させることができるからである。なお、この体積
占有率とは、物質が室温(25℃)で混合状態にあると
き、各々の物質の占有する体積を百分率表示したもので
ある。
【0021】第1の温度測定層13は、絶縁部材11の
伸長方向における一端部側に断面積が他の領域よりも小
さくなるように形成された温度測定部13aを有すると
共に、絶縁部材11の伸長方向における他端部側に絶縁
部材11から露出された一対の露出部13bをそれぞれ
有している。温度測定部13aの断面積は、例えば、他
の部分のうち最も小さい断面積の1/5以下1/100
以上とされることが好ましい。温度測定部13a以外の
温度の影響を排除し、温度測定部13の温度を正確に測
定するためである。
【0022】第2の温度測定層14も、同様に、絶縁部
材11の伸長方向における一端部側に断面積が他の領域
よりも小さくなるように形成された温度測定部14aを
有すると共に、絶縁部材11の伸長方向における他端部
側に絶縁部材11から露出された一対の露出部14bを
それぞれ有している。温度測定部14aの断面積も、他
の部分のうち最も小さい断面積の1/5以下1/100
以上とされることが好ましい。
【0023】なお、第1の温度測定層13の温度測定部
13aと第2の温度測定層14の温度測定部14aと
は、着火により温度測定部13aと温度測定部14aと
の温度差が変化して一定の基準値以上となる位置にそれ
ぞれ設けられることが好ましい。例えば、発熱層13の
発熱により絶縁部材11の伸長方向において発熱部13
aの中央部を中心として温度分布がほぼ対称となる領域
が存在する場合には、温度測定部13a,14aはその
領域において温度差が基準値よりも小さいほぼ対称な位
置にそれぞれ設けられることが好ましい。このような位
置に設けるようにすれば、着火前は発熱層13の発熱に
より2箇所はほぼ等しく加熱されそれらの温度差は基準
値よりも小さいのに対して、着火後は炎に近い方がより
加熱されて温度が高くなり、それらの温度差は基準値以
上となるので、その温度差から容易に着火を検出できる
からである。
【0024】例えば、図3に示したように、発熱部13
aの発熱により絶縁部材11の伸長方向において最も温
度が高くなる中心領域Aが存在する場合には、中心領域
Aよりも一端部側の領域Bに温度測定部13aを設ける
と共に、中心領域Aよりも他端部側において発熱部13
aにより領域Bとほぼ同様に加熱される領域Cに温度測
定部14aを設けるようにすることが好ましい。
【0025】また、発熱層13の発熱により一定の範囲
で温度分布が均一となる領域が存在する場合には、温度
測定部13a,14aはその領域において着火後の炎と
の距離が異なる位置にそれぞれ設けられることが好まし
い。このような位置に設けるようにすれば、着火前は発
熱層13の発熱により2箇所は等しく加熱されそれらに
は温度差がないのに対して、着火後は炎に近い方がより
加熱されて温度が高くなり、それらに基準値以上の温度
差が生じるからである。なお、発熱層13の発熱により
温度分布がほぼ対称となる領域が存在しない場合であっ
ても、温度測定部13a,14aは発熱層13によりほ
ぼ等しく加熱される位置にそれぞれ設けられることが好
ましい。同様に着火後はそれらの温度差が基準値以上と
なり着火を容易に検出できるからである。
【0026】これら第1の温度測定層13および第2の
温度測定層14は、発熱層12と同様に、高融点、低熱
膨張率および低電気比抵抗を有する材料、例えば融点2
000℃以上、熱膨張率6.0×10-6/℃以下、電気
比抵抗10-5Ω・cm以下である材料により構成される
ことが好ましく、更に、窒化ケイ素、シリマナイト、ム
ライト、窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素およびサイア
ロンからなる群のうちの少なくとも1種を体積占有率で
65%以下、更には10%以上60%以下の範囲内で含
有していることが好ましい。本実施の形態では、例え
ば、発熱層12と同一の材料により構成されている。
【0027】また、素子本体10には、発熱層12の一
対の露出部12bに対応して発熱層12と電気的に接続
された一対の発熱層用電極21がそれぞれ設けられい
る。更に、素子本体10には、第1の温度測定層13の
一方の露出部13bおよび第2の温度測定層14の一方
の露出部14bにそれぞれ対応してそれらと電気的に接
続された温度測定層用共通電極22が設けられると共
に、第1の温度測定層13の他方の露出部13bに対応
して第1の温度測定層13と電気的に接続された第1の
温度測定層用電極23、および第2の温度測定層14の
他方の露出部14bに対応して第2の温度測定層14と
電気的に接続された第2の温度測定層用電極24がそれ
ぞれ設けられている。
【0028】発熱層用電極21は、発熱層12と構成元
素の少なくとも一部が共通する材料により構成されるこ
とが好ましく、例えば、タングステン,炭化タングステ
ンおよびモリブデンからなる群のうちの少なくとも1種
を主成分として含むように構成されることが好ましい。
発熱層12との接続性を高めることができるからであ
る。発熱層用電極21は、また、ニッケル(Ni)およ
びコバルト(Co)からなる群のうちの少なくとも1種
を添加物として含むように構成されることが好ましい。
絶縁部材11との接合性を高めることができるからであ
る。
【0029】発熱層用電極21における主成分と添加物
との割合は、質量比で主成分100に対して添加物が
0.01以上4.0以下の範囲内であることが好まし
い。主成分100に対して添加物が0.01未満では絶
縁部材11との接合性を十分に高めることができず、添
加物が4.0を超えると素子の強度が低下してしまうか
らである。
【0030】発熱層用電極21は、更に、発熱層12と
同様に、窒化ケイ素、シリマナイト、ムライト、窒化ア
ルミニウム、酸窒化ケイ素およびサイアロンからなる群
のうちの少なくとも1種を体積占有率で65%以下、更
には10%以上60%以下の範囲内で含有していてもよ
い。絶縁部材11との接合性を更に高めることができる
からである。
【0031】温度測定層用共通電極22,第1の温度測
定層用電極23および第2の温度測定層用電極24は、
発熱層用電極21と同様の材料によりそれぞれ構成され
ている。
【0032】このような着火素子は、例えば、次のよう
にして製造することができる。
【0033】まず、絶縁部材11を形成する窒化ケイ素
を含む原料粉末、例えば、窒化ケイ素粉末,酸化アルミ
ニウム粉末,酸化ケイ素粉末および必要に応じて希土類
元素の酸化物粉末を用意し、必要ならば、これに公知の
バインダーや分散剤などを添加して、ボールミルなどに
より湿式混合してスラリーを調製する。次いで、このス
ラリーをドクターブレード法、プレス成形法あるいは押
し出し成形法などにより成形しグリーンシートとする。
【0034】続いて、発熱層12を形成する原料粉末、
例えば、タングステン粉末,炭化タングステン粉末およ
びモリブデン粉末のうちの少なくとも1種と、必要に応
じて窒化ケイ素粉末,シリマナイト粉末,ムライト粉
末,窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素およびサイアロン
のうちの少なくとも1種とを用意し、必要ならば、これ
に公知のバインダーや分散剤などを添加して、ボールミ
ルなどにより湿式混合して発熱層ペーストを調製する。
なお、炭化タングステン粉末に代えて、炭素粉末とタン
グステン粉末とを用いてもよい。発熱層ペーストを調整
したのち、この発熱層ペーストを先に形成したグリーン
シートの表面に所定のパターンで印刷する。
【0035】また、第1の温度測定層13および第2の
温度測定層14を形成する原料粉末、例えば発熱層12
の原料粉末と同一のものを用意し、発熱層ペーストと同
様にしてて温度測定層ペーストを調整する。温度測定層
ペーストを調整したのち、この温度測定層ペーストを先
に形成したグリーンシートの表面に所定のパターンで印
刷する。
【0036】そののち、発熱層ペーストを印刷したグリ
ーンシートと温度測定層ペーストを印刷したグリーンシ
ートと未印刷のグリーンシートとを所定数積層し、ホッ
トプレス焼成方法、常圧焼成法、窒素ガス圧力焼成法あ
るいは熱間静水圧(HIP)焼成法などの公知の方法に
より焼成して焼結体を形成する。焼成温度は、通常、1
900℃以下、好ましくは1700℃〜1800℃の範
囲で設定され、雰囲気は窒素ガス(N2 )などの非酸化
性雰囲気とされることが好ましい。焼結体を形成したの
ち、この焼結体を所定の形状に加工して素子本体10を
形成する。
【0037】素子本体10を形成したのち、発熱層用電
極21,温度測定層用共通電極22,第1の温度測定層
用電極23および第2の温度測定層用電極24をそれぞ
れ形成する原料粉末、例えば、タングステン粉末,炭化
タングステン粉末およびモリブデン粉末のうちの少なく
とも1種と、必要に応じてニッケル粉末およびコバルト
粉末のうちの少なくとも1種とを用意し、必要ならば、
これに公知のバインダーや分散剤などを添加して、ボー
ルミルなどにより湿式混合して電極ペーストを調製す
る。なお、炭化タングステン粉末に代えて、炭素粉末と
タングステン粉末とを用いてもよい。
【0038】電極ペーストを調整したのち、この電極ペ
ーストを先に形成した素子本体10の露出部12b,1
3b,14bに対応して塗布し焼成する。その際、焼成
温度は例えば1400℃〜1900℃の範囲で設定さ
れ、窒素ガスなどの非酸化性雰囲気とされることが好ま
しい。また、焼成温度を1400℃〜1500℃の範囲
とする場合には、0.67Pa以下の真空中で焼成する
ようにしてもよい。これにより、素子本体10に発熱層
用電極21,温度測定層用共通電極22,第1の温度測
定層用電極23および第2の温度測定層用電極24がそ
れぞれ形成され、図1および図2に示した着火素子が得
られる。
【0039】また、この着火素子は、次のようにしても
製造することができる。
【0040】まず、先の製造方法と同様にして、グリー
ンシートを形成し、その表面に発熱層ペーストおよび温
度測定層ペーストを印刷する。次いで、黒鉛またはプラ
スチックなどよりなる基板を用意し、その上に窒化ホウ
素あるいは炭化ケイ素などよりなる離型材シートを配
し、発熱層ペーストを印刷したグリーンシートと温度測
定層ペーストを印刷したグリーンシートと未印刷のグリ
ーンシートとを所定の順序で所定数積層する。続いて、
この積層体を所定形状に切断して前駆体チップを形成し
たのち、先の製造方法と同様にして作製した電極ペース
トを発熱層用電極21,温度測定層用共通電極22,第
1の温度測定層用電極23および第2の温度測定層用電
極24の形成予定領域に塗布する。
【0041】電極ペーストを塗布したのち、必要に応じ
て隣り合う前駆体チップの間の電極ペースト層を切断す
る。そののち、例えば、電極ペースト層の表面に窒化ホ
ウ素などの難焼結材料を溶媒に分散させた難焼結材ペー
ストを塗布し、先の製造方法と同様にして焼成する。こ
れにより、先駆体チップおよび電極ペースト層が焼結さ
れ、図1および図2に示した着火素子が得られる。な
お、突起付きスペーサを用いることにより、焼成後破断
により素子化するようにしてもよい。
【0042】この着火素子は、例えば、次のように動作
する。
【0043】この着火素子は、例えば、発熱層用電極2
1,温度測定層用共通電極22,第1の温度測定層用電
極23および第2の温度測定層用電極24に銀ろうなど
を介して図示しないリード線がそれぞれ接続されると共
に、これらリード線に図示しない外部電源が接続されて
用いられる。
【0044】この着火素子では、例えば、発熱層12に
通電させると発熱部12aにおいて発熱する。これによ
り、発熱部12aの近傍は数秒で所定の温度にまで加熱
される。例えば、図3に示した領域Aは1330℃程
度、領域Bは1300℃程度、領域Cは1295℃程度
に加熱される。その際、領域Bの温度は第1の温度測定
層13の抵抗値の変化により測定され、領域Cの温度は
第2の温度測定層14の抵抗値の変化により測定され
る。
【0045】ここでは、領域Bと領域Cとは発熱部12
aにより同様に加熱され、領域Bと領域Cの温度は同様
に上昇するので、領域Bと領域Cとの温度差、すなわち
第1の温度測定層13の温度測定部13aと第2の温度
測定層14の温度測定部14aとの温度差は5℃程度と
小さく、基準値よりも小さくなっている。
【0046】また、この着火素子の近傍には図3に示し
たように燃料供給管31が配設され、この燃料供給管3
1から燃料が供給される。着火素子の発熱により近傍の
燃料が加熱され所定の温度以上となると、燃料に着火す
る。着火すると、その炎32により着火素子の領域Bは
領域Cよりも加熱され、温度が上昇する。例えば、領域
Aは1332℃程度、領域Bは1310℃程度、領域C
は1295℃程度に加熱される。
【0047】よって、領域Bと領域Cとの温度差、すな
わち第1の温度測定層13の温度測定部13aと第2の
温度測定層14の温度測定部14aとの温度差は15℃
程度と基準値以上になる。すなわち、温度測定部13
a,14aの温度差が基準値以上であるか基準値よりも
小さいかにより、着火が検出される。このようにして着
火が検出されたのち、発熱層12への通電は停止され
る。
【0048】このように本実施の形態によれば、絶縁部
材11の内部に異なる2箇所の温度を測定するための第
1の温度測定層13と第2の温度測定層14とを備える
ようにしたので、その2箇所の温度差の変化から着火を
容易に検出することができる。よって、装置の構造を簡
素化および小型化することができる。
【0049】なお、第1の温度測定層13の温度測定部
13aおよび第2の温度測定層14の温度測定部14a
を、着火によりそれらの温度差が変化して基準値以上と
なる位置にそれぞれ設けるようにすれば、簡単に精度よ
く着火を検出することができる。
【0050】また、第1の温度測定層13および第2の
温度測定層14について、温度測定部13a,14aの
断面積を他の部分の断面積の1/5以下1/100以上
とするようにすれば、他の部分の温度の影響を排除する
ことができ、温度測定部13a,14aの温度を正確に
測定することができる。
【0051】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態で
は、絶縁部材11または発熱層12などの各構成要素を
構成する材料について具体的な例を挙げて説明したが、
本発明は、他の材料により構成要素を構成する場合につ
いても適用することができる。
【0052】例えば、上記実施の形態では、発熱層12
と第1の温度測定層13および第2の温度測定層14と
を同一の材料により構成する場合について説明したが、
互いに異なる材料により構成するようにしてもよい。こ
れは、発熱層用電極21,温度測定用共通電極22,第
1の温度測定用電極23および第2の温度測定用電極2
4についても同様である。
【0053】また、上記実施の形態では、第1の温度測
定層13の温度測定部13aと第2の温度測定層14の
温度測定部14aとを、発熱層13の発熱によりほぼ等
しく加熱される位置にそれぞれ設ける場合について説明
したが、発熱層13によりほぼ等しく加熱される位置で
なくても、着火により温度差が変化する位置に温度測定
部13a,14aを設けるようにすれば、それらの温度
差の変化から着火を検出することができる。但し、上記
実施の形態で説明したように、発熱層13の発熱により
等しくまたはほぼ等しく加熱される位置に温度測定部1
3a,14aをそれぞれ設けるようにした方が、簡単に
精度良く着火を検出することができるので好ましい。
【0054】更に、上記実施の形態では、製造方法につ
いて具体的に例を挙げて説明したが、他の方法により製
造することもできる。例えば、上記実施例では、発熱層
ペーストを印刷したグリーンシートと温度測定層ペース
トを印刷したグリーンシートと未印刷のグリーンシート
とを積層して焼成するようにしたが、絶縁部材11の原
料を含むスラリー,発熱層ペーストおよび温度測定用ペ
ーストを基板の上に所定の順に印刷して積層し焼成する
ようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の着火
素子によれば、異なる2箇所の温度を測定するための温
度測定手段を備えるようにしたので、また、請求項2な
いし請求項6のいずれか1に記載の着火素子によれば、
異なる2箇所の温度を測定するための第1の温度測定層
と第2の温度測定層を備えるようにしたので、2箇所の
温度差の変化から着火を容易に検出することができる。
よって、装置の構造を簡素化および小型化することがで
きるという効果を奏する。
【0056】特に、請求項3ないし請求項6のいずれか
1に記載の着火素子によれば、第1の温度測定層の温度
測定部および第2の温度測定層の温度測定部を、着火に
よりそれらの温度差が変化して基準値以上となる位置に
それぞれ設けるようにしたので、簡単に精度よく着火を
検出することができるという効果を奏する。
【0057】また、請求項4ないし請求項6のいずれか
1に記載の着火素子によれば、第1の温度測定層および
第2の温度測定層について、温度測定部の断面積を他の
部分の断面積の1/5以下1/100以上とするように
したので、他の部分の温度の影響を排除することがで
き、温度測定部の温度を正確に測定することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る着火素子の構成を
表す部分分解斜視図である。
【図2】図1に示した着火素子の外観構成を表す斜視図
である。
【図3】図1に示した着火素子の一部を拡大して表す断
面図である。
【符号の説明】
10…素子本体、11…絶縁部材、12…発熱層(発熱
手段)、12a…発熱部、12b…露出部、13…第1
の温度測定層(温度測定手段)、13a…温度測定部、
13b…露出部、14…第2の温度測定層(温度測定手
段)、14a…温度測定部、14b…露出部、21…発
熱層用電極、22…温度測定層用共通電極、23…第1
の温度測定層用電極、24…第2の温度測定層用電極、
31…燃料供給管、32…炎。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱手段と、 異なる2箇所の温度を測定し、その温度差の変化から着
    火を検出するための温度測定手段とを備えたことを特徴
    とする着火素子。
  2. 【請求項2】 絶縁部材の内部に発熱層が埋設された着
    火素子であって、 前記絶縁部材の内部に埋設され、異なる2箇所の温度を
    測定するための第1の温度測定層と第2の温度測定層と
    を備えたことを特徴とする着火素子。
  3. 【請求項3】 前記第1の温度測定層の温度測定部およ
    び前記第2の温度測定層の温度測定部は、着火によりそ
    れらの温度差が変化して基準値以上となる位置にそれぞ
    れ設けられたことを特徴とする請求項2記載の着火素
    子。
  4. 【請求項4】 前記第1の温度測定層および前記第2の
    温度測定層は、温度測定部の断面積が他の部分の断面積
    の1/5以下1/100以上とされたことを特徴とする
    請求項2または請求項3記載の着火素子。
  5. 【請求項5】 前記絶縁部材は窒化ケイ素を含むセラミ
    ックスにより構成され、前記発熱層,前記第1の温度測
    定層および前記第2の温度測定層はタングステン,炭化
    タングステンおよびモリブデンからなる群のうちの少な
    くとも1種を含むことを特徴とする請求項2ないし請求
    項4のいずれか1に記載の着火素子。
  6. 【請求項6】 前記発熱層,前記第1の温度測定層およ
    び前記第2の温度測定層は、更に、窒化ケイ素、シリマ
    ナイト、ムライト、窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素お
    よびサイアロンからなる群のうちの少なくとも1種を含
    むことを特徴とする請求項5記載の着火素子。
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