JP2001256910A - 電子顕微鏡試料室の真空度表示装置 - Google Patents

電子顕微鏡試料室の真空度表示装置

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JP2001256910A
JP2001256910A JP2000066793A JP2000066793A JP2001256910A JP 2001256910 A JP2001256910 A JP 2001256910A JP 2000066793 A JP2000066793 A JP 2000066793A JP 2000066793 A JP2000066793 A JP 2000066793A JP 2001256910 A JP2001256910 A JP 2001256910A
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Nagamitsu Yoshimura
吉村長光
Katsukuni Mochizuki
望月克訓
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子顕微鏡の検鏡時に、一次電子線の制御や二
次電子の信号に悪影響を与えることなく、試料室内の真
空度を従来よりも正確に表示することのできる電子顕微
鏡試料室の真空度表示装置を提供する。 【解決手段】試料室3に連通し、かつ試料室3からは離
れた場所に設置された真空計17と、該真空計17で測
定された真空度を補正する補正手段20と、該補正結果
を試料室3内の真空度として表示する表示手段21とを
備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検鏡中の電子顕微
鏡の試料室内の真空度を従来よりも正確に表示すること
のできる電子顕微鏡試料室の真空度表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の走査型電子顕微鏡(SEM)の試
料室真空排気系のブロック図の一例を図1に示す。図中
1は、SEMの鏡筒部である。鏡筒部1の上部には、電
子銃室2、鏡筒部1の下部には、スペシメン・チャンバ
ー(試料室)3が配置されている。電子銃室2は、鏡筒
部1の内部に設けられたアイソレーション・バルブ4に
より、試料室3から遮断して、密閉できるようになって
いる。また、試料室3には、高真空用の電離真空ゲージ
5が取り付けられ、試料室3内の真空度を測定すること
ができるようになっている。
【0003】電子銃室2と試料室3は、冷却トラップ6
を介して、バッフル7を備えた初段の油拡散ポンプ8、
バッファー・タンク9、バッフル10を備えた2段目の
油拡散ポンプ11、バッファー・タンク12、2段式油
回転ポンプ13の順に直列に配置された真空排気系によ
り、真空引きされる。このうち、バッファー・タンク9
及び12は、真空排気系内の急激な圧力変動を吸収する
手段として設けられているものである。このバッファー
・タンクには、低真空用の熱伝導型真空ゲージ14及び
15が取り付けられており、タンク内部の真空度を恒常
的に測定することができるようになっている。
【0004】また、16はリーク弁であり、試料室3の
真空を破って試料の出し入れを行なうときなどに用いら
れる。試料室3内に導入される気体としては、通常、化
学的に不活性な窒素ガスが用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような構成におい
て、SEMの試料室では、前述したように、検鏡時の真
空度を測定する目的で、ペニングゲージ(Penning gaug
e;PeG)やB−A(Bayard-Alpert)型真空ゲージ
(BAG)などの電離真空ゲージを装着している。とこ
ろが、電離真空ゲージは、気体を電離し、そのイオン電
流を測ることにより、気体密度を測る方式になっている
ため、試料室に直接取り付けると、PeGの場合、電子
銃から放出された電子線を制御したり試料により反射さ
れた電子の信号を検出したりする際に、漏れイオンの影
響があり、高分解能の検鏡に支障があるという問題があ
った。また、PeGの代わりにBAGを用いた場合、熱
フィラメントからの光や熱電子の影響が入るので、検鏡
時にはゲージを点火して使用することができないという
問題があった。
【0006】そこで、電離真空ゲージを電子顕微鏡の検
鏡時にも使えるようにするために、試料位置からかなり
離れた場所、例えば試料室の排気管などに電離真空ゲー
ジを取り付けて、電離真空ゲージが検鏡に及ぼす影響を
極力小さくするようにして、真空計測を行なうのが一般
的であった。ところが、PeGからの漏れイオンやBA
Gからの光や熱電子の影響がないように、これらの電離
真空ゲージを試料室から充分に離れた位置に取り付けれ
ば、今度は、試料室内の真空度を正確に計測することが
困難になる。すなわち、試料室内の圧力は排気管付近の
圧力よりもかなり高いと考えられるにもかかわらず、正
確な圧力は測定できないという問題があった。
【0007】また、電離真空ゲージなどの高真空計を用
いず、気体の熱伝導度が圧力に依存して変化することを
利用した低真空計であるピラニーゲージ(Pirani gaug
e;PiG)を使用すれば、PiGのフィラメント温度
は100〜300℃程度の低温であるから、検鏡に及ぼ
す悪影響はほとんどない。そこで、検鏡時には、SEM
の試料室内に装着されたPiGが、試料室内の真空度の
唯一の目安になっていた。ところが、PiGの圧力測定
可能範囲は100Pa〜1Pa程度の低真空領域である
から、検鏡時に試料室内が1Pa以下の高真空領域に入
っていることは確認できるが、検鏡時の試料室内の真空
圧力である10-6〜10-3Paを正確に測定することは
できないという問題があった。
【0008】また、試料室の真空排気系には冷却トラッ
プが装着されているが、このトラップと排気管部の電離
真空ゲージとは距離的に近い関係にある。そこで、トラ
ップを液体窒素で冷却すると、トラップが排気ライン内
の残留ガスの大半を占める水蒸気に対して大きな排気作
用を示し、電離真空ゲージの表示値は大幅に低下する。
しかしながら、実際には、トラップからかなり離れた試
料室の圧力は、電離真空ゲージの表示値よりも大幅に高
いと考えられる。
【0009】このような場合、試料室内に置かれた試料
近傍の圧力が検鏡するのに充分な高真空域に入っている
ことが確認されないまま、試料の検鏡が行なわれたりす
ると、大切な試料にコンタミネーションを付着させてし
まい、清浄な試料表面を検鏡することができなくなると
いう問題があった。
【0010】本発明の目的は、上述した点に鑑み、電子
顕微鏡の検鏡時に、一次電子線の制御や二次電子の信号
に悪影響を与えることなく、試料室内の真空度を従来よ
りも正確に表示することのできる電子顕微鏡試料室の真
空度表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明にかかる電子顕微鏡試料室の真空度表示装置
装置は、試料室に連通し、かつ試料室からは離れた場所
に設置された真空計と、該真空計で測定された真空度を
補正する補正手段と、該補正結果を試料室内の真空度の
推計値として表示する表示手段とを備えたことを特徴と
している。
【0012】また、前記真空度の補正は、真空等価回路
モデルに基づいて、真空計の設置位置の真空度と試料室
内の真空度の比の値を理論的に算出しておき、その理論
比を前記真空計で測定された真空度の値に乗ずることに
よって行なうことを特徴としている。
【0013】また、前記真空計は、ペニングゲージまた
はB−A型真空ゲージであることを特徴としている。
【0014】また、電子顕微鏡試料室を排気する真空ポ
ンプと電子顕微鏡試料室との間に置かれたトラップと、
該トラップに装着された温度検出素子と、該温度検出素
子によりトラップが冷媒によって冷却されているか否か
を判定する判定手段と、該判定結果に基づいて前記真空
等価回路モデルにトラップによる排気効果を加味するか
しないかを決定する決定手段とを備えたことを特徴とし
ている。
【0015】また、前記温度検出素子はサーミスタであ
ることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図2は、本発明にかかる走査型
電子顕微鏡(SEM)の試料室真空排気系の一実施例で
ある。図中1は、SEMの鏡筒部である。鏡筒部1の上
部には、電子銃室2、鏡筒部1の下部には、スペシメン
・チャンバー(試料室)3が配置されている。電子銃室
2は、鏡筒部1の内部に設けられたアイソレーション・
バルブ4により、試料室3から遮断して、密閉できるよ
うになっている。また、試料室3から外部に延びた排気
管部には、高真空用の電離真空ゲージ17が取り付けら
れ、試料室3内の真空度を間接的に測定することができ
るようになっている。
【0017】電子銃室2と試料室3は、冷却トラップ6
を介して、バッフル7を備えた初段の油拡散ポンプ8、
バッファー・タンク9、バッフル10を備えた2段目の
油拡散ポンプ11、バッファー・タンク12、2段式油
回転ポンプ13の順に直列に配置された真空排気系によ
り、真空引きされる。このうち、バッファー・タンク9
及び12は、真空排気系内の急激な圧力変動を吸収する
手段として設けられているものである。このバッファー
・タンクには、低真空用の熱伝導型真空ゲージ14及び
15が取り付けられており、タンク内部の真空度を恒常
的に測定することができるようになっている。
【0018】また、16はリーク弁であり、試料室3の
真空を破って試料の出し入れを行なうときなどに用いら
れる。試料室3内に導入される気体としては、通常、化
学的に不活性な窒素ガスが用いられる。
【0019】図3は、本発明の主要部分の一実施例を示
したものである。電子顕微鏡の試料室3は、試料室3に
連通した排気管18とトラップ6を介して、真空ポンプ
により真空引きされている。そして、排気管18には電
離真空計17、トラップ6にはサーミスタなどの温度検
出素子19が取り付けられている。電離真空計17の測
定した排気管部18の真空度、および温度検出素子19
の測定したトラップ6の温度信号は、補正手段20に入
力され、電離真空計17で測定された排気管部18の真
空度の値を電子顕微鏡の測定室3内の真の真空度の値に
近づけるための補正用データとして使用される。補正手
段20で補正された電離真空計17の真空度の値は、デ
ィスプレイなどの表示手段21により、試料室3内の真
空度の推計値として表示される。
【0020】図4は、本発明にかかる電子顕微鏡試料室
の真空度表示装置の動作の一実施例を示したものであ
る。本発明では、温度検出素子としてサーミスタをトラ
ップに装着し、サーミスタの抵抗値の変化によってトラ
ップ不使用時か(例えば0℃以上)、あるいはトラップ
冷却時か(例えば0℃以下)を判定し、それぞれの場合
に応じて、その補正係数k1またはk2を真空ゲージの指
示圧力PGに乗じ、その結果を試料室圧力として表示す
るようにする。
【0021】ところで、SEMの試料室真空排気系には
次のような特徴がある。
【0022】(1)試料室の容積は非常に大きく、スペ
クトロメータが3個装着される場合には40Lにも及
ぶ。試料室には大型可動ステージが装着され、真空シー
ルには太く大きいバイトンOリングが使用されている。
そして、試料室やスペクトロメータは、通常、鉄鋳物で
製作されているので、試料室内の全ガス放出量は非常に
大きく、長時間の排気作業後においても、なお10-2
a・L/sのオーダーである。従って、試料室のガス負
荷は、排気管部のガス負荷と比べると、桁違いに大き
い。
【0023】(2)バイトンOリングシールは、大気中
の水蒸気を透過させる。湿度の高い夏季においては、そ
の透過量は、単位露出面積当たり2.3×10-5Pa・L
/s・cmに達することもある。そして、試料室内の残
留ガスの大半(80%程度)が水蒸気であることが判っ
ている。
【0024】(3)(1)と(2)のような状況である
から、試料室内の圧力は、排気時間と共に単純に減少す
るのではなく、電子顕微鏡設置室の湿度や温度、そして
排気時間に依存して複雑な圧力経過を示す。
【0025】(4)実用のSEMにおいては、試料室に
電離真空ゲージを装着し、検鏡時に点火して使用するこ
とはできない。この理由は、前述した通り、真空ゲージ
から出る漏れイオン、光、熱電子などが、一次電子線の
制御や二次電子の信号に悪影響を与えるためである。し
かし、試料室から遠く離れたトラップ近傍の排気管部で
あれば、電離真空ゲージ(PeGやBAG)を取り付け
て、検鏡時に圧力を測定することができる。
【0026】従って、(1)から(4)までの特徴を考
慮して、排気管部に取り付けられた真空ゲージの指示圧
力に、計算で求めた所定の補正係数を乗じれば、試料室
内の圧力を従来よりも正確に、真の値により近い値とし
て表示することができる。この補正係数は、真空等価回
路モデルを採用することにより、理論的に計算して求め
ることができる。以下、その計算方法を説明する。
【0027】先ず、トラップ不使用時の有効排気速度を
求める。高真空排気系において、真空ゲージが設置され
ている位置での、水蒸気に対する系の有効排気速度をS
G(L/s)、高真空ポンプ(バッフル付き)の排気速
度をSP(L/s)、真空ゲージ位置からトラップまで
の排気管部分のコンダクタンスをCT-G(L/s)、ト
ラップ(室温)のコンダクタンスをCTとすると、有効
排気速度SGは式(1)で表わされる。
【0028】 1/SG = 1/CT-G + 1/CT + 1/SP ・・・・・・・・・・・・・(1) また、試料室排気口における高真空排気系の有効排気速
度をSS(L/s)、試料室排気口とトラップの間の排
気管部分のコンダクタンスをCT-S(L/s)とする
と、有効排気速度SSは式(2)で表わされる。
【0029】 1/SS = 1/CT-S + 1/CT + 1/SP ・・・・・・・・・・・・・(2) 次に、トラップ冷却時の有効排気速度を求める。液体窒
素温度のトラップ冷却面が示す水蒸気に対する排気速度
をST(L/s)とすると、真空ゲージ位置での系の排
気速度SG(L/s)と試料室排気口における系の有効
排気速度SS(L/s)は、それぞれ式(3)、及び式
(4)で表わされる。
【0030】 1/SG = 1/CT-G + 1/ST ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 1/SS = 1/CT-S + 1/ST ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) 次に、試料室排気管部に真空ゲージ・PeG(あるいは
BAG)を取り付け、その指示圧力をPGとする。試料
室には、広いチャンバー壁面、太く大きいバイトンOリ
ング、そしてシリコンウェハ等のための大型試料用試料
ステージ等が存在しているため、試料室のガス放出量
は、排気管部分のガス放出量に比べると桁違いに大き
い。このような場合、試料室の全ガス負荷(通常ガス放
出量)をQSとすると、真空ゲージ位置における圧力PG
と試料室における圧力PSは、それぞれ式(5)、及び
式(6)で表わされる。
【0031】 PG = QS/SG ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5) PS = QS/SS ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) 式(5)及び式(6)から、試料室の圧力PSは、真空
ゲージPGの値と補正係数(SG/SS)とを用いて、式
(7)のように求められる。
【0032】 PS = PG×(SG/SS)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7) 以下に、排気管のコンダクタンスの値や油拡散ポンプ
(DP、バッフル付き)の排気速度の値に実際の数値を
適用して、トラップが室温の場合と液体窒素温度の場合
における補正係数(SG/SS)の値を求める。
【0033】*試料室とトラップの間の排気管(内径〜
8cm、長さ〜30cm)のコンダクタンス: 対空気:〜170L/s。
【0034】対水蒸気:〜220L/s。
【0035】*真空ゲージとトラップの間の排気管(内
径〜8cm、長さ〜10cm)のコンダクタンス: 対空気:〜300L/s。
【0036】対水蒸気:〜390L/s。
【0037】*トラップ(4インチ、室温)のコンダク
タンス: 対空気:〜200L/s。
【0038】対水蒸気:〜260L/s。
【0039】*液体窒素冷却時のトラップの排気速度: 対水蒸気:〜1000L/s。
【0040】*水冷バッフル付き油拡散ポンプ(4イン
チ)の排気速度: 対空気:〜200L/s。
【0041】対水蒸気:〜260L/s。
【0042】残留ガスの80%以上は水蒸気であること
が判っているから、残留ガスを水蒸気と見なして解析を
行なう。
【0043】(1)トラップが室温の場合。
【0044】 1/SG = 1/390 + 1/260 + 1/260 = 4/390 ∴ SG = 98(L/s) 1/SS = 1/220 + 1/260 + 1/260 = 350/(220×130) ∴ SS = 82(L/s) ∴ PS = PG×(98/82) = 1.2×PG ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8) (2)トラップが液体窒素温度に冷却されている場合。
【0045】 1/SG = 1/390 + 1/1000 = 1390/(390×1000) ∴ SG = 280(L/s) 1/SS = 1/220 + 1/1000 = 1220/(220×1000) ∴ SS = 180(L/s) ∴ PS = PG×(280/180) = 1.6×PG ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9) 式(8)と式(9)から明らかなように、トラップ不使
用時の補正係数は1.2、トラップ冷却時の補正係数は
1.6である。ここで、図4に示したような電子顕微鏡
試料室の真空度表示装置の一実施例に式(8)と式
(9)を適合させると、図4は図5のように書き改めら
れる。すなわち、トラップを使用しない場合は、排気管
部に取り付けられた真空ゲージの指示圧力に補正係数
1.2を乗じた値を試料室圧力として表示させる。ま
た、トラップが液体窒素温度に冷却されている場合は、
排気管部に取り付けられた真空ゲージの指示圧力に補正
係数1.6を乗じた値を試料室圧力として表示させる。
【0046】どちらの補正係数を選択するかは、トラッ
プに装着されたサーミスタの抵抗値に基づいて判断され
る。
【0047】尚、本実施例では、SEMを主要な対象と
して発明の説明を行なったが、本発明の適用範囲は、単
にSEMのみに限定されるものではない。透過型電子顕
微鏡(TEM)やその他の荷電粒子線装置に対しても同
様に適用できることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の電子顕微鏡
試料室の真空度表示装置によれば、真空等価回路モデル
に基づいて、トラップの使用状況に応じて電子顕微鏡試
料室の排気管部に設けられた真空ゲージの指示圧力を補
正するようにしたので、検鏡中にも、一次電子線の制御
や二次電子の信号に悪影響を及ぼすことなく、従来より
も高い精度で試料室内の真空度を表示することが可能に
なった。その結果、真空度が充分に高い状態を確認しな
がら検鏡を行なうことができるので、大切な試料にコン
タミネーションを付着させることがなくなり、清浄な試
料表面を検鏡することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の走査型電子顕微鏡(SEM)の試料室真
空排気系を示すブロック図である。
【図2】本発明にかかる走査型電子顕微鏡(SEM)の
試料室真空排気系を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる電子顕微鏡試料室の真空度表示
装置の一実施例を示す図である。
【図4】本発明にかかる電子顕微鏡試料室の真空度表示
装置の動作の一実施例を示す図である。
【図5】本発明にかかる電子顕微鏡試料室の真空度表示
装置の動作の一実施例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・鏡筒部、2・・・電子銃室、3・・・試料室、4・・・アイ
ソレーション・バルブ、5・・・電離真空ゲージ、6・・・冷
却トラップ、7・・・バッフル、8・・・油拡散ポンプ、9・・
・バッファー・タンク、10・・・バッフル、11・・・油拡
散ポンプ、12・・・バッファー・タンク、13・・・2段式
油回転ポンプ、14・・・熱伝導型真空ゲージ、15・・・熱
伝導型真空ゲージ、16・・・リーク弁、17・・・電離真空
ゲージ、18・・・排気管、19・・・温度検出素子、20・・
・補正手段、21・・・表示手段。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料室に連通し、かつ試料室からは離れた
    場所に設置された真空計と、該真空計で測定された真空
    度を補正する補正手段と、該補正結果を試料室内の真空
    度の推計値として表示する表示手段とを備えたことを特
    徴とする電子顕微鏡試料室の真空度表示装置。
  2. 【請求項2】前記真空度の補正は、真空等価回路モデル
    に基づいて、真空計の設置位置の真空度と試料室内の真
    空度の比の値を理論的に算出しておき、その理論比を前
    記真空計で測定された真空度の値に乗ずることによって
    行なうことを特徴とする請求項1記載の電子顕微鏡試料
    室の真空度表示装置。
  3. 【請求項3】前記真空計は、ペニングゲージまたはB−
    A型真空ゲージであることを特徴とする請求項1または
    2記載の電子顕微鏡試料室の真空度表示装置。
  4. 【請求項4】電子顕微鏡試料室を排気する真空ポンプと
    電子顕微鏡試料室との間に置かれたトラップと、該トラ
    ップに装着された温度検出素子と、該温度検出素子によ
    りトラップが冷媒によって冷却されているか否かを判定
    する判定手段と、該判定結果に基づいて前記真空等価回
    路モデルにトラップによる排気効果を加味するかしない
    かを決定する決定手段とを備えたことを特徴とする請求
    項1、2、または3記載の電子顕微鏡試料室の真空度表
    示装置。
  5. 【請求項5】前記温度検出素子はサーミスタであること
    を特徴とする請求項4記載の電子顕微鏡試料室の真空度
    表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020059113A1 (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 本田技研工業株式会社 ダイカスト用鋳造金型およびその減圧路コンダクタンス設定方法

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