JP2001255400A - 放射線像変換パネル - Google Patents

放射線像変換パネル

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JP2001255400A
JP2001255400A JP2000064749A JP2000064749A JP2001255400A JP 2001255400 A JP2001255400 A JP 2001255400A JP 2000064749 A JP2000064749 A JP 2000064749A JP 2000064749 A JP2000064749 A JP 2000064749A JP 2001255400 A JP2001255400 A JP 2001255400A
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Hiroshi Ogawa
博 小川
Shinichiro Fukui
真一郎 福井
Yasuo Iwabuchi
康夫 岩渕
Shigeo Hirano
茂夫 平野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線像変換パネルの蛍光体粒子の分散性を
向上させるとともに、感度が高くノイズの低いものとす
る。 【解決手段】 放射線像変換パネルの蛍光体層を、結合
剤と蛍光体と一般式(1) ((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1) {式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個
を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1ま
たは2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R
(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で
表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含
むものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体を利用する
放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、非破壊で医療診断用放射線像
および各種物体の放射線像を得、これを診断、探傷検査
などに用いる手法として、ハロゲン化銀写真感光材料
(以下、単に感光材料とも称する)と放射線増感スクリ
ーンの組合せである放射線写真法がある。この放射線写
真法は、被写体を透過した、あるいは被写体から発せら
れた放射線をスクリーンの蛍光体に照射して励起するこ
とにより近紫外光乃至可視光に変換して感光材料に放射
線画像を形成し、診断、検査するものである。これらの
放射線画像は、支持体の両面または片面にハロゲン化銀
乳剤層を有する感光材料にスクリーンを両面または片面
に密着させ、被写体を介して放射線を照射し、像を露光
し、放射線画像を形成するものである。
【0003】この放射線写真法に代る方法として、たと
えば特開昭 55−12145号等に記載されているような、放
射線エネルギーを吸収した後、可視光や赤外線などの電
磁波で励起することにより蓄積していた放射線エネルギ
ーを蛍光の形で放出する輝尽性蛍光体を用いた放射線画
像変換法が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を
含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートとも
称する)を利用するもので、被写体を透過したあるいは
被検体から発せられた放射線をこのパネルの輝尽性蛍光
体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤
外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起すること
により、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネル
ギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を
光電的に読み取って電気信号を得、得られた電気信号に
基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像と
して再生するものである。
【0004】この放射線像変換方法によれば、従来の放
射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写
真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で
情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利
点がある。従って、この方法は、特に医療診断を目的と
するX線撮影時の直接医療用放射線撮影において利用価
値の非常に高いものである。
【0005】放射線像変換方法に用いられる放射線像変
換パネルは、基本構造として、支持体とその片面に設け
られた輝尽性蛍光体層からなるものである。なお、蛍光
体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要
としない。また、この輝尽性蛍光体層の支持体とは反対
側の表面(支持体に面していない側の表面)には一般
に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的
な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0006】輝尽性蛍光体層は一般に、輝尽性蛍光体と
これを分散状態で含有支持する結合剤とからなるもので
あり、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち
励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するも
のである。従って、被写体を透過したあるいは被検体か
ら発せられた放射線は、その放射線量に比例して放射線
像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには
被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの
蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記励起光を
照射することにより輝尽発光光として放出させることが
でき、この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に
変換することにより放射線エネルギーの蓄積像を画像化
することが可能となる。
【0007】放射線像変換方法は上記のように非常に有
利な画像形成方法であるが、この方法に用いられる放射
線像変換パネルも従来の放射線写真法に用いられる増感
紙と同様に、高感度であってかつ良好な画質(鮮鋭度、
粒状性など)を与えるものであることが望まれる。
【0008】放射線像変換パネルの感度は、基本的には
パネルに含有されている輝尽性蛍光体の総輝尽発光量に
依存し、この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるの
みならず、蛍光体層における蛍光体の含有量によっても
異なる。蛍光体の含有量が多いことはまたX線等の放射
線に対する吸収も大であることを意味するから、一層高
い感度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上す
る。一方、蛍光体層における蛍光体の含有量が一定であ
る場合には、蛍光体粒子が密に充填されているほどその
層厚を薄くすることができるから、散乱による励起光の
広がりを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を
得ることができる。
【0009】本出願人は、蛍光体が密に充填された蛍光
体層を持つ放射線像変換パネルの一つとして、蛍光体層
を圧縮処理することにより蛍光体層の空隙率を低下せし
めた放射線像変換パネルおよびその製造方法をすでに出
願している(特開昭59−126299号、特開昭59−126300号
参照)。
【0010】上記の放射線像変換パネルは、蛍光体層を
圧縮処理することで、蛍光体層中の蛍光体の密度をそれ
までの放射線像変換パネルよりも高くしたものであっ
た。その結果、この放射線像変換パネルは優れた鮮鋭度
を持つものとなったが、その反面、圧縮処理により蛍光
体が一部破壊されるために感度の低下が生じるという問
題があった。このため、輝尽性蛍光体粒子の分散性を改
善し、圧縮処理前に蛍光体の空隙率をできるだけ低下さ
せておくことが検討されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】こうした輝尽性蛍光体
の分散状態を改善するために、輝尽性塗料を調製する際
の分散を長時間行なう方法もあるが、分散時には輝尽性
蛍光体に相当の剪断力が作用するので、輝尽性蛍光体の
特性が損なわれることがあり、さらに放射線像変換パネ
ルの製造に長時間を要することになるため作業効率上も
好ましくない。
【0012】そこで、通常の放射線像変換パネルの製造
方法に、大きな変更を加えることなく、上記のような輝
尽性蛍光体を有効に分散させる方法が検討されており、
このような方法としては、輝尽性蛍光体をシランカップ
リング剤のような表面処理剤により表面処理して用いる
方法(特公平 6-31908号)、蛍光体をチタネート系カッ
プリング剤で処理する方法(特公平8-540363号)が知ら
れている。しかし、これら公知の方法でも、蛍光体の分
散性を高めかつ蛍光体の充填率を高くして感度の高い放
射線像変換パネルを得る方法としては不充分である。こ
れは、上記のカップリング剤を用いて表面処理した輝尽
性蛍光体粒子の分散の安定性は、通常、塗液状態では向
上するが、樹脂成分に対する相溶性は逆に低下する場合
があることに起因するもので、蛍光体層における最終的
な蛍光体の分散状態が充分には改善されないことがある
ためである。
【0013】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、蛍光体粒子の分散性が改善された、感度が高くノイ
ズの低い放射線像変換パネルを提供することを目的とす
るものである。
【0014】また、本発明は、蛍光体の圧縮処理による
感度低下を抑制しつつ蛍光体充填率を高めることができ
る放射線像変換パネルの製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線像変換パ
ネルは、少なくとも、支持体と、該支持体上に設けられ
た蛍光体層とからなる放射線像変換パネルにおいて、前
記蛍光体層が、結合剤と蛍光体と一般式(1) ((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1) {式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個
を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1ま
たは2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R
(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で
表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含
むことを特徴とするものである。
【0016】本発明の放射線像変換パネルとは、輝尽性
蛍光体を使用した放射線画像変換法に用いる輝尽性蛍光
体を含有する放射線画像変換パネルはもちろん、従来の
放射線写真法に用いられる放射線増感スクリーンの双方
を含むものである。
【0017】前記結合剤は、30℃から150℃の軟化
温度または融点を有する熱可塑性エラストマーであるこ
とが好ましく、特に、ポリウレタン樹脂であることが好
ましい。
【0018】本発明の放射線像変換パネルの製造方法
は、少なくとも、支持体と、該支持体上に設けられた、
結合剤と蛍光体と一般式(1) ((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1) {式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個
を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1ま
たは2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R
(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で
表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含
む蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法に
おいて、前記蛍光体層を、前記蛍光体と前記アラルキル
ホスホン酸と前記結合剤とを分散塗工して形成すること
を特徴とするものである。
【0019】前記蛍光体層は、前記蛍光体の粒子を前記
アラルキルホスホン酸で表面処理し、該表面処理された
蛍光体粒子を前記結合剤に分散塗工して形成することが
より好ましい。
【0020】分散塗工して形成された前記蛍光体層は、
前記支持体上に載せ、前記結合剤の軟化温度または融点
以上の温度で前記蛍光体層を圧縮して該蛍光体層と前記
支持体を接着させることが好ましい。(なお、蛍光体層
を形成する際には、蛍光体層がシート状となったものを
支持体上に載せて接着させるので、本発明においては、
蛍光体層を蛍光体シートともいう場合がある。)
【0021】
【発明の効果】本発明の放射線像変換パネルは、蛍光体
層に一般式(1) ((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1) {式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個
を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1ま
たは2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R
(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で
表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸を含ん
でいるので、カップリング剤を蛍光体粒子の表面処理剤
として用いたものと異なり、アラルキルホスホン酸が蛍
光体粒子表面に強固に吸着し、有機質の単分子膜を形成
することができるので、蛍光体粒子間の凝集をほどい
て、蛍光体粒子の均一分散化をおこなうことができ、無
機質の蛍光体粒子と有機質の結合剤間の接着を良好なも
のとすることができる。
【0022】また、本発明の放射線像変換パネルは、蛍
光体粒子表面がアラルキルホスホン酸によって表面処理
されているので、蛍光体粒子が蛍光体層に均一に分散
し、蛍光体粒子表面と結合剤樹脂との親和性が向上し、
蛍光体の充填率が高められた状態とすることができる。
従って、放射線像変換パネルの製造工程の圧縮によっ
て、蛍光体粒子同士が互いに破壊し合うといったことを
抑制することができる。
【0023】さらに、蛍光体層に用いられるアラルキル
ホスホン酸は強い相互作用を持つので、蛍光体層が形成
されたのちにおいても、蛍光体粒子の表面からの脱着が
起こらなくなり、走行耐久性を顕著に向上させることが
できる。また、アラルキルホスホン酸は、スルホン酸等
の他の有機酸化合物に比較して吸水性が低いため、耐水
性および耐久性も良好な放射線像変換パネルとすること
ができる。
【0024】また、本発明の放射線像変換パネルの製造
方法は、蛍光体層を、蛍光体とアラルキルホスホン酸と
結合剤とを分散塗工して、または蛍光体粒子をアラルキ
ルホスホン酸で表面処理し、この表面処理された蛍光体
粒子を結合剤に分散塗工して形成するので、蛍光体粒子
間の凝集をほどいて、アラルキルホスホン酸を蛍光体粒
子表面に強固に吸着させることができ、蛍光体粒子の均
一分散化をおこなうことができる。
【0025】なお、本発明の放射線像変換パネルの製造
方法において、分散塗工して形成された蛍光体層を、支
持体上に載せ、結合剤の軟化温度または融点以上の温度
で蛍光体層を圧縮して蛍光体層と支持体を接着させる場
合には、より蛍光体の破損を防ぐことができる。
【0026】すなわち、圧縮の際、軟化温度もしくは融
点以上の温度にされた結合剤中に分散された蛍光体粒子
は、ある程度の自由度を持った状態で圧力を受けるため
に、加わる圧力によって蛍光体粒子は無理なく配向する
ことができる。しかも蛍光体シートを支持体に固定しな
い状態で載せ、ここに圧力を加え、圧縮しながら支持体
に接着させるので、支持体に固定されていれば蛍光体粒
子を破壊してしまうような圧力で蛍光体シートに圧力を
加えても、蛍光体粒子を配向させるように働かせること
が可能となり、蛍光体シートを薄く延ばし広げることが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の放射線像変換パネ
ルについて詳細に説明する。まず放射線像変換パネルに
おいて使用することができる蛍光体について述べる。
【0028】蛍光体として輝尽性蛍光体を用いる場合
は、先に述べたように放射線を照射した後、励起光を照
射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面か
らは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300
〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であること
が望ましい。本発明の放射線像変換パネルに用いられる
輝尽性蛍光体の例としては、特開昭48−80487号に記載
されているBaSO:AXおよび特開昭48−80489号に記載さ
れているSrSO:AXで表される蛍光体、特開昭53−39277
号に記載されているLiBO:Cu,Ag、特開昭54−4788
3号に記載されているLiO・(BO:CuおよびLi
O・(BO:Cu,Ag、米国特許第3,859,527号明細
書に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO:Er、
およびLaOS:Eu,Sm、特開昭55−12142号に記載され
ているZnS:Cu,Pb、BaO・xAlO:Eu(ただし、0.8≦x
≦10)、および、MIIO・xSiO:A(ただし、MIIはM
g、Ca、Sr、Zn、Cd、またはBaであり、AはCe、Tb、E
u、Tm、Pb、Tl、Bi、またはMnであり、xは、0.5≦x≦
2.5である)、特開昭55−12143号に記載されている(Ba
1−X−y,Mg,Ca)FX:aEu2+(ただし、XはClお
よびBrのうちの少なくとも一つであり、xおよびyは、
0<x+y≦0.6、かつxy≠0であり、aは、10−6
a≦5×10−2である)、特開昭55−12144号に記載さ
れているLnO:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびLu
のうちの少なくとも一つ、XはClおよびBrのうちの少な
くとも一つ、AはCeおよびTbのうちの少なくとも一つ、
そして、xは、0<x<0.1である)、特開昭55−12145
号に記載されている(Ba1−X,M2+ )FX:yA(ただ
し、M 2+はMg、Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なく
とも一つ、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一
つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、および
Erのうちの少なくとも一つ、そしてxは、0≦x≦0.
6、yは、0≦y≦0.2である)、特開昭55−843897号に
記載されているBaFX:xCe・yAで表される蛍光体 特開昭55−160078号に記載されているMIIFX・xA:yLn
(ただし、MIIはBa、Ca、Sr、Mg、Zn、およびCdのう
ちの少なくとも一種、AはBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Z
nO、AlO、YO、LaO、InO、SiO、TiO
、ZrO、GeO、SnO、NbO、TaO、およびT
hOのうちの少なくとも一種、LnはEu、Tb、Ce、Tm、D
y、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、およびGdのうちの少なく
とも一種、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一
種であり、xおよびyはそれぞれ5×10−5≦x≦0.
5、および0<y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍
光体、特開昭56−116777号に記載されている(B
a1−X,MII )F・aBaX:yEu,zA(ただし、MII
はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一
種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも
一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウムのうちの少
なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ
0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10−6≦y≦2×1
0−1、および0<z≦10−2である)の組成式で表わ
される蛍光体、特開昭57−23673号に記載されている(B
a1−X,MII )F・aBaX:yEu,zB(ただし、MII
はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一
種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも
一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a
≦1.25、0≦x≦1、10−6≦y≦2×10−1、および
0<z≦10−2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭57−23675号に記載されている(Ba1−X,MII
)F・aBaX:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜
鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩
素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aは
砒素および硅素のうちの少なくとも一種であり、a、
x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦
1、10−6≦y≦2×10−1、および0<z≦5×10
−1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58−
69281号に記載されているMIIIOX:xCe(ただし、M
IIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の
三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいずれか一方
あるいはその両方であり、xは0<x<0.1である)の
組成式で表わされる蛍光体、特開昭58−206678号に記載
されているBa1−XMX/2X/2FX:yEu2+(ただ
し、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;Lは、Sc、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ば
れる少なくとも一種の三価金属を表わし;Xは、Cl、Br、
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンを表わし;そして、xは10−2≦x≦0.5、yは0
<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開
昭59−27980号に記載されているBaFX・xA:yEu2+(た
だし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、テトラフルオロ
ホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10−6≦x
≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる
蛍光体、特開昭59−38278号に記載されているxM(PO
・NX:yA、M(PO :yAおよびnReX・mA
X′:xEu、nReX・mAX′:xEu,ySm、MX・aM
IIX′ ・bMIIIX″:cAで表される蛍光体、特開
昭59−47289号に記載されているBaFX・xA:yEu2+(た
だし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフルオロ
ケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロ
ジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩からなるヘ
キサフルオロ化合物群より選ばれる少なくとも一種の化
合物の焼成物であり;そして、xは10−6≦x≦0.1、
yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光
体、特開昭59−56479号に記載されているBaFX・xNaX′:
aEu2+(ただし、XおよびX′は、それぞれCl、Br、
およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびaは
それぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)の組
成式で表わされる蛍光体、特開昭59−56480号に記載さ
れているMIIFX・xNaX′:yEu2+:zA(ただし、M II
は、Ba、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′は、それ
ぞれCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲンであり;Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、お
よびNiより選ばれる少なくとも一種の繊維金属であり;
そして、xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびz
は0<z≦10−2である)の組成式で表わされる蛍光
体、特開昭59−75200号に記載されているMIIFX・aM
X′・bM′IIX″・cM IIX・xA:yEu2+(ただ
し、MIIはBa、Sr、およびCaからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MはLi、N
a、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属であり;M′IIはBeおよびMgから
なる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり;M
IIIはAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる
少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属酸化物であ
り;XはCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり;X′、X″、および Xは、F、
Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦2、bは0
≦b≦10−2、cは0≦c≦10−2、かつa+b+c≧
10−6であり;xは0<x≦0.5、yは0<y≦0.2であ
る)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭60−84381号
に記載されているMIIX・aMIIX′:xEu2+(た
だし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′
はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであって、かつ X≠X′であり;そしてa
は0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で
表わされる輝尽性蛍光体、特開昭60−101173号に記載さ
れているMIIFX・aMX′:xEu2+(ただし、M IIはB
a、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;MはRbおよびCsからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;Xは
Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種
のハロゲンであり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして
aおよびxはそれぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2で
ある)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭62−
25189号に記載されているMX:xBi(ただし、MはRbお
よびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x
≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる輝尽
性蛍光体、などをあげることができる。
【0029】また、上記特開昭60−84381号に記載され
ているMIIX・aMIIX′:xEu 輝尽性蛍光体に
は、以下に示すような添加物がMIIX・aMIIX′
1モル当り以下の割合で含まれていてもよい。
【0030】特開昭60−166379号に記載されているbM
X″(ただし、MはRbおよびCsからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″はF、Cl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開
昭60−221483号に記載されているbKX″・cMgX・dM
IIIX′(ただし、MIIIはSc、Y、La、Gdおよび
Luからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属で
あり、X″、XおよびX′はいずれもF、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.
0、0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10
−5≦b+c+dである);特開昭60−228592号に記載
されているyB(ただし、yは2×10−4≦y≦2×10
−1である);特開昭60−228593号に記載されているbA
(ただし、AはSiOおよびPOからなる群より選ば
れる少なくとも一種の酸化物であり、そしてbは10−4
≦b≦2×10−1である);特開昭61−120883号に記載
されているbSiO(ただし、bは0<b≦3×10−2であ
る);特開昭61−120885号に記載されているbSnX″
(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは
0<b≦10−3である);特開昭61−235486号に記載さ
れているbCsX″・cSnX(ただし、X″およびXはそれ
ぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれぞ
れ、0<b≦10.0および10−6≦c≦2×10−2であ
る);および特開昭61−235487号に記載されているbCs
X″・yLn3+(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIから
なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、
LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種
の希土類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0
<b≦10.0および10−6≦y≦1.8×10−1である)。
【0031】また、基本組成式 :(Ba1−a,MII )F
X:zLn ・・・(I) で表される希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン
化物系輝尽性蛍光体を用いてもよい。(ただし、MII
は Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ土類金属を表し、Ln は Ce、Pr、Sm、Eu、Tb、
Dy、Ho、Nd、Er、Tm及び Ybからなる群より選ばれる少
なくとも一種の希土類元素を表し、XはCl、BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表
す。a は0≦a<1、zは0<z≦0.2 の範囲内の数値
を表す。)上記基本組成式(I)中のaは 0.5以下の数
値であることが好ましい。Lnとしては、特にEuまたはCe
であることが好ましい。また、基本組成式(I)はその
組成物が化学量論的に F:X=1:1であることを示している
のではなく、(Ba1−a,MII )FXで表わされる PbFCl
型結晶構造の化合物であることを示している。一般に、
BaFX結晶においてX−イオンの空格子点であるF
(X)中心が多く生成された状態が600〜700nmの光
に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このときFは
Xよりもやや過剰にあることが多い。
【0032】なお、基本組成式(I)では省略している
が、必要に応じて下記のような添加物を(I)に加えて
も良い。
【0033】bA,wN,xNII,yNIII (ただし、NはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ金属化合物を表し、N
IIはMg及びBeからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属化合物を表し、NIIIはAl、Ga、I
n、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少
なくとも一種の三価金属化合物を表す。これらの金属化
合物としては特開昭59-75200号に記載のようなハロゲン
化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるも
のではない。AはAlO、SiO、ZrOなどの金属酸
化物を表わす。BaFX粒子同士の焼結を防止する上では一
次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子で(B
a1−a,MII )FXとの反応性が低いものが好ましく、
特にAlOが好ましい。なお、b、w、x及びyは(Ba
1−a,MII )FXのモル数を1としたときの仕込添加
量であり、0≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0
≦y≦0.3の各範囲内の数値をそれぞれ表す。これらの
数値は焼成やその後の洗浄処理によって減量する添加物
に関しては、最終的な組成物に含まれる元素比を表わし
ているわけではない。また、最終的な組成物において添
加されたままの化合物として残留するものもあれば、Ba
FXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものもあ
る。
【0034】その他、必要に応じて特開昭55-12145号に
記載のZn及びCd化合物、特開昭55-160078号に記載の金
属酸化物であるTiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Zn
O、YO 、LaO、InO、GeO、SnO、Nb
O、TaO、ThO、特開昭56-116777号に記載のZr
及びSc化合物、特開昭57-23673号に記載のB化合物、特
開昭57-23675号に記載のAs及びSi化合物、特開昭59- 27
980号に記載のテトラフルオロホウ酸化合物、特開昭59-
47289号に記載のヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオ
ロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価
もしくは2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物、特開
昭59-56480号に記載のV、Cr、Mn、Fe、Co、及びNiなど
の遷移金属化合物などをさらに添加しても良い。ただ
し、本発明の対象となるのは上述の添加物を含む蛍光体
に限られるものではなく、希土類賦活アルカリ土類金属
フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成を
基本的に含むものであればいかなる物であっても良い。
【0035】上記基本組成式(I)で表される希土類賦
活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体
は、通常は、アスペクト比が1.0〜5.0の範囲にある。本
発明における希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲ
ン化物系輝尽蛍光体は、粒子アスペクト比が1.0〜2.0
(さらに好ましくは、1.0〜1.5)の範囲、粒子サイズの
メジアン径(Dm)が1〜10μm(さらに好ましくは、
2〜7μm)の範囲、かつ、粒子サイズ分布の標準偏差
をσとしたときのσ/Dmが50%以下 (さらに好まし
くは、40%以下)の範囲にあるものである。また、粒子
の形状としては、直方体型、正六面体型、正八面体型、
これらの中間多面体型、14面体型等があり、14面体
型が好ましいが、前記粒子アスペクト比、粒子サイズお
よび粒子サイズ分布を満たすものであれば、必ずしも1
4面体型に限られるものではない。
【0036】上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロ
ピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体およ
びセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体は高
輝度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発
明に用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られる
ものではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射し
た場合に輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるもので
あってもよい。
【0037】上記蛍光体のうち焼成工程の途中または最
終段階で、弱酸化性雰囲気で焼成または冷却を行い粒子
表面を一部酸化させた蛍光体粒子は消去特性が良好で特
に好ましい。
【0038】また、本発明の放射線像変換パネルを放射
線増感スクリーンとして用いる場合に使用される蛍光体
としては、タングステン酸塩系蛍光体(CaWO、MgW
O、CaWO:Pbなど)、テルビウム賦活希土類酸硫化物
系蛍光体(YOS:Tb、GdOS:Tb、LaOS:Tb、
(Y,Gd) OS:Tb、(Y,Gd)OS:Tb,Tmなど)、テルビウ
ム賦活希土類リン酸塩系蛍光体(YPO:Tb、GdPO:T
b、LaPO:Tbなど)、テルビウム賦活希土類オキシハロ
ゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:T
b、LaOCl:Tb,Tm、LaOCl:Tb,Tm、LaOBr:Tb、GdOBr:Tb、G
dOCl:Tbなど)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化
物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tmなど)、硫酸バリウム
系蛍光体(BaSO:Pb、BaSO:Eu2+、(Ba,Sr)SO:Eu
2+など)、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属
リン酸塩系蛍光体(Ba(PO):Eu2+、Ba(P
O):Eu2+など)、2価のユーロピウム賦活アルカ
リ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体(BaFCl:E
U2+、BaFBr:Eu2+,BaFCl:EU2+,Tb、BaFBr:Eu2+,
Tb、BaF・BaCl・KCl:Eu2+、(Ba・Mg)F・BaCl・KC
l:Eu2+など)、ヨウ化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、
NaI、KI:Tlなど)、硫化物系蛍光体(ZnS:Ag、(Zn,Cd)
S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Alなど)、リン酸ハ
フニウム系蛍光体(HfPO:Cuなど)、タンタル酸塩
系蛍光体(YTaO、YTaO:Tm、YTaO:Nb、(Y,Sr)TaO
4−x:Nb、LuTaO、LuTaO:Nb、(Lu,Sr)TaO4−x:N
b、GdTaO:Tm、GdO・TaO・BO:Tbなど)を好
ましく用いることができる。但し本発明に用いられる蛍
光体はこれらに限定されるものではなく、放射線の照射
によって可視または近紫外領域の発光を示す蛍光体であ
れば使用することができる。
【0039】本発明の放射線像変換パネルは、蛍光体層
が上記輝尽性蛍光体または蛍光体と結合剤と一般式
(1) ((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1) {式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個
を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1ま
たは2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R
(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で
表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸を少な
くとも一種含むことを特徴とする。
【0040】本発明に使用するのに好ましいアラルキル
ホスホン酸は一般式(1)において、Arはフェニルまたは
置換フェニル、Rは炭素数1または2の脂肪族基であっ
て、nは1または2であることが好ましい。
【0041】上記表面改質剤は、少なくとも1種の芳香
族環およびホスホン酸基を含有しなければならないが、
一般式(1)から明らかなように、上記ホスホン酸基は
少なくとも1つの炭素原子により芳香族環から分離され
ている。本発明において好ましく用いることができるア
ラルキルホスホン酸としては、フェネチルホスホン酸、
ベンズヒドリルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、およ
びそれらの置換誘導体、例えば4-ニトロベンジルホスホ
ン酸、3-メトキシベンジルホスホン酸、4-メトキシベン
ジルホスホン酸、4-t-ブチルベンジルホスホン酸、4-メ
チルチオベンジルホスホン酸、4-メタンスルホニルベン
ジルホスホン酸、4-トリフルオロメチルベンジルホスホ
ン酸、2,3-ジフルオロベンジルホスホン酸および2,3,4,
5,6-ペンタフルオロベンジルホスホン酸があげられる。
これらアラルキルホスホン酸の合成の詳細は特開平10-7
0022号に記載されている。
【0042】このようなアラルキルホスホン酸は、金属
表面に上記の極性基で吸着もしくは結合する性質を有し
ており、本発明の蛍光体層においても、アラルキルホス
ホン酸は主に蛍光体粒子の表面に上記の極性基で吸着も
しくは結合した状態で存在しているものと推察される。
アラルキルホスホン酸の金属表面への吸着力は、カルボ
ン酸やスルホン酸等のほかの有機酸化合物に比較して、
金属表面から脱着し難い。従って、本発明の蛍光体粒子
の表面には、アラルキルホスホン酸が強く吸着し、且つ
芳香族環等で被覆されたような状態になるので、蛍光体
粒子の樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに蛍光体
粒子の分散安定性も改善されるものと推察される。
【0043】また、蛍光体粉末と結合剤とがアラルキル
ホスホン酸の上記作用により強い相互作用を持つように
なるため、蛍光体層が形成されても、蛍光体粒子の表面
からの脱着が起こらなくなり、走行耐久性が顕著に向上
すると考えられる。さらに、本発明に用いられるアラル
キルホスホン酸は、スルホン酸等の他の有機酸化合物に
比較して吸水性が低いため耐水性および耐久性も良好で
ある。
【0044】本発明の放射線像変換パネルの蛍光体層に
は通常、上記アラルキルホスホン酸が、蛍光体粒子100
重量部に対して通常0.001〜5重量部の範囲内の含有量
で含まれていることが好ましい。特にその含有量を0.00
5〜2重量部の範囲内に設定することにより、蛍光体層
表面の光沢度が高くなるなど蛍光体粒子の分散状態をよ
り良好にすることができる。さらにその含有量を0.01〜
1重量部の範囲内に設定することにより発光特性が著し
く改善される。含有量が0.001重量部より少ない場合に
は、配合の効果が有効に現われないことがあり、また5
重量部より多く配合しても蛍光体粒子の分散状態がそれ
以上向上することは期待できない。
【0045】本発明の放射線像変換パネルは、例えば、
以下に述べる方法によって製造することができる。な
お、ここでは、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パ
ネルの製造方法について説明するが、放射線写真法に用
いられる放射線増感スクリーンも同様に公知の方法で製
造することができる。
【0046】本発明の放射線像変換パネルの製造方法
は、蛍光体粒子を本発明のアラルキルホスホン酸および
結合剤等と分散塗工して蛍光体シートを形成する工程、
および、蛍光体シートを支持体上に載せて結合剤の軟化
温度または融点以上の温度で圧縮しながら蛍光体シート
を支持体上に接着する工程、または、蛍光体粒子をアラ
ルキルホスホン酸によって表面処理する工程、および表
面処理済みの蛍光体と結合剤を分散塗工し蛍光体シート
を形成する工程、および蛍光体シートを支持体上に載
せ、結合剤の軟化温度または融点以上の温度で圧縮しな
がら蛍光体シートを支持体上に接着する工程のいずれに
よっても行うことができる。
【0047】アラルキルホスホン酸を含有させて蛍光体
粒子の分散性を向上させる方法としては、このアラルキ
ルホスホン酸を低沸点の有機溶媒中に溶解もしくは分散
状態にし、この溶液中に蛍光体粒子を投入して混合した
のち、有機溶剤を除去して表面処理した蛍光体粒子を調
製し、この蛍光体粒子を用いて蛍光体層を作製し、放射
線像変換パネルを製造する方法、または蛍光体塗料を調
製する際にアラルキルホスホン酸を、好ましくは蛍光体
塗料調製用溶剤の一部に溶解もしくは分散した状態で投
入して混練分散する方法などにより行うことができる。
【0048】本発明に用いられる結合剤としては、常温
で弾力を持ち、加熱されると流動性を持つようになる熱
可塑性樹脂が好適に用いられる。熱可塑性樹脂の例とし
ては、ポリウレタン、ポリスチレン系エラストマー、ポ
リオレフィン系共重合体、ポリエステル、ポリアミド、
ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル系共
重合体、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素
化ポリエチレン、ブタジエン系共重合体、シリコーンゴ
ムなどをあげることができる。
【0049】上記の熱可塑性樹脂の内、エラストマーが
特に好ましく、そのうち、軟化温度または融点が30℃〜
300℃であるものが一般的に用いられるが、30℃〜150℃
のものを用いることがさらに好ましい。特にポリウレタ
ン樹脂であることが好ましく、さらにはスルホン酸基、
カルボン酸基やリン酸基などの官能基を含むポリウレタ
ン樹脂がより好ましい。
【0050】上記結合剤を蛍光体、溶剤とともに充分に
混合して結合剤溶液中に蛍光体が均一に分散した塗布液
を調製する。
【0051】溶剤としては、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコー
ル;メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩
素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコー
ルとのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテ
ルなどのエーテル;そして、それらの混合物をあげるこ
とができる。
【0052】塗布液における結合剤と蛍光体との混合比
は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種
類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との
混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、
そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが
好ましい。
【0053】なお、塗布液には、形成後の蛍光体層中に
おける結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるため
の可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。
そのような目的に用いられる可塑剤の例としては、リン
酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ジフェニ
ルなどのリン酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸
ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリコール
酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリル
ブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチ
レングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチ
レングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリ
エチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステル
などをあげることができる。
【0054】上記のようにして調製された蛍光体と結合
剤とを含有する塗布液を、次に、シート形成用の仮支持
体の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形
成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、
エクストルージョンコーター、スライドコーター、ドク
ターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを
用いることにより行なうことができる。
【0055】仮支持体は、例えば、ガラス、金属の板、
あるいは従来の放射線写真法における増感紙(または増
感用スクリーン)の支持体として用いられている各種の
材料、あるいは放射線像変換パネルの支持体として公知
の材料から任意に選ぶことができる。そのような材料の
例としては、セルローストリアセテート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボ
ネートなどの樹脂フィルム、アルミニウム合金箔、ステ
ンレス箔などの金属シート、通常の紙、バライタ紙、レ
ジンコート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するビグ
メント紙、ポリビニルアルコールなどをサイジングした
紙、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなど
のセラミックスの板あるいはシートなどをあげることが
できる。
【0056】仮支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布
し、乾燥したのち、仮支持体からはがして放射線像変換
パネルの蛍光体層となる蛍光体シートとする。従って、
仮支持体の表面には予め離型剤を塗布しておき、形成さ
れた蛍光体シートが仮支持体からはがし易くなるように
しておくことが好ましい。
【0057】次に、上記のように形成した蛍光体シート
とは別に、放射線像変換パネルの支持体を用意する。こ
の支持体は、蛍光体シートを形成する際に用いる仮支持
体と同様の材料から任意に選ぶことができる。
【0058】公知の放射線像変換パネルにおいて、支持
体と蛍光体層の結合を強化するため、あるいは放射線像
変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状
性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支
持体表面にポリエステル共重合体、アクリル樹脂共重合
体などの高分子物質を塗布して接着性付与層としたり、
あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反
射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質か
らなる光吸収層等を設けることが知られている。本発明
において用いられる支持体についても、これらの各種の
層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像
変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択するこ
とができる。
【0059】さらに、特開昭59−200200号に記載されて
いるように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的
で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の
表面に接着性付与層、光反射層あるいは光吸収層などが
設けられている場合には、その表面を意味する)には微
小の凹凸が形成されていてもよい。
【0060】分散塗工によって得られた蛍光体シート
は、支持体上に載せて結合剤の軟化温度または融点以上
の温度で、圧縮しながら支持体上に接着する。
【0061】本発明の圧縮処理のために使用される圧縮
装置の例としては、カレンダーロール、ホットプレスな
ど一般に知られているものをあげることができる。たと
えば、カレンダーロールによる圧縮処理は、支持体上に
分散塗工によって得た蛍光体シートを載せ、結合剤の軟
化温度または融点以上に加熱したローラーの間を一定の
速度で通過させることにより行なわれる。ただし、本発
明に用いられる圧縮装置はこれらのものに限られるもの
ではなく、上記のようなシートを加熱しながら圧縮する
ことのできるものであればいかなるものであってもよ
い。圧縮の際の圧力は、5MPa以上であることが好まし
い。
【0062】通常の放射線像変換パネルにおいては、前
述のように支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表
面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護するための
透明な保護膜が設けられている。このような透明保護膜
は、本発明による放射線像変換パネルについても設置す
ることが好ましい。
【0063】透明保護膜は、たとえば、フッ素樹脂共重
合体、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロ
ース誘導体;あるいはポリメチルメタクリレート、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボ
ネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポ
リマーなどの透明な合成樹脂を適当な溶媒に溶解して調
製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成
することができる。あるいは、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどから
なるプラスチックシート;および透明なガラス板などの
保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適
当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成
することができる。保護膜の膜厚は、一般に約0.1乃至2
0μmの範囲であることが好ましい。
【0064】さらに、得られる画像の鮮鋭度を向上させ
る目的で、上記の少なくともいずれかの層に励起光を吸
収し、輝尽発光光は吸収しないような着色層を加えても
よい(特公昭59−23400号参照)。
【0065】以下に本発明の実施例を記載する。ただ
し、これらの各実施例は本発明を制限するものではな
い。
【0066】
【実施例】まず、アラルキルホスホン酸を対応するジエ
チルまたはジメチルエステルから調製した。ベンジルホ
スホン酸ジエチルは、市販のもの(和光純薬(株)製)を
用い、他のジエチルまたはジメチルエステルは、それぞ
れ亜リン酸トリエチルまたは亜リン酸トリメチルとの反
応(アルブゾフ(Arbuzov)反応) による対応するハロゲ
ン化アラルキルから調製した。合成例を以下に説明す
る。
【0067】(合成1:ベンジルホスホン酸の合成)ベ
ンジルホスホン酸を以下の通り調製した。ベンジルホス
ホン酸ジエチル200.40g(878ミリモル)を蒸留水350mlお
よび濃塩酸(〜12モル)と混合した。得られた懸濁液を加
熱して窒素下で20時間還流し、無色透明の溶液を得た。
この溶液から、水性蒸留物を130ml除去した後、残渣を
氷浴を用いて冷却し、濃厚な白色スラリーを得た。上記
スラリーを蒸留水で洗浄して残留塩酸を除去し、室温で
乾燥した後、120℃で一晩減圧乾燥し、ベンジルホスホ
ン酸を得た。
【0068】(合成2:ベンズヒドリルホスホン酸の合
成)ベンズヒドリルホスホン酸を以下の通り調製した。
ブロモジフェニルメタン308.93g(1.45モル)および亜リ
ン酸トリエチル240.93g(1.45モル)を窒素下で混合し、
徐々に加熱して 160℃に維持しながら蒸留により、4時
間以上、ブロモエタン副生成物を除去した。室温に冷却
後、濃塩酸(〜12モル)750mlおよび蒸留水250mlを上記粗
生成物に加え、上記混合物を窒素下で2日間(約40時
間)還流した。上記泡状混合物を冷却し、次いで濾過し
た。得られた固形物を次いで、水洗して残留塩酸を除去
し、n-ヘキサンで洗浄して炭化水素副生成物を除去し
た。上記固形物を次いで減圧乾燥機中で120℃で一晩乾
燥し、ベンズヒドリルホスホン酸250.06g(収率81%)
を得た。
【0069】(合成3:4-t-ブチルベンジルホスホン酸
の合成)4-t-ブチルベンジルブロミド(19.16g、84ミリ
モル)および亜リン酸トリメチル(10.46g、84ミリモ
ル)をアルゴン下で 120℃で6時間加熱し、亜リン酸ト
リメチル10.46gを加え、更に16時間加熱を続けた。メチ
ルホスホン酸ジメチル副生成物を蒸留して除き、4-t-ブ
チルベンジルホスホン酸ジメチルが淡黄色オイル(20.6
g、80ミリモル)として残った。
【0070】この生成物の乾燥アセトニトリル溶液(220
ml)に窒素下でヨウ化ナトリウム(25.6g、170ミリモ
ル)および塩化トリメチルシリル(22ml、170ミリモ
ル)を加えた。直ちに沈殿物を形成し、室温で30分間撹
拌後、エタノール10mlを加え、更に30分間撹拌を続け
た。溶剤を蒸発後、残渣を酢酸エチルおよび水の間で分
配し、水性相を捨てた。上記有機層を2MのNaOHで
抽出し、アルカリ性抽出物をエーテルで洗浄し、10Mの
HClでpH1に酸性化し、次いで酢酸エチルで抽出した
(3×100ml)。上記乾燥抽出物の蒸発により、所望の
酸を淡黄色固形物(12.6g)として得た。
【0071】(実施例1)まず、蛍光体層となる蛍光体
シートを以下のように作製した。蛍光体シート形成用塗
布液として、蛍光体( BaFBr0.850.15:Eu
2+)1000g、結合剤としてポリウレタンエラストマー
(大日本インキ化学工業(株)、ハ゜ンテ゛ックスT-5265H(固形))3
5.5g、架橋剤としてポリイソシアネート(日本ホ゜リウレタン
工業(株)、コロネートHX(固形分100%))4.5g、黄変防止剤
としてエポキシ樹脂(油化シェルエホ゜キシ(株)、エヒ゜コート#1001
(固形))10g、着色剤として群青(第一化成工業
(株)、SM-1)0.02g、アラルキルホスホン酸としてベン
ジルホスホン酸 0.2gを、メチルエチルケトン/トルエ
ン=7/3 の混合溶剤に加え、ディスパーで3時間分散さ
せて、粘度3Pa・s(25℃)の塗布液を調整した。この塗
布液を仮支持体(シリコーン系離型剤が塗布されている
ポリエチレンテレフタレートシート、厚み:180μm)上
にエクストルージョンコーターで塗布し、乾燥した後、
仮支持体から剥離して蛍光体シート(シート厚:300μ
m)を作製した。
【0072】次に、酸化ガドリニウム(GdO)の微
細粒子(全粒子中の 90重量%の粒子の粒子径が1〜5μm
の範囲にあるもの)350g、結合剤として軟質アクリル
樹脂(大日本インキ化学工業(株)、クリスコートP-1018GS(20%
トルエン溶液))1800g、可塑剤としてフタル酸エステル
(大八化学(株)、#10)40g、導電剤としてZnOウィスカ
ー(松下アムテック(株)、ハ゜ナテトラA-1-1)120g、着色剤として
群青(第一化成工業(株)、SM-1)2gを、メチルエチルケ
トンに加え、ディスパーを用いて分散、溶解して、反射
材料層形成用分散液(粘度 0.5Pa・s:20℃)を調整し
た。この反射材料層形成用分散液を、支持体(ポリエチ
レンテレフタレートシート(東レ製ルミラーS−10 25
0μm;ヘイス゛度(typical)=20)、片側にカーボンブラッ
ク,シリカ,結合剤からなる遮光層(約 18μm)が設けら
れているもの)の上に、エクストルージョンコーターを
用いて、遮光層とは反対側に均一に塗布した後、塗膜を
乾燥した。このようにして、層厚が20μmの反射材料層を
形成した。
【0073】続いて、蛍光体シートと反射材料層付き支
持体を重ね合わせ、カレンダーロールを用い、圧力49M
Pa、上側ロール温度75℃、下側ロール温度75℃、送り速
度1.0m/min で連続的に圧縮操作を行った。この加熱圧
縮により、蛍光体シートは支持体に反射材料層を介して
完全に融着した蛍光体層(層厚:210μm)となった。
【0074】次に、フッ素系樹脂としてフルオロオレフ
ィン=ビニルエーテル共重合体(旭硝子(株)、ルミフロンLF-5
04X( 30%キシレン溶液))185g、架橋剤としてポリイソシ
アネート(住友ハ゛イエルウレタン(株)、スミシ゛ュールN3500(固形分10
0%))10g、滑り剤としてアルコール変成シリコーン
(信越化学(株)、X-22-2809(66%キシレン含有ヘ゜ースト))1
g、有機フィラーとしてメラミン−ホルムアルデヒド樹
脂粉末((株)日本触媒、エホ゜スターS6)13g、カップリング
剤としてアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレ
ート(味の素(株)、フ゜レンアクトAL-M)0.2g、触媒としてジ
ブチルチンジラウレート(共同薬品(株)、KS1260)0.7mg
を、メチルエチルケトン133gに添加し、粘度3mPa・sの
塗布液を調整した。この塗布液を、9μm厚PETフィルム
(東レ(株)、ルミラー9-F53)と、耐熱再剥離フィルム(PANAC
(株)、CT38)を貼り合わせたものの上に塗布した後、120
℃で20分間熱処理して熱硬化させるとともに乾燥して、
厚さ2μmの塗布層を設けた。続いて、塗布層を設けた9
μm厚 PETフィルムから、耐熱再剥離フィルムを剥離し、塗
布層と反対側に、ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績
(株)、ハ゛イロン30SS)を塗布・乾燥して接着層(接着剤塗布
重量 2g/m)を設けた。このPETフィルムを、ラミネー
トロールを用いて、蛍光体層上に接着層を介して接着し
て保護層を形成した。さらに、エンボス機にて保護層の
上に粗さがRaで0.4μmのエンボスを付けた。
【0075】次に、20μm厚のOPPフィルム(東レ(株)、ト
レファンYM-11#20)に、ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績
(株)、ハ゛イロン30SS)を塗布・乾燥して接着層(接着剤塗布
重量9g/m)を設けた。このOPPフィルムを、ラミネー
トロールを用いて、支持体の蛍光体層が設けられている
側とは反対側(遮光層側)に、接着層を介して接着してBa
ck保護層を形成した。
【0076】最後に、シリコーン系ポリマーとしてポリ
ジメチルシロキサン単位を有するポリウレタン(大日精
化(株)、タ゛イアロマーSP-3023(15%メチルエチルケトン/トルエン溶液))70
g、架橋剤としてポリイソシアネート(大日精化(株)、
クロスネートD-70(50%溶液))3g、黄変防止剤としてエポキ
シ樹脂(油化シェルエホ゜キシ(株)、エヒ゜コート#1001(固形))0.6
g、滑り剤としてアルコール変性シリコーン(信越化学
(株)、X-22-2809(66%キシレン含有ヘ゜ースト))0.2gをメチル
エチルケトン15gに溶解させ、塗布液を調整した。この
塗布液を、先に製造した保護層が付設された蛍光体シー
トの各側面に塗布した。以上のようにして、上面及び側
面が保護された保護層付き放射線像変換パネルを製造し
た。
【0077】(実施例2)実施例1において、蛍光体シ
ートの作製に用いたベンジルホスホン酸の量を0.5gと
した以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0078】(実施例3)実施例1において、蛍光体シ
ートの作製に用いたベンジルホスホン酸の量を1gとし
た以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0079】(実施例4)実施例1において、蛍光体シ
ートの作製に用いたベンジルホスホン酸の量を5gとし
た以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0080】(実施例5)メチルエチルケトン199.5g
に対して0.5gのベンジルホスホン酸を添加して溶解
し、この溶液に、実施例1で用いた輝尽性蛍光体粒子を
1000gの割合で投入して混合した後、加熱してメチルエ
チルケトンを除去してフェニルホスホン酸処理した輝尽
性蛍光体粒子を得た。
【0081】上記のようにして調製したベンジルホスホ
ン酸処理した輝尽性蛍光体粒子を用い、混練分散時にベ
ンジルホスホン酸を添加しなかった以外は実施例1と同
様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0082】(実施例6)実施例1において、ベンジル
ホスホン酸の代わりにベンズヒドリルホスホン酸を使用
した以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0083】(実施例7)実施例1において、ベンジル
ホスホン酸の代わりに4-t-ブチルベンジルホスホン酸を
使用した以外は同様にして放射線像変換パネルを製造し
た。
【0084】(比較例1)実施例1において、ベンジル
ホスホン酸を除いた以外は実施例1と同様にして放射線
像変換パネルを製造した。
【0085】(放射線像変換パネルの評価)上記のよう
にして製造した、実施例および比較例の各放射線像変換
パネルの蛍光体層における蛍光体充填率を下記の式によ
って求めた。ただし、蛍光体の密度は、5.1g/cm
し、結合剤の密度は、1.14g/cmとした。
【0086】(空隙率の測定・計算)3cm角の蛍光体層
の厚み(d、単位:cm)と重量(W、単位:g)を測定
し、以下の計算式1で密度の理論値と実際の値の差から
空隙率を求めた。
【0087】
【数1】 Wp:蛍光体の単位当たり重量 (g) Wb:バインダの単位当たり重量(g) ρp:蛍光体の密度(約 5.0) ρb:バインダーの密度(約 1.2) (画質の評価)放射線像変換パネルの画質は以下のよう
に評価した。放射線像変換パネルに、管電圧 80kVpのX
線を照射したのち、He-Neレ−ザ−光(632.8nm)で走査
して蛍光体を励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光
を受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によ
って画像として再生して表示装置上に画像を得た。得ら
れた蛍光体層から輝尽発光光量測定し、また、10mRの線
量におけるノイズ(RM)を測定した。測定器は富士写
真フイルム(株)製 FCR9000を使用した。
【0088】(走行性の評価)走行評価は、FCR9000の
メカニズムを模した走行機を使用して、10℃90%RHの
温湿度で1万回走行させた。走行後、画像を再生して画
像に異常が無いか否かを確認し、異常が無かった場合を
○、僅かに異常があった場合を△、異常があった場合を
×と評価した。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】 なお、輝尽発光量は比較例1のパネルの輝尽発光量を10
0とした相対値で表わした。
【0090】表1から明らかなように、アラルキルホス
ホン酸を用いないで放射線像変換パネルを製造した場合
(比較例1)に比較して、本発明の放射線像変換パネル
は蛍光体充填率が高いため輝尽発光量が高く、しかも粒
状性ノイズが低かった。また、走行耐久性にも優れてい
た。
【0091】以上のように、本発明の放射線像変換パネ
ルは蛍光体層にアラルキルホスホン酸を含有させたの
で、輝尽性蛍光体の分散性が向上し、圧縮処理による感
度低下を抑制しつつ蛍光体充填率を高めることができ、
ノイズの低い良好な画像を形成することが可能となっ
た。また、防湿性に優れ、走行耐久性の向上した放射線
像変換パネルとすることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩渕 康夫 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 平野 茂夫 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC02 DD01 DD03 DD04 DD12 DD14 EE02 EE03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、支持体と、該支持体上に設
    けられた蛍光体層とからなる放射線像変換パネルにおい
    て、前記蛍光体層が、結合剤と蛍光体と一般式(1) ((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1) {式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個
    を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1ま
    たは2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R
    (R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で
    表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含
    むことを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 【請求項2】 前記結合剤が、30℃から150℃の軟
    化温度または融点を有する熱可塑性エラストマーである
    ことを特徴とする請求項1記載の放射線像変換パネル。
  3. 【請求項3】 前記結合剤が、ポリウレタン樹脂である
    ことを特徴とする請求項2記載の放射線像変換パネル。
  4. 【請求項4】 少なくとも、支持体と、該支持体上に設
    けられた、結合剤と蛍光体と一般式(1) ((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1) {式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個
    を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1ま
    たは2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R
    (R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で
    表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含
    む蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法に
    おいて、前記蛍光体層を、前記蛍光体と前記アラルキル
    ホスホン酸と前記結合剤とを分散塗工して形成すること
    を特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも、支持体と、該支持体上に設
    けられた、結合剤と蛍光体と一般式(1) ((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1) {式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個
    を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1ま
    たは2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R
    (R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で
    表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含
    む蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法に
    おいて、前記蛍光体層を、前記蛍光体の粒子を前記アラ
    ルキルホスホン酸で表面処理し、該表面処理された蛍光
    体粒子を前記結合剤に分散塗工して形成することを特徴
    とする放射線像変換パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 分散塗工して形成された前記蛍光体層
    を、前記支持体上に載せ、前記結合剤の軟化温度または
    融点以上の温度で前記蛍光体層を圧縮して該蛍光体層と
    前記支持体を接着させることを特徴とする請求項4また
    は5記載の放射線像変換パネルの製造方法。
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