JP2001254223A - 親水性ポリオレフィン系短繊維の製造方法 - Google Patents
親水性ポリオレフィン系短繊維の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 天然パルプとの混抄性に優れるポリオレフィ
ン系短繊維の簡便な製造方法を提供する。 【解決手段】 親水性ポリオレフィン系短繊維の製造方
法は、ポリオレフィンを酸変性ポリオレフィンとともに
押出機前段で溶融混練し、押出機中段部においてこの溶
融混練物に界面活性剤水溶液を添加し、さらに押出機後
段で添加した水溶液が均一に分散するまで混練を続け、
押出機出口より得られる含水極細繊維束を、水分が4重
量%以下となるまで乾燥処理したあと、この乾燥極細繊
維束に剪断力と衝撃力を同時に加えることにより粉砕し
て平均繊維長さ2.5mm以下とすることからなる。
ン系短繊維の簡便な製造方法を提供する。 【解決手段】 親水性ポリオレフィン系短繊維の製造方
法は、ポリオレフィンを酸変性ポリオレフィンとともに
押出機前段で溶融混練し、押出機中段部においてこの溶
融混練物に界面活性剤水溶液を添加し、さらに押出機後
段で添加した水溶液が均一に分散するまで混練を続け、
押出機出口より得られる含水極細繊維束を、水分が4重
量%以下となるまで乾燥処理したあと、この乾燥極細繊
維束に剪断力と衝撃力を同時に加えることにより粉砕し
て平均繊維長さ2.5mm以下とすることからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性を有するポ
リオレフィン系短繊維の製造方法に関する。さらに詳し
くは、天然パルプ混抄用に好適なポリオレフィン系短繊
維の簡便な製造方法に関する。
リオレフィン系短繊維の製造方法に関する。さらに詳し
くは、天然パルプ混抄用に好適なポリオレフィン系短繊
維の簡便な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成短繊維、特に物性に優れ汎用のポリ
オレフィン系短繊維の大きな用途の一つに紙の改質剤が
あり、天然パルプと混抄することにより、ヒートシール
性の付与、あるいは耐水性や紙力強度などの向上を目的
に広く用いられている。
オレフィン系短繊維の大きな用途の一つに紙の改質剤が
あり、天然パルプと混抄することにより、ヒートシール
性の付与、あるいは耐水性や紙力強度などの向上を目的
に広く用いられている。
【0003】このような混抄紙は、天然パルプと短繊維
を水中で均一分散させ、これをメッシュ等でろ過して得
られる。このとき、短繊維の親水性が不十分な場合は、
均一分散ができないため良質な混抄紙を得ることができ
ない。現在広く用いられている短繊維では、繊維表面に
親水剤をコーティングすることで、水中での均一分散を
達成している。
を水中で均一分散させ、これをメッシュ等でろ過して得
られる。このとき、短繊維の親水性が不十分な場合は、
均一分散ができないため良質な混抄紙を得ることができ
ない。現在広く用いられている短繊維では、繊維表面に
親水剤をコーティングすることで、水中での均一分散を
達成している。
【0004】一般的な製造方法によれば、合成短繊維
は、まず合成樹脂を押出機で溶融し紡糸ノズルから押出
して長繊維を紡糸したあと、カッター型の裁断機で繊維
長さ3〜5mm程度に切断して製造される。この合成短
繊維に親水性を付与させる場合には、紡糸した長繊維の
段階で、繊維を溶剤に溶解した親水剤に浸し乾燥して親
水剤を繊維表面にコートする。
は、まず合成樹脂を押出機で溶融し紡糸ノズルから押出
して長繊維を紡糸したあと、カッター型の裁断機で繊維
長さ3〜5mm程度に切断して製造される。この合成短
繊維に親水性を付与させる場合には、紡糸した長繊維の
段階で、繊維を溶剤に溶解した親水剤に浸し乾燥して親
水剤を繊維表面にコートする。
【0005】ところで、本出願人は、先に、より簡便な
合成繊維の紡糸方法として、特公平2−58361号公
報において熱可塑性樹脂と相溶化剤と水を押出機内で混
練することにより混練機内で繊維を形成させ、特別に紡
糸のための装置を必要とすることなく極細繊維を製造す
る方法を開示し、そして特公平6−53967号公報に
おいて、その繊維の短繊維化のため、押出機の先端に取
付けたスクリーンメッシュによる極細繊維束の短繊維化
の方法を開示している。
合成繊維の紡糸方法として、特公平2−58361号公
報において熱可塑性樹脂と相溶化剤と水を押出機内で混
練することにより混練機内で繊維を形成させ、特別に紡
糸のための装置を必要とすることなく極細繊維を製造す
る方法を開示し、そして特公平6−53967号公報に
おいて、その繊維の短繊維化のため、押出機の先端に取
付けたスクリーンメッシュによる極細繊維束の短繊維化
の方法を開示している。
【0006】上述の天然パルプ混抄紙として期待される
性能を得るためには、短繊維の繊維長が天然パルプの繊
維長(0.5〜2mm)に近いことが好ましいが、上記
2つの特許により得られる短繊維は、最も短いもので7
mm程度(メッシュ#1000使用時)に留まってい
る。そのため、良質な天然パルプとの混抄紙を得ること
が難しい。
性能を得るためには、短繊維の繊維長が天然パルプの繊
維長(0.5〜2mm)に近いことが好ましいが、上記
2つの特許により得られる短繊維は、最も短いもので7
mm程度(メッシュ#1000使用時)に留まってい
る。そのため、良質な天然パルプとの混抄紙を得ること
が難しい。
【0007】また、押出機先端に取付けるスクリーンメ
ッシュが目の細かいもの(メッシュ#200以上)の場
合、目詰まりを起こしやすく実用的ではない。さらに
は、得られる短繊維は、その製造時に親水剤となりうる
界面活性剤を使っているが、繊維表面へのコーティング
がされておらず、天然パルプとの混抄性が十分とは言い
難い。
ッシュが目の細かいもの(メッシュ#200以上)の場
合、目詰まりを起こしやすく実用的ではない。さらに
は、得られる短繊維は、その製造時に親水剤となりうる
界面活性剤を使っているが、繊維表面へのコーティング
がされておらず、天然パルプとの混抄性が十分とは言い
難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明における課題
は、天然パルプとの混抄性に優れるポリオレフィン系短
繊維の、より簡便な製造方法を提供することである。
は、天然パルプとの混抄性に優れるポリオレフィン系短
繊維の、より簡便な製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る親水性ポリ
オレフィン系短繊維の製造方法は、ポリオレフィンを酸
変性ポリオレフィンとともに押出機前段で溶融混練し、
押出機中段部においてこの溶融混練物に界面活性剤水溶
液を添加し、さらに押出機後段で添加した水溶液が均一
に分散するまで混練を続け、押出機出口より得られる水
含有極細繊維束を、水分が4重量%以下となるまで乾燥
処理したあと、この乾燥極細繊維束に剪断力と衝撃力を
同時に加えることにより粉砕して平均繊維長さ2.5m
m以下とすることからなる。
オレフィン系短繊維の製造方法は、ポリオレフィンを酸
変性ポリオレフィンとともに押出機前段で溶融混練し、
押出機中段部においてこの溶融混練物に界面活性剤水溶
液を添加し、さらに押出機後段で添加した水溶液が均一
に分散するまで混練を続け、押出機出口より得られる水
含有極細繊維束を、水分が4重量%以下となるまで乾燥
処理したあと、この乾燥極細繊維束に剪断力と衝撃力を
同時に加えることにより粉砕して平均繊維長さ2.5m
m以下とすることからなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いる、ポリオレ
フィン、酸変性ポリオレフィン、および界面活性剤につ
いて以下に説明する。
フィン、酸変性ポリオレフィン、および界面活性剤につ
いて以下に説明する。
【0011】ポリオレフィン 本発明で使用されるポリオレフィンは、たとえば高圧法
低密度ポリエチレン、中低圧法低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、超高分子量ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、
ポリ-3-メチル-1-ブテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテン;
エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテ
ン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1
-デセン等のα-オレフイン同志のランダム又はブロック
共重合体;エチレン・ブタジエン共重合体、エチレン・
エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレ
ン・ブタジエン3元共重合体、エチレン・プロピレン・
ジシクロペンタジエン3元共重合体、エチレン・プロピ
レン・1,5-ヘキサジエン3元共重合体、エチレン・プロ
ピレン・エチリデンノルボルネン3元共重合体等の1種
以上のオレフインと共役又は非共投ジエンとの共重合体
などを例示できる。これらの樹脂においては、MFR
(メルトフローレート)の高いものほど、繊維成形は容
易であり好ましい。
低密度ポリエチレン、中低圧法低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、超高分子量ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、
ポリ-3-メチル-1-ブテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテン;
エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテ
ン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1
-デセン等のα-オレフイン同志のランダム又はブロック
共重合体;エチレン・ブタジエン共重合体、エチレン・
エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレ
ン・ブタジエン3元共重合体、エチレン・プロピレン・
ジシクロペンタジエン3元共重合体、エチレン・プロピ
レン・1,5-ヘキサジエン3元共重合体、エチレン・プロ
ピレン・エチリデンノルボルネン3元共重合体等の1種
以上のオレフインと共役又は非共投ジエンとの共重合体
などを例示できる。これらの樹脂においては、MFR
(メルトフローレート)の高いものほど、繊維成形は容
易であり好ましい。
【0012】酸変性ポリオレフィン 本発明で使用される酸変性ポリオレフィンは、前記ポリ
オレフィンと添加する水との相溶化剤としての働きをす
るものである。したがって、酸変性ポリオレフィンは、
前記ポリオレフィンと化学的性質の近いものを選択する
ことが好ましい。例えば、ポリエチレンに対しては酸変
性ポリエチレンを、ポリプロピレンには酸変性ポリプロ
ピレンを使うという具合である。
オレフィンと添加する水との相溶化剤としての働きをす
るものである。したがって、酸変性ポリオレフィンは、
前記ポリオレフィンと化学的性質の近いものを選択する
ことが好ましい。例えば、ポリエチレンに対しては酸変
性ポリエチレンを、ポリプロピレンには酸変性ポリプロ
ピレンを使うという具合である。
【0013】酸変性ポリオレフィンはグラフト型と共重
合型の2つに分類することができるが、本発明において
用いる親水性樹脂と共に使われる酸変性ポリオレフィン
としては、親水性が発現し易い点でグラフト型酸変性ポ
リオレフィンが好ましい。
合型の2つに分類することができるが、本発明において
用いる親水性樹脂と共に使われる酸変性ポリオレフィン
としては、親水性が発現し易い点でグラフト型酸変性ポ
リオレフィンが好ましい。
【0014】グラフト型酸変性ポリオレフィンは、前記
ポリオレフィンを不飽和カルボン酸でグラフト変性した
熱可塑性樹脂である。例えば、エチレン、プロピレン、
1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等のモノマーの単独重
合体、あるいはこれらを含めた2種以上のモノマーの共
重合体に不飽和カルボン酸をグラフトしたポリマーであ
る。ここで使われる不飽和カルボン酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソク
ロトン酸等が挙げられる。
ポリオレフィンを不飽和カルボン酸でグラフト変性した
熱可塑性樹脂である。例えば、エチレン、プロピレン、
1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等のモノマーの単独重
合体、あるいはこれらを含めた2種以上のモノマーの共
重合体に不飽和カルボン酸をグラフトしたポリマーであ
る。ここで使われる不飽和カルボン酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソク
ロトン酸等が挙げられる。
【0015】共重合型酸変性ポリオレフィンとは、1種
以上の親油性モノマーと1種以上の親水性モノマーを共
重合して得られた熱可塑性ポリマーであり、ここで用い
られる親油性モノマーとしては、エチレン、プロピレ
ン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、酢酸ビニル、ス
チレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキ
シル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。ま
た、親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、テトラヒ
ドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸を挙げ
ることができる。
以上の親油性モノマーと1種以上の親水性モノマーを共
重合して得られた熱可塑性ポリマーであり、ここで用い
られる親油性モノマーとしては、エチレン、プロピレ
ン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、酢酸ビニル、ス
チレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキ
シル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。ま
た、親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、テトラヒ
ドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸を挙げ
ることができる。
【0016】酸変性ポリオレフィンの好ましい変性率
は、酸価として30〜150mg-KOH/gである。酸価が
この範囲内であると、添加される水との十分な親和性が
得られ易く、ポリオレフィンとの相溶性も良好となる。
は、酸価として30〜150mg-KOH/gである。酸価が
この範囲内であると、添加される水との十分な親和性が
得られ易く、ポリオレフィンとの相溶性も良好となる。
【0017】前記のポリオレフィンと酸変性ポリオレフ
ィンとの混合割合は、ポリオレフィン100重量部当た
り、酸変性ポリオレフィンは通常3〜30重量部、好ま
しくは5〜15重量部である。酸変性ポリオレフィンの
量がこの範囲内であると、添加する界面活性剤水溶液が
ポリオレフィンへ十分浸透し、かつポリオレフィンの期
待される物性も失われることがない。
ィンとの混合割合は、ポリオレフィン100重量部当た
り、酸変性ポリオレフィンは通常3〜30重量部、好ま
しくは5〜15重量部である。酸変性ポリオレフィンの
量がこの範囲内であると、添加する界面活性剤水溶液が
ポリオレフィンへ十分浸透し、かつポリオレフィンの期
待される物性も失われることがない。
【0018】界面活性剤 本発明において、前記したポリオレフィンは、酸変性ポ
リオレフィンとともに押出機に供給され押出機前段で溶
融混練され、次いでこの溶融混練物に、押出機中段部に
おいて界面活性剤水溶液が添加される。
リオレフィンとともに押出機に供給され押出機前段で溶
融混練され、次いでこの溶融混練物に、押出機中段部に
おいて界面活性剤水溶液が添加される。
【0019】本発明で使用される界面活性剤は、前記の
酸変性ポリオレフィンと同様に、添加する水とポリオレ
フィンとの相溶化剤として働き、続く混練で繊維成形を
行う。界面活性剤は水に溶解し水溶液としてポンプで注
入される。
酸変性ポリオレフィンと同様に、添加する水とポリオレ
フィンとの相溶化剤として働き、続く混練で繊維成形を
行う。界面活性剤は水に溶解し水溶液としてポンプで注
入される。
【0020】本発明で用いることの出来る界面活性剤の
具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸エーテル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエ
チレンブロックコポリマー、高級脂肪酸塩、高級アルコ
ール硫酸塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級アルキル
ジスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、高
級アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルキルフェノ
ールスルホン酸塩、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル等が挙
げられる。
具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸エーテル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエ
チレンブロックコポリマー、高級脂肪酸塩、高級アルコ
ール硫酸塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級アルキル
ジスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、高
級アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルキルフェノ
ールスルホン酸塩、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル等が挙
げられる。
【0021】本発明では、120〜160℃において繊
維を製造するため、高温においても界面活性を示すもの
(曇点の高いもの)が好ましく、その様なものとして、
例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル(POE)
等のポリオキシエチレン脂肪酸エーテルが好適である。
一方界面活性剤は、最終的に繊維の表面にコーティング
され親水剤としての機能発現に使われるが、その様な親
水剤としての効果の大きいものとしてPVAがあげられ
る。これはPVA分子構造中に水と親和性の良い水酸基
が多く存在するためと考えられる。
維を製造するため、高温においても界面活性を示すもの
(曇点の高いもの)が好ましく、その様なものとして、
例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル(POE)
等のポリオキシエチレン脂肪酸エーテルが好適である。
一方界面活性剤は、最終的に繊維の表面にコーティング
され親水剤としての機能発現に使われるが、その様な親
水剤としての効果の大きいものとしてPVAがあげられ
る。これはPVA分子構造中に水と親和性の良い水酸基
が多く存在するためと考えられる。
【0022】上記界面活性剤は、通常は3〜20重量
%、好ましくは5〜15重量%の水溶液にして用いられ
る。その注入量は、ポリオレフィンと酸変性ポリオレフ
ィンの溶融混練物の総量100重量部当たり、前記濃度
範囲の水溶液を、通常は15〜35重量部、好ましくは
18〜30重量部、さらに好ましくは19〜25重量部
である。
%、好ましくは5〜15重量%の水溶液にして用いられ
る。その注入量は、ポリオレフィンと酸変性ポリオレフ
ィンの溶融混練物の総量100重量部当たり、前記濃度
範囲の水溶液を、通常は15〜35重量部、好ましくは
18〜30重量部、さらに好ましくは19〜25重量部
である。
【0023】次に本発明の親水性ポリオレフィン系短繊
維の製造方法について説明する。本発明の製造方法で
は、極細繊維束を得るために、ポリオレフィンを酸変性
ポリオレフィンとともに押出機に供給し、押出機前段で
溶融混練する。次いでこの溶融混練物に、押出機中段部
において界面活性剤水溶液を加えたあと、さらに押出機
後段で添加した水溶液が均一に分散するまで混練を続け
押出す。
維の製造方法について説明する。本発明の製造方法で
は、極細繊維束を得るために、ポリオレフィンを酸変性
ポリオレフィンとともに押出機に供給し、押出機前段で
溶融混練する。次いでこの溶融混練物に、押出機中段部
において界面活性剤水溶液を加えたあと、さらに押出機
後段で添加した水溶液が均一に分散するまで混練を続け
押出す。
【0024】押出機による樹脂の混練は、混練が十分に
行える温度であれば良く、押出機前段では、通常130
〜200℃の範囲内で行われる。また、前記界面活性剤
水溶液の添加後の混練は、界面活性剤の効果が低減しな
い温度範囲で行われることが好ましく、通常120〜1
60℃の範囲内で行われる。
行える温度であれば良く、押出機前段では、通常130
〜200℃の範囲内で行われる。また、前記界面活性剤
水溶液の添加後の混練は、界面活性剤の効果が低減しな
い温度範囲で行われることが好ましく、通常120〜1
60℃の範囲内で行われる。
【0025】注入された界面活性剤水溶液は、界面活性
剤の相溶化効果により、徐々にポリオレフィン樹脂中に
分散させられる。そして、本発明では、押出機後段で水
が均一に分散するまで混練が続けられる。ここで、水が
均一に分散する状態とは、樹脂中への水の分散が進むと
同時に、水による酸変性ポリオレフィンの膨潤が起こ
り、それにより樹脂がしだいに細かく分断されて行く。
その結果、分散した水が転相を起こし、樹脂が水に分散
したような、連続相が水である水性分散物ができる状態
を言う。
剤の相溶化効果により、徐々にポリオレフィン樹脂中に
分散させられる。そして、本発明では、押出機後段で水
が均一に分散するまで混練が続けられる。ここで、水が
均一に分散する状態とは、樹脂中への水の分散が進むと
同時に、水による酸変性ポリオレフィンの膨潤が起こ
り、それにより樹脂がしだいに細かく分断されて行く。
その結果、分散した水が転相を起こし、樹脂が水に分散
したような、連続相が水である水性分散物ができる状態
を言う。
【0026】この状態の混練物を押出すことにより、押
出機出口から含水極細繊維束が得られる。極細繊維束
は、略円形断面形状で、不定長で繊維径200μm以
下、好ましくは1〜50μmの極細繊維の多数が略平行
状態で撚りをかけられることなく集束した形の極細繊維
束であって、該繊維束を構成する極細繊維同士は部分的
に接着しているところが存在する。
出機出口から含水極細繊維束が得られる。極細繊維束
は、略円形断面形状で、不定長で繊維径200μm以
下、好ましくは1〜50μmの極細繊維の多数が略平行
状態で撚りをかけられることなく集束した形の極細繊維
束であって、該繊維束を構成する極細繊維同士は部分的
に接着しているところが存在する。
【0027】本発明では、次いでこの含水極細繊維束を
乾燥処理する。押出機の混練温度は、100℃以上であ
るので、水の多くは押出されるとともに蒸発するが、残
留水を含むこの状態の極細繊維束では、天然パルプ混抄
時の親水性が不十分である。
乾燥処理する。押出機の混練温度は、100℃以上であ
るので、水の多くは押出されるとともに蒸発するが、残
留水を含むこの状態の極細繊維束では、天然パルプ混抄
時の親水性が不十分である。
【0028】乾燥は、繊維同士が融着を起こさない温度
で行うことが必要で、通常、繊維を形成する樹脂の溶融
温度未満で行う。極細繊維束中の水分は、4重量%以
下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1
重量%以下になるようにする。この乾燥処理により、水
に溶解している界面活性剤を繊維表面に十分コーティン
グすることができ、親水性を付与することができる。
で行うことが必要で、通常、繊維を形成する樹脂の溶融
温度未満で行う。極細繊維束中の水分は、4重量%以
下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1
重量%以下になるようにする。この乾燥処理により、水
に溶解している界面活性剤を繊維表面に十分コーティン
グすることができ、親水性を付与することができる。
【0029】次に、乾燥繊維束を粉砕して、短繊維を得
る。本発明において、粉砕は、剪断力と衝撃力を同時に
加えて行うことが重要で、これにより、極細繊維束は、
平均繊維長さ2.5mm以下、好ましくは0.1〜2.
0mm、さらに好ましくは0.5〜1.5mmの解繊さ
れた短繊維となる。衝撃力を主体とする粉砕では、繊維
を解繊することはできても、天然パルプ混抄用に好適な
短繊維を得ることは困難である。
る。本発明において、粉砕は、剪断力と衝撃力を同時に
加えて行うことが重要で、これにより、極細繊維束は、
平均繊維長さ2.5mm以下、好ましくは0.1〜2.
0mm、さらに好ましくは0.5〜1.5mmの解繊さ
れた短繊維となる。衝撃力を主体とする粉砕では、繊維
を解繊することはできても、天然パルプ混抄用に好適な
短繊維を得ることは困難である。
【0030】このようにして得られた親水性ポリオレフ
ィン系短繊維は、平均繊維長さ2.5mm以下、繊維径
200μm以下、好ましくは1〜10μmの極細繊維か
らなる短繊維である。この短繊維は天然パルプとの混抄
性が良く、均一で、良質な混抄紙を得ることができ、天
然パルプ混抄用の短繊維として好適である。天然パルプ
と本発明のポリオレフィン系短繊維との混抄比(重量
比)は、通常100:3〜100:30で、混抄紙の所
望物性に応じて決められる。
ィン系短繊維は、平均繊維長さ2.5mm以下、繊維径
200μm以下、好ましくは1〜10μmの極細繊維か
らなる短繊維である。この短繊維は天然パルプとの混抄
性が良く、均一で、良質な混抄紙を得ることができ、天
然パルプ混抄用の短繊維として好適である。天然パルプ
と本発明のポリオレフィン系短繊維との混抄比(重量
比)は、通常100:3〜100:30で、混抄紙の所
望物性に応じて決められる。
【0031】本発明に係る製造方法を、以下の具体例に
より説明する。図1は、本発明の含水極細繊維束の製造
に用いる押出機の一例の概略図である。押出機としては
生産量を高くすることができる点で、噛合い型二軸押出
機が望ましい。押出機中段部のバレル内部は溶融樹脂で
充満され、樹脂圧力が生じている。この樹脂圧力に抗し
て界面活性剤水溶液を注入するために、ポンプはプラン
ジャーポンプもしくはギアポンプが好ましい。
より説明する。図1は、本発明の含水極細繊維束の製造
に用いる押出機の一例の概略図である。押出機としては
生産量を高くすることができる点で、噛合い型二軸押出
機が望ましい。押出機中段部のバレル内部は溶融樹脂で
充満され、樹脂圧力が生じている。この樹脂圧力に抗し
て界面活性剤水溶液を注入するために、ポンプはプラン
ジャーポンプもしくはギアポンプが好ましい。
【0032】極細繊維束の製造には、まずホッパー2に
ポリオレフィンと酸変性ポリオレフィンとを所定の割合
にドライブレンドした混合樹脂を入れ、押出機1へフィ
ードする。そして、押出機前段部(C1〜C3部)にお
いて加熱しながら十分溶融混練する。樹脂が十分に溶融
混練された後、押出機中段部(C4部)において界面活
性剤水溶液3をポンプ4により所定流量で注入する。
ポリオレフィンと酸変性ポリオレフィンとを所定の割合
にドライブレンドした混合樹脂を入れ、押出機1へフィ
ードする。そして、押出機前段部(C1〜C3部)にお
いて加熱しながら十分溶融混練する。樹脂が十分に溶融
混練された後、押出機中段部(C4部)において界面活
性剤水溶液3をポンプ4により所定流量で注入する。
【0033】続いて押出機後段において、添加された界
面活性剤水溶液が均一に分散するまで混練を続けたのち
押出す。このようにして、押出機出口5において、紡糸
のための装置を必要とすることなく、押出機中で極細繊
維の紡糸ができ、含水極細繊維束が得られる。
面活性剤水溶液が均一に分散するまで混練を続けたのち
押出す。このようにして、押出機出口5において、紡糸
のための装置を必要とすることなく、押出機中で極細繊
維の紡糸ができ、含水極細繊維束が得られる。
【0034】次いで、押出機より押出された含水極細繊
維束が乾燥される。極細繊維束を乾燥するには、各種の
乾燥器を用いることができる。例えば、熱風乾燥器、赤
外線ヒータ、ホットプレートなどが制限なく使用でき
る。これらの中では、繊維の局部的な加熱による融着が
起こらない点で熱風乾燥器が好ましい。
維束が乾燥される。極細繊維束を乾燥するには、各種の
乾燥器を用いることができる。例えば、熱風乾燥器、赤
外線ヒータ、ホットプレートなどが制限なく使用でき
る。これらの中では、繊維の局部的な加熱による融着が
起こらない点で熱風乾燥器が好ましい。
【0035】そのあと、乾燥極細繊維束を粉砕し、解繊
された短繊維を得る。ここで用いられる粉砕機は、剪断
力と衝撃力が同時に繊維束に加わるものが好ましく、切
断機能を備えたものが好ましい。また、メッシュの番手
を変えることで所望の繊維長さに調節できるメッシュ取
付け型の粉砕機が好ましい。具体的な装置例として、ビ
クトリーミル((株)ホソカワミクロン製)、メッシュミ
ル((株)ホーライ製)などが挙げられる。
された短繊維を得る。ここで用いられる粉砕機は、剪断
力と衝撃力が同時に繊維束に加わるものが好ましく、切
断機能を備えたものが好ましい。また、メッシュの番手
を変えることで所望の繊維長さに調節できるメッシュ取
付け型の粉砕機が好ましい。具体的な装置例として、ビ
クトリーミル((株)ホソカワミクロン製)、メッシュミ
ル((株)ホーライ製)などが挙げられる。
【0036】
【実施例】以下の実施例、比較例により本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例で用いた繊維の測定方法、評
価方法を次に示す。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例で用いた繊維の測定方法、評
価方法を次に示す。
【0037】水分散性と混抄紙外観の評価 JIS P8209に準じた標準抄紙器を用いて、天然
パルプと極細繊維の重量比7:3で混抄紙を漉く際に、
極細繊維の水面への浮きやすさを目視で判断して水分散
性を評価した。また、混抄紙外観の評価は、混抄紙の表
面に極細繊維の存在を目視観察で確認されるか否かで行
なった。 <水分散性> ◎:抄紙時の分散性が天然パルプと同レベル、 ○:抄紙時に極細繊維が水面に浮きにくい、 ×:抄紙時に極細繊維が水面に多く浮く。 <混抄紙外観> ◎:抄紙後の紙面に極細繊維が目視で確認できない、 ○:抄紙後の紙面に極細繊維が目視でほとんど確認できない、 ×:抄紙後の紙面に極細繊維が目視で確認できる。
パルプと極細繊維の重量比7:3で混抄紙を漉く際に、
極細繊維の水面への浮きやすさを目視で判断して水分散
性を評価した。また、混抄紙外観の評価は、混抄紙の表
面に極細繊維の存在を目視観察で確認されるか否かで行
なった。 <水分散性> ◎:抄紙時の分散性が天然パルプと同レベル、 ○:抄紙時に極細繊維が水面に浮きにくい、 ×:抄紙時に極細繊維が水面に多く浮く。 <混抄紙外観> ◎:抄紙後の紙面に極細繊維が目視で確認できない、 ○:抄紙後の紙面に極細繊維が目視でほとんど確認できない、 ×:抄紙後の紙面に極細繊維が目視で確認できる。
【0038】平均繊維長 JIS P8207に準じた製紙用パルプのふるい分け
試験方法により測定した。繊維束中の水分 含水繊維束の水分は、含水繊維束を乾燥(乾燥温度:6
0℃一定)し、重量変化しなくなった重量を繊維束重量
(水分0%)として以下の式により求めた。 含水繊維束水分(%)={(含水繊維束重量−繊維束重量)
/繊維束重量}×100 一方、乾燥処理した繊維束の水分は、乾燥後の繊維束重
量を測定し、以下の式により求めた。 乾燥繊維束水分(%)={(乾燥繊維束重量−繊維束重量)
/繊維束重量}×100繊維径 電子顕微鏡観察により測定。
試験方法により測定した。繊維束中の水分 含水繊維束の水分は、含水繊維束を乾燥(乾燥温度:6
0℃一定)し、重量変化しなくなった重量を繊維束重量
(水分0%)として以下の式により求めた。 含水繊維束水分(%)={(含水繊維束重量−繊維束重量)
/繊維束重量}×100 一方、乾燥処理した繊維束の水分は、乾燥後の繊維束重
量を測定し、以下の式により求めた。 乾燥繊維束水分(%)={(乾燥繊維束重量−繊維束重量)
/繊維束重量}×100繊維径 電子顕微鏡観察により測定。
【0039】また、実施例、比較例で用いた装置および
原料を次に記す。装 置 押出機:二軸スクリュー、同方向噛合い型、径30mm
φ、L/D=42、(株)プラスチック工学研究所製、 ポンプ:ダブルプランジャー式PU617、ジーエルサ
イエンス(株)製、 乾燥器:熱風乾燥器、 粉砕機:ビクトリーミル、(株)ホソカワミクロン製、サ
ンプルミル、不二パウダル(株)製。
原料を次に記す。装 置 押出機:二軸スクリュー、同方向噛合い型、径30mm
φ、L/D=42、(株)プラスチック工学研究所製、 ポンプ:ダブルプランジャー式PU617、ジーエルサ
イエンス(株)製、 乾燥器:熱風乾燥器、 粉砕機:ビクトリーミル、(株)ホソカワミクロン製、サ
ンプルミル、不二パウダル(株)製。
【0040】原 料 低密度ポリエチレン(LDPE):ミラソンFL−60、三井
化学(株)製、 高密度ポリエチレン(HDPE):ハイゼックス1300J、
三井化学(株)製、 酸変性低分子量ポリエチレン(M-PE):ハイワックス22
03A(酸価30mg-KOH/g)、三井化学(株)製、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(POE):エマルゲ
ン430、(株)花王製、 ポリビニルアルコール(PVA):ゴーセノールKL−0
3、日本合成化学工業(株)製。
化学(株)製、 高密度ポリエチレン(HDPE):ハイゼックス1300J、
三井化学(株)製、 酸変性低分子量ポリエチレン(M-PE):ハイワックス22
03A(酸価30mg-KOH/g)、三井化学(株)製、 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(POE):エマルゲ
ン430、(株)花王製、 ポリビニルアルコール(PVA):ゴーセノールKL−0
3、日本合成化学工業(株)製。
【0041】(実施例1)低密度ポリエチレン100重
量部と、酸変性低分子量ポリエチレン15重量部とをド
ライブレンドしたものを、ホッパーより押出機へフィー
ドして溶融混練し、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ルの10重量%水溶液を、ポリオレフィン100重量部
に対して20重量部の割合になるように、押出機の中段
部にポンプで注入し、さらに混練を続けて押出機出口か
ら繊維束を得た。押出機の温度条件は、C1:120
℃,C2:140℃,C3:155℃,C4:135
℃,C5:135℃,C6:135℃,C7:120
℃,D:110℃で行った。
量部と、酸変性低分子量ポリエチレン15重量部とをド
ライブレンドしたものを、ホッパーより押出機へフィー
ドして溶融混練し、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ルの10重量%水溶液を、ポリオレフィン100重量部
に対して20重量部の割合になるように、押出機の中段
部にポンプで注入し、さらに混練を続けて押出機出口か
ら繊維束を得た。押出機の温度条件は、C1:120
℃,C2:140℃,C3:155℃,C4:135
℃,C5:135℃,C6:135℃,C7:120
℃,D:110℃で行った。
【0042】この含水繊維束(水分15%)を乾燥器に
より、60℃で水分0.1%以下まで乾燥し、その後、
開口部0.3mmφのメッシュを取り付けた粉砕機(ビ
クトリーミル、剪断力と衝撃力が同時に加わる。)で乾
燥繊維束を粉砕することにより、平均繊維長0.7mm
の短繊維を得た。これを用いて天然パルプ(NBKP、
カナダ標準濾水度=500cc)との混抄紙の製造を試
みた結果、抄紙機の水面に浮く短繊維は非常に少なく、
問題無く混抄紙を製造できた。評価結果を表1に示す。
より、60℃で水分0.1%以下まで乾燥し、その後、
開口部0.3mmφのメッシュを取り付けた粉砕機(ビ
クトリーミル、剪断力と衝撃力が同時に加わる。)で乾
燥繊維束を粉砕することにより、平均繊維長0.7mm
の短繊維を得た。これを用いて天然パルプ(NBKP、
カナダ標準濾水度=500cc)との混抄紙の製造を試
みた結果、抄紙機の水面に浮く短繊維は非常に少なく、
問題無く混抄紙を製造できた。評価結果を表1に示す。
【0043】(実施例2)含水繊維束の乾燥条件を変え
て乾燥後の水分を3%とした以外は、実施例1と同様に
して短繊維を製造し評価した。結果を表1に示す。 (実施例3)低密度ポリエチレンに代えて高密度ポリエ
チレンにした以外は、実施例1と同様にして短繊維を製
造し評価した。結果を表1に示す。
て乾燥後の水分を3%とした以外は、実施例1と同様に
して短繊維を製造し評価した。結果を表1に示す。 (実施例3)低密度ポリエチレンに代えて高密度ポリエ
チレンにした以外は、実施例1と同様にして短繊維を製
造し評価した。結果を表1に示す。
【0044】(実施例4)押出機の中段部にポンプで注
入する界面活性剤水溶液を、ポリビニルアルコールの1
5重量%水溶液とし、含水繊維束の乾燥条件を変えて乾
燥後の水分を1%とした以外は、実施例1と同様にして
短繊維を製造し評価した。結果を表1に示す。 (実施例5)界面活性剤水溶液を、ポリオキシエチレン
オレイルエーテルの15重量%水溶液とし、含水繊維束
の乾燥条件を変えて乾燥後の水分を1%としたとした以
外は、実施例1と同様にして短繊維を製造し評価した。
結果を表1に示す。
入する界面活性剤水溶液を、ポリビニルアルコールの1
5重量%水溶液とし、含水繊維束の乾燥条件を変えて乾
燥後の水分を1%とした以外は、実施例1と同様にして
短繊維を製造し評価した。結果を表1に示す。 (実施例5)界面活性剤水溶液を、ポリオキシエチレン
オレイルエーテルの15重量%水溶液とし、含水繊維束
の乾燥条件を変えて乾燥後の水分を1%としたとした以
外は、実施例1と同様にして短繊維を製造し評価した。
結果を表1に示す。
【0045】(実施例6)含水繊維束の乾燥条件を変え
て乾燥後の水分を2%とし、粉砕機に取り付けるメッシ
ュを開口部0.7mmφのものに変えた以外は、実施例
1と同様にして短繊維を製造し評価した。結果を表1に
示す。
て乾燥後の水分を2%とし、粉砕機に取り付けるメッシ
ュを開口部0.7mmφのものに変えた以外は、実施例
1と同様にして短繊維を製造し評価した。結果を表1に
示す。
【0046】(比較例1)含水繊維束(水分15%)の
乾燥を行わなかった以外は実施例6と同様にして短繊維
の製造を試みたが、粉砕機内で繊維が凝集し短繊維を得
ることができなかった。 (比較例2)繊維束の乾燥条件を変えて乾燥後の水分を
5%とした以外は、実施例6と同様にして短繊維を製造
し評価した。結果を表1に示す。
乾燥を行わなかった以外は実施例6と同様にして短繊維
の製造を試みたが、粉砕機内で繊維が凝集し短繊維を得
ることができなかった。 (比較例2)繊維束の乾燥条件を変えて乾燥後の水分を
5%とした以外は、実施例6と同様にして短繊維を製造
し評価した。結果を表1に示す。
【0047】(比較例3)粉砕機に取り付けるメッシュ
を開口部1.2mmφのものに変えた以外は、実施例1
と同様にして短繊維を製造し評価した。結果を表1に示
す。 (比較例4)乾燥繊維束の粉砕を、開口部0.7mmφ
のメッシュを取り付けた粉砕機(アトマイザー、衝撃力
主体で粉砕。)で行った以外は、実施例1と同様にして
短繊維の製造を試みたが、粉砕機内で繊維が溶融し短繊
維を得ることができなかった。
を開口部1.2mmφのものに変えた以外は、実施例1
と同様にして短繊維を製造し評価した。結果を表1に示
す。 (比較例4)乾燥繊維束の粉砕を、開口部0.7mmφ
のメッシュを取り付けた粉砕機(アトマイザー、衝撃力
主体で粉砕。)で行った以外は、実施例1と同様にして
短繊維の製造を試みたが、粉砕機内で繊維が溶融し短繊
維を得ることができなかった。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、親水性に優
れ天然パルプとの混抄性が良好な親水性ポリオレフィン
系短繊維を、特別に紡糸のための装置を必要とすること
なく、簡便に製造することができる。
れ天然パルプとの混抄性が良好な親水性ポリオレフィン
系短繊維を、特別に紡糸のための装置を必要とすること
なく、簡便に製造することができる。
【図1】本発明に係るポリオレフィン系極細繊維を製造
する押出機の概略断面図である。
する押出機の概略断面図である。
【符号の説明】 1 押出機 2 ホッパー 3 界面活性剤水溶液 4 ポンプ 5 押出機出口 C1、C2、C3 押出機前段部のヒーター C4 押出機中段部のヒーター C5、C6、C7 押出機後段部のヒーター D ダイ
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリオレフィンを酸変性ポリオレフィン
とともに押出機前段で溶融混練し、押出機中段部におい
てこの溶融混練物に界面活性剤水溶液を添加し、さらに
押出機後段で添加した水溶液が均一に分散するまで混練
を続け、押出機出口より得られる含水極細繊維束を、水
分が4重量%以下となるまで乾燥処理したあと、この乾
燥極細繊維束に剪断力と衝撃力を同時に加えることによ
り粉砕して平均繊維長さ2.5mm以下とすることから
なる親水性ポリオレフィン系短繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000067050A JP2001254223A (ja) | 2000-03-10 | 2000-03-10 | 親水性ポリオレフィン系短繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000067050A JP2001254223A (ja) | 2000-03-10 | 2000-03-10 | 親水性ポリオレフィン系短繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001254223A true JP2001254223A (ja) | 2001-09-21 |
Family
ID=18586309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000067050A Pending JP2001254223A (ja) | 2000-03-10 | 2000-03-10 | 親水性ポリオレフィン系短繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001254223A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10836884B2 (en) | 2015-10-22 | 2020-11-17 | Bridgestone Corporation | Rubber composition and tire obtained therefrom |
-
2000
- 2000-03-10 JP JP2000067050A patent/JP2001254223A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10836884B2 (en) | 2015-10-22 | 2020-11-17 | Bridgestone Corporation | Rubber composition and tire obtained therefrom |
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