JP2001253738A - グラウト材補強材 - Google Patents

グラウト材補強材

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JP2001253738A
JP2001253738A JP2000063825A JP2000063825A JP2001253738A JP 2001253738 A JP2001253738 A JP 2001253738A JP 2000063825 A JP2000063825 A JP 2000063825A JP 2000063825 A JP2000063825 A JP 2000063825A JP 2001253738 A JP2001253738 A JP 2001253738A
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Hisashi Suemori
寿志 末森
Mitsuo Mayahara
光郎 馬屋原
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Kuraray Co Ltd
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    • C04B16/06Macromolecular compounds fibrous
    • C04B16/0616Macromolecular compounds fibrous from polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性に優れかつアンカー体に対する優れた
定着力を有するグラウト材及びグラウト材用補強材を提
供する。 【解決手段】 直径8〜80μm、繊維長1〜20m
m、強度4cN/dtex以上の繊維をグラウト材の補
強材として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンカー工法用に好適
なグラウト材補強材及びグラウト材、さらに該グラフト
材を用いるアンカー工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、法面の崩落、剥落、崩壊に対して
抑止力を付与することを目的としてアンカー工法が施工
されている。アンカー工法は、地盤に削孔を掘削し、こ
の削孔にアンカー体(抗張体)を埋設して法面の崩落等
を抑制するものであるが、このとき、アンカーケーブル
等のアンカー体を地盤に確実に定着することが重要であ
る。このため、一般にはアンカーを埋設する削孔内にグ
ラウト材を注入することによりアンカー体を強固に定着
させる方法が採用されており、グラウト材としては、セ
メントを単に水と混練したセメントミルクやさらに細骨
材を添加したモルタルが使用されている。しかしなが
ら、従来のグラウト材では十分にアンカー体を定着させ
ることができなかった。
【0003】セメントミルクやモルタル等の水セメント
比(W/C)は、一般に45〜55質量%が広く採用さ
れているが、かかるグラウト材は水の割合が多い問題が
あり、たとえばセメントミルク1m3あたり、セメント
1300kg程度に対して600kg程度以上の水を含
有することになる。よって、削孔にグラウト材を充填す
るとブリージング水が削孔の上に溜まり、この水が溜ま
った部位がセメント硬化後に空隙となり、該空隙が水の
通路となるため鋼製のアンカーを錆びさせる原因とな
る。しかしながら、グラウト材の水の配合割合を小さく
するとグラウト材の流動性が低下して削孔にグラウト材
を隅々まで充填することが困難となる。以上のことか
ら、樹脂等からなるコルゲートシースやアンボンドテー
プで鋼製のアンカーを被覆して、錆び等から保護する方
法が特開平8―91905号公報等に開示されている
が、かかる方法を採用してもグラウト材とアンカ-ケー
ブルの定着力はいまだ不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
の問題を鑑み、流動性に優れかつアンカー体に対する優
れた定着力を有するグラウト材及びグラウト材補強材、
さらに該グラウト材を用いるアンカー工法を提供するこ
とにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は、(1) 直径
8〜80μm、繊維長1〜20mm、強度4cN/dt
ex以上の繊維からなるグラウト材補強材、(2) 繊
維がポリビニルアルコール系繊維及び/又はアクリル系
繊維である(1)に記載のグラウト材補強材、(3)
直径8〜80μm、繊維長1〜20mm、強度4cN/
dtex以上の繊維からなるアンカー工法用グラウト材
補強材、(4) 直径8〜80μm、繊維長1〜20m
m、強度4cN/dtex以上の繊維を0.05〜1.
3vol%含有するグラウト材、(5) 直径8〜80μ
m、繊維長1〜20mm、強度4cN/dtex以上の
繊維を0.05〜1.3vol%含有するグラウト材を用
いることを特徴とするアンカー工法、に関する。
【0006】
【発明の具体的態様】本発明者等は、従来のグラウト材
の問題点がアンカーを錆びさせる点だけでなく、水の配
合割合が高いことからグラウト材が乾燥硬化する過程で
収縮してひび割れが生じ、その結果、アンカー体とグラ
ウト材の定着力が低下することを見出すとともに、特定
の補強材を用いることにより該問題が解決できることを
見出した。具体的には、直径8〜80μm、繊維長1〜
20mm、強度4cN/dtex以上の繊維を補強材と
するものである。かかる補強材を用いることにより、グ
ラウト材の流動性を保持しつつグラウト材が乾燥・硬化
する際に発生する収縮ひび割れを効率的に抑制でき、グ
ラウト材を削孔に流し込んだ際のグラウト材とアンカー
体の一体化状態を硬化後も保持できる。さらに、硬化グ
ラウト材の引張り靭性が向上することから、外部応力が
加わった際に大きく「たわむ」ことが可能となって硬化
グラウト材が破断・崩壊しにくくなるため、一層優れた
定着性が奏される。
【0007】本発明においては、繊維の直径を8〜80
μmとする必要がある。同一添加量の場合、繊維径が小
さいほど収縮ひび割れ抑制効果は大きくなるが、その反
面、グラウト材における繊維の均一分散性が低下すると
ともにグラウト材の流動性が小さくなる傾向がある。以
上のことから、繊維径は8μm以上、特に10μm以上で
あるのが好ましい。また逆に繊維径が大きくなると、繊
維が剛直になってグラウト材の注入チューブ内で詰りが
発生することから、繊維径は80μm以下、特に50μm
以下であるのが好ましく、乾燥収縮ひび割れ抑制を効率
的に得る点からは繊維径30μm以下、特に20μm以
下であるのが好ましい。
【0008】さらに補強繊維の繊維長を1〜20mmと
するのが好ましい。繊維径が長くなりすぎるとグラウト
材の流動性が低下することから繊維長を20mm以下と
するのが好ましく、特にグラウト材の注入チューブは一
般に内径が21.5mm以下のものが主流であることか
ら、注入チューブの閉塞防止の点から注入チューブの内
径の1/2以下の長さであるのが好ましい。具体的には
繊維長15mm以下、特に10mm以下、さらに8mm
以下であるのがより好ましい。しかしながら、繊維長が
短すぎると、均一分散性及びグラウト材の流動性の点で
優れた効果が得られるものの、乾燥収縮ひび割れ抑制効
果及び硬化グラウト材の機械的性能・靭性改善効果が不
十分となる。以上の点から、繊維長は1mm以上、特に
2mm以上であるのが好ましい。
【0009】またアンカー体に対する定着効果、硬化グ
ラウト材の機械的性能改善効果の点等からは、繊維の強
度を4cN/dtex以上、好ましくは8cN/dte
x以上、さらに好ましくは10cN/dtex以上、特
に好ましくは14cN/dtex以上とする必要があ
る。繊維の強度が高いほど、低配合量でも硬化グラウト
材の機械的性能・靭性を効率的に改善できると同時にグ
ラウト材の注入、流動性に対して与える影響が少ないこ
とから優れた効果が得られる。なおグラウト材の乾燥収
縮を抑制する点からは繊維に高い強度は要求されない
が、高強度繊維を用いると硬化グラウト材の靭性、機械
的性能が向上するためアンカー体をより強固に定着でき
る点で好ましい結果が得られる。
【0010】本発明に用いられる繊維の種類は特に限定
されず、たとえば天然繊維、セルロース繊維、有機合成
繊維等が使用できるが、軽量で機械的性能、耐久性に優
れている点から少なくとも有機合成繊維を用いるのが好
ましい。具体的にはポリオレフィン系繊維(ポリプロピ
レン系繊維、ポリエチレン系繊維等)、ポリアミド系繊
維(アラミド繊維を包含する)、ポリビニルアルコール
系繊維、アクリル系繊維、ポリベンゾオキサゾール系繊
維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維(アラミド
系繊維を含む)、レーヨン系繊維(ポリノジックレーヨ
ン繊維、溶剤紡糸レーヨン繊維等)等が挙げられる。も
ちろん、複数種の繊維を併用してもかまわない。なかで
もグラウト材との親和性が高く耐アルカリ性に優れてい
ることからポリビニルアルコール(PVA)系繊維及び
/又はアクリル系繊維、特にPVA系繊維を少なくとも
用いるのが好ましい。もちろん、複数種の繊維が併用さ
れていてもよく、本発明の効果を損わない範囲であれ
ば、本発明で規定の繊維以外の繊維を併用してもかまわ
ない。
【0011】かかる繊維をグラウト材の補強材として配
合すればよいが、本発明の効果を効率的に得る点からは
硬化グラウト材に対して0.05〜1.3vol%、特
に0.2〜0.7vol%添加するのが好ましい。補強
材の配合量が少ない場合にはひび割れ抑制効果、補強効
果が小さくグラウト材とアンカー体の定着性が不十分に
なり、逆に補強材の配合量が多すぎると繊維の均一分散
性、グラウト材の流動性が不十分となり、またグラウト
材の注入チューブ内で目詰り(閉塞)が生じることとな
る。
【0012】グラウト材の主成分は特に限定されない
が、アンカー体との接着性、機械的性能、コスト等の点
からは水硬性材料を主成分とするのが好ましい。水硬性
材料の配合割合は特に限定されないが、グラウト材(固
形分)の40質量%以上、特に55質量%以上を水硬性
材料とするのが好ましい。本発明に使用される水硬性材
料は特に限定されず、セッコウ、セッコウスラグ、マグ
ネシア等が挙げられるが、なかでもセメントが好適に使
用される。ポルトランドセメントがその代表的なもので
あるが、高炉セメント、フライアッシュセメント、アル
ミナセメント等を使用してもよく、これらを併用しても
かまわない。
【0013】もちろん、本発明の効果を損わない範囲
で、他の混和剤,骨材等を添加してもかまわない。混和
剤としては、減水剤、収縮低減剤、膨張剤、ブリージン
グ低減剤等が好適に使用でき、特に繊維の分散性を高め
る点からは減水・流動化改善効果とともにスラリーの粘
性を高める効果を併せもった混和剤を用いるのが好まし
く、具体的にはブリージング低減用混和剤が好適であ
る。かかるブリージング低減用混和剤としては、たとえ
ば、注入モルタル用混和剤、セメントグラウト用混和
剤、セメント・モルタルグラウト用混和剤、高強度プレ
バックドコンクリート・グラウト混和剤、高性能セメン
トグラウト・注入モルタル用混和剤等として使用されて
いるものが好適に適用できる。
【0014】また骨材を配合してもかまわない。骨材と
しては、細骨材としてたとえば川、海、陸の各砂、破
砂、砕石、シリカ、シリカヒューム、高炉スラグ、フラ
イアッシュ等が用いられ、粗骨材としてたとえばぐり石
や破石などが使用できる。グラウト材(固形分)の0〜
55質量%程度を骨材とするのが好ましく、グラウト材
とアンカー体の接着力を高める点から骨材として細砂
(粒径2mm以下)を用いるのが好ましい。より好適に
は、セメントペースト材の場合、グラウト材(固形分)
の50〜99質量%程度、具体的にはセメントの配合量
を1000〜1500kg/m3とするのが好ましく、
またセメントモルタルの場合、グラウト材(固形分)の
50〜70質量%程度、具体的にはセメントの配合量を
800〜1200kg/m3、骨材の配合量を300〜
700kg/m3程度とするのが好ましい。
【0015】グラウト材の流動性は100秒以下、特に
70秒以下、さらに10〜60秒とするのが好ましい。
グラウト材の流動性をかかる範囲とすることにより、グ
ラウト材を削孔等に空隙を実質的に形成させることなく
効率的に充填することができる。グラウト材の流動性
は、水の配合量、補強繊維の直径、長さ、繊維の配合量
等によってコントロールできる。一般に流動性を高める
ために水の配合量を増大させると、前述の理由からアン
カー体を強固に定着させることが困難になるが、本発明
においては特定の補強材を配合しているため、水の配合
量を大きくしてもアンカー体を強固に定着できる。水硬
性材料に対する水の配合比(質量比)は、グラウト材の
流動性、機械的性能等の点から0.40〜0.55であ
るのが好ましく、上記流動性となるように配合比を調製
するのが好ましい。なお、本発明にいうグラウト材の流
動性とは、所定の容器にグラウト材を入れて流下させて
要した流下時間、具体的にはP漏斗によるプレパックド
コンクリートの注入モルタルの流動性試験方法(JSC
E―F521−1994)により測定される流下時間を
いい、該値を検討することにより、実際にグラウト材と
して用いた際の流動性を簡便で再現性よく評価できる。
本発明のグラウト材の調製方法は特に限定されず、所望
の材料を十分に混練してペースト状とすることにより調
製できる。
【0016】本発明のグラウト材はあらゆる用途に用い
ることができ、たとえば岩盤用グラウト材、コンクリー
ト補修用グラウト材、アンカー工法用グラウト材等とし
て広く適用できる。この場合、乾燥・養生時に乾燥収縮
ひび割れが形成されにくく、しかも外部応力が加わって
もグラウト材が破断・崩壊しにくいためにグラウト材と
して優れた機能を発揮する。なかでも、かかるグラウド
材をアンカー工法に適用することにより優れた効果が得
られる。 アンカー工法には、地山を押え込み剪断抵抗
を増大させる機能とすべり力を減殺する機能があると考
えられ、アンカー体と地盤との定着方式によって、アン
カー体の周辺摩擦抵抗によりアンカー体の引抜き力を地
盤に伝達させる「摩擦型」、さらにアンカー体の一部あ
るいは大部分を局部的に大きく掘削し、アンカー体の断
面に働く受動土圧力によりアンカー引き抜き力に抵抗す
る「支圧型」及び両者の複合型に分類される。本発明の
グラウト材はあらゆるアンカー工法に適用でき、なお、
法面を一層安定化させるために場所打ち格子枠工、吹付
け枠工等と併用して施工してもかまわない。
【0017】アンカー体は従来公知の鋼製アンカー体が
好適に使用できるが、樹脂製アンカー体等を用いてもよ
く特に限定されるものではない。アンカー体の形態、直
径等は目的に応じて適宜設定すればよい。かかるアンカ
ー体を所定の部位に埋め込み、かかる埋め込み部の孔
(削孔)に本発明のグラウト材を流し込めばよい。この
とき、グラウト材を効率的に充填させるために注入チュ
ーブを用いて流し込むのが好ましく、必要に応じて他の
定着剤等を併用してもかまわない。次いでグラウト材を
充填した後、たとえば5〜40日間程度自然養生させて
硬化グラウト材とすることによりアンカー体を強固に定
着できる。
【0018】一般にグラウト材が乾燥・硬化する段階で
収縮が生じて硬化グラウト材に収縮ひび割れが生じてア
ンカー体の定着不良の原因となるが、本発明においては
特定の補強材を配合していることから収縮ひび割れを効
率的に抑制できる。具体的には硬化後の最大ひび割れ幅
を0.05mm以下、特に0.01mm程度以下とする
ことができる。さらに本発明においては、特定の補強材
を用いていることから硬化グラウト材の機械的性能・靭
性が高く、外部応力が加わった際にもアンカー体を強固
に定着することが可能となりアンカー体の定着効果を長
期的に持続できる。本発明によれば、定着強度28kg
/cm2以上、特に30kg/cm2以上、さらに33k
g/cm2以上のグラウト材が得られ、アンカー体を安
定に定着させることができる。なお、本発明にいうグラ
ウト材の定着強度は実施例に記載の方法により求めるこ
とができる。
【0019】アンカー体の埋め込み場所は特に限定され
ないが、好適には地盤、特に法面である場合に本発明の
効果がより効率的に奏される。以下更に本発明を実施例
でもって説明するが、本発明は実施例により何等限定さ
れるものではない。
【0020】
【実施例】[繊度 dtex]得られた繊維状物の一定試
長の重量を測定して見掛け繊度をn=5以上で測定し、
平均値を求めた。なお、一定糸長の重量測定により繊度
が測定できないもの(細デニ−ル繊維)はバイブロスコ
−プにより測定した。
【0021】[繊維強度 cN/dtex、伸度 %]予
め温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間繊
維を放置して調湿したのち、単繊維を試長20cm、引
張速度10cm/分としてインストロン試験機「島津製
作所製オートグラフ」にて繊維強度を測定した。伸度
は、単繊維破断伸度(cm)/把持長(cm)×100
により算出した。なお繊維長が20cmより短い場合
は、そのサンプルの可能な範囲での最大長さを把持長と
して測定することとする。
【0022】[繊維の分散性]グラウトペースト中にお
ける繊維の分散状態を、ファイバーボールが発生してい
るものを不良(×)、糸が固まって存在するフロックが
形成さえているものをやや不良(△)、繊維が実質的に
固まり状態になっていないものを良好(○)として評価
した。 [流動性 秒]P漏斗によるプレパックドコンクリート
の注入モルタルの流動性試験方法(JSC E―F52
1−1994)に準じて測定される流下時間を流動性と
して評価した。
【0023】[硬化グラウト材の引張り強度MPa、圧
縮強度MPa]それぞれJIS A 1108、JIS
A 1113に準じて測定した。 [ひび割れ状況、最大ひび割れ幅 mm]混練したグラ
ウトペーストを250×250×100mmの型枠へ流
し込み、屋外に1時間放置したあと、ひび割れ幅を拡大
鏡で測定し、クラックの発生のないものを良好(○)、
亀甲状のマイクロクラックが発生しているものをやや不
良(△)、長さ0.1mm以上のひび割れが発生してい
るものを不良(×)として評価し、また最大ひび割れ幅
を測定した。
【0024】[引抜き荷重 kg、定着強度 kg/c
2]400mm×200mmの無筋コンクリート受け
圧板を作成し、受け圧板の中央部にはΦ75mm×15
0mmのボイド管により中空部を設けた。次いで受け圧
板硬化後にこの孔へ鋼製アンカー体(直径 公称2.3
cm)を定着長12〜13cm程度となるように設置
し、次いで該中空部に各グラウトペースト材を充填して
アンカー体を固定し、グラウト材を28日間の常温で養
生した後にセンターホールジャッキを用いてアンカー体
の引抜け試験を行って引抜き荷重(kg)を測定し、F
a・τa=Td/(π・dB・L2)により定着強度τa(kg
/cm2)を求めた。なおFaは安全率(=3.0)、T
dは引抜き荷重(kg)、dBは鋼材の公称径(c
m)、L2は定着長(cm)、πは円周率である。
【0025】[実施例1〜5、比較例1〜6]普通セメ
ント1230kg/m3、混和剤12.3kg/m3、水
615kg/m3及びPVA系繊維を表1に記載の量配
合して混練し、種々のグラウト材を得た。なお普通セメ
ントして、秩父小野田製「普通ポルトランドセメン
ト」、混和剤として、(株)エヌエムビー製「高性能セ
メントグラウト注入モルタル混和剤GF―1700」、
繊維として、実施例1〜3及び比較例6では(株)クラ
レ製「ビニロンRM182」、実施例4、5、比較例2
〜4では「ビニロンRK1502」を用いた。得られた
グラウト材の性能を表1及び表2に示す。なお、比較例
3〜5では空隙が多く適切な試験体が得られなかったこ
とから定着効果を測定しなかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】本発明の補強材を用いて得られるグラウト
材は流動性が高く、施工性に優れかつ削孔に実質的に空
隙を形成することなく充填可能なものであり、乾燥・硬
化させても実質的に収縮ひび割れが生じず、しかも得ら
れる硬化グラウト材の引張強度、特に引張靭性が大きく
優れた定着能を奏するものである。よって、アンカー体
を長期的に安定に定着させることが可能であり、アンカ
ー工法に適用することにより優れた効果が得られるもの
であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 17/22 C09K 17/22 P E02D 5/80 E02D 5/80 Z // C04B 111:70 C04B 111:70 C09K 103:00 C09K 103:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径8〜80μm、繊維長1〜20m
    m、強度4cN/dtex以上の繊維からなるグラウト
    材補強材。
  2. 【請求項2】 繊維がポリビニルアルコール系繊維及び
    /又はアクリル系繊維である請求項1に記載のグラウト
    材補強材。
  3. 【請求項3】 直径8〜80μm、繊維長1〜20m
    m、強度4cN/dtex以上の繊維からなるアンカー
    工法用グラウト材補強材。
  4. 【請求項4】 直径8〜80μm、繊維長1〜20m
    m、強度4cN/dtex以上の繊維を0.05〜1.
    3vol%含有するグラウト材。
  5. 【請求項5】 直径8〜80μm、繊維長1〜20m
    m、強度4cN/dtex以上の繊維を0.05〜1.
    3vol%含有するグラウト材を用いることを特徴とする
    アンカー工法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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