JP2001253099A - インクジェット式画像出力装置 - Google Patents

インクジェット式画像出力装置

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JP2001253099A
JP2001253099A JP2000066001A JP2000066001A JP2001253099A JP 2001253099 A JP2001253099 A JP 2001253099A JP 2000066001 A JP2000066001 A JP 2000066001A JP 2000066001 A JP2000066001 A JP 2000066001A JP 2001253099 A JP2001253099 A JP 2001253099A
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dots
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Kazuhiro Kimura
和宏 木村
Yuji Yamamoto
有治 山本
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Noritsu Koki Co Ltd
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Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】C、Y、M等の基本色によって被印刷媒体に形
成される各ドットの重なりを考慮したインクジェット式
画像出力装置を提供する。 【解決手段】ドット単位にインクを吐出する手段を複数
設けカラー画像データに応じて複数色のインクを吐出す
ることで被印刷媒体にカラー印刷を行うインクジェット
式画像出力装置。前記画像データから得られる印刷すべ
き画像の色情報に応じて前記被印刷媒体の単位画素にお
ける前記複数色ドットの重なり順序を変更する重なり順
序決定部57が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドット単位にイン
クを吐出する手段を複数設けカラー画像データに応じて
複数色のインクを吐出することで被印刷媒体にカラー印
刷を行うインクジェット式画像出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なインクジェットプリンタ
は、プリントヘッドに設けられた複数のノズルからそれ
ぞれシアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出して紙
などの被印刷媒体にドットを形成して、カラー画像を形
成するものであり、コンピュータによって処理された画
像を多色多階調で印刷するために広く用いられている。
通常のインクジェットプリンタでは、プリントヘッドに
少なくともシアン:C、マゼンタ:M、イエロー:Yの
インクを吐出させるノズルを備えており、被印刷媒体に
形成されるこれらの各色によるドットの分布によってカ
ラー画像が形成されるが、プリントヘッドを被印刷媒体
の単位画素にインクを吐出させるかさせないかの2値デ
ータによって制御する場合には、画像データがもつ多値
データ(例えば各色256階調)を2値で表現する疑似
中間調処理が必要となる。写真画像等に適した代表的な
中間調処理として誤差拡散法が挙げられるが、この方法
は着目画素のデータ濃度と実際に形成されるドット濃度
との誤差をこの着目画素の周辺画素に振り分けるもの
で、周辺画素の2値データは各周辺画素毎に予め与えら
れた重み係数に着目画素の誤差を乗算し、その乗算値と
所定のしきい値を比較することによって算出される。こ
のような処理を全画素にわたって行うことによりエリア
的な平均濃度、つまり色調を元画像の濃度と等しくする
のである。
【0003】また、1つの色、例えばシアンのインクを
薄いものと濃いものに分けたり、1ドットを形成するイ
ンク吐出量やインク吐出回数を変更することにより階調
を作り出すプリントヘッドもあり、この場合、画像デー
タがもつ多値データを2値ではなく多値で表現すること
も可能である。但し、一般的には単一で256階調とい
った多階調を表現するようなインクドットを作り出すこ
とより、写真画像のような画像を高品質に再現するため
には疑似中間調処理を用いることが主流である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなカラーイ
ンクジェットプリンタでは、C、M、Yの3色又はこれ
にブラック:Kを加えた4色のインクでカラー印刷が行
われているが、通常はインクの色に関係なく同じ誤差拡
散法が用いられているので画像データの階調値が複数の
色で同じであった場合それらの色のドットが全く同じ位
置に形成されることになってしまう。また、各色でドッ
トの分布を変更して、異なる色のドットが全く同じ位置
に形成されることをある程度抑制したとしても、完全に
異なる色のドット重なりを避けることは困難である。こ
のような異なる色のドットの重なりは、その重なり順番
で色合いが異なることが知られている。インクの種類や
被印刷媒体の材質によっても違ってくるが、例えば、
C、M、Yの順で重ねられたドットよりC、Y、Mの順
で重ねられたドットの方がマゼンタよりの黒になるし、
M、Yの順で重ねられたドットよりY、Mの順で重ねら
れたドットの方がマゼンタよりの赤になる。このことか
ら、C、Y、Mのインクの重なり順序は画像全体から受
ける色の印象を変えることになる。特に写真のような画
像の印刷では色調は最も重要な要素であるので、C、
Y、Mのインクの重なり順序を無視しているこれまでの
インクジェットプリンターは、少なくとも写真画像の印
刷に関しては十分なものとは言えないことになる。上記
実状に鑑み、本発明の課題は、C、Y、M等の基本色に
よって被印刷媒体に形成される各ドットの重なりを考慮
したインクジェット式画像出力装置を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明による、ドット単位にインクを吐出する手段
を複数設けカラー画像データに応じて複数色のインクを
吐出することで被印刷媒体にカラー印刷を行うインクジ
ェット式画像出力装置では、前記画像データから得られ
る印刷すべき画像の色情報に応じて前記被印刷媒体の単
位画素における前記複数色ドットの重なり順序が変更さ
れることを特徴としている。
【0006】この構成では、インクジェット式でカラー
印刷を行うために用いられるカラー基本色としての複数
色(通常はC、M、Y)のそれぞれのドットが被印刷媒
体の単位画素において重ね合わされる場合、印刷すべき
画像の色情報に応じてその重なり順序を決定する。印刷
すべき画像がもつ色合いにもっとも適する重なり順序を
選択することで、特定の色系が鮮やかになり、従来には
なかった視覚印象に優れた画像、特に写真画像を得るこ
とができる。特に、色情報として色成分の分布を採用す
るならば、例えば、青空や海面が広がっている画像で
は、シアンの濃度分布が高くなるが、その際シアン色が
強調されるような重なり位置に来るように複数色の重な
り順序を決定すると、より鮮やかな印象を与える青空や
海面の印刷画像を作り出すことになる。
【0007】重なり順序を決定するための具体的な実施
形態の1つとして、本発明では、印刷すべき画像の色情
報から前記印刷すべき画像を支配する特定色を算定し、
この特定色に最も関連するインクのドットを前記重なり
順序の最後とすることが提案される。これは、複数色の
ドットを重ね合わせた場合一番上のドットのインク色系
統の色が印刷画像において鮮やかに見えるという経験的
な認識に基づいており、深紅のバラを撮像して得られた
画像データではマゼンタの濃度分布が高くなるが、マゼ
ンタを重なり順序の最後(一番上)にして得られた印刷
画像はマゼンタを重なり順序の最初(一番下)にして得
られた印刷画像に比べて鮮やかな画像印象を与える。
【0008】写真画像等では、画像全体を一様に特定色
が支配するといったケースより、局部的に特定色が支配
するといったケースが多い。このため、本発明によるさ
らに好適な実施形態では、カラー基本色(RGB又はC
MY)毎の濃度分布から画像を特定色が支配する複数の
エリアに区分けし、前記各エリアのドット形成において
該エリアを支配する特定色に最も関連するインクのドッ
トを重なり順序の最後とする構成が採用されている。こ
れにより、特定色で支配される複数のエリアから構成さ
れる画像、例えば山と空と紅葉からなる写真画像など、
においても、それぞれの特徴的な色調が鮮やかに表現さ
れた印刷画像が得られることになる。
【0009】写真のような画像を印刷する場合、被印刷
媒体の単位画素に割り当てられる各色のドットを形成す
るかしないかの2値で制御する場合、どうしても仕上が
り状態で粒状感が出やすくなる。このため、ドットその
ものを3値や4値さらにそれ以上の多値で制御するなら
ば、ドット自体が多階調表現できるので、良好な写真画
質が得られる。このような単位画素におけるドットの多
階調表現とドット重なり順序の制御によってさらに高品
質な写真画質が得られる。この目的のために、本発明に
よる好適な実施形態では、前記プリントヘッドを被印刷
媒体に1ドットを形成するために吐出するインク量を変
更できるように構成したり、前記プリントヘッドを被印
刷媒体に1ドットを形成するために吐出するインクの濃
度を変更できるように構成することが採用されている。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用い
た実施例の説明により明らかになるだろう。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるインクジェッ
ト式画像出力装置の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。図1に示すように、ロール状ペーパーからのプリン
トペーパー1をカッター2でプリントサイズに切断して
供給するペーパー供給部Aを備えると共に、このペーパ
ー供給部Aからの被印刷媒体としてのプリントペーパー
1を外面に支持して送る回転ドラム3と、この回転ドラ
ム3の外周面に支持されたプリントペーパー1にプリン
トに対して静電気力で小さな顔料インク滴を吐出してプ
リントを行うインクジェット型のプリントヘッドHと、
このプリントヘッドHでプリントされたプリントペーパ
ー1を送り出すペーパー排出部Bと、このプリントヘッ
ドHを入力された画像データに基づいて制御するプリン
ト制御部50を含むコントローラ5とから構成されてい
る。このカラー画像を印刷するためこのプリントヘッド
Hは、回転ドラムの周方向に並んで配置されたC(シア
ン)用プリントヘッドHc 、M(マゼンタ)用プリント
ヘッドHm 、Y(イエロー)用プリントヘッドHy を備
えている。
【0011】この画像出力装置では、前記プリントヘッ
ドHが回転ドラム3に対してその回転ドラム3の軸芯と
平行する方向に往復移動自在に構成されると共に、プリ
ントに先立って前記回転ドラム3を電気的に負又はグラ
ンド側に設定して、プリント時には、プリントすべき画
像情報に対応するプリントヘッドHの電極を指定してパ
ルス電流を印加することで、そのノズルの電極の電位を
高め静電気力で正に帯電したインク滴をノズルから吐出
飛翔させ回転ドラム3に支持されたプリントペーパー1
にインク滴を吹き付けてドットを形成する。このドット
形成はプリントヘッドHを回転ドラム3の軸芯方向に移
動させながら行われることにより所定幅のドットライン
が形成される。この1列のドットラインが形成される毎
に回転ドラム3をプリントヘッドHによる周方向のプリ
ント幅に対応した量だけ回転させられる、順次ドットラ
インが形成されることにより画像が形成される。実際の
カラー画像のプリントでの回転ドラム3、プリントヘッ
ドHの軸方向移動、各プリントヘッドHc 、Hm 、Hy
のインク吐出等の制御は、種々の方式を選択採用するこ
とができる。
【0012】その一つでは、C、M、Yの3つのプリン
トヘッドのうちの選択されたプリントヘッドが、例えば
C(シアン)用プリントヘッドHc によってシアンの全
ドットが形成され、続いてM(マゼンタ)用プリントヘ
ッドHm によってマゼンタの全ドットが、最後にY(イ
エロー)用プリントヘッドHy によってイエローの全ド
ットが形成され、プリントペーパ1にカラー画像が形成
される。この場合、印刷画像の全領域において、各色の
重なり順序は固定される。
【0013】他の一つでは、回転ドラム3を連続的に回
転させ、プリントヘッドHを回転ドラム3が3回回転す
る毎に回転ドラム3の軸芯方向に1ステップ移動する状
態で間欠的に移動させて画像が形成される。この形式で
は、プリントペーパ1上のある点に着目して説明する
と、1回転目である色のプリントヘッドでのインク吐出
によってドットが形成され、2回転目で他の1つのプリ
ントヘッドによって先に形成されたドットに新たなドッ
トを形成し、さらに、3回転目で残りのプリントヘッド
によってさらにドットを重ねるようにインクを吐出する
ことで、プリントペーパ1に定義される単位画素毎に所
望のカラードットを所定の順番で重ねることができる。
さらに、必要の場合その所定の重なり順番を各単位画素
毎に設定してプリントすることも可能である。
【0014】前記プリントヘッドHは各色とも共通する
構造が採用され、その概略は図2に示すように、絶縁体
で成る基板4の上面に対して、下側にインク10が流通
するインク室7aを形成するための凹部と、この凹部と
連通するノズル6を形成するための多数の溝とが形成さ
れたカバー7を重ね合わせることで、インク室7aに連
通する状態の多数のノズル6を形成してあり、又、夫々
のノズル6に対応する基板4に対して銅箔等の導体で成
る電極8が形成され、インク室7aにはインクタンク9
からのインク10が供給されるよう構成されている。プ
リント制御部50の働きで、プリントヘッドHの選択さ
れたノズル6の電極8にパルス信号を出力することによ
り、ノズル6からインク滴10aを吐出して回転ドラム
3に載置されたプリントペーパ1の単位画素の位置にド
ットが形成される。
【0015】印刷すべき画像データを入力するために、
フィルムスキャナ11が接続されている。フィルムスキ
ャナ11は、発生させた光ビームの色分布や強度分布を
整えて写真フィルムを照射する照明光学系と、写真フィ
ルムからの透過光ビームを光学的に処理する撮像光学系
と、撮像光学系によって導かれた光ビームをスリット画
像としての電荷画像に光電変換する光電変換部から構成
されており、光電変換部を構成するCCDセンサから出
力されるRGB毎の各画素信号は所定のビット数のデジ
タル信号に変換される。このようにして光電変換部で取
得されたR・G・B信号としてのデジタル画像データは
コントローラ5へ送られる。
【0016】さらに、コントローラ5には、各種処理情
報を表示するモニター5aや各種処理命令を入力するた
めの操作卓5b、さらにはメモリーカードやMOやFD
などの画像データ記録メディアから画像データを受け付
けたり、通信回線を介して伝送されてくるデジタル画像
データを受け付ける外部画像入力部12が接続されてい
る。この外部画像入力部12が設けられていることによ
り、この画像出力装置は、入力される原画像として写真
フィルムだけでなく、デジタルカメラによって撮像され
た画像や、コンピュータグラフィックソフトなどで作成
されたCG画像をも取り扱うことができる。
【0017】コントローラ5は、CPU、ROM、RA
M、I/F回路などからなるマイクロコンピュータシス
テムを中核部材として構成され、前述したプリント制御
部50以外にもこの画像出力装置に必要な各種機能をハ
ードウエア又はソフトウエア或いはその両方で実現させ
ている。例えば、特に本発明に関連する機能を行うため
に、図3に示すように、このコントローラ5には、フィ
ルムスキャナ11や外部画像入力部12を介して入力さ
れた画像データを一時的に格納するワーキングメモリ5
1、格納された画像データに対してデジタル画像化機器
の変換特性等の補正を含めたレベル補正などの前処理を
行うプレ画像処理部52、入力された画像データの解像
度をこの画像出力装置の解像度に対応させる解像度変換
部53、RGBの階調値からなるデジタル画像をRGB
−CMY変換テーブルを有するLUT54aを用いてC
MYの階調値からなる画像データに変換する色補正部5
4、変換されたCMY画像データの階調値(一般に各色
8ビット256階調)をプリントヘッドHが作り出せる
階調値(この実施形態では2ビット2階調)に変換する
ハーフトーン処理部56、プリントペーパ1におけるC
MY各色のインクドットの形成順つまり重なり順序を決
定する重なり順序決定部57、回転ドラム3とプリント
ヘッドHの制御を行うプリント制御部50が構築されて
いる。
【0018】プリント制御部50は、回転ドラム3を回
転駆動する回転モータに駆動信号を出力するドラム回転
制御部50a、回転ドラム3とプリントヘッドHの電極
8との間に正のバイアス電圧を与えるバイアス電圧制御
部50b、プリントヘッドHを回転ドラム軸芯方向に移
動させるヘッド移動モータに駆動信号を出力するヘッド
移動制御部50c、2値化された画像データに基づいて
プリントヘッドHの対応するノズル6の電極8にパルス
信号を印加してインク滴を吐出させるインク吐出制御部
50dを備えている。
【0019】次に、ハーフトーン処理部56による、2
56階調データの2値化を説明する。この実施の形態で
はハーフトーン処理部56は誤差拡散法を用いている。
図4には、CMY画像データのうちのシアン:Cの画像
データの一部がマトリックス状に配置された形で示され
ている。ここでは横位置をxで縦位置をyで表し、画像
データ値としての各画素のシアン色の階調値はDc[x,y]
で表している。誤差拡散法で用いられる重み係数の模式
的なマトリックスが図5に示されており、そこでは注目
された画素位置が[x,y] の場合の重み係数は、注目画素
の左隣からW[x+1,y]=1/4 、W[x+2,y]=1/8 、さらに注
目された画素位置の1行下ではW[x-2,y+1]=1/16、W[x
-1,y+1]=1/8 、W[x,y+1]=1/4 、W[x+1,y+1]=1/8 、W
[x+2,y+1]=1/16といったように与えられている。また、
256階調データから2値化データへのしきい値:SHが
128 に設定されている。
【0020】注目画素位置が[x,y] でそのシアンの階調
度Dc[x,y]=100とすれば、階調しきい値:SH=128との比
較でその2値化データ:Bc[x,y]は「0」となる。よっ
て、その画素の誤差は100 となり、その誤差は周辺の画
素に重み係数を用いて振り分けられる。例えば、注目画
素の右隣の画素の階調度:Dc[x+1,y]にはW[x+1,y]*10
0=1/4*100=25が追加される。このように、注目画素の2
56階調データを2値化するとともに、その誤差を周辺
の画素に振り分けながら、全ての画素を2値化する。こ
のようにして得られた2値化データ、つまりプリントデ
ータががCMYプレーンに分けられた形で図6に示され
ている。
【0021】2値化データでは、「0」はドットの形成
なしで、「1」はドットの形成ありを示しているので、
CMYプレーンで同じ画素位置に「1」が複数あれば、
プリントペーパ1の単位画素に複数の色のドットが重な
って形成されることになる。重なり順序決定部57は、
このように複数の色のドットが重なって形成される際の
重なり順序を決定するものであるが、大きく分けて2つ
のモードがある。画像全体にわたって、所定の重なり順
序でドットを形成する全域モードと、画像を複数のエリ
アに分割して、それら各エリア毎で重なり順序を決定す
るエリアモードである。
【0022】いずれにしても、その重なり順序は画像デ
ータがもつ色情報によって決定されるが、その代表的な
アルゴリズムを1つを以下に述べる。まず全域モードで
は、画像データ全体から、CMY各色の頻度値をチェッ
クし、最大の頻度値をもった色と他の2色の頻度値との
差が予め設定された支配しきい値より大きい場合その色
を印刷画像を支配する色とみなし、その色が重なりドッ
トの一番上にくるように設定する。これにより、青い空
や深紅のバラがより鮮やかな印象に受け取られる印刷画
像が得られる。但し、最大頻度の色と他の2色の頻度値
との差が前記支配しきい値より十分大きな値に設定され
た疎外しきい値を上回り濃度差が極端となる場合は、逆
に最も頻度値の小さい色が重なりドットの一番上にくる
ように設定する。これにより、特定の色合いが目立たな
くなってしまうことを回避し、よりリアルな印象に受け
取られるプリント画像が得られる。 もちろん、前記支
配しきい値を上回らない場合には、基準の重なり順序に
設定される。この基準順序は、使用されるインクの種
類、プリントペーパの種類によって予め経験的かつ実験
的に決定され、例えばC、M、Yの重なり順序が採用さ
れる。
【0023】このアルゴリズムの変形として、最大頻度
の色が支配しきい値を上回らない場合、最小の頻度値を
もった色と他の2色の頻度値との差をチェックして予め
設定された疎外しきい値より大きい時にその色を印刷画
像から疎外された色とみなし、その色が重なりドットの
一番上にくるように設定するようにしてもよい。
【0024】エリアモードでは、適当に分割されたエリ
ア単位で上述したアルゴリズムが適用されるので、例え
ば、青空と深紅のバラが組み合わさった画像であって
も、それぞれがより鮮やかな印象となる印刷画像を作り
出すことが可能となる。もし、エリアモードにおけるエ
リア分割を最小単位である一画素まですすめると、画素
単位で色の重なり順序を変えることになる、色表現の多
様性は飛躍的に向上する。上記のアルゴリズムでは、2
値化されたCMY3色の頻度値を用いたが、これに代え
てCMYの多値データ、例えばCMY各色8ビット階調
のデータから、階調ヒストグラムを作製し、このヒスト
グラムの分析からCMYの重なり順序を決定してもよ
い。
【0025】CMYの重なり順序が決定されると、プリ
ント制御部50をその重なり順序が実現するように回転
ドラムやプリントヘッドHを制御して、プリントペーパ
1にドットを順次形成し、印刷画像を作り出す。
【0026】上記実施の形態では、ハーフトーン処理に
おいて、256階調データから2階調データ(ドットを
形成するかしないかの2つの状態)への変換を行ってい
たが、プリントヘッドHが、プリントペーパ1に1ドッ
トを形成するために吐出するインク量を変更できる構成
(例えば印加パルスを調整する)を備えているか、ある
いはプリントペーパ1に1ドットを形成するために吐出
するインクの濃度(例えば、吐出前に希釈液の量を調整
する)を変更できるように構成している場合、2ビット
以上の多値化に変換することになる。例えば、256階
調データから「ドット形成なし」、「薄ドット」、「中
ドット」、「濃ドット」の4階調に変換する場合では、
3つの階調しきい値:SH1=64、SH2=128 、SH3=192 を設
定し、これによって各画素の256階調データを4階調
データに変換し、それによって生じる誤差を前述したよ
うに順次周辺画素に割り振って、各CMYプレーンでの
4階調データを作製することができる。後は、重なり順
序決定部57によって決定された順序で、各色インクの
ドットを4階調のいずれかで形成すればよい。もちろ
ん、プリントヘッドHが十分な階調度をもって各ドット
を形成することができるなら、ハーフトーン処理部56
による上述した疑似階調化を省略して、画像データから
重なり順序だけを決定して、プリントすることができ
る。
【0027】上記実施例では、静電方式のプリントヘッ
ドを例に挙げたが、この方式以外、圧電素子を用いてイ
ンクを吐出するプリントヘッドやインク流路に設けたヒ
ータによって発生するバルブによりインクを吐出するプ
リントヘッドを本発明の画像出力装置に採用することは
もちろん可能である。また、ハーフトーン処理として誤
差拡散法を例に挙げたが、パターンディザ法など他の疑
似拡散手法を採用してもよい。
【0028】また、インクジェットプリンタの構造とし
て、回転ドラム方式を取り上げたが、各色のプリントヘ
ッドをプリントペーパ搬送方向に並べるとともに、プリ
ントペーパ1をベルト等でプリントヘッドに対して往復
移動(1往復半)させることにより、所望の順番で各色
インクドットを重ねて形成することを可能にするペーパ
往復移動方式を採用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式画像出力装置の模式
【図2】プリントヘッドの概略図
【図3】コントローラの機能を説明する機能ブロック図
【図4】CMY変換された8ビット階調画像データ(シ
アン)を模式的に示す説明図
【図5】誤差拡散法における重み係数を示す説明図
【図6】2値化変換された画像データを模式的に示す説
明図
【符号の説明】
1 被印刷媒体(プリントペーパ) 3 回転ドラム 5 コントローラ 50 プリント制御部 53 解像度変換部 54 色補正部 56 ハーフトーン処理部 57 重なり順序決定部 H プリントヘッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドット単位にインクを吐出する手段を複数
    設けカラー画像データに応じて複数色のインクを吐出す
    ることで被印刷媒体にカラー印刷を行うインクジェット
    式画像出力装置において、 前記画像データから得られる印刷すべき画像の色情報に
    応じて前記被印刷媒体の単位画素における前記複数色ド
    ットの重なり順序が変更されることを特徴とするインク
    ジェット式画像出力装置。
  2. 【請求項2】前記重なり順序の変更の判断基準となる前
    記色情報は色成分の分布であることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット式画像出力装置。
  3. 【請求項3】前記色情報から前記印刷すべき画像を支配
    する特定色を算定し、この特定色に最も関連するインク
    のドットを前記重なり順序の最後とすることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のインクジェット式画像出力装
    置。
  4. 【請求項4】前記印刷すべき画像がもつ濃度分布から特
    定色が支配する複数のエリアにこの画像を区分けし、前
    記各エリアのドット形成において該エリアを支配する特
    定色に最も関連するインクのドットを重なり順序の最後
    とする請求項3に記載のインクジェット式画像出力装
    置。
  5. 【請求項5】前記プリントヘッドは前記被印刷媒体に1
    ドットを形成するために吐出するインク量を変更できる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のイン
    クジェット式画像出力装置。
  6. 【請求項6】前記プリントヘッドは前記被印刷媒体に1
    ドットを形成するために吐出するインクの濃度を変更で
    きることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    インクジェット式画像出力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114559741A (zh) * 2020-11-27 2022-05-31 深圳市汉森软件有限公司 多层图像重叠出墨点打印方法、装置、设备及存储介质

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