JP2001253008A - 反射防止透明導電性積層フイルム及びこれを用いた画像表示装置 - Google Patents

反射防止透明導電性積層フイルム及びこれを用いた画像表示装置

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JP2001253008A
JP2001253008A JP2000071073A JP2000071073A JP2001253008A JP 2001253008 A JP2001253008 A JP 2001253008A JP 2000071073 A JP2000071073 A JP 2000071073A JP 2000071073 A JP2000071073 A JP 2000071073A JP 2001253008 A JP2001253008 A JP 2001253008A
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JP2000071073A
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Tsukasa Yamada
司 山田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた帯電防止性、電磁波遮蔽性、反射防止
性、機械特性、防汚性に優れた反射防止透明導電性積層
フイルム及びこれを用いた画像表示装置を提供する。 【解決手段】 透明支持体1上に少なくとも1種以上の
金属からなる微粒子を有する透明導電層3と、該透明導
電層の外層に形成され、この透明導電層の屈折率と異な
る屈折率を有する少なくとも1層の透明性反射防止層
4、防汚層5からなる反射防止透明導電性積層フイルム
の該透明支持体1を傷回復性を示す素材で構成した反射
防止透明導電性積層フイルム及びこれを用いた画像表示
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた帯電防止効
果、電磁波遮蔽効果、反射防止効果、機械特性及び防汚
性に優れ、密着性の改良された反射防止透明導電性積層
フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】TVブラウン管やコンピュータディスプ
レイとして用いられている陰極線管やプラズマディスプ
レー等は、フェースパネル面に発生する静電気により埃
が付着して視認性が低下する他、電磁波を輻射して周囲
に悪影響を及ぼすなどの問題点を有している。 また陰
極線管のフラット化等により、反射防止機能が必要とな
っている。 またフェースパネル面は手が触れたり、汚
れを落とすことにより、擦り傷が発生しやすい問題があ
る。
【0003】帯電防止、電磁波遮蔽および反射防止を目
的として、銀等の金属あるいはITO等の導電性金属酸
化物を蒸着・スパッタ等で導電性層をフェースパネル面
に直接形成させる方法が提案されているが、膜形成には
真空処理や高温処理が必要であり、製造費が高価になっ
たり、生産性に問題があった。
【0004】また、ゾル−ゲル法による塗布方式の導電
性薄膜の形成法も提案されているが(羽生等,Nati
onal Tecnical Report 40,N
o.1,(1994)90)、高温処理が必要であり、
透明支持体であるプラスチックフイルム上やハードコー
ト上への積層は支持体の変質が起こることにより、支持
体として使用できる素材が限定されてしまう問題があっ
た。
【0005】導電性酸化物微粒子やコロイドを分散させ
た透明導電性塗料も提案されているが(特開平6−34
4489、特開平7−268251)、得られた透明導
電性層の導電性が低い問題があった。
【0006】さらに、導電性をあげるため、金属微粒子
からなる透明導電膜が提案されるようになってきた(特
開昭63−160140、特開平9−55175)。
また、透明導電膜上にテトラエトキシシラン等の反射防
止塗料を塗布することにより低反射透明導電膜を形成す
る方法が提案されている(特開平10−14240
1)。 しかし透明支持体の上に金属微粒子を塗布した
だけでは機械強度が弱いという問題があり、テトラエト
キシシラン等の反射防止塗料と透明導電層の密着が発現
しないという問題があった。 そのため、ゾル−ゲル法
による反射防止層の積層は透明支持体の使用が限られて
しまう問題が生じてしまい、上記低反射透明導電膜の形
成方法ではガラスフェースパネルに直接塗布することし
かできないという問題があった。
【0007】また、ガラスフェースパネルに銀微粒子を
直接スピンコート法により塗布し、150℃近辺で焼結
反応を起こすこと、表面のAg2Oも分解反応を起こす
ことにより焼成することで導電性の改良が提案されてい
るが(特開平10−66861)、耐熱性のあるガラス
等の支持体にしか適応できない。
【0008】そこで、設備投資が大きく、高温処理が必
要なフェースパネル前面に直接塗膜を形成させる方法に
対し、支持体に薄膜を形成したものを張り付ける方法も
提案されている(瀧等,National Techn
ical Report,42,No.3(1996)
264−268)。
【0009】これらの薄膜の形成方法は、ITO等の導
電性金属酸化物を蒸着・スパッタ等で導電性層を形成さ
せる方法であり、膜形成には真空処理が必要であり、製
造費が高価になったり、生産性に問題があった。
【0010】本発明者らは、少なくとも1種以上の金属
からなる微粒子を有する透明導電層と、該透明導電層の
外層に形成されこの透明導電層の屈折率と異なる屈折率
を有する少なくとも1層の透明被膜層を形成することに
より安価な塗布型で透明導電膜を形成できることを確認
した。しかしながら金属微粒子層の機械強度が弱いた
め、傷つきやすく実用に耐えるものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するためになされたものであって、帯電防止性、
電磁波遮蔽性、反射防止性、防汚性、生産性、機械特性
に優れたフェースパネルに貼り付けることの可能な反射
防止透明導電性積層フイルム及びこれを用いた画像表示
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者の鋭意検討の結
果、上記の課題は、透明支持体上に、少なくとも1種以
上の金属からなる微粒子を有する透明導電層と、該透明
導電層の外層に形成され、この透明導電層の屈折率と異
なる屈折率を有する少なくとも1層の透明性反射防止
層、防汚層からなる反射防止透明導電性積層フイルムに
おいて、該透明支持体が傷回復性を示す素材で構成され
ることを特徴とする反射防止導電性積層フイルムことに
より解決されることが解った。すなわち、透明支持体を
柔軟にして加傷時の圧力を和らげ、加傷後にはついた傷
が回復する支持体を選択することで本積層フィルムの耐
傷性が改良されることがわかり、本発明に至ったもので
ある。
【0013】本発明の反射防止透明導電フイルムを、T
Vブラウン管やコンピュータディスプレイとして用いら
れている陰極線管やプラズマディスプレー等の表面に直
接ラミネートする事により、PVD法やCVD法を用い
る従来の導電性被膜の形成技術やフェースパネル等に直
接導電性皮膜等を塗布する方法に比べ、設備も工程も格
段に簡易化することが出来、さらに、表面機械特性特に
鉛筆引っ掻き試験に対する耐性を向上させることが可能
となり、密着不良による膜の剥がれ等の問題も発生しな
い。また、本フィルムを液晶ディスプレイに直接貼合す
ることで、液晶ディスプレィの表面機械特性、反射特性
を改善することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。図1に、本発明の好ましい一実施形態であ
る反射防止透明導電性積層フイルムを示す。 傷回復性
支持体上に、金属微粒子からなる透明導電層と、その外
層に透明導電層と異なる屈折率を有する反射防止層が形
成され、最外層には防汚層から構成されている。前述の
通り反射防止層は防汚層と同一でもよい。
【0015】本発明に用いられる透明支持体としては、
ポリウレタン樹脂、ポリシリコーン樹脂、イソプレン系
樹脂、ニトリルゴム系樹脂、エチレンプロピレンゴム系
樹脂、クロロプレン系樹脂、ポリエステルエラストマ
ー、エピクロヒルヒドリン系樹脂ポリウレタン系樹脂、
アクリル系透明ゴム状樹脂、シリコーン系ゴム状樹脂、
オレフィン系・スチレン系エラストマーあるいは、それ
らと他の樹脂とのブレンド品、ポリマーアロイ等の軟質
樹脂が使用可能である。透明性・自己修復性の観点か
ら、ポリシリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエス
テルエラストマーがより好ましく、ポリウレタン樹脂が
更に好ましい。。フィルムの厚さは、要求特性等によっ
て決定すればよく、特に制限はないが取り扱い性のしや
すさから100μm乃至500μmの範囲にあることが
好ましい。
【0016】該シリコーン系ゴム状樹脂の好適例として
は、ポリオルガノシロキサン、硬化剤、硬化促進剤等の
混合物を加熱硬化して得られたものが挙げられる。市販
されているものとしては、アルファゲル(シーゲル社
製)がある。
【0017】次に使用できるポリウレタン樹脂の特徴に
ついて述べる。該ポリウレタン樹脂は、通常のポリオー
ルとポリイソシアネートとを常用の配合剤共存下に反応
させて得ることができる。なお、これらには、充填剤な
ど常用の配合剤を添加しておくとより優れた効果をもた
らすことができる。原料として使用できるポリイソシア
ネートは、得られるポリウレタン樹脂の耐久黄変性の点
で、無黄変性ポリイソシアネートが好ましい。無黄変性
ポリイソシアネートは芳香核に直接結合したイソシアネ
ート基を有しない非芳香族あるいは芳香族のポリイソシ
アネートである。脂肪族もしくは脂環族のジイソシアネ
ートまたは3価以上のポリイソシアネートが特に好まし
い。
【0018】具体的にはヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタ
ンジイソシアネートなどがある。特に3官能以上のポリ
イソシアネートあるいはそれとジイソシアネートの混合
物が好ましい。3官能以上のポリイソシアネートとして
はジイソシアネートのヌレート変性体、ビューレット変
性体、トリメチロールプロパンなどの3価アルコールで
変性したウレタン変性体が好ましい。
【0019】透明支持体の光透過率は、80%以上であ
ることが好ましく、86%以上であることがさらに好ま
しい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であること
が好ましく、1.0%以下であることがさらに好まし
い。透明支持体の屈折率は、1.4乃至1.7であるこ
とが好ましい。
【0020】この透明支持体フィルムは、所望により着
色又は蒸着されていてもよく、また紫外線吸収剤を含ん
でいてもよい。さらに、その表面に設けられる層との密
着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、
酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができ
る。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、グロ
ー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処
理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられる。 更
に、一層以上の下塗り層、プライマー層を設けることが
できる。 下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、
ビニルエステル等の共重合体或いはラテックス、ゼラチ
ン等の水溶性ポリマーなどが挙げられるが特に限定はさ
れない。
【0021】本発明の透明導電層は、基本的には少なく
とも1種以上の金属からなる微粒子を含有する層からな
る。 1種以上の金属からなる微粒子としては、金、
銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、パラジウム、プ
ラチナ等の金属あるいはこれらの合金が挙げられる。
特に銀が好ましく、さらに耐候性の観点からパラジウム
と銀の合金が好ましい。 パラジウムの含有量としては
5〜30wt%が好ましく、パラジウムが少ないと耐候
性が悪く、パラジウムが多くなると導電性が低下する。
金属微粒子の作成方法としては、低真空蒸発法による
微粒子の作製方法や金属塩の水溶液を鉄(II)、ヒドラ
ジン、ボロンハイドライド、ヒドロキシエチルアミン等
のアミン等の還元剤で還元する金属コロイド作製方法が
挙げられる。
【0022】これら金属微粒子の平均粒径は1〜100
nmが好ましい. 100nmを越える場合には、金属
粒子による光の吸収が大きくなり、このために粒子層の
光透過率が低下すると同時にヘイズが大きくなり、ま
た、これら金属微粒子の平均粒径が1nm未満の場合に
は微粒子の分散が困難になること、微粒子層の表面抵抗
が急激に大きくなるため、本発明の目的を達成しうる程
度の低抵抗値を有する被膜を得ることができない。 透
明導電層は実質的に金属微粒子のみからなることが好ま
しく、バインダー等の非導電性のものを含有しないこと
が導電性の観点から好ましい。
【0023】金属の微粒子層の形成は、金属微粒子を水
を主体とする溶液あるいは有機溶剤等に分散した塗料を
ハードコート上に塗布して作製する。 金属微粒子の分
散安定化のためには水を主体とする溶液が好ましく、水
と混合出来る溶剤としてはエチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアル
コール、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアル
コールが好ましい。金属の塗布量としては、50〜15
0mg/ m2が好ましく、塗布量が少ないと導電性が取
れず、塗布量が多いと透過性が劣る。
【0024】透明導電層の表面抵抗率は、スウェーデン
中央労働者協議会が制定したTCOガイドラインをクリ
アーするため1000Ω/□以下が必要であり、透過性
は50%以上が好ましい。
【0025】透明導電性層の導電性や透過性の向上のた
め、熱処理や水処理することが出来る。 熱処理は、プ
ラスチックフイルムの耐熱性によるが、150℃以下が
好ましい。 100℃から150℃が好ましい。 15
0℃以上ではプラスチックフイルムの熱による変形が起
こりやすく、100℃以下では熱処理の効果が出難く、
長時間の処理時間が必要になってしまう。
【0026】熱処理の方法は、ウェッブ状態で加熱ゾー
ンを通しながら処理することが均一な処理が出来て好ま
しい。 加熱ゾーンの長さと搬送速度で滞在時間を調節
することが出来る。 またロール状のフイルムを高温槽
中で加熱することも可能であるが、熱伝導のバラツキを
考慮した時間設定が必要になる。
【0027】また、熱処理に先立ち、透明導電性層を水
洗等の水処理をする事で熱処理をさらに効率良くするこ
とが出来る。 水洗等の水処理は、通常の塗布方式によ
る水だけの塗布、具体的にはディップコート塗布、ワイ
ヤーバーによる水の塗布等があり、他にはスプレーやシ
ャワーで水を透明導電性層に掛ける方法がある。 透明
導電性層に水をかけた後、過剰の水は必要に応じて、ワ
イヤーバー、ロッドバーで掻き取ったり、エアーナイフ
で掻き取ることが出来る。
【0028】これらの水処理により、熱処理後の透明導
電性槽の表面抵抗をさらに低下させることが出来、加え
て透過率の増加、透過スペクトルの平坦化、反射防止層
を積層した後の反射率の低下に対する効果が顕著にな
る。
【0029】本発明の透明導電層の屈折率と異なる屈折
率を有する少なくとも1層の透明性反射防止層の屈折率
は、2よりも小さいことが好ましい。 好ましくは屈折
率と透明反射防止膜の厚み(nm)との積が100〜2
00の範囲に入ることが好ましい。この透明反射防止層
については特に制限はないが、例えば例えばポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、紫外線
硬化樹脂などの有機系合成樹脂、ケイ素などの金属アル
コキシドの加水分解物、またはシリコーンモノマー、シ
リコーンオリゴマーなどの有機・無機系化合物、シリ
カ、アルミナ、チタニア、ジルコニア或いはこれらの混
合物等のゾル・ゲル反応による透明酸化物被膜が挙げら
れる。透明性反射防止層をペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレートやジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等の放射線硬化性樹脂あるいはこ
れらに微粒子のシリカやアルミナ等を添加したもので形
成することにより表面硬度を上げることで好ましい。ま
た、このようなアルキルシリケート部分加水分解重合
物、例えばオルトアルキルシリケートを加水分解してあ
る程度脱水縮重合を進行させた形のものなどを用いるこ
とも好ましい。オルトアルキルシリケートとしては、例
えばオルトメチルシリケートSi(OCH34、オルト
エチルシリケートSi(OC25)オルトプロピルシリ
ケートSi(OC374、オルトブチルシリケートS
i(OC494、などを使用することができ、また2
種以上のアルキル基を同一分子内に有するオルトアルキ
ルシリケートでも良い。また2種以上のアルキルオルト
シリケートを混合して使用しても差し支えない。また、
シリコン化合物、フッ化炭化水素基含有ポリマー、フッ
化炭化水素、シリコンを有するモノマーのグラフト、ブ
ロック共重合体等を用いることも好ましい。本素材が熱
架橋性であれば更に好ましい。
【0030】最外層の防汚層としては、公知のフッ素を
含有する低表面エネルギーの化合物が好ましく、具体的
にはフッ化炭化水素基を含有するシリコン化合物、フッ
化炭化水素基含有ポリマー、フッ化炭化水素、シリコン
を有するモノマーのグラフト、ブロック共重合体等が挙
げられる。 これらは熱硬化性、放射線硬化基を含有す
る架橋性の樹脂が好ましい。 表面の水の接触角は80
℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。
【0031】本発明の積層フイルムの作製は、支持体フ
イルム上に各層の塗料をディッピング法、スピナー法、
スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤー
バー法等の公知の薄膜形成方法で各層を順次形成、乾燥
して作製することが出来る。
【0032】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明する。 (傷回復性支持体B−1の作成)水酸基価196のポリ
カプロラクトントリオール49部、水酸基価540のポ
リカプロラクトントリオール39部、水酸基価38のポ
リカプロラクトントリオール10部、有機変性ポリシロ
キサン(Byk−chemie社製BYK−300)
0.6部、第四級アンモニウム塩系帯電防止剤(花王社
製KS−555)10部、光安定剤(旭電化社製MAR
K・LA−7H)0.38部、紫外線吸収剤(チバガイ
ギー社製TINUVIN328)0.6部および酸化防
止剤(チバガイギー社製IRGANOX1010)0.
4部を80℃で5時間加熱溶融下に撹拌し、真空脱泡し
て均一なポリオールシステム液を調製した。さらに、N
CO含量(イソシアネート全体の分子量中のNCO基全
体の分子量の割合)21重量%のヌレート変性ヘキサメ
チレンイソシアネート90部、イソホロンジイソシアネ
ート5部、水添MDI5部およびジブチル錫ジラウレー
ト0.01部を80℃で6時間加熱下に撹拌混合して均
一なイソシアネートシステム液を調製した。この両シス
テム液をポリオール/イソシアネート=100/90の
重量比で連続的に吐出・撹拌混合しながらガラス板上に
均一に膜厚0.2mmで塗工し流延した。この液膜をオ
ーブン中で120℃にて20分加熱し重合を完結させ、
透明ポリウレタン樹脂を得た。
【0033】(傷回復性支持体B−2の作成)イソフタ
ル酸ジメチル175部、セバシン酸ジメチル23部、ヘ
キサメチレングリコール140部をジブチル錫ジアセテ
ート触媒でエステル交換反応後、減圧下に重縮合して、
ポリエステルを得た。このポリエステルに、別途同様に
重縮合して得た固有粘度0.98のポリブチレンテレフ
タレートのチップを乾燥して、107部添加し、240
℃で更に60分間反応させた。更に5分間反応させたの
ち、フェニルフォスフォン酸を0.1部添加して反応を
停止させチップ化して原料とした。得られたチップをT
ダイ付きの40mm押出機より230℃で押出し、直ちに
表面に水を付けた冷却ドラムで冷却した後、離型紙を挟
み巻取り支持体を得た。
【0034】(その他の支持体)TD80UF(富士写
真フィルム(株)トリアセチルセルロース)、およびコ
スモシャインA−4300(東洋紡績(株)下塗りPE
T)を支持体B−3,B−4として用いた。
【0035】(銀パラジウムコロイド分散液の 調製)
30%硫酸鉄(II)FeSO4・7H2O、40%のクエ
ン酸を 調製、混合し、20℃に保持、攪拌しながらこ
れに10%の硝酸銀と硝酸パラジウム(モル比9/1に
混合したもの)溶液を200ml/minの速度で添加
混合し、その後生成した遠心分離により水洗を繰り返
し、最終的に3重量%になるように純水を加え、銀パラ
ジウムコロイド分散液を 調製した。 得られた銀コロ
イド粒子の粒径はTEM観察の結果、粒径は約9〜12
nmであった。 ICPによる測定の結果、銀とパラジ
ウムの比は9/1の仕込み比と同一であった。
【0036】(銀コロイド塗布液の 調製)前記銀コロ
イド分散液100gにi−プロピルアルコールを加え、
超音波分散し孔径1μmのポリプロピレン製フィルター
で濾過して塗布液を 調製した。
【0037】(反射防止層用塗布液L−1の 調製)ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、
日本化薬(株)製)2gと光重合開始剤(イルガキュア
907、チバガイギー社製)80mgおよび光増感剤
(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)30mg
をメチルイソプロピルケトン38g、2−ブタノール3
8g、メタノール19gの混合液に加えて溶解した。混
合物を30分間撹拌した後、孔径1μmのポリプロピレ
ン製フィルターで濾過して低反射防止層用塗布液を調製
した
【0038】(反射防止層用塗布液L―2の 調製)テ
トラメトキシシラン50gに0.01規定の硝酸15g
を30分かけて滴下し、3時間激しく攪拌した。液が均
一になったことを確認後室温で12時間放置しさらに3
0分間撹拌した。この液を孔径1μmのポリプロピレン
製フィルターで濾過した後にメタノール450gで希釈
し低反射防止層用塗布液を調製した。
【0039】(反射防止層用塗布液L―3の 調製)熱
架橋性含フッ素ポリマー(JN−7214、日本合成ゴ
ム(株)製)にイソプロピルアルコールを加えて、0.5
重量%の粗分散液を調製した。粗分散液を、更に超音波
分散し、防汚層用塗布液を調製した。
【0040】(防汚層用塗布液O−1の調製)熱架橋性
含フッ素ポリマー(JN−7214、日本合成ゴム(株)
製)にイソプロピルアルコールを加えて、0.2重量%
の粗分散液を調製した。粗分散液を、更に超音波分散
し、防汚層用塗布液を調製した。
【0041】[実施例および比較例] (反射防止透明導電性積層の形成)表1に記載の傷回復
性支持体にコロナ処理を施した後、上記銀コロイド塗布
液をワイヤーバーで塗布量が70mg/m2になるよう
に塗布し、40℃で乾燥した。 この銀コロイド塗布面
に、ポンプで送液した水をスプレーでかけ、エアーナイ
フで過剰の水を除去した後、120℃の加熱ゾーンで搬
送しながら、5分の処理を行った。 次いで、表1に記
載の反射防止層を膜厚80nmになるように塗布・乾燥
し、120℃で2時間熱処理した。 さらに、一部の実
施例においては防汚層用塗布液を同様にワイヤーバーで
5mg/m2塗布し120℃で乾燥・熱処理を行った。
詳細条件は表1に記載した
【0042】 (表1) 実験の種類 支持体 反射防止層 防汚層 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 B−1 L−1 O−1 実施例2 B−1 L−2 O−1 実施例3 B−1 L―3 なし 実施例4 B−2 L−3 なし 比較例1 B−3 L−1 O−1 比較例2 B−4 L−3 なし −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0043】作成した積層フイルムの特性を測定した結
果を表2に示す。 何れのフイルムの表面電気抵抗率は
200Ω/□、平均反射率は0.8%であり、また、防
汚性も○であった。
【0044】 (表2) 実験の種類 密着 鉛筆硬度 スチールウール試験 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 ○ 4H △ 実施例2 ○ 4H △ 実施例3 ○ 4H △ 実施例4 ○ 4H △ 比較例1 × H × 比較例2 △ H × −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0045】各測定は以下に示す方法で行った。 (反射防止膜の評価) (1)表面抵抗率 4端子法表面抵抗率計(三菱化学(株)製「ロレスタG
P」)による測定値 (2)反射率率 分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、450〜65
0nmの波長領域における平均透過率。
【0046】(3)防汚性 フイルム表面に指紋を付着させ、東レ(株)製トレシーを
用いてふき取った状態の評価(○は指紋が完全にふき取
れた状態、×は指紋の一部がふき取れずに残った状
態)。 (4)鉛筆引っ掻き試験の硬度 フイルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間
調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛
筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度
評価方法に従い、1kgの加重にて傷が全く認められな
い鉛筆の硬度の値。
【0047】スチールウール試験 フイルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間
調湿した後、#0000のスチールウールを接地面積1
cm2、加重200gにて50往復した後の傷で判定
(○は傷がなし、△は弱い傷が発生、×は傷が明らかに
認められるもの) 密着試験 フイルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間
調湿した後、カッターナイフで10×10の傷を入れ、
ポリエステルテープで剥離したあとを観察して判定(○
は剥離なし、△は端部がわずかに剥離、×は剥離が明ら
かに認められるもの)
【0048】表1より、傷回復性透明支持体上に、透明
導電層、透明性反射防止層、防汚層を設けてなる反射防
止透明導電性積層フイルムにおいて耐傷性が向上した透
明導電膜の形成が可能であることがわかる。比較例のよ
うに反傷回復性のない支持体では十分な性能が得られな
い。
【0049】
【発明の効果】本発明の反射防止透明導電性積層フイル
ムは、簡単な層構成により帯電防止性および電磁波遮蔽
性、表面反射が防止されているフイルムであり、特に表
面の機械強度に優れた高特性の反射防止透明導電性フイ
ルムを得ることが可能である。また、密着性も問題ない
レベルであり、従って、陰極線管やプラズマディスプレ
ー等の表面に積層することにより、電磁波遮蔽、反射防
止、表面の汚れ防止機能に加え優れた機械強度を付加で
きる反射防止透明導電性積層フイルムを供与出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止透明導電性積層フイルムの構
成の模式図である。
【符号の説明】
1 透明支持体 2 下塗り層またはプライマー層(必要に応じて塗設) 3 透明導電層 4 反射防止層 5 防汚層(反射防止層と兼用可能)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/64 541 H05K 9/00 V 5/72 G02B 1/10 A H05K 9/00 Z Fターム(参考) 2K009 AA04 BB11 BB24 BB25 CC09 CC14 CC26 DD17 EE03 EE05 4F100 AB01B AB24B AB31B AK17C AK17D AK27A AK27J AK28A AK28J AK41A AK51A AK51K AK52A AK64A AL09A AN02A AT00A BA04 BA07 BA10C BA10D DE01B EH17 EH46 GB41 JG01 JG01B JK09A JL06D JN01 JN01A JN01B JN01C JN06 JN06C JN18B JN18C YY00A YY00B 5C058 DA01 DA08 DA10 5E321 AA04 BB23 BB32 BB44 CC16 GG05 GH01 5G307 FA02 FB02 FC01 FC08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、少なくとも1種以上の
    金属からなる微粒子を有する透明導電層と、該透明導電
    層の外層に形成され、この透明導電層の屈折率と異なる
    屈折率を有する少なくとも1層の透明性反射防止層、防
    汚層からなる反射防止透明導電性積層フイルムにおい
    て、該透明支持体が傷回復性を示す傷回復性透明支持体
    で構成されることを特徴とする反射防止導電性積層フイ
    ルム。
  2. 【請求項2】 該傷回復性透明支持体を25℃、60%
    の相対湿度雰囲気下で先端径15μmのダイアモンド針
    で加傷した傷が消失しうる最大荷重が、HEIDONス
    クラッチテスターを用いて測定した際に10g以上であ
    る素材であることを特徴とする請求項1に記載の反射防
    止導電性積層フイルム。
  3. 【請求項3】 該透明支持体がポリウレタン樹脂、ポリ
    シリコーン樹脂、イソプレン系樹脂、ニトリルゴム系樹
    脂、エチレンプロピレンゴム系樹脂、クロロプレン系樹
    脂、ポリエステルエラストマー、エピクロヒルヒドリン
    系樹脂のいずれかで構成されることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の反射防止導電性積層フイルム。
  4. 【請求項4】 該透明支持体が多官能性活性水素化合物
    (ポリオール類)と3官能以上のポリイソシアネートか
    らなる原料から得られるポリウレタン樹脂で構成される
    ことを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の
    反射防止導電性積層フイルム。
  5. 【請求項5】 透明支持体の厚みが100μm乃至50
    0μmの範囲にあることを特徴とする請求項1から4い
    ずれか1項に記載の反射防止導電性積層フイルム。
  6. 【請求項6】 透明導電層に含まれる金属微粒子が銀あ
    るいは銀を主体とする合金であり、その粒子サイズが1
    〜100nmであることを特徴とする請求項1から5い
    ずれか1項に記載の反射防止透明導電性積層フイルム。
  7. 【請求項7】 該透明反射防止層がフッ素を含有するポ
    リマーよりなることを特徴とする請求項1から6いずれ
    か1項に記載の反射防止透明導電性積層フイルム。
  8. 【請求項8】 該透明反射防止層がフッ素を含有するポ
    リマーよりなり、防汚層を兼ねることを特徴とする請求
    項1から7いずれか1項に記載の反射防止透明導電性積
    層フイルム。
  9. 【請求項9】 画像表示面上に、請求項1から8いずれ
    か1項に記載の反射防止透明導電性積層フイルムを用い
    て反射防止膜を形成したことを特徴とする画像表示装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008029709A1 (fr) 2006-09-06 2008-03-13 Toray Industries, Inc. Filtre d'affichage et son procédé de fabrication, et procédé de fabrication d'un affichage
JP2009523197A (ja) * 2006-01-11 2009-06-18 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 電磁遮蔽特性を有するセラミック壁装複合材料
KR20150013483A (ko) * 2012-04-02 2015-02-05 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 미립자 오염 측정 방법 및 장치

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KR102149853B1 (ko) 2012-04-02 2020-09-01 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 미립자 오염 측정 방법 및 장치

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