JP2001251128A - 多周波アンテナ - Google Patents

多周波アンテナ

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JP2001251128A
JP2001251128A JP2000058069A JP2000058069A JP2001251128A JP 2001251128 A JP2001251128 A JP 2001251128A JP 2000058069 A JP2000058069 A JP 2000058069A JP 2000058069 A JP2000058069 A JP 2000058069A JP 2001251128 A JP2001251128 A JP 2001251128A
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JP
Japan
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frequency
plate element
resonance circuit
antenna
frequency antenna
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JP2000058069A
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English (en)
Inventor
Tomoaki Nishikido
友昭 西木戸
Yutaka Saito
裕 斎藤
Hiroshi Haruki
宏志 春木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成により、複数の周波数帯において良
好なアンテナ特性を確保しうる多周波アンテナを提供す
ること。 【解決手段】放射平板素子1をプリント基板の地板5と
平行に配置し、放射平板素子1の1つの端部に地板5に
接続された接地点4を配置し、他の端部に給電系6に接
続された給電点3を配置して、接地点4と地板5との間
に共振回路2を接続する。この構成により、小型且つ簡
単な構成で、複数の周波数帯において良好なアンテナ性
能を確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にPHS方式
(パーソナルハンディホンシステム)やPDC方式など
複数方式に対応可能な複合携帯電話機等の内蔵アンテナ
に関し、特に複数周波数帯においてアンテナ性能を確保
しうる多周波アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PDC等の携帯電話機用内蔵アン
テナとしては、電子情報通信学会昭和57年度全国大会
のp3−66に示されているような“携帯無線機用逆F
型アンテナ”や、特告平3−65681号公報に開示さ
れている板状逆Fアンテナが用いられている。これらの
アンテナは、線状逆Fアンテナを板状に拡張したもの
で、高さが約0.01〜0.02波長で周囲長が約0.
5波長という低姿勢で小形な形状であり、広帯域特性を
有し、整合回路機能を構造的に含んでいるという特徴を
持つものである。
【0003】近年、携帯電話等の急激な普及に伴い、加
入者向けサービスの多様化が進んでおり、PHSやPD
C等複数種類のシステムに対応可能な複合携帯電話機が
普及し始めている。このような複合携帯電話機におい
て、例えば、PHSとPDCの複合機は、無線周波数帯
としてPHSの1.9GHz帯とPDCの800MHz
帯の両方に対応する必要がある。したがって、このよう
な複合携帯電話機に内蔵されるアンテナは、両周波数帯
においてアンテナ性能を確保する必要がある。
【0004】PHSとPDCの複合携帯電話機に装着さ
れる多周波内蔵アンテナとしては、例えば、特開平11
−150415号公報に開示されるように、第1の周波
数帯に共振した第1の板状放射素子を大きく切り欠いた
板状逆Fアンテナと、その切り欠いた中に第2の周波数
帯に共振した第2の板状逆Fアンテナを配置し、それぞ
れのアンテナに給電するように構成した多周波アンテナ
(平行複数給電型アンテナ)が提案されている。
【0005】また、特開平7−30322号公報に開示
されているように、板状逆Fアンテナの3つの辺にそれ
ぞれ1/4波長の無給電素子を接続し、2つの無給電素
子の終端を短絡し、他の1つの無給電素子を開放するよ
う構成することにより、下側の共振周波数帯では板状逆
Fアンテナとして動作し、上側の共振周波数帯ではマイ
クロストリップアンテナとして動作するようにした多周
波アンテナ(無給電素子接続型)が提案されている。
【0006】また、特開平6−53732号公報に開示
されているように、板状逆Fアンテナの接地点に近い位
置に下側の周波数帯を励振する給電点を設け、接地点か
ら遠い位置に上側の周波数帯を励振する給電点を設け
る。そして、それぞれ給電線路に接続し、且つ上記給電
線路に対し直列にそれぞれ高周波数帯及び低周波数帯に
対応した各周波数帯成分のみを通過させる帯域フイルタ
を設けて動作するようにした多周波アンテナ(2給電フ
ィルタ型アンテナ)が提案されている。
【0007】また、特開昭61−41205号公報に開
示されているように、板状逆Fアンテナに一定の間隔で
地板に対向して配置された第2の放射素子が第1の放射
素子の周辺部と一点で接続され、更に第1の放射素子と
第2の放射素子は、大きさが異なるように構成され、そ
れぞれの周波数帯で共振して動作するようにしたデュア
ルバンドアンテナ(垂直多段型アンテナ)が提案されて
いる。
【0008】また、特開平9−214244号公報に開
示されているように、板状逆Fアンテナを誘電体基板で
形成し、2枚の放射導体板の一端がそれぞれ地板に電気
的に接地されたアンテナであって、2枚の放射導体板間
に接続された結合制御用容量素子によって、2枚の放射
導体板の一方から他方へ結合される電流と、他方の放射
導体板へ供給される電流が互いに逆相となるよう動作す
る多周波アンテナ(容量装荷型アンテナ)が提案されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の平行複数給電型多周波アンテナでは、外側の放射素
子を大きく切り欠いた場合、その帯域の帯域幅が狭くな
るという問題があった。また、それぞれのアンテナに対
して励振するための給電部がそれぞれ必要になり、構造
が大きく且つ複雑となり、コストが高くなるという問題
があった。また、上記従来の無給電素子接続型多周波ア
ンテナでは、放射素子に3本の1/4波長の無給電素子
が必要となるため、携帯無線機が大型化して構造が複雑
になり、生産性が高くなく且つコストが高くなるという
問題があった。
【0010】また、上記従来の2給電フィルタ型多周波
アンテナでは、一つの放射素子を異なる2カ所で給電す
るため、2つの周波数帯で共振できるのは、下側の周波
数帯と上側の周波数帯が近接している場合のみに限られ
ており、また、それぞれの放射素子に対して励振するた
めの給電部がそれぞれ必要となり、構造が大きく且つ複
雑となり、コストが高くなるという問題があった。
【0011】また、上記従来の垂直多段型多周波アンテ
ナでは、第1の放射素子とその上に重なる第2の放射素
子間の間隔がほぼ2倍必要となるため、アンテナの体積
が大きくなり、更に構造も複雑になるという問題があっ
た。また、上記従来の容量装荷型多周波アンテナでは、
放射素子に制御用容量素子を3カ所接続する必要がある
ため、3カ所の制御容量素子を接続するための構造が複
雑になり、生産性が高くなく且つコストが高くなるとい
う問題があった。
【0012】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、簡単な構成により、給電箇所が1カ
所で、離れた上側の周波数帯と下側の周波数帯のように
複数の周波数帯で共振することができる小型な多周波ア
ンテナ及びそれを用いた携帯無線機を提供するものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明における多周波ア
ンテナは、地板と平行に配置され、一方の端部に前記地
板に接続された接地点を有し、他方の端部に給電系に接
続された給電点を有する放射平板素子を備え、前記接地
点と前記地板との間に共振回路を接続するという構成を
有している。この構成により、小型且つ簡単な構成で、
複数の周波数帯において良好なアンテナ性能を確保する
ことができることとなる。
【0014】本発明における多周波アンテナは、前記放
射平板素子の接地点と給電点との間にスリットを備える
という構成を有している。この構成により、スリット式
放射平板素子により各周波数帯のインピーダンスが50
Ωとなり、整合回路を必要とせずに、複数の周波数帯に
おいて良好なアンテナ性能を確保することができること
となる。
【0015】本発明における多周波アンテナは、地板上
に平行に配置され、主放射平板素子と少なくとも1つの
副放射平板素子とに分割され、前記主放射平板素子の一
方の端部に前記地板に接続された接地点を有し、前記主
放射平板素子の他方の端部に給電系に接続された給電点
を有する放射平板素子を備え、前記主放射平板素子と前
記副放射平板素子を少なくとも1つの共振回路を介して
接続するという構成を有している。この構成により、小
型且つ簡単な構成で、複数の周波数帯において良好なア
ンテナ性能を確保することができることとなる。
【0016】本発明における多周波アンテナは、地板上
に平行に配置され、一方の端部に前記地板に接続された
接地点を有し、他方の端部に給電系に接続された給電点
を有するループ状放射平板素子を備え、前記接地点と前
記給電点との間に共振回路を接続するという構成を有し
ている。この構成により、小型且つ簡単な構成で、複数
の周波数帯において良好なアンテナ性能を確保すること
ができることとなる。
【0017】本発明における多周波アンテナは、前記共
振回路は、上側の周波数帯を共振周波数とする並列共振
回路であるという構成を有している。この構成により、
小型且つ簡単な構成で、複数の周波数帯において良好な
アンテナ性能を確保することができることとなる。
【0018】本発明における多周波アンテナは、前記共
振回路は、下側の周波数帯を共振周波数とする直列共振
回路であるという構成を有している。この構成により、
小型且つ簡単な構成で、複数の周波数帯において良好な
アンテナ性能を確保することができることとなる。
【0019】本発明における多周波アンテナは、前記放
射平板素子を基板上に印刷パターンで形成し、前記共振
回路を前記基板上に実装するという構成を有している。
この構成により、簡単な構成により小型で量産性や耐久
性に優れ、かつ複数の周波数帯において良好なアンテナ
性能を確保することができることとなる。
【0020】本発明における多周波アンテナは、携帯無
線機の回路基板上に配置された請求項1乃至7のいずれ
かに記載の多周波アンテナであって、共振回路を前記携
帯無線機の回路基板上に実装し、前記共振回路と前記放
射平板素子が前記回路基板上で接続するという構成を有
している。この構成により、簡単な構成により小型で量
産性や耐久性に優れ、かつ複数の周波数帯において良好
なアンテナ性能を確保することができることとなる。
【0021】本発明における多周波アンテナは、前記主
放射平板素子を両面プリント基板の片面に印刷パターン
により構成し、前記両面プリント基板の前記主放射平板
素子と対向する面に副放射平板素子を印刷パターンによ
り構成し、前記主放射平板素子及び前記副放射平板素子
をそれぞれ形成した印刷パターンの間に形成された容量
性リアクタンスと、前記2つの印刷パターンの間を接続
するスルーホールと、印刷パターンにより形成された誘
導性リアクタンスとにより共振回路を構成するという構
成を有している。この構成により、外部に共振回路を接
続する必要がなく、簡単な構成により小型で量産性や耐
久性に優れ、かつ複数の周波数帯において良好なアンテ
ナ性能を確保することができることとなる。
【0022】本発明における多周波アンテナは、放射平
板素子の給電点及び接地点とは異なる前記放射平板素子
の他の点に接続された周波数切替回路を有する請求項1
乃至7のいずれかに記載の多周波アンテナであって、前
記放射平板素子が共振回路を介して前記周波数切替回路
に接続するという構成を有している。この構成により、
他の周波数帯に影響を与えることなく、ある一つの周波
数帯の帯域幅を広くすることができ、かつ複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができる
こととなる。
【0023】本発明における携帯無線機は、請求項1乃
至10のいずれかに記載の多周波アンテナを備えるとい
う構成を有している。この構成により、複数の周波数帯
において良好なアンテナ性能を確保した携帯無線機を提
供できることとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図20に基づき、
本発明の第1乃至第11の実施の形態を詳細に説明す
る。 (第1の実施の形態)まず、図1及び図2を参照して、
本発明の第1の実施の形態における多周波アンテナの構
成を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態におけ
る多周波アンテナの基本構成を示す図であり、図2は図
1に示す多周波アンテナに接続する共振回路の回路構成
の拡大図である。なお、この説明では、多周波アンテナ
を携帯無線機8に装着する内蔵アンテナとして説明す
る。
【0025】携帯無線機8の内部に設けられた多周波ア
ンテナは、放射平板素子1を絶縁性の誘電率が低いホル
ダー9によりプリント基板の地板5上に平行に配置す
る。放射平板素子1は、一方の端部を接地点4として共
振回路2の一方に接続し、他の端部を給電点3として給
電系6に接続されている回路基板7上の整合回路10に
接続する。共振回路2の他方は地板5に接続される。図
2に示す共振回路2は、並列共振回路として構成され
る。
【0026】次に、図1乃至図4を参照して、本発明の
第1の実施の形態における多周波アンテナの動作を説明
する。まず、接地点4と地板5との間にある共振回路2
は上側の周波数帯に共振する並列共振回路であるため、
上側の周波数帯ではインピーダンスが高く開放状態とな
り、接地点4と接続している共振回路2は地板5と不接
続となる。したがって、放射平板素子1は、地板5上に
平行に配したBの長さが上側の周波数帯の1/2波長と
なる周波数帯で共振する1/2波長マイクロストリップ
アンテナとして動作する。
【0027】次に、共振回路2は下側の周波数帯では、
逆にインピーダンスが低く短絡状態となり、接地点4は
高周波的に地板5と接続する。したがって、放射平板素
子1は、A+Bの長さが下側の周波数帯の1/4波長と
なる周波数帯で共振する板状逆Fアンテナとして動作す
る。なお、各周波数帯のインピーダンスを50Ωにする
ために整合回路10により2周波整合をとっている。
【0028】例えば、PDCなどの800MHz帯やP
HSなどの1.9GHz帯の複合携帯無線機において
は、Bの長さを77mm、Aの長さを15mmとし、放
射平板素子1と地板5との間隔を5mmとする。共振回
路2の定数は、インダクタL1=4.7nH、コンデン
サC1=1.5pF、コンデンサC2=6.0pFであ
り、接地点4と地板5との間に接続する。このようにし
た場合、共振回路2は1.9GHz帯で共振するため開
放状態となり、Bの長さが1.9GHz帯では約1/2
波長の77mmとなる。したがって、Bの長さが1/2
波長となる1.9GHz帯で共振する1/2波長マイク
ロストリップアンテナとして動作する。また、800M
Hz帯では、共振回路2は短絡状態となり、アンテナは
A+Bの長さ92mmとなる。したがって、A+Bの長
さが約1/4波長となる800MHz帯で共振する板状
逆Fアンテナとして動作する。
【0029】次に、図3及び図4を用いて、本発明の第
1の実施の形態における多周波アンテナの特性を説明す
る。図3は横軸に周波数、縦軸に電圧定在波比(以降、
VSWRで示す)を示すVSWR特性図である。各周波
数帯の帯域幅(VSWR≦2)は、PDC帯で約30M
Hz、PHS帯で約70MHzである。図4はXZ面の
垂直偏波成分(以降、Eθ成分という)と水平偏波成分
(以降、Eφ成分という)を測定した放射パターンであ
る。800MHz帯、1.9GHz帯共に主偏波は垂直
成分である。800MHz帯においてはX方向に最大値
をとる略8の字のパターンとなり、放射効率=−3.9
dBと良好な値が得られる。また、1.9GHz帯にお
いては、蝶々型のパターンとなり、放射効率=−1.8
dBと良好な値が得られる。したがって、第1の実施の
形態における携帯無線機に装着する多周波アンテナは、
800MHz帯と1.9GHz帯の2つの周波数帯にお
いて、良好なアンテナ特性を確保することができる。
【0030】以上説明したように、本発明の第1の実施
の形態における多周波アンテナの特徴は、放射平板素子
の接地点と地板との間に上側の周波数帯で共振する並列
共振回路を接続することにより、上側の周波数帯では1
/2波長マイクロストリップアンテナとして、下側の周
波数帯では板状逆Fアンテナとして動作し、2つの周波
数帯において良好なアンテナ性能を確保することができ
るという点である。
【0031】以上説明したように、本発明の第1の実施
の形態における多周波アンテナによると、複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができる
多周波アンテナを提供することができる。
【0032】上記のように、本発明の第1の実施の形態
における多周波アンテナにおいては、接続する共振回路
をインダクタとコンデンサで形成しているが、これに限
るものではなく、インダクタ自体の自己共振によっても
形成することができる。また、第1の実施の形態におい
ては、上側の周波数帯を共振周波数とする並列共振回路
を用いているが、これに限るものではなく、例えば、下
側の周波数帯を共振周波数とする直列共振回路を用いる
ようにしても同様な効果が得られる。また、第1の実施
の形態においては、放射平板素子と地板との間の間隔を
ホルダーで支え、空間を空けて形成しているが、これに
限るものではなく、例えば、放射平板素子を誘電体基板
で形成して地板上に配置し、放射平板素子と地板との間
の間隔を誘電体の厚みにより形成するようにしても同様
な効果が得られる。
【0033】(第2の実施の形態)図5を参照して、本
発明の第2の実施の形態における多周波アンテナの構成
を説明する。図5は本発明の第2の実施の形態における
多周波アンテナの基本構成を示す図である。図5におい
て図1と同一の符号を付したものは同一の構成要素を示
す。図5において、本発明の第2の実施の形態における
多周波アンテナは、放射平板素子1の接地点4と給電点
3との間にスリット11を設けて構成される。なお、こ
の説明では、多周波アンテナを携帯無線機8に装着する
内蔵アンテナとして説明する。
【0034】第2の実施の形態における多周波アンテナ
は、給電点3と接地点4との間に上側の周波数帯の約1
/10波長のスリット11を設けることにより、上側の
周波数帯のインピーダンスが50Ωになり、上側の周波
数帯で共振する1/2波長マイクロストリップアンテナ
として動作する。また、下側の周波数帯では、スリット
11によりインピーダンスに影響がなく、A+Bの長さ
が下側の周波数帯の1/4波長となる周波数帯で共振す
る板状逆Fアンテナとして動作し、2つの周波数帯で共
振するアンテナとして動作する。
【0035】次に、図5を参照して、本発明の第2の実
施の形態における多周波アンテナの動作を説明する。上
記、本発明の第1の実施の形態における携帯無線機に装
着する多周波アンテナでは、上側の周波数帯のインピー
ダンスが高くなる傾向にあり、下側の周波数帯のインピ
ーダンスは50Ω付近であるために、上側の周波数帯と
下側の周波数帯において、インピーダンスを50Ωとす
るような整合回路が必要となる。そのため、整合回路の
素子による損失が存在する。本発明の第2の実施の形態
における携帯無線機に装着される多周波アンテナでは、
そのような整合回路の素子による損失を改善するため、
給電点3と接地点4との間に上側の周波数帯の約1/1
0波長のスリット11を設けるようにした。それによっ
て、上側の周波数帯のインピーダンスを50Ωにするこ
とができ、整合回路が不必要になる。
【0036】例えば、PDCなどの800MHz帯やP
HSなどの1.9GHz帯の複合携帯無線機において
は、Bの長さを77mm、Aの長さを15mmとし、給
電点3と接地点4との間のスリット11の長さKを上側
の周波数帯の約1/10波長である15mmとする。こ
のようにした場合、1.9GHz帯のインピーダンスは
約47Ωとなり、VSWR=1.3が得られ、1.9G
Hz帯で共振する1/2波長マイクロストリップアンテ
ナとして動作する。また、800MHz帯では、スリッ
ト11によるインピーダンスの影響はほとんどなく、A
+Bの長さが約1/4波長となる800MHz帯で共振
する板状逆Fアンテナとして動作する。したがって、整
合回路による放射効率の損失を約0.3dB改善するこ
とができる。
【0037】以上説明したように、本発明の第2の実施
の形態における多周波アンテナの特徴は、放射平板素子
の給電点と接地点との間に上側の周波数帯の約1/10
波長のスリットを設けることにより、下側の周波数帯に
影響を与えることなく、上側の周波数帯におけるインピ
ーダンスを50Ωにし、それにより整合回路が不必要に
なるので、整合回路による損失が改善され、2つの周波
数帯において良好なアンテナ性能を確保することができ
るということである。
【0038】以上説明したように、本発明の第2の実施
の形態における多周波アンテナによると、複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができる
多周波アンテナを提供することができる。
【0039】(第3の実施の形態)図6及び図7を参照
して、本発明の第3の実施の形態における多周波アンテ
ナの構成を説明する。図6は本発明の第3の実施の形態
における多周波アンテナの基本構成を示す図であり、図
7は図6に示す多周波アンテナに接続する共振回路を拡
大して示す拡大図である。なお、この説明では、多周波
アンテナを携帯無線機8に装着する内蔵アンテナとして
説明する。
【0040】携帯無線機8の内部に設けられた多周波ア
ンテナは、主放射平板素子14と少なくとも1つの副放
射平板素子12とに分割して構成される。分割した主放
射平板素子14と副放射平板素子12との間には共振回
路13が接続される。主放射平板素子14は、一端が接
地点15として地板5に接続され、他端が給電点3とし
て給電系6に接続される。主及び副放射平板素子14、
12は、プリント基板の地板5上に絶縁性の誘電率が低
いホルダー9によりプリント基板と平行に配置される。
図7の共振回路13は、並列共振回路として構成され
る。
【0041】次に、図6乃至図9を参照して、本発明の
第3の実施の形態における多周波アンテナの動作を説明
する。まず、主放射平板素子14と副放射平板素子12
との間にある共振回路13は上側の周波数帯に共振する
並列共振回路であるために、上側の周波数帯ではインピ
ーダンスが高く開放状態となり、共振回路13で接続さ
れる主放射平板素子14と副放射平板素子12とは高周
波的に不接続となる。したがって、多周波アンテナは、
上側の周波数帯では、C+Dの長さが上側の周波数帯の
1/4波長となる周波数帯で共振する板状逆Fアンテナ
として動作する。次に、下側の周波数帯では、逆に共振
回路13のインピーダンスが低く短絡状態となり、共振
回路13で接続された主放射平板素子14と副放射平板
素子12とは高周波的に接続されることになる。したが
って、多周波アンテナは、下側の周波数帯では、F+G
の長さが下側の周波数帯の1/4波長となる周波数帯で
共振する板状逆Fアンテナとして動作することになる。
【0042】例えば、PDCなどの800MHz帯や、
PHSなどの1.9GHz帯の複合携帯無線機において
は、Cの長さを18mm、Dの長さを18mmとし、F
の長さを30mm、Gの長さを50mmとする。また、
主放射平板素子14と副放射平板素子12との間隔Eを
2mmとし、主放射平板素子14及び副放射平板素子1
2と地板5との間隔を5mmとする。共振回路13の定
数はインダクタL2=4.7nH、コンデンサC3=
1.5pFとし、主及び副放射平板素子14、12間を
2カ所で接続する。このようにした場合、共振回路13
は1.9GHz帯で共振するため、共振回路13は開放
状態となり、1.9GHz帯においてアンテナはC+D
の長さが36mmとなり、C+Dの長さが約1/4波長
となる1.9GHz帯で共振する板状逆Fアンテナとし
て動作する。また、800MHz帯では、共振回路13
は短絡状態となり、アンテナはF+Gの長さが80mm
となる。したがって、F+Gの長さが約1/4波長とな
る800MHz帯で共振する板状逆Fアンテナとして動
作する。
【0043】次に、図8及び図9を用いて、本発明の第
3の実施の形態における多周波アンテナの特性を説明す
る。図8は横軸に周波数、縦軸にVSWRを示すVSW
R特性図である。各周波数帯の帯域幅(VSWR≦2)
は、PDC帯で約30MHz、PHS帯で約30MHz
である。図9はXZ面の垂直偏波成分(以降、Eθ成分
という)と水平偏波成分(以降、Eφ成分という)を測
定した放射パターンである。800MHz帯、1.9G
Hz帯共に主偏波は垂直成分である。800MHz帯に
おいてはX方向に最大値をとる略8の字のパターンとな
り、放射効率=−3.8dBと良好な値が得られる。ま
た、1.9GHz帯においては、蝶々型のパターンとな
り、放射効率=−3.9dBと良好な値が得られる。し
たがって、第3の実施の形態における携帯無線機に装着
する多周波アンテナは、800MHz帯及び1.9GH
z帯の2つの周波数帯において、良好なアンテナ特性を
確保することができる。
【0044】以上説明したように、本発明の第3の実施
の形態における多周波アンテナの特徴は、主放射平板素
子と副放射平板素子との間に上側の周波数帯で共振する
並列共振回路を接続することにより、2つの周波数帯に
おいて良好なアンテナ性能を確保することができるとい
う点である。
【0045】以上説明したように、本発明の第3の実施
の形態における多周波アンテナによると、複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができる
多周波アンテナを提供することができる。
【0046】上記のように、本発明の第3の実施の形態
における多周波アンテナにおいては、接続する共振回路
をインダクタとコンデンサで形成しているが、これに限
るものではなく、インダクタ自体の自己共振によっても
形成することができる。また、第3の実施の形態におい
ては、上側の周波数帯を共振周波数とする並列共振回路
を用いているが、これに限るものではなく、例えば、下
側の周波数帯を共振周波数とする直列共振回路を用いる
ようにしても同様な効果が得られる。
【0047】また、第3の実施の形態においては、2つ
の放射平板素子を共振回路で接続するよう構成したがこ
れに限るものではなく、放射平板素子を複数にし、共振
回路も複数設けて直列に接続すれば、3周波以上の複数
の周波数帯で共振することができる多周波アンテナが得
られる。また、第3の実施の形態においては、放射平板
素子と地板との間の間隔をホルダーで支え、空間を空け
て形成しているが、これに限るものではなく、例えば、
放射平板素子を誘電体基板で形成して地板上に配置し、
放射平板素子と地板との間の間隔を誘電体の厚みにより
形成するようにしても同様な効果が得られる。
【0048】(第4の実施の形態)図10及び図11を
参照して、本発明の第4の実施の形態における多周波ア
ンテナの構成を説明する。図10は本発明の第4の実施
の形態における多周波アンテナの基本構成を示す図であ
り、図11は図10に示す多周波アンテナに接続する共
振回路を拡大して示す拡大図である。なお、この説明で
は、多周波アンテナを携帯無線機8に装着する内蔵アン
テナとして説明する。
【0049】携帯無線機8の内部に設けられる多周波ア
ンテナは、ループ状放射平板素子20をプリント基板の
地板5上に絶縁性の誘電率が低いホルダー9により平行
に配置する。ループ状放射平板素子20は、一端が接地
点15として地板5に接続され、他端が給電点3として
給電系6に接続される。ループ状放射平板素子20は、
共振回路21により給電点3と接地点15とが接続され
る。図11の共振回路21は、直列共振回路として構成
される。
【0050】次に、図10及び図11を参照して、本発
明の第4の実施の形態における多周波アンテナの動作を
説明する。まず、共振回路21は下側の周波数帯に共振
する直列共振回路であるため、下側の周波数帯ではイン
ピーダンスが低く短絡状態となり、共振回路21により
給電点3と接地点15とが高周波的に接続される。した
がって、多周波アンテナは、下側の周波数帯では、I+
Jの長さが下側の周波数帯の1/4波長となる周波数帯
で共振する板状逆Fアンテナとして動作する。次に、上
側の周波数帯では、逆にインピーダンスが高く開放状態
となり、共振回路21により接続されている給電点3と
接地点15との間は高周波的に不接続となる。したがっ
て、多周波アンテナは、上側の周波数帯では、(I+
J)×2の長さが上側の周波数帯の1波長となる周波数
帯で共振する1波長ループアンテナとして動作する。
【0051】例えば、PDCなどの800MHz帯やP
HSなどの1.9GHz帯の複合携帯無線機において
は、Iの長さを30mm、Jの長さを50mmとし、ル
ープ状放射平板素子20の幅Wを3mmとする。給電点
3と接地点15との間隔Hは2mmとする。また、ルー
プ状放射平板素子20と地板5との間隔を5mmとす
る。共振回路21の定数は、インダクタL3=10n
H、コンデンサC4=4pFとする。このようにした場
合、共振回路21は800MHz帯で共振するため短絡
状態となり、800MHz帯では、多周波アンテナはI
+Jの長さが80mmとなり、I+Jの長さが約1/4
波長となる800MHz帯で共振する板状逆Fアンテナ
として動作する。また、1.9GHz帯では、共振回路
21は開放状態となり、多周波アンテナは(I+J)×
2の長さが160mmとなる。これは、1.9GHz帯
において約1波長となる。したがって、多周波アンテナ
は1.9GHz帯で共振する1波長ループアンテナとし
て動作する。
【0052】次に、図12及び図13を用いて、本発明
の第4の実施の形態における多周波アンテナの特性を説
明する。図12は横軸に周波数、縦軸にVSWRを示す
VSWR特性を示す図である。各周波数帯の帯域幅(V
SWR≦2)は、PDC帯で約50MHz、PHS帯で
は約50MHzである。図13はXZ面のEθ成分とE
φ成分を測定した放射パターンを示す図である。800
MHz帯では、主偏波は垂直成分であり、X方向に最大
値をとる略8の字のパターンとなり、放射効率=−2.
0dBと良好な値が得られる。1.9GHz帯では、主
偏波は水平成分であり、無指向性のパターンとなり、放
射効率=−1.5dBと良好な値が得られる。したがっ
て、第4の実施の形態における携帯無線機に装着する多
周波アンテナは、800MHz帯及び1.9GHz帯の
2つの周波数帯において、良好なアンテナ特性を確保す
ることができる。
【0053】以上説明したように、本発明の第4の実施
の形態における多周波アンテナの特徴は、放射平板素子
をループ状に形成し、給電点と接地点との間に下側の周
波数帯に共振する直列共振回路を接続することにより、
上側の周波数帯ではループアンテナとし、下側の周波数
帯では板状逆Fアンテナとして動作し、2つの周波数帯
において良好なアンテナ性能を確保することができる点
である。
【0054】以上説明したように、本発明の第4の実施
の形態における多周波アンテナによると、複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができる
多周波アンテナを提供することができる。
【0055】上記のように、本発明の第4の実施の形態
における多周波アンテナにおいては、接続する共振回路
を下側の周波数帯を共振周波数とする直列共振回路を用
いているが、これに限るものではなく、例えば、上側の
周波数帯を共振周波数とする並列共振回路としても同様
な効果が得られる。
【0056】また、第4の実施の形態においては、放射
平板素子と地板との間の間隔をホルダーで支え、空間を
空けて形成しているが、これに限るものではなく、例え
ば、放射平板素子を誘電体基板で形成して地板上に配置
し、放射平板素子と地板との間の間隔を誘電体の厚みに
より形成するようにしても同様な効果が得られる。
【0057】(第5の実施の形態)図14を参照して、
本発明の第5の実施の形態における多周波アンテナの構
成を説明する。図14は本発明の第5の実施の形態にお
ける多周波アンテナの基本構成を示す図である。また、
この説明では、図6に示す第3の実施の形態における多
周波アンテナの構成を基本構成として説明する。また、
図14において図6と同一の符号を付したものは同一の
構成要素を示す。なお、この説明では、多周波アンテナ
を携帯無線機8に装着する内蔵アンテナとして説明す
る。
【0058】携帯無線機8の内部に設けられる多周波ア
ンテナは、主放射平板素子23と副放射平板素子24が
プリント基板22上に印刷パターンで形成される。主放
射平板素子23と副放射平板素子24との間は共振回路
13で接続され、共振回路13は主放射平板素子23と
副放射平板素子24を形成したプリント基板22上に実
装される。このように、主放射平板素子23と副放射平
板素子24との間に共振回路13を実装することによっ
て、2つの周波数帯で共振するアンテナとして動作する
ことができる。
【0059】例えば、PDCなどの800MHz帯やP
HSなどの1.9GHz帯の複合携帯無線機において
は、主及び副放射平板素子23、24に使用するプリン
ト基板22をガラス・エポキシ基板(比誘電率εr=
4.8)とし、厚さ0.4mm、大きさを23×37m
mとする。主放射平板素子23の大きさは、N=13m
m、M=13mmとなり、副放射平板素子24の大きさ
は、O=21mm、P=35mmとなり、本発明の第3
の実施の形態の主及び副放射平板素子14、12と比較
して約70%の波長短縮が実現される。また、主放射平
板素子23と副放射平板素子24との間隔は、2mmと
する。
【0060】さらに、主及び副放射平板素子14、12
を基板上の印刷パターンで形成しているため、容易に共
振回路13を実装することができ、共振回路13を2カ
所設けることにより、アンテナ特性の帯域幅と放射特性
については、本発明の第3の実施の形態における多周波
アンテナと同等の特性を得ることができる。また、プリ
ント基板22上に実装される共振回路13は、一般にチ
ップ部品で構成される。したがって、第5の実施の形態
における携帯無線機8に装着する多周波アンテナは、2
つの周波数帯において、良好なアンテナ特性を確保する
ことができ、小型で量産性が良く、耐久性に優れた構成
の多周波アンテナを提供することができる。
【0061】以上説明したように、本発明の第5の実施
の形態における多周波アンテナの特徴は、放射平板素子
をプリント基板上の印刷パターンで形成し、共振回路を
放射平板素子に実装しうるようにしたことにより、簡単
な構成で、小型且つ量産性や耐久性に優れ、2つの周波
数帯において良好なアンテナ性能を確保することができ
る点である。
【0062】以上説明したように、本発明の第5の実施
の形態における多周波アンテナによると、複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができ、
小型で量産性や耐久性に優れた構成の多周波アンテナを
提供することができる。
【0063】なお、本発明の第5の実施の形態において
は、プリント基板に実装する共振回路を主放射平板素子
と副放射平板素子との間に接続しているが、これに限る
ものではなく、例えば、本発明の第1の実施形態のよう
に接地点と地板との間の共振回路をプリント基板に実装
してもよい。また、本発明の第4の実施形態のように接
地点と給電点との間の共振回路をプリント基板に実装し
てもよい。
【0064】(第6の実施の形態)図15を参照して、
本発明の第6の実施の形態における多周波アンテナの構
成を説明する。図15は本発明の第6の実施の形態にお
ける多周波アンテナの基本構成を示す図である。また、
この説明では、図6に示す第3の実施の形態における多
周波アンテナの構成を基本構成として説明する。また、
図15において図6と同一の符号を付したものは同一の
構成要素を示す。なお、この説明では、多周波アンテナ
を携帯無線機8に装着する内蔵アンテナとして説明す
る。
【0065】携帯無線機8の内部に設けられる多周波ア
ンテナは、共振回路13の一方の接続端と接続する第1
の共振回路接続点25を備えた主放射平板素子14と、
上記の共振回路13の他方の接続端と接続する第2の共
振回路接続点26を備えた副放射平板素子12とによっ
て構成される。主放射平板素子14と副放射平板素子1
2を接続する共振回路13は、回路基板7上に実装され
る。
【0066】例えば、主放射平板素子14は、副放射平
板素子12に近い端部に幅1mmの第1の共振回路接続
点25を備え、回路基板7上に実装されている共振回路
13の一方の接続端と接続される。副放射平板素子12
は、主放射平板素子14に近い端部に幅1mmの第2の
共振回路接続点26を備え、共振回路13の他方の接続
端と接続して動作する。また、これらの接続点を2カ所
に設けて共振回路13と接続することにより、アンテナ
特性の帯域幅と放射特性について、本発明の第3の実施
の形態における多周波アンテナと同等の特性を得ること
ができる。
【0067】また、回路基板7上に実装する共振回路1
3は、一般にチップ部品で構成される。したがって、第
6の実施の形態における携帯無線機に装着する多周波ア
ンテナは、共振回路13を主及び副放射平板素子14、
12上に構成する必要がないため、簡単な構造となり、
主及び副放射平板素子14、12のコストを安くするこ
とができる。また、それによって、小型で量産性に優れ
耐久性に優れた、2つの周波数帯において良好なアンテ
ナ特性を確保しうる多周波アンテナを提供することがで
きる。
【0068】以上説明したように、本発明の第6の実施
の形態における多周波アンテナの特徴は、共振回路を回
路基板上に実装することにより、簡単な構成にでき、安
価、小型で量産性や耐久性に優れ、かつ2つの周波数帯
において良好なアンテナ性能を確保することができる点
である。
【0069】以上説明したように、本発明の第6の実施
の形態における多周波アンテナによると、複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができ、
簡単な構成により、安価且つ小型で量産性や耐久性に優
れた構成の多周波アンテナを提供することができる。
【0070】なお、本発明の第6の実施の形態において
は、回路基板に実装する共振回路を主放射平板素子と副
放射平板素子との間に接続しているが、これに限るもの
ではなく、例えば、本発明の第1の実施形態のように接
地点と地板との間の共振回路を回路基板に実装してもよ
い。また、本発明の第4の実施形態のように接地点と給
電点との間の共振回路を回路基板に実装してもよい。
【0071】(第7の実施の形態)図16を参照して、
本発明の第7の実施の形態における多周波アンテナの構
成を説明する。図16は本発明の第7の実施の形態にお
ける多周波アンテナの基本構成を示す図である。また、
この説明では、図6に示す第3の実施の形態における多
周波アンテナの構成を基本構成として説明する。また、
図16において図6及び図6と同一の符号を付したもの
は同一の構成要素を示す。なお、この説明では、多周波
アンテナを携帯無線機8に装着する内蔵アンテナとして
説明する。
【0072】携帯無線機8の内部に設けられる多周波ア
ンテナは、携帯無線機8の筐体上蓋38に取り付けられ
た給電点接点30と接地接点31と第1の共振回路接点
32を備えた主放射平板素子28と、第2の共振回路接
点33を備えた副放射平板素子29とによって構成され
る。バネ端子を有する給電点34及び接地点35は回路
基板7上にあらかじめ立てて備え付けられる。第1の共
振回路接続点36は、回路基板7上に実装される共振回
路13の一方の接続端と接続され、共振回路13の他方
の接続端は第2の共振回路接続点37と接続される。第
1及び第2の共振回路接続点36、37はバネ端子を有
しており、回路基板7上にあらかじめ立てて備え付けら
れる。
【0073】また、主放射平板素子28と副放射平板素
子29は、絶縁物の樹脂で形成された上蓋38に取り付
けられて一体構造とされる。給電点34と接地点35
は、幅2mm、高さが5mmであり、バネ端子が設けら
れる。給電点34及び接地点35は主放射平板素子28
と接続されるよう回路基板7上に半田付けされて立てら
れている。第1の共振回路接続点36は、回路基板7上
に実装された共振回路13の一方の接続端と接続され、
共振回路13の他方の接続端は、第2の共振回路接続点
37と接続される。第1及び第2の共振回路接続点3
6、37のバネ端子は、主放射平板素子28及び副放射
平板素子29の第1及び第2の共振回路接点32、33
に接続されるように回路基板7上に半田付けされて立て
られている。したがって、上蓋が閉じられると同時に主
及び副放射平板素子28、29が第1及び第2の共振回
路接続点36、37のバネ端子と接続されて動作する。
【0074】更に、この第1及び第2の共振回路接続点
36、37を2カ所設けて共振回路13と接続すること
により、アンテナ特性の帯域幅と放射特性について、本
発明の第3の実施の形態における多周波アンテナと同等
の特性を得ることができる。また、回路基板7上に実装
する共振回路13は、一般にチップ部品で構成される。
したがって、第7の実施の形態における携帯無線機8に
装着する多周波アンテナは、共振回路13を放射平板素
子上に構成する必要がなく、主及び副放射平板素子2
8、29を地板7と平行に保持するためのホルダーを必
要とせず、コストを安くすることができ、小型で量産性
に優れ耐久性に優れた簡単な構造にすることができ、さ
らに2つの周波数帯において、良好なアンテナ特性を確
保することができる。
【0075】以上説明したように、本発明の第7の実施
の形態における多周波アンテナの特徴は、主及び副放射
平板素子を筐体に取り付け、共振回路を回路基板上に実
装することによって、簡単な構成にすることができ、安
価且つ小型で量産性や耐久性に優れ、かつ2つの周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができる
点である。
【0076】以上説明したように、本発明の第7の実施
の形態における多周波アンテナによると、複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができ、
簡単な構成により、安価且つ小型で量産性や耐久性に優
れた構成の多周波アンテナを提供することができる。
【0077】なお、本発明の第7の実施の形態において
は、回路基板に実装する共振回路を主放射平板素子と副
放射平板素子との間に接続しているが、これに限るもの
ではなく、例えば、本発明の第1の実施形態のように接
地点と地板との間の共振回路を回路基板に実装してもよ
い。また、本発明の第4の実施形態のように接地点と給
電点との間の共振回路を回路基板に実装してもよい。
【0078】(第8の実施の形態)図17を参照して、
本発明の第8の実施の形態における多周波アンテナの構
成を説明する。図17は本発明の第8の実施の形態にお
ける多周波アンテナの基本構成を示し、(A)は多周波
アンテナをX方向から見た平面表面図、(B)は多周波
アンテナをX方向から見た平面裏面図、(C)は多周波
アンテナを−Y方向から見たd−d’線断面図である。
また、図17において図6と同一の符号を付したものは
同一の構成要素を示す。なお、この説明では、多周波ア
ンテナを携帯無線機8に装着する内蔵アンテナとして説
明する。
【0079】図17の(A)において、多周波アンテナ
は第1の基板容量パターン表39と、第2の基板容量パ
ターン表40と、インダクタ印刷パターン41及びスル
ーホール42により形成された誘導性リアクタンスとを
備えた主放射平板素子43をプリント基板47上に印刷
パターンにより形成して表面に配置する。また、図17
の(B)に見られるように、この多周波アンテナは第1
の基板容量パターン裏44と、第2の基板容量パターン
裏45と、主放射平板素子43と接続するスルーホール
42とを備えた副放射平板素子46をプリント基板47
上に印刷パターンにより形成して裏面に配置する。
【0080】本発明の第8の実施の形態における多周波
アンテナは、第1の基板容量パターン表39と第1の基
板容量パターン裏44とが対向するように配置し、第2
の基板容量パターン表40と第2の基板容量パターン裏
45とが対向するように配置することによって容量性リ
アクタンスを形成する。また、インダクタ印刷パターン
41とスルーホール42とによって誘導性リアクタンス
が形成される。それによって、容量性リアクタンスと誘
導性リアクタンスの共振回路が構成される。したがっ
て、主放射平板素子43と副放射平板素子46との間に
共振回路が構成される。第8の実施の形態における多周
波アンテナは、このような構成により、2つの周波数帯
でそれぞれ共振する多周波アンテナとして動作する。
【0081】例えば、PDCなどの800MHz帯やP
HSなどの1.9GHz帯の複合無線機においては、主
及び副放射平板素子43、46に使用するプリント基板
47をガラス・エポキシ基板(εr=4.8)とし、厚
さ0.4mm、大きさを23×38mmとする。主放射
平板素子43の大きさは、Q=12mm、R=12mm
となり、副放射平板素子46の大きさは、S=21m
m、T=35mmとなる。第1及び第2の基板容量パタ
ーン表39、40と第1及び第2の基板容量パターン裏
44、45の大きさは、C5=2mm、C6=4mm、
C7=3mmとする。容量性リアクタンスは、容量パタ
ーンを裏表で対向するように配置することによって、基
板間容量が約1.5pFとなる。誘導性リアクタンス
は、インダクタ印刷パターン41を1mm幅のミアンダ
形状とし、それと接続する1φのスルーホール(約1n
H)によって形成され約4.7nHとなる。
【0082】このように容量性リアクタンスと誘導性リ
アクタンスにより容易に共振回路が形成される。また、
図17の(A)及び図17の(B)に示すように、2カ
所に共振回路を形成することにより、アンテナの放射パ
ターンについては、本発明の第3の実施の形態における
多周波アンテナと同等の特性を得ることができる。した
がって、第8の実施の形態における携帯無線機に装着す
る多周波アンテナは、2つの周波数帯において、良好な
アンテナ特性を確保することができ、基板で共振回路を
形成することによりコストを安くすることができ、小型
で量産性に優れ耐久性に優れた簡単な構造の多周波アン
テナを提供することができる。
【0083】以上説明したように、本発明の第8の実施
の形態における多周波アンテナの特徴は、共振回路を基
板間容量性リアクタンスと印刷パターンとスルーホール
の誘導性リアクタンスで構成することにより、簡単な構
成により、安価且つ小型で量産性や耐久性に優れ、かつ
2つの周波数帯において良好なアンテナ性能を確保する
ことができる点である。
【0084】以上説明したように、本発明の第8の実施
の形態における多周波アンテナによると、複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができ、
簡単な構成により、安価且つ小型で量産性や耐久性に優
れた構成の多周波アンテナを提供することができる。
【0085】(第9の実施の形態)次に、図18を参照
して、本発明の第9の実施の形態における多周波アンテ
ナの構成を説明する。図18は本発明の第9の実施の形
態における多周波アンテナの基本構成を示し、(A)は
多周波アンテナをX方向から見た平面表面図、(B)は
多周波アンテナをX方向から見た平面裏面図、(C)は
多周波アンテナを−Y方向から見たd−d’線断面図で
ある。また、図18において図17と同一の符号を付し
たものは同一の構成要素を示す。なお、この説明では、
多周波アンテナを携帯無線機8に装着する内蔵アンテナ
として説明する。
【0086】本発明の第9の実施の形態における多周波
アンテナは、副放射平板素子を第1の副放射平板素子5
0と第2の副放射平板素子48とに分割する。そして、
図18の(A)に見られるように、第2の副放射平板素
子48をプリント基板47上の表面に印刷パターンで形
成し、図18の(B)に見られるように、第1の副放射
平板素子50をプリント基板47上の裏面に印刷パター
ンで形成する。この第1及び第2の副放射平板素子5
0、48はスルーホール49を介して接続される。
【0087】動作において、例えば、下側の周波数帯に
共振する多周波アンテナは、第1の副放射平板素子50
と第2の副放射平板素子48をスルーホール49を介し
て接続することにより、本発明の第8の実施の形態の共
振回路を介して下側の周波数帯に共振する放射平板素子
となり、下側の周波数帯で共振するアンテナとして動作
する。上側の周波数帯に共振する多周波アンテナは、本
発明の第8の実施の形態の場合と同様に動作する。この
ように、2つの周波数帯で共振するアンテナとして動作
する。
【0088】例えば、本発明の第8の実施の形態におけ
る多周波アンテナにおいては、下側の周波数帯に対応す
る放射平板素子を裏面に形成している。しかし、裏面の
放射平板素子の周波数帯の帯域幅は、プリント基板上の
地板と近接するために狭くなる傾向がある。そのため、
例えば、比帯域が約10%程度必要なPDC帯にとって
は問題となる。そのため、本発明の第9の実施の形態に
おける携帯無線機に装着する多周波アンテナでは、下側
の共振周波数帯における帯域幅の狭帯域化を解決するた
め、裏面の第1の副放射平板素子50の大きさを小さく
し、第2の副放射平板素子48を基板間容量が発生しな
いようにスルーホール49のみで接続して、表面に副放
射平板素子の面積の大部分を配置する。このようにし
て、下側の共振周波数帯における帯域幅を確保すること
ができる。
【0089】また、例えば、PDCなどの800MHz
帯やPHSなどの1.9GHz帯の複合無線機において
は、主放射平板素子43、第1及び第2の副放射平板素
子50、48に使用するプリント基板47をガラス・エ
ポキシ基板(εr=4.8)とし、厚さ0.4mm、大
きさを23×38mmとする。第1の副放射平板素子5
0の大きさは、V=16mm、U=16mmとなる。第
2の副放射平板素子48の大きさは、S=21mm、T
=35mmであり、第1の副放射平板素子50とスルー
ホール49で接続し、主放射平板素子43と第1の副放
射平板素子50間で形成する共振回路を介して下側の周
波数帯で共振するアンテナとして動作する。また、図1
8の(A)及び(B)に示すように、2カ所のスルーホ
ール49で第1及び第2の副放射平板素子50及び48
を接続することにより、多周波アンテナの帯域幅は、本
発明の第8の実施の形態における多周波アンテナと比較
して広帯域(約5MHz)となり、本発明の第3の実施
の形態における多周波アンテナと同等の特性を得ること
ができる。
【0090】また、放射特性についても、本発明の第3
の実施の形態における多周波アンテナと同等の特性を得
ることができる。したがって、第9の実施の形態におけ
る携帯無線機8に装着する多周波アンテナは、帯域幅の
狭帯域化が抑えられ、良好なアンテナ特性を確保するこ
とができ、プリント基板で共振回路を形成することによ
りコストを安くすることができ、簡単な構造で、小型且
つ量産性に優れ耐久性に優れた構造にすることができ、
さらに2つの周波数帯において良好なアンテナ特性を確
保することができる。
【0091】以上説明したように、本発明の第9の実施
の形態における多周波アンテナの特徴は、本発明の第8
の実施の形態における多周波アンテナを基本構成とし、
プリント基板の表面及び裏面に印刷パターンで構成され
る副放射平板素子を分割して第1及び第2の副放射平板
素子とし、第1の副放射平板素子を裏面に形成して面積
を小さくし、第2の副放射平板素子を表面に形成して面
積を大きく確保し、スルーホールを介して第1及び第2
の副放射平板素子を接続することにより、帯域幅の狭帯
域化が抑えられ、簡単な構成により、安価且つ小型で量
産性や耐久性に優れ、かつ2つの周波数帯において良好
なアンテナ性能を確保することができる点である。
【0092】以上説明したように、本発明の第9の実施
の形態における多周波アンテナによると、複数の周波数
帯において良好なアンテナ性能を確保することができ、
簡単な構成により、安価且つ小型で量産性や耐久性に優
れた構成の多周波アンテナを提供することができる。
【0093】(第10の実施の形態)次に、図19を参
照して、本発明の第10の実施の形態における多周波ア
ンテナの構成を説明する。図19は本発明の第10の実
施の形態における多周波アンテナの基本構成を示す図で
ある。また、この説明では、図1に示す第1の実施の形
態における多周波アンテナの構成を基本構成として説明
する。また、図19において図1及び図5と同一の符号
を付したものは同一の構成要素を示す。なお、この説明
では、多周波アンテナを携帯無線機8に装着する内蔵ア
ンテナとして説明する。
【0094】携帯無線機8の内部に設けられる多周波ア
ンテナは、放射平板素子1における給電点3及び接地点
4とは異なる点に周波数切り替え点57が設けられる。
周波数切り替え点57は、共振回路56の一方の接続端
と接続され、共振回路56の他方の接続端は高周波スイ
ッチ58に接続され、地板5に接続されている容量素子
59と接続される。第10の実施の形態における多周波
アンテナは、周波数切り替え点57と高周波スイッチ5
8との間に上側の周波数帯に共振する共振回路56を並
列共振回路として接続する。共振回路56は、図2に示
す構成とする。共振回路56と高周波スイッチ58と容
量素子59は、回路基板7上に実装される。
【0095】動作において、まず、下側の周波数帯で
は、共振回路56のインピーダンスが低いため、共振回
路56は短絡状態となる。また、制御信号により高周波
スイッチ58を動作し、容量素子59が装荷されるか否
かで、共振周波数帯が切り替わり、結果として広い帯域
で動作する。次に、上側の周波数帯では、共振回路56
が開放状態となり、高周波スイッチ58の動作に関係な
く動作する。また、回路基板7上に実装する共振回路5
6は、一般にチップ部品で構成される。
【0096】例えば、下側の周波数帯をPDC帯の80
0MHz帯、上側の周波数帯をPHS帯の1.9GHz
帯とすると、本発明の第1乃至第9の実施の形態の多周
波アンテナや従来からの板状逆Fアンテナにおいては、
PDC帯の帯域は比帯域で約5%(約40MHz)であ
るため、従来の特開平9−326633のように帯域を
切り替えて広帯域化を図ってきた。また、PHS帯では
比帯域で約1.5%(約30MHz)である。
【0097】したがって、複合アンテナにおいても、P
DC帯の広帯域化を行うために切り替え回路が必要であ
った。しかし、この切り替え回路を接続することにより
PHS帯の放射特性が大きく劣化し、放射効率が6dB
劣化した。そこで、本発明の第10の実施の形態におけ
る多周波アンテナでは、PHS帯で共振する共振回路5
6を放射平板素子1の周波数切り替え点57と高周波ス
イッチ58との間に接続することにより、PHS帯では
開放状態となるので、切り替え回路の影響が少なくな
り、放射効率の劣化が1dBまで改善された。
【0098】また、PDC帯では高周波スイッチ58の
動作により容量が装荷されるか否かで比帯域を約10%
(約85MHz)とすることができる。また、放射特性
の影響はなく、放射効率の劣化はない。また、放射パタ
ーンについては、PDC帯、PHS帯ともに、本発明の
第1の実施の形態と同様な特性となる。したがって、第
10の実施の形態における携帯無線機に装着する多周波
アンテナは、他の周波数帯に影響を与えずに、ある1つ
の周波数帯の帯域幅を広くすることができ、さらに2つ
の周波数帯において、良好なアンテナ特性を確保するこ
とができる。
【0099】以上説明したように、本発明の第10の実
施の形態における多周波アンテナの特徴は、共振回路を
放射素子と周波数切り替えスイッチとの間に接続するこ
とにより、他の周波数帯では放射特性に影響を与えず
に、一方の周波数帯の帯域幅を広くすることができ、さ
らに2つの周波数帯において、良好なアンテナ特性を確
保することができる点である。
【0100】以上説明したように、本発明の第10の実
施の形態における多周波アンテナによると、複数の周波
数帯において良好なアンテナ性能を確保することがで
き、簡単な構成により、1つの周波数帯の帯域幅を広帯
域化できる。
【0101】(第11の実施の形態)次に、図20を参
照して、本発明の第11の実施の形態における多周波ア
ンテナの構成を説明する。図20は本発明の第11の実
施の形態における多周波アンテナの基本構成を示す図で
ある。また、この説明では、図6に示す第3の実施の形
態における多周波アンテナの構成を基本構成として説明
する。また、図20において図1及び図6と同一の符号
を付したものは同一の構成要素を示す。なお、この説明
では、多周波アンテナを携帯無線機8に装着する内蔵ア
ンテナとして説明する。
【0102】携帯無線機8の内部に設けられる多周波ア
ンテナは、回路基板7上の周波数切り替え高周波スイッ
チ60の一方の端子と接続する第1の周波数切り替え接
続点61を備えた主放射平板素子14と、周波数切り替
え高周波スイッチ60の他方の端子と接続する第2の周
波数切り替え接続点62を備えた副放射平板素子12と
によって構成される。主放射平板素子14と副放射平板
素子12を接続する周波数切り替え高周波スイッチ60
は、回路基板7上に実装され制御信号により切り替えら
れる。
【0103】動作において、例えば、主放射平板素子1
4が、副放射平板素子12に近い端部に幅1mmの第1
の周波数切り替え接続点61を備え、回路基板7に実装
されている周波数切り替え高周波スイッチ60の一方の
端子に接続されており、副放射平板素子12は、主放射
平板素子14に近い端部に幅1mmの第2の周波数切り
替え接続点62を備え、周波数切り替え高周波スイッチ
60の他方の端子に接続されている。まず、上側の周波
数帯では、制御信号により周波数切り替え高周波スイッ
チ60が開放状態となり、C+Dの長さが上側の周波数
帯の1/4波長となる周波数帯で共振する板状逆Fアン
テナとして動作する。次に、下側の周波数帯では、制御
信号により周波数切り替えスイッチ60が短絡状態とな
り、主放射平板素子14と副放射平板素子12が電気的
に接続されることにより、下側の周波数帯では、F+G
の長さが下側の周波数帯の1/4波長となる周波数帯で
共振する板状逆Fアンテナとして動作する。
【0104】このように、主放射平板素子14と副放射
平板素子12との間に、共振回路の代わりに高周波スイ
ッチ60を接続することにより、共振回路による損失分
0.2dBを改善することができる。また、この周波数
切り替え接続点を2カ所設けて周波数切り替えスイッチ
60を接続することにより、アンテナ特性の帯域幅と放
射パターンについては、本発明の第3の実施の形態にあ
るアンテナと同等の特性を得ることができる。したがっ
て、第11の実施の形態における携帯無線機に内蔵する
多周波アンテナは、共振回路による損失分を低減するこ
とができ、さらに2つの周波数帯において、良好なアン
テナ特性を確保することができる。
【0105】以上説明したように、本発明の第11の実
施の形態における多周波アンテナの特徴は、共振回路の
代わりに高周波スイッチを用いることにより、共振回路
による損失分を低減することができ、さらに2つの周波
数帯において、良好なアンテナ特性を確保することがで
きる点である。
【0106】以上説明したように、本発明の第11の実
施の形態における多周波アンテナによると、複数の周波
数帯において良好なアンテナ性能を確保することがで
き、簡単な構成により、より高い放射特性を確保するこ
とができる。
【0107】
【発明の効果】本発明における多周波アンテナは、上記
のように構成され、上側の周波数帯と下側の周波数帯の
ように大きく離れた複数の周波数帯において、良好なア
ンテナ性能を確保することができ、簡単な構成により、
安価且つ小型で量産性や耐久性に優れた構成とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における多周波アン
テナの基本構成を示す斜視図、
【図2】本発明の第1の実施の形態における多周波アン
テナの共振回路の構成を示す回路図、
【図3】本発明の第1の実施の形態における多周波アン
テナのアンテナ特性(VSWR特性)を示す図、
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるアンテナ特
性(放射パターン)を示す図、
【図5】本発明の第2の実施の形態における多周波アン
テナの基本構成を示す斜視図、
【図6】本発明の第3の実施の形態における多周波アン
テナの基本構成を示す斜視図、
【図7】本発明の第3の実施の形態における多周波アン
テナの共振回路の構成を示す回路図、
【図8】本発明の第3の実施の形態における多周波アン
テナのアンテナ特性(VSWR特性)を示す図、
【図9】本発明の第3の実施の形態におけるアンテナ特
性(放射パターン)を示す図、
【図10】本発明の第4の実施の形態における多周波ア
ンテナの基本構成を示す斜視図、
【図11】本発明の第4の実施の形態における多周波ア
ンテナの共振回路の構成を示す回路図、
【図12】本発明の第4の実施の形態における多周波ア
ンテナのアンテナ特性(VSWR特性)を示す図、
【図13】本発明の第4の実施の形態におけるアンテナ
特性(放射パターン)を示す図、
【図14】本発明の第5の実施の形態における多周波ア
ンテナの基本構成を示す斜視図、
【図15】本発明の第6の実施の形態における多周波ア
ンテナの基本構成を示す斜視図、
【図16】本発明の第7の実施の形態における多周波ア
ンテナの基本構成を示す斜視図、
【図17】本発明の第8の実施の形態における多周波ア
ンテナの基本構成を示し、(A)は多周波アンテナをX
方向から見た平面表面図、(B)は多周波アンテナをX
方向から見た平面裏面図、(C)は多周波アンテナを−
Y方向から見たd−d’線断面図、
【図18】本発明の第9の実施の形態における多周波ア
ンテナの基本構成を示し、(A)は多周波アンテナをX
方向から見た平面表面図、(B)は多周波アンテナをX
方向から見た平面裏面図、(C)は多周波アンテナを−
Y方向から見たd−d’線断面図、
【図19】本発明の第10の実施の形態における多周波
アンテナの基本構成を示す斜視図、
【図20】本発明の第10の実施の形態における多周波
アンテナの基本構成を示す斜視図。
【符号の説明】
1 放射平板素子 2、13、21、56 共振回路 3、34 給電点 4、15、35 接地点 5 プリント基板の地板 6 給電系 7 回路基板 8 携帯無線機 9 ホルダー 10 整合回路 11 スリット 12、24、29、46 副放射平板素子 14、23、28、43 主放射平板素子 20 ループ状放射平板素子 22、47 プリント基板 30 給電点接点 31 接地接点 25、36 第1の共振回路接続点 26、37 第2の共振回路接続点 32 第1の共振回路接点 33 第2の共振回路接点 38 筐体上蓋 39 第1の基板容量パターン表 40 第2の基板容量パターン表 41 インダクタ印刷パターン 42、49 スルーホール 44 第1の基板容量パターン裏 45 第2の基板容量パターン裏 48 第2の副放射平板素子 50 第1の副放射平板素子 57 周波数切り替え点 58 高周波スイッチ 59 容量素子 60 周波数切り替え高周波スイッチ 61 第1の周波数切り替え接続点 62 第2の周波数切り替え接続点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春木 宏志 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5J045 AA03 AB05 DA08 NA03 5J047 AA19 AB00 FD01 FD02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地板と平行に配置され、一方の端部に前記
    地板に接続された接地点を有し、他方の端部に給電系に
    接続された給電点を有する放射平板素子を備え、前記接
    地点と前記地板との間に共振回路を接続することを特徴
    とする多周波アンテナ。
  2. 【請求項2】前記放射平板素子の接地点と給電点との間
    にスリットを備えることを特徴とする請求項1記載の多
    周波アンテナ。
  3. 【請求項3】地板上に平行に配置され、主放射平板素子
    と少なくとも1つの副放射平板素子とに分割され、前記
    主放射平板素子の一方の端部に前記地板に接続された接
    地点を有し、前記主放射平板素子の他方の端部に給電系
    に接続された給電点を有する放射平板素子を備え、前記
    主放射平板素子と前記副放射平板素子を少なくとも1つ
    の共振回路を介して接続することを特徴とする多周波ア
    ンテナ。
  4. 【請求項4】地板上に平行に配置され、一方の端部に前
    記地板に接続された接地点を有し、他方の端部に給電系
    に接続された給電点を有するループ状放射平板素子を備
    え、前記接地点と前記給電点との間に共振回路を接続す
    ることを特徴とする多周波アンテナ。
  5. 【請求項5】前記共振回路は、上側の周波数帯を共振周
    波数とする並列共振回路であることを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載の多周波アンテナ。
  6. 【請求項6】前記共振回路は、下側の周波数帯を共振周
    波数とする直列共振回路であることを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載の多周波アンテナ。
  7. 【請求項7】前記放射平板素子を基板上に印刷パターン
    で形成し、前記共振回路を前記基板上に実装することを
    特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の多周波ア
    ンテナ。
  8. 【請求項8】携帯無線機の回路基板上に配置された請求
    項1乃至7のいずれかに記載の多周波アンテナであっ
    て、共振回路を前記携帯無線機の回路基板上に実装し、
    前記共振回路と前記放射平板素子が前記回路基板上で接
    続すること特徴とする多周波アンテナ。
  9. 【請求項9】前記主放射平板素子を両面プリント基板の
    片面に印刷パターンにより構成し、前記両面プリント基
    板の前記主放射平板素子と対向する面に副放射平板素子
    を印刷パターンにより構成し、前記主放射平板素子及び
    前記副放射平板素子をそれぞれ形成した印刷パターンの
    間に形成された容量性リアクタンスと、前記2つの印刷
    パターンの間を接続するスルーホールと、印刷パターン
    により形成された誘導性リアクタンスとにより共振回路
    を構成することを特徴とする請求項3記載の多周波アン
    テナ。
  10. 【請求項10】放射平板素子の給電点及び接地点とは異
    なる前記放射平板素子の他の点に接続された周波数切替
    回路を有する請求項1乃至7のいずれかに記載の多周波
    アンテナであって、前記放射平板素子が共振回路を介し
    て前記周波数切替回路に接続することを特徴とする多周
    波アンテナ。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれかに記載の多
    周波アンテナを備えることを特徴とする携帯無線機。
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