JP2001250996A - 圧電/電歪デバイス - Google Patents

圧電/電歪デバイス

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    • H10N30/20Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators
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    • H10N30/2041Beam type
    • H10N30/2042Cantilevers, i.e. having one fixed end
    • H10N30/2043Cantilevers, i.e. having one fixed end connected at their free ends, e.g. parallelogram type
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/05Manufacture of multilayered piezoelectric or electrostrictive devices, or parts thereof, e.g. by stacking piezoelectric bodies and electrodes

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 可動部の変位量を増大させ、共振周波数が高
く、応答性に優れた変位素子と可動部の振動を精度よく
検出することができるセンサ素子を提供する。 【解決手段】 圧電/電歪デバイス1は、圧電/電歪素
子2の変位による駆動部3と、駆動部3によって作動す
る可動部4と、駆動部3と可動部4を支持する固定部5
とからなり、また固定部5と可動部4とは駆動部3を介
して結合され、駆動部3、可動部4、固定部5の各内壁
から形成された孔部8を有する。駆動部3は相対向する
一対の薄板部6,7上に、少なくとも一対以上の電極と
圧電/電歪膜2aからなる2個以上の圧電/電歪素子2
とから構成され、少なくとも圧電/電歪素子2の一方の
端部と圧電/電歪作動部位2′を固定部5上に、他方端
部の圧電/電歪作動部位2′の端部を薄板部7上に配置
した圧電/電歪デバイス1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、圧電/電歪素子
の変位に基づいて作動する可動部を備えた圧電/電歪デ
バイス、もしくは可動部の変位を圧電/電歪素子により
検出できる圧電/電歪デバイスに関し、詳しくは強度、
耐衝撃性、耐湿性に優れ、効率よく、可動部を大きく作
動させることができる圧電/電歪デバイスに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】 近年、光学や磁気記録、精密加工等の
分野において、サブミクロンオーダーで光路長や位置を
調整可能な変位素子が必要とされており、圧電/電歪材
料(たとえば強誘電体等)に電圧を印加したときに惹起
される逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位
素子の開発が進められている。たとえば、図14に示す
ように、圧電/電歪材料からなる板状体に孔部28を設
けることにより、固定部25と可動部24とこれらを接
続する梁部26とを一体的に形成し、さらに梁部26に
電極層22を設けた圧電アクチュエータ21が開示され
ている(特開平10−136665号公報)。このアク
チュエータ21においては、電極層22に電圧を印加す
ると、逆圧電効果や電歪効果により梁部26が固定部2
5と可動部24とを結ぶ方向に伸縮するため、可動部2
4を板状体の面内において弧状変位または回転変位させ
ることが可能である。
【0003】 一方、特開昭63−64640号公報に
は、バイモルフを用いたアクチュエータに関して、その
バイモルフの電極を分割して設け、分割された電極を選
択して駆動することにより詳細な位置決めを高速に行う
技術が開示され、たとえば、2枚のバイモルフを対向さ
せて使用する構造がその明細書第4図に示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記
アクチュエータ21においては、圧電/電歪材料の伸縮
方向(すなわち、板状体の面内方向)の変位をそのまま
可動部に伝達していたため、可動部24の作動量が小さ
いという問題があった。さらに、このアクチュエータ2
1は、すべての部分を脆弱で比較的重い材料である圧電
/電歪材料によって構成していたため、機械的強度が低
く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に劣ることに加
え、アクチュエータ21自体が重く、動作上、有害な振
動(たとえば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の
影響を受けやすいという問題点があった。
【0005】 アクチュエータ21においては上記問題
点を解決するため、孔部28に柔軟性を有する充填材を
充填することが提案されているが、充填材を使用した場
合には逆圧電効果や電歪効果による変位の効率が低下し
てしまうことは明らかである。
【0006】 一方、特開昭63−64640号公報の
第4図が示すものは、中継部材とバイモルフ並びにヘッ
ドとバイモルフとの接合形態において、共に歪みを発生
するいわゆる圧電/電歪作動部位がそれぞれの接合部位
を跨ぐ構造、すなわち、中継部材とヘッドにわたってバ
イモルフが連続的に構成されている。その結果、バイモ
ルフを作動させた際、中継部材とバイモルフとの接合部
を支点とした変位動作と、ヘッドとバイモルフとの接合
点を支点とした変位動作が互いに干渉しあい、変位の発
現を阻害し、ヘッド自体を外空間に対して効果的に変位
させるような作用は得られない構造であった。加えて、
特開昭63−64640号公報が開示するアクチュエー
タは、変位発生部材と、いわゆるフレーム部材(中継部
材等)とを別々に準備して、接着合体させた構造である
ことから、バイモルフの作動に従って、フレームとバイ
モルフとの接合状態が経時的に変化しやすい構造であ
り、変位のドリフト、はがれ等を引き起こしやすい構造
でもあった。さらにバイモルフと中継部材との接合部位
ならびにヘッドとバイモルフとの接合部位、すなわち変
位部材の支持部に接着剤が介在する構造は、支持部自体
の剛性が低く、高速動作に必要な高共振周波数化が困難
な構造でもあった。
【0007】 もちろん、本発明者等は、このような問
題を解決できる圧電/電歪デバイスについて、平成11
年12月28日出願に係る特願平11−375581号
明細書などにおいて、大きな変位量を得ることができる
と共に、薄板部と可動部との接合の強度を一定の水準以
上に保持することができる圧電/電歪デバイスについて
提案しているが、更に大きな発生変位と高速応答するデ
バイスが特に磁気記録分野、光学分野での精密位置決め
において望まれている。
【0008】 本発明は、このような現状に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、前記薄板
部と可動部との接合の強度を一定の水準以上に保持しな
がら、可動部の変位量を一段と増大させるとともに、共
振周波数が高く、応答性に優れた変位素子、可動部の振
動を精度よく検出することができるセンサ素子を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明によ
れば、第一に、圧電/電歪素子の変位により駆動する駆
動部と、当該駆動部の駆動に基づいて作動する可動部
と、前記駆動部および可動部を支持するための固定部と
からなり、前記固定部と前記可動部は当該駆動部を介し
て結合され、当該駆動部の内壁と可動部の内壁と固定部
の内壁により孔部が形成されている圧電/電歪デバイス
であって、当該駆動部は、相対向する一対の薄板部と、
当該薄板部上に設けられた少なくとも一対以上の電極と
圧電/電歪膜とからなる圧電/電歪素子、少なくとも2
個とから構成されており;少なくとも一対以上の電極と
圧電/電歪膜とからなる当該圧電/電歪素子の少なくと
も2個の内の1つは、いずれか一方の薄板部の固定部か
ら可動部に向かう方向において、少なくとも前記圧電/
電歪素子の一方の端部と、同端部側の圧電/電歪作動部
位とが、固定部上に配置されており、かつ、当該一対の
薄板部の当該一方の薄板部の少なくとも一部にまで延び
て形成されており、かつ、前記圧電/電歪素子の他方の
端部側の圧電/電歪作動部位の端部が薄板部上に配置さ
れており、残りの少なくとも一対以上の電極と圧電/電
歪膜とからなる当該圧電/電歪素子の内の1つは、薄板
部の固定部から可動部に向かう方向において、少なくと
も前記圧電/電歪素子の一方の端部と、同端部側の圧電
/電歪作動部位とが、可動部上に配置されており、かつ
当該一対の薄板部の内の他方の薄板部の一部にまで延び
て形成されており、かつ前記圧電/電歪素子の他方の端
部側の圧電/電歪作動部位の端部が薄板部上に配置され
ていることを特徴とする圧電/電歪デバイスが提供され
る。
【0010】 さらに、本発明によれば、相対向する一
対の薄板部の少なくともいずれか一方の薄板部の外表面
には、さらに、一対以上の電極と圧電/電歪膜とからな
る圧電/電歪素子が薄板部の固定部から可動部に向かう
方向において、少なくとも当該圧電/電歪素子の一方の
端部と、同端部側の圧電/電歪作動部位とが、固定部ま
たは可動部上に配置されており、かつ、当該薄板部の少
なくとも一部にまで延びて形成されており、かつ、前記
圧電/電歪素子の他方の端部側の圧電/電歪作動部位の
端部が薄板部上に配置され、その圧電/電歪素子が、孔
部を挟んで対角方向となるように配置された当該少なく
とも2個の圧電/電歪素子のうちの一方と相対向して同
一薄板部上に配置されていることを特徴とする圧電/電
歪デバイス、相対向する一対の薄板部のそれぞれの外表
面に、薄板部の固定部から可動部に向かう方向におい
て、一方の端部と同端部側の圧電/電歪作動部位の端部
が固定部上に配置された少なくとも一対以上の電極と圧
電/電歪膜とからなる圧電/電歪素子と、一方の端部と
同端部側の圧電/電歪作動部位の端部が可動部上に配置
された少なくとも一対以上の電極と圧電/電歪膜とから
なる圧電/電歪素子とがそれぞれ同一薄板部上の少なく
とも一部にまで延びて形成されるとともに相対向して配
置されており、当該それぞれの当該圧電/電歪素子は、
その一方の端部と、同端部側の圧電/電歪作動部位と
が、固定部または可動部上に配置されており、かつ、当
該薄板部の少なくとも一部にまで延びて形成されてお
り、かつ、前記圧電/電歪素子の他方の端部側の圧電/
電歪作動部位の端部が薄板部上に配置されていることを
特徴とする圧電/電歪デバイスが提供される。
【0011】 さらに、本発明によれば、同一の薄板部
の外表面に相対向して設けられたそれぞれの圧電/電歪
素子の薄板部上の圧電/電歪作動部位の端部は、それぞ
れの薄板部の長さの半分を超えない位置に配置されてい
ることを特徴とする圧電/電歪デバイス、同一の薄板部
の外表面に相対向して設けられた2個の圧電/電歪素子
が、圧電/電歪膜を共有していることを特徴とする圧電
/電歪デバイス、相対向する一対の薄板部のうち、同一
の薄板部の外表面に相対向して設けられた2個の圧電/
電歪素子が相互に同一または相異なる機能を有する素子
であることを特徴とする圧電/電歪デバイス、相対向す
る一対の薄板部のうち、同一の薄板部の外表面に相対向
して設けられた2個の圧電/電歪素子が相互に相異なる
機能を有する素子であることを特徴とする圧電/電歪デ
バイス、相対向する一対の薄板部の外表面に設けられた
少なくとも2個の圧電/電歪素子のうち、孔部を挟ん
で、相互に対角方向に存在する圧電/電歪素子が同一の
機能を有する素子であることを特徴とする圧電/電歪デ
バイス、相対向する一対の薄板部の外表面に設けられた
少なくとも2個の圧電/電歪素子のうち、孔部を挟ん
で、相互に対角方向に存在する圧電/電歪素子が相異な
る機能を有する素子であることを特徴とする圧電/電歪
デバイス、および、相対向する一対の薄板部の外表面に
設けられた少なくとも2個の圧電/電歪素子のうち、少
なくとも1つの圧電/電歪素子が多層の圧電/電歪作動
部位を有するものであることを特徴とする圧電/電歪デ
バイスが提供されることとなる。
【0012】 本発明は、この明細書に開示された特異
的デバイスの構造において、その可動部の変位量を大き
くし、かつ、極めて効率的に変位させる上で、回転モー
ドの変位を抑制することが重要であることに着目した。
ここで言う回転モードとは、相対向する一対の薄板部の
一方を全長にわたって強制的に撓ませて、その曲率半径
を(以下強制曲率半径)、この曲率中心と反対側にある
他方の薄板部の前記一方の強制的なたわみに従って曲が
った時の曲率半径よりも小さくすることにより得られる
デバイス全体の変位モードを言う。即ち可動部があたか
も固定部を中心として大きく回転するように見えるの
で、回転モードと言う。この回転モードで、可動部の或
る一点の変位前後の距離は、上記強制曲率半径と、相対
向する一対の薄板部の離隔距離の関数となる。即ち、強
制曲率半径が小さい程(即ち、薄板全長が大きく撓む
程)、離隔距離が小さい程変位距離は大きくなる。しか
し、離隔距離については、強制曲率半径を確保するた
め、言い換えれば一方の薄板部を強制的に撓ませるだけ
の余裕が他方の薄板との間に無ければならず、ゼロとす
ることが出来ない。また、薄板部を一枚にすれば事実上
ゼロとできるが、デバイスとしての構造安定上好ましく
なくいずれにしても上限が或る。また、可動部は、上記
の如くあたかも固定部を中心として大きく回転するよう
に変位するので、可動部の内壁面は、固定部に対して変
位前後で或る角度を成すことになってしまう。これに対
し、薄板部の変位形態を、薄板部上に変曲点を存在させ
た変位モード、より詳細にいえば、薄板部上に変曲点を
存在させ、当該変曲点を挟んだ薄板部の両部分では、撓
みの曲率中心が薄板部を挟んで両側に在るようにしたデ
バイス全体の変位モード、即ち回転対称モードとするこ
とで、可動部の大きな変位を効率的に発現させることを
見出したのが本発明の特徴とするところである。
【0013】 これは言い換えれば、薄板部の固定部へ
の接続部、あるいは薄板部の可動部への接続部を含めた
薄板部の一部を撓ませることにより、同薄板部上に変曲
点を存在させて薄板部をS字状に変形させることが出来
ることを見出したことによる。ここで言う回転対称モー
ドとは、上記相対向する一の薄板部のS字形と、可動
部、駆動部、固定部の各内壁により構成される孔部を回
転対称の対称中心として、相対向する他の薄板部のS字
形が回転対称形である時最も効率的に変位が得られる変
位モードを言う。この時の可動部の或る一点の変位前後
の距離は、薄板部の撓んだ部分の曲率半径と、同薄板部
上の変曲点の位置の関数となるが、回転モードの場合に
見た相反する制約因子(薄板全長を大きく撓ませたい
が、一方その撓むスペースである一対の薄板部の離隔距
離は小さい方が良い)がなく自由度が高い。また薄板部
の一部の小さな撓みでも利用できるので、大きな変位を
効率よく発現することに適している。また、回転モード
と異なり、変位前の可動部の内壁面と変位後の可動部の
内壁面とは、変位前後において平行状態を保つため、可
動部に置かれる他の素子の作動効率に影響を与えること
も無く、効率的に大変位を達成することが出来る。しか
して、この回転対称モードを実現する具体的手段とし
て、前記相対向する一対の薄板部に対して、それぞれの
端部が可動部または固定部上に配置され、他方の端部が
薄板部上に配置された少なくとも2つの圧電/電歪素子
およびその圧電/電歪作動部位を、少なくとも孔部を挟
んで互いに対角方向となるように配置することにより、
可動部の回転モードの変位が効果的に押さえられ、その
結果、一軸方向に対して極めて大きな変位を示す圧電/
電歪デバイスの実現に至ったものである。
【0014】 本発明の圧電/電歪デバイスは、可動
部、薄板部、および固定部が、一体的に形成されたセラ
ミックスからなるものが好ましく、可動部、薄板部、お
よび固定部が、完全安定化ジルコニアを主成分とする材
料あるいは部分安定化ジルコニアを主成分とする材料か
らなるものがさらに好ましく、少なくとも可動部、薄板
部、および固定部は、セラミックグリーン積層体を焼成
したものが特に好ましい。なぜならば、可動部、薄板部
ならびに固定部との接合部位において、焼成一体化によ
る境界のない構造とすることができ、それら箇所の経時
的な長期信頼性が高くできることによるほか、デバイス
としての変位の経時変化としてもドリフト等の現象を極
めて小さく押さえ、高い変位を再現性よく発現できるか
らである。なお、本願に係るデバイスの製造方法の詳細
については、後述する。ところで、本願に従う構造のデ
バイスを製造するにあたっては、すべてを焼成一体化し
たもののほか、薄板部の相対向する方向において分割し
た積層体、すなわち一つの薄板部と将来直方体状の固定
部ならびに可動部となる部材からなるセラミック積層体
を準備し、そのセラミック積層体の薄板部と固定部もし
くは可動部にかかるように圧電/電歪素子をスクリーン
印刷により形成し、焼成して前記セラミック積層体と一
体化してなる焼成構造物を少なくとも2つ準備して、そ
の焼成構造部を、薄板部どうしが互いに離れるように、
すなわち前述の将来固定部および可動部となる部位どう
しを接着剤、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の
有機接着剤、ガラス、セメント等の無機接着剤を用い
て、接着することによっても得ることができる。しかし
ながら、すべてを焼成一体化して製造したものの方が、
第三者が介在する接合部といういわゆる構造体として不
連続な部分を有しないため、駆動部の作動によってデバ
イスに応力が印加されても安定性、信頼性の点で優れる
ものとなるめ、前述したすべてを焼成一体化による接着
剤等を用いない方法で形成することが望ましい。
【0015】 また、本発明の係る圧電/電歪デバイス
においては、圧電/電歪素子を構成する圧電/電歪膜
が、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、およびマグネシウムニ
オブ酸鉛の混合物を主成分とする材料からなるものが好
ましく、チタン酸ナトリウムビスマスを主成分とする材
料からなるものも好ましい。なお、使用する原材料の詳
細については、後述する。
【0016】 なお、本明細書にいう「圧電/電歪デバ
イス(以下、単に「デバイス」という。)」とは、圧電
/電歪材料により電気エネルギーと機械的エネルギーと
を相互に変換する素子を包括する概念である。従って、
各種アクチュエータや振動子等の能動素子、特に逆圧電
効果や電歪効果による変位を利用した変位素子として好
適に用いられるものであるが、加速度センサ素子や衝撃
センサ素子等の受動素子としても使用可能である。ま
た、本明細書において、「圧電」というときは、「圧電
および/または電歪」を意味するものとする。また、
「長さ」とは可動部と固定部を結ぶ方向、すなわち、図
中Z軸方向の距離、「幅」とは孔部貫通方向、すなわ
ち、図中Y軸方向の距離、「厚み」とは圧電/電歪素子
と薄板部との積層方向、すなわち図中X軸方向の距離を
いうものとする。
【0017】 圧電/電歪素子とは、少なくとも一対以
上の電極と電歪膜から構成され、伝達される信号に基づ
き、駆動し、その動きを可動部に伝える機能を果たす素
子をいう。同素子において、圧電作動部位とは、可動部
に与えられた信号に従い所定の運動をするように、圧電
/電歪素子を実質的に動かす部位のことをいい、少なく
とも一対以上の電極と圧電/電歪膜とが相互に重なり合
う部分から構成されている。また、デバイス用の基体部
とは、圧電/電歪素子が実装される前のセラミックの積
層体の焼成体をいう。なお、本発明においては、デバイ
スの変位量は、レーザードップラー振動計(グラフテッ
ク(株)製)を使用して測定した。なお、図面中におい
ては、同一または類似の機能を有するものは、原則とし
て、同一の符号により標識するものとする。
【0018】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の圧電/電歪デバ
イスについて図面を参照しながら説明する。ただし、本
発明は図示の実施例に限定されるものではない。
【0019】 本発明に係るデバイスには、圧電/電歪
素子の形成状態に応じて分類すると、次の3個の態様が
存在する。第1の態様としては、相対向する一対の薄板
部6、7上に、孔部8を挟んで対角方向に、それぞれ1
ずつ、一対の電極2b、2cと圧電/電歪膜2aからな
る圧電/電歪素子2が形成された態様である。この態様
の1例を図1に示す。なお、図1(a)は変位前の状態
を、図1(b)は、変位後の状態を示す。この態様にお
いては、共に同一の機能を有する圧電/電歪素子、例え
ば、薄板部の主面方向に対する圧電/電歪作動部位の歪
み方向が同一である、圧電/電歪素子を形成することが
好ましい。なぜならば、小さな駆動力で大きな変位が得
られるからである。圧電/電歪作動部位の薄板部6また
は7上に位置する端部は、薄板部6の固定部5から可動
部4に向かう方向において、薄板部6の長さの30〜9
5%を占めるような位置に存在することが、大きな変位
を得る点からは、好ましい。40〜90%が更に好まし
い。なお、前記圧電/電歪素子における圧電/電歪膜が
薄板部をこえて可動部ならびに固定部にわたって形成さ
れたものの場合には、前記作動部位の前記端部は、小さ
な駆動力で大きな変位を得るためには、50±40%、
より好ましくは、50±25%を占めるような位置に存
在することが望ましい。
【0020】 第2の態様としては、相対向する一対の
薄板部6、7上に、孔部8を挟んで対角方向に、それぞ
れ1つ形成された一対の電極2b、2cと圧電/電歪膜
2aからなる圧電/電歪素子のいずれか一方が形成され
ている薄板部6または7上に、さらに、相対向して1個
の圧電/電歪素子が形成された態様である。この態様の
1例として、薄板部7上に、さらに、相対向して1個の
圧電/電歪素子が形成されている態様を図2に示す。も
ちろん薄板部6上に、さらに、相対向して1個の圧電/
電歪素子が形成されていてもよい。この3個の圧電/電
歪素子にそれぞれ相異なる命令、例えば、電気信号を送
ることにより、より複雑な変位をさせることも可能とな
る。
【0021】 第3の態様においては、図3に示したよ
うに、同一の薄板部6、7上に相対向してそれぞれ一対
の電極2b、2cと圧電/電歪膜2aとからなる圧電/
電歪素子が2個、計4個装着されているので、変位の支
点が4カ所とれるために、少なくとも孔部を挟んで対角
方向に位置する素子が、共に同一の機能を有するもので
あれば、これを同時に駆動させることにより、駆動力が
倍増することができるので、変位量を格段に増大させる
ことに加え、駆動力を変位に効率的に変換することが可
能である。また、歪み方向が互いに異なる圧電/電歪素
子を同一駆動部(薄板部)上に形成することにより、こ
の伸張・収縮といった歪みによる薄板部の変位をそれぞ
れの圧電/電歪素子に担わせることにより、可動部を横
方向、すなわち、X軸方向に支配的に作動させることも
可能である。
【0022】 加えて、この態様においては、固定部な
らびに可動部と薄板部との接合部上に圧電/電歪素子の
圧電/電歪作動部位が形成されているために、その部位
での強度も確保される。なお、抗電界の比較的高い圧電
材料を用いて、4個の圧電/電歪素子すべてを同一の効
果を利用する素子構造としても、同じ駆動部上に形成さ
れた圧電/電歪素子に対して、片方を抗電界内で分極方
向と逆電界で駆動させてやることにより、伸張・収縮の
関係を4個の圧電/電歪素子の配置関係を変更した場合
と同じようにすることも好ましく採用できる。なお、図
3(a)は変位前の状態を、図3(b)は、変位後の状
態を示す。この態様において、同一の薄板部の外表面に
相対向して設けられた2個の圧電/電歪素子が、圧電/
電歪膜を共有することも有利に採用できる。こうするこ
とで、共振周波数をより高めることができると共に、デ
バイスの機械的強度を大きくすることができる。
【0023】1.デバイスの実施態様なお、本発明にお
いては、圧電/電歪素子が実装される前のセラミックス
の積層体の焼成体であるデバイス用の基体部1’の形状
について、以下述べることとする。
【0024】 図4は、本発明のデバイスに使用する基
体部1’の各部位の構成を説明するための概略斜視図で
ある。デバイスは、圧電/電歪素子(図示せず)を形成
し、その変位により駆動する駆動部(図示せず)を構成
することとなる薄板部6、7、駆動部(図示せず)の駆
動に基づいて変位する可動部4、および薄板部6、7と
圧電/電歪素子とから形成されることとなる駆動部およ
び可動部4を支持する固定部5の各部分から構成されて
いる。前記固定部5と前記可動部4とが当該薄板部6、
7を介して結合されており、かつ、当該薄板部6、7の
内壁と可動部4の内壁と固定部5の内壁により孔部8が
形成されている。
【0025】2.基体部の構成要素本発明のデバイスを
構成する基体部の各要素について図4に示す基体部1’
により個別具体的に説明する。
【0026】(1)可動部および固定部 可動部4は、駆動部3(図示せず。なお、詳細について
は、後述する。)の駆動量に基づいて作動する部分であ
り、デバイスの使用目的に応じて種々の部材が取り付け
られる。たとえば、デバイスを変位素子として使用する
場合であれば、光シャッターの遮蔽版、ハードディスク
用の位置決めやリンギング抑制機構であれば磁気ヘッ
ド、磁気ヘッドを搭載したスライダ、スライダを搭載し
たサスペンション等の位置決めを必要とする部材が取り
付けられる。
【0027】 固定部5は、駆動部3および可動部4を
支持する部分であり、固定部5を何らかの基体、たとえ
ば前記ハードディスクの位置決めに利用の際にはVCM
(ボイスコイルモータ)に付けられたキャリッジアー
ム、または前記キャリッジアームにつけられた固定プレ
ート、またはサスペンションの先端等に支持固定するこ
とによりデバイス1全体が固定される。
【0028】 また、圧電/電歪素子2を制御するため
の電極リードその他の部材が配置される場合もある。可
動部4および固定部5を構成する材質としては、剛性を
有する限りにおいて特に限定されないが、後述するセラ
ミックグリーンシート積層法を適用できるセラミックス
を好適に用いることができる。具体的には、安定化ジル
コニア、部分安定化ジルコニアをはじめとするジルコニ
ア、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム、酸化チタンを主成分とする材料等があげられるほ
か、それら混合物を主成分とした材料があげられるが、
機械的強度や靭性が高い点において、ジルコニア、特に
安定化ジルコニアを主成分とする材料、または、部分安
定化ジルコニアを主成分とする材料が好ましい。
【0029】(2)駆動部 駆動部3は、圧電/電歪素子2の変位により駆動する部
分であり、相対向する薄板部6、7と、薄板部6、7の
表面に形成された膜状の所定数、たとえば、第1の態様
においては2個、第2の態様においては3個、第3の態
様においては4個の圧電/電歪素子2とから構成されて
いる。
【0030】薄板部 薄板部6、7は可撓性を有する薄板状の部材であって、
表面に配設した圧電/電歪素子2の伸縮歪みを撓み変位
として変換、増幅し、可動部4に伝達する機能を有す
る。従って、薄板部6、7の形状や材質は、可撓性を有
し、撓み変形によって破損しない程度の機械的強度を有
するものであれば足り、可動部の応答性、操作性を考慮
して適宜選択することができる。
【0031】 通常、薄板部6、7の厚みは、2μm〜
100μm程度とすることが好ましく、薄板部6、7と
圧電/電歪素子2を合わせた厚みは7μm〜500μm
とすることが好ましい。また、薄板部6、7の幅として
は50μm〜2000μmが好適である。この点につい
ては、さらに後述する。
【0032】 薄板部6、7を構成する材質としては、
可動部4や固定部5と同様のセラミックスを好適に用い
ることができ、ジルコニア、中でも安定化ジルコニアを
主成分とする材料と部分安定化ジルコニアを主成分とす
る材料は、薄肉としても機械的強度が大きいこと、靭性
が高いこと、圧電/電歪膜や電極材との反応性が小さい
ことから最も好適に採用される。なお、前記安定化なら
びに部分安定化ジルコニアにおいては、次の通り安定化
されたものが好ましい。すなわちジルコニアを安定化せ
しめる化合物としては、酸化イットリウム、酸化イッテ
ルビウム、酸化セリウム、酸化カルシウム、および酸化
マグネシウムがあり、少なくともそのうちの一つの化合
物を添加、含有せしめることにより、ジルコニアは部分
的にあるいは完全に安定化されることとなるが、その安
定化は一種類の化合物の添加のみならず、それら化合物
を組み合わせて添加することによっても、目的とするジ
ルコニアの安定化は可能である。
【0033】 なお、それぞれの化合物の添加量として
は、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあ
っては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル
%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、
好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグ
ネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましく
は5〜20モル%とすることか望ましいが、その中でも
特に酸化イットリウムを安定化剤として用いることが好
ましく、その場合においては1.5〜10モル%、さら
に好ましくは2〜4モル%とすることが望ましい。ま
た、焼結助剤等の添加物としてアルミナ、シリカ、マグ
ネシア、遷移金属酸化物等を0.05〜20重量%の範
囲で添加することも可能であるが、圧電/電歪素子の形
成手段が、膜形成法による焼成一体化を採用する際に
は、アルミナ、マグネシア、遷移金属酸化物等を添加物
として添加することも好ましい。
【0034】 なお、前記機械的強度と安定した結晶相
が得られるよう、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.0
5〜3μmとすることが望ましく、好ましくは0.05
μm〜1μmとすることがさらに望ましい。また、前述
のように薄板部6、7については、可動部4ならびに固
定部5と同様のセラミックスを用いることができるが、
好ましくは、実質的に同一の材料を用いて構成すること
が、接合部の信頼性、デバイスの強度、製造の煩雑さの
低減がはかられ、望ましい。
【0035】 基体部1’においては、孔部8の厚み、
すなわち図中のX軸方向の距離aと、当該薄板部6また
は7の幅、すなわち図中Y軸方向の距離bとの比a/b
が0.5〜20となるように構成されている。好ましく
は比a/bは1〜10とされ、さらに好ましくは2〜8
とされる。a/bの規定値は、本願に係る圧電/電歪デ
バイスの変位を大きくし、図中X−Z平面内での変位を
支配的に得られることの知見に基づく規定である。一
方、薄板部の長さ、すなわち図中Z軸方向の距離eと前
述の孔部厚みaとの比e/aにおいては、好ましくは
0.5〜10とされ、さらに好ましくは0.7〜5とす
ることが望ましい。このe/aの規定値は、本願に係る
圧電/電歪デバイスが高い変位を高い共振周波数で、つ
まり高い応答速度で発生できるという知見に基づくもの
である。従って、本デバイスをY軸方向への煽り変位あ
るいは振動を抑制し、かつ高速応答性に優れ、相対的に
低電圧で大きな変位を併せ持つ構造とするには、a/b
を0.5〜20とし、かつ、e/aを0.5〜10にす
ることが特に好ましく、さらにa/bを1〜10としか
つe/aを0.7〜5とすることが非常に好ましい。
【0036】 図4に示す可動部4の長さfは、短いこ
とが好ましい。短くすることで軽量化と共振周波数の増
大が図られるからである。しかしながら、可動部4のX
軸方向の剛性を確保し、その変位を確実なものとするた
めには、上記薄板部の厚さdとの比f/dを3以上、好
ましくは、10以上とすることが好ましい。なお、各部
の実寸法は、可動部4への部品の取り付けのための接合
面積、固定部5を他の部材に取り付けるための接合面
積、電極用端子などの取り付けのための接合面積、デバ
イス全体の強度、耐久度、必要な変位ならびに共振周波
数、そして駆動電圧等をも考慮して定められることとな
る。通常aは、100μm〜2000μmが好ましく、
さらに好ましくは200μm〜1000μmである。通
常bは、50μm〜2000μmが好ましく、さらに好
ましくは100μm〜500μmである。通常dは、Y
軸方向への変位成分である煽り変位が効果的に抑制でき
るように、薄板部6、7の幅bとの関係においてb>d
とされ、かつ2μm〜100μmが好ましく、さらに好
ましくは4μm〜60μmである。通常eは、200μ
m〜3000μmが好ましく、さらに好ましくは300
μm〜2000μmである。そして通常fは、50μm
〜2000μmが好ましく、さらに好ましくは100μ
m〜1000μmである。
【0037】 なお、このような構成とすることによ
り、主軸であるX軸方向の変位に対してY軸方向の変位
が通常10%を超えないが、前記好適な寸法比率と実寸
法の範囲で適宜調整を行うことで低電圧駆動が可能で、
Y軸への変位成分を5%以下に調整できるという極めて
優れた効果を示す。すなわち、主軸であるX軸1軸への
実質的に支配的な変位が得られるのである。そして、前
記特徴に加え高速応答性に優れ、相対的に低電圧で大き
な変位を示すものが得られるのである。
【0038】 なお、本発明に係るデバイスの駆動状態
での各部位の位置的関係については、図3(b)を参照
しながら説明する。図3(b)においては、薄板部6、
7にそれぞれ相対向して設けられた2個、合計4個の圧
電/電歪素子2を、たとえば、それぞれその素子の機能
により駆動させることにより、薄板部6は、同薄板部6
上に形成された相対向する1組の圧電/電歪素子の働き
により、固定部5側では、孔部8側に湾曲し、可動部4
側では、孔部8とは反対側に湾曲し、また、薄板部7
は、同薄板部7上に形成された相対向する1組の圧電/
電歪素子の働きにより、固定部5側では、孔部8とは反
対側に湾曲し、可動部4側では、孔部8側に湾曲し、図
3(b)に示したような大きな変位量を得ることができ
る構成となっている。もちろん、4個の素子の機能を適
宜選択することにより、所望とする変位が得られる。こ
の構成により、可動部4の内壁と、固定部5の内壁との
平行を維持することが可能となり、より効率的に変位が
高められることとなる。すなわち、可動部4の回転をな
くすことで効率化が図られる。
【0039】圧電/電歪素子 圧電/電歪素子2は、少なくともその一部が薄板部6お
よび7上に形成され、薄板部6および7と共に駆動部3
を形成するものであり、たとえば、図3に示すように、
圧電/電歪膜2aと、圧電/電歪膜に電圧を印加させる
ための一対の電極2b、2cとからなるものである。本
発明に係るデバイスにおいては、ユニモルフ型、バイモ
ルフ型等の従来公知の圧電/電歪素子を使用することが
できるが、ユニモルフ型の方が、発生する変位量の安定
性に優れ、軽量化に有利であるため、本願記載のデバイ
スに対しては、ユニモルフ型の圧電/電歪素子で構成す
ることが好ましい。たとえば、図8に示されるように、
第一の電極2c、圧電/電歪膜2a、および第二の電極
2bが層状に積層された積層型圧電/電歪素子2等を好
適に用いることができる。
【0040】 この図8に記載の圧電/電歪素子は、通
常圧電/電歪膜に強誘電体等の圧電材料を用いた場合、
前記電極間(例えば第二の電極2bと第一の電極2cと
の間)に電圧を印加し、圧電/電歪膜2aに電界が作用
させられると、その電界に基づいて圧電/電歪膜2aに
電界誘起歪みが誘起され、その横効果である圧電/電歪
膜の主面に平行な方向へ縮むモードの歪みを主として発
生する機能を有する。従って、この構造の圧電/電歪素
子を本発明デバイスに適用すれば、前記主面方向に縮む
歪みが薄板部を屈曲させる屈曲変位に変換し、駆動部を
薄板部と可動部もしくは薄板部と固定部との接合部位を
支点として外空間(孔部とは反対方向)に向かう方向に
屈曲変位させ、その結果可動部を所定の方向に変位させ
ることができる。
【0041】 なお、前述の圧電材料として強誘電体材
料に代わり反強誘電体を用いた場合には、圧電/電歪材
料の歪み発現メカニズムの違いによって、すなわち圧電
/電歪膜に電界が作用させられると、反強誘電相から強
誘電相への相転移に基づくところの結晶の体積膨張に起
因した歪み、つまり主として圧電/電歪膜の主面方向へ
の伸張モードの歪みを発生する機能を有したものとな
る。従って、この場合には前記強誘電体を用いた圧電/
電歪素子とは反対に、駆動部を内空間(孔部の方向)に
向かう方向に屈曲変位させ、その結果可動部を前記強誘
電体を用いた場合とは反対方向に変位させるものとする
ことも可能である。このように同じ構造であっても、歪
み発現メカニズムの異なる圧電/電歪材料を適用するこ
とにより、異なる機能を有したものとすることができ
る。
【0042】 また、前記圧電/電歪膜2aを上下一対
の電極で挟み込んだ構造に加え、さらにその第二の電極
上に、圧電/電歪膜2aを形成し、さらにまたその圧電
/電歪膜2a上に第三の電極を形成した少なくとも二段
以上の構造の圧電/電歪素子とすることも好ましい。さ
らに、電極、圧電/電歪膜の繰り返しを3段、4段、5
段、あるいはそれ以上とした構造も好ましい。この様
に、圧電/電歪素子を多段構造とすることにより、駆動
部の駆動力が増し、大変位化が図られると共に、デバイ
ス自体の剛性を高めた構造、例えば、薄板部の厚みを厚
くした構造などにおいても、大変位化と高共振周波数化
の両立が容易に図られるのである。多段構造の圧電/電
歪素子を用いたデバイスについては、別途後述する。
【0043】 また、図9に示すような、櫛型構造の第
1電極2bおよび第2電極2cとからなり、第1電極2
bと第2電極2cとが、互いの櫛の歯部間に一定幅の間
隙部13をもって相互に対向する構造を有する圧電/電
歪素子2を用いることもできる。図9では、第1電極2
b,第2電極2cを薄板部6、圧電/電歪膜2aの上面
に配置しているが、薄板部6と圧電/電歪膜2aとの間
に電極を形成してもよいし、また圧電/電歪膜2aの上
面ならびに薄板部6と圧電/電歪膜2aとの間の両面に
電極を形成することも好ましい。すなわち、本構造の圧
電/電歪素子では、少なくとも圧電/電歪膜2aの少な
くとも一主面に電極が形成されていることとなる。さら
に、図10に示す圧電/電歪素子2も櫛型構造の第1電
極2bおよび第2電極2cとからなり、第1電極2bと
第2電極2cとが、互いの櫛の歯部間に一定幅の間隙部
13をもって相互に対向する構造を有するものである。
圧電/電歪素子2は第1電極2bと第2電極2cとの間
隙部13に圧電/電歪膜2aを埋設するように構成して
いるが、このような圧電/電歪素子も本発明のデバイス
に好適に用いることができる。
【0044】 この図9ならびに図10に記載の圧電/
電歪素子は、上記図8に示した圧電/電歪素子とは異な
る機能を有している。この構造の圧電/電歪素子は、櫛
歯様の電極間に電圧を印加し、圧電/電歪膜2aに電界
が作用させられると、その電界に基づいて圧電/電歪膜
2aに電界誘起歪みが誘起され、その縦効果である圧電
/電歪膜の主面に平行な方向へ伸びるモードの歪みを主
として発生する機能を有する。
【0045】 従って、この構造の圧電/電歪素子を本
発明デバイスに適用すれば、前記主面方向に伸びる歪み
が薄板部を屈曲させる屈曲変位に変換し、駆動部を薄板
部と可動部もしくは薄板部と固定部との接合部位を支点
として内空間(孔部の方向)に向かう方向に屈曲変位さ
せ、その結果可動部を所定の方向に変位させることがで
きる。なお、通常図9および図10に従う櫛歯様の電極
構造を有した素子は、その櫛歯のピッチ方向を薄板部の
固定部から可動部に向かう方向とするように配置され
る。このように配置することにより、前記電界誘起歪み
の縦効果に基づく伸張歪みを有効に屈曲変位として利用
することができる。このように図8と図9ならびに図1
0の構造とは、その基本として薄板部の主面方向におけ
る圧電/電歪作動部位の歪み方向において異なり、その
点において互いに異なる機能を有したものとなる。
【0046】 上記の図9と図10に示した圧電/電歪
素子のように櫛形電極を有する圧電/電歪素子を用いる
場合には、櫛の歯のピッチDを小さくすることで、圧電
/電歪素子の変位を大きくすることが可能である。
【0047】 また、たとえば、図3に示す本発明に係
るデバイスの第3の態様においては、各薄板部6、7上
には、それぞれ、固定部5の一部に少なくともその一方
の端部が配置された一対の電極2b、2cと圧電/電歪
膜2aとからなる圧電/電歪素子2と、可動部4の一部
に少なくともその一方の端部が配置された一対の電極2
b、2cと圧電/電歪膜2aとからなる圧電/電歪素子
2とが、それぞれ1個ずつ相対向して合計4個設けられ
ているが、同一の薄板部6または7の外表面に相対向し
て設けられた2個の圧電/電歪素子2が少なくとも第二
の電極2bまたは第一の電極2cのいずれか一方を共有
していてもよい。さらに、同一の薄板部6または7の外
表面に相対向して設けられた2個の圧電/電歪素子2が
圧電/電歪膜2aのみを共有していてもよい。一方、相
対向する一対の薄板部のうち、同一の薄板部の外表面に
相対向して設けられた2個の圧電/電歪素子が相互に同
一または相異なる機能を有する素子を配置してもよい。
【0048】 同一の薄板部の外表面に相対向して設け
られた2個の圧電/電歪素子として、相互に相異なる機
能を有する素子を配置する例としては、いずれか一方を
電界誘起歪みの縦効果を利用するタイプとし、他方を電
界誘起歪みの横効果を利用するタイプとする態様があげ
られる。より具体的には、一方を図9または図10に示
される構造を有する圧電/電歪素子とし、他方を図8に
示される構造を有する圧電/電歪素子として構成するこ
ともできる。また、例えば、相対向する一対の薄板部の
外表面に設けられた4個の圧電/電歪素子のうち、孔部
を挟んで、相互に対角方向に存在するそれぞれ2個の圧
電/電歪素子として、それぞれ同一の機能を有する素
子、たとえば、電界誘起歪みの縦効果を利用するタイプ
をそれぞれ配置してもよい。このとき、同一の薄板部の
外表面に相対向して設けられた2個の圧電/電歪素子と
して、相互に相異なる機能を有する素子を配置すること
で、4個の圧電/電歪素子すべてを同時に駆動させるこ
とが可能となり、この駆動により格段に大きな変位が得
られる。
【0049】 さらにまた、相対向する一対の薄板部の
外表面に設けられた4個の圧電/電歪素子のうち、孔部
の中心に対して、相互に対角方向に存在するそれぞれ2
個の圧電/電歪素子として、それぞれが相異なる機能を
有する素子、たとえば、電界誘起歪みの縦効果を利用す
るタイプと、電界誘起歪みの横効果を利用するタイプを
それぞれ配置してもよい。この時、同一の薄板部の外表
面に相対向して設けられた2個の圧電/電歪素子が相互
に同一または相異なる機能を有する素子を配置してもよ
い。
【0050】 具体的な圧電/電歪膜形成用セラミック
スとしては、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウム
ニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マ
ンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタン
グステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウ
ム、チタン酸ナトリウムビスマス、ニオブ酸カリウムナ
トリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス等を単独
であるいは混合物として含有するセラミックスがあげら
れる。特に、高い電気機械結合係数と圧電定数を有し、
圧電/電歪膜の焼結時における薄板部(セラミックス)
との反応性が小さく、安定した組成のものが得られる点
おいて、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、およびマグネシウ
ムニオブ酸鉛の混合物を主成分とする材料、もしくはチ
タン酸ナトリウムビスマスを主成分とする材料が好適に
用いられる。なお、前述の主成分に対して、ガラス成分
を添加することは可能であるが、大きな変位を確保する
上においては、あまり好ましくはない。それは、ガラス
と上記主成分材料との反応により、圧電/電歪材料本来
の特性が得られなくなるからである。
【0051】 さらに、上記圧電/電歪膜形成用セラミ
ックスに、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モ
リブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニ
ッケル、マンガン、セリウム、カドミウム、クロム、コ
バルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、リ
チウム、ビスマス、スズ等の酸化物等を単独でもしくは
混合物として添加したセラミックスを用いてもよい。た
とえば、主成分であるジルコン酸鉛とチタン酸鉛および
マグネシウムニオブ酸鉛の混合物にランタンやストロン
チウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性を調
整可能となる等の利点を得られる場合がある。その他必
要に応じて、微量添加物が含まれていてもよい。
【0052】 一方、圧電/電歪素子の電極は、室温で
固体であり、導電性に優れた金属で構成されていること
が好ましく、たとえば、アルミニウム、チタン、クロ
ム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリ
ブデン、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、銀、ス
ズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、
鉛等の金属単体もしくはこれらの合金が用いられ、さら
に、これらに圧電/電歪膜および/または薄板部と同じ
材料を分散させたサーメット材料を用いてもよい。
【0053】 圧電/電歪素子における電極の材料選定
は、電極、圧電/電歪膜の形成順序、方法などに依存し
て決定される。たとえば、薄板部上に第1電極を形成し
た後、第1電極上に圧電/電歪膜を焼成により形成する
場合には、第1電極には圧電/電歪膜の焼成温度におい
ても変化しない白金等の高融点金属を使用する必要があ
り、また、圧電/電歪膜を形成した後に電極、例えば第
2電極を圧電/電歪膜上に形成する場合には、低温で電
極形成を行うことができるので、アルミニウム、金、銀
等の低融点金属を使用することができる。
【0054】 また電極厚みは、少なからず圧電/電歪
素子の変位を低下させる要因ともなるので、特に圧電/
電歪膜焼成後に形成される図8に記載の第二の電極ない
しは、図9に記載される櫛形の電極等については、焼成
後に緻密でより薄い膜が得られる有機金属ペースト、た
とえば金レジネートペースト、白金レジネートペース
ト、銀レジネートペースト等の材料を用いることが好ま
しい。
【0055】 本発明に係るデバイスの各部位具体的構
成、すなわち、圧電/電歪素子の構成、駆動信号印加端
子の配置、および圧電/電歪素子からの電極リードの引
き出し等について添付の図面にふれながら説明する。図
5は、本発明の前記態様3に係るデバイスの1を示す概
略斜視図である。デバイス1は、基本構造としては、圧
電/電歪素子2の変位により駆動する駆動部3、駆動部
3の駆動に基づいて作動する可動部4、および駆動部3
および可動部4を支持する固定部5の各部分から構成さ
れ、また、前記固定部5と前記可動部4とは、当該駆動
部3を介して結合されており、かつ、当該駆動部3の内
壁と可動部4の内壁と固定部5の内壁により孔部8が形
成されている。当該駆動部3は相対向する一対の薄板部
であって、当該薄板部の両外表面には、それぞれ一方の
端部が固定部5または可動部4の一部に配置されてい
る、4個の一対の電極と圧電/電歪膜から構成される前
記図8に従う構造の圧電/電歪素子2が形成されてい
る。このような構成を採用することにより、前記薄板部
と可動部ならびに薄板部と固定部の接合部の強度を上
げ、高速な動作を可能とするとともに、所望の作動態様
に応じた適切な駆動方法を採用することにより、可動部
の変位量を増大させることができる。図5に示した態様
においては、それぞれ同一の薄板部の外表面に相対向し
て形成された1組の圧電/電歪素子2間においては、第
一の電極2cと圧電/電歪膜2aとを共有している。そ
して、共有、共通化された第一の電極2cに対して、各
圧電/電歪素子2形成面の固定部5の末端近傍に電極リ
ードを引き出し、端子10Bを配置し、第二の電極2b
については各圧電/電歪素子2形成面の固定部5側と可
動部4側に電極リードをそれぞれ引き出し、端子10
C、10Dが配置されている。このような態様は、孔部
8が開口している面の固定部5側の部分に電極が形成さ
れておらず、この構造に従えば、デバイスの固定を端子
が配置された面とは独立させて行うことができ、結果と
してデバイスの固定と、回路と端子間の接合に高い信頼
性を得ることができる。なお、この態様においては、フ
レキシブルプリント回路(FPCとも称される)、フレ
キシブルフラットケーブル(FFCとも称される)、ワ
イヤボンディング等により端子と回路との接合がなされ
る。
【0056】 素子の駆動は端子10B、10C、10
Dを通じて行われ、端子10Bと10C、端子10Bと
10Dの組で電圧の印加が行われる。図5に対しては、
孔部8を挟んで相互に対角方向に存在する圧電/電歪素
子2を同時に駆動し、同一の振動板上に相対向して存在
する圧電/電歪素子2とは同時に駆動しないよう駆動さ
れる。例えば、薄板部6上固定部側の圧電/電歪素子2
とその対角方向の薄板部7上可動部側の圧電/電歪素子
2の各端子に電圧を印加すると、それぞれの圧電/電歪
膜に電界が作用し、その電界によって各圧電/電歪膜に
電界誘起歪みが誘起され、その横効果による歪みを薄板
部の屈曲変位に変換して、可動部を図面右側の方向へ変
位させる。このとき両薄板部の変位形態は、互いに回転
対称様の形態となり、可動部は大きく変位し、しかも高
速に動作するという特徴がある。可動部を図面左側に変
位させる場合は、通常上記組とは異なるもう一方の対角
方向の組の素子を同様に駆動すればよい。一方、図6に
示したのは、図5に示したデバイスの変形で、同一の薄
板部の外表面に相対向して形成された一組の圧電/電歪
素子間において、第一の電極2Cが共有されていない点
で異なる。
【0057】 また、図7に示したように、固定部5上
に設けられた3個のスルーホール(11)を利用しても
よい。この場合には、固定部5に予めスルーホール(1
1)を設け、そのスルーホール(11)に導電材料を充
填後、圧電/電歪素子パターンを各電極とスルーホール
(11)とが接合するように形成し、その後加工により
スルーホール充填面を露出させ、その上に駆動信号印加
端子10を形成する。導電材料として、導線を埋め込ん
でもよい。なお、この例においては、3個のスルーホー
ルのうち孔部8近傍に設けられたスルーホールを共通端
子として使用している。なお、図7に示したデバイス
は、本発明の第3の態様に属するデバイスの例である。
【0058】 図7においては、孔部8を規定する要素
の1つである一対の薄板部6、7の内壁面上にそれぞれ
電極リード2dが形成されている。そして、この2個の
電極リード2dは、上記の3個のスルーホールの内、固
定部5の下部に形成されているそれぞれのスルーホール
11につながっている。一対の薄板部6、7の外表面上
の相対向してそれぞれ設けられている可動部4上にその
一方の端部を有する2個の圧電/電歪素子2の内の第二
の電極2bは、可動部4の中をスルーホールを通って上
記の電極リード2dとそれぞれ導通されている。かくし
て、可動部4上にその一方の端部を有する圧電/電歪素
子2の内の第二の電極2bは、電極リード2dを介して
固定部5の下部に形成されているそれぞれのスルーホー
ル11につながっている。なお、一対の薄板部6、7の
外表面上の相対向してそれぞれ設けられている2個の圧
電/電歪素子の内の第一の電極2cは、それぞれ共通化
され、3個のスルーホールのうち孔部8近傍に設けられ
たスルーホール11上に設けられた端子を共通端子とし
て使用している。この態様においては、スルーホール1
1が形成されていない固定部5の面、この図において
は、裏側9を素子の固定に使用できる。
【0059】 なお、図示してないが、例えば、図5に
示したデバイスにおいて、端子を固定部5の主面、すな
わち、孔部8が開口している一方の面に配置してもよ
い。すなわち、電極リードの引き出しの態様、端子配置
の態様は、特に上記の態様に限るものではなく、デバイ
スの使用形態、製造方法、圧電/電歪素子の機能、駆動
方法等、種々の条件に応じて決めることが重要である。
【0060】 例えば図15に記したものは、本発明の
第3の態様に従う構造において圧電/電歪素子を3段と
したものである。詳細には、各圧電/電歪素子2は、図
8に記した構造を基本として、第一の電極2c、圧電/
電歪膜2a、第二の電極2b、圧電/電歪膜2a、第一
の電極2c、圧電/電歪膜2a、第二の電極2bが順次
積層され、一対の電極と圧電/電歪膜とからなる部位が
素子の構成膜を積層形成する方向に3段とされている。
また、圧電/電歪膜は同一の薄板部上に相対向して配置
された各圧電/電歪素子との間で共有されているほか、
第二の電極も前記素子間で共有されている。素子の駆動
は端子10A、10B、10Cに電気信号を通電するこ
とにより行われ、端子10Aは薄板部6上可動部側に形
成された圧電/電歪素子2の電極2cに対して、端子1
0Bは薄板部6上固定部側に形成された圧電/電歪素子
2の電極2cに対して、端子10cは薄板部6上の両圧
電/電歪素子2の電極2bに対して、それぞれ接続され
ており、端子10Aと10C、端子10Bと10Cの組
で電圧の印加が行われる。これら各圧電/電歪素子の構
成ならびに端子との関係については、薄板部7の各圧電
/電歪素子に対しても同じとされている。また、同一素
子内における同一の符号で示された電極については、同
電位の電圧が印加されることとなる。
【0061】 このような図15に示したデバイスにお
いては、例えば、孔部8を挟んで相互に対角方向に存在
する2個の圧電/電歪素子2を同時に駆動させ、同一の
薄板部上に相対向して存在するそれぞれの圧電/電歪素
子2とは同時に駆動しないようして、駆動させる。つま
り、薄板部6上固定部側の圧電/電歪素子2とその対角
方向の薄板部7上の可動部側の圧電/電歪素子2の各端
子に電圧を印加すると、それぞれの圧電/電歪膜に電界
が作用し、その電界によって各圧電/電歪膜に電界誘起
歪みが誘起され、その横効果による歪みを薄板部の屈曲
変位に変換して、可動部を図面右側の方向へ変位させ
る。このとき両薄板部の変位形態は、互いに回転対称様
の形態となり、また圧電作動部位が3段(3層)とされ
駆動力が大きいため、可動部は非常に大きく変位し、し
かも高速に動作するという特徴がある。可動部を図面左
側に変位させる場合は、通常上記組み合わせとは異なる
もう一方の対角方向の組み合わせに係る素子を同様に駆
動すればよい。
【0062】 図16に示したデバイスにおいては、上
記図15に示したデバイスとは異なり、同一薄板部上に
相対向するように配置された圧電/電歪素子において、
素子の構成膜を積層する方向において、薄板部6、7に
一番近い側の圧電/電歪膜一層と第二の電極2bを共有
としたものである。その他の構成、駆動方法は図15と
同じである。図15との比較においては、同一薄板部上
に相対向して配置された圧電/電歪素子2間に厚みの薄
い部位が存在することにより、可動部の変位をより大き
くできるという特徴がある。
【0063】 図17は、上記図15に対して、同一薄
板部上に相対向するように配置された各圧電/電歪素子
2において、各素子のいずれの構成膜をも共有させず、
それぞれ独立して配置させ、かつ薄板部6、7上の可動
部4側の素子を駆動するための端子10(10A、10
D)を孔部8の開口した面における可動部4にそれぞれ
形成するとともに、両薄板部6、7上の固定部5側の各
圧電/電歪素子2に対する端子10B、10Cは、固定
部5の素子形成面に形成したものである。端子10A
は、薄板部6、7上可動部4側の素子において、第2の
電極2bに、一方端子10Dは、前記同素子の第一の電
極2cに通電するための端子である。その他の素子の基
本構成、駆動方法は、また図15と同じである。図15
との比較においては、同一薄板部上に相対向して配置さ
れた圧電/電歪素子2間には、薄板部6、7のみが存在
する構造とされていることから、図15はもちろん図1
6と比較しても可動部がさらに大きく変位するという特
徴がある。図18は、一対の電極と圧電/電歪膜とから
なる部位が、素子の構成膜を積層形成する方向に2段と
された構造を有するデバイスである。さらに、同一薄板
部6、7上に相対向するように配置された各圧電/電歪
素子は、図17と同様にいずれの構成膜をも共有してお
らず、それぞれ独立して配置させ、また各電極に通電す
る端子は、すべて可動部4および固定部5の素子形成面
に形成されている。素子構造が上記図15〜17とは異
なり2段構造となっていることから、駆動力は若干劣る
が、デバイスの軽量化と消費電力の点において優れると
いう特徴がある。
【0064】 図19は、各4つの素子においてそれぞ
れ共通化された第一の電極2cの一方の端およびその第
一の電極2cに駆動信号を印加するための端子10A、
10Bの一方の端を、可動部、固定部の端と同じ位置と
した例を示す。後述する機械加工等により、可動部およ
び固定部とともに第一の電極2cならびに端子10のパ
ターンが形成出来るので、製造しやすいという特徴が有
るほか、第一の電極2cに対する端子10の位置と本デ
バイスとの位置関係を常に一定とすることが可能であ
り、例えば固定部の端面を基準とした本デバイスの固定
にあたって、端子と外部機器との位置あわせが容易とな
る。
【0065】 このように本発明においては、デバイス
における圧電/電歪素子を前記多段構造として構成する
ことも好ましい。段数については、用途、仕様に応じて
適宜決められる。また本発明に従うデバイスで、図示さ
れた実施例からわかるとおり、多段にしてデバイスの駆
動力を上げても、基本的に薄板部幅方向の距離は不変な
ため、例えば、非常に狭い間隙において使用されるハー
ドディスク用磁気ヘッドの位置決め、リンギング抑制等
の制御デバイスに適用する上で非常に好ましい構造であ
る。
【0066】 ところで、本発明に係るデバイスの第2
の態様および第3の態様、特に、第3の態様において
は、図3に例示したように、各薄板部のほぼ中央で圧電
/電歪素子を分割(分断)することにより、この分割
(分断)されている箇所で薄板部が屈曲しやすくなるた
め、個々の圧電/電歪素子が変位しやすくなり、結果と
して圧電/電歪素子の変位を効率的に可動部に伝達でき
るという利点がある。もちろん、デバイスの使用態様に
よっては、可動部または固定部のいずれかに近い箇所で
分断された形態となっていてもよい。
【0067】(3)孔部 当該駆動部3の内壁と、当該可動部4の内壁と、当該固
定部5の内壁とにより形成される孔部8の形状は、駆動
部の働きを妨げない限り、任意の形状を取りうる。上記
のように、孔部8を規定する一対の薄板部の内壁面に電
極リードを設けてもよい。
【0068】 また、本発明のデバイスは上述のような
効果のほか、必ずしも全体を圧電/電歪材料で構成する
必要がないため、圧電/電歪素子以外の部材については
各部材の要求特性に応じて適宜構成材料を選択できると
いう利点がある。すなわち、圧電/電歪素子以外の部材
を、軽量の材料で構成することにより、動作上、有害な
振動の影響を受け難くすることが可能であり、同様にし
て機械的強度、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性を向
上させることも容易である。また、充填材を使用する必
要がないため、逆圧電効果や電歪効果による変位の効率
が低下することもない。
【0069】3.デバイスの製造方法 ここで、本発明のデバイスの製造方法について説明す
る。本発明のデバイスは各部材の構成材料をセラミック
スとし、デバイスの構成要素として、圧電/電歪素子を
除く基体部、すなわち薄板部、固定部ならびに可動部
を、セラミックグリーンシート積層法を用いて製造する
ことが好ましく、一方、圧電/電歪素子をはじめとし
て、各端子部に対しては、薄膜、厚膜等の膜形成手法を
用いて製造することが好ましい。デバイスの前記基体部
各部材を一体的に成形することが可能なセラミックグリ
ーンシート積層法によれば、各部材の接合部の経時的な
状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が
高く、かつ剛性確保に容易な方法である。本願に従うデ
バイスでは、駆動部を構成する薄板部と固定部ならびに
可動部との接合部は、変位発現の支点となるため、接合
信頼性はデバイスの特性を左右する非常に重要なポイン
トである。また本方法は生産性や成形性に優れるため、
所定形状のデバイスを短時間に、再現性よく得ることも
可能である。なお、本願明細書中において薄板と薄板部
という表現を用いているが、原則として前者は製造方法
におけるグリーンシートに関連した部材を示すのに使用
し、一方後者は積層体において圧電/電歪素子とともに
駆動部を構成する部位を指すのに使用する。
【0070】(1)積層体の製造 先ず、ジルコニア等のセラミック粉末にバインダ、溶
剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリーを作製
し、これを脱泡処理後、リバースロールコーター法、ド
クターブレード法等の方法により所定の厚みを有するセ
ラミックグリーンシートを作製する。次に、金型を用い
た打ち抜き(パンチング)、レーザー加工等の方法によ
り、セラミックグリーンシートを所望とする形状に加工
すればよい。なお、積層体の製造は、基本的には、平成
11年12月28日出願に係る特願平11−37558
1号の明細書に開示の方法によればよい。参考のため
に、ここに、同出願の内容を引用する。
【0071】 図11(a)においては、セラミックグ
リーンシート101は、主として焼成後に薄板となるセ
ラミックグリーンシートを模式的に示したものであり、
また、長方形状の孔部103を少なくとも1個形成した
セラミックグリーンシート102は、可動部および固定
部となる部材用のセラミックグリーンシート一枚を模式
的に示したものである。セラミックグリーンシート10
2において、孔部103を並列するように1列以上形成
することにより複数個のデバイスを一度に得ること、あ
るいは複数の可動部を有するデバイスを少なくとも1個
得ることが可能となる。予め用意された、薄板となる少
なくとも2枚のセラミックグリーンシートと、少なくと
も1個の孔部が形成された少なくとも一枚のセラミック
グリーンシートとを使用して、たとえば、当該薄板とな
る少なくとも2枚のセラミックグリーンシートの間に、
当該少なくとも1個の孔部が形成された少なくとも一枚
のセラミックグリーンシートを積層して、一対の薄板と
なるセラミックグリーンシートと少なくとも1個の孔部
が形成された一連のセラミックグリーンシートからなる
セラミックグリーン積層体を調製すればよい。
【0072】 もちろん、セラミックグリーン積層体の
調製方法、換言すれば、前記薄板となるセラミックグリ
ーンシートと、当該少なくとも1個の孔部が形成された
セラミックグリーンシートとの積層順序には、特に限定
がなく、通常は、積層体が後工程に影響を与えない限
り、任意の順序で積層可能である。
【0073】 例えば、前記セラミックグリーン積層体
を用意する工程には、一対の薄板となるセラミックグリ
ーンシートを相対向して積層する工程、一対の薄板とな
るセラミックグリーンシートを相対向して最外層にそれ
ぞれ積層する工程、薄板となるセラミックグリーンシー
トに、当該少なくとも1個の孔部が形成されたセラミッ
クグリーンシートを少なくとも一枚積層する工程、薄板
となるセラミックグリーンシートに、当該少なくとも1
個の孔部が形成されたセラミックグリーンシートを所望
とする枚数積層する工程、当該少なくとも1個の孔部が
形成された少なくとも一枚のセラミックグリーンシート
に、一対の薄板となるセラミックグリーンシートを相対
向させて最外層に積層する工程、薄板となるセラミック
グリーンシートに、少なくとも1個の孔部が形成された
少なくとも一枚のセラミックグリーンシートを積層した
積層体Aを2つ準備し、少なくとも1個の孔部が形成さ
れたセラミックグリーンシート一枚、もしくは複数枚を
積層した積層体Bを準備し、前記2つの積層体Aをそれ
ぞれの薄板が互いに最外層をなすように積層する際に、
前記少なくとも1個の孔部が形成されたセラミックグリ
ーンシート一枚もしくは積層体Bを介在させて行う工程
などが挙げられる。
【0074】 なお、本願に従うデバイスをこれらセラ
ミックグリーンシート積層法で製造する際には、ときと
して厚肉シートを積層して孔部を形成する際に、セラミ
ックグリーンシートの収縮や、セラミックグリーンシー
トの厚さが厚い場合の加工に伴う寸法精度差等に起因す
る、加工精度の低下、積層時におけるシート変形による
位置ずれなどにより、駆動部を司る1対の薄板部の長さ
の間で寸法差が生じやすい。この1対の薄板部の寸法差
は、そのまま左右方向(X軸方向)の変位差となってあ
らわれる他、可動部の変位形態において、回転方向の成
分を含み易くなり、特定軸方向へ支配的に変位させるこ
とが難しくなる。
【0075】 このような問題に対しては、当該少なく
とも1個の孔部が形成されたセラミックグリーンシート
を少なくとも複数枚積層するに際して、プラスチック製
フィルム上に搭載された少なくとも1個の孔部が形成さ
れたセラミックグリーンシートを、当該少なくとも1個
の孔部が形成されたセラミックグリーン積層体の最外層
となる面に当該プラスチック製フィルムが新たな最外層
をなすように積層し、正確に孔部の位置決めをした後、
当該プラスチック製フィルムを取り除くことを含む工
程、あるいは、プラスチック製フィルム上に搭載された
少なくとも1個の孔部が形成されたセラミックグリーン
シートを、当該薄板となるセラミックグリーンシートに
当該プラスチック製フィルムが外層をなすように積層
し、正確に孔部の位置決めをした後、当該プラスチック
製フィルムを取り除くことを含む工程を採用することに
より、セラミックグリーンシートの取り扱い時における
変形を実質的に回避できるばかりでなく、最外層となる
双方の面を同一形状とすることが可能となるので、正確
に孔部の位置決めができることから積層精度が向上し、
また加工精度の向上による寸法安定化もはかられ、デバ
イスとしての特性、たとえば変位特性が向上することに
なる。
【0076】 また、前記プラスチック製フィルムを用
いる製造方法のうち、前者の方法は最終の積層体を得る
までに要する積層効率が高く、製造工数を減らすのに効
果のある方法でもある。一方後者の方法は、積層界面の
接合性を確実にするために後述の接合補助層を設ける際
有利な方法でもある。つまり、積層工数に関しては、前
者がプラスチック製フィルム上に形成されたセラミック
グリーンシートとその他孔部を有するセラミックグリー
ンシートとの積層を一度にでき、また積層後プラスチッ
クフィルムを剥離除去した相対する面と薄板となるセラ
ミックグリーンシートとのおのおのの積層も一度で可能
なので、たとえばトータルの積層回数としては、最低2
回で可能となり、効率のよい方法である。しかしながら
後者では、相対向する薄板部に対して、それぞれ別工程
で薄板となるセラミックグリーンシートとプラスチック
製フィルム上に搭載された孔部を有するセラミックグリ
ーンシートとの積層を実施する必要があり、その後に孔
部を形成したセラミックグリーンシートとの積層を行う
こととなる。従って、たとえばトータルの積層回数とし
ては最低3回となり、前者より積層回数は多い。
【0077】 また一方セラミックグリーンシートの積
層性を向上させるための接着補助層に関しては、通常、
孔部等の加工を施す前のセラミックグリーンシートのほ
ぼ全面に形成され、その後金型を用いたパンチング等に
より、所定の孔部が形成され、それらを所定枚数積層す
ることになるが、前者の方法に適用した場合、フィルム
を剥離除去したのちに薄板との積層面に接合補助層を形
成する必要がある。この際、金型加工等により形状を正
確に出したにもかかわらず、接合補助層の形成によっ
て、形状精度が低下する可能性が大きい。また薄板とな
るグリーンシートに対して接合補助層を設ける手段もと
れるが、通常接合補助層の厚みばらつきは薄板となるセ
ラミックグリーンシートの厚みばらつきよりも大きいた
めトータル厚みばらつきが増えるばかりでなく、接合補
助層の厚み分薄板厚みが増えてしまうため、デバイスと
しての特性低下が生じてしまう。これに対して後者への
適用にあたっては、プラスチック製フィルムに搭載され
た状態で、このセラミックグリーンシートに接合補助層
を形成することができ、接合補助層を形成した後、孔部
を加工すればよいので、孔部の精度は金型の精度で確保
され、かつ薄板となるセラミックグリーンシートには何
らの手を加えることはないので、高い積層信頼性と寸法
精度を両立させることが可能である。プラスチックフィ
ルムを剥離除去した面については、その面に積層される
別の孔部が形成されたセラミックグリーンシート上に形
成された接合補助層によって積層信頼性が確保される。
【0078】 このような薄板部の形状を安定して得る
目的に対しては、両者共通しているものの、その製造過
程においてそれぞれ特徴があるので、積層体の構造等に
応じて適宜選択して手法を選択すればよい。
【0079】 なお、プラスチック製フィルム上に搭載
された少なくとも1個の孔部が形成されたセラミックグ
リーンシートとは、プラスチック製フィルム上でセラミ
ックグリーンシートを金型打ち抜き加工やレーザー加工
し調製した、少なくとも1個の孔部が形成されたセラミ
ックグリーンシートのみならず、予め所望の形に成形し
た少なくとも1個の孔部が形成されたセラミックグリー
ンシートにプラスチック製フィルムを張り付けて調製し
たものをも含むものである。また、当該プラスチック製
フィルムが剥離性、強度等の点からポリエチレンテレフ
タレート製フィルムであることが好ましい。さらに、こ
のプラスチック製フィルムのセラミックグリーンシート
搭載面が、グリーンシートの剥離性を向上させる目的
で、シリコーンなどを成分とする離型剤を塗布したフィ
ルムであることが好ましい。また、プラスチック製フィ
ルム上のセラミックグリーンシート厚みは、薄い方が好
ましく、望ましくは、薄板用セラミックグリーンシート
と同等の厚みとすることがさらに好ましい。セラミック
グリーンシートの厚みを薄くすることによって、セラミ
ックグリーンシート自体の加工精度が上がるためであ
る。なお、各グリーンシート、特に薄板となるセラミッ
クグリーンシートの取り扱いを容易にし、シートの延び
たるみを防止し、薄板部の形状安定性をはかるため、前
述のプラスチック製フィルムを付けた形で取り扱うこと
が好ましい。
【0080】 以下にセラミックグリーン積層体を用意
する場合の具体的な例について若干説明することとす
る。以下の例はあくまでも例示として示したもので、セ
ラミックグリーン積層体を用意する場合はもちろんこれ
らに限定されるものではないことはいうまでもない。 (積層例1)図20に示した薄板用セラミックグリーン
シート(以下「GS」という。)1、孔部形成GS1、
孔部形成GS2、孔部形成GS3、孔部形成GS4、薄
板用GS2を順次重ね合わせた後、圧着によりセラミッ
クグリーン積層一体化物を得る。 (積層例2) ステップ1:薄板用GS1と孔部形成GS1を重ね合わ
せた後、圧着によりセラミックグリーン積層一体化物を
得る。 ステップ2:孔部形成GS4と薄板用セラミックグリー
ンシート2を重ね合わせた後、圧着によりセラミックグ
リーン積層一体化物を得る。 ステップ3:ステップ1で得られたセラミックグリーン
積層一体化物、孔部形成GS2、孔部形成GS3、ステ
ップ2で得られたセラミックグリーン積層一体化物を順
次重ね合わせて、圧着により、セラミックグリーン積層
一体化物を得る。
【0081】(積層例3) ステップ1:孔部形成GS1、孔部形成GS2、孔部形
成GS3、孔部形成GS4を順次重ね合わせて、圧着に
よりセラミックグリーン積層一体化物を得る。 ステップ2:薄板用GS1、ステップ1で得られたセラ
ミックグリーン積層一体化物、薄板用GS2を順次重ね
合わせ、圧着によりセラミックグリーン積層一体化物を
得る。 (積層例4) ステップ1:孔部形成GS2と孔部形成GS3を重ね合
わせて圧着により、セラミックグリーン積層一体化物を
得る。 ステップ2:薄板用GS1、孔部形成GS1、ステップ
1で得られたセラミックグリーン積層一体化物、孔部形
成GS4、薄板用GS2を順次重ね合わせ、圧着により
セラミックグリーン積層一体化物を得る。
【0082】 上記積層例1〜4で得られたセラミック
グリーン積層一体化物を、焼成して一体焼成物を得る。
ただし、上記の例は、本発明の製造法のすべてを示した
ものではなく、積層一体化のための、圧着回数や順序は
特に限定されない。構造に応じて、たとえば、孔部形
状、孔部形成セラミックグリーンシートの枚数、薄板用
セラミックグリーンシートの枚数等により、所望の構造
を得るように適宜決められるものである。もちろん、孔
部形状は、すべて同一である必要はなく、所望の機能に
応じて決定される。また、枚数、各セラミックグリーン
シートの厚みも特に限定されない。上記、圧着は熱を加
えることで、さらに、積層性を向上させることができる
ので、加熱下での圧着も有利に採用できる。また、セラ
ミック粉末(好ましくは、セラミックグリーンシートに
使用されたセラミック粉末と同一または類似した組成が
信頼性確保の点で望ましい。)、バインダを主体とした
ペースト、スラリー等をセラミックグリーンシート上に
塗布、印刷し、接合補助層とすることで、セラミックグ
リーンシート界面の積層性を向上させることができるの
で、接合補助層を用いることも望ましい。
【0083】 また、当該セラミックグリーン積層体の
最外層の少なくとも片側の層外表面における当該少なく
とも薄板部を除いた部位に突起部を設けてもよい。本願
に従うデバイスは、相対向する薄板部の外表面に、通
常、スクリーン印刷などの公知手段により圧電/電歪素
子が形成されることになるが、たとえば、スクリーン印
刷法によって圧電/電歪素子を形成するにあたっても、
形成された突起によって、反対の面に形成された素子面
は直接印刷用ステージや焼成用セッター等の台にふれる
ことがないので、素子に対するダメージを防止すること
ができる。さらに突起部の高さを適宜選択することによ
り、素子厚みをコントロールすることも可能である。こ
の突起部については、グリーン積層体の焼成体、すなわ
ちセラミック積層体に対しても形成は可能であるが、グ
リーン積層体に対して形成し、焼成一体化する方が、構
造物としての安定性、寸法安定性の点で好ましい。
【0084】 図11(a)に示したように、薄板とな
るセラミックグリーンシート101、少なくとも1個の
孔部が形成されたセラミックグリーンシートを所望とす
る枚数積層したものであるセラミックグリーン積層体1
02、薄板となるセラミックグリーンシート101の順
に基準孔104を利用して位置決めを行いながら積層
し、前記した熱圧着等の方法を用いて一体化することに
よりグリーン積層体を得ることができる。図示してない
が、セラミックグリーン積層体の厚さが厚過ぎる場合に
は、予め上下に2分割した厚さを有するグリーン積層体
を形成した後、孔部が向かい合うように接合して最終的
なグリーン積層体を得てもよい。
【0085】 なお、積層体108については、セラミ
ックグリーンシート102の孔部103となる部分と外
部空間との連通孔106をセラミックグリーンシート1
02に形成しておくか、あるいは積層体とした後に連通
孔106を穿設することが必要である。ただし、各孔部
103が外部空間と連通している限りにおいて連通孔1
06の形状は特に限定されず、図11(a)、(b)の
ように複数の孔部103を貫通する形状のほか、図11
(d)のように各孔部103毎に個別に外部空間と連通
せしめる形状としてもよい。そして、これらの方法によ
って一体化されたセラミックグリーン積層体は、後述の
通り1200〜1600℃程度の温度で焼成されるが、
その焼成によって得られたセラミック積層体が、意図し
ない反りを有したものとなる場合がある。その場合に
は、前記焼成温度と近い温度で、重しを載せて再焼成
(以下、反り修正と称す。)して平坦化することが好ま
しい。この反り修正にあたっては、平坦なアルミナ等の
多孔質なセラミック板を重しとして使用することが好ま
しい。また、反り修正においては、焼成に引き続いた形
で実施するほか、焼成時に前記重しを予め載せて、焼成
と同時に平坦化する方法も好ましい。
【0086】(2)圧電/電歪素子の形成 圧電/電歪素子は、本発明のデバイスの製造の際に、セ
ラミック積層体の薄板表面にスクリーン印刷法、ディッ
ピング法、塗布法、電気泳動法等の厚膜法またはイオン
ビーム法、スパッタリング法、真空蒸着、イオンプレー
ティング法、化学気相蒸着法(CVD)、メッキ等の薄
膜法により所望とする数の圧電/電歪素子107を形成
することができる(図11(b)参照。なお、同図は圧
電/電歪素子107を模式的に示したもので、本願のデ
バイスにおける圧電/電歪素子107の配置を正確に示
したものではない。)。こうして圧電/電歪素子を膜形
成法によって形成することにより、接着剤を用いること
なく圧電/電歪素子と薄板部とを一体的に接合、配設す
ることができ、信頼性、再現性を確保し、集積化を容易
とすることができる。ただし、本発明の製造方法におい
ては、厚膜法により圧電/電歪素子107を形成するこ
とが好ましい。これらの手法によれば、平均粒径0.0
1〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミ
ックスの粒子を主成分とするペーストやスラリー、また
はサスペンションやエマルション、ゾル等を用いて圧電
/電歪膜を形成することができ、良好な圧電作動特性が
得られるからである。特に電気泳動法は、膜を高い密度
で、かつ、高い形状精度で形成できるという利点があ
る。また一方、スクリーン印刷法は、膜形成とパターン
形成とを同時にできるため、本願に従うデバイスの製造
方法として好ましく採用される。
【0087】 具体的には、セラミックグリーン積層体
108を所定条件、好ましくは、1200℃〜1600
℃の温度で焼成した後、薄板(焼成後のセラミックグリ
ーンシート101)の表面の所定位置に、本発明に係る
のデバイスの3の態様に応じて、それぞれ、所定の位置
に、順次第一の電極を印刷、焼成し、ついで圧電/電歪
膜を印刷、焼成し、さらに第二の電極を印刷、焼成して
圧電/電歪素子を形成することができる。さらに、電極
を駆動回路に接続するための電極リードを印刷、焼成す
ればよい。ここで、第一の電極として白金(Pt)、圧
電/電歪膜としてジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を、
第二の電極として金(Au)を、さらに電極リードとし
て銀(Ag)のように、各部材の焼成温度が逐次低くな
るように材料を選択すると、ある焼成段階において、そ
れより以前に焼成された材料の再焼結が起こらず、電極
材等の剥離や凝集といった不具合の発生を回避すること
が可能となる。
【0088】 なお、適当な材料を選択することによ
り、圧電/電歪素子107の各部材と電極リードを逐次
印刷して、一回で一体焼成することも可能であり、一
方、圧電/電歪膜を形成した後に低温で各電極等を設け
ることもできる。また、圧電/電歪素子の各部材と電極
リードはスパッタ法や蒸着法等の薄膜法によって形成し
てもかまわず、この場合には、必ずしも熱処理を必要と
しない。なお、セラミックグリーンシート101の少な
くとも最終的に薄板部となる位置に、予め圧電/電歪素
子107を形成しておき、セラミックグリーン積層体1
08と圧電/電歪素子とを同時焼成することも好まし
い。同時焼成にあたっては、圧電/電歪素子の全構成膜
と行うことでもよく、また、第一の電極とセラミックグ
リーンシート101のみを同時焼成する方法、第二の電
極を除くほかの構成膜とセラミックグリーンシート10
1と同時焼成する方法等があげられる。圧電/電歪素子
107とセラミックグリーン積層体108とを同時焼成
する方法としては、金型を用いたプレス成形法、あるい
はスラリー原料を用いたテープ成形法等によって圧電/
電歪膜を成形し、この焼成前の圧電/電歪膜をセラミッ
クグリーンシート101の所定部位に熱圧着等で積層
し、同時に焼成して可動部、駆動部、薄板部と圧電/電
歪膜とを同時に作製する方法があげられる。ただし、こ
の方法においては、既述の膜形成法を用いて、薄板ある
いは圧電/電歪膜に予め電極を形成しておく必要があ
る。また、前記方法のほか、セラミックグリーンシート
101の少なくとも最終的に薄板部となる位置にスクリ
ーン印刷により圧電/電歪素子の各構成層である電極、
圧電/電歪膜を形成し、同時に焼成することもできる。
【0089】 圧電/電歪膜の焼成温度は、これを構成
する材料によって適宜定められるが、一般には、800
℃〜1400℃であり、好ましくは1000℃〜140
0℃である。この場合、圧電/電歪膜の組成を制御する
ために、圧電/電歪膜の材料の蒸発源の存在下に焼結す
ることが好ましい。なお、圧電/電歪膜とセラミックグ
リーン積層体108を同時焼成する場合には、両者の焼
成条件をあわせることが必要である。
【0090】 なお、対向する一対の薄板部の双方に圧
電/電歪素子が形成されたデバイスを製造する場合に
は、セラミック積層体の両面に圧電/電歪膜、電極等を
印刷すればよい。このような場合には、印刷ステージ
に凹部を設けた印刷ステージで印刷を行う、あるいは、
セラミック積層体の少なくとも一方の印刷面における
印刷箇所の周囲に枠状の凸部を形成し、凸部形成面の印
刷を行った後、他方の面の印刷をする、等の方法により
印刷した圧電/電歪膜、電極等が印刷ステージに付着も
しくは接触しないような措置を採る必要がある。また特
に、前述の圧電/電歪膜の焼成においてセラミック積層
体の両面に圧電/電歪素子が形成される構造の場合、両
面での焼成雰囲気が同じとなるようにすることが好まし
い。たとえば、通常セッター等の板に圧電/電歪素子
(膜)が形成されたセラミック積層体を設置して焼成さ
れることとなるが、この場合圧電/電歪膜とセッターと
の空間を同じとなるように段積みするセッター間隔を調
整することにより行えばよい。
【0091】(3)積層体の切断 既述の圧電/電歪素子を形成した積層体の焼成体は、必
要に応じて切りかけ部の形成、圧電/電歪素子や電極リ
ードのコーティング、シールド等の処理を施した後、長
方形状の孔部103が積層体の側面側で開口するよう
に、セラミックグリーンシートの積層方向に切断するこ
とにより、複数個のデバイスを同時に得ることができる
(図11(c))。切断の方法としてはダイシング加
工、ワイヤーソー加工等(機械加工)のほか、YAGレ
ーザー、エキシマレーザ等によるレーザー加工、電子ビ
ーム加工を適用することも可能である。所望とする単位
毎に切断する場合に、切断後この切断体を300〜80
0℃で加熱処理することが好ましい。なぜならば、加工
により焼成体内部にマイクロクラック等の欠陥が生じや
すいが、熱処理によりその欠陥を取り除くことができ、
信頼性が向上するからである。さらに前記熱処理後に、
80℃程度の温度で少なくとも10時間程度放置しエー
ジング処理を施すことも好ましい。この処理によって、
製造過程の中で受けた種々の応力等を緩和し、特性向上
に寄与するからである。
【0092】 本発明のデバイスの製造方法において
は、所望の形状の孔部、たとえば、長方形の形状の孔部
103が積層体の側面側で開口するように切断してい
る。このような切断は、複数のデバイスを分離するのみ
ならず、デバイスの薄板部と孔部(図3(a)のデバイ
ス1であれば薄板部6、7と孔部8)を一時に形成でき
るという利点があり、2以上の直方体が薄板によって結
合するという複雑で製造し難い構造体を簡便に得られる
点において好ましい。
【0093】 また、セラミックグリーンシート102
における孔部103の形成数や形成位置、あるいは積層
体108の切断位置を適宜変更することにより、駆動部
が複数存在するデバイスや駆動部の長さが異なるデバイ
スも極めて容易に形成することが可能である。さらに、
積層体108と圧電/電歪素子107とを同時に切断す
れば、容易に薄板部幅と圧電/電歪素子幅が同一なデバ
イスを作成でき、好ましい。これらの切断は、焼成前の
グリーン状態でも実施できるが、寸法精度を上げ、各セ
ラミック粉末の脱粒等を防止するために、焼成体に対し
て実施することが好ましい。
【0094】 なお、本発明のデバイスは、上述したセ
ラミックグリーンシートを用いた作製方法のほかに、成
形型を用いた加圧成形法や鋳込成形法、射出成形法やフ
ォトリソグラフィ等を用いて作製することもできる。ま
た、別体として準備された各構成部材を接合して作製す
る方法も可能であるが、生産性が低いことに加えて、接
合部における破損等が生じやすいことから信頼性の面で
も問題がある。
【0095】4.デバイスの適用例 最後に、本発明のデバイスの適用例の一つとして、本発
明のデバイスを光シャッター用の変位素子に適用した例
について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の
図12と図13は、本発明のデバイスを光シャッター用
の変位素子に適用した例を模式的に示したもので、正確
に本願に従う構造を示すものでないことは容易に理解さ
れよう。ところで、本明細書にいう「光シャッター」
は、2枚の遮蔽板を相対的に移動させることにより、光
の透過と遮蔽を制御する機能素子を意味し、光のON/
OFF制御や光量制御を行うことができるため、光スイ
ッチや光絞りとして機能させることが可能である。
【0096】 本発明のデバイスを光シャッターに搭載
する場合には、2枚の遮蔽板のうち少なくとも一方の遮
蔽板を本発明のデバイスの可動部に取り付けたることと
なる。たとえば、図12(a)、(b)に示す光シャッ
ター110は、本発明のデバイスと遮蔽板を備えた2つ
のユニット111A、111Bからなるものであり、2
枚の遮蔽板113A、113Bをおのおのデバイスの可
動部114A、114Bに取り付け、互いの平板面が平
行になり、かつ、光Lの入射方向に対し平板面の一部が
重なり合うように配置している。
【0097】 光シャッター110は、図示の状態では
光Lを遮蔽しているが、デバイスの駆動部に形成された
圧電/電歪素子112A、112Bに同位相の電圧を印
加することにより、遮蔽板113Aは図左側へ、遮蔽板
113Bは図右側へ移動するため、遮蔽板113A、1
13Bの重なり具合が変化して、光のON/OFF制御
や光量制御を行うことができる。
【0098】 また、図13(a)に示す光シャッター
120は、本発明のデバイスと遮蔽板を備えた2つのユ
ニット121A、121Bからなるものであり、2枚の
遮蔽板123A、123Bをおのおのデバイスの可動部
124A、124Bに取り付け、互いの平板面が平行に
なり、かつ、光Lの入射方向に対し平板面の全部が重な
り合うように配置している。そして遮蔽板123A、1
23Bには対向する位置におのおのスリット125A、
125Bが形成されている。
【0099】 光シャッター120は、図13(a)、
(b)の状態ではスリット125A、25Bを通して光
Lを透過するが、デバイスの駆動部に形成された圧電/
電歪素子122A、122Bに同位相の電圧を印加する
ことにより、遮蔽板123Aは図左側へ、遮蔽板123
Bは図右側へ移動するため、スリット125A、125
Bの重なり具合が変化して、光のON/OFF制御や光
量制御を行うことができる。図13(c)では一部の光
が透過する状態を示してあるが、スリット123A、1
23Bの形状や形成位置を変えることにより、光Lを完
全遮蔽することも可能である。
【0100】 これとは逆に、図13(a)、(b)の
状態ではスリット125A、125Bが重ならず光Lを
遮蔽するように構成し、遮蔽板123A、123Bの移
動によりスリット125A、125Bが重なり合って光
Lを透過させるような構造としてもよい。なお、図1
2、および図13の例では2枚の遮蔽板をおのおのデバ
イスに取り付けた例を示したが、本発明の光シャッター
は少なくとも一方の遮蔽板をデバイスに取り付け、当該
一方の遮蔽板を移動させるのみでも光の透過および遮蔽
を制御することが可能である。ただし、双方の遮蔽板を
デバイスに取り付けた方が遮蔽板の相対的な移動量を大
きくできる点において好ましい。また、図12、および
図13の例では光シャッターを2つのユニットで構成し
ているが、3つ以上のユニットで構成してもよい。この
場合、複数の遮蔽板の移動方向を種々に設定することに
より、重なり部分の開口の程度を変えた光絞り等として
も用いることもできる。本発明の光シャッターは、本発
明のデバイスの可動部に遮蔽板を取り付けているため、
遮蔽板の煽り方向の作動が抑制される。すなわち、遮蔽
板が常に光の入射方向に正対して移動するため、より精
密な光のON/OFF制御、光量制御が可能となる点に
おいて好適に用いることができる。
【0101】
【発明の効果】 本発明に従うデバイスは、少なくとも
孔部を挟んで対角方向に位置し同一の機能を有する素子
を同時に駆動させることにより、一つには駆動力を大き
くし変位量を増大させることが可能である。さらに、可
動部の回転モードの変位を押さえ、X軸方向に大きく変
位させることが可能な変位メカニズムである、一対の薄
板部の変位形態を互いに回転対称とすることが可能であ
ることから、二つには駆動力の変位への変換効率を高く
し、大きな変位をより特定軸、すなわちX軸へ支配的と
することが可能である。
【0102】 加えて、この態様においては、固定部な
らびに可動部と薄板部のと接合部上に圧電/電歪素子が
形成されているために、その部位での強度も確保され、
高共振周波数化による応答速度の高いデバイスが実現で
きる。
【0103】 本発明に係るデバイスは、薄板部の幅方
向すなわちY軸の方向には高い剛性を有するという特徴
があるため、本デバイスへのセンサ、磁気ヘッド等の機
能部品の取り付け、さらに本デバイス自身を他の構造体
へ取り付ける際、強固な接合ができる構造である。加え
て、この剛性のため、比較的質量の大きな部品の取り付
けも可能であるという特徴を併せ持つものである。さら
に、前記薄板部の幅方向に比べ厚み方向は相対的に剛性
が小さいことから、この剛性の方向性に基づいて、デバ
イスを動作させた場合の変位成分として、Y軸方向への
成分つまり煽り成分が効果的に抑制されるという効果が
発揮されるものである。また、本発明は薄板部のみなら
ず固定部もしくは可動部に対して、変位を発現する圧電
/電歪作動部位がかかるようにした構造であることか
ら、駆動部の変位形態は、特開昭63−64640号公
報とは異なり、薄板部の可動部から固定部に向かう方向
における中央部近傍のみが、本願発明に係るデバイスの
孔部方向に向かい、薄板部と固定部、薄板部と可動部と
の接合部はほとんど変位しないという形態ではなく、可
動部と薄板部との接合部を外空間に向かうような変位形
態をとるので、変位メカニズム的に可動部を大きく変位
させることができる構造である。
【0104】 さらに、本デバイスの固定部ならびに可
動部と薄板部とはセラミックスの一体焼成物であり、加
えて圧電/電歪素子は膜成形法により、接着剤を用いる
ことなく前記薄板部、固定部および可動部に対して焼成
により一体化された構造であることから、接着に起因す
る経時的な変位ドリフト等の変化は生じない構造であ
る。また前述の通り、本願駆動部ないしは薄板部と固定
部ならびに、駆動部ないしは薄板部と可動部との接合部
は第三の物質・材料を介在しない、構造的に境界のない
ものであることから、高剛性な構造であり、高速動作が
可能な高共振周波数化が容易にはかられるものである。
このような、たとえば、特開昭63−64640号公報
に開示されたアクチュエータとは構造上また機能上全く
異なるもので、信頼性の高いものであるということがい
える。
【0105】 従って、各種トランスデューサ、各種ア
クチュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トラ
ンス、通信用や動力用の振動子や共振子、発信子、ディ
スクリミネータ等の能動素子のほか、超音波センサや加
速度センサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等
の各種センサ用のセンサ素子として利用することがで
き、特に光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位
や位置決め調整、角度調整の機構に用いられる各種アク
チュエータに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電/電歪デバイスの1つの実施態
様の構造を模式的に示す正面図である。
【図2】 本発明の圧電/電歪デバイスの別の実施態様
の構造を模式的に示す正面図である。
【図3】 本発明の圧電/電歪デバイスのさらに別の実
施態様の構造を模式的に示す正面図である。
【図4】 本発明の圧電/電歪デバイス用の基体部の構
造を示す概略斜視図である。
【図5】 本発明の圧電/電歪デバイスの更に別の実施
態様を示す概略斜視図である。
【図6】 本発明の圧電/電歪デバイスの更に別の実施
態様を示す概略斜視図である。
【図7】 本発明の圧電/電歪デバイスの更に別の実施
態様を示す概略斜視図である。
【図8】 本発明の圧電/電歪デバイスを構成する圧電
/電歪素子の一の実施態様を示す概略斜視図である。
【図9】 本発明の圧電/電歪デバイスを構成する圧電
/電歪素子の一の実施態様を示す概略斜視図である。
【図10】 本発明の圧電/電歪デバイスを構成する圧
電/電歪素子の一の実施態様を示す概略斜視図である。
【図11】 本発明の圧電/電歪デバイスの製造方法の
1の実施態様を示す工程図(a)、(b)、(c)、お
よび(d)である。
【図12】 本発明に係るデバイスを装着した光シャッ
ターの1例を示す概略説明図であって、(a)は斜視
図、(b)は上面図である。
【図13】 本発明に係るデバイスを装着した光シャッ
ターの別の例を示す概略説明図であって、(a)は斜視
図、(b)は上面図、(c)は遮蔽板の拡大図である。
【図14】 従前の圧電アクチュエータの一の実施態様
を示す概略斜視図である。
【図15】 本発明の圧電/電歪デバイスの別の実施態
様を示す概略斜視図である。
【図16】 本発明の圧電/電歪デバイスの更に別の実
施態様を示す概略斜視図である。
【図17】 本発明の圧電/電歪デバイスの更に別の実
施態様を示す概略斜視図である。
【図18】 本発明の圧電/電歪デバイスの更に別の実
施態様を示す概略斜視図である。
【図19】 本発明の圧電/電歪デバイスの更に別の実
施態様を示す概略斜視図である。
【図20】 本発明に係る圧電/電歪デバイスの製造方
法において、セラミックグリーンシートの積層体に使用
する各セラミックグリーンシートの例を模式的に示した
図である。
【符号の説明】
1…圧電/電歪デバイス、2…圧電/電歪素子、2’…
圧電作動部位、2a…圧電/電歪膜、2b…第二の電
極、2c…第一の電極、2d…電極リード、3…駆動
部、4…可動部、5…固定部、6、7…薄板部、8…孔
部、9…裏部、10…端子、10A…端子、10B…端
子、10C…端子、10D…端子、13…間隙部、10
1…セラミックグリーンシート、102…セラミックグ
リーン積層体、103…孔部、104…基準孔、106
…連通孔、107…圧電/電歪素子、108…積層体、
110…光シャッター、111A、111B…ユニッ
ト、112A、112B…圧電/電歪素子、113A、
113B…遮蔽板、114A、114B…可動部、12
0…光シャッター、121A、121B…ユニット、1
22A、122B…圧電/電歪素子、123A、123
B…遮蔽板、124A、124B…可動部、125A、
125B…スリット。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−371967 (32)優先日 平成11年12月27日(1999.12.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 駒沢 正人 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 木村 浩二 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電/電歪素子の変位により駆動する駆
    動部と、当該駆動部の駆動に基づいて作動する可動部
    と、前記駆動部および可動部を支持するための固定部と
    からなり、前記固定部と前記可動部は当該駆動部を介し
    て結合され、当該駆動部の内壁と可動部の内壁と固定部
    の内壁により孔部が形成されている圧電/電歪デバイス
    であって、 当該駆動部は、相対向する一対の薄板部と、当該薄板部
    上に設けられた少なくとも一対以上の電極と圧電/電歪
    膜とからなる圧電/電歪素子、少なくとも2個とから構
    成されており;少なくとも一対以上の電極と圧電/電歪
    膜とからなる当該圧電/電歪素子の少なくとも2個の内
    の1つは、いずれか一方の薄板部の固定部から可動部に
    向かう方向において、少なくとも前記圧電/電歪素子の
    一方の端部と、同端部側の圧電/電歪作動部位とが、固
    定部上に配置されており、かつ、当該一対の薄板部の当
    該一方の薄板部の少なくとも一部にまで延びて形成され
    ており、かつ、前記圧電/電歪素子の他方の端部側の圧
    電/電歪作動部位の端部が薄板部上に配置されており、
    残りの少なくとも一対以上の電極と圧電/電歪膜とから
    なる当該圧電/電歪素子の内の1つは、薄板部の固定部
    から可動部に向かう方向において、少なくとも前記圧電
    /電歪素子の一方の端部と、同端部側の圧電/電歪作動
    部位とが、可動部上に配置されており、かつ当該一対の
    薄板部の内の他方の薄板部の一部にまで延びて形成され
    ており、かつ前記圧電/電歪素子の他方の端部側の圧電
    /電歪作動部位の端部が薄板部上に配置されていること
    を特徴とする圧電/電歪デバイス。
  2. 【請求項2】 相対向する一対の薄板部の少なくともい
    ずれか一方の薄板部の外表面には、さらに、少なくとも
    一対以上の電極と圧電/電歪膜とからなる圧電/電歪素
    子が薄板部の固定部から可動部に向かう方向において、
    少なくとも当該圧電/電歪素子の一方の端部と、同端部
    側の圧電/電歪作動部位とが、固定部または可動部上に
    配置されており、かつ、当該薄板部の少なくとも一部に
    まで延びて形成されており、かつ、前記圧電/電歪素子
    の他方の端部側の圧電/電歪作動部位の端部が薄板部上
    に配置され、その圧電/電歪素子が、孔部を挟んで対角
    方向となるように配置された当該少なくとも2個の圧電
    /電歪素子のうちの一方と相対向して同一薄板部上に配
    置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電/
    電歪デバイス。
  3. 【請求項3】 相対向する一対の薄板部のそれぞれの外
    表面に、薄板部の固定部から可動部に向かう方向におい
    て、一方の端部が固定部上に配置された少なくとも一対
    以上の電極と圧電/電歪膜とからなる圧電/電歪素子
    と、一方の端部が可動部上に配置された少なくとも一対
    以上の電極と圧電/電歪膜とからなる圧電/電歪素子と
    がそれぞれ同一薄板部上に相対向して配置されており、
    当該それぞれの当該圧電/電歪素子は、その一方の端部
    と、同端部側の圧電/電歪作動部位とが、固定部または
    可動部上に配置されており、かつ、当該薄板部の少なく
    とも一部にまで延びて形成されており、かつ、前記圧電
    /電歪素子の他方の端部側の圧電/電歪作動部位の端部
    が薄板部上に配置されていることを特徴とする請求項1
    に記載の圧電/電歪デバイス。
  4. 【請求項4】 同一の薄板部の外表面に相対向して設け
    られたそれぞれの圧電/電歪素子の薄板部上の圧電/電
    歪作動部位の端部は、それぞれの薄板部の長さの半分を
    超えない位置に配置されていることを特徴とする請求項
    2または3に記載の圧電/電歪デバイス。
  5. 【請求項5】 同一の薄板部の外表面に相対向して設け
    られた2個の圧電/電歪素子が、圧電/電歪膜を共有し
    ていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に
    記載の圧電/電歪デバイス。
  6. 【請求項6】 相対向する一対の薄板部のうち、同一の
    薄板部の外表面に相対向して設けられた2個の圧電/電
    歪素子が相互に同一または相異なる機能を有する素子で
    あることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記
    載の圧電/電歪デバイス。
  7. 【請求項7】 相対向する一対の薄板部のうち、同一の
    薄板部の外表面に相対向して設けられた2個の圧電/電
    歪素子が相互に相異なる機能を有する素子であることを
    特徴とする請求項6に記載の圧電/電歪デバイス。
  8. 【請求項8】 相対向する一対の薄板部の外表面に設け
    られた少なくとも2個の圧電/電歪素子のうち、孔部を
    挟んで、相互に対角方向に存在する圧電/電歪素子が同
    一の機能を有する素子であることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか1に記載の圧電/電歪デバイス。
  9. 【請求項9】 相対向する一対の薄板部の外表面に設け
    られた少なくとも2個の圧電/電歪素子のうち、孔部を
    挟んで、相互に対角方向に存在する圧電/電歪素子が相
    異なる機能を有する素子であることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれか1項に記載の圧電/電歪デバイス。
  10. 【請求項10】 相対向する一対の薄板部の外表面に設
    けられた少なくとも2個の圧電/電歪素子のうち、少な
    くとも1つの圧電/電歪素子が多層の圧電/電歪作動部
    位を有するものであることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれか1に記載の圧電/電歪デバイス。
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