JP2001249313A - ファラデー効果を利用した可変光減衰器 - Google Patents

ファラデー効果を利用した可変光減衰器

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JP2001249313A JP2000058815A JP2000058815A JP2001249313A JP 2001249313 A JP2001249313 A JP 2001249313A JP 2000058815 A JP2000058815 A JP 2000058815A JP 2000058815 A JP2000058815 A JP 2000058815A JP 2001249313 A JP2001249313 A JP 2001249313A
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誠一 池田
Nobuhiro Fukushima
暢洋 福島
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裕彦 園田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ファラデー回転角の波長依存性を考慮して磁気
光学系の最適化を行い、デバイス全体での波長依存性の
低減を図った可変光減衰器を提供する。 【解決手段】本発明による可変光減衰器は、可変のファ
ラデー回転角を与えるファラデー回転子1と、ファラデ
ー回転子1の前後に配置された偏光子2および検光子3
と、を備え、光減衰量の波長依存性が最大になるときの
ファラデー回転角が略0°となるように、偏光子2の光
学軸に対する検光子3の光学軸のなす角度を設定するこ
とで、上記ファラデー回転角での光減衰量の波長依存性
を低減させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファラデー効果を
利用して可変の光学特性を得る光減衰器に関し、特に、
光学特性の波長依存性を低減させた可変光減衰器および
それを用いた光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気光学効果の1つであるファラデー効
果を利用した可変光減衰器は、光伝送システム等の構成
要素として広く用いられている。例えば、ファラデー効
果を用いた可変光減衰器等は、光増幅器を有するシステ
ムなどにおいて、光増幅器の出力レベルを一定に維持す
るために用いられている。このような可変光減衰器は、
一般に、電磁石への印加電流等を変化させることによっ
てファラデー回転子の回転角が変化し、該回転角の設定
に応じて光減衰量が決まるものであって、機械的可動部
分を持たない構成になることが1つの特徴である。
【0003】従来のファラデー効果を利用した可変光減
衰器の具体的な構成としては、例えば、特開昭61−3
5428号公報、特開平6−51255号公報等に記載
されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の可変光減衰器に適用されるファラデー回転子
は、ファラデー回転角に応じた波長依存性を物性的に有
している。また、特開平6−51255号公報に記載さ
れた従来の可変光減衰器などのように、直交する固定磁
場および可変磁場で形成される合成磁場によりファラデ
ー回転角を可変制御する構成では、その光減衰量につい
てある程度の波長依存性が生じることも知られている。
このため、従来の可変光減衰器では、ファラデー回転角
および光減衰特性のそれぞれの波長依存性によって、出
力光のレベルが波長に応じて異なるようになってしま
う。このような従来の可変光減衰器を用いて、例えば波
長多重(WDM)光伝送システム等を構築したとすれ
ば、波長チャンネルごとに光レベルが相違してしまい、
伝送路上での非線形効果を誘発するなどの原因となるた
め好ましくない。
【0005】本発明は上記の点に着目してなされたもの
で、ファラデー回転角の波長依存性を考慮して磁気光学
系の最適化を行い、デバイス全体での波長依存性の低減
を図った可変光減衰器およびそれを用いた光伝送システ
ムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によるファラデー効果を利用した可変光減衰
器の1つの態様は、透過する偏光に対して可変のファラ
デー回転角を与えるファラデー回転子と、該ファラデー
回転子の前後の光線軸上にそれぞれ配置された直線偏光
を切り出す素子と、を備え、ファラデー回転角の変化に
伴って光減衰量が変化する可変光減衰器であって、光減
衰量の波長依存性が最大になるときのファラデー回転角
が略0°となるように、前記直線偏光を切り出す素子の
うちの一方の素子の光学軸に対する他方の素子の光学軸
のなす角度を設定するものである。
【0007】かかる構成では、可変光減衰器の光減衰量
について、その波長依存性が最大になるときのファラデ
ー回転角に着目し、ファラデー回転角が小さなとき程そ
の波長依存性が低減されるという傾向を考慮して、光減
衰量の波長依存性が最大になるファラデー回転角が略0
°となるように、直線偏光を切り出す素子のうちの一方
の素子の光学軸に対する他方の素子の光学軸のなす角度
が設定される。これにより、略0°にされたファラデー
回転角における光減衰量の波長依存性が低減されるよう
になる。
【0008】上記の可変光減衰器については、互いに方
向の異なる固定磁場および可変磁場をファラデー回転子
に与える磁場発生手段を備え、固定磁場および可変磁場
で形成される合成磁場の方向が光線方向に直交する状態
を含むように、固定磁場および可変磁場の各方向を設定
することで、ファラデー回転角を0°に設定可能にする
のが好ましい。具体的には、固定磁場の方向が、光線方
向と平行であるとき、可変磁場の方向が、固定磁場の方
向に対して鈍角をなすようにすればよい。或いは、固定
磁場の方向が、光線方向とは平行でないとき、可変磁場
の方向が、固定磁場の光線方向成分に対して鈍角をなす
ようにしても構わない。
【0009】かかる構成によれば、固定磁場および可変
磁場で形成される合成磁場の方向が光線方向に直交する
状態のときに、ファラデー回転子の磁化の光線方向成分
が零となるため、ファラデー回転角=0°が実現される
ようになる。
【0010】本発明によるファラデー効果を利用した可
変光減衰器の他の態様は、偏光を切り出す2つの偏光素
子と、該偏光素子の間に設けたファラデー回転子と、該
ファラデー回転子を通過する光の軸と同じ軸に平行に磁
場を加える第1磁石と、該第1磁石の磁場の方向に対し
て磁場の方向が鈍角となるように配置した第2磁石とを
設け、該第2磁石は、磁場の強さを調整することができ
るようにしたものである。また、上記可変光減衰器につ
いては、第2磁石の磁場の強さを調整することで、第1
磁石の磁場と第2磁石の磁場との合成磁場の方向が、光
の軸に対して垂直となる位置を取ることができるように
してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、ファラデー効果を利用した
一般的な可変光減衰器の基本構成および動作原理につい
て簡単に説明する。
【0012】図1は、一般的な可変光減衰器の磁気光学
系を示す図であって、(A)は上面図、(B)は側面図
である。なお、図1(B)には、光線追跡を行った結果
も示してある。
【0013】図1に示すように、一般的な可変光減衰器
では、入射される光の光線方向に沿って、直線偏光を切
り出す素子である偏光子2、ファラデー回転子1、直線
偏光を切り出す検光子3が順に配置される。また、ファ
ラデー回転子1には、図1(A)に示すように、光線方
向に対して、平行方向に固定磁場Hpが印加され、垂直
方向に可変磁場Heが印加されている。この固定磁場H
pは、例えば、後述するような永久磁石等によって発生
し(第1磁石)、ファラデー回転子の磁化を飽和させる
のに十分な磁場(飽和磁化をMとする)を与える。ま
た、可変磁場Heは、例えば、後述するような電磁石等
によって発生し(第2磁石)、該電磁石への印加電流I
を変化させることで可変となる。したがって、固定磁場
Hpと可変磁場Heの合成磁場Hp+Heは、印加電流
Iの大きさに応じて、その大きさおよび方向を変える。
【0014】ファラデー回転子のファラデー回転角は磁
場の強さと光線に対する磁場の角度で決まるが、ファラ
デー回転子は光線に平行な磁場Hpにより磁化が飽和に
達しているので、光線に垂直な磁場Heが変化し、合成
磁場Hp+Heの光線に対する角度が変化することで、
光線方向成分に対する磁化の強さM’が変化する。この
光線方向成分に対する磁化の強さM’の変化によりファ
ラデー回転が可変できる。
【0015】上記のような基本構成を有する可変光減衰
器では、図1(B)の光線追跡に示すように、入力光フ
ァイバーINから出射された光線Rが、偏光子2(例え
ば、くさび型ルチル等)において、そのくさび角に従い
常光線oと異常光線eに分離される。分離された常光線
oおよび異常光線eは、それぞれ、ファラデー回転子1
において光線方向の磁化成分M’の大きさに比例したフ
ァラデー回転を受けた後に、検光子3(例えば、くさび
型ルチル等)に入射される。ここでは検光子3の光学軸
が、印加電流Iを略零とした時のファラデー回転角に対
してほぼ平行となるように配置されており(光学軸の詳
細については後述する)、偏光子2での常光線oのう
ち、検光子3でも常光線に相当する成分(図中のo→o
成分)が、出力光ファイバーOUTに結合するようにな
る。また、これと同様にして、偏光子2での異常光線e
のうち、検光子3でも異常光線に相当する成分(図中の
e→e)も出力光ファイバーOUTに結合する。さら
に、偏光子2での常光線oおよび異常光線eについて、
検光子3で分離される常光線成分と異常光線成分の各比
率は、ファラデー回転角が可変磁場Heの大きさに応じ
て可変であるので、所要の値に設定することが可能であ
る。つまり、上記の比率はファラデー回転角に応じて変
化するため、出力光ファイバーOUTに結合する光量を
変えることが可能となり可変光減衰器として機能するよ
うになる。
【0016】ここで、偏光子2と検光子3の光学軸の関
係について説明する。図2は、一般的な光学軸の関係を
示す図である。ただし、各光学軸は、図1(A)の矢印
Aに示す方向から見た場合を示している。また、図示し
た角度については、偏光子2の光学軸を基準(0°)と
し、反時計回りの方向を正としている。
【0017】前述したように、入力光線Rは偏光子2を
透過することによって、その光学軸に平行な偏波面を持
つ異常光線eと、これに垂直な偏波面を持つ常光線oと
に分離される。以下の説明では、分離された光線のう
ち、異常光線eについての偏波の動きを具体的に考え
る。なお、常光線oについては、異常光線eと直交した
ものであるので、後述の内容について角度を90°回転
した場合を想定すればよいため、ここでの説明を省略す
る。
【0018】偏光子2を透過した異常光線eは、次にフ
ァラデー回転子1を透過するが、このとき、可変磁場H
eの大きさに応じた所要のファラデー回転を受ける。例
えば、電磁石への印加電流Iが0に設定されて可変磁場
Heが殆ど発生していないときには、永久磁石による固
定磁場Hpのみとなるため、ファラデー回転子1の磁化
の光線方向成分M’が飽和磁化Mと等しくなって、ファ
ラデー回転角θfとしては最大値θmaxが得られる。最
大角度θmaxのファラデー回転を受けた光線は、検光子
3の光学軸に平行な成分が、検光子3における異常光成
分となって、この成分のみが出力光ファイバーOUTに
結合する。このとき(θf=θmax,I=0)発生する
損失は、出力光ファイバーOUTへの結合効率が最も良
くなるので、可変光減衰器としての挿入損失となる。
【0019】次に、印加電流Iを変化させて可変磁場H
eを大きくしていくと、ファラデー回転子1の磁化の光
線方向成分M’が減少するのに伴いファラデー回転角θ
fも小さくなる。これにより、ファラデー回転を受けた
光線についての検光子3の光学軸成分が減少するため、
出力光ファイバーOUTへの結合効率が低下して、可変
の光減衰として観測される。また、ファラデー回転角θ
fが検光子3の光学軸と直交したときには、ファラデー
回転を受けた光線についての検光子3の光学軸成分が0
になるため、最大の光減衰量が得られるようになる。こ
のときのファラデー回転角θfをθATTmaxとする。ここ
で、偏光子2の光学軸2aに対して、検光子3の光学軸
3aがファラデー回転子1の回転方向(図2では反時計
回りの方向)になす角度をθpとすると、θATTmax=θ
p−90°の関係が成り立つ。
【0020】上述した内容に基づいて、可変光減衰器と
しての光減衰量ATTを数式化すると、次の(1)式に
示す関係で表すことができる。 ATT[dB]=−10・log10[cos2(θp−θf) +10(-ER/10)]…(1) ここで、ERは、ファラデー回転子1として用いられる
光学結晶の消光比を表しており、可変光減衰における最
大値を表すものである。
【0021】次に、上述したような従来の可変光減衰器
における波長依存性の発生原因について説明する。図3
は、ファラデー回転角θfの波長依存性を説明する図で
ある。
【0022】図3において、横軸は、入力光の波長を示
し、縦軸は、波長依存性を表す値として、例えば波長1
549nmでのファラデー回転角θfを基準としたとき
の他波長でのファラデー回転角の偏差を示している。上
述した可変光減衰器において、光減衰量が約0dBとな
るように設定したとき、すなわち、ファラデー回転角θ
fが最大値θmaxとなるようにした場合には、1535
〜1563nmの波長範囲におけるファラデー回転角θ
fの偏差が±2°を超えるようになり、波長依存性の大
きいことが分かる。このファラデー回転角θfの波長依
存性は、光減衰量を10dB、20dBと大きくする、
すなわち、ファラデー回転角θfを小さくするのに伴っ
て、小さくなる傾向を有する。具体的には、光減衰量を
20dBに設定したとき、1535〜1563nmの波
長範囲におけるファラデー回転角θfの偏差が±0.5
よりも小さくなり、波長依存性が低減していることが分
かる。
【0023】上記のようなファラデー回転角の波長依存
性を基に、一般的な可変光減衰器におけるファラデー回
転角θfと印加電流Iの関係を算出すると、図4に示す
ような特性となる。ただし、横軸は印加電流Iを示し、
左方の縦軸はファラデー回転角θfを示し、右方の縦軸
は、ファラデー回転角の波長依存性Δθf(波長154
9nmでのファラデー回転角θfを基準としたときの他
波長でのファラデー回転角の偏差)を示している。ま
た、偏光子2と検光子3のなす角度θpは、例えば10
5°等に設定した場合を想定している。
【0024】図4に示すように、ファラデー回転角の波
長依存性Δθfは、印加電流Iが小さなとき程、大きく
なることが分かる。これは、印加電流Iが小さなときに
ファラデー回転角θfが大きくなるためであり、前述の
図3に示した関係と同様の特性を表している。
【0025】一方、図4に対応させた光減衰量ATTと
印加電流Iの関係を、前述の(1)式を用いて算出する
と、図5に示すような特性となる。ただし、横軸は印加
電流Iを示し、左方の縦軸は光減衰量ATTを示し、右
方の縦軸は光減衰量の波長依存性ΔATT(波長154
9nmでの光減衰量ATTを基準としたときの他波長で
の光減衰量の偏差)を示している。また、光減衰量AT
Tの最大値(前述の(1)式におけるERの値)は、こ
こでは25dBに設定して計算を行っている。
【0026】図5に示すように、光減衰量の波長依存性
ΔATTは、印加電流Iを約50mAに設定した場合に
最も大きくなることが分かる。この場合、具体的には、
光減衰量ATTが約21.2dBとなり、1535〜1
563nmの波長範囲における光減衰量の波長依存性Δ
ATTが約1.1dBと大きくなる。なお、印加電流I
を約50mAとしたときのファラデー回転角θfは、図
4より約19°となる。上記のような光減衰量の波長依
存性ΔATTの発生原因は、次のように説明できる。
【0027】(1)式より、光減衰量ATTは、log
[cos2(θp−θf)]の項を含んでいる。この項
とθp−θfの関係およびその微分係数は、図6に示す
ようになる。すなわち、ファラデー回転角θfが大きい
(θp−θfが小さい)とき、log[cos2(θp
−θf)]の微分係数は非常に小さい。つまり、ファラ
デー回転の波長依存性によって、θfが変化しても、l
og[cos2(θp−θf)]は殆ど影響を受けない
ことを意味している。
【0028】これに対して、ファラデー回転角θfが小
さい(θp−θfが大きい)ときには、log[cos
2(θp−θf)]の微分係数が、非常に大きくなるた
め(特に、θp−θfの値が85°を超えた所から急激
に立ち上がる)、log[cos2(θp−θf)]も
大きく変化する。したがって、上記の図5に示したよう
な光減衰量の波長依存性ΔATTを示すようになるので
ある。ただし、光学結晶の消光比によって決定される光
減衰量の最大値ER付近(図5においてI=62mA付
近)では、光減衰量ATTが頭打ちとなるため、波長依
存性ΔATTが例外的に略零になっている。
【0029】ここで重要なことは、光減衰量の波長依存
性ΔATTは、ファラデー回転子1自体の波長依存性で
発生するものの、ファラデー回転角の波長依存性Δθf
が必ずしも最大の時に、光減衰量の波長依存性ΔATT
が最大になるわけではないことである。
【0030】そこで、本発明では、上述したような一般
的な基本構成の可変光減衰器について、ファラデー回転
角および光減衰量の各波長依存性Δθf,ΔATTを考
慮して、磁気光学系を最適化することで波長依存性の低
減された可変光減衰器を実現可能にする。
【0031】具体的には、図1および図2に示したよう
な磁気光学系を有する可変光減衰器では、図4および図
5で示したようにファラデー回転角θfが約19°の時
に、光減衰量の波長依存性ΔATTが最大となる。一方
で、図3から分かるように、ファラデー回転角θfが十
分小さければ、ファラデー回転角の波長依存性Δθfは
小さくなる。つまり、光減衰量の波長依存性ΔATTが
最大となる状態でのファラデー回転角θfが、ファラデ
ー回転角の波長依存性Δθfの小さい領域に移るように
(すなわち、ファラデー回転角θfが0°に近づくよう
に)、偏光子2の光学軸2aと検光子3の光学軸3aと
の関係(なす角度θp)を最適化することで、光減衰量
の波長依存性ΔATTを低減できる。
【0032】しかしながら、光減衰量の波長依存性ΔA
TTが最大になるファラデー回転角θΔATTmaxを略0°
にまで小さくすることは、図1および図2に示したよう
な磁気光学系では不可能である。なぜなら、図1に示し
たように、一般的な基本構成においては、固定磁場Hp
と可変磁場Heが互いに直交しており、ファラデー回転
角θfを略0°にするためには、可変磁場Heの大きさ
を無限大にしなければならないが、可変磁場Hpの大き
さが有限であるので、それは困難であることによる。し
たがって、本発明では、光線方向に対する固定磁場Hp
および可変磁場Heの各方向の最適化を行うことで、光
減衰量の波長依存性ΔATTのさらなる低減を図ってい
る。
【0033】以下、本発明による可変光減衰器の実施形
態を図面に基づいて説明する。図7は、本実施形態にか
かる可変光減衰器の磁気光学系を示す図であって、
(A)は上面図、(B)は側面図である。
【0034】図7に示すように、本可変光減衰器の磁気
光学系は、上述の図1に示した一般的な基本構成の場合
と同様にして、入力光ファイバINから出射される光線
Rの伝搬方向に沿って、偏光子2、ファラデー回転子
1、検光子3が順に配置される。本可変光減衰器では、
光線方向に対する偏光子および検光子の各光学軸の位置
関係、並びに、ファラデー回転子1に与えられる固定磁
場Hpおよび可変磁場Heの各方向が、一般的な基本構
成の場合とはそれぞれ異なるものとなっている。
【0035】ファラデー回転子1は、磁気光学効果の1
つであるファラデー効果を有する磁気光学結晶である。
この磁気光学結晶としては、例えば、液相エピタキシャ
ル法で作製した(RBi)3(FeM)512または(R
Bi)3Fe512(ただし、Rはイットリウムを含む希
土類元素から選ばれた1種以上の元素、Mは鉄と置換で
きる1種以上の元素)等が知られており、典型的には、
Tb1.000.65Bi1. 35Fe4.05Ga0.9512なる組成
である。また、Y3Fe512なる組成のガーネット単結
晶であってもよい。
【0036】偏光子2および検光子3は、例えば、くさ
び型ルチル等を用いてそれぞれ形成され、各々の光学軸
が次に示すような位置関係を保つように配置されてい
る。図8は、本可変光減衰器における偏光子2および検
光子3の各光学軸の位置関係を示す図である。ここで
も、上述の図2に示した場合と同様にして、各光学軸
は、図7(A)の矢印Aに示す方向から見た場合を示し
ている。また、図示した角度については、偏光子2の光
学軸を基準(0°)とし、反時計回りの方向を正として
いる。
【0037】図8に示すように、本可変光減衰器では、
光減衰量の波長依存性が最大となるファラデー回転角θ
ΔATTmaxが略0°に一致するように、偏光子2の光学軸
2aに対する検光子3の光学軸3aの配置が決定されて
いる。具体的には、図8で破線に示した一般的な基本構
成(対応する符号は括弧付きで示す)における検光子の
光学軸(3a)を、偏光子の光学軸2aに近づく方向、
すなわち、なす角度θpが小さくなる方向に回転して、
光減衰量の波長依存性が最大となるファラデー回転角
(θΔATTmax)を示す破線を偏光子2の光学軸2a上に
略一致させる。このときのなす角度θpを、ここでは最
適化したなす角度θpoptとする。
【0038】ただし、本可変光減衰器の各パラメータの
設定によっては、一般的な基本構成における光減衰量の
波長依存性が最大となるファラデー回転角θΔATTmax
略0°となるようになす角度θpを最適化しても、光減
衰量の波長依存性が最小にはならない場合もあり得る。
このような場合には、トータルの減衰量波長依存性が最
小になるようになす角度θpoptを最適化するのが望ま
しい。
【0039】上記のような検光子3の光学軸3aの移動
に伴って、最大のファラデー回転角θmaxおよび光減衰
量が最大となるファラデー回転角θATTmaxも小さくな
る。図8の例では、光減衰量が最大となるファラデー回
転角θATTmaxが負の領域に位置するようになる。このよ
うなファラデー回転角θfの可変制御を実現するために
は、ファラデー回転子1に印加される磁場の状態を規定
する必要がある。
【0040】図9は、図7の可変光減衰器における光線
方向R、固定磁場Hpおよび可変磁場Heの関係を示す
図である。この図示した関係は、図7(A)に示した磁
場の関係を具体的に表したものに対応する。
【0041】図9に示すように、可変光減衰器では、例
えば、固定磁場Hpが光線方向Rに対して平行に与えら
れると共に、可変磁場Heが光線方向Rに対して90+
θ0°(θ0>0)なる角度を有するものとする。角度θ
0の具体的な値としては、例えば15°等とすることが
できる。ただし、本発明における角度θ0の値はこれに
限られるものではなく、0°よりも大きな任意の角度に
設定可能である。
【0042】上記のような固定磁場Hpおよび可変磁場
Heによって形成される合成磁場He+Hpのベクトル
が、光線方向Rに対して直交すれば、磁化の光線方向成
分M’=0となるため、ファラデー回転角θf=0°が
実現されて、ファラデー回転の波長依存性Δθf=0に
なる。
【0043】具体的に、可変磁場Heの大きさの変化に
対応させて説明すると、可変磁場Heの大きさが0のと
きには、ファラデー回転子1に対して固定磁場Hpのみ
が与えられ、光線軸と平行な飽和磁化Mによって最大の
ファラデー回転角θmaxが得られる。可変磁場Heの大
きさがHe1に増大したときには、ファラデー回転子1
に対して合成磁場He1+Hpが与えられ、磁化Mの光
線方向成分M’(>0)に応じた正のファラデー回転角
θf(<θmax)が得られる。また、可変磁場Heの大
きさがHe2に増大したときには、光線軸に直交する合
成磁場He2+Hpがファラデー回転子1に対して与え
られ、磁化Mの光線方向成分M’が0となってファラデ
ー回転角θfも0となる。この可変磁場He2の状態に
おいて、ファラデー回転角の波長依存性Δθfが最も小
さくなる。さらに、可変磁場Heの大きさがHe3に増
大したときには、ファラデー回転子1に対して合成磁場
He3+Hpが与えられ、磁化Mの光線方向成分M’
(<0)に応じた負のファラデー回転角θfが得られ
る。ここでは、前述の図8に示したように、ファラデー
回転角θfが負になる領域において、最大の光減衰量が
実現される。
【0044】ここで、上記のような固定磁場Hpおよび
可変磁場Heをファラデー回転子1に与えるための磁場
発生手段としての構成について簡単に説明する。図10
は、本可変光減衰器において、ファラデー回転子1に磁
場を与える具体的な構成例を示す斜視図である。
【0045】図10の構成例では、例えば、円形の永久
磁石11,12が、ファラデー回転子1の前後に位置す
る光線軸上に極性を揃えてそれぞれ配置され、固定磁場
Hpを発生する。また、電磁石13のヨークが、ファラ
デー回転子1を挟むように配置され、この電磁石13へ
の印加電流Iに応じて、所要の大きさの可変磁場Heが
発生する。
【0046】このような構成の可変光減衰器では、上述
したような動作原理に基づいて、電磁石13への印加電
流Iが可変制御されることにより、ファラデー回転角θ
fが調整されて、出力光ファイバーOUTに結合する光
量が制御される。このとき、本可変光減衰器における光
減衰量の波長依存性ΔATTは、前述したようにファラ
デー回転角の波長依存性を考慮して磁気光学系が最適化
されているため、大幅に低減されることになる。
【0047】図11は、本実施形態の可変光減衰器にお
けるファラデー回転角θfと印加電流Iの関係を算出し
た結果を示す図である。また、図12は、図11に対応
させた光減衰量ATTと印加電流Iの関係を、上述の
(1)式を用いて算出した結果を示す図である。ただ
し、図11の横軸および縦軸に示す値は、上述した図4
の場合と同様であり、図12の横軸および縦軸に示す値
は、上述した図5の場合と同様である。
【0048】各図に示した関係の算出にあたっては、例
えば、角度θ0を15°として光線方向に対する可変磁
場Heのなす角度を105°に設定し、光減衰量の最大
値ERを25dBに設定した。また、偏光子2および検
光子3の各光学軸2a,3aがなす角度θpは、図5に
示した光減衰量の温度依存性ΔATTを基に最適化を図
った角度θpoptを用いた。
【0049】図11に示すように、本可変光減衰器で
は、光線方向に対する可変磁場Heのなす角度を105
°に設定したことで、ファラデー回転角θfが0°とな
る点が生じていることが分かる。具体的には、印加電流
Iを約40mA付近に設定したときにファラデー回転角
θfが0°となり、その波長依存性Δθfが最小になっ
ている。これにより、図12に示すように、印加電流I
を約40mA付近に設定したときに、光減衰量の波長依
存性ΔATTが一旦最小になっていることが分かる。ま
た、偏光子2および検光子3の各光学軸2a,3aのな
す角度をθpoptとしたことで、光減衰量が最大となる
状態は、約60mAに設定したときに実現するようにな
り、この状態におけるファラデー回転角θATTmaxは、図
11より−7°程度の負の値になっている。
【0050】一般に、可変光減衰器は、光減衰量が単調
増加(または減少)している範囲が使用域となるため、
図12のような光減衰特性では、印加電流Iがおよそ0
〜60mAの範囲が使用域に相当することになる。この
ような使用域についての光減衰量の波長依存性ΔATT
は、使用域中間の40mA付近で一旦0dBとなり、最
大でも約0.26dBという小さな値になっている。図
5に示した光減衰量の温度依存性ΔATTの使用域内で
の最大値が約1.1dBであったのに比べて、本可変光
減衰器の波長依存性が大幅に低減されていることが分か
る。
【0051】上述したように本実施形態によれば、ファ
ラデー回転角θfの波長依存性Δθfを考慮して、偏光
子2および検光子3の各光学軸2a,3aの配置を最適
化することで、光減衰量の波長依存性ΔATTの低減化
を図ることができる。また、光線方向に対する固定磁場
Hpおよび可変磁場Heの方向を規定することで、ファ
ラデー回転角θfを0°することが可能になる。このフ
ァラデー回転角θfが0°となる状態は、光減衰量が0
から最大値まで単調に変化する範囲内で実現されるた
め、可変光減衰器の使用域すべてに亘る光減衰量の波長
依存性ΔATTを小さくすることができる。このような
波長依存性の低減された可変光減衰器を用いて各種の光
伝送システムを構築することは有用である。
【0052】なお、上述した実施形態では、光減衰量の
波長依存性が最大になるファラデー回転角θΔATTmax
略0°となるように偏光子2および検光子3の各光学軸
2a,3aの最適化を行ったが、本発明はこれに限られ
るものではなく、一般的な基本構成におけるファラデー
回転角θΔATTmaxが少しでも小さくなるように各光学軸
2a,3aの配置を変更することによって、光減衰量の
波長依存性の低減効果を得ることが可能である。
【0053】例えば、偏光子2および検光子3のなす角
度θpを105°(図2の構成)から100°に変更し
て、ファラデー回転角θΔATTmaxを0°方向に5°だけ
近づけた場合を考えてみる。
【0054】図13は、上記の場合におけるファラデー
回転角θfと印加電流Iの関係を算出した結果を示す図
である。また、図14は、図13に対応させた光減衰量
ATTと印加電流Iの関係を、上述の(1)式を用いて
算出した結果を示す図である。
【0055】図13に示すように、なす角度θpを10
0°に小さくしただけでは、ファラデー回転角θΔ
ATTmaxを0°とすることができていないが、図14に示
すように、使用域内での光減衰量の波長依存性ΔATT
を約0.8dB以下にまで低減できることが分かる。
【0056】また、上述した実施形態では、光線方向
R、固定磁場Hpおよび可変磁化Heを図9に示したよ
うな関係となるように設定したが、本発明はこれに限ら
れるものではなく、例えば、図15または図16に示す
ような応用も可能である。
【0057】図15の例では、光線方向Rおよび固定磁
場Hpが、ファラデー回転子1の中心軸(図の一点鎖
線)に対してθ0°傾けられると共に、可変磁場He
が、ファラデー回転子1の中心軸に直交する方向とされ
ている。このような磁場の関係としても、図9に示した
場合と同様に、可変磁場Heの大きさがHe2となった
とき、光線方向に直交する合成磁場He2+Hpがファ
ラデー回転子1に対して与えられ、磁化Mの光線方向成
分が0となってファラデー回転角θfも0となる。
【0058】図16の例では、光線方向Rが、ファラデ
ー回転子1の中心軸(図の一点鎖線)に対してθ0°傾
けられ、固定磁場Hpが、ファラデー回転子1の中心軸
と平行な方向とされ、可変磁場Heが、ファラデー回転
子1の中心軸に直交する方向とされている。すなわち、
光線方向Rをθ0°傾ける場合、固定磁場Hpの方向は
必ずしも傾ける必要はないという一例である。これは、
ファラデー回転角θfが光線方向に沿った磁化の大きさ
によって決まり、固定磁場Hpの光線方向成分Hp’が
ファラデー回転子1の磁化を飽和させるのに十分であれ
ば、固定磁場Hpを傾けなくてもよいことを示してい
る。
【0059】上述の図9、図15または図16に示した
磁場の配置は、本可変光減衰器をデバイス化する際、そ
れぞれの特徴を考慮して適宜に選択すればよい。具体的
には、光線方向を傾かせる方式(図15、図16)は、
入出力光ファイバーをも傾かせることを意味しており、
デバイスとして実装し難くなる虞があるので注意する。
また、可変磁場Heをファラデー回転子1に対して傾か
せる方式(図9)は、ファラデー回転子1に対して、電
磁石13の磁場が斜方より最適に印加されるようにヨー
クの形状等を工夫する必要がある。例えば、ヨークを大
きくするなど措置が必要となり、デバイスが大きくなる
可能性があるため注意する。なお、光線方向のみを傾か
せる方式(図16)は、図10に示したようなリング状
の永久磁石ではなく、円柱状または直方体などの形状の
永久磁石を用いてデバイス化することが可能となる。例
えば円柱状の永久磁石は、一般にその中心線上で磁場が
安定しているため、永久磁石による固定磁場Hpが安定
し易く、これは可変光減衰器の特性の安定化につながる
という利点がある。
【0060】さらに、上述した実施形態では、角度θ0
を15°に設定した場合を示したが、本発明はこの設定
に限られるものではない。例えば、θ0を大きくして2
0°に変更し、その他の設定を同一とした場合を考えて
みる。
【0061】図17は、上記の場合におけるファラデー
回転角θfと印加電流Iの関係を算出した結果を示す図
である。また、図18は、図17に対応させた光減衰量
ATTと印加電流Iの関係を、上述の(1)式を用いて
算出した結果を示す図である。
【0062】図18に示すように、θ0=20°とした
ときの光減衰量の波長依存性ΔATTは、θ0=15°
としたときのそれと殆ど変化はないが、最大の光減衰量
ATTを発生する電流値が約60mAから40mAに減
少している。これは、光減衰量ATTの可変制御に要求
される精度を確保できる範囲内で、角度θ0をできるだ
け大きく設定することにより、可変光減衰器としての消
費電力の低減が図られることを意味している。
【0063】加えて、最大の光減衰量ERを25dBに
設定した場合を示したが、この設定についても任意に設
定することが可能である。例えば、最大の光減衰量ER
を30dBとし、その他の設定を同一とした場合を考え
てみる。
【0064】図19は、上記の場合におけるファラデー
回転角θfと印加電流Iの関係を算出した結果を示す図
である。また、図20は、図19に対応させた光減衰量
ATTと印加電流Iの関係を、上述の(1)式を用いて
算出した結果を示す図である。
【0065】図20に示すように、ER=30dBとし
たときの光減衰量の波長依存性ΔATTの最大値は、約
0.57dBとなっていて、ER=25dBとしたとき
(図12)に比べて増大している。しかしながら、この
波長依存性ΔATTの増大につても、最適化したなす角
度θpoptを再び最適化することで低減できる。具体的
には、なす角度θpoptを数°程度大きく設定すること
で、ERを大きくしたときの光減衰量の波長依存性ΔA
TTの増大を低減できる。
【0066】図21および図22は、ER=30dBと
して、なす角度θpoptを再度最適化したときの特性を
示す図である。また、図23および図24には、ER=
40dBとして、なす角度θpoptを再度最適化したと
きの特性も示しておく。各図に示すように、最大光減衰
量ERの設定を変更した場合においても、該設定に応じ
て偏光子2および検光子3の各光学軸がなす角度θpを
最適化することによって、光減衰量の波長依存性ΔAT
Tを十分に低減することが可能である。ただし、最大光
減衰量ERを大きくするほど、光減衰量の波長依存性Δ
ATTが増大する傾向があることには注意する。最大光
減衰量ERの各設定に応じた波長依存性ΔATTの最大
値は、例えば、0.26dB(ER=25dB)、0.
31dB(ER=30dB)、0.34dB(ER=4
0dB)等のようになる。
【0067】なお、上記の傾向に関連して、光減衰量の
波長依存性ΔATTを0dBから最大減衰量ERの範囲
全てにおいて低減する必要がない場合も考えられること
を簡単に説明しておく。
【0068】例えば、最大光減衰量ER=40dBは、
光伝送機器の緊急時等におけるシャットダウン機能に用
い、通常運用時に用いる光レベル調整は、光減衰量が2
0dB程度である場合が想定できる。このような場合、
光減衰量の波長依存性ΔATTを考慮すべき範囲は、0
〜20dBの間であり、光のシャットダウン時に波長依
存性ΔATTの大小は問われない。したがって、可変光
減衰器として、光減衰量の波長依存性ΔATTを考慮す
る、光減衰量ATTの範囲を決めることが有用である場
合も考えられる。
【0069】図25および図26は、上記のような場合
を想定し、ER=40dBにおいて光減衰量の波長依存
性の低減範囲を0〜20dBに限定して特性の算出を行
った結果を示す図である。図26に示すように、光減衰
量ATTが20dB以下の範囲における、光減衰量の波
長依存性ΔATTの最大値が約0.24dBになってお
り、図24に示した設定の場合と比較して、波長依存性
ΔATTの低減化が図られていることが分かる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のファラデ
ー効果を利用した可変光減衰器は、ファラデー回転角の
波長依存性を考慮して、直線偏光を切り出す素子の各光
学軸のなす角度を設定することで、光減衰量の波長依存
性の低減化を図ることができる。また、磁場発生手段に
ついて固定磁場および可変磁場の各方向を規定すること
で、ファラデー回転角を0°に設定可能になるため、光
減衰量の波長依存性をより低減することができる。この
ような波長依存性の低減された可変光減衰器を用いてW
DM光伝送システム等の各種光伝送システムを構成すれ
ば、安定した光伝送を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な可変光減衰器の磁気光学系を示す図で
あって、(A)は上面図、(B)は側面図である。
【図2】一般的な可変光減衰器における偏光子および検
光子の各光学軸の関係を示す図である。
【図3】一般的な可変光減衰器におけるファラデー回転
角の波長依存性を説明する図である。
【図4】一般的な可変光減衰器のファラデー回転角と印
加電流の関係を算出した結果を示す図である。
【図5】図4に対応させて光減衰量と印加電流の関係を
算出した結果を示す図である。
【図6】一般的な可変光減衰器における光減衰量の波長
依存性の発生原因を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる可変光減衰器の磁気
光学系を示す図であって、(A)は上面図、(B)は側
面図である。
【図8】本発明の実施形態における偏光子および検光子
の各光学軸の位置関係を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における光線方向、固定磁場
および可変磁場の関係を示す図である。
【図10】本発明の実施形態において、ファラデー回転
子に磁場を与える具体的な構成例を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態におけるファラデー回転角
と印加電流の関係を算出した結果を示す図である。
【図12】図11に対応させて光減衰量と印加電流の関
係を算出した結果を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に関連して、角度θpを1
00°に設定した場合のファラデー回転角と印加電流の
関係を算出した結果を示す図である。
【図14】図13に対応させて光減衰量と印加電流の関
係を算出した結果を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に関連する光線方向、固定
磁場および可変磁場の他の関係を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に関連する光線方向、固定
磁場および可変磁場のさらに別の関係を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に関連して、角度θ0を2
0°に設定した場合のファラデー回転角と印加電流の関
係を算出した結果を示す図である。
【図18】図17に対応させて光減衰量と印加電流の関
係を算出した結果を示す図である。
【図19】本発明の実施形態に関連して、最大光減衰量
ERを30dBに設定した場合のファラデー回転角と印
加電流の関係を算出した結果を示す図である。
【図20】図19に対応させて光減衰量と印加電流の関
係を算出した結果を示す図である。
【図21】本発明の実施形態に関連して、最大光減衰量
ERを30dBに設定し、角度θpoptを再度最適化し
た場合のファラデー回転角と印加電流の関係を算出した
結果を示す図である。
【図22】図21に対応させて光減衰量と印加電流の関
係を算出した結果を示す図である。
【図23】本発明の実施形態に関連して、最大光減衰量
ERを40dBに設定し、角度θpoptを再度最適化し
た場合のファラデー回転角と印加電流の関係を算出した
結果を示す図である。
【図24】図23に対応させて光減衰量と印加電流の関
係を算出した結果を示す図である。
【図25】本発明の実施形態に関連して、光減衰量が0
〜20dBの範囲で波長依存性が低減されるように設定
した場合のファラデー回転角と印加電流の関係を算出し
た結果を示す図である。
【図26】図25に対応させて光減衰量と印加電流の関
係を算出した結果を示す図である。
【符号の説明】
1…ファラデー回転子 2…偏光子 3…検光子 2a,3a…光学軸 11,12…永久磁石 13…電磁石 Hp…固定磁場 He,He1〜He3…可変磁場 I…印加電流 θf…ファラデー回転角 θp…各光学軸のなす角度 M,M’…磁化 R…光線方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園田 裕彦 北海道札幌市北区北七条西四丁目3番地1 富士通北海道ディジタル・テクノロジ株 式会社内 Fターム(参考) 2H079 AA03 BA01 CA04 DA12 EA11 HA11 KA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透過する偏光に対して可変のファラデー回
    転角を与えるファラデー回転子と、該ファラデー回転子
    の前後の光線軸上にそれぞれ配置された直線偏光を切り
    出す素子と、を備え、前記ファラデー回転角の変化に伴
    って光減衰量が変化する可変光減衰器であって、 光減衰量の波長依存性が最大になるときのファラデー回
    転角が略0°になるように、前記直線偏光を切り出す素
    子のうちの一方の素子の光学軸に対する他方の素子の光
    学軸のなす角度を設定することを特徴とするファラデー
    効果を利用した可変光減衰器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の可変光減衰器であって、 互いに方向の異なる固定磁場および可変磁場を前記ファ
    ラデー回転子に与える磁場発生手段を備え、 前記固定磁場および前記可変磁場で形成される合成磁場
    の方向が光線方向に直交する状態を含むように、前記固
    定磁場および前記可変磁場の各方向を設定することで、
    ファラデー回転角を0°に設定可能にしたことを特徴と
    するファラデー効果を利用した可変光減衰器。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の可変光減衰器であって、 前記固定磁場の方向が、光線方向と平行であるとき、 前記可変磁場の方向が、前記固定磁場の方向に対して鈍
    角をなすことを特徴とするファラデー効果を利用した可
    変光減衰器。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の可変光減衰器であって、 前記固定磁場の方向が、光線方向とは平行でないとき、 前記可変磁場の方向が、前記固定磁場の光線方向成分に
    対して鈍角をなすことを特徴とするファラデー効果を利
    用した可変光減衰器。
  5. 【請求項5】偏光を切り出す2つの偏光素子と、 該偏光素子の間に設けたファラデー回転子と、 該ファラデー回転子を通過する光の軸と同じ軸に平行に
    磁場を加える第1磁石と、 該第1磁石の磁場の方向に対して磁場の方向が鈍角とな
    るように配置した第2磁石とを設け、 該第2磁石は、磁場の強さを調整することができること
    特徴とするファラデー効果を利用した可変光減衰器。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の可変光減衰器であって、 前記第2磁石の磁場の強さを調整することで、前記第1
    磁石の磁場と前記第2磁石の磁場との合成磁場の方向
    が、前記光の軸に対して垂直となる位置を取ることがで
    きるようにしたことを特徴とするファラデー効果を利用
    した可変光減衰器。
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