JP2565423B2 - 光アイソレータ - Google Patents
光アイソレータInfo
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Description
おける反射戻り光を遮断する機能を有する光アイソレー
タの構成に関する。
高速・高密度情報伝送技術の発展に伴って、LD高原の単
一モード化,狭線幅化が促進され、現在では分布帰還レ
ーザ(DFB−LD)、多量子井戸構造レーザ(MQW−LD)な
ど優れた発光源が開発されており、光ファイバ・受光源
等の進歩と相まってその実現化が要望されている。しか
し、上記LDの場合、高速信号源として卓越した性能を示
す反面、反射戻り光に対しても敏感であり、雑音信号を
誘起し易い欠点がある。したがって、LDの直前に回帰光
を遮断する非相反素子として光アイソレータを配置する
のが一般的である。通常は30〜40dBの消光特性をもつ光
アイソレータが採用されているが、最近のアナログCATV
システムやこれからの発展が予想される、コヒーレント
光通信等においては60dB以上の消光特性が要求されてお
り、光アイソレータは小形化・低価格化・高消光比化の
三要素同時併立が強く望まれている。このような要望に
対し、すでに幾つかの試みが実施されている。たとえ
ば、特公昭61−1731号公報には3個の偏光プリズムと1
個のファラデー回転子を用いて経路中に光路折り返し用
光学素子を配置した構成が提案されているが、全体とし
て大型構成となっている。一方、特開昭63−49728号公
報においてもほとんど同様な技術背景からなり、温度波
長の広帯域化を目的とし、3個の偏光子を温度帯域・波
長帯域に合わせて微小角度だけ変位した構成が提案さ
れ、変位しない時の消光特性を犠牲にしているが、広帯
域化を実現したものである。
(a)に示すように光線の遮断方向に沿って、偏光子P
1,ファラデー回転子F1,検光子P2からなる一段型の光ア
イソレータの検光子と、二段目の光アイソレータの偏光
子P3との偏波面を合わせた完全な二段構成と、(a)の
連結部分の検光子P2か偏光子P3の一方を省略する構成
(b)がある。実際に組み立てると、この構成では高消
光比は実現できない。例えば(a)に示すような完全二
段構成を考慮した場合、遮断方向では最初に透過するフ
ァラデー回転子F1により45゜回転した直線偏光と、ファ
ラデー回転子を透過するとき、ファラデー回転子を構成
する単結晶内の局部的な結晶欠陥や、結晶面の機械加工
などで誘起された結晶歪等の不均一性に起因する直線偏
光度合の劣化によって、45゜回転された直線偏光と直交
する微弱な直線偏光が生じる。ところが、次の偏光子P2
を透過するとき、45゜回転した直線偏光成分は偏光子の
偏光分離能力だけ遮断され、P2により遮断しきれなかっ
た微小な光と、それに直交する微弱な直線偏光成分がP2
を透過でき、結局この時点で消光特性は、これら二成分
の合計で決定される。例えば、使用した偏光子の消光特
性が−55dBで、ファラデー回転子の消光特性が−45dBと
すれば、全体の消光能力は必然的に−45dBとなる。しか
し、遮断しきれなかった成分はその次の偏光子P3を透過
するとき再度遮断され、ほとんど無視できる程度に減衰
するので、第一のファラデー回転子を透過するとき誘起
された微弱な直線偏光だけが第二のファラデー回転子に
到達できる。第二のファラデー回転子F2を透過したとき
再度45゜回転し、さらに微弱な直交成分直線偏光は発生
するが、最後の偏光子P4でほとんどの光は遮断されるた
め、−80dB程度の遮断効果が期待できる。一方(b)に
示す擬二段連結型光アイソレータの場合、中間に配置さ
れる偏光子P2の消光能力以上は期待できない。即ち中間
の偏光子P2を透過した光は、遮断しきれなかった成分
と、直交する微弱な直線偏光成分がそのまま第二のファ
ラデー回転子F2に伝播し、再び45゜回転して最後の偏光
子P3に到達する。ここでP3に到達する光はP2において遮
断しきれなかった光線と、直交する微弱な直線偏光が、
それぞれP3を透過するとき誘起され、さらに微弱な互い
に直交する直線偏光成分も発生する。しかし、光線強度
は第一のファラデー回転子を透過するとき誘起された微
弱な直線偏光に比較して無視できるので、P3を透過した
とき認められる漏れ光線は、P2において遮断しきれなか
った直線偏光が透過する。結局(b)に示す擬二段連結
型光アイソレータの場合、中間に配置される偏光子P2の
消光能力以上は期待できないので、もしP2の消光能力が
−55dBならば−55dBの最高消光能力となり、偏光子を一
個省略した場合、部品点数一個削減にはなるが、完全二
段型に対して消光特性が大幅に劣化する。
ス3個、ファラデー回転子2個の構成で高い消光比を実
現した光アイソレータを提供するものである。第1図は
本発明の光アイソレータの構造図を、下部にその遮断原
理を偏波面の挙動から説明した模式図を示す。図面中、
遮断方向からみて最初の偏光ガラスをP1、次にファラデ
ー回転子F1、中間の偏光ガラスP2、第二のファラデー回
転子F2および最後の偏光ガラスをP3とする。P1を透過し
た直線偏光を0dBの光強度とする。この直線偏光はF1で4
5゜回転するとともに、ほぼ0dBの直線偏光と、直交した
微弱な直線偏光(光強度を−EdBとする)に分離する。P
2の偏波方向は、P1に対して(45+Δ)゜に配置したと
き、F1を透過してきたほぼ0dBの直線偏光に対して、Δ
゜だけP2の最適遮断位置からずれるので、偏光子P2の最
大消光能力を−PdBとすると、P2を透過した光線は、P2
の透過主軸方向と平行な偏光をもち最大強度がおおむね
S=sin2Δで示される成分と、偏光方向がSと直交する
最大強度がPC=10−P/10cos2Δの直線偏光の2成分に分
割される。S,PCとも互いに直交する直線偏光であるが、
P2は偏光ガラスであるためSとPCは同位相となるから、
SとPCは単純に合成することができ、合成光の偏光方向
とSとのなす角度をθ、合成光の強度をSSとすると、 SS=S+PC=sin2Δ+10−P/10cos2Δ として表わされる直線偏光SSと見なせる。
偏光成分も、P2透過後に、EC=10−E/10・cos2Δ,EPS=
10−E/10・10−P/10・sin2Δの二種類の直線偏光にな
る。ここでEPSは、例えば、E=45dB,P=55dBとする
と、100dBより微弱な光量となり無視できる。したがっ
てP2を透過し感知し得る光線は、偏光漏れ光Sと偏光子
遮断能力に起因する漏れ光PCとで合成されるSSと、F1を
透過した時発生しSと同じ偏光方位をもつEC、の2種類
となる。
き、さらにそれぞれに直交する二種類の微弱な直線偏光
を派生させ、最終のP3に伝播される。ここでθを小さく
とると、前記SSはほぼS成分方向と見なせるために、EC
成分と共にP3で消光できる。しかしθを小さくするため
にはΔを大きくしなければならず、Δを大きくするとS
の強度が大きくなり、SとPCの合成光であるSSの強度も
大きくなる。SSの強度を小さくするにはΔを小さくしな
ければならない。θとΔを共に小さくするにはθ=Δと
すると効果的である。θ=Δとすると、P2をP1に対して
(45+Δ)゜にした際に遮断しきれなかった残余光も減
衰でき、P2をP1に対して45゜に配置した場合に比べ高い
消光比が得られる。第3図に以上の構成で連結したとき
のP1とP2との変位角Δと得られる消光特性(逆方向挿入
損失)を示す。偏光ガラスの消光能力を−55dB、ファラ
デー回転子の楕円成分を−45dBとして計算したときの理
論値である。変位角Δが約2.5゜で最大損失−69dBが得
られる。そこで、変位角Δを2.5゜に固定し、つまりP1
とP2を47.5゜に固定してP3をP2の偏波方向と45゜方向を
基準にとり、±15゜回転したときの逆方向挿入損失を第
4図に示す。この図から、最大損失約−69dBを示す位置
が+2.5゜近傍になることがわかる。これは、P2に対し
て42.5゜の角度位置に該当する。Δ値としては第3図か
ら挿入損失が−55dB以上であれば良いが、好ましくは−
60dB以上が実用的であり、1゜から10゜の範囲内に設定
される。
して±15゜変位し、ピーク探索したものを第5図に示
す。明らかに偏光ガラスの消光能力−55dB以上になる角
度位置は存在しない。P1とP2の変位角は、構成する偏光
素子の消光能力およびファラデー回転素子の楕円性能に
依存するものであり、第6図に偏光ガラスの消光比Pを
横軸に、ファラデー回転子の楕円成分Eをパラメータと
して最大逆方向挿入損失を示す変位角Δの理論計算値を
示す。第7図はそのときの最大逆方向挿入損失を示した
図である。第6図,第7図から、ファラデー回転子の楕
円性が劣ると高級な偏光ガラスを用いても、偏光ガラス
の能力以下の性能しかとれないこともある。例えば、E
=−30dB、P=−60dBの場合、最大逆方向挿入損失は−
55.5dBである。従って、本発明を効果的に実現するため
には偏光ガラスの消光特性とファラデー回転子の楕円特
性が調和していることが望ましい。例えば、E=−40d
B、P=−40dBの場合最大逆方向挿入損失は−60dBとな
り−20dBの効果が期待できる。以上の理論的検討から、
本発明に開示される方式、即ちP2はP1に対して微小角度
ずらし、P3の遮断方向をSとPCの合成方向に合わせる操
作は、偏光ガラス3個構成では偏光ガラスの消光能力以
上にとれなかった逆方向挿入損失を大幅に改善すること
が可能となった。
してLPE成長法によるBi置換希土類鉄ガーネットフィル
ム、偏光子として偏光吸収型偏光ガラスであり、その楕
円特性および消光特性はそれぞれ−45dBおよび−55dBで
あった。ファラデー回転子を飽和磁化するための永久磁
石は、SmCo磁石を採用した。これらの部品から、完全
二段型構成(第2図(a))、本発明による擬二段型
Δ変位構成、擬二段型零変位構成(第2図(b))、
一段型構成の4機種を組み立てた。擬二段型構成とは
偏光子4個を用いる完全二段型に対して、偏光ガラス3
個構成の光アイソレータである。波長は1.31μm、寸法
は外径4mm、長さ4〜6mmである。変位角Δは2.4゜に設
定した。第8図は、の偏光ガラスP3を回転したときの
逆方向挿入損失を構成と比較した測定値を示した図で
ある。本発明の構成では最大挿入損失が−66dB、零変位
構成では−54dBとなり、大きく向上している。以上によ
り中間偏光ガラスP2で遮断しきれなかった偏光ガラスの
消光漏れ光を、Δ変位によって偏光方向を合成によって
ほぼ90゜方向転換させ、第一ファラデー回転子の楕円成
分と合わせて消光する効果が確認できた。また、上記四
種類の光アイソレータについて順方向・逆方向挿入損失
結果を計測温度を横軸にとった温度特性を第9図および
第10図に示す。本発明のΔ変位光アイソレータは、ほと
んど完全二段型に匹敵する特性を得た。45゜から微小角
度変位したときの挿入損失の劣化も、第7図にみられる
ようにほとんど影響されないことも確認できた。また零
変位構成では偏光子の能力に依存していることも実際に
認められた。
かった高消光特性を、偏光ガラス3個構成の光アイソレ
ータで実現するものであり、光アイソレータの小型化、
低価格化に寄与することができ、今後予想されるアナロ
グ伝送用LDモジュールや、コヒーレント光伝送用LDモジ
ュールの実用化に貢献することが期待できる。
波面の挙動を説明した模式図を示す。 第2図は、従来の二段構成の光アイソレータの構成図を
示す。 第3図,第4図,第5図は、逆挿入損失に関する理論計
算値であり、微小角変位の影響、最終偏光ガラスの調整
角度に対する変化を示す。 第6図、第7図は、偏光ガラスの消光特性とファラデー
回転子の楕円特性の違いが、微小変位角および最大逆方
向挿入損失に及ぼす影響を示す。 第8図は擬二段型における本発明と他の構成による光ア
イソレータの逆方向挿入損失の測定値を示す。 第9図,第10図に、本発明と他の構成との光アイソレー
タの、順方向・逆方向挿入損失の測定値を比較した図を
示す。
Claims (1)
- 【請求項1】光線の遮断方向に沿って、第一の偏光子P
1、第一のファラデー回転子F1、第二の偏光子P2、第二
のファラデー回転子F2および第三の偏光子P3の順に光学
素子が配列され、偏光子P1,P2,P3を偏光ガラスとした二
段連結型光アイソレータにおいて、P1とP2の偏光面のな
す角度を、45゜±Δ゜とし、P2とP3の偏光面のなす角度
を とし、前記変位角Δ値を1゜<Δ゜<10゜の範囲内に設
定することを特徴とした光アイソレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2313237A JP2565423B2 (ja) | 1990-11-19 | 1990-11-19 | 光アイソレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2313237A JP2565423B2 (ja) | 1990-11-19 | 1990-11-19 | 光アイソレータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04184315A JPH04184315A (ja) | 1992-07-01 |
JP2565423B2 true JP2565423B2 (ja) | 1996-12-18 |
Family
ID=18038767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2313237A Expired - Fee Related JP2565423B2 (ja) | 1990-11-19 | 1990-11-19 | 光アイソレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2565423B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023166222A (ja) * | 2022-05-09 | 2023-11-21 | 信越化学工業株式会社 | 光アイソレータ |
WO2024121905A1 (ja) * | 2022-12-05 | 2024-06-13 | 日本電信電話株式会社 | 光デバイス及び光増幅装置 |
-
1990
- 1990-11-19 JP JP2313237A patent/JP2565423B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04184315A (ja) | 1992-07-01 |
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