JP2001249273A - 光ヘッド用対物レンズ - Google Patents

光ヘッド用対物レンズ

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JP2001249273A JP2000388080A JP2000388080A JP2001249273A JP 2001249273 A JP2001249273 A JP 2001249273A JP 2000388080 A JP2000388080 A JP 2000388080A JP 2000388080 A JP2000388080 A JP 2000388080A JP 2001249273 A JP2001249273 A JP 2001249273A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化や光源の個体差により波長が設計波
長からずれた場合にも、最適なビームスポットを形成す
ることができる屈折・回折ハイブリッド対物レンズを提
供することを課題とする。 【解決手段】 対物レンズ10は、両面が非球面である
樹脂製単レンズであり、一方のレンズ面11に光軸を中
心とした輪帯状のパターンとして回折レンズ構造が形成
されている。回折レンズ構造は、共用領域RCでは光ディ
スクの保護層の厚さの違いによる球面収差の変化を波長
の切換により補正するような球面収差の波長依存性を有
し、高NA専用領域では屈折レンズの温度変化に伴う屈折
率変化による球面収差の変化を、半導体レーザーの温度
変化に伴う波長変化により補正するような球面収差の波
長依存性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、保護層の厚さが
異なる複数種類の光ディスクに対する記録/再生が可能
な光ヘッドに使用される高NA(開口数)の対物レンズに
関し、特に屈折レンズのレンズ面に回折レンズ構造を形
成した屈折・回折ハイブリッドレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクは、情報が記録される記録面
と、この記録面を覆う透明な保護層とを有し、この保護
層を介して光ヘッドからのレーザー光が記録面に集光さ
れる。そして、光ディスクは、光ディスク装置のターン
テーブルに搭載されて回転駆動され、光ディスクのラジ
アル方向に移動可能な光ヘッドにより情報が記録/再生
される。ここで光ディスクの保護層の厚さが異なると、
ターンテーブル面を基準とした記録面の位置が異なるこ
ととなり、これは、光ヘッドと記録面との距離が保護層
の厚さによって変化することを意味する。
【0003】したがって、保護層の厚さが異なる複数の
光ディスクに対応するためには、光ヘッドは保護層の厚
さが大きくなるほどスポットを遠くに形成する必要があ
る。例えば、CD(コンパクトディスク)やCD−Rの保
護層の厚さは1.2mmであるのに対し、DVD(デジタルバ
ーサタイルディスク)の保護層の厚さは半分の0.60mmで
あるため、これら両方の光ディスクに対する記録/再生
を可能とするためには、レーザー光の集光位置を保護層
中で0.6mm(空気換算で約0.4mm)移動させる必
要がある。
【0004】対物レンズを光軸方向に移動させれば、近
軸的な集光位置を移動させることはできるが、保護層の
厚さが変化すると球面収差が変化するため、単に対物レ
ンズを移動させるのみではレーザー光の波面が乱れ、ス
ポットを必要な径に収束させることができず、情報の記
録/再生が不可能となる。
【0005】一方、記録密度の高いDVDの記録再生に
は、ビームスポットを小さく絞るため、635nm〜6
60nm程度の短波長のレーザー光が利用されるのに対
し、CD−Rの再生には、その分光反射率の特性から7
80nm程度のレーザー光を利用する必要がある。した
がって、これら複数種類の光ディスクの使用を可能にす
るためには、光ヘッドは少なくとも2つの発光波長が異
なるレーザー光源を備える必要がある。
【0006】そこで、使用されるレーザー光の波長の違
いを利用して保護層の厚さの違いによる球面収差の変化
を補正するために、対物レンズの表面に回折レンズ構造
を形成する技術が知られている。形成される回折レンズ
構造は、球面収差の波長依存性を有し、保護層の厚さの
変化による球面収差の変化を、レーザー光の波長の切換
により生じる回折レンズ構造の球面収差の変化により相
殺する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回折レ
ンズ構造は波長依存性を有するため、温度変化や半導体
レーザーの個体差により使用波長が設計波長からずれる
と、波面収差を劣化させる。このことは、記録密度の低
いCD,CD−Rの使用時にはさほど問題とならない
が、記録密度の高いDVDの使用時には、波面収差の許
容量が小さいため、情報の記録再生に支障を来す可能性
がある。
【0008】この発明は、上述した従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、光ディスク切換時の保護層
の厚さ変化による球面収差を補正するための回折レンズ
構造を一面に備えつつ、温度変化や光源の個体差により
波長が設計波長からずれた場合にも、最適なビームスポ
ットを形成することができる対物レンズを提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる光ヘッ
ド用対物レンズは、上記の目的を達成させるため、正の
パワーを有する屈折レンズと、屈折レンズの少なくとも
一方のレンズ面に形成された微細な段差を有する複数の
同心の輪帯から成る回折レンズ構造とを有し、回折レン
ズ構造は、記録密度の低い光ディスクに必要充分な低NA
の光束が透過する共用領域と、記録密度の高い光ディス
クに対してのみ必要な高NAの光束が透過する高NA専用領
域とに区分され、共用領域の回折レンズ構造は、光ディ
スクの保護層の厚さの相違に基づく球面収差の変化を入
射光の波長の変化により補正するような球面収差の波長
依存性を有し、高NA専用領域の回折レンズ構造は、共用
領域の回折レンズ構造より球面収差の波長依存性が小さ
く、かつ、高NAに対応する波長において球面収差が十分
補正されるよう設定されていることを特徴とする。
【0010】このような構成によれば、共用領域を透過
した光束は、その波長を切り替えることにより、保護層
の厚さの異なる複数の光ディスクに対し、良好に球面収
差の補正された波面を形成する。一方、高NA専用領域を
透過した高NAに対応する波長の光束は、球面収差が良好
に補正されるため、共用領域を透過した光束と共にスポ
ットを形成する。
【0011】共用領域の回折レンズ構造による光路長の
付加量は、光軸からの高さh、n次(偶数次)の光路差関
数係数PnC、回折次数m、波長λを用いて、 φC(h)=(P2C2+P4C4+P6C6+…)×m×λ により定義される光路差関数φC(h)により表され、高N
A専用領域の回折レンズ構造による光路長の付加量は、
n次(偶数次)の光路差関数係数PnEを用いて、 φE(h)=(P2E2+P4E4+P6E6+…)×m×λ により定義される光路差関数φE(h)により表される。
この表現形式では2次の項の係数P2C、P2Eが負の時に
近軸的に正のパワーを持ち、4次の項の係数P4C、P4E
が負の時に周辺に向かって正のパワーが増加し、アンダ
ーの球面収差を発生する作用を持つこととなる。
【0012】この発明の光ヘッド用対物レンズは、2次
及び4次の光路差関数係数が、以下の関係を持つことが
望ましい。 P2C>P2E4C<P4E ただし P4C<0
【0013】また、高NA専用領域の回折レンズ構造の最
も内側の輪帯の幅を、共用領域の回折レンズ構造の最も
外側の輪帯の幅より大きく設定することができる。すな
わち、回折レンズ構造を規定する(P2E2+P4E4
6E6+…)をhで微分したものの絶対値を格子密度と
定義すると、共用領域と高NA専用領域との境界部分にお
いて、共用領域の格子密度の方が大きいこととなる。さ
らに、屈折レンズが樹脂製である場合には、4次の光路
差関数係数が、P4C<P4E<0の関係を満たすことが望
ましい。より詳細には、高NA専用領域の回折レンズ構造
は、屈折レンズの温度変化に伴う屈折率変化による球面
収差の変化を、半導体レーザーの温度変化に伴う波長変
化により補正するような球面収差の波長依存性を有する
ことが望ましい。
【0014】なお、回折レンズ構造は、共用領域及び高
NA専用領域内においては、外側の輪帯の内周が、隣接す
る内側の輪帯の外周に対してレンズが厚くなる方向の段
差を有する。そして、共用領域の光路差関数との連続性
を保ちつつ、4次の係数の絶対値を小さくし、かつ、2
次の係数の絶対値を大きくして高NA専用領域の光路差関
数を決定すると、高NA専用領域の最も内側の輪帯の内周
が、共用領域の最も外側の輪帯の外周に対してレンズが
薄くなる方向の段差を有することとなる。
【0015】ただし、上記のように領域の境界部のみ段
差の方向が逆になると、回折レンズ構造の形成が困難で
ある。そこで、高NA専用領域の最も内側の輪帯を当該輪
帯の内周と外周との光路差関数の値が波長より長くなる
幅広の輪帯とすることができ、この場合には、回折レン
ズ構造の段差は全域において同一方向となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる光ヘッド
用対物レンズの実施形態を説明する。図1は、実施形態
にかかる対物レンズ10を示す説明図であり、(A)は正
面図、(B)は縦断面図、(C)は縦断面の一部拡大図であ
る。この対物レンズ10は、DVD、CD、CD−R互
換装置の光情報記録再生装置の光ヘッドに適用され、光
源である半導体レーザーから発したレーザー光をディス
ク等の媒体上に収束させる機能を有している。
【0017】対物レンズ10は、非球面である2つのレ
ンズ面11,12を有する両凸の樹脂製単レンズであ
り、第1面11に図1(A)に示したように光軸を中心と
する同心輪帯状の回折レンズ構造が形成されている。回
折レンズ構造は、図1(C)に示す通り、フレネルレンズ
のように各輪帯の境界に光軸方向の段差を持つ。第2面
12は、回折レンズ構造を持たない連続面である。
【0018】対物レンズ10の表面は、記録密度の低い
CD,CD−R等の光ディスクに必要充分な低NAの光束
が透過する共用領域RCと、この共用領域RCの周囲に位置
し、DVD等の記録密度の高い光ディスクに対してのみ
必要な高NAの光束が透過する高NA専用領域REとに区分す
ることができる。回折レンズ構造は、共用領域RCと高NA
専用領域REとを含む全域に形成されている。なお、共用
領域RCは、NA0.45〜0.50の光束が透過する位置より内側
の領域であり、高NA専用領域REは、それより外側の領域
である。
【0019】図2はこの発明にかかる光ヘッド用対物レ
ンズを使用した光ヘッドの光学系の説明図である。この
光学系は、DVD用モジュール21、CD用モジュール
22、ビームコンバイナ23、コリメートレンズ24、
対物レンズ10で構成されている。各モジュール21,
22は、半導体レーザーとセンサーとを一体化した素子
である。対物レンズ10は、図示しない公知のフォーカ
シング機構によりその光軸方向に移動可能であり、か
つ、トラッキング機構により光ディスクの半径方向にも
移動可能である。
【0020】0.6mmの保護層を有する光ディスク(以
下、「薄保護層型光ディスク」という)であるDVDを
使用するためには、小さいビームスポットを作るために
波長635〜665nmの赤色光が必要とされ、1.2mmの保護層
を有する光ディスク(以下、「厚保護層型光ディスク」
という)のうち、少なくともCD−Rを使用するために
は、その分光反射率の関係で近赤外光が必要となる。そ
こで、DVD用モジュール21は、発振波長656nmまた
は659nmの半導体レーザーを備え、CD用モジュール2
2は、発振波長790nmの半導体レーザーを備える。
【0021】薄保護層型光ディスクD1(図中実線で示
す)の使用時には、DVDモジュール21を作動させ
る。対物レンズ10は図2中に実線で示した位置に配置
され、DVDモジュール21の半導体レーザーから発し
た波長656nmまたは659nmのレーザー光L1は、図中実線
で示したように薄保護層型光ディスクD1の情報記録面
に集光する。他方、厚保護層型光ディスクD2(図中破線
で示す)の使用時には、CDモジュール22を作動させ
る。対物レンズ10は図中破線で示したように、相対的
に光ディスクに近づいた位置に配置され、CDモジュー
ル21の半導体レーザーから発した波長790nmのレーザ
ー光L2は、図中破線で示したように厚保護層型光ディ
スクD2の情報記録面に集光する。各光ディスクからの
反射光は、各モジュールに設けられた受光素子により受
光され、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラ
ー信号、そして再生時には記録された情報の再生信号が
検出される。
【0022】次に、対物レンズ10の第1面11に形成
された回折レンズ構造の構成について説明する。対物レ
ンズ10の共用領域RCに形成された回折レンズ構造は、
所定の次数の回折光、実施形態では1次回折光が、短波
長(656nmまたは659nm)においては薄保護層型光ディスク
1に対して良好な波面を形成し、長波長(790nm)におい
ては厚保護層光ディスクD2に対して良好な波面を形成
するよう波長依存性を有するよう設計されている。具体
的には、共用領域RCの回折レンズ構造は、光ディスクの
保護層の厚さの相違に基づく球面収差の変化を入射光の
波長の変化により補正するような球面収差の波長依存
性、すなわち、波長が長波長側に変化した際に補正不足
となるような球面収差の波長依存性を有している。
【0023】光ディスク光学系の球面収差は、ディスク
厚が厚くなるとより補正過剰となる方向に変化する。一
方、薄保護層型ディスクD1については短波長、厚保護
層型光ディスクD2については長波長のレーザー光が用
いられる。そこで、上記のように共用領域RCの回折レン
ズ構造に波長が長波長側に変化した場合に球面収差が補
正不足となる方向に変化する特性を持たせることによ
り、ディスク厚が厚くなることにより補正過剰となる球
面収差を、波長が長くなることにより補正不足となる回
折レンズ構造の球面収差の波長依存性を利用して打ち消
すことができる。
【0024】高NA専用領域REの回折レンズ構造は、共用
領域RCの回折レンズ構造より球面収差の波長依存性が小
さく、高NAに対応する波長(656nmまたは659nm)において
薄保護層型ディスクD1に対して球面収差が十分補正さ
れるよう設定されている。
【0025】このような構成によれば、薄保護層型ディ
スクD1の記録再生時には、共用領域RC、高NA専用領域R
Eを透過した波長656nmまたは659nmのレーザー光が、い
ずれも良好に球面収差が補正された状態で薄保護層型デ
ィスクD1の記録面に集光し、高NA、短波長で薄保護層
型ディスクD1の記録密度に適合した径の小さいスポッ
トが形成される。これに対して厚保護層型光ディスクD
2の記録再生時には、共用領域RCを透過した波長790nmの
レーザー光は、良好に球面収差が補正された状態で厚保
護層型光ディスクD2の記録面に集光するが、高NA専用
領域REを透過した波長790nmのレーザー光は、球面収差
が充分に補正されないため、共用領域RCを介して形成さ
れるスポットから離れた位置にドーナツ状に広がる。こ
の結果、低NA、長波長で厚保護層型光ディスクD2の記
録密度に適合した径の大きなスポットが形成される。
【0026】このように、対物レンズの有効径内を共用
領域と高NA専用領域とに区分する場合、回折レンズ構造
の設計手法には次の3通りの考え方がある。 (1) 共用領域RCと高NA専用領域REとの回折レンズ構造を
共通の光路差関数で定義し、各領域のブレーズ化波長を
異ならせる。 (2) 高NA専用領域REを段差のない連続面とし、DVDに
対して良好な波面を形成するよう非球面形状を設定す
る。 (3) 高NA専用領域REにおける球面収差の波長依存性を、
共用領域RCより小さく設定する(本発明)。
【0027】(1)の方法では、共用領域のブレーズ化波
長λBを2つの光源の波長の間の波長に設定し、高NA専
用領域のブレーズ化波長を短い側の波長に設定する。例
えば、DVD用の光源の発光波長を660nm、CD,CD
−R用の光源の発光波長を780nmとすると、共用領域の
ブレーズ化波長を720nm、高NA専用領域のブレーズ化波
長を660nmとする。この方法では、厚保護層型光ディス
クD2の使用時に、高NA専用領域を透過した光束が共用
領域を透過した光束と共に集光する。したがって、収差
が良好に補正されていれば、スポットが小さくなりすぎ
て信号の再生に支障をきたし、収差が残存している場合
にはスポットが広がって隣接するトラックの信号が混入
(ジッターが発生)する可能性がある。このため、(1)の
方法を用いる場合には、前述したように、厚保護層型光
ディスクD2の使用時に高NAの部分を遮る絞り機構が必
要となる。
【0028】さらに、(1)の方法で設計された対物レン
ズは、レンズ面の全域において波長に対する球面収差変
化の感度が高いため、波長が僅かに変化するだけで波面
収差が急激に劣化する。このことは、記録密度の低い厚
保護層型ディスクD2の使用時にはさほど問題とならな
いが、記録密度の高い薄保護層型ディスクD1の使用時
には、波面収差の許容量が小さいため、半導体レーザー
の発光波長に対する許容幅を狭めるという問題を生じ
る。
【0029】次に、(2)の方法では、高NA専用領域REが
軸上色収差を発生させ、かつ、球面収差の波長依存性も
持たないため、厚保護層型ディスクD2の使用時には高N
A専用領域REを透過した光束は軸上色収差と球面収差と
を大きく発生させ、共用領域RCを透過した光束により形
成されるスポットから十分に離れたところにドーナツ状
にぼけて広がる。また、薄保護層型ディスクD1の使用
時にも、レーザー光の波長が設計波長に一致していれ
ば、収差が良好に補正された径の小さいスポットを形成
することができる。
【0030】しかし、(2)の方法では、共用領域RCは波
長の変化により球面収差を大きく変化させる回折面であ
るのに対し、高NA専用領域REは非回折面であるため、共
用領域を透過した光束と高NA専用領域を透過した光束と
の波面の連続性がなく、薄保護層型ディスクD1の使用
時にレーザー光の波長が設計波長からずれると、波面収
差が急激に劣化する。したがって、この場合にも半導体
レーザーの発光波長に対する許容幅を狭めるという問題
を生じる。
【0031】そこで、本発明では(3)の方法を採用して
いる。すなわち、全面に回折レンズ構造を形成すること
により、波長が変化した際の波面の連続性を保ちつつ、
高NA専用領域における球面収差の波長依存性を小さくす
ることにより、薄保護層型ディスクD1の使用時の波長
変動による波面収差の劣化を防ぐことを可能としてい
る。
【0032】また、高NA専用領域REの回折レンズ構造
は、樹脂製の屈折レンズの温度変化に伴う屈折率変化に
よる球面収差の変化を、光源として利用される半導体レ
ーザーの温度変化に伴う波長変化により補正するような
球面収差の波長依存性を有する。樹脂レンズはガラスレ
ンズと比較して温度変化による屈折率変化や形状変化が
大きいため、それによる性能変化が問題となり易い。例
えば、温度が上昇すると、樹脂レンズの屈折率は低下す
るため、これに伴って球面収差が補正過剰となる方向に
変化し、波面収差が劣化する。樹脂レンズの温度変化に
対する屈折率の変化率は、ほぼ−10×10-5/℃であ
る。一方、光ヘッドの光源として用いられる半導体レー
ザーは、温度上昇により発振波長が長波長側にシフトす
る特性を有する。変化の度合いは、40℃の上昇で+8
nm程度である。
【0033】そこで、高NA専用領域REの回折レンズ構造
に波長の長波長側へのシフトにより球面収差が補正不足
となる方向に変化するような特性を残すことにより、温
度上昇により補正過剰となる屈折レンズの球面収差の変
化を、温度上昇による半導体レーザーの長波長側への波
長シフトにより補正不足となる回折レンズ構造の球面収
差の変化により打ち消すことができる。
【0034】共用領域RCの回折レンズ構造による光路長
の付加量は、光軸からの高さh、n次(偶数次)の光路差
関数係数PnC、回折次数m、波長λを用いて、 φC(h)=(P2C2+P4C4+P6C6+…)×m×λ により定義される光路差関数φC(h)により表し、高NA
専用領域REの回折レンズ構造による光路長の付加量は、
n次(偶数次)の光路差関数係数PnEを用いて、 φE(h)=(P2E2+P4E4+P6E6+…)×m×λ により定義される光路差関数φE(h)により表す。この
表現形式では2次の項の係数P2C、P2Eが負の時に近軸
的に正のパワーを持ち、4次の項の係数P4C、P 4Eが負
の時に周辺に向かって正のパワーが増加し、アンダーの
球面収差を発生する作用を持つこととなる。
【0035】実際の回折レンズ構造の微細形状は、上記
の光路差関数で表わされる光路長から波長の整数倍の成
分を消去することにより、フレネルレンズ状の光路長付
加量を持つように決定する。すなわち、輪帯幅は、実施
形態のように1次回折光を用いる場合には、輪帯の内周
と外周とで光路差関数が一波長分の差を持つように決定
される。また、輪帯間の段差は、入射光に1波長の光路
差を与えるように決定される。
【0036】実施形態の光ヘッド用対物レンズは、2次
及び4次の光路差関数係数が、以下の(a),(b)の関係を
持つ。 (a) P2C>P2E (b) P4C<P4E<0
【0037】回折レンズは、分散に関して回折レンズは
負のアッベ数を持つ屈折レンズと等価であるため、正の
回折レンズと正の屈折レンズとを組み合わせることによ
り軸上色収差を補正することができ、このためには2次
の光路差関数係数が負の値をとることとなる。一方、球
面収差に波長が長くなるにしたがってアンダーとなる波
長依存性を持たせるためには、4次の光路差関数係数は
負の値をとる必要がある。
【0038】共用領域RCにおいては、回折レンズ構造は
主として球面収差の波長依存性を実現すればよいため、
4次の係数の絶対値は比較的大きくする必要があるが、
2次の係数の絶対値は小さく設定される。反対に、高NA
専用領域においては、回折レンズ構造は球面収差の波長
依存性を小さくし、温度補償分に相当する依存性を持て
ば足りるため、4次の係数は負である必要はあるが、そ
の絶対値は比較的小さいものとなる。また、高NA専用領
域では、球面収差の波長依存性が減少させつつ、波長変
動時における共用領域RCとの波面の連続性を保つために
2次の係数の絶対値は比較的大きく設定される。したが
って、2次、4次の光路差関数係数は、上記の条件(a),
(b)の関係を満たすこととなる。
【0039】次に、回折レンズ構造の具体的な形状につ
いて説明する。図3は、対物レンズ10の第1面11に
おける共用領域RCと高NA専用領域REとの境界部分を拡大
して示す断面図である。回折レンズ構造は、共用領域及
び高NA専用領域内においては、外側の輪帯の内周が、隣
接する内側の輪帯の外周に対してレンズが厚くなる方向
の段差を有する。
【0040】そして、共用領域RCの光路差関数との連続
性を保ちつつ、4次の係数の絶対値を小さくし、かつ、
2次の係数の絶対値を大きくして高NA専用領域REの光路
差関数を決定すると、図3(A)に示すように、高NA専用
領域REの回折レンズ構造の最も内側の輪帯の幅は、共用
領域RCの回折レンズ構造の最も外側の輪帯の幅より大き
くなり、かつ、高NA専用領域REの最も内側の輪帯の内周
が、共用領域RCの最も外側の輪帯の外周に対してレンズ
が薄くなる方向(図中右方向)の段差を有することとな
る。
【0041】実施形態のように屈折レンズの非球面上に
フレネルレンズ状の回折レンズ構造を形成する場合には
リソグラフィの手法を用いることは困難であるため、精
密旋盤を用いてバイトで回折レンズ構造のパターンを含
む型を作成し、モールドによりパターンを転写する手法
が採られる。しかし、上記のように領域の境界部のみ段
差の方向が逆になると、この部分の型は両側の輪帯に対
して窪んだ形状となり、例えば精密旋盤で輪帯構造の型
を加工する際にエッジを加工できない可能性がある。
【0042】そこで、図3(B)に示すように、高NA専用
領域REの内側の2つの輪帯を埋めて3つ目の輪帯を領域
の境界部分まで延長してもよい。このようにすれば、回
折レンズ構造の段差は、全域において方向が同一となる
ため、エッジの加工が容易となる。このように3つ目の
輪帯を延長した形状とすると、結果的に高NA専用領域RE
の最も内側の輪帯は、内周と外周との光路差関数値が波
長より長くなる幅広の輪帯となる。この形状では、2
次、あるいは3次等の高次回折光を利用するのと等価と
るため、使用波長がブレーズ化波長に一致している場合
には問題ないが、波長がブレーズ化波長から外れると、
回折効率が低下することとなる。ただし、この領域は薄
保護層型ディスクD1使用時にのみスポット形成に寄与
する領域であり、ブレーズ化波長と使用波長とのズレが
小さいこと、及び全体の中に占める面積的な割合は僅か
であることから、回折効率の低下は実用上は何ら問題と
ならない。
【0043】
【実施例】次に、上述した実施形態に基づく具体的な実
施例を2例提示する。いずれも保護層の厚さが0.6mmの
薄保護層型ディスクD1と、保護層の厚さが1.2mmの厚保
護層型ディスクD2とに兼用される光ヘッド用の対物レ
ンズである。なお、いずれの実施例においても、回折レ
ンズ構造は対物レンズ10の第1面11に形成されてお
り、1次回折光を光ディスクの記録面上に収束させる。
【0044】
【実施例1】以下の表1は、実施例1にかかる対物レン
ズ10のデータを示す。実施例1の対物レンズ10の第
1面11には、0≦h<1.69となる共用領域と1.69≦hと
なる高NA専用領域とに互いに異なる光路差関数で定義さ
れる回折レンズ構造が形成され、かつ、共用領域のベー
スカーブ(回折レンズ構造を除く屈折レンズとしての形
状)と高NA専用領域のベースカーブとは別個の係数で定
義される独立した非球面である。また、第2面は回折レ
ンズ構造を有さない非球面である。
【0045】非球面の形状は、光軸からの高さがhとな
る非球面上の座標点の非球面の光軸上での接平面からの
距離(サグ量)をX(h)、非球面の光軸上での曲率(1/r)を
C、円錐係数をK、4次、6次、8次、10次、12次
の非球面係数をA4,A6,A8,A10,A12として、以下の式で表
される。 X(h)=Ch2/(1+√(1-(1+K)C2h2))+A4h4+A6h6+A8h8+A10h
10+A12h12
【0046】表1では、第1面の共用領域のベースカー
ブと回折レンズ構造とを定義する各係数、第1面の高NA
専用領域のベースカーブと回折レンズ構造とを定義する
各係数、面間隔、使用波長での屈折率、そして、第2面
の非球面形状を定義する各係数が示されている。表中、
NA1、f1、λ1は、それぞれ薄保護層型光ディスクD1使
用時の開口数、回折レンズ構造を含めた対物レンズの焦
点距離(単位:mm)、波長(単位:nm)であり、NA2、f2、λ2
は、それぞれ厚保護層型光ディスクD2使用時の開口
数、回折レンズ構造を含めた対物レンズの焦点距離(単
位:mm)、波長(単位:nm)である。
【0047】
【表1】NA1=0.60 f1=3.360 λ1=656nm NA2=0.50 f2=3.384 λ2=790nm 第1面 共用領域(0<h<1.69) ベースカーブ 近軸曲率半径 r 2.101 非球面係数 κ -0.500 A4 -1.81100×10-3 A6 -2.44900×10-4 A8 -1.75000×10-5 A10 -3.51400×10-6 A12 -2.56000×10-6 回折レンズ構造 ブレーズ化波長 720nm 輪帯間段差 1.3372μm 光路差関数係数 P2C 0.0 P4C -1.65300 P6C -0.15050 P8C 0.0 P10C 0.0 P12C 0.0 高NA専用領域(1.69<h<2.02) ベースカーブ 近軸曲率半径 r 2.129 非球面係数 κ -0.500 A4 -6.72000×10-4 A6 -1.46200×10-5 A8 -8.69200×10-5 A10 2.19000×10-5 A12 -5.36100×10-6 回折レンズ構造 ブレーズ化波長 657nm 輪帯間段差 1.2154μm 光路差関数係数 P2E -2.56044 P4E -0.80000 P6E -0.09000 P8E 0.0 P10E 0.0 P12E 0.0 第1面第2面間隔 d 2.210 第2面 近軸曲率半径 r -8.450 非球面係数 κ 0.0 A4 1.60200×10-2 A6 -3.26800×10-3 A8 1.29900×10-4 A10 3.20300×10-5 A12 -3.74500×10-6
【0048】実施例1の回折レンズ構造の輪帯番号Nと
各輪帯の中心側の境界点の光軸からの高さhin、外側の
境界点の光軸からの高さhout、輪帯幅Wの関係を以下の
表2に示す。光軸を含む円形の領域の輪帯番号を0と
し、その外側のリング状の領域に内側から順に1,2,
3,…と輪帯番号を付する。最も外側の輪帯の番号は3
0である。0〜16輪帯が共用領域RC、17〜30輪帯
が高NA専用領域REである。
【0049】
【表2】
【0050】図4は、実施例1にかかる回折レンズ構造
の光路差関数の値を示すグラフであり、実線が共用領域
RC、破線が高NA専用領域REの値を示す。横軸が光路差、
縦軸が光軸からの距離を示す。また、図5は、表2に示
した輪帯幅Wの変化を示すグラフである。各領域で、輪
帯幅は輪帯番号が大きくなるに伴い、したがって、中心
からの高さが高くなるに伴って漸減するが、両領域の境
界である16,17輪帯において一旦増加する。なお、
16輪帯は、NAによって決まる切替点の高さを光路差
関数の値の区切りが良い値となるように幅広の輪帯とさ
れており、17輪帯は図3Bのように段差の方向を揃え
るために幅広の輪帯とされている。
【0051】続いて、実施例1の対物レンズ10の性能
を、対物レンズと光ディスクの保護層とを含めた光学系
の収差図を用いて説明する。図6〜図8は、所定の基準
温度(例えば25℃)における薄保護層型光ディスクD1
使用時の収差を示し、図6(A)は使用波長656nmでの球面
収差SAと正弦条件SCを示すグラフ、図6(B)は651nm、65
6nm、661nmでの球面収差を示すグラフ、図7は651nm、6
56nm、661nmでの波面収差を示すグラフ、図8は651nm、
656nm、661nmでのデフォーカスと波面収差のrms値との
関係を示すグラフである。図7によれば、共用領域を透
過した光束と高NA専用領域を透過した光束との波面がほ
ぼ連続していることが理解できる。また、図8によれ
ば、±5nmの波長変動があっても、波面収差の最小値は
0.016〜0.017λ程度に抑えられ、ベストフォーカス位置
では充分に小さなスポットを形成することが理解でき
る。
【0052】図9〜図11は、温度が基準温度から40
度上昇した際の薄保護層型光ディスクD1使用時におけ
る図6〜図8と同様の収差を示すグラフである。40度
の温度変化が生じても、設計使用波長656nmでの波面収
差は0.010λ程度、±5nmの波長変動がある場合にも波
面収差の最小値は0.020λ以下に抑えられる。
【0053】図12〜図14は、基準温度における厚保
護層型光ディスクD2使用時の収差を示し、図12(A)は
使用波長790nmでの球面収差SAと正弦条件SCを示すグラ
フ、図12(B)は785nm、790nm、795nmでの球面収差を示
すグラフ、図13は785nm、790nm、795nm での波面収差
を示すグラフ、図14は785nm、790nm、795nmでのデフ
ォーカスと波面収差のrms値との関係を示すグラフであ
る。図6と図12とを比較すると、保護層の厚さの違い
にかかわらず、両波長で良好に球面収差が補正されてい
ることがわかる。
【0054】次に、実施例1との比較のため、本発明と
は異なる方法により定義された実施例1と同一仕様の対
物レンズを用いた場合の薄保護層型光ディスクD1使用
時における光学系の性能を、収差図を用いて説明する。
図15は、前述の(1)の方法(共用領域RCと高NA専用領域
REとの回折レンズ構造を共通の光路差関数で定義)によ
る比較例1の対物レンズを用いた場合の651nm、656nm、
661nmでのデフォーカスと波面収差のrms値との関係を示
すグラフである。±5nmの波長差により波面収差の最小
値が0.02λを越えるため、半導体レーザーの個体差によ
る波長差により、スポットを充分に小さくできない可能
性がある。
【0055】図16〜図19は、前述の(2)の方法(高NA
専用領域REを段差のない連続面とする)による比較例2
の対物レンズを用いた場合の収差を示す。図16及び図
17は、基準温度における収差を示し、図16は651n
m、656nm、661nmでの波面収差を示すグラフ、図17は6
51nm、656nm、661nmでのデフォーカスと波面収差のrms
値との関係を示すグラフである。図16によれば、共用
領域を透過した光束と高NA専用領域を透過した光束との
波面が不連続であることが理解できる。また、図17に
よれば、±5nmの波長変動によりベストフォーカス位置
が光軸方向に大きく移動し、かつ、特に長波長側へのシ
フトにより、波面収差の最小値が0.020λを越えること
がわかる。
【0056】また、図18及び図19は、温度が基準温
度に対して40度上昇した際の図16及び図17と同様
の収差を示すグラフである。高NA専用領域が球面収差補
正効果を持たないため、40度の温度変化による屈折率
の変化により球面収差が大きくオーバーとなり、波面収
差が極端に劣化する。rms値の最小値は、設計使用波長6
56nmにおいても0.05λを越え、スポットをDVDの再生
に必要な径にまで絞ることができなくなる。
【0057】
【実施例2】以下の表3は、実施例2にかかる対物レン
ズ10のデータを示す。実施例2の対物レンズ10の第
1面11には、0≦h<1.62となる共用領域と1.62≦hと
なる高NA専用領域とに互いに異なる光路差関数で定義さ
れる回折レンズ構造が形成され、かつ、共用領域のベー
スカーブ(回折レンズ構造を除く屈折レンズとしての形
状)と高NA専用領域のベースカーブとは別個の係数で定
義される独立した非球面である。また、第2面は回折レ
ンズ構造を有さない非球面である。
【0058】
【表3】NA1=0.60 f1=3.214 λ1=659nm NA2=0.50 f2=3.236 λ2=790nm 第1面 共用領域(0<h<1.62) ベースカーブ 近軸曲率半径 r 2.004 非球面係数 κ -0.480 A4 -2.09747×10-3 A6 -3.84200×10-4 A8 -1.85400×10-4 A10 3.52100×10-5 A12 -9.00000×10-6 回折レンズ構造 ブレーズ化波長 720nm 輪帯間段差 1.3400μm 光路差関数係数 P2C -0.09161 P4C -1.96470 P6C -0.21942 P8C 0.0 P10C 0.0 P12C 0.0 高NA専用領域(1.62<h<1.93) ベースカーブ 近軸曲率半径 r 2.033 非球面係数 κ -0.48000 A4 -9.02700×10-4 A6 -6.75000×10-5 A8 -5.56000×10-5 A10 -2.73200×10-5 A12 -9.40000×10-8 回折レンズ構造 ブレーズ化波長 660nm 輪帯間段差 1.2237μm 光路差関数係数 P2E -3.00000 P4E -1.17700 P6E 0.10970 P8E -0.03958 P10E 0.0 P12E 0.0 第1面第2面間隔 d 2.080 第2面 近軸曲率半径 r -8.307 非球面係数 κ 0.0 A4 2.00430×10-2 A6 -7.51300×10-3 A8 1.63800×10-3 A10 -1.98100×10-4 A12 1.02900×10-5
【0059】実施例2の回折レンズ構造の輪帯番号Nと
各輪帯の中心側の境界点の光軸からの高さhin、外側の
境界点の光軸からの高さhout、輪帯幅Wの関係を以下の
表4に示す。0〜17輪帯が共用領域RC、18〜29輪
帯が高NA専用領域REである。
【0060】
【表4】
【0061】図20は、光路差関数の値を示すグラフで
あり、実線が共用領域RC、破線が高NA専用領域REの値を
示す。横軸が光路差、縦軸が光軸からの距離を示す。ま
た、図21は、表4に示した輪帯幅Wの変化を示すグラ
フである。各領域で、輪帯幅は輪帯番号が大きくなるに
伴い、したがって、中心からの高さが高くなるに伴って
漸減するが、両領域の境界である18輪帯において一旦
増加する。
【0062】続いて、実施例2の対物レンズ10の性能
を、対物レンズと光ディスクの保護層とを含めた光学系
の収差図を用いて説明する。図22及び図23は、基準
温度における薄保護層型光ディスクD1使用時の収差を
示し、図22(A)は使用波長659nmでの球面収差SAと正弦
条件SCを示すグラフ、図22(B)は654nm、659nm、664nm
での球面収差を示すグラフ、図23は654nm、659nm、66
4nmでの波面収差を示すグラフである。実施例2の対物
レンズも、実施例1と同様に球面収差が補正され、か
つ、薄保護層型光ディスクD1使用時の波長変動による
収差の劣化が小さく、温度変化による収差変動も小さく
抑えられている。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、保護層の厚さの違いに起因する球面収差の変化を、
回折レンズ構造の球面収差の変化により打ち消すことが
でき、かつ、保護層が厚く記録密度の低いCD,CD−
Rを利用する際には、高NA専用領域を透過した光束が広
がるため、絞り機構等を設けなくともスポット径が必要
以上に小さくなるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態にかかる対物レンズの外形を示す説
明図であり、(A)は正面図、(B)は縦断面図、(C)は縦
断面の一部拡大図である。
【図2】 実施形態にかかる対物レンズを使用した光ピ
ックアップ装置の光学系の説明図である。
【図3】 実施形態にかかる対物レンズの回折レンズ構
造の共用領域と高NA専用領域との境界部分を示す断面図
である。
【図4】 実施例1にかかる回折レンズ構造の光路差関
数の値を示すグラフである。
【図5】 実施例1にかかる回折レンズ構造の輪帯幅の
変化を示すグラフである。
【図6】 実施例1の対物レンズを利用した光学系の基
準温度における薄保護層型光ディスク使用時の球面収差
を示すグラフである。
【図7】 実施例1の対物レンズを利用した光学系の基
準温度における薄保護層型光ディスク使用時の波面収差
を示すグラフである。
【図8】 実施例1の対物レンズを利用した光学系の基
準温度における薄保護層型光ディスク使用時の波面収差
(rms値)とデフォーカスとの関係を示すグラフである。
【図9】 実施例1の対物レンズを利用した光学系の基
準温度から40度上昇した場合における薄保護層型光デ
ィスク使用時の球面収差を示すグラフである。
【図10】 実施例1の対物レンズを利用した光学系の
基準温度から40度上昇した場合における薄保護層型光
ディスク使用時の波面収差を示すグラフである。
【図11】 実施例1の対物レンズを利用した光学系の
基準温度から40度上昇した場合における薄保護層型光
ディスク使用時の波面収差(rms値)とデフォーカスとの
関係を示すグラフである。
【図12】 実施例1の対物レンズを利用した光学系の
基準温度における厚保護層型光ディスク使用時の球面収
差を示すグラフである。
【図13】 実施例1の対物レンズを利用した光学系の
基準温度における厚保護層型光ディスク使用時の波面収
差を示すグラフである。
【図14】 実施例1の対物レンズを利用した光学系の
基準温度における厚保護層型光ディスク使用時の波面収
差(rms値)とデフォーカスとの関係を示すグラフであ
る。
【図15】 比較例1の対物レンズを利用した光学系の
基準温度における薄保護層型光ディスク使用時の波面収
差(rms値)とデフォーカスとの関係を示すグラフであ
る。
【図16】 比較例2の対物レンズを利用した光学系の
基準温度における薄保護層型光ディスク使用時の波面収
差を示すグラフである。
【図17】 比較例2の対物レンズを利用した光学系の
基準温度における薄保護層型光ディスク使用時の波面収
差(rms値)とデフォーカスとの関係を示すグラフであ
る。
【図18】 比較例2の対物レンズを利用した光学系の
基準温度から40度上昇した場合における薄保護層型光
ディスク使用時の波面収差を示すグラフである。
【図19】 比較例2の対物レンズを利用した光学系の
基準温度から40度上昇した場合における薄保護層型光
ディスク使用時の波面収差(rms値)とデフォーカスとの
関係を示すグラフである。
【図20】 実施例2にかかる回折レンズ構造の光路差
関数の値を示すグラフである。
【図21】 実施例2にかかる回折レンズ構造の輪帯幅
の変化を示すグラフである。
【図22】 実施例2の対物レンズを利用した光学系の
基準温度における薄保護層型光ディスク使用時の球面収
差を示すグラフである。
【図23】 実施例2の対物レンズを利用した光学系の
基準温度における薄保護層型光ディスク使用時の波面収
差を示すグラフである。
【符号の説明】
10 対物レンズ 11 第1面 12 第2面 RC 共用領域 RE 高NA専用領域 D1 薄保護層型光ディスク D2 厚保護層型光ディスク 21 DVD用モジュール 22 CD用モジュール 23 ビームコンバイナ 24 コリメートレンズ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正のパワーを有する屈折レンズと、該屈
    折レンズの少なくとも一方のレンズ面に形成された微細
    な段差を有する複数の同心の輪帯から成る回折レンズ構
    造とを有し、前記回折レンズ構造は、記録密度の低い光
    ディスクに必要充分な低NAの光束が透過する共用領域
    と、記録密度の高い光ディスクに対してのみ必要な高NA
    の光束が透過する高NA専用領域とに区分され、前記共用
    領域の回折レンズ構造は、光ディスクの保護層の厚さの
    相違に基づく球面収差の変化を入射光の波長の変化によ
    り補正するような球面収差の波長依存性を有し、前記高
    NA専用領域の回折レンズ構造は、前記共用領域の回折レ
    ンズ構造より球面収差の波長依存性が小さく、かつ、高
    NAに対応する波長において球面収差が十分補正されるよ
    う設定されていることを特徴とする光ヘッド用対物レン
    ズ。
  2. 【請求項2】 前記共用領域の回折レンズ構造による光
    路長の付加量を、光軸からの高さh、n次(偶数次)の光
    路差関数係数PnC、回折次数m、波長λを用いて、 φC(h)=(P2C2+P4C4+P6C6+…)×m×λ により定義される光路差関数φC(h)により表し、前記
    高NA専用領域の回折レンズ構造による光路長の付加量
    を、n次(偶数次)の光路差関数係数PnEを用いて、 φE(h)=(P2E2+P4E4+P6E6+…)×m×λ により定義される光路差関数φE(h)により表したと
    き、 P2C>P2E4C<P4E ただし P4C<0 の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光ヘ
    ッド用対物レンズ。
  3. 【請求項3】 前記高NA専用領域の回折レンズ構造の最
    も内側の輪帯の幅が、前記共用領域の回折レンズ構造の
    最も外側の輪帯の幅より大きいことを特徴とする請求項
    2に記載の光ヘッド用対物レンズ。
  4. 【請求項4】 前記屈折レンズは樹脂製であり、前記4
    次の光路差関数係数が、P4C<P4E<0の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ヘ
    ッド用対物レンズ。
  5. 【請求項5】 前記高NA専用領域の回折レンズ構造は、
    前記屈折レンズの温度変化に伴う屈折率変化による球面
    収差の変化を、半導体レーザーの温度変化に伴う波長変
    化により補正するような球面収差の波長依存性を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光ヘッド用対物レン
    ズ。
  6. 【請求項6】 前記回折レンズ構造は、前記共用領域及
    び前記高NA専用領域内においては、外側の輪帯の内周
    が、隣接する内側の輪帯の外周に対してレンズが厚くな
    る方向の段差を有し、前記共用領域と前記高NA専用領域
    との境界部分においては、前記高NA専用領域の最も内側
    の輪帯の内周が、前記共用領域の最も外側の輪帯の外周
    に対してレンズが薄くなる方向の段差を有することを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光ヘッド用対
    物レンズ。
  7. 【請求項7】 前記回折レンズ構造は、全域において、
    外側の輪帯の内周が、隣接する内側の輪帯の外周に対し
    てレンズが厚くなる方向の段差を有し、前記高NA専用領
    域の最も内側の輪帯は、当該輪帯の内周と外周との光路
    差関数値の差が波長より長くなる幅広の輪帯であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光ヘッド
    用対物レンズ。
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