JP2001248978A - ウオータカーテンスプレィ水の遮断システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 復水器のウオータカーテンスプレィ水の遮断
システムに関し、通常運転時のスプレィ弁が誤動作して
開くのを防止する。 【解決手段】 復水器本体１０内にはチューブ群１１、
ボイラ起動系配管１４、ウオータカーテンスプレィチュ
ーブ１６が配設され、配管１４はタービンバイパス系１
４ａ、ウオータセパレータ系１４ｂ、主蒸気ウォーミン
グ系１４ｃからなり、制御弁２２，２３，２４が設けら
れる。制御装置１は起動時には発電機負荷が２５％まで
はウオータカーテンスプレィ弁２１を開いて常時開の電
動遮断弁２を通り、チューブ１６のノズル１７より水を
スプレィして系１４ａ，１４ｂ，１４ｃの流体を冷却す
る。スプレィ弁２１が通常運転中に誤作動して開となる
と、制御装置１は圧力検出器３，４，５，６の検出信号
により誤作動を検出し、ウオータカーテンスプレィ弁２
１を遮断するのでチューブ群の水による損傷を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は復水器のウオータカ
ーテンスプレィ水の遮断システムに関し、ウオータカー
テンスプレィ水の必要ない負荷運転中にスプレィ弁が開
き、復水器チューブに水滴が衝突してエロージョンを起
こしチューブを破損しないようにスプレィ弁が開くのを
防止するシステムである。

【０００２】

【従来の技術】図３は火力や原子力発電プラントで使用
されている復水器を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は側
面図である。両図において復水器本体１０内には、チュ
ーブ群１１が配設されており、チューブ群１１には図示
省略の低圧タービンからの低圧蒸気が導入され、海水入
口１２から海水を導入し、海水はチューブ群１１の内部
を流れてチューブ群を冷却して蒸気を復水させ、その海
水は海水出口１３から本体１０外へ流出する。又、チュ
ーブ群１１の上部には、ボイラ起動系配管１４が配設さ
れており、ボイラ起動時に使用した蒸気やドレンが流入
し、復水器本体１０内に噴射し、復水するものである。

【０００３】復水器本体１０上部には５本のウオータカ
ーテンスプレィチューブ１６が配設されており、ボイラ
起動系配管１４に起動時に使用した蒸気やドレン水が流
入すると、チューブ１６の多数の噴射ノズル１７から水
をスプレィして配管１４から放出される流体を減温して
復水器を保護するようになっている。チューブ１６の噴
射ノズル１７は通常は５個／チューブ程度設けられてお
り、ボイラ起動系配管１４からはボイラ起動時に使用し
た蒸気やドレンが配管１４より水平方向に約３０度の角
度で流速が３０〜６０m/秒の高速で噴出するので、チュ
ーブ１６のノズル１７から水を噴射し、この配管１４か
らの流体を冷却している。

【０００４】図４は従来の復水器のウオータカーテンス
プレィの系統図であり、図において復水器本体１０内に
は上部にウオータカーテンスプレィチューブ１６が設け
られ、その下方にはボイラ起動系配管１４が配設されて
いる。又、ボイラ起動系配管１４の下部にはチューブ群
１１が配設されており、その構造は図２で説明した通り
である。ボイラ起動系配管１４は、タービンバイパス系
１４ａ、ウオータセパレータ系１４ｂ、主蒸気ウォーミ
ング系１４ｃからなり、それぞれボイラ起動時に使用さ
れた蒸気やドレンが復水器へ戻ってくる。

【０００５】ウオータカーテンスプレィチューブ１６に
はウオータカーテンスプレィ弁２１が設けられる。この
弁は作動時間の速い空気作動のピストン弁が用いられ、
水供給源３０に接続されている。又、タービンバイパス
系１４ａには制御弁２２が、ウオータセパレータ系１４
ｂには制御弁２３が、主蒸気ウォーミング系１４ｃには
制御弁２４がそれぞれ設けられ、これら各弁２１〜２４
は制御装置２０でその開閉が制御される構成である。

【０００６】上記の構成で、起動時にはボイラが充分に
立ち上がるまでの間、制御装置２０は、各弁２１〜２４
を制御し、起動時にこれら系１４ａ，１４ｂ，１４ｃに
蒸気を流し、これら系を昇温、昇圧する。蒸気を流す間
は、タービンバイパス系１４ａでは負荷が１５％に上昇
するまで、ウオータセパレータ系１４ｂでは負荷が２５
％に上昇するまで、主蒸気ウォーミング系１４ｃではタ
ービンが起動するまでの間、それぞれ制御弁２２〜２４
を開き蒸気が供給される。

【０００７】ウオータカーテンスプレィ弁２１はボイラ
起動系配管１４の各弁が開となると、開となりウオータ
カーテンスプレィチューブ１６に水を流入し、ノズル１
７から水をスプレィしてボイラ起動系配管１４の流体を
冷却する。ウオータカーテンスプレィ弁２１は、ボイラ
起動系１４の各弁が閉じると、これに連動して全閉とな
るように制御装置２０により制御される。ボイラ起動系
１４は前述のように負荷、即ち発電機出力が２５％程度
になると、全閉となるので、ウオータカーテンスプレィ
弁２１も全閉となる。一方、復水器チューブ群１１はチ
タン製が主であり、通常運転中に水がスプレィされると
微少な水滴によりエロージョンが起こり、チューブに穴
が明いてしまう。従って、万一、ウオータカーテンスプ
レィ弁２１が通常運転時に誤動作やトラブルで開となっ
てしまうと、ウオータカーテンスプレィチューブ１６の
ノズル１７から水が噴射し、エロージョンが起こる可能
性がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
復水器においては、ボイラ起動系の弁は負荷が２５％程
度になると全閉となり、ウオータカーテンスプレィ弁も
全閉とし、通常運転時中は全閉のままである。しかし、
万一ウオータカーテンスプレィ弁が誤動作や何らかのト
ラブルにより通常運転中に開くと、復水器チューブがチ
タン製であり、微少な水滴の衝突によりチューブにエロ
ージョンが起こり穴が明いてしまう。従って、万一誤動
作が起き、ウオータカーテンスプレィ弁が開いた場合に
は、スプレィが作動しないように防止する対策が必要と
なってくる。

【０００９】そこで本発明は、復水器において、ボイラ
起動系の弁が閉となって発電機の負荷が２５％以上の通
常運転時において、ウオータカーテンスプレィ弁が万一
故障して開となった場合でも、ウオータカーテンスプレ
ィチューブへ水が流入しないようにし、スプレィの作動
を確実に防止し、チューブのエロージョンによる破損を
防止することのできるウオータカーテンスプレィ水の遮
断システムを提供することを課題としてなされたもので
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために、次の（１）〜（４）の手段を提供する。

【００１１】（１）発電プラントの起動時に、ウオータ
カーテンスプレィ弁を開き、復水器内のスプレィチュー
ブから同復水器内のボイラ起動系配管へ水をスプレィし
て同配管内から放出される流体を冷却し、発電プラント
が立ち上がると、前記ウオータカーテンスプレィ弁を閉
じスプレィを停止するウオータカーテンスプレィシステ
ムにおいて、前記ウオータカーテンスプレィ弁と前記ス
プレィチューブとの間に設けられた常時開の状態の電動
遮断弁と、前記スプレィチューブ内の圧力を検出する圧
力検出器と、前記圧力検出器の検出信号及び発電機負荷
信号を取込み、発電機負荷が所定の値以上の通常運転時
に前記圧力検出値が所定の圧力値以上となると前記電動
遮断弁に遮断信号を出力し、同弁を遮断する制御装置と
を備えてなることを特徴とするウオータカーテンスプレ
ィ水の遮断システム。

【００１２】（２）前記ボイラ起動系配管には前記復水
器内の同配管内の圧力を検出する圧力検出器を設け、前
記制御装置は前記スプレィチューブの圧力検出器の信号
が所定値以上であって、かつ前記ボイラ起動系配管の圧
力検出器の検出信号が所定値以下となると前記電動遮断
弁に遮断信号を出力し、同弁を遮断することを特徴とす
る（１）記載のウオータカーテンスプレィ水の遮断シス
テム。

【００１３】（３）発電プラントの起動時に、ウオータ
カーテンスプレィ弁を開き、復水器内のスプレィチュー
ブから同復水器内のボイラ起動系配管へ水をスプレィし
て同配管内から放出される流体を冷却し、発電プラント
が立ち上がると、前記ウオータカーテンスプレィ弁を閉
じスプレィを停止するウオータカーテンスプレィシステ
ムにおいて、前記ウオータカーテンスプレィ弁と前記ス
プレィチューブとの間に設けられた常時開の状態の電動
遮断弁と、ウオータカーテンスプレィ弁の開度を検出す
るセンサと、前記センサの検出信号及び発電機負荷信号
を取込み、発電機負荷が所定の値以上の通常運転時に前
記センサの開度検出値が所定の値以上となると前記電動
遮断弁に遮断信号を出力し、同弁を遮断する制御装置と
を備えてなることを特徴とするウオータカーテンスプレ
ィ水の遮断システム。

【００１４】（４）前記ボイラ起動系配管の制御弁には
同弁の開度を検出するセンサを設け、前記制御装置は前
記ウオータカーテンスプレィ弁のセンサの信号が所定値
以上であって、かつ前記ボイラ起動系配管のセンサの検
出信号が所定値以下となると前記電動遮断弁に遮断信号
を出力し、同弁を遮断することを特徴とする（３）記載
のウオータカーテンスプレィ水の遮断システム。

【００１５】本発明の（１）においては、電動遮断弁と
圧力検出器が設けられているので、制御装置では発電機
の負荷信号が所定の負荷率で通常運転中には圧力検出器
からスプレィチューブ内の圧力信号を取込み、これを監
視し、この圧力信号が所定値以上となるとスプレィチュ
ーブ内に水が流れたと判断し、ウオータカーテンスプレ
ィ弁が運転中で誤動作して開いた、と判定する。制御装
置は、この判定により通常開の状態の電動遮断弁を閉じ
る信号を出力するので、即時にスプレィチューブへの水
の流入は遮断され、復水器内の通常運転中のウオータカ
ーテンの誤動作による水スプレィが防止され、チューブ
のエロージョンによる損傷が防止できる。

【００１６】本発明の（２）では、ボイラ起動系配管に
も復水器内の配管内圧力を検出する圧力検出器が設けら
れているので、制御装置は、上記（１）の発明のように
スプレィチューブ内の圧力上昇の検出に加え、更に、ボ
イラ起動系配管内の圧力も監視し、ボイラ起動系配管に
流体が流れていないにもかかわらず、スプレィチューブ
内の圧力が上昇していると、ウオータカーテンスプレィ
弁が誤動作により開いたと判定し、電動遮断弁を遮断す
る信号を出力する。従って、上記（１）の発明の効果が
より一層確実になるものである。

【００１７】本発明の（３）では、上記（１）の発明の
圧力検出器に代えて、ボイラ起動系配管の制御弁の開度
及びウオータカーテンスプレィ弁の開度を検出するセン
サを設けた構造としたので、制御装置では通常運転中に
ウオータカーテンスプレィ弁が開いていると、誤動作に
より開いたと判定し、電動遮断弁を遮断する信号を出力
することにより、上記（１）の発明と同様の効果が得ら
れる。

【００１８】本発明の（４）では，ボイラ起動系の制御
弁にも開度を検出するセンサが設けられているので、制
御装置は、上記（３）の発明のようにウオータカーテン
スプレィ弁の開度に加え、更に、ボイラ起動系配管の制
御弁の開度も監視し、ボイラ起動系配管の制御弁が閉じ
て流体が流れていないにもかかわらず、ウオータカーテ
ンスプレィ弁が開いていると、弁が誤動作により開いた
と判定し、電動遮断弁を遮断する信号を出力する。従っ
て、上記（３）の発明の効果がより一層確実に得られる
ものである。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて具体的に説明する。図１は本発明の実
施の第１形態に係るウオータカーテンスプレィ水の遮断
システムの系統図である。図において、符号１０，１
１，１４，１６，１７，２１〜２４及び３０は図３に示
す従来のシステムと同じ機能を有する構成であり、その
まま引用して説明するが、本発明の特徴部分は符号１〜
６で示す部分であり、以下に詳しく説明する。

【００２０】図１において、１は制御装置であり、シス
テムの各弁の開閉を制御する。２は電動遮断弁であり、
常時開の弁で制御装置１の指令により閉となるもので、
ウオータカーテンスプレィ弁２１とウオータカーテンス
プレィチューブ１６との間の配管に設けられ、スプレィ
水を遮断するものである。３は圧力検出器であり、ウオ
ータカーテンスプレィチューブ１６内の圧力を検出し、
制御装置１に入力するものである。４，５，６は圧力検
出器であり、それぞれタービンバイパス系１４ａ、ウオ
ータセパレータ系１４ｂ、主蒸気ウォーミング系１４ｃ
内の圧力を検出するものである。その他の構成は図３に
示す従来例と同じ構成である。

【００２１】上記構成のシステムにおいて、制御装置１
には、発電機の負荷信号Ｒが入力され、その負荷状態に
応じて、それぞれタービンバイパス系１４ａ、ウオータ
セパレータ系１４ｂ、主蒸気ウォーミング系１４ｃの制
御弁２２，２３，２４が制御され、従来と同様にボイラ
起動系１４へボイラ起動時の蒸気やドレンを供給すると
共に、従来例で説明したように、タービンバイパス系１
４ａは負荷が１５％、ウオータセパレータ系１４ｂは負
荷が２５％、主蒸気ウォーミング系１４ｃではタービン
が起動するまで各弁を開いている。又は負荷が２５％程
度となると、これら制御弁２２〜２４を全閉とする。
又、起動時にはウオータカーテンスプレィ弁２１を開
き、制御弁２２〜２４がすべて閉となるか、負荷が２５
％になるまでウオータカーテンスプレィチューブ１６に
水を供給し、ノズル１７より水をスプレィする。

【００２２】制御装置１は、更に、圧力検出器３のチュ
ーブ１６内の検出信号を取込み、又、タービンバイパス
系１４ａ、ウオータセパレータ系１４ｂ、主蒸気ウォー
ミング系１４ｃの各系内の圧力信号を圧力検出器４，
５，６からそれぞれ取込み、これら信号に基づいて、発
電機の負荷が２５％以上の通常運転時においてウオータ
カーテンスプレィ弁２１が誤動作により開き、ウオータ
カーテンスプレィチューブ１６から水がスプレィされる
か否かを判定し、誤動作により弁２１が開いたと判断す
ると、常時開の電動遮断弁２を遮断するように制御す
る。遮断の判定は次の［１−１］，［１−２］の条件に
より行う。

【００２３】［１−１］発電機の負荷信号Ｒが２５％以
上で、かつ、圧力検出器３の検出圧力値が所定の圧力以
上である場合には、ウオータカーテンスプレィ弁２１は
誤動作で開いたと判定する。

【００２４】［１−２］発電機の負荷信号Ｒが２５％以
上で、圧力検出器４，５，６のすべての検出圧力値が所
定圧力以下であり、かつ圧力検出器３の検出圧力が所定
圧力以上である場合には、ウオータカーテンスプレィ弁
２１が誤動作で開いたと判定する。なお、所定圧力と
は、流体が流れていない時の基準となる圧力値を意味す
る。

【００２５】本発明の実施の第１形態においては、制御
装置１が上記［１−１］，［１−２］の判定により、ウ
オータカーテンスプレィ弁２１が誤動作で開いたと判断
すると、電動遮断弁２を直ちに遮断するよう指令し、ウ
オータカーテンスプレィチューブ１６への水の流入を防
止するので、通常運転中にウオータカーテンの水により
チューブのエロージョンによる破損を事前に防止するこ
とができる。

【００２６】なお、負荷が２５％以上となれば、無条件
に電動遮断弁２を閉とすることも考えられるが、このよ
うにすると通常運転時で非常時の場合に直ちにウオータ
カーテンスプレィ弁２１を作動しても水が供給されない
ので、通常は電動遮断弁２は常時開としておくものであ
る。

【００２７】図２は本発明の実施の第２形態に係るウオ
ータカーテンスプレィ水の遮断システムの系統図であ
る。図において、図１に示す実施の第１形態と異なる部
分は、圧力検出器３，４，５，６の代わりに、各弁の開
度を検出するセンサ２５，２６，２７，２８を設けた部
分にあり、その他の構成は図１に示す実施の第１形態と
同じ構成である。

【００２８】図２において、制御装置１は、ウオータカ
ーテンスプレィ弁２１の開度をセンサ２８で、ボイラ起
動系１４の各系１４ａ，１４ｂ，１４ｃの制御弁２２，
２３，２４の各開度をセンサ２５，２６，２７で、それ
ぞれ検出し、それら検出信号を取り込む。制御装置１
は、これら信号に基づいて、発電機の負荷が２５％以上
の通常運転時においてウオータカーテンスプレィ弁２１
が誤動作により開き、ウオータカーテンスプレィチュー
ブ１６から水がスプレィされるか否かを判定し、誤動作
により弁２１が開いたと判断すると、常時開の電動遮断
弁２を遮断するように制御する。遮断の判定は、次の
［２−１］，［２−２］の条件により行う。

【００２９】［２−１］発電機の負荷信号Ｒが２５％以
上で、かつ、センサ２８の開度信号が所定の開度以上で
ある場合には、ウオータカーテンスプレィ弁２１は誤動
作で開いたと判定する。

【００３０】［２−２］発電機の負荷信号Ｒが２５％
で、センサ２５，２６，２７のすべての開度信号が零
（基準値以下）であり、かつ、センサ２８の検出開度が
所定の開度以上（零以上）である場合には、ウオータカ
ーテンスプレィ弁２１が誤動作で開いたと判定する。

【００３１】本発明の実施の第２形態においては、制御
装置１が上記［２−１］，［２−２］の判定により、ウ
オータカーテンスプレィ弁２１が誤動作で開いたと判断
すると、電動遮断弁２を直ちに遮断するよう指令し、ウ
オータカーテンスプレィチューブ１６への水の流入を防
止するので、実施の第２形態と同様に通常運転中にウオ
ータカーテンの水によりチューブのエロージョンによる
破損を事前に防止することができる。

【００３２】なお、上記に説明した実施の第１，第２形
態においては、ウオータカーテンスプレィ弁２１は空気
作動のピストン弁、遮断弁としては電動遮断弁２を用い
ているが、電動遮断弁２を用いると、万一空気系統が故
障しても遮断弁２は電気により、かつ迅速に作動するの
で安全性が確保される利点がある。又、空気式の開閉弁
の代わりにウオータカーテンスプレィ弁２１として油圧
式作動弁や他の形式の弁も用いても良い。

【００３３】

【発明の効果】本発明のウオータカーテンスプレィ水の
遮断システムは、（１）発電プラントの起動時に、ウオ
ータカーテンスプレィ弁を開き、復水器内のスプレィチ
ューブから同復水器内のボイラ起動系配管へ水をスプレ
ィして同配管内の流体を冷却し、発電プラントが立ち上
がると、前記ウオータカーテンスプレィ弁を閉じスプレ
ィを停止するウオータカーテンスプレィシステムにおい
て、前記ウオータカーテンスプレィ弁と前記スプレィチ
ューブとの間に設けられた常時開の状態の電動遮断弁
と、前記スプレィチューブ内の圧力を検出する圧力検出
器と、前記圧力検出器の検出信号及び発電機負荷信号を
取込み、発電機負荷が所定の値以上の通常運転時に前記
圧力検出値が所定の圧力値以上となると前記電動遮断弁
に遮断信号を出力し、同弁を遮断する制御装置とを備え
てなることを特徴としている。このような構成により、
制御装置では発電機の負荷信号が所定の負荷率で通常運
転中には圧力検出器からスプレィチューブ内の圧力信号
を取込み、これを監視し、この圧力信号が所定値以上と
なるとスプレィチューブ内に水が流れたと判断し、ウオ
ータカーテンスプレィ弁が運転中で誤動作して開いた、
と判定する。制御装置は、この判定により通常開の状態
の電動遮断弁を閉じる信号を出力するので、即時にスプ
レィチューブへの水の流入は遮断され、復水器内の通常
運転中のウオータカーテンの誤動作による水スプレィが
防止され、チューブのエロージョンによる損傷が防止で
きる。

【００３４】本発明の（２）では、ボイラ起動系配管に
も復水器内の配管内圧力を検出する圧力検出器が設けら
れているので、制御装置は、上記（１）の発明のように
スプレィチューブ内の圧力上昇の検出に加え、更に、ボ
イラ起動系配管内の圧力も監視し、ボイラ起動系配管に
流体が流れていないにもかかわらず、スプレィチューブ
内の圧力が上昇していると、ウオータカーテンスプレィ
弁が誤動作により開いたと判定し、電動遮断弁を遮断す
る信号を出力する。従って、上記（１）の発明の効果が
より一層確実になるものである。

【００３５】本発明の（３）では、上記（１）の発明の
圧力検出器に代えて、ボイラ起動系配管の制御弁の開度
及びウオータカーテンスプレィ弁の開度を検出するセン
サを設けた構造としたので、制御装置では通常運転中に
ウオータカーテンスプレィ弁が開いていると、誤動作に
より開いたと判定し、電動遮断弁を遮断する信号を出力
することにより、上記（１）の発明と同様の効果が得ら
れる。

【００３６】本発明の（４）では，ボイラ起動系の制御
弁にも開度を検出するセンサが設けられているので、制
御装置は、上記（３）の発明のようにウオータカーテン
スプレィ弁の開度に加え、更に、ボイラ起動系配管の制
御弁の開度を監視し、ボイラ起動系配管の制御弁が閉じ
て流体が流れていないにもかかわらず、ウオータカーテ
ンスプレィ弁が開いていると、弁が誤動作により開いた
と判定し、電動遮断弁を遮断する信号を出力する。従っ
て、上記（３）の発明の効果がより一層確実に得られる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の第１形態に係るウオータカーテ
ンスプレィ水の遮断システムの系統図である。

【図２】本発明の実施の第２形態に係るウオータカーテ
ンスプレィ水の遮断システムの系統図である。

【図３】復水器の一般的な外観を示し、（ａ）は平面
図、（ｂ）は側面図である。

【図４】従来のウオータカーテンスプレィ水の遮断シス
テムの系統図である。

【符号の説明】

１ 制御装置 ２ 電動遮断弁 ３，４，５，６ 圧力検出器 １０ 本体 １１ チューブ群 １４ ボイラ起動系配管 １４ａ タービンバイパス系 １４ｂ ウオータセパレータ系 １４ｃ 主蒸気ウォーミング系 １６ ウオータカーテンスプレィチュー
ブ １７ ノズル ２１ ウオータカーテンスプレィ弁 ２２，２３，２４ 制御弁

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発電プラントの起動時に、ウオータカー
   テンスプレィ弁を開き、復水器内のスプレィチューブか
   ら同復水器内のボイラ起動系配管へ水をスプレィして同
   配管内から放出される流体を冷却し、発電プラントが立
   ち上がると、前記ウオータカーテンスプレィ弁を閉じス
   プレィを停止するウオータカーテンスプレィシステムに
   おいて、前記ウオータカーテンスプレィ弁と前記スプレ
   ィチューブとの間に設けられた常時開の状態の電動遮断
   弁と、前記スプレィチューブ内の圧力を検出する圧力検
   出器と、前記圧力検出器の検出信号及び発電機負荷信号
   を取込み、発電機負荷が所定の値以上の通常運転時に前
   記圧力検出値が所定の圧力値以上となると前記電動遮断
   弁に遮断信号を出力し、同弁を遮断する制御装置とを備
   えてなることを特徴とするウオータカーテンスプレィ水
   の遮断システム。
2. 【請求項２】 前記ボイラ起動系配管には前記復水器内
   の同配管内の圧力を検出する圧力検出器を設け、前記制
   御装置は前記スプレィチューブの圧力検出器の信号が所
   定値以上であって、かつ前記ボイラ起動系配管の圧力検
   出器の検出信号が所定値以下となると前記電動遮断弁に
   遮断信号を出力し、同弁を遮断することを特徴とする請
   求項１記載のウオータカーテンスプレィ水の遮断システ
   ム。
3. 【請求項３】 発電プラントの起動時に、ウオータカー
   テンスプレィ弁を開き、復水器内のスプレィチューブか
   ら同復水器内のボイラ起動系配管へ水をスプレィして同
   配管内から放出される流体を冷却し、発電プラントが立
   ち上がると、前記ウオータカーテンスプレィ弁を閉じス
   プレィを停止するウオータカーテンスプレィシステムに
   おいて、前記ウオータカーテンスプレィ弁と前記スプレ
   ィチューブとの間に設けられた電動遮断弁と、前記ウオ
   ータカーテンスプレィ弁の開度を検出するセンサと、前
   記センサの検出信号及び発電機負荷信号を取込み、発電
   機負荷が所定の値以上の通常運転時に前記センサの開度
   検出値が所定の値以上となると前記電動遮断弁に遮断信
   号を出力し、同弁を遮断する制御装置とを備えてなるこ
   とを特徴とするウオータカーテンスプレィ水の遮断シス
   テム。
4. 【請求項４】 前記ボイラ起動系配管の制御弁には同弁
   の開度を検出するセンサを設け、前記制御装置は前記ウ
   オータカーテンスプレィ弁のセンサの信号が所定値以上
   であって、かつ前記ボイラ起動系配管のセンサの検出信
   号が所定値以下となると前記電動遮断弁に遮断信号を出
   力し、同弁を遮断することを特徴とする請求項３記載の
   ウオータカーテンスプレィ水の遮断システム。