JP2001248819A - ごみ焼却炉の燃焼制御方法 - Google Patents

ごみ焼却炉の燃焼制御方法

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JP2001248819A
JP2001248819A JP2000060798A JP2000060798A JP2001248819A JP 2001248819 A JP2001248819 A JP 2001248819A JP 2000060798 A JP2000060798 A JP 2000060798A JP 2000060798 A JP2000060798 A JP 2000060798A JP 2001248819 A JP2001248819 A JP 2001248819A
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combustion
temperature
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combustion air
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JP2000060798A
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Manabu Kuroda
学 黒田
Satoshi Fujii
聡 藤井
Hiroyuki Shimamoto
拓幸 島本
Shigeyuki Doi
茂行 土井
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却炉の大型化により炉床が大きくなるにつ
れ、焼却炉内のごみの偏在によって、燃焼が不均一にな
りやすいという問題がある。ごみの偏在が大きい場合に
は、蒸気発生量の安定化が困難になり、局所的な未燃分
が発生する。 【解決手段】 乾燥部における制御手段を説明する。こ
の場合、入力は火格子温度計18a〜18d、19a〜19d での
温度計測信号および炉内ITVカメラ20からの映像を画像
処理して得たごみ厚さであり、出力は火格子下ダンパ16
a〜16d、17a〜17dの開度および総燃焼空気量である。制
御手段15には、例えばコンピュータが使用されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストーカ式ごみ焼
却炉の燃焼制御方法、詳しくは大型のごみ焼却炉におい
て炉幅方向の燃焼状態の偏在を補正しながら炉内燃焼状
態を安定に維持することにより、ボイラの蒸気発生量を
安定化することを目的とする制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】・従来のごみ焼却炉の構造 都市ごみ焼却炉は、日々の生活において排出される様々
な廃棄物を処理するという重要な役割を担っている。近
年では、廃棄物であるごみの焼却処理によって発生する
膨大な熱エネルギーの回収へ関心が集まり、ボイラ発電
設備のついたものが増加している。
【0003】ごみ焼却炉では、ごみはクレーンによって
数10分の間隔で間欠的にホッパへ投入され、このホッパ
の下にあるプッシャによってごみは炉内に送り込まれ
る。炉内では火格子の往復運動によりごみは乾燥・燃焼
され、最終的には灰となって排出される。
【0004】炉内の燃焼状態を維持するため、ごみを乾
燥・燃焼するための50-150℃程度の空気(燃焼空気と呼
ぶ)が搬送方向に分割された、火格子下の吹き出し口か
ら吹き込まれる。燃焼空気量は総空気量及び各火格子下
のダンパ配分によって調整される。
【0005】ごみの燃焼によって発生する排ガスは炉出
口に設けられた熱交換機でボイラ水に熱を与えた後排気
される。火格子の中間部上方にて炉内温度が測定され
る。また、熱交換機の手前で炉出口温度が測定される。
このようなごみ焼却炉においては、炉出口温度を一定に
保ちボイラの蒸気発生量を一定にするため、自動燃焼制
御が行われ、燃焼空気量、冷却空気量、火格子空気量が
制御される。
【0006】・大型化への動向 最近はダイオキシンの排出問題が注目されている。その
なかで処理量が多いほど燃焼状態が安定し、ダイオキシ
ン等の有害物質の排出濃度も低くなる傾向が見られるの
を受け、焼却炉あたりの処理量が200ton/day以上の大型
炉の需要が、大都市を中心に増加している。将来的には
幾つかの処理量の少ない焼却炉が処理量の多い焼却炉へ
統合されるものと推測される。
【0007】しかしながら、焼却炉の大型化により炉床
が大きくなるにつれ、焼却炉内のごみの偏在によって、
燃焼が不均一になりやすいという問題がある。ごみの偏
在が大きい場合には、蒸気発生量の安定化が困難にな
り、局所的な未燃分が発生する。この問題に対し、従来
の一般的なストーカ式焼却炉では、燃焼空気吹き込み口
がごみの搬送方向(炉長手方向)には分割されているが、
炉幅方向には分割されていなかった。当然、炉幅方向の
燃焼の不均一を何らかの手段で計測し、それを補正する
ことにより燃焼の安定化を図る燃焼制御系も提案されて
いない。
【0008】・大型化へ向けた従来技術 上述したような、ごみ焼却炉の大型化に伴う燃焼の不均
一に対処するために、特開平10-19212号公報および特開
平10-19213号公報に開示された技術においては、炉幅の
広い大型炉に対して炉幅方向の燃焼の不均一を補正する
などの目的から、火格子の駆動機構、または燃焼空気の
吹き込み口を幅方向に分割するごみ焼却炉が提案されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平10-192
12号公報および特開平10-19213号公報では火格子の駆動
機構、または燃焼空気の吹き込み口を幅方向に分割する
機構については記述されているが、炉幅方向の燃焼の不
均一を補正して燃焼状態を安定に維持する幅方向に分割
されている火格子速度、または燃焼空気の吹き込み量な
どの具体的な制御手法が提案されていないという問題点
がある。
【0010】この発明は、以上の問題点を解決し、燃焼
空気の吹き込みが炉長手方向および炉幅方向のいずれか
一方向または両方向に分割されている焼却炉において、
燃焼部分の火格子温度分布から分割された燃焼空気の吹
き込み量を制御することにより、大型炉における炉内燃
焼不均一を補正し、燃焼の安定化を図る方法を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は次の発明に
より達成される。請求項1記載の第一の発明は、燃焼空
気の吹き込みが炉長手方向および炉幅方向のいずれか一
方向または両方向に分割されているごみ焼却炉におい
て、分割領域における火格子の温度分布およびごみ厚さ
分布のいずれかまたは両方を入力とし、総燃焼空気流量
制御および分割領域毎の燃焼空気流量制御のいずれかま
たは両方を行うことを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御
方法である。
【0012】焼却炉では、ごみ質分布により炉内燃焼の
不均一現象が生じる事がある。燃焼空気の吹き込みが炉
長手方向および炉幅方向のいずれか一方向または両方向
に分割されているごみ焼却炉においては、燃焼空気の吹
き込みバランスを調整することで、炉内領域毎の燃焼速
度を制御でき、燃焼の不均一現象を抑制できる。
【0013】燃焼の不均一を検知する方法としては、燃
焼空気の吹き込み毎に火格子温度を計測し、その分布か
ら解析する事が望ましい。火格子温度はごみ燃焼部から
の伝熱を直接受けるため、時間の遅れなく炉内燃焼状態
の分布を得ることができ、設置に関しても特別新しい技
術を必要としない。
【0014】請求項2記載の第二の発明は、前記総燃焼
空気流量制御は、各分割領域毎の火格子上に設置する火
格子温度の計測結果から平均値を導出し、平均値が良好
な燃焼状態である時の温度範囲より下回るならば、総燃
焼空気流量を増加し、上回るならば総燃焼空気流量を減
少することを特徴とする請求項1記載のごみ焼却炉の燃
焼制御方法である。
【0015】火格子温度とごみ燃焼状態の関係について
は、ごみの燃焼が活発であるときは火格子温度が高く、
燃焼が不活発であるときは火格子温度が低い。これを利
用して、火格子平均温度より炉全体の燃焼状態を判断
し、総燃焼空気流量を制御することにより、燃焼を安定
に維持することができる。なお、良好な燃焼状態である
時の火格子温度範囲に関しては、炉によって若干異なる
ため、あらかじめボイラ蒸気発生量やごみの切り出し量
などのデータを比較してから、定める必要がある。
【0016】請求項3記載の第三の発明は、前記分割領
域毎の燃焼空気流量制御は、各分割領域毎の火格子上に
設置する火格子温度の計測結果から平均値を導出し、平
均値に比べ温度が高い領域には空気量を減少し、温度が
低い領域には空気量を増加することを特徴とする請求項
1および2記載のごみ焼却炉の燃焼制御方法である。
【0017】火格子温度とごみ燃焼状態の関係について
は、ごみの燃焼が活発であるときは火格子温度が高く、
燃焼が不活発であるときは火格子温度が低い。よって、
吹き込み口が分割された炉幅方向の温度分布より、ばら
つきが大きい場合には、温度が高い領域の空気を減ら
し、温度が低い領域の空気を増やして燃焼を促進させる
ことにより、燃焼の不均一を補正する。
【0018】ただし、過度に火格子温度が高い場合には
火格子の劣化を促進するので、火格子自体を早く冷却さ
せるために、燃焼空気を短期的に多く吹き込むような機
能を持たせた方が望ましい。
【0019】請求項4記載の第四の発明は、前記分割領
域毎の燃焼空気流量制御は、各分割領域毎の火格子上に
設置する火格子温度の計測結果およびごみの厚さによ
り、火格子温度の平均値に比べ温度が高い領域には空気
量を減少し、温度が低く、かつごみの厚さが薄くない領
域には空気量を増加し、平均値に比べ温度が低く、かつ
ごみの厚さが薄い領域には空気量を増加しないことを特
徴とする請求項1ないし3記載のごみ焼却炉の燃焼制御方
法である。
【0020】火格子温度の低下をもたらす、燃焼が不活
発になる要因としては大きく2つに分かれる。一つは、
ごみ厚さが適正または厚い状態だが、ごみの発熱量が低
下したために、燃焼が不活発になる場合である。もう一
つは、該当領域のごみ量が不足しているため燃焼が不活
発になる場合である。
【0021】前者の場合は空気量を増やすことで、燃焼
速度を促進することができる。後者の場合は、空気量を
増加しても、ごみ量が少なくかえって冷却作用を及ぼす
可能性がある。
【0022】よって、火格子温度に加えて、炉内ITVカ
メラにより得られる映像から、炉長手方向および炉幅方
向のいずれか一方向または両方向に分割した各領域にお
けるごみの厚さを画像処理から判別することにより、よ
り詳細な燃焼分布が得られ、より適切な燃焼の不均一補
正を施すことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図を用い
て詳細に説明する。図1に、本発明が実施されるごみ焼
却炉の制御系の一例を示す。
【0024】図1において、1は炉であり、ごみ投入口
2、プッシャ3、火格子4、灰落下口5を有する。ごみ投入
口2から投入されたごみは、プッシャ3によって、火格子
4へ運ばれる。
【0025】火格子4では下部から供給される燃焼空気6
の吹き込みにより、乾燥が行われた後に、燃焼が行わ
れ、排ガスと灰に分解される。灰は灰落下口5から落下
して炉外に排出される。
【0026】燃焼空気の吹き込み口は、ごみの搬送方向
に乾燥部、燃焼上部、燃焼下部、後燃焼部に分割されて
いるだけでなく、炉幅方向に左右に分割されており、そ
れぞれの吹き込み配分を調整するために、火格子下ダン
パ16a〜16d(給じん装置側から見て右側:図中実線部
分)、17a〜17d(給じん装置側から見て左側:図中点線
部分)が設けられている。なお、図では、炉長手方向に
4分割、幅方向に2分割の例を示したが、分割数はこれ
に限ったものでない。
【0027】火格子上には空気吹き出し口毎(左右 乾
燥部、燃焼上部、燃焼下部、後燃焼部)に温度計18a〜1
8d(給じん装置側から見て右側)、19a〜19d(給じん装
置側から見て左側)が設置されている。
【0028】一方、燃焼排ガスは炉出口7から煙突8に導
かれて炉外へ排出される。排ガスが放出される炉出口7
には、熱交換器9aを備えたボイラ9bが設置されている。
冷却空気吹き込み口10からは、冷却空気ブロア11により
冷却空気を吹き込み、燃焼ガス中の未燃焼成分を完全燃
焼すると共に、炉壁の温度が過度に上昇することを防い
でいる。12は炉出口における排ガス温度を計測する温度
計、13は蒸発量を測る流量計、14は燃焼室における排ガ
ス温度を計測する温度計である。20は炉内の燃焼画像を
映すITVカメラである。
【0029】15は制御手段であり、分割領域における温
度分布およびごみ厚さ分布を入力とし、各火格子下燃焼
空気ダンパおよび燃焼空気ブロワー6または燃焼空気流
量ダンパ6aへ信号を出力する。以下の実施例では、乾燥
部における制御手段を説明する。この場合、入力は火格
子温度計18a〜18d、19a〜19d での温度計測信号および
炉内ITVカメラ20からの映像を画像処理して得たごみ厚
さであり、出力は火格子下ダンパ16a〜16d、17a〜17dの
開度および総燃焼空気量である。制御手段15には、例え
ばコンピュータが使用されている。
【0030】
【実施例】まず、各火格子温度を入力とした場合の、所
定の燃焼領域における長手および炉幅方向に分割された
火格子下ダンパ開度の制御手法を説明する。制御手法と
しては通常PID演算やルールベースによる演算、ファジ
ィ演算などが挙げられる。ここでは、事象をルール化し
やすいファジィ制御を用いる。ファジィ制御による炉長
手方向および炉幅方向のいずれか一方向または両方向に
分割された火格子下ダンパ開度制御は、以下に示す規則
に従って行われる。 1) 所定領域の火格子温度が火格子温度平均よりも所定
値以上上回る。
【0031】→火格子下ダンパ開度を閉めて、燃焼の活
発化を抑制する。 2) 所定領域の火格子温度が火格子温度平均とほぼ同じ
→火格子下ダンパ開度を通常の燃焼制御の開度に維持す
る。 3) 所定領域の火格子温度が火格子温度平均よりも所
定値以上下回る。
【0032】→火格子下ダンパ開度を開けて、燃焼の活
発化を促進する。
【0033】また、制御量を演算するために入力と出力
を整理し、制御パラメータを定めて表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1の規則1)〜3)の演算は、図2に示したメ
ンバーシップ関数に基づいて行われる。ダンパ開度制御
手段によって求まった各規則の後件部推論結果を統合し
て、規則全体の推論結果が出力される。各規則の後件部
推論結果の統合には、ファジィ制御の一般的な手法、例
えば、min-max重心法やシングルトン法等が用いられ
る。
【0036】演算時間が短く実用的なシングルトン法に
ついて、図2を用いて説明する。火格子温度平均値を、
各領域の火格子温度より以下の(1)式にて導出する。
【0037】
【数1】
【0038】なお、 TAは火格子温度平均値、Ti (i=1…
8)は各燃焼空気吹き込み領域における火格子温度の計測
値である。各燃焼空気吹き込み領域における火格子温度
平均との差を(2)式より導出する。 TDi = Ti - TA (2)
【0039】なお、 TDi (i=1…8)は各燃焼空気吹き込
み領域における火格子温度平均との差分値である。
【0040】表1に示す、各規則に対する適合度を求め
る。各燃焼空気吹き込み領域における火格子温度平均と
の差分値より、規則1)に関する適合度はXi1である。同
様に、規則2) 3)に関する適合度Xi2、Xi3で表される。
【0041】次に、後件部において推論を行うために、
所定領域の火格子下ダンパ開度パラメータZi1、Zi2、Z
i3 を定める。通常、開度を閉める場合には負の値、維
持する場合には0、開ける場合には正の値が入る。
【0042】そして、(3)式により左右火格子下ダンパ
開度の補正量Siを推論する。 Si = (Xi1 Zi1 + Xi2 Zi2 +Xi3 Zi3) / (Xi1 + Xi2 + Xi3) (3)
【0043】最後に求められた補正量を、(4)式によ
り、通常の火格子下ダンパ開度WBiに加えて出力値を算
出する。 Wi = WBi + Li Si (4) ただし、Liは制御パラメータである。
【0044】次に、ごみ厚さに関するルールが加重され
た場合の、火格子下ダンパ開度の制御手法を説明する。
ファジィ制御による火格子下ダンパ開度の制御は、以下
に示す規則に従って行われる。 1) 所定領域の火格子温度が火格子温度平均よりも所定
値以上上回る。→所定領域のごみ火格子下ダンパ開度を
閉めて、燃焼の活発化を抑制する。 2) 所定領域の火格子温度が火格子温度平均とほぼ同じ
のとき。→所定領域の火格子下ダンパ開度を通常の燃焼
制御の開度に維持する。 3) 所定領域の火格子温度が火格子温度平均よりも所定
値以上下回る。かつ、所定領域のごみ厚さが所定値以上
である。→所定領域のごみ火格子下ダンパ開度を開け
て、燃焼の活発化を促進する。 4) 所定領域の火格子温度が火格子温度平均よりも所定
値以上下回る。かつ、所定領域のごみ厚さが所定値未満
である。→所定領域の火格子下ダンパ開度を通常の燃焼
制御の開度に維持する。
【0045】また、制御量を演算するために入力と出力
を整理し、制御パラメータを定めて表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2の規則1)〜4)の演算は、図2,3に示した
メンバーシップ関数に基づいて行われる。
【0048】前記(2)式で算出した各燃焼空気吹き込み
領域における火格子温度平均との差分値TDiを入力とし
て、表2に示す、各規則に対する適合度を求める。各燃
焼空気吹き込み領域における火格子温度平均との差分値
より、規則3)に関する適合度はXi3である。同様に、ご
み厚Hiに関する適合度はYi1である。規則3)の条件に対
する適合度は、両者の積(5)式で表される。 Vi3=Xi3 × Yi1 (5)
【0049】規則4)に関する適合度Vi4も同様に算出さ
れる。ごみ厚さについての条件が加重されていない規則
1)、2)の適合度Vi1、Vi2は、それぞれXi1、 Xi2であ
る。
【0050】次に、後件部において推論を行うために、
所定領域の火格子下ダンパ開度パラメータZi1〜Zi4を定
める。通常、開度を閉める場合には負の値、維持する場
合には0、開ける場合には正の値が入る。
【0051】そして、(6)式により所定領域の火格子下
ダンパ開度の補正量Si を推論する。 Si = (Vi1Zi1 + Vi2Zi2 +Vi3Zi3+ Vi4Zi4) / (Vi1 + Vi2 + Vi3+ Vi4) (6) 最後に求められた上記補正量Siを、前記(4)式により、
通常の火格子下ダンパ開度WBiに加えて出力値を算出す
る。
【0052】以下に、総燃焼空気流量の制御手法を説明
する。ファジィ制御による総燃焼空気流量の制御は、以
下に示す規則に従って行われる。
【0053】1) 各分割領域の火格子平均温度が良好な
燃焼状態と定めた温度範囲より高い。→総燃焼空気流量
を減らし、燃焼の活発化を抑制する。 2) 各分割領域の火格子平均温度が良好な燃焼状態と定
めた温度範囲内である。→総燃焼空気流量を通常の燃焼
制御の開度に維持する。 3) 各分割領域の火格子平均温度が良好な燃焼状態と
定めた温度範囲より低い。→総燃焼空気流量を増やし、
燃焼の活発化を促進する。
【0054】また、制御量を演算するために入力と出力
を整理し、制御パラメータを定めて表3に示す。
【表3】
【0055】表3の規則1)〜3)の演算は、図4に示したメ
ンバーシップ関数に基づいて行われる。総燃焼空気流量
制御手段によって求まった各規則の後件部推論結果を統
合して、規則全体の推論結果が出力される。一例とし
て、演算時間が短く実用的なシングルトン法を用いた手
順を説明する。前記(1)式で算出した火格子温度平均値T
Aを入力として、表3に示す、各規則に対する適合度を求
める。規則1)に関する適合度はW1である。同様に、規則
2) 3)に関する適合度W2、W3で表される。
【0056】次に、後件部において推論を行うために、
総燃焼空気流量増減パラメータF1、F2、F3 を定める。
通常、流量を減らす場合には負の値、維持する場合には
0、増やす場合には正の値が入る。
【0057】そして、(7)式により総燃焼空気流量の補
正量Fを推論する。 F = (W1 F1 + W2 F2 +W3 F3) / (W1 + W2 + W3) (7)
【0058】最後に求められた補正量を、(8)式によ
り、通常の総燃焼空気流量G0に加えて出力値を算出す
る。 G= G0 + MF (8) ただし、Mは制御パラメータである。制御量の補正間隔
については、数秒間隔で十分である。
【0059】
【発明の効果】本発明により、ストーカ式ごみ焼却炉の
燃焼制御方法、詳しくは大型のごみ焼却炉において燃焼
空気吹き込み領域毎の燃焼状態の偏在を検知し、火格子
下空気量を吹き込み領域毎に補正しながら炉内燃焼状態
を安定に維持できるので、ボイラの蒸気発生量を一定に
保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施されるごみ焼却炉の制御系の一例
を示す図である。
【図2】メンバーシップ関数と適合度を求める一例を示
す図である。
【図3】メンバーシップ関数と適合度を求める一例を示
す図である。
【図4】メンバーシップ関数と適合度を求める一例を示
す図である。
【符号の説明】
1 焼却炉 2 ホッパ 3 給じん装置 4 火格子 5 灰落下口 6 燃焼空気ブロア 6a 燃焼空気流量ダンパ 7 炉出口 8 煙突 9a 熱交換器 9b ボイラ 10 冷却空気吹き込み口 11 冷却空気ブロア 12 炉出口温度計 13 ボイラ流量計 14 炉内温度計 15 制御手段 16a 乾燥部火格子下空気ダンパ(右) 17a 乾燥部火格子下空気ダンパ(左) 16b 燃焼上部火格子下空気ダンパ(右) 17b 燃焼上部火格子下空気ダンパ(左) 16c 燃焼下部火格子下空気ダンパ(右) 17c 燃焼下部火格子下空気ダンパ(左) 16d 後燃焼部火格子下空気ダンパ(右) 17d 後燃焼部火格子下空気ダンパ(左) 18a 乾燥部火格子温度計(右) 19a 乾燥部火格子温度計(左) 18b 燃焼上部火格子温度計(右) 19b 燃焼上部火格子温度計(左) 18c 燃焼下部火格子温度計(右) 19c 燃焼下部火格子温度計(左) 18d 後燃焼部火格子温度計(右) 19d 後燃焼部火格子温度計(左) 20 ITVカメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島本 拓幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 土井 茂行 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K062 AA01 AA04 AB01 AC01 BA02 CB05 DA01 DA38 DB08 DB09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼空気の吹き込みが炉長手方向および
    炉幅方向のいずれか一方向または両方向に分割されてい
    るごみ焼却炉において、分割領域における火格子の温度
    分布およびごみ厚さ分布のいずれかまたは両方を入力と
    し、総燃焼空気流量制御および分割領域毎の燃焼空気流
    量制御のいずれかまたは両方を行うことを特徴とするご
    み焼却炉の燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】 前記総燃焼空気流量制御は、各分割領域
    毎の火格子上に設置する火格子温度の計測結果から平均
    値を導出し、平均値が良好な燃焼状態である時の温度範
    囲より下回るならば、総燃焼空気流量を増加し、上回る
    ならば総燃焼空気流量を減少することを特徴とする請求
    項1記載のごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  3. 【請求項3】 前記分割領域毎の燃焼空気流量制御は、
    各分割領域毎の火格子上に設置する火格子温度の計測結
    果から平均値を導出し、平均値に比べ温度が高い領域に
    は空気量を減少し、温度が低い領域には空気量を増加す
    ることを特徴とする請求項1および2記載のごみ焼却炉の
    燃焼制御方法。
  4. 【請求項4】 前記分割領域毎の燃焼空気流量制御は、
    各分割領域毎の火格子上に設置する火格子温度の計測結
    果およびごみの厚さにより、火格子温度の平均値に比べ
    温度が高い領域には空気量を減少し、温度が低く、かつ
    ごみの厚さが薄くない領域には空気量を増加し、平均値
    に比べ温度が低く、かつごみの厚さが薄い領域には空気
    量を増加しないことを特徴とする請求項1ないし3記載の
    ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
JP2000060798A 2000-03-06 2000-03-06 ごみ焼却炉の燃焼制御方法 Pending JP2001248819A (ja)

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