JP2001248556A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP2001248556A JP2000057028A JP2000057028A JP2001248556A JP 2001248556 A JP2001248556 A JP 2001248556A JP 2000057028 A JP2000057028 A JP 2000057028A JP 2000057028 A JP2000057028 A JP 2000057028A JP 2001248556 A JP2001248556 A JP 2001248556A
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修 風間
Tomoaki Oikawa
智明 及川
Yasuyoshi Tajima
庸賀 田島
Koji Masumoto
浩二 増本
Masaki Kato
政紀 加藤
Hideaki Maeyama
英明 前山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機の運転回転数範囲内で、回転子と固定
子の軸の偏心により発生する圧縮機運転回転数と回転子
極数の積の周波数を持つ加振力と、軸の共振周波数と一
致させないようにし、低騒音,低振動化を図る。 【解決手段】 電動機3と圧縮機構2を連結して電動機
3の駆動力を圧縮機構2に伝達するクランク軸8と、を
備え、クランク軸8の電動機3に対する軸方向一端側の
みが支持された圧縮機において、クランク軸8の共振周
波数は、クランク軸8の最大運転回転速度と電動機3の
極数の積よりも大になるように設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機に関するも
のであり、例えば除湿機や冷蔵庫等の冷凍機に使用され
る圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5及び図6は、従来の圧縮機を示し、
より具体的には、図5は電動機の軸方向片側のみに軸受
けを有するロータリ式密閉型圧縮機の断面図を示し、図
6は図5に示す電動機として用いた4極の鉄心内部磁石
埋込型DCブラシレスモータの構造を示す平面図であ
る。
【0003】図5において、1はケースとしての密閉容
器であり、密閉容器1は、下部には圧縮機構2を、上部
には圧縮機構2を駆動する電動機3を収容している。4
は圧縮機構2における圧縮室を示し、5、6はシリンダ
7とともに上記圧縮室4を形成する上、下軸受けであ
る。これら上、下軸受け5、6は、電動機3の軸方向の
片側一方向、図5における電動機3の下部にのみ存在し
ている。8は電動機3の回転子回転軸と一体に形成され
たクランク軸であり、このクランク軸8は軸受け5、6
により支持されている。9はローリングピストンであ
る。
【0004】電動機3は、回転子10と固定子11より
構成され、回転子10は薄板電磁鋼板をプレス抜きした
ものを積層した構造で永久磁石挿入孔12を有する鉄心
部13と、鉄心部磁石挿入孔12内部に配置される永久
磁石14、永久磁石を保持する端板15、圧縮機構のト
ルク変動に対しバランスを取るためのバランスウェイト
16及び端板15やバランスウェイト16を回転子鉄心
13と結合させるリベット17により構成される。固定
子11は回転子鉄心13と同様に薄板電磁鋼板をプレス
抜きしたものを積層した構造の鉄心部18、固定子鉄心
部18に巻回された界磁巻線19より構成される。ま
た、回転子10と固定子11の間には空隙20が設けら
れている。
【0005】図6において、回転子10は、薄板電磁鋼
板をプレス抜きした回転子鉄心13に、磁石挿入孔1
2、リベット挿入孔21、クランク軸挿入孔22、積層
した薄板鉄心を連結するためのカシメ23、騒音および
電動機の効率向上のために付設されたスリット24が打
ち抜かれたものを積層して構成されている。磁石挿入孔
12には、永久磁石14がS極とN極が交互になるよう
に設置されている。また、このように回転子鉄心13に
磁石を配置する構造の鉄心内部磁石埋込型DCブラシレ
スモータでは、永久磁石14の外周側に磁極鉄心部25
が存在する。
【0006】一方、固定子11は、薄板電磁鋼板をプレ
ス抜きした回転子鉄心18に、ティース部26、スロッ
ト部27を打ち抜いたものを積層して構成されている。
スロット部27には界磁巻線19が1コイルあたりスロ
ットピッチ角θで巻回されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の圧縮機は下記の問題点を有していた。すなわ
ち、図5、図6に示す鉄心内部磁石埋込型DCブラシレ
スモータにおいては、回転子鉄心13に配置される永久
磁石14の外周部に磁極鉄心部25が存在するため、固
定子巻線19により励磁された磁束が回転子磁極鉄心部
25を通り、回転子10を固定子側に引き寄せようとす
る磁気吸引力が発生する。
【0008】この磁気吸引力は、固定子10と回転子1
1の間の空隙20の間隔が均等である場合には、回転子
各極でバランスするために問題とならないが、回転軸の
偏心や軸の倒れ等により空隙20にアンバランスが生じ
ると、各極間の磁気吸引力がつり合わなくなり、回転数
の極数倍の周波数をもつ加振力が発生する。この加振力
と偏心に対する感度は、鉄心内部磁石埋込型のDCブラ
シレスモータでは非常に敏感なため、量産組立時に生産
されるすべての圧縮機でこの加振力が発生しないように
空隙20を管理することはきわめて困難であり、この問
題が、圧縮機の騒音,振動の加振源のうちの一つとなっ
ている。
【0009】また、軸受けが回転子の軸方向の片側一方
向にのみ存在する密閉型圧縮機では、運転時の回転軸の
たわみによる軸共振周波数が存在するため、この共振周
波数に前記加振力の周波数が一致すると、大きな騒音,
振動が発生するという問題があった。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、軸受けが電動機の片側一方向にのみ
存在する圧縮機において、低騒音化及び低振動化を図る
ことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る圧縮機
は、上記課題を解決するため、 流体を圧縮する圧縮機
構と、該圧縮機構を駆動する駆動力を発生する電動機
と、該電動機と前記圧縮機構を連結して電動機の駆動力
を圧縮機構に伝達するクランク軸と、を備え、前記クラ
ンク軸の前記電動機に対する軸方向一端側のみが支持さ
れた圧縮機において、前記クランク軸の共振周波数は、
クランク軸の最大運転回転速度と前記電動機の極数の積
よりも大なることを特徴とするものである。
【0012】第2の発明に係る圧縮機は、上記課題を解
決するため、流体を圧縮する圧縮機構と、前記圧縮機構
を駆動するための駆動力を発生する電動機と、該電動機
と前記圧縮機構を連結して電動機の駆動力を圧縮機に伝
達するクランク軸と、前記クランク軸の前記電動機に対
する軸方向一端側のみを支持する軸受と、を備えた圧縮
機において、前記電動機の回転子の重量をm、前記クラ
ンク軸の直径をd、前記電動機の極数をP、前記回転子
の軸方向の厚さをla、前記回転子の前記軸受け側の端面
から前記軸受けの前記回転子側の端面までの距離をlb
前記軸受けの軸方向の長さをlc、前記クランク軸の最大
運転回転数をfmとし、
【0013】
【数3】 としたとき、
【0014】
【数4】 を満たすことを特徴とするものである。
【0015】また、前記電動機の極数Pは、P≧6であ
ってもよい。
【0016】さらに、前記電動機は、DCブラシレスモ
ータであってもよい。
【0017】またさらに、前記電動機の回転子の鉄心
は、希土類系磁石からなるものであってもよい。
【0018】さらにまた、前記電動機の回転子は、鉄心
内部に永久磁石を配置した鉄心内部磁石埋込型構造であ
ってもよい。
【0019】またさらに、前記圧縮機が屋内に設置され
るものであってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1を図面を用いて説明する。図1、図2は、本
発明に係る圧縮機を密閉型圧縮機に適用した場合の実施
の形態1を示す図であり、図1は圧縮機全体の断面図で
あり、図2は図1に示された鉄心内部磁石埋込型DCブ
ラシレスモータの構造を示す平面図である。
【0021】本実施の形態1においては、図1に示す回
転子10に設置される永久磁石14にはフェライト系磁
石材を用いている。また、回転子重量低減のために、圧
縮機の必要とする出力を維持することを考慮した上で、
回転子の外径、鉄心の積み巾を可能な限り小さくしてあ
る。なお、図1、図2に示した本実施の形態1の説明に
おいては、重複した説明を避けるため、図5、図6に示
したと構成と同じものには、同じ符号を付してその説明
は省略するものとする。
【0022】まず、本実施の形態1においてにおいて
は、クランク軸8の軸共振周波数を、軸受け部5、クラ
ンク軸8および回転子10を、はりと集中加重の系と考
え次ぎの通り近似する。クランク軸8の直径をd[mm]と
すると、軸の断面2次モーメントIは、
【0023】
【数5】 で求められ、電動機回転子鉄心の積み厚をla[mm]、電
動機回転子鉄心の軸受け側端面から軸受けの電動機回転
子側の端面までの距離をlb[mm]、軸受けの長さをlc[m
m]としたときに、はりの長さをL[mm]とすると、
【0024】
【数6】 で近似できる。
【0025】次に、電動機の回転子の重量をm[kg]とす
ると、クランク軸8の軸共振振動数fsは、
【0026】
【数7】 で求められる。
【0027】圧縮機は、その使用用途により使用される
運転回転数の範囲が異り、その運転範囲内での最大運転
回転数をfm[Hz]、回転子の極数をPとすると、
【0028】
【数8】 と設計することにより、圧縮機の運転範囲において運転
回転数の極数倍の周波数をもつ加振力の影響を受けるこ
とがなくなり、圧縮機の低騒音および低振動化を図るこ
とができる。このように設定することは、言い換えれ
ば、クランク軸8の共振周波数が、クランク軸の最大運
転回転速度と電動機の極数の積よりも大くなることを意
味する。
【0029】また、DCブラシレスモータのトルクTは、
永久磁石による空隙磁束密度B、固定子巻線に流れる圧
縮機運転電流i、回転子の積み厚laとすると
【0030】
【数9】 で表される。ここでは、回転子を小型化ているため、小
型化していない回転子と同一トルクを出力する場合を考
えると、圧縮機運転電流iは大きくなる傾向にある。巻
線抵抗をRとすると電動機の損失の一つである銅損W
Cは、
【0031】
【数10】 で表される。
【0032】そこで、電動機の極数Pを6極以上と多極
化することで、同一外径の4極の固定子と比べ、1コイ
ルあたりのスロットピッチ角θが小さくなる為、固定子
に巻回してある巻線19の周長が短くてすみ、巻線抵抗
を抑え、銅損を小さくすることができる。また、空隙磁
束密度Bを同じにするために1つの極が受け持つ磁束量
が、多極化するほど低減されるため、鉄心間ピーク磁束
を減少させることができ、磁気飽和を回避し鉄損を低減
することができる。
【0033】一般的に、圧縮器を用いた除湿機、冷蔵庫
等においては圧縮機を他の部品と共に一つの筐体内に配
置するため、騒音源となる圧縮機が屋内に設置されるこ
とになる。本実施の形態の圧縮機は屋外に設置された場
合にも効果があるのは勿論であるが、屋外に比べ一層の
騒音対策が必要な上記例のような除湿機や冷蔵庫等の屋
内に本実施の形態の圧縮機を設置する場合には特に効果
的である。
【0034】なお、本実施の形態1の例では、ロータリ
式圧縮機を用いているが、軸受けが電動機の軸方向の一
方向側のみに存在する構造であれば、他の圧縮機にも適
用できることは勿論であり、例えば、レシプロ式,スク
ロール式等の圧縮機についても適用可能である。
【0035】実施の形態2.以下、この発明の実施の形
態2を図面を用いて説明する。図3、図4は、本発明に
係る圧縮機を密閉型圧縮機に適用した場合の実施の形態
2を示す図であり、図3は圧縮機全体の断面図であり、
図4は図3に示された鉄心内部磁石埋込型DCブラシレ
スモータの構造を示す平面図である。なお、図3、図4
に示した本実施の形態2の説明においても、上述の第1
の実施の形態の説明と同様に重複した説明を避けるた
め、図5、図6に示したと構成と同じものには、同じ符
号を付してその説明は省略するものとする。
【0036】本実施の形態2が上述の実施の形態1と異
なる点は、図3に示す回転子10に設置される永久磁石
14に希土類系磁石材を用いたことである。このよう
に、残留磁束密度の高い希土類系磁石材を用いることに
よって、磁石の大きさを小さくしても必要十分な磁束を
確保できるようになり、磁束を下げることなく回転子の
小型化が可能であり、回転子外径や積み厚に対し設計の
自由度が増すという利点がある。
【0037】さらに本実施の形態2では、図3に示すよ
うに固定子の巻線を隣り合うスロットに集中直巻きする
方法を採用しており、これにより、図2で示した分布巻
きに比べスロットピッチ角θをさらに小さくすることが
でき、電動機の小型化および高効率化を図ることができ
る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、圧縮機の運転回転数範
囲内において、鉄心内部磁石埋込型DCブラシレスモー
タを使用した密閉型圧縮機特有の、圧縮機運転回転数と
回転子極数の積の周波数を持つ加振力の影響を回避し、
低騒音,低振動化を図ることが可能である。また、圧縮
機を屋内に設置するようなシステムに、上記のように騒
音低減効果がある本発明を適用した場合、特に効果的で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る圧縮機の実施の形態1の構造を
示す断面図。
【図2】 図1に示された電動機の構造を示す平面図。
【図3】 本発明に係る圧縮機の実施の形態2の構造を
示す断面図。
【図4】 図3に示された電動機の構造を示す平面図。
【図5】 従来の圧縮機の構造を示す断面図。
【図6】 従来の圧縮機に用いられた電動機の構造を示
す平面図。
【符号の説明】
1 密閉容器(ケース)、 2 圧縮機構、 3
電動機、 4 圧縮室 5 上側軸受け、 6 下側軸受け、 7 シリン
ダ、 8 クランク軸 9 ローリングピストン、 10 回転子、 11
固定子、12 磁石挿入孔、 13 回転子鉄心、
14 永久磁石、15 端板、 16 バランス
ウェイト、 17 リベット、18 固定子鉄心、
19 固定子巻線、 20 空隙、21 リベット
挿入孔、 22 クランク軸挿入孔、 23 カシ
メ、24 スリット、 25 磁極鉄心部、 26
固定子ティース部、27 固定子スロット部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 庸賀 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 増本 浩二 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 加藤 政紀 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 前山 英明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H003 AA05 AB04 AC03 BA00 BB00 CA01 5H607 AA04 AA12 BB07 BB14 CC01 CC05 DD03 DD15 FF07 5H621 GA01 GA04 HH01 JK15 JK17 5H622 CA02 CA06 CA07 CA11 CB04 CB05 DD01 DD02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を圧縮する圧縮機構と、該圧縮機構
    を駆動する駆動力を発生する電動機と、該電動機と前記
    圧縮機構を連結して電動機の駆動力を圧縮機構に伝達す
    るクランク軸と、を備え、前記クランク軸の前記電動機
    に対する軸方向一端側のみが支持された圧縮機におい
    て、 前記クランク軸の共振周波数は、クランク軸の最大運転
    回転速度と前記電動機の極数の積よりも大なることを特
    徴とする圧縮機。
  2. 【請求項2】流体を圧縮する圧縮機構と、前記圧縮機構
    を駆動するための駆動力を発生する電動機と、該電動機
    と前記圧縮機構を連結して電動機の駆動力を圧縮機に伝
    達するクランク軸と、前記クランク軸の前記電動機に対
    する軸方向一端側のみを支持する軸受と、を備えた圧縮
    機において、 前記電動機の回転子の重量をm、前記クランク軸の直径
    をd、前記電動機の極数をP、前記回転子の軸方向の厚
    さをla、前記回転子の前記軸受け側の端面から前記軸受
    けの前記回転子側の端面までの距離をlb、前記軸受けの
    軸方向の長さをlc、前記クランク軸の最大運転回転数を
    fmとし、 【数1】 としたとき、 【数2】 を満たすことを特徴とした密閉型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記電動機の極数Pは、P≧6であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記電動機は、DCブラシレスモータで
    あることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記
    載の圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記電動機の回転子の鉄心は、希土類系
    磁石からなることを特徴とする請求項1から4の何れか
    一つに記載の圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記電動機の回転子は、鉄心内部に永久
    磁石を配置した鉄心内部磁石埋込型構造であることを特
    徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記圧縮機が屋内に設置されることを特
    徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の圧縮機。
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