JP2001248526A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JP2001248526A
JP2001248526A JP2000061957A JP2000061957A JP2001248526A JP 2001248526 A JP2001248526 A JP 2001248526A JP 2000061957 A JP2000061957 A JP 2000061957A JP 2000061957 A JP2000061957 A JP 2000061957A JP 2001248526 A JP2001248526 A JP 2001248526A
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hole
fuel
lift amount
lift
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JP2000061957A
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Koichi Mochizuki
孝一 望月
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スワール室側におけるスワール孔の開口面積
を変化させ、エンジンの負荷状態に応じた噴霧特性を得
ることができる燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】 燃料噴射装置のバルブニードル40はリ
フト量が制御され、低負荷のときにはリフト量が小さ
く、高負荷のときにはリフト量が大きくなる。リフト量
の小さな第1リフト状態のとき、スワール室36には第
1スワール孔321のみが開口し、スワール孔の開口面
積は小さい。リフト量が大きな第2リフト状態のとき、
スワール室36には第1スワール孔321だけでなく第
2スワール孔322も開口し、スワール孔の開口面積が
大きくなる。したがって、エンジンの負荷状態に応じて
バルブニードル40のリフト量が変化し、スワール室3
6に開口するスワール孔の面積が変化する。そのため、
噴孔33から噴射される燃料の噴霧特性が変化し、エン
ジンの負荷状態に応じた噴霧特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
内燃機関を「エンジン」という。)に用いられる燃料噴
射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの燃料消費量の低減なら
びにエンジンから排出されるガス中の有害成分の低減を
図るために、ガソリンエンジンであってもエンジンの燃
焼室内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射型ガソリンエ
ンジン(以下、筒内直接噴射型ガソリンエンジンを「直
噴エンジン」という。)の採用が拡大している。
【0003】直噴エンジンでは、負荷に応じて燃焼状態
を成層燃焼または均質燃焼のいずれかに制御する必要が
ある。例えば低負荷時には、燃料消費量を低減するため
に空燃比を希薄化している。そのため、噴射された燃料
を点火プラグの近傍に集中させ、成層燃焼に制御する必
要がある。一方、高負荷時には、出力を増大させるため
に空燃比を過濃化している。そのため、噴射された燃料
を燃焼室内全体に拡散させ、均質燃焼に制御する必要が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の燃料噴射弁で
は、噴霧角度および貫徹力などの噴射特性は燃焼室内の
圧力が一定であれば変化しない。そのため、燃焼状態に
適した混合気を形成するためには、ピストンの頂面部の
形状を設定したり、気流の状態あるいは燃料の噴射タイ
ミングを制御する必要がある。しかし、燃焼状態をエン
ジンの負荷状態に合わせてさらに精密に制御するために
は、上記のような設定または制御では不十分であり、燃
料の噴霧特性を負荷状態に応じて変化させる必要があ
る。
【0005】噴霧特性を変化させる技術として、特開平
5−126012号公報に開示されている燃料噴射装
置、実開平5−24956号公報に開示されている燃料
噴射弁および特開平11−182384号公報に開示さ
れている燃料噴射弁がある。
【0006】特開平5−126012号公報に開示され
ている燃料噴射装置によると、圧電素子を備えており、
圧電素子へ印加する電圧値を制御することにより、この
圧電素子弁部材との間の隙間を流れる燃料のリーク量を
制御している。燃料のリーク量を制御することにより、
燃料の旋回速度を変化させ、噴霧特性を変化させてい
る。
【0007】実開平5―24956号公報に開示されて
いる燃料噴射弁によると、圧電素子を備えており、この
圧電素子によりスワール形成手段を可動とし、スワール
室の容積を変化させている。スワール室の容積を変化さ
せることで燃料の旋回速度を変化させ、噴霧特性を変化
させている。
【0008】しかしながら、上記の特開平5−1260
12号公報に開示されている燃料噴射装置および実開平
5−24956号公報に開示されている燃料噴射弁は、
直噴エンジンに適用するために高温の燃焼室にさらされ
ることとなる。そのため、圧電素子の耐熱性能の確保な
らびに配線のシール性の確保などを図る必要がある。
【0009】また、特開平11−182384号公報に
開示されている燃料噴射弁によると、スワール形成手段
を磁石により可動としている。スワール形成手段を可動
とすることにより、スワール孔の方向を変化させること
で燃料の旋回速度を変化させている。しかし、特開平1
1−182384号公報に開示されている燃料噴射弁で
は、スワール孔の方向を変化させているに過ぎないた
め、燃料の噴霧角度を大きく変化させることはできな
い。
【0010】そこで、本発明の目的は、スワール室側に
おけるスワール孔の開口面積を変化させ、エンジンの負
荷状態に応じた噴霧特性を得ることができる燃料噴射装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
燃料噴射装置によると、スワール形成部材には弁部材の
リフト量が大きくなるにしたがってスワール室側の開口
面積が大きくなるようにスワール孔が形成されている。
弁部材のリフト量が小さいときはスワール孔のスワール
室側の開口面積が小さくなる。そのため、旋回速度の大
きな旋回流が形成され、噴霧角度が大きく貫徹力の小さ
な噴霧を形成することができる。一方、弁部材のリフト
量が大きいときはスワール孔のスワール室側の開口面積
が大きくなる。そのため、旋回速度の小さな旋回流が形
成され、噴霧角度が小さく貫徹力の大きな噴霧を形成す
ることができる。
【0012】したがって、例えばエンジンの負荷が小さ
いときには弁部材のリフト量を小さく、エンジンの負荷
が大きいときには弁部材のリフト量を大きくするように
制御することで、エンジンの負荷状態に応じた噴霧特性
を得ることができる。また、弁部材のリフト量を制御す
ることによりエンジンの燃焼室内へ噴射される燃料の噴
射率を制御することができる。
【0013】本発明の請求項2または3記載の燃料噴射
装置によると、弁部材は第1リフト状態または第2リフ
ト状態のいずれかの状態に制御される。したがって、エ
ンジンの負荷状態に応じて弁部材のリフト状態を2段階
に制御することができる。
【0014】本発明の請求項4記載の燃料噴射装置によ
ると、スワール形成部材は弁部材のリフト状態にかかわ
らずスワール室側が開口している第1スワール孔と、第
2リフト状態のときにのみスワール室側が開口する第2
スワール孔とを有している。そのため、弁部材のリフト
が大きくなるとスワール孔のスワール室側の開口面積が
拡大され、形成される噴霧の噴霧特性を変化させること
ができる。したがって、エンジンの負荷状態に応じた噴
霧特性を得ることができる。
【0015】本発明の請求項5記載の燃料噴射装置によ
ると、第1スワール孔および第2スワール孔は形成され
る旋回流が逆方向になるように形成されている。そのた
め、第1スワール孔のスワール室側および第2スワール
孔のスワール室側が開口する第2リフト状態のとき、各
スワール孔により形成された旋回流は互いに旋回をうち
消すように作用する。したがって、噴霧の噴霧角度が減
少し、噴霧の貫徹力を増大させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を示す一実施
例を図面に基づいて詳細に説明する。本実施例による燃
料噴射装置は、直噴エンジンの燃料噴射装置として適用
される。図2に示すように本実施例による燃料噴射装置
1は、ボディパイプ10、ハウジング20、噴射ノズル
30、弁部材としてのバルブニードル40、付勢手段と
しての第1スプリング51および第2スプリング52、
ならびに電磁駆動装置60などから構成されている。ボ
ディパイプ10および電磁駆動装置60の外周部はモー
ルド樹脂であるケーシング70によって被覆されてい
る。
【0017】ボディパイプ10は概略円筒形状であり、
内部に固定鉄心11およびバルブニードル40に接続さ
れているコア41を収容している。固定鉄心11は円筒
形状であり、内部に第2スプリング52ならびに第2ス
プリング52の付勢力を調整するアジャスティングパイ
プ12を収容している。固定鉄心11の内周側およびア
ジャスティングパイプ12の内周側は、燃料が流通可能
な燃料通路81および燃料通路82である。コア41は
磁性材料から形成されており、コア41と固定鉄心11
とは当接可能である。
【0018】ハウジング20は、内部にボディパイプ1
0およびバルブニードル40などを収容している。ハウ
ジング20の内部は、大径部21、中径部22および小
径部23から構成されている。大径部21にはボディパ
イプ10、中径部22には第1スプリング51、小径部
23には噴射ノズル30がそれぞれ収容されている。大
径部21には、中径部22側の端部にキャップ91が配
設されている。また、中径部22には、小径部23側の
端部にストッパ92が配設されている。キャップ91お
よびストッパ92にはそれぞれ貫通孔91a、92aが
形成されており、貫通孔91a、92aをバルブニード
ル40が貫通している。キャップ91の反固定鉄心側の
端面およびストッパ92の固定鉄心側の端面は、第1ス
プリング51と当接している。
【0019】図1に示すように噴射ノズル30は、弁ボ
ディとしてのノズルボディ31およびスワール形成部材
としてのスワーラ32から構成されている。ノズルボデ
ィ31の反固定鉄心側には噴孔33が形成され、ノズル
ボディ31の内周部の噴孔入口側には弁座部34が設け
られている。スワーラ32は概略円筒形状であり、内周
側にバルブニードル40の移動を支持するニードルガイ
ド35が配置されている。バルブニードル40の外周面
と、ノズルボディ31の内周面と、スワーラ32の内周
面とでスワール室36が形成されている。また、ノズル
ボディ31の内周面とスワーラ32の外周面とで燃料流
路83が形成されている。
【0020】図2に示すようにバルブニードル40は、
コア41と接続されている接合部42、第1円柱部4
3、拡径部44、第2円柱部45、第3円柱部46、第
4円柱部47および円錐部48を有している。接合部4
2には、燃料通路81および燃料通路82を通過した燃
料が流通可能な燃料流通孔84が形成されている。第1
円柱部43、第2円柱部45、第3円柱部46および第
4円柱部47は、それぞれ外径が概略同一になるように
形成されている。拡径部44の外径は、第1円柱部43
および第2円柱部45の外径よりも大きく、コア41側
の端面41aがストッパ92の噴孔側の端面92bと当
接可能である。図1に示すように円錐部48には、ノズ
ルボディ31の弁座部34に着座可能な当接部49が設
けられている。当接部49は、円錐部48の外周面上に
円形に設けられている。
【0021】図2に示すように、付勢手段としての第1
スプリング51および第2スプリング52は、バルブニ
ードル40を噴孔33方向、すなわち閉弁方向へ付勢す
る。第1スプリング51は中径部22の内部に配設さ
れ、噴孔側の端部がストッパ92と当接し、反噴孔側の
端部がキャップ91と当接している。第1スプリング5
1によりストッパ92が噴孔33方向へ付勢されている
ことにより、バルブニードル40のリフトによりストッ
パ92と拡径部44とが当接すると、それ以上バルブニ
ードル40がリフトしないようにバルブニードル40の
移動が規制される。
【0022】第2スプリング52は固定鉄心11の内部
に配設され、噴孔側の端部がコア41と当接し、反噴孔
側の端部がアジャスティングパイプ12と当接してい
る。第2スプリング52は、コア41を介してバルブニ
ードル40を閉弁方向に付勢している。
【0023】電磁駆動装置60は、バルブニードル40
の反噴孔側に固定鉄心11を包囲するように配設されて
いる。電磁駆動装置60は、コイル61ならびにコイル
61が巻回されたスプール62などから構成されてい
る。コイル61に通電することにより固定鉄心11に電
磁吸引力が発生し、コア41とともにバルブニードル4
0を図2の上方へ吸引する。コイル61はターミナル6
3と電気的に接続されており、ターミナル63に印加さ
れる電流がコイル61に加わる。ターミナル63はエン
ジン制御装置(以下、エンジン制御装置を「ECU」と
いう。)2に接続され、エンジンの負荷状態に応じてE
CU2から出力された所定の電流値がターミナル63を
経由してコイル61に印加される。
【0024】ECU2からコイル61には、第1電流値
または第2電流値のいずれか電流値が印加される。第1
電流値はエンジンが低負荷状態にある場合に対応して電
流値が小さく、第2電流値はエンジンが高負荷状態にあ
る場合に対応して電流値が大きく設定されている。その
ため、電流値が小さな第1電流値のときバルブニードル
40のリフト量は小さく、電流値が大きな第2電流値の
ときバルブニードル40のリフト量は大きくなる。
【0025】次に、スワーラ32について説明する。図
1および図3に示すように、スワーラ32は概略円筒形
状であり、スワール室36と燃料流路83とを連通する
スワール孔が形成されている。スワール孔は、バルブニ
ードル40の軸に対し傾斜して形成されている第1スワ
ール孔321と、バルブニードル40の軸に垂直な方向
に形成されている第2スワール孔322とからなる。
【0026】第1スワール孔321は、第2スワール孔
322よりも弁座部34側に形成されている。したがっ
て、燃料流路83とスワール室36とは第1スワール孔
321を経由して常に連通している。これに対し、第2
スワール孔322は、バルブニードル40のリフト量が
大きいときにのみ連通する。これにより、バルブニード
ル40のリフト量が大きくなるにしたがってスワール孔
のスワール室36側の開口面積が大きくなる。
【0027】図3に示すように、第1スワール孔321
と第2スワール孔322とはスワール孔を通過した燃料
が相互に反対方向の旋回流を形成するように設定されて
いる。すなわち、第1スワール孔321を通過した燃料
は図3の時計回りに旋回流を形成するのに対し、第2ス
ワール孔322を通過した燃料は図3の反時計回りに旋
回流を形成する。
【0028】次に、本実施例による燃料噴射装置1の作
動について説明する。図2に示すように、燃料ポンプ3
により燃料タンク4から燃料噴射装置1へ供給された燃
料は、燃料通路81、燃料通路82、燃料流通孔84、
大径部21、中径部22、小径部23、燃料流路83お
よびスワール孔を経由してスワール室36へ供給され
る。
【0029】ECU2から電磁駆動装置60のコイル6
1へ電流が印加されていないとき、バルブニードル40
は第2スプリング52の付勢力により閉弁方向へ付勢さ
れ、バルブニードル40の当接部49はノズルボディ3
1の弁座部34に着座している。このとき、スワール室
36から噴孔33への燃料の流通は遮断され、閉弁状態
である。また、閉弁状態のとき、固定鉄心11とコア4
1との間には所定のクリアランスが設けられている。
【0030】ECU2はエンジンの負荷状態、すなわち
アクセル開度あるいはエンジンの回転数などからコイル
61に印加する電流値を算出する。ECU2から電磁駆
動装置60のコイル61へ第1電流値が印加されると、
固定鉄心11に電磁吸引力が発生し、バルブニードル4
0が図2の上方へ吸引される。第1電流値のとき発生す
る第1電磁吸引力は第2スプリング52の付勢力よりも
大きくなっているため、コア41は固定鉄心11に吸引
される。一方、第1スプリング51の付勢力は第1電磁
吸引力よりも大きいため、バルブニードル40の拡径部
44がストッパ92に当接すると、バルブニードル40
はそれ以上のリフトが規制される。拡径部44とストッ
パ92とが当接したときのバルブニードル40のリフト
状態が図4に示す第1リフト状態である。この第1リフ
ト状態のとき、固定鉄心11とコア41との間のクリア
ランスは閉弁時よりも小さくなる。
【0031】バルブニードル40がリフトすると当接部
49は弁座部34から離間し、燃料はスワール室36か
ら当接部49と弁座部34との間に形成される隙間を経
由して噴孔33へ供給される。そして、燃料は噴孔33
から燃焼室内へ噴射される。
【0032】図4に示すようにバルブニードル40が第
1リフト状態のとき、スワール室36には第1スワール
孔321のみが連通している。これに対し、第2スワー
ル孔322はスワール室36と連通していない。そのた
め、燃料は第1スワール孔321からスワール室36へ
と供給される。スワール室36へ供給された燃料は、旋
回流を形成しながら当接部49と弁座部34との間に形
成される隙間を経由して噴孔33から燃焼室内へ噴射さ
れる。
【0033】ECU2から電磁駆動装置60のコイル6
1へ第2電流値が印加されると、固定鉄心11には第1
電流値が印加されたときよりも強力な第2電磁吸引力が
発生する。第2電流値のとき発生する第2電磁吸引力は
第1スプリング51および第2スプリング52の付勢力
の和よりも大きくなっているため、バルブニードル40
はコア41と固定鉄心11とが当接するまでリフトす
る。コア41と固定鉄心11とが当接したときのバルブ
ニードル40のリフト状態が図5に示す第2リフト状態
である。
【0034】第2リフト状態のとき、当接部49と弁座
部34との間に形成される隙間は図4に示す第1リフト
状態のときと比較して拡大する。図2に示すように第2
リフト状態のとき、スワール室36には第1スワール孔
321だけでなく第2スワール孔322も連通する。
【0035】そのため、燃料は第1スワール孔321お
よび第2スワール孔322からスワール室36へと供給
される。スワール室36へ供給された燃料は、旋回流を
形成しながら当接部49と弁座部34との間に形成され
る隙間を経由して噴孔33から燃焼室内へ噴射される。
【0036】次に、第1リフト状態または第2リフト状
態のときの噴霧特性について説明する。図6は、バルブ
ニードル40のリフト状態とエンジンの負荷および噴霧
の特性との関係を示している。
【0037】第1リフト状態は、エンジンへの負荷が小
さい低負荷時に対応している。第1リフト状態のとき、
スワール室36に開口しているのは第1スワール孔32
1だけであるため、スワール室36に開口するスワール
孔の面積が小さい。そのため、旋回流の旋回速度が大き
くなり、噴孔33から噴射される燃料の噴霧角度は図4
に示すように大きくなる。その一方で、燃料の噴霧角度
が大きくなることにより噴霧の貫徹力は小さくなる。
【0038】また、第1リフト状態のとき、燃料は燃料
流路83から第1スワール孔321のみを通過してスワ
ール室36へと供給される。さらに、当接部49と弁座
部34との間に形成される隙間は小さいため、噴孔33
から噴射される燃料の噴射率は小さくなる。
【0039】この結果、燃焼室の壁面への燃料の付着が
低減され図示しない点火プラグの近傍への混合気生成が
容易に制御できるため、燃焼室内での燃焼状態を成層燃
焼状態とすることができる。
【0040】第2リフト状態は、エンジンへの負荷が大
きい高負荷時に対応している。第2リフト状態のとき、
スワール室36には第1スワール孔321だけでなく第
2スワール孔322も開口しているため、スワール室3
6に開口するスワール孔の面積が第1リフト状態のとき
と比較して大きくなる。そのため、旋回流の旋回速度が
小さくなり、噴孔33から噴射される燃料の噴霧角度は
図5に示すように小さくなる。その一方で、燃料の噴霧
角度が小さくなることにより噴霧の貫徹力は大きくな
る。
【0041】また、第2リフト状態のとき、燃料は燃料
流路83から第1スワール孔321だけでなく第2スワ
ール孔322を通過してスワール室36へと供給され
る。さらに、当接部49と弁座部34との間に形成され
る隙間は大きいため、噴孔33から噴射される燃料の噴
射率は大きくなる。
【0042】この結果、噴霧は大きな貫徹力により図示
しない燃焼室のピストンの頂面部に衝突し噴霧は燃焼室
全体に拡散して混合気を生成する。そのため、燃焼室内
での燃焼状態は均質燃焼状態とすることができる。
【0043】以上説明したように、本発明の一実施例に
よる燃料噴射装置1は、エンジンの負荷が小さいときに
はバルブニードル40のリフト量が小さく、エンジンの
負荷が大きいときにはバルブニードル40のリフト量が
大きくなるように2段階に制御することができる。バル
ブニードル40のリフト量を制御することで、第1スワ
ール孔321および第2スワール孔322のスワール室
36側の開口面積を変化させることができ、その結果ス
ワール室36で形成される旋回流の旋回速度を変化させ
ることができる。したがって、エンジンの負荷状態に応
じて噴霧特性および燃料の噴射率を制御することがで
る。
【0044】また、エンジンの負荷状態に応じてバルブ
ニードル40のリフト量を制御して、燃料の噴霧特性お
よび燃料の噴射率を制御することにより、エンジンの負
荷が小さいときには成層燃焼状態を確保して燃料消費量
の低減および排出ガス中の有害成分の低減を図ることが
できる。一方、エンジンの負荷が大きいときには均質燃
焼状態を確保してエンジンの出力を増大させることがで
きる。
【0045】以上、本発明の一実施例による燃料噴射装
置では、第1スワール孔および第2スワール孔は逆方向
の旋回流となるように形成しているが、同一方向の旋回
流となるように第1スワール孔および第2スワール孔を
形成することもできる。同一の方向の旋回流が形成され
る場合であっても、スワール孔のスワール室側の開口面
積が大きくなることで旋回流の旋回速度は小さくなる。
また、エンジンの燃焼室の形状に応じて所望の噴霧の形
状を得るために、スワール形成方向およびバルブニード
ル軸方向の角度を任意に設定して第1スワール孔および
第2スワール孔を配置することも可能である。
【0046】また、実施例ではバルブニードルのリフト
量が2段階に変化する例について説明したが、リフト量
を3段階以上に変化させる場合、または無段階に連続的
にリフト量を変化させる場合であっても本発明を適用す
ることができる。さらに、スワール孔についても実施例
ではリフト量が2段階に変化するのに対応して開口面積
を2段階に変化させた例について説明したが、スワール
孔の開口面積がリフト量に応じて無段階に変化する形態
であっても本発明を適用することができる。
【0047】さらにまた、バルブニードルのリフト量を
コイルへ印加される電流値により制御する例について説
明したが、コイルへ印加される電圧値によりバルブニー
ドルのリフト量を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による燃料噴射装置の噴射ノ
ズル近傍を拡大した断面図である。
【図2】本発明の一実施例による燃料噴射装置を示す断
面図である。
【図3】図1のIII−III線で切断した断面図である。
【図4】図1と同一の部位を示す断面図であって、第1
リフト状態のときを示す図である。
【図5】図1と同一の部位を示す断面図であって、第2
リフト状態のときを示す図である。
【図6】エンジンの負荷状態と燃料の噴霧特性などとの
関係を表に示した図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射装置 31 ノズルボディ(弁ボディ) 32 スワーラ(スワール形成部材) 33 噴孔 34 弁座部 36 スワール室 40 バルブニードル(弁部材) 49 当接部 51 第1スプリング(第1付勢手段) 52 第2スプリング(第2付勢手段) 60 電磁駆動装置 321 第1スワール孔 322 第2スワール孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴孔の入口側に弁座部が設けられている
    弁ボディと、 前記弁座部に着座可能な当接部が設けられている弁部材
    と、 前記弁部材を着座方向へ付勢する付勢手段と、 印加される電流値または電圧値に応じて前記弁部材のリ
    フト量を制御しつつ駆動する電磁駆動装置と、 前記弁ボディおよび前記弁部材と協働してスワール室を
    形成し、前記弁部材のリフト量が大きくなるにしたがっ
    て前記スワール室側の開口面積が大きくなるスワール孔
    が形成されているスワール形成部材と、 を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記弁部材は、前記電磁駆動装置に印加
    される電流値または電圧値により、第1リフト状態また
    は前記第1リフト状態よりもリフト量が大きな第2リフ
    ト状態のいずれかに制御されることを特徴とする請求項
    1記載の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記付勢手段は、前記第1リフト状態の
    ときの前記電磁駆動装置の電磁吸引力よりも付勢力が大
    きく第2リフト状態のときの電磁吸引力よりも付勢力が
    小さな第1付勢手段と、前記第1リフト状態のときの前
    記電磁駆動装置の電磁吸引力よりも付勢力が小さな第2
    付勢手段とを有していることを特徴とする請求項2記載
    の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記スワール形成部材は、前記弁部材の
    リフト状態にかかわらず前記スワール室側が開口してい
    る第1スワール孔と、前記弁部材が前記第2リフト状態
    のときに前記スワール室側が開口する第2スワール孔と
    を有していることを特徴とする請求項2または3記載の
    燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記第1スワール孔と前記第2スワール
    孔とは、相互に逆方向の旋回流を形成するように配置さ
    れていることを特徴とする請求項4記載の燃料噴射装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223026A (ja) * 2009-03-20 2010-10-07 Denso Corp 燃料噴射弁

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