JP2001247908A - 微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法 - Google Patents
微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法Info
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Abstract
の原因となる炉芯表層部の通気通液性の悪化を従来のよ
うに燃料比を上げずに安定した高炉操業を長期的に維持
するための高炉炉心の昇温方法を提供する。 【解決手段】 微粉炭吹き込み操業において、高炉羽口
から微粉炭と共にSiO 2 系フラックスを高炉内に吹き
込むことを特徴とする微粉炭吹き込み操業における炉芯
昇熱方法。
Description
し、特に高炉羽口からの微粉炭吹き込み操業における炉
芯昇熱方法に関するものである。
かも熱効率が90%と高い。このため、現在でも銑鉄製
造の主流となっている。しかし、高炉は巨大な向流移動
層であるために、生産性、生産弾力性等に問題があり、
安定した生産性と溶銑品質の確保のためにはより一層の
制御性の向上が望まれている。また、高炉では鉄源コス
ト競争力強化の観点から、安価原燃料の多量使用や高微
粉炭比高O/C操業が実施されつつある。例えば、微粉
炭比で100kg/t以上の微粉炭を高炉羽口から吹き
込み、且つ1チャージあたりの鉱石とコークスの装入重
量比(O/C)が4.0以上であるような高微粉炭比高
O/Cの操業下では、微粉炭比の増大に伴う炉内の粉率
上昇やO/Cの増大に伴う融着帯の垂れ下がり等が発生
し、特に高炉炉芯部の通気通液性が低下しやすくなる。
流れの不均一さの問題を引き起こすため、安定した高生
産性操業を継続するためには、高微粉炭比高O/Cの操
業時における有効な炉芯の活性化技術の確立が望まれて
いる。
場合の対策としては、従来から知られている燃料比上昇
や水蒸気添加のほかにも、最近いくつかの炉芯活性化方
法が開示されている。例えば、特開平6−93319号
公報、特開平6−93320号公報では、高炉の休風時
に複数の羽口を介して高炉炉芯部の特性を測定すること
により炉芯部の状態を判定し、加熱が必要な炉芯部位の
近傍にある羽口から中空パイプを挿入して、その部位の
コークスをサンプリングすることにより通気孔を設ける
方法がある。
は、高炉休風時あるいは操業時に炉芯粉率を測定し、粉
率が20%以上の場合に加熱が必要な部位や粉除去が必
要な部位の近傍にある羽口から中空パイプを挿入して炉
芯内コークスをサンプリングすることにより空洞の通気
孔を設ける方法が提示されている。
19号公報、特開平6−93320号公報、特開平7−
268416号公報で示されている方法、すなわち羽口
から炉芯内コークスのサンプリングを行い炉芯内に空洞
の通気孔を設ける方法では、高炉休風時のコークスサン
プリングにより形成された炉芯内の空洞の通気孔が送風
立ち上げ時に確実に維持されている保証はない。したが
って、上記のような炉芯の通気孔から炉芯内へ高温ガス
の一部を吹き込むことにより炉芯内のコークス、メタ
ル、スラグを加熱したり、コークス粉除去を行う方法で
は、送風立ち上げ時の炉芯の通気孔の状態により、その
効果にバラツキが生じてしまうため、安定して予想通り
の効果を得ることは困難である。
空洞の通気孔が仮に送風立ち上げ時に確実に維持されて
炉芯部の温度が一時的に上昇したとしても、炉芯表層部
位の通気通液性を悪化させる根本的な原因を解消したわ
けではないため、操業時に再度炉芯部に通気性通液性の
悪い部位が形成される可能性は大きい。
に鑑み、特に高炉の微粉炭吹き込み操業時に炉芯温度低
下の原因となる炉芯表層部の通気通液性の悪化を従来の
ように燃料比を上げずに根本的に解消することを目的と
するものである。
ろは、以下の通りである。 (1)微粉炭吹き込み操業において、高炉羽口から微粉
炭と共にSiO2 系フラックスを高炉内に吹き込む微粉
炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。 (2)前記SiO2 系フラックスの粒径が0.01mm
超から2mm未満である上記(1)に記載の微粉炭吹き
込み操業における炉芯昇熱方法。 (3)微粉炭吹き込み操業において、高炉羽口から微粉
炭と共にSiO2 系フラックスとMgO系フラックスの
混合フラックスを高炉内に吹き込む微粉炭吹き込み操業
における炉芯昇熱方法。 (4)前記SiO2 系フラックスと前記MgO系フラッ
クスのそれぞれの粒径が0.01mm超から2mm未満
である上記(3)に記載の微粉炭吹き込み操業における
炉芯昇熱方法。
系フラックスを高炉内に吹き込む際に、前記微粉炭と前
記SiO2 系フラックスを高炉羽口のブローパイプ内に
臨ませた1本のランスを通して高炉内に吹き込む上記
(1)または(2)の何れかに記載の微粉炭吹き込み操
業における炉芯昇熱方法。 (6)高炉羽口から微粉炭と共にSiO2 系フラックス
とMgO系フラックスの混合フラックスを高炉内に吹き
込む際に、前記微粉炭と前記混合フラックスを高炉羽口
のブローパイプ内に臨ませた1本のランスを通して高炉
内に吹き込む上記(3)または(4)の何れかに記載の
微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。 (7)高炉羽口から微粉炭と共にSiO2 系フラックス
を高炉内に吹き込む際に、前記微粉炭と前記SiO2 系
フラックスを高炉羽口のブローパイプ内に臨ませた2本
の吹き込みランスを通してそれぞれ別々に高炉内に吹き
込む上記(1)または(2)の何れかに記載の微粉炭吹
き込み操業における炉芯昇熱方法。 (8)高炉羽口から微粉炭と共にSiO2 系フラックス
とMgO系フラックスの混合フラックスを高炉内に吹き
込む際に、前記微粉炭と前記混合フラックスを高炉羽口
のブローパイプ内に臨ませた2本の吹き込みランスを通
してそれぞれ別々に高炉内に吹き込む上記(3)または
(4)の何れかに記載の微粉炭吹き込み操業における炉
芯昇熱方法。
からなる上記(1)ないし(8)の何れか1項に記載の
微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。 (10)前記SiO2 系フラックスが粉蛇紋岩からなる
上記(1)ないし(8)の何れか1項に記載の微粉炭吹
き込み操業における炉芯昇熱方法。 (11)前記MgO系フラックスが粉ドロマイトからな
る上記(3)、(4)、(6)、(8)の何れか1項に
記載の微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。 (12)前記微粉炭の吹き込み量が150kg/t以上
である上記(1)ないし(11)の何れか1項に記載の
微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。
高微粉炭吹き込み操業において顕著になる炉芯部の通気
通液性の悪化及び炉芯部の温度低下のメカニズムについ
て検討した。一般に、高炉の炉芯部の昇温は、高炉上部
から滴下してくるメタル及びスラグからの伝熱とレース
ウェイで発生する高温の還元ガスからの伝熱により行わ
れることが知られている。
/C操業において発生する炉芯温度低下の原因は、高O
/C操業に起因する融着帯レベルの低下や微粉炭吹き込
み量の増大に伴う炉内粉率上昇であると考え、その対策
としてO/Cの低下により融着帯レベルの上昇、すなわ
ち炉下部の熱レベルを上昇させたり、微粉炭吹き込み量
の低下により炉内粉率を低下させることにより炉芯温度
の活性化を行っていた。しかしながら、この方法では燃
料比が上がるため銑鉄の生産量の低下や生産コストの上
昇の問題を招いていた。
燃料比指向の高O/C操業における炉芯部の温度低下メ
カニズムを実験等により詳細に調査した結果、その原因
は上記の他に、羽口から吹き込む微粉炭中のAshに含
まれるAl2 O3 およびSiO2 に起因してレースウェ
イ奥で生成されるスラグのAl2 O3 濃度および塩基度
(CaO/SiO2 )が増加し、スラグの融点および粘
度が上昇するために、炉芯内部への還元ガスの通気性や
滴下メタルおよびスラグの通液性を阻害し、その結果、
炉芯内部への伝熱量が減少し、最終的に炉芯温度が低下
することが判った。
プリングを行い、その中の滴下スラグを分析した結果を
示す。図1および図2から分かるようにレースウェイ奥
(羽口先端から約1.5mの近傍位置)の滴下スラグ中
の塩基度(CaO/SiO2)およびAl2 O3 の濃度
がレースウェイ内や炉芯内に比べてそれぞれ高いことが
判る。本発明者らは、上記の現象を次のように考察し
た。一般に微粉炭Ash中に80%前後のAl2 O3 、
SiO2 が含有されているが、図3に示すように羽口か
らレースウェイ内に吹き込まれた微粉炭のAsh中のS
iO2 は、コークス中あるいは微粉炭中のカーボン
(C)と反応してSiOガスとなるため、レースウェイ
奥に飛散していくAshの成分は、吹き込み直前の微粉
炭のAsh成分に比べてSiO2 濃度が低くAl2 O3
濃度が高いものとなる。
にレースウェイ奥で生成される滴下スラグ中の塩基度
(CaO/SiO2 )及びAl2 O3 の濃度が、レース
ウェイ内や炉芯内に比べて高くなる原因は、上記のメカ
ニズムでAl2 O3 濃度が高く、SiO2 濃度が低いA
shがレースウェイ奥に付着蓄積するためであると考え
られる。この結果、レースウェイ奥の滴下スラグ中のA
l2 O3 濃度が上昇し、SiO2 濃度が低下することに
より、滴下スラグの融点及び粘度は上昇するため、スラ
グは滴下し難くなりレースウェイ奥に滞留するようにな
り、最終的にレースウェイ奥における炉芯への高温還元
ガスの通気性及び滴下メタル・スラグの通液性が悪化す
る。以上のよううな現象は、多量微粉炭吹き込み操業時
のように、コークス中に比べて反応性が高い微粉炭中の
Ashが多く吹き込まれる場合に顕著になると予想され
る。
吹き込み操業時に燃料比を上げずに、羽口からフラック
スを吹き込むことでレースウェイ奥のスラグ組成(スラ
グ中のSiO2 及びAl2 O3 含有量)を制御し、スラ
グの融点及び粘度を低下し、炉芯への通気性通液性の向
上及び炉心の昇温を行う方法について検討した。
4は、本発明の一例として高炉羽口からランスを用いて
微粉炭と共にフラックスを吹き込む方法を示す。通常、
高炉炉内4への送風は、高炉炉壁1に設けられた羽口2
の後端に連結されたブローパイプ3を介して、加熱空気
等の高温ガスを供給することにより行われる。本発明に
おいて微粉炭及びフラックスの吹き込みは、前記ブロー
パイプ3を貫通してガス通路内に開口されたランス7お
よび8を用いて行われ、微粉炭とフラックスの混合物を
ランス7のみを介して、或いは微粉炭およびフラックス
をそれぞれランス7および8を介して、ガス通路内に吹
き込まれる。
スによる噴流域5が形成され、さらに炉内4に充填され
たコークスが旋回しながら燃焼する領域、すなわちレー
スウェイ6が形成される。ランス7から吹き込まれた微
粉炭は、その中に含まれるAshの含有成分であるSi
O2 が噴流域5の中で、コークス中のカーボン(C)、
或いは吹き込まれた微粉炭中のカーボン(C)と反応し
てSiOとなるため、微粉炭Ash中のSiO2 濃度は
低下し、Al2 O3 濃度は相対的に上昇する。このよう
にして、Al2 O3 濃度および塩基度(CaO/SiO
2 )が高くなった微粉炭中のAshは、レースウェイ6
奥のコークス充填層の空隙に付着蓄積して、高融点及び
高粘性の滴下スラグを形成し、これが炉芯への通気通液
性を悪化させる原因となる。
改善するためには、レースウェイ奥に到達するAshの
Al2 O3 濃度と塩基度(CaO/SiO2 )を低下さ
せる方法が有効であり、そのためにSiO2 濃度の高い
フラックスを吹き込むことで達成できると考え、種々の
フラックスについて検討をおこなった。先ず、本発明者
らは、吹き込むフラックスの種類として、SiO2 濃度
の高いSiO2 系フラックスとして珪石粉を考えた。し
かし、この珪石粉のようなSiO2 系フラックスを用い
た場合、珪石粉中のSiO2 成分の一部がコークス中あ
るいは微粉炭中のカーボン(C)と反応してSiOとな
るため、レースウェイ奥のAsh中のAl2 O3 濃度お
よび塩基度(CaO/SiO2 )の低下は期待できるも
のの、同時に溶銑中のSiを上昇させることがわかっ
た。
2 を含有し、且つSiO2 とカーボン(C)によるSi
O生成反応を抑制するフラックスとしてSiO2 とMg
Oをそれぞれ40%弱含む蛇紋岩粉に着目した。本発明
者らの実験によれば、この蛇紋岩粉をフラックスとして
用いた場合、蛇紋岩粉中に多量に含有するMgOが微粉
炭Ash中のSiO2 の活量を低下させ、SiO2 とコ
ークス中あるいは微粉炭中のカーボン(C)との反応
(SiO生成反応)を抑制する作用があるため、溶銑中
のSiを上昇させることなく、レースウェイ奥のAsh
中のAl2 O3 濃度及び塩基度(CaO/SiO2 )を
低下できる。
用いた場合、同等な効果を得る方法として、珪石粉のよ
うなSiO2 濃度の高いSiO2 系フラックスとドロマ
イト粉のようなMgO濃度の高いMgO系フラックスを
予め混合させて、混合物フラックスとして用いることも
有効である。本発明では、SiO2 系フラックスを単独
で吹き込むか、SiO2 系フラックスとMgO系フラッ
クスを混合して吹き込むかのどちらを採用するかは、高
炉の操業条件によって使い分けることがより好ましい。
せるためには、フラックスがレースウェイ奥に到着し、
滴下スラグと接触して効率良く同化反応することが必要
であり、そのためにはSiO2 系フラックスおよびMg
O系フラックスのそれぞれの粒径を0.01mm超から
2mm未満の範囲にすることが適正であることが判っ
た。すなわち、上記フラックスの粒径が0.01mm以
下では、フラックスが高炉内に吹き込まれた後、炉内ガ
スの上昇流に随伴されて上方に運ばれて、目的とするレ
ースウェイ奥に到達しなくなる。また、上記フラックス
の粒径が2mm以上になると、フラックスはレースウェ
イ奥に到達するものの、フラックス粒径が大きすぎるた
めに滴下スラグとの同化反応が効率良く進行しない。
は、予め微粉炭とフラックスを混合して1本のランスを
介して羽口内の高温ガス通路中に吹き込む方法(混合吹
き込み)、微粉炭とフラックスを2本ランスを介して別
々に羽口内の高温ガス通路中に吹き込む方法(単独吹き
込み)の何れも、本願の目的とするレースウェイ奥の滴
下スラグの塩基度およびAl2 O3 濃度の低下にとって
有効である。前者と後者の吹き込み方法を比較するなら
ば、前者のフラックスと微粉炭との混合吹き込みの方法
は、後者のラックスの単独吹き込み方法に比べて、フラ
ックスの温度が、混合された微粉炭の燃焼に伴い200
0℃前後に急激に上昇し、フラックスは十分に溶融した
状態でレースウェイ奥に到着できるため、滴下スラグの
塩基度(CaO/SiO2 )およびAl2 O3 濃度を有
効に低下できるという利点がある。
との混合吹き込みの方法は、後者のフラックスの単独吹
き込み方法に比べて、フラックスと微粉炭が混合されて
いるため、フラックス中SiO2 が微粉炭中のカーボン
(C)と反応してSiOになりやすく、溶銑中Siが上
昇する可能性がある。したがって、これらのフラックス
吹き込み方法のどちらを採用するかは、吹き込むフラッ
クスの成分値、物性値、あるいは個々の高炉のレースウ
ェイ状態によって使い分けることがより好ましい。な
お、本発明においては、微粉炭の吹き込み量が150k
g/t以上の高微粉炭比操業においてより大きな効果が
期待できる。
実施について以下説明する。実施例に用いた微粉炭吹き
込み用ランスの先端は何れも羽口先端から0.3m内部
に入った羽口内である。
m3 の高炉にて、微粉炭とフラックス(珪石粉)の混合
吹き込みを1本のランスにて行った。微粉炭比(PCR
=180kg/t)、1チャージあたりの鉱石とコーク
スの装入重量比(O/C)が5.5という操業条件であ
り、炉下部の通気状態を表す下部K値が上昇し溶銑温度
が1480℃未満になる割合が増加傾向にあり、炉下部
の通気性・炉熱状態が厳しいことが予想された。休風時
に羽口サンプリングを行ったが、レースウェイ奥の羽口
先端から1.5m〜2.0mの範囲でサンプラーの挿入
速度が急激に低下し、サンプラーの深度は3mと浅かっ
た。レースウェイ奥の滴下スラグのAl2 O3 は17
%、CaO/SiO2 は1.4と高く、高粘性・高融点
の滴下スラグが形成されていた。
から2mm未満の範囲にある珪石粉を微粉炭とともに溶
銑t当たり8kg/tの吹き込みを行った結果、1週間
後から徐徐に溶銑温度が1480℃以上になる割合が増
加し下部K値が低下傾向を示した。溶銑中Siは0.4
1%とフラックス吹き込み前に比べて0.01%上昇と
若干の上昇に留まった。休風時に羽口サンプリングを行
ったが、レースウェイ奥の羽口先端から1.5m〜2.
0mの範囲でサンプラーの挿入速度の急激な低下がな
く、サンプラーの深度は4.5mまで上昇した。レース
ウェイ奥の滴下スラグのAl2 O3 は14%、CaO/
SiO2 は1.2とフラックス吹き込み前の休風時に比
べて大幅に低下していた。
m3 の高炉にて、微粉炭とフラックス(蛇紋岩粉)の混
合吹き込みを1本のランスにて行った。微粉炭比(PC
R=180kg/t)、1チャージあたりの鉱石とコー
クスの装入重量比(O/C)が5.5という操業条件で
あり、炉下部の通気状態を表す下部K値が上昇し溶銑温
度が1480℃未満になる割合が増加傾向にあり、炉下
部の通気性・炉熱状態が厳しいことが予想された。休風
時に羽口サンプリングを行ったが、レースウェイ奥の羽
口先端から1.5m〜2.0mの範囲でサンプラーの挿
入速度が急激に低下し、サンプラーの深度は2.5mと
浅かった。レースウェイ奥の滴下スラグのAl2 O3 は
17.5%、CaO/SiO2 は1.35と高く、高粘
性・高融点の滴下スラグが形成されていた。
から2mm未満の範囲にある蛇紋岩粉を微粉炭とともに
溶銑t当たり16kg/tの吹き込みを行った結果、1
週間後から徐徐に溶銑温度が1480℃以上になる割合
が増加し下部K値が低下傾向を示した。溶銑中Siは
0.40%とフラックス吹き込み前に比べて全く変化が
なかった。休風時に羽口サンプリングを行ったが、レー
スウェイ奥の羽口先端から1.5m〜2.0mの範囲で
サンプラーの挿入速度の急激な低下がなく、サンプラー
の深度は4.3mまで上昇した。レースウェイ奥の滴下
スラグのAl2 O3 は14.5%、CaO/SiO2 は
1.22とフラックス吹き込み前の休風時に比べて大幅
に低下していた。
m3 の高炉にて、微粉炭吹き込みランスとは別のランス
からフラックス(珪石粉)の単独吹き込みを行った。微
粉炭比(PCR=180kg/t)、1チャージあたり
の鉱石とコークスの装入重量比(O/C)が5.5とい
う操業条件であり、炉下部の通気状態を表すK値が上昇
し溶銑鉄温度が1480℃未満になる割合が増加傾向に
あり、炉下部の通気性・炉熱状態が厳しいころが予想さ
れた。休風時に羽口サンプリングを行ったが、レースウ
ェイ奥の羽口先端から1.5m〜2.0mの範囲でサン
プラーの挿入速度が急激に低下し、サンプラーの深度は
3.1mと浅かった。レースウェイ奥の滴下スラグのA
l2 O3 は18%、CaO/SiO2 は1.37と高
く、高粘性・高融点の滴下スラグが形成されていた。
から2mm未満の範囲にある珪石粉を微粉炭とともに溶
銑t当たり7.5kg/tの吹き込みを行った結果、1
週間から徐々に溶銑温度が1480℃以上になる割合が
増加し下部K値が低下傾向を示した。溶銑中Siは0.
40%とフラックス吹き込み前に比べて全く変化がなか
った。休風時に羽口サンプリングを行ったが、レースウ
ェイ奥の羽口先端から1.5m〜2.0mの範囲でサン
プラーの挿入速度の急激な低下がなく、サンプラーの深
度は4.5mまで上昇した。レースウェイ奥の滴下スラ
グのAl2 O3は14.4%、CaO/SiO2 は1.
21とフラックス吹き込み前の休風時に比べて大幅に低
下していた。
m3 の高炉にて、微粉炭吹き込みランスとは別のランス
からフラックス(蛇紋岩粉)の単独吹き込みを行った。
微粉炭比(PCR=180kg/t)、1チャージあた
りの鉱石とコークスの装入重量比(O/C)が5.5と
いう操業条件であり、炉下部の通気状態を表す下部K値
が上昇し溶銑温度が1480℃未満になる割合が増加傾
向にあり、炉下部の通気性・炉熱状態が厳しいことが予
想された。休風時に羽口サンプリングを行ったが、レー
スウェイ奥の羽口先端から1.5m〜2.0mの範囲で
サンプラーの挿入速度が急激に低下し、サンプラーの深
度は3.1mと浅かった。レースウェイ奥の滴下スラグ
のAl2 O3 は18.5%、CaO/SiO2 は1.3
6と高く、高粘性・高融点の滴下スラグが形成されてい
た。
から2mm未満の範囲にある蛇紋岩粉を微粉炭とともに
溶銑t当たり15kg/tの吹き込みを行った結果、1
週間後から徐徐に溶銑温度が1480℃以上になる割合
が増加し下部K値が低下傾向を示した。溶銑中Siは
0.38%とフラックス吹き込み前に比べて0.01%
低下した。休風時に羽口サンプリングを行ったが、レー
スウェイ奥の羽口先端から1.5m〜2.0mの範囲で
サンプラーの挿入速度の急激な低下がなく、サンプラー
の深度は4.4mまで上昇した。レースウェイ奥の滴下
スラグのAl2 O3 は14.2%、CaO/SiO2 は
1.21とフラックス吹き込み前の休風時に比べて大幅
に低下していた。
料比指向の高O/C操業において、燃料比を上げずに、
羽口から高SiO2 系フラックスを吹き込むことによ
り、炉芯への通気性通液性の低下の原因となっているレ
ースウェイ奥の高Al2 O3 濃度、高CaO/SiO2
スラグのAl2 O3 濃度、CaO/SiO2 を低下させ
て、レースウェイ奥の滴下スラグの融点・粘性を下げる
ことができる。したがって、高微粉炭比高O/C操業に
おいて、炉芯への通気性通液性を常に良好な状態に維持
できることにより、高微粉炭比高O/C下での安定操業
を長期的に継続できるなど、高炉操業に有効な効果をも
たらすものである。
であり、羽口先端からの距離と塩基度(C/S=CaO
/SiO2 )を示す図。
であり、羽口先端からの距離とAl2 O3 濃度を示す
図。
O3 が高濃度になるメカニズムを説明するための図。
ための図。
合物の吹き込み用ランス 8 フラックス吹き込み用ランス
Claims (12)
- 【請求項1】 微粉炭吹き込み操業において、高炉羽口
から微粉炭と共にSiO2 系フラックスを高炉内に吹き
込むことを特徴とする微粉炭吹き込み操業における炉芯
昇熱方法。 - 【請求項2】 前記SiO2 系フラックスの粒径が0.
01mm超から2mm未満であることを特徴とする請求
項1に記載の微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方
法。 - 【請求項3】 微粉炭吹き込み操業において、高炉羽口
から微粉炭と共にSiO2 系フラックスとMgO系フラ
ックスの混合フラックスを高炉内に吹き込むことを特徴
とする微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。 - 【請求項4】 前記SiO2 系フラックスと前記MgO
系フラックスのそれぞれの粒径が0.01mm超から2
mm未満であることを特徴とする請求項3に記載の微粉
炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。 - 【請求項5】 高炉羽口から微粉炭と共にSiO2 系フ
ラックスを高炉内に吹き込む際に、前記微粉炭と前記S
iO2 系フラックスを高炉羽口のブローパイプ内に臨ま
せた1本のランスを通して高炉内に吹き込むことを特徴
とする請求項1または2の何れかに記載の微粉炭吹き込
み操業における炉芯昇熱方法。 - 【請求項6】 高炉羽口から微粉炭と共にSiO2 系フ
ラックスとMgO系フラックスの混合フラックスを高炉
内に吹き込む際に、前記微粉炭と前記混合フラックスを
高炉羽口のブローパイプ内に臨ませた1本のランスを通
して高炉内に吹き込むことを特徴とする請求項3または
4の何れかに記載の微粉炭吹き込み操業における炉芯昇
熱方法。 - 【請求項7】 高炉羽口から微粉炭と共にSiO2 系フ
ラックスを高炉内に吹き込む際に、前記微粉炭と前記S
iO2 系フラックスを高炉羽口のブローパイプ内に臨ま
せた2本の吹き込みランスを通してそれぞれ別々に高炉
内に吹き込むことを特徴とする請求項1または2の何れ
かに記載の微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。 - 【請求項8】 高炉羽口から微粉炭と共にSiO2 系フ
ラックスとMgO系フラックスの混合フラックスを高炉
内に吹き込む際に、前記微粉炭と前記混合フラックスを
高炉羽口のブローパイプ内に臨ませた2本の吹き込みラ
ンスを通してそれぞれ別々に高炉内に吹き込むことを特
徴とする請求項3または4の何れかに記載の微粉炭吹き
込み操業における炉芯昇熱方法。 - 【請求項9】 前記SiO2 系フラックスが粉珪石から
なることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に
記載の微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。 - 【請求項10】 前記SiO2 系フラックスが粉蛇紋岩
からなることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1
項に記載の微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法。 - 【請求項11】 前記MgO系フラックスが粉ドロマイ
トからなることを特徴とする請求項3、4、6、8の何
れか1項に記載の微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱
方法。 - 【請求項12】 前記微粉炭の吹き込み量が150kg
/t以上であることを特徴とする請求項1ないし11の
何れか1項に記載の微粉炭吹き込み操業における炉芯昇
熱方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-372113 | 1999-12-28 | ||
JP37211399 | 1999-12-28 | ||
JP2000389675A JP3943831B2 (ja) | 1999-12-28 | 2000-12-22 | 微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法 |
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JP3943831B2 JP3943831B2 (ja) | 2007-07-11 |
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JP2000389675A Expired - Lifetime JP3943831B2 (ja) | 1999-12-28 | 2000-12-22 | 微粉炭吹き込み操業における炉芯昇熱方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3943831B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005307303A (ja) * | 2004-04-23 | 2005-11-04 | Jfe Steel Kk | 高炉操業方法 |
JP2008231507A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Kobe Steel Ltd | 粉体複合吹き込み高炉操業方法 |
-
2000
- 2000-12-22 JP JP2000389675A patent/JP3943831B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
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JP2005307303A (ja) * | 2004-04-23 | 2005-11-04 | Jfe Steel Kk | 高炉操業方法 |
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