JP2001246599A - マイクロレンズ成形型及びマイクロレンズ基板の製造方法 - Google Patents

マイクロレンズ成形型及びマイクロレンズ基板の製造方法

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JP2001246599A
JP2001246599A JP2000055865A JP2000055865A JP2001246599A JP 2001246599 A JP2001246599 A JP 2001246599A JP 2000055865 A JP2000055865 A JP 2000055865A JP 2000055865 A JP2000055865 A JP 2000055865A JP 2001246599 A JP2001246599 A JP 2001246599A
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microlens
concave
curved surface
forming
mold
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Hiromi Saito
広美 斉藤
Shinichi Yotsuya
真一 四谷
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロレンズの形状精度を向上させること
ができるとともに製造が容易なマイクロレンズ成形型の
構造を提供する。また、高い形状精度を有し、しかも製
造が容易なマイクロレンズの製造方法を提供する。 【解決手段】 シリコン基板10の表面にマスク層11
を形成し、このマスク層11にピンホール11aと開口
部11bを穿設する。この後、開口部11bに樹脂12
を塗布した状態で、湿式エッチング法によってピンホー
ル11aから略等方的にシリコン基板10をエッチング
して半球状の凹曲面部10aを形成し、その後、樹脂1
2を除去してから、シリコン基板13をマスクとしてド
ライエッチングによって凹部10bを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロレンズ成形
型及びマイクロレンズ基板の製造方法に係り、特に、微
細なマイクロレンズアレイを高精度に製造する場合に好
適な製造方法及びその成形型の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロレンズアレイを形成する
方法としてフォトポリマー法と呼ばれる方法がある。こ
の方法では、図10(a)に示すように、例えば、表面
に曲面形状部20aを形成したマイクロレンズ成形型2
0に、紫外線硬化型の未硬化の透明樹脂22を介してガ
ラス基板21を接着し、紫外線を照射して透明樹脂22
を硬化させることにより曲面形状部20aに対応した光
学面22aを成形し、ガラス基板21及び透明樹脂22
をマイクロレンズ成形型20から離型させた後、図10
(b)に示すように、この光学面22a上に異なる屈折
率を有する透明樹脂23を介してガラス基板24を接着
する。
【0003】また、上記方法を用いて液晶パネルの構成
要素であるパネル基板を形成する場合には、図10
(c)に示すようにガラス基板24を研削加工、研磨加
工或いはエッチング加工などによって薄肉化し、その
後、図10(d)に示すようにガラス基板24の表面上
に遮光膜26及び透明電極27を形成する。
【0004】上記の方法では、マイクロレンズ成形型を
用いるために効率的且つ量産性良くマイクロレンズを製
造することができる。上記のマイクロレンズ成形型は、
例えば、ガラス基板の表面をマイクロレンズの光学面に
対応した凹曲面形状にエッチングすることによって形成
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
マイクロレンズアレイにおいては、透明樹脂22及び2
3を介してガラス基板を接着しているため、透明樹脂2
2,23の厚さのばらつきによって充分な光学的精度を
得ることができないという問題点がある。特に、マイク
ロレンズアレイを組み込んだ液晶パネルを構成する場
合、一方のパネル基板にマイクロレンズアレイを構成
し、このマイクロレンズアレイを含むパネル基板と他の
パネル基板を貼り合わせて液晶パネルを製造するため、
マイクロレンズアレイの形状精度によって液晶パネル構
造(セル構造)の精度もまた悪化するという問題点があ
る。
【0006】また、上記方法では、マイクロレンズ成形
型を繰り返し使用することから破損し易く、特に大判の
マイクロレンズ成形型を形成すると耐久性に欠けるとい
う問題点がある。また、曲面形状部20aを備えたガラ
ス基板をマイクロレンズ成形型20とする場合、ガラス
に対する加工法の制約によりマイクロレンズの光学面形
状に対応した曲面形状部20aの形状を高精度に形成す
ることが困難であるという問題点がある。特に不純物の
多いガラスをエッチング加工すると、純粋なガラス(S
iO2)に対しては等方的なエッチング特性を有するエ
ッチング液を用いても、平滑な光学面を得ることが難し
いという問題点がある。
【0007】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、マイクロレンズの形状精度を向上
させることができるとともに製造が容易なマイクロレン
ズ成形型の構造を提供することにある。また、高い形状
精度を有し、しかも製造が容易なマイクロレンズ基板の
製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のマイクロレンズ成形型は、マイクロレンズの
光学面を成形するための凹曲面状若しくは凸曲面状の曲
面形状部と、前記曲面形状部における凹曲面状の底位置
よりも深い凹部若しくは凸曲面状の頂位置よりも高い凸
部を備えた成形面を有していることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、曲面形状部における凹
曲面状の底位置よりも深い凹部若しくは凸曲面状の頂位
置よりも高い凸部を成形面に形成したことにより、マイ
クロレンズの成形面を成形する際に、マイクロレンズ成
形型に凹部が形成されている場合、凹曲面状の曲面形状
部に対応した凸曲面状の光学面を透明成形体の表面に形
成することができると同時に、透明成形体の表面には当
該凹部に対応した凸部が形成されるから、透明成形体を
透明樹脂を介して透明基板に接着させる場合、透明成形
体の凸部を透明基板の表面に当接させた状態で透明樹脂
を硬化させることによって、マイクロレンズの厚さのば
らつきを低減することができる。一方、マイクロレンズ
成形型に凸部が形成されている場合にも、マイクロレン
ズ成形型の凸部を透明基板の表面に当接させた状態で透
明樹脂を硬化させることによって、透明成形体の厚さの
ばらつきを低減することができる。
【0010】本発明において、1又は複数の前記凹部若
しくは前記凸部が1の前記曲面形状部又は複数の前記曲
面形状部が配列された領域の周囲を取り囲むように形成
されていることが好ましい。曲面形状部の周囲を取り囲
むように前記凹部若しくは凸部が形成されていることに
より、マイクロレンズの製造時において、曲面形状部の
周囲を、マイクロレンズ成形体自体の凸部若しくはこれ
によって成形された透明成形体の凸部によって取り囲む
位置で支持することができるので、マイクロレンズの厚
さのばらつきをより低減できる。
【0011】本発明において、前記凹部の底部若しくは
前記凸部の頂部が平坦に形成されていることが好まし
い。凹部の底部若しくは凸部の頂部が平坦に形成されて
いることにより、マイクロレンズの製造時において、マ
イクロレンズ成形体自体の凸部若しくはこれによって成
形された透明成形体の凸部による支持をより安定させる
ことができる。
【0012】本発明において、シリコン基板からなるこ
とが好ましい。
【0013】この発明によれば、シリコン基板を用いる
ことにより、その不純物制御及び高品位化が容易である
とともに半導体製造技術を適用できる特性によって微細
で高精度な曲面形状部を容易に形成することができるの
で、生産性を向上させることができるとともに、高精度
な光学面形状を有するマイクロレンズを製造することが
可能になる。この場合、特に、シリコン基板としてシリ
コン単結晶基板を用いることが好ましい。
【0014】本発明において、前記シリコン基板の表面
を被覆する弗素系炭化物膜を備えていることが望まし
い。この発明によれば、弗素系炭化物膜で成形面を被覆
することにより、離型性が向上し、成形型の破損を低減
することができるので、成形型の耐久性を高めることが
できる。ここで、弗素系炭化物膜としては、例えば弗素
含有樹脂があり、特にポリテトラフルオロエチレンが好
ましい。
【0015】本発明において、前記シリコン基板の裏面
上に固着された支持基板を備えていることが望ましい。
この発明によれば、シリコン基板の裏面上に支持基板が
固着されていることによって、成形型の剛性が向上する
ので、成形精度が高まり、高精度なマイクロレンズを製
造することが可能になる。
【0016】本発明において、前記支持基板は、前記シ
リコン基板の裏面に陽極接合により直接に固着されてい
ることが好ましい。この発明によれば、陽極接合によっ
てシリコン基板と支持基板とが直接に固着されているこ
とにより、接着剤などを介する必要がないので、接合面
の撓みや不整合を生じにくく、シリコン基板の平坦性を
維持することができる。
【0017】本発明において、前記支持基板は接合面に
被膜を有し、前記シリコン基板の裏面と前記被膜とが共
晶化接合によって固着されていることが好ましい。この
発明によれば、シリコン基板と被膜とが共晶化接合によ
って固着されているため、接着剤を用いる場合に較べて
接合面の撓みや不整合などを生じにくく、シリコン基板
の平坦性を維持できるとともに、接合面が共晶化されて
いることによって高い密着力を得ることができる。ま
た、支持基板に被膜を形成してこの被膜とシリコン基板
とを共晶化しているため、支持基板の材質選定幅を広げ
ることができる。
【0018】なお、上記の支持基板は、いずれの場合に
も、例えばシリコン基板よりも剛性の高いものであるこ
とが好ましく、例えば、ガラス基板であることが望まし
い。
【0019】本発明において、前記曲面形状部は略等方
的な湿式エッチングによって形成された凹曲面部である
ことが好ましい。略等方的な湿式エッチングを用いるこ
とによって凹曲面状の成形面を容易に、且つ、高精度に
形成することができる。
【0020】次に、本発明のマイクロレンズ基板の製造
方法の発明は、シリコン基板の表面上にエッチング耐性
を有するマスク層を形成し、該マスク層にピンホールを
形成し、その後、該ピンホールを介して前記シリコン基
板を略等方的にエッチングしてマイクロレンズの光学面
に対応する凹曲面部を形成し、また、該凹曲面部に対し
て前記凹曲面部の底位置よりも深い凹部を前記表面上に
併設することによってシリコン基板からなるマイクロレ
ンズ成形型を形成し、該マイクロレンズ成形型若しくは
その複製を用いて未硬化の透明樹脂を適用させて硬化さ
せることにより、前記凹曲面部に対応した凸曲面状の光
学面を成形するとともに、前記凹部に対応した凸部を成
形することを特徴とする。
【0021】この発明によれば、シリコン基板を用いて
容易且つ高精度にマイクロレンズ成形型を形成すること
ができ、このマイクロレンズ成形型を用いて未硬化の透
明樹脂を適用させて硬化させることにより凸曲面状の光
学面とともに、この光学面の頂位置より高い凸部を形成
することができるので、この凸部を透明基板に当接させ
た状態で透明樹脂によって接着することにより、マイク
ロレンズの厚さのばらつきを低減できる。
【0022】また、シリコン基板の表面上にエッチング
耐性を有するマスク層を形成し、該マスク層にピンホー
ルを形成し、該ピンホールを介して前記シリコン基板を
略等方的にエッチングしてマイクロレンズの光学面に対
応する凹曲面部を形成し、また、前記凹曲面部に対して
前記凹曲面部の底位置よりも深い凹部を前記表面上に併
設することによってシリコン基板からなるマイクロレン
ズ成形型を形成し、該マイクロレンズ成形型若しくはそ
の複製を用いて前記凹曲面部に対応した凸曲面部及び前
記凸部に対応した凹部を有する反転型を形成し、該反転
型に未硬化の透明樹脂を適用させて硬化させることによ
り、前記凸曲面部に対応した凹曲面状の光学面を成形す
るとともに、前記凹部に対応した凸部を成形することを
特徴とする。
【0023】この発明によれば、シリコン基板を用いて
容易且つ高精度にマイクロレンズ成形型を形成すること
ができ、このマイクロレンズ成形型を用いて未硬化の透
明樹脂を適用させて硬化させることにより凸曲面状の曲
面形状部とともに、この曲面形状部の頂位置より高い凸
部を形成することができるので、反転型の凸部を透明基
板に当接させた状態で透明樹脂によって接着することに
より、透明成形体の厚さのばらつきを低減でき、その結
果、マイクロレンズの厚さのばらつきを低減できる。
【0024】本発明において、前記ピンホールと同時に
前記マスク層に開口部を形成し、該開口部を遮蔽した状
態で前記ピンホールを介して前記凹曲面部を形成し、そ
の後、前記開口部の遮蔽状態を解除し、前記凹曲面部を
遮蔽した状態で、前記開口部を介して前記凹部を形成す
ることが好ましい。この方法では、ピンホールと同時に
開口部を形成するので、パターニングを2度行う必要が
ない。
【0025】本発明においてはまた、前記ピンホールと
同時に前記マスク層に薄肉部を形成し、前記ピンホール
を介して前記凹曲面部を形成した後、該薄肉部の形成位
置に前記凹部を形成することが好ましい。この方法で
は、薄肉部によって凹曲面部形成時のエッチングから基
板を保護することができるとともに、当該エッチングに
よって多少でもさらに薄くされた薄肉部をドライエッチ
ングによって貫通させて凹部を形成することができるの
で、凹部形成時に改めて開口形成のためのパターニング
を行う必要がない。
【0026】本発明において、前記マスク層は、シリコ
ン基板の熱酸化膜であり、前記ピンホールをドライエッ
チング法により形成することが好ましい。この発明によ
れば、マスク層として熱酸化膜を用いることによって、
緻密な膜を効率的に形成することができ、また、ドライ
エッチング法を用いることによって微細なピンホールを
高精度に形成することができるので、凹曲面部を高精度
にエッチング形成することが可能になる。
【0027】本発明において、前記凹曲面部を形成する
ために、弗酸と硝酸を主成分とするエッチング液を用い
ることが好ましい。弗酸と硝酸を主成分とするエッチン
グ液によって湿式エッチングを行うことによって等方的
なエッチングを行うことができるとともに、平滑なエッ
チング面を形成できる。
【0028】本発明において、さらに酢酸を加えた前記
エッチング液を用いることが好ましい。エッチング液に
酢酸を混入することによって等方的エッチング特性でし
かも平滑なエッチング面が得られる組成範囲が拡大され
るため、より安定的に高精度なエッチングを行うことが
できる。
【0029】本発明において、前記凹部をドライエッチ
ングにより形成することが好ましい。この発明によれ
ば、ドライエッチングによって凹部を形成することによ
ってエッチング異方性を得ることができるので、凹部の
底形状を平坦に形成できるとともに、サイドエッチング
を抑制して狭い領域においても容易に形成することがで
きる。ドライエッチングとしては、反応性イオンエッチ
ングを用いることが好ましい。
【0030】また、本発明において、成形型の材質と同
材質のマスクを用いて前記凹部を形成することが好まし
い。この場合には、マスクによって成形型やエッチング
装置などの製造装置への汚染を防止することができる。
このとき、成形型がシリコン基板であれば、マスクもま
たシリコン基板で構成する。
【0031】本発明において、前記マイクロレンズ成形
型の成形面に弗素系炭化物膜を成膜して用いることが好
ましい。この場合、弗素系樹脂を用いることが好まし
く、特にポリテトラフルオロエチレンを用いることが望
ましい。
【0032】本発明において、前記マイクロレンズ成形
型の反成形面に支持基板を固着させて用いることが好ま
しい。
【0033】本発明において、前記支持基板を前記反成
形面に陽極接合により直接固着させて用いることが好ま
しい。この場合、シリコン基板の反成形面と支持基板の
接合面とを鏡面化することが好ましい。
【0034】本発明において、前記支持基板の接合面に
被膜を形成し、前記支持基板の前記反成形面と前記被膜
とを共晶化接合により固着させて用いることが好まし
い。この場合、例えば、支持基板の表面にAu薄膜を形
成し、このAu薄膜をシリコン基板の反成形面に接触さ
せて加熱し、Au−Si共晶を形成することが好まし
い。また、支持基板としてガラス基板を用いる場合に
は、Au薄膜の下地層としてCr層やTi層を形成して
密着性を高めることが望ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係るマイクロレンズ成形型及びマイクロレンズ基板の
製造方法の実施形態について詳細に説明する。図1は本
実施形態におけるマイクロレンズ成形型の製造工程を示
す工程説明図である。この実施形態では、まず、図1
(a)に示すように、シリコン単結晶などからなるシリ
コン基板10の表面にマスク層11を形成する。シリコ
ン基板10は半導体製造によって8インチ以上の大型基
板を容易に入手できる。マスク層11としては、シリコ
ンのエッチング処理においてエッチング速度がシリコン
に対して十分に小さい種々の材料を堆積したものを用い
ることができるが、本実施形態では、シリコン基板10
を熱酸化して成る酸化シリコン層を形成する。酸化シリ
コン層は、シリコン基板に対して半導体製造技術を用い
て容易に形成できるので、量産性良く、低コストで形成
できるとともに、膜質としても緻密にすることができる
ため、安定したエッチング用のマスク層として用いるこ
とができる。なお、マスク層はCVD法やスパッタリン
グ法などによっても形成できる。
【0036】次に、図1(b)に示すように、シリコン
基板10の表面(図示上面)上にあるマスク層11の部
分にピンホール11aを形成する。このピンホール11
aは、例えば、フォトリソグラフィ法によってマスク層
11上にさらにフォトレジストからなるレジスト層を被
覆し、このレジスト層を露光、現像して部分的に細孔を
形成し、この細孔を通してドライエッチングを施すこと
によって形成できる。ピンホール11aは、製造しよう
とするマイクロレンズアレイにおける各マイクロレンズ
の光学中心の配列に合せて配置される。ピンホール11
aの開口径は実際に形成しようとする後述する凹曲面部
10aの径よりも十分に小さいことが望ましく、例えば
約5μm程度である。
【0037】また、上記工程においては、ピンホール1
1aを形成するのと同時に、上記のピンホール11aを
配列した領域の周囲を取り囲むように開口部11bを形
成する。この開口部11bは、ピンホール11aを配列
した領域の周囲を取り囲むように形成されることが好ま
しく、さらに、上記領域の周囲を周回するように延長さ
れた平面形状、例えば、直線状若しくは曲線状に延長形
成されることが望ましい。開口部は一体に形成されてい
ても、複数に分散配置されていてもよい。開口部11b
は、ピンホール11aを配列した領域において後工程に
て形成される凹曲面部に影響を与えない位置に形成さ
れ、しかも、後述する凹曲面部の底位置よりも深い凹部
を形成するために支障がない幅で形成される。
【0038】次に、図1(c)に示すように、開口部1
1bに選択的にレジストなどの樹脂12を塗布し、開口
部11bを封鎖する。この状態で、シリコン基板10に
湿式エッチングを施すことによってシリコン基板10の
表面上に略半球状の凹曲面部10aを形成する。この湿
式エッチングには、シリコン基板10を等方的にエッチ
ングできるエッチング液、例えば、弗化水素と硝酸の混
合水溶液などの弗酸系のエッチング液を用いる。弗酸と
硝酸の混合比は、シリコン基板10に対するエッチング
の等方性が得られ、しかも、エッチング面の平滑性が得
られるように調製する。また、シリコン基板10/マス
ク層11のエッチング選択比が実用範囲(例えば10以
上)になるように調製されることが好ましい。通常、選
択比が10以上ある場合、酸化シリコン層の厚さとして
1.5μm程度あれば十分に凹曲面部10aを形成する
ことができる。
【0039】シリコン基板10に形成された凹曲面部1
0aの表面はマイクロレンズの光学面となるので、特
に、光学面形状を決定するエッチングの等方性と、光学
面の面粗さを決定するエッチング面の平滑性が重要にな
る。エッチングの等方性が得られるとともにエッチング
面の平滑性が得られるエッチング液の組成範囲は、酢酸
を加えることによって広がるので、より安定的にエッチ
ング処理を施すことができる。組成比の例としては、H
F:HNO3:CH3COOH=1:3:8、或いは、
9:75:30である。
【0040】なお、この工程は上記のような湿式エッチ
ングに限らず、4弗化炭素、酸素、塩素などを活性種と
する種々のドライエッチングによって行っても良い。
【0041】本実施形態では、シリコン基板10の表面
に平面視円形の輪郭を有する略半球状の凹曲面部10a
を形成しているが、上記ピンホール11aの形状によっ
て、その輪郭形状は円形に限らず、矩形、正方形などの
種々の形状に形成しても構わない。マイクロレンズの光
学面を構成するための凹曲面部10aの径は、マイクロ
レンズアレイの使用目的や利用分野によって様々である
が、例えば1〜100μm、好ましくは10〜50μm
程度である。電気光学装置、特に液晶装置に用いるもの
は、各画素領域の大きさとほぼ同サイズに形成される。
【0042】次に、図1(c)に示す樹脂12を有機溶
媒などにより除去し、開口部11bを再び開口させた
後、図1(d)に示すように、開口部11bに対応した
貫通孔13aを備えたシリコン基板13を、凹曲面部1
0aの形成された表面上に対向配置する。そして、この
シリコン基板13をマスクとして、ドライエッチングに
よってシリコン基板10の開口部11bの直下部分を選
択的にエッチングし、断面略矩形状の凹部10bを形成
する。ドライエッチングは、高い異方性をもってシリコ
ン基板をエッチング可能な方法であればよく、例えば、
反応ガスとしてSiCl4やCl2などを用いた反応性イ
オンエッチングなどを用いることができる。
【0043】最後に、図1(e)に示すように、シリコ
ン基板10の表面上のマスク層11を除去する。このマ
スク層11の除去は、例えば、弗酸と弗化アンモニウム
の混合水溶液を用いた湿式エッチングによって行う。こ
のとき、シリコン基板10の側面及び裏面(図示下面)
にエッチング耐性を有する被覆層を形成し、側面及び裏
面に形成されたマスク層11は除去せずに残すようにし
てもよい。この場合、残されたマスク層11は、後述す
るシリコン基板10と支持基板との接合時などのように
シリコン基板10の裏面(図示下面)を露出させる必要
が生ずるまでシリコン基板10の裏面を保護する役割を
果たす。
【0044】なお、上記の製造方法は一例であり、上記
方法以外でも同様の構造を形成することは可能である。
例えば、上記の図1(b)に示す工程において開口部1
1bを形成することなく、したがって図1(c)に示す
工程において樹脂12を塗布することもなく、その代わ
りに図1(d)に示す工程に先立ってマスク層11に開
口部11bを形成するといった方法でも構わない。
【0045】このようにして形成したマイクロレンズ成
形型は、シリコン基板10を基材として用いることによ
って、凹曲面部10aの微細な加工を半導体製造技術を
用いて高精度に行うことができ、また、大型のシリコン
基板を容易に入手でき、しかも容易に加工できるため、
成形型の製造時の歩留まりや量産性が向上する。
【0046】上記のようにして形成した図1(e)に示
すマイクロレンズの離型性を高めるために、少なくとも
成形面である表面(図示上面)上に弗素系炭化物膜から
なる表面被覆層を形成することが好ましい。この表面被
覆層は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンからなる
弗素樹脂層である。表面被覆層は蒸着、スパッタリン
グ、スピンコーティング、ディッピング(浸漬)などの
方法によって形成される。この表面被覆層を形成するこ
とによって、成形時における離型性が向上し、離型時に
おけるマイクロレンズ成形型の破損の確率が低減し、型
の平均寿命が大幅に伸びる。
【0047】また、上記のシリコン基板10の剛性不足
を補うために、シリコン基板10の裏面(図示下面)に
支持基板を固着させることもできる。例えば、マイクロ
レンズ成形型のシリコン基板10の裏面が鏡面でない場
合にはラッピングやポリッシングなどによって鏡面化し
た上で、その裏面を清浄化し、シリコン基板10をその
表面を下にして導電性のホットプレート上に載置する。
そして、このシリコン基板10の裏面を、ガラス(例え
ば「パイレックスガラス」商標名などのほうケイ酸ガラ
ス)などからなる支持基板の鏡面化された清浄な表面に
密着させ、300〜450℃程度に加熱しながら、この
支持基板に陰極を、ホットプレートに陽極を設け、20
0〜1000V、好ましくは約300Vの直流電圧を印
加することによって、シリコン基板10と支持基板とを
陽極接合させる。この場合、支持基板としては、シリコ
ン基板10よりも剛性が高いものであることが好まし
い。したがって、例えば、シリコン基板10よりも厚い
支持基板を用いることが好ましい。また、支持基板の接
合面は高精度な平坦面(鏡面)に形成されていることが
望ましい。
【0048】シリコン基板10を支持基板に接合させる
ことによって、マイクロレンズ成形型としての剛性が高
くなるので、マイクロレンズ成形型を用いた成形時にお
いて成形型の撓みや歪みによって成形された樹脂層に厚
みムラが発生し、この厚みムラによってマイクロレンズ
アレイの歪みが生ずることなどを抑制できる。また、こ
の実施形態では、接着剤などを介することなくシリコン
基板10を支持基板に直接接合させているので、シリコ
ン基板10の平坦性を高めることができ、シリコン基板
10が撓んだ状態で無理に支持基板に固着されることも
回避できる。
【0049】次に、上記の陽極接合によるシリコン基板
10と支持基板の接合方法の代わりに用いることのでき
る方法を説明する。まず、ガラス(例えばほうケイ酸ガ
ラス)などからなる支持基板の表面にAu/Cr(T
i)の積層構造などを有する被膜を形成する。この被膜
は、まず支持基板の表面上にCr又はTiなどからなる
下地薄膜を蒸着やスパッタリングなどによって形成し、
この下地薄膜上にさらにAu薄膜を蒸着法などによって
形成する。ここで、下地薄膜はAu薄膜の密着性を向上
させるためのものである。そして、この被膜の形成され
た支持基板の表面を清浄化されたシリコン基板10の裏
面に接触させ、加熱することによって接合する。Auと
Siとの共晶点は約380℃であり、この温度近傍に接
合面を加熱することによって被膜の表面側のAu薄膜と
シリコン基板10の表面とが共晶化し、Au−Si共晶
層を介してシリコン基板10と支持基板とが固着され
る。もっとも、上記共晶点以下の温度(例えば300
℃)でも長時間加熱することによっても共晶化させるこ
とは可能である。この方法によれば、共晶化によってシ
リコン基板と支持基板とを接合しているため、接着剤な
どを用いる方法に較べてシリコン基板10の反りや撓み
が低減されるとともに、共晶化による強固な結合によっ
て密着力を高めることができるので、支持基板の剥離事
故などを低減できる。
【0050】次に、図2を参照して上記と同様のマイク
ロレンズ成形型を製造する別の方法について詳細に説明
する。この説明において、上記と同一のものには同一符
号を付し、その説明は省略する。まず、図2(a)に示
すように、シリコン基板10の表面上にマスク層11を
形成し、図2(b)に示すように上記と同様のピンホー
ル11aを形成する。ここで、ピンホール11aの形成
と同時に、マスク層11に薄肉部11cを形成する。こ
の薄肉部11cは図1における開口部11bと同じ位置
に形成される。薄肉部11cは図2(c)に示すように
凹曲面部10aを形成するエッチング工程において薄肉
部11c直下のシリコン基板10の表面を保護するが、
エッチングの進行とともに次第にエッチングされ、薄く
なっていく。そして、図2(d)に示すように、上記と
同様のシリコン基板13によってドライエッチングを行
うと、シリコン基板13の貫通孔13aからのイオン照
射等によって薄肉部11cは除去され、上記と同様に凹
部10bが形成される。その後、マスク層11を除去す
ることによって上記と同様のマイクロレンズ成形型が形
成される。
【0051】この方法では、図1に示す方法に較べて、
樹脂12の塗布及び除去を行う必要がないため、工程が
簡略化されるという利点がある。ここで、薄肉部11c
は、図2(c)に示すエッチング工程によってほぼ完全
に除去される程度の厚さに、図2(b)に示す工程にお
いて形成されることが望ましいが、図2(c)の工程後
において残存していても構わない。また、薄肉部11c
を全く形成することなく、図2(d)に示す工程におい
てシリコン基板13の貫通孔13aを介したドライエッ
チングによってマスク層11を除去し、さらにその下の
シリコン基板10をエッチングして凹部10bを形成す
るようにしても構わない。
【0052】図3は、上述のようにして形成したマイク
ロレンズ成形型を用いてマイクロレンズを成形する方法
を示すものである。図3(a)に示すように、マイクロ
レンズ成形型における凹曲面部10a及び凹部10bを
備えた成形面に未硬化の透明樹脂31を塗布して、ガラ
スなどからなる透明基板32を接着する。そして、マイ
クロレンズ成形型と透明基板15とを位置決めした状態
で透明樹脂31を硬化させると、透明樹脂31には凹曲
面部10aに対応した凸曲面部31aが成形されるとと
もに、凹部10bに対応した凸部31bが成形される。
この凸部31bは、上記のマイクロレンズ成形型の形状
によって凸曲面部31aの頂位置よりも高くなるように
成形される。なお、透明樹脂31が光硬化型樹脂であれ
ば光照射によって硬化処理を行い、熱硬化型であれば加
熱によって硬化処理を行う。硬化後、透明樹脂31及び
透明基板32をマイクロレンズ成形型から離型させる。
【0053】次に、図3(b)に示すように、離型した
透明樹脂31及び透明基板32を透明樹脂33を介して
透明基板34に接着し、透明樹脂33を硬化させる。透
明樹脂33は透明樹脂31とは異なる屈折率を呈するも
のである。例えば、マイクロレンズに集光性を持たせる
には、図示構造の場合、透明樹脂33を透明樹脂31の
屈折率よりも低い材質を用いる。このとき、透明樹脂3
1の凸部31bの頂部が透明基板34の表面に当接する
ように透明樹脂によって接着する。この場合、凸部31
bは凸曲面部31aの頂位置よりも高いため、凸曲面部
31aの頂部と透明基板34との間には必ず透明樹脂3
3が介在する。
【0054】このようにして形成されたマイクロレンズ
は、凸部31aによって支持された状態で透明樹脂33
を介して透明基板34が接着されるので、接着時に高い
精度で透明基板32と透明基板34とを厚さ決めしなく
ても、透明樹脂31,33の厚さのばらつきが低減され
る。したがって、高い形状精度を有するマイクロレンズ
を容易に製造することができる。
【0055】一方、図4に示すように、上記のマイクロ
レンズ成形型を用いて反転型35を形成し、この反転型
35によってマイクロレンズを成形することも可能であ
る。図4(a)は反転型35を形成する様子を示すもの
であり、マイクロレンズ成形型の成形面上に無電解メッ
キ法によってNiメッキ層からなる反転型35を形成す
る。反転型35には、マイクロレンズ成形型の凹曲面部
10a及び凹部10bに対応して、凸曲面部35a及び
凸部35bが成形される。ここで、凸部35bは凸曲面
部35aの頂位置よりも高く形成される。
【0056】次に、反転型35をマイクロレンズ成形型
から剥離し、図4(b)に示すように、反転型35を透
明樹脂36を介してガラスなどからなる透明基板37に
接着する。このとき、反転型35の凸部35bが透明基
板37の表面に当接した状態で反転型35と透明基板3
7とを接着させることができるので、透明樹脂36の厚
さのばらつきを低減することができる。その後、透明樹
脂36及び透明基板37を反転型35から離型し、図3
(b)に示す場合とほぼ同様に、透明樹脂36の表面上
に、透明樹脂36とは異なる屈折率を有する透明樹脂を
塗布し、この透明樹脂を介して別の透明基板を接着する
ことによって、マイクロレンズを形成することができ
る。
【0057】なお、上記実施形態では、マイクロレンズ
成形型として、シリコン基板10の表面に凹曲面部10
a及び凹部10bを形成した例について説明したが、こ
れとは逆に、シリコン基板10の表面上に凸曲面部と、
この凸曲面部の頂位置よりも高い凸部を形成してもよ
い。このようにすると、マイクロレンズ成形型を用いて
透明樹脂を介して透明基板を接着させる場合に、凸部を
透明基板の表面に当接した状態で透明樹脂を硬化させる
ことができるので、透明樹脂の厚さのばらつきを低減す
ることができる。また、図4に示した反転型35はこの
ような形状のマイクロレンズ成形型の実施形態の一つと
して把握される。
【0058】上記のようにしてマイクロレンズを形成し
た後、例えば液晶パネルの一方のマイクロレンズを組み
込んだパネル基板を形成する場合には、図10(c)及
び(d)に示すように光学面に対して透明樹脂を介して
ガラス基板などの透明基板を接着した後、必要に応じて
透明基板を薄肉化し、その上にパネル基板の内面構造、
すなわち、遮光膜や透明電極などが形成される。
【0059】図5には、上記のマイクロレンズ成形型の
相当部分を複数含む大判構造のマイクロレンズ成形型1
00の平面構成例を示す。このマイクロレンズ成形型1
00はシリコンウエハによって構成され、このシリコン
ウエハの表面上には、それぞれ多数の凹曲面部10aを
配列させたレンズ成形領域100Aが形成されている。
このレンズ成形領域100Aは、液晶パネルの有効画素
領域(表示画素が配列された領域)に対応するものであ
る。レンズ成形領域100Aには縦横に格子状に凹曲面
部10aが配列されている。このレンズ成形領域100
Aの周囲には、4つの直線状の凹部10bがレンズ成形
領域100Aを取り囲むように形成されている。一つの
レンズ成形領域100A及びその周囲の4つの凹部10
bは一つの液晶パネルに対応しており、レンズ成形領域
100A及び凹部10bの組はシリコンウエハの表面上
に複数配列されている。
【0060】図6には、図5と同様に凹曲面部10aを
配列させたレンズ成形領域110Aを複数配列した大判
のマイクロレンズ成形型110の平面構造を示す。上記
と同様の凹曲面部10aを複数配列させたレンズ成形領
域110Aは図5の場合と同様に配列されているが、個
々の110Aの周囲には凹部は形成されておらず、その
代わりに、シリコンウエハの外周部に大きな面積を有す
る凹部110b、110cが形成されている。凹部11
0bは部分円形状を有し、凹部110cは直線状に構成
されている。なお、このようにマイクロレンズ成形型1
10の外周部に凹部110b、110cを形成した場
合、個々のレンズ成形領域110Aの周囲にもそれぞれ
図5に示すものと同様の凹部10bを併設することによ
って、マイクロレンズの厚さのばらつきをより低減する
ことができる。
【0061】図7には、図5に示すマイクロレンズ成形
型100を形成する場合に、図1(d)或いは図2
(d)に示すシリコン基板13に相当する、シリコンウ
エハからなるマスク200の平面構造を示す。このマス
ク200には、上記マイクロレンズ成形型100に形成
される凹部10bに対応する位置に配置され、且つ、凹
部10bの平面形状に対応する形状に形成された複数の
開口部200bが形成されている。これらの開口部20
0bは、図9に模式的に示す方法によって形成される。
まず、マスク200の表面を熱酸化によって形成された
酸化シリコン膜などからなる被覆層201にて覆い、こ
の被覆層201に開口部201bを形成する。次に、開
口部201bを介して、水酸化カリウム水溶液を用いて
湿式エッチングを行うことによって、図示のような開口
部200bが形成される。この場合、マスク200を構
成するシリコンウエハは面方位が(100)であるもの
を用いる。このとき、エッチング液の特性によって開口
部200bの内面はシリコンウエハの表面に対して約5
4.7度の傾斜角を有する。なお、開口部200bの幅
は、マイクロレンズ成形型100に形成すべき凹部10
bの幅よりもやや広く形成することが好ましい。
【0062】図8には、図6に示すマイクロレンズ成形
型110を形成する場合に、図1(d)或いは図2
(d)に示すシリコン基板13に相当する、シリコンウ
エハからなるマスク210の平面構造を示す。このマス
ク210には、上記マイクロレンズ成形型110に形成
される凹部110b、110cに対応する位置に配置さ
れ、且つ、凹部110b、110cに対応する形状に形
成された複数の開口部210b、210cが形成されて
いる。この開口部210b、210cもまた、上記のよ
うに図9に示す方法によって形成することができる。
【0063】尚、本発明のマイクロレンズ成形型及びマ
イクロレンズの製造方法は、上述の図示例にのみ限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0064】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
曲面形状部における凹曲面状の底位置よりも深い凹部若
しくは凸曲面状の頂位置よりも高い凸部を成形面に形成
したことにより、マイクロレンズの成形面を成形する際
に、マイクロレンズ成形型に凹部が形成されている場
合、凹曲面状の曲面形状部に対応した凸曲面状の光学面
を透明成形体の表面に形成することができると同時に、
透明成形体の表面には当該凹部に対応した凸部が形成さ
れるから、透明成形体を透明樹脂を介して透明基板に接
着させる場合、透明成形体の凸部を透明基板の表面に当
接させた状態で透明樹脂を硬化させることによって、マ
イクロレンズの厚さのばらつきを低減することができ
る。一方、マイクロレンズ成形型に凸部が形成されてい
る場合にも、マイクロレンズ成形型の凸部を透明基板の
表面に当接させた状態で透明樹脂を硬化させることによ
って、透明成形体の厚さのばらつきを低減することがで
きる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマイクロレンズ成形型の実施形態
の製造方法を示す工程説明図(a)〜(d)である。
【図2】上記実施形態の変形例を示す工程説明図(a)
〜(d)である。
【図3】上記実施形態にて形成されたマイクロレンズ成
形型を用いてマイクロレンズを製造する方法を示す工程
説明図(a)及び(b)である。
【図4】上記実施形態にて形成されたマイクロレンズ成
形型から反転型を形成してマイクロレンズを製造する方
法を示す工程説明図(a)及び(b)である。
【図5】大判のマイクロレンズ成形型の平面形状例を示
す概略平面図である。
【図6】大判のマイクロレンズ成形型の他の平面形状例
を示す概略平面図である。
【図7】図5に示すマイクロレンズ成形型を形成する際
に用いるマスクの平面形状を示す概略平面図である。
【図8】図6に示すマイクロレンズ成形型を形成する際
に用いるマスクの平面形状を示す概略平面図である。
【図9】シリコンウエハからなるマスクに開口部を形成
する方法を示すための工程断面図である。
【図10】従来のフォトポリマー法によるマイクロレン
ズアレイ乃至は液晶パネル用対向基板の製造方法を示す
工程説明図(a)〜(d)である。
【符号の説明】
10,13…シリコン基板 10a…凹曲面部 10b…凹部 11…マスク層 11a…ピンホール 11b…開口部 13a…貫通孔 31,33,36…透明樹脂 31a…凸曲面部 32,34,37…透明基板 35…反転型 35a…凸曲面部 35b…凸部 100,110…マイクロレンズ成形型 100A…レンズ成形領域 110b,110c…凹部 200,210…マスク 200b…(111)面 210b,210c…開口部 201b マスク開口部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロレンズの光学面を成形するため
    の凹曲面状若しくは凸曲面状の曲面形状部と、前記曲面
    形状部における凹曲面状の底位置よりも深い凹部若しく
    は凸曲面状の頂位置よりも高い凸部を備えた成形面を有
    していることを特徴とするマイクロレンズ成形型。
  2. 【請求項2】 請求項1において、1又は複数の前記凹
    部若しくは前記凸部が1の前記曲面形状部又は複数の前
    記曲面形状部が配列された領域の周囲を取り囲むように
    形成されていることを特徴とするマイクロレンズ成形
    型。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記凹
    部の底部若しくは前記凸部の頂部が平坦に形成されてい
    ることを特徴とするマイクロレンズ成形型。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項において、シリコン基板からなることを特徴とするマ
    イクロレンズ成形型。
  5. 【請求項5】 シリコン基板の表面上にエッチング耐性
    を有するマスク層を形成し、該マスク層にピンホールを
    形成し、その後、該ピンホールを介して前記シリコン基
    板を略等方的にエッチングしてマイクロレンズの光学面
    に対応する凹曲面部を形成し、また、該凹曲面部に対し
    て前記凹曲面部の底位置よりも深い凹部を前記表面上に
    併設することによってシリコン基板からなるマイクロレ
    ンズ成形型を形成し、 該マイクロレンズ成形型若しくはその複製を用いて未硬
    化の透明樹脂を適用させて硬化させることにより、前記
    凹曲面部に対応した凸曲面状の光学面を成形するととも
    に、前記凹部に対応した凸部を成形することを特徴とす
    るマイクロレンズ基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 シリコン基板の表面上にエッチング耐性
    を有するマスク層を形成し、該マスク層にピンホールを
    形成し、該ピンホールを介して前記シリコン基板を略等
    方的にエッチングしてマイクロレンズの光学面に対応す
    る凹曲面部を形成し、また、前記凹曲面部に対して前記
    凹曲面部の底位置よりも深い凹部を前記表面上に併設す
    ることによってシリコン基板からなるマイクロレンズ成
    形型を形成し、 該マイクロレンズ成形型若しくはその複製を用いて前記
    凹曲面部に対応した凸曲面部及び前記凸部に対応した凹
    部を有する反転型を形成し、該反転型に未硬化の透明樹
    脂を適用させて硬化させることにより、前記凸曲面部に
    対応した凹曲面状の光学面を成形するとともに、前記凹
    部に対応した凸部を成形することを特徴とするマイクロ
    レンズ基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6において、前記ピ
    ンホールと同時に前記マスク層に開口部を形成し、該開
    口部を遮蔽した状態で前記ピンホールを介して前記凹曲
    面部を形成し、その後、前記開口部の遮蔽状態を解除
    し、前記凹曲面部を遮蔽した状態で、前記開口部を介し
    て前記凹部を形成することを特徴とするマイクロレンズ
    基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5又は請求項6において、前記ピ
    ンホールと同時に前記マスク層に薄肉部を形成し、前記
    ピンホールを介して前記凹曲面部を形成した後、該薄肉
    部の形成位置に前記凹部を形成することを特徴とするマ
    イクロレンズ基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5から請求項8までのいずれか1
    項において、前記マスク層は、シリコン基板の熱酸化膜
    であり、前記ピンホールをドライエッチング法により形
    成することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項5から請求項9までのいずれか
    1項において、前記凹曲面部を形成するために、弗酸と
    硝酸を主成分とするエッチング液を用いることを特徴と
    するマイクロレンズ基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、さらに酢酸を加
    えた前記エッチング液を用いることを特徴とするマイク
    ロレンズ基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項5から請求項11までのいずれ
    か1項において、前記凹部をドライエッチングにより形
    成することを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項5から請求項12までのいずれ
    か1項において、成形型の材質と同材質のマスクを用い
    て前記凹部を形成することを特徴とするマイクロレンズ
    基板の製造方法。
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