JP2001245931A - 介護用補助バンド - Google Patents

介護用補助バンド

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JP2001245931A
JP2001245931A JP2000060082A JP2000060082A JP2001245931A JP 2001245931 A JP2001245931 A JP 2001245931A JP 2000060082 A JP2000060082 A JP 2000060082A JP 2000060082 A JP2000060082 A JP 2000060082A JP 2001245931 A JP2001245931 A JP 2001245931A
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band
auxiliary band
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curved portion
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JP2000060082A
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Seiji Kawasaki
誠司 川崎
Masae Kawaguchi
正江 川口
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Delta Tooling Co Ltd
Original Assignee
Delta Tooling Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて簡易かつ迅速に使用できると共に、被
介護者を補助する際の安定性が高い介護用補助バンドを
提供する。 【解決手段】 被介護者の支持力を発揮するリング状芯
材10の対向辺部と、介護者の取っ手となる曲線部1
4,15とが一体構造であり、対向辺部12,13間に
被介護者の身体に直接接する当接体20が配設されてい
る。従って、被介護者がある動作を行おうとする場合に
は、その動作の補助に役立つ部位にこの当接体を当接
し、介護者が取っ手を把持して操作するだけでよく、極
めて迅速かつ簡易に使用することができる。また、当接
体20は、被介護者の任意部位に点や線ではなく面接触
するように設けられており、かつ、取っ手となる曲線部
14,15と一体に形成されたリング状芯材10の一対
の対向辺部12,13によって支持されている。このた
め、リング状芯材10を構成するベルト素材そのものの
強度が被介護者の支持力に反映され、安全性が高く、介
護者、被介護者とも安心して使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被介護者の起立動
作、着座動作等の種々の動作を補助するための介護用補
助バンドに関する。
【0002】
【従来の技術】床や椅子あるいは浴槽等に着座した姿勢
から起立したり、これとは逆に、起立した姿勢から着座
したりする動作を自力で行うことが困難な場合、従来、
これらの人(被介護者)に対しては、介護者が両手で背
部を支えるように抱きかかえながら補助することが一般
的に行われている。しかしながら、このような補助動作
は、介護者の手のひらと腕とで直接被介護者を支持する
ことになるため、介護者にかかる負担が非常に大きいと
共に、安定性が悪く、被介護者側にかかる身体的負担も
大きい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなことに鑑
み、例えば、実用新案登録第3032397号公報に
は、介護者の肩にベルトに形成した輪を通し、ベルトの
先端に設けたフックを被介護者を乗せたネットや被介護
者の着衣に係合して被介護者を立ち上がらせたりする介
護補助具が開示されている。
【0004】しかしながら、この介護補助具を使用する
には、その度に、介護者が肩をベルトに形成した輪に挿
通するなど、所定の準備をする必要がある。従って、起
立動作や着座動作を一定のタイミングごとに頻繁に行わ
なければならない場合には、その準備が面倒で、利用し
難い面がある。また、緊急を要する場合に、介護者側の
準備作業に時間を要するのでは役に立たない。
【0005】また、この介護補助具を使用するための操
作部であるベルトと、被介護者を直接支持する部分であ
る上記のネットや着衣とは、全く別の部材であり、両者
は単にフックにより連結されているに過ぎない。従っ
て、介護中にこのフックが外れたりするおそれもあり、
極めて不安定である。
【0006】また、被介護者の任意部位、例えば、背部
に当接される幅広の布材からなる当接体と、この当接体
の両端に縫いつけられた取っ手とからなる介護補助具も
知られている。この介護補助具は、被介護者の任意部位
に当接体を当接し、介護者が取っ手を把持して操作する
だけでよく、上記の介護補助具と異なり、余計な準備作
業を必要とせず、迅速かつ簡単に使用できる。また、上
記した介護補助具のように、所定の長さを必要とする肩
掛けベルトを使用しているわけではないため、例えば、
背部に当接体を当てようとする場合には、介護者が被介
護者を抱きかかえるように、その背部に自らの手を回し
てセットし、その上で、介護者が手前に引きつけて起立
動作などをさせるものである。このため、介護時におけ
る介護者と被介護者の距離を接近させて保ちやすい。す
なわち、スキンシップをとりやすく、被介護者を精神的
にも心地よくさせる機能を有する。
【0007】しかしながら、当接体と取っ手から構成さ
れる介護補助具の場合も、被介護者の支持部である当接
体と介護者の操作部である取っ手とが別部材で構成され
ているため、被介護者の支持力は、専ら当接体と取っ手
との連結強度に依存することになる。従って、安全性の
点ではやはり問題が残る。
【0008】本発明は上記した点に鑑みなされたもので
あり、介護者が極めて簡易かつ迅速に使用できると共
に、被介護者を補助する際の安定性が高く、介護者、被
介護者共に安心して使用できる介護用補助バンドを提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1記載の本発明の介護用補助バンドは、被
介護者の任意部位に当接して使用され、当該被介護者の
動作を補助する介護用補助バンドであって、所定幅の扁
平なベルト素材からなり、内側端縁同士が略対向するよ
うに離間した位置に形成された一対の対向辺部と、この
一対の対向辺部の一端同士及び他端同士をそれぞれ結ぶ
ように形成された一対の曲線部とを有すると共に、該対
向辺部と曲線部とが一体的に形成され、対向辺部が被介
護者の任意部位の支持部として機能し、曲線部が介護者
用の取っ手として機能するものであるリング状芯材と、
前記各対向辺部の表面を被覆すると共に、該各対向辺部
間に掛け渡され、かつリング状芯材に対して位置ずれし
ないように固定して配設され、被介護者の任意部位に面
接触する当接体とを具備することを特徴とする。
【0010】請求項2記載の本発明の介護用補助バンド
は、請求項1記載の介護用補助バンドであって、さら
に、前記取っ手を構成する各曲線部の内側に、該各曲線
部と同様に曲成されて配置されると共に、それぞれ、リ
ング状芯材の任意部位に連結固定され、第2の取っ手と
して機能する内側曲線部を具備することを特徴とする。
【0011】請求項3記載の本発明の介護用補助バンド
は、請求項1記載の介護用補助バンドであって、前記取
っ手として機能する曲線部が、所定の範囲に亘って幅方
向に折り曲げられて形成されていることを特徴とする。
【0012】請求項4記載の本発明の介護用補助バンド
は、請求項2記載の介護用補助バンドであって、前記取
っ手として機能する曲線部及び内側曲線部が、所定の範
囲に亘って幅方向に折り曲げられて形成されていること
を特徴とする。
【0013】請求項5記載の本発明の介護用補助バンド
は、請求項1〜4のいずれか1に記載の介護用補助バン
ドであって、前記当接体が、クッション材から構成され
ていることを特徴とする。
【0014】請求項6記載の本発明の介護用補助バンド
は、請求項5記載の介護用補助バンドであって、前記当
接体を構成するクッション材が、表面メッシュ層と裏面
メッシュ層とを有すると共に、該表面メッシュ層と裏面
メッシュ層とが多数のパイルで結合されて構成された三
次元構造のネット材であることを特徴とする。
【0015】請求項7記載の本発明の介護用補助バンド
は、請求項5又は6記載の介護用補助バンドであって、
前記当接体を構成するクッション材が、リング状芯材を
構成する対向辺部の両面を被覆し、端縁同士が一面側で
接合されていることを特徴とする。
【0016】請求項8記載の本発明の介護用補助バンド
は、請求項7記載の介護用補助バンドであって、クッシ
ョン材のうち、表面側に位置する面と裏面側に位置する
面とが、任意の間隔をおいて縫合処理されていることを
特徴とする。
【0017】請求項9記載の本発明の介護用補助バンド
は、請求項1〜8のいずれか1に記載の介護用補助バン
ドであって、前記曲線部及び/又は内側曲線部がクッシ
ョン材により被覆されていることを特徴とする。
【0018】請求項10記載の本発明の介護用補助バン
ドは、請求項9記載の介護用補助バンドであって、前記
クッション材が、表面メッシュ層と裏面メッシュ層とを
有すると共に、該表面メッシュ層と裏面メッシュ層とが
多数のパイルで結合されて構成された三次元構造のネッ
ト材であることを特徴とする。
【0019】請求項11記載の本発明の介護用補助バン
ドは、請求項1〜10のいずれか1に記載の介護用補助
バンドであって、前記当接体を着脱可能なカバーで被覆
したことを特徴とする。
【0020】(作用)本発明によれば、被介護者がある
動作を行おうとする場合には、その動作の補助に役立つ
部位に当接体を当接し、介護者が取っ手を把持して操作
するだけでよい。従って、極めて迅速かつ簡易に使用す
ることができる。また、被介護者の任意部位に面接触す
る当接体は、リング状芯材の一対の対向辺部によって支
持されている。このため、この一対の対向辺部が被介護
者の体重を支える部位となるが、該一対の対向辺部は介
護者の操作部となる取っ手として機能する曲線部と一体
的に形成されている。従って、本発明では、リング状芯
材を構成するベルト素材そのものの強度が被介護者の支
持力に反映するため、安全性が高く、介護者、被介護者
とも安心して使用できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態に基
づいて本発明を更に詳しく説明する。図1は、本実施形
態にかかる介護用補助バンド1を示す平面図であり、図
2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面
図である。これらの図に示したように、この介護用補助
バンド1は、リング状芯材10と当接体20とから構成
される。
【0022】リング状芯材10は、図4に示したよう
に、所定幅の扁平な1本のベルト素材を略楕円状に曲成
して、端部11同士を重ね合わせた上で、縫合処理した
ものである。より詳しくは、略楕円状といっても、内側
端縁12a,13a同士が略対向するように離間した位
置に形成されることになる一対の略直線状の対向辺部1
2,13と、該各対向辺部12,13の各一端12b,
13b同士及び各他端12c,13c同士をそれぞれ結
ぶような配置で形成された一対の曲線部14,15を有
する形状に形成される。略直線状の一対の対向辺部1
2,13は、後述の当接体20を介して被介護者の任意
の部位を支持する機能を果たし、一対の曲線部14は介
護者が把持する取っ手としての機能を果たす。すなわ
ち、本実施形態では、被介護者用の体重を支える部位と
なる一対の対向辺部12,13と介護者の操作部となる
取っ手として機能する曲線部とが一体的に形成されてい
る。このため、本実施形態によれば、リング状芯材10
を構成するベルト素材そのものの強度を被介護者の支持
力として反映させることができる。
【0023】リング状芯材10を形成するベルト素材と
しては、合成樹脂繊維等から形成された布材であり、自
動車用シートベルト等で採用されているような強度の高
いものが好ましい。また、本実施形態の介護用補助バン
ド1の浴場などでの使用を考慮すると、撥水性材料から
形成されているものが好ましく、あるいは繊維自体が撥
水性材料でない場合には、撥水性材料で表面をコーティ
ング処理したものが好ましい。
【0024】リング状芯材10の各曲線部14,15
は、その各中間付近14a,15aを中心として所定の
範囲に亘って幅方向に略半分に折り曲げられ、折り曲げ
ることにより重なり合う側縁部同士を縫合処理により接
合している。これにより、中間付近14a,15aの把
持が容易となる。中間付近14a,15aを中心とした
曲線部14,15の把持を容易にするためには、この曲
線部14,15をクッション材(本実施形態では後述の
ように三次元構造のネット材)30で被覆した際の中間
付近の外周長が約50〜100mm程度となるようにす
ることが好ましい。中間付近14a,15aを幅方向に
略二つ折りにした状態でクッション材30を被覆した際
の外周長をかかる範囲とするためには、被覆するクッシ
ョン材30の種類によっても異なるが、リング状芯材1
0を構成するベルト素材の幅として、約25〜70mm
程度のものを採用することが好ましい。
【0025】対向辺部12,13の各一端12b,13
b付近と各他端12c,13c付近には、それぞれ一方
の対向辺部12と他方の対向辺部13間に掛け渡される
補強用ベルト材16,17が縫合されて取り付けられて
いる。この補強用ベルト材16,17により、対向辺部
12,13を、歪まないようにほぼ直線状に形状維持で
きると共に、当接体20を介した被介護者の支持力が補
強される。
【0026】また、補強用ベルト材16,17に対し、
それぞれ各端部18a,19aが縫いつけられると共
に、中間付近を中心として所定の範囲に亘って幅方向に
折り曲げられ、上記の曲線部14,15の内側に曲成さ
れて配置された内側曲線部18,19が設けられてい
る。この内側曲線部18,19は、クッション材(本実
施形態では後述のように三次元構造のネット材)30に
よって被覆された後、第2の取っ手として機能するもの
であり、介護者が、握力、腕力等があまり強くない場合
等において、介護者の手から取っ手がすり抜けることを
防止するために、この第2の取っ手として機能する内側
曲線部18,19に後方から手を通した後、第1の取っ
手である曲線部14,15を把持して使用することを可
能としたものである(図11(c)参照)。なお、介護
者の肩幅が狭いような場合に、内側曲線部18,19の
みを把持して使用することも可能である(図11(b)
参照)。
【0027】リング状芯材10には、上記したように内
側曲線部18,19を設けることが好ましいが、本発明
の趣旨に照らせば、対向辺部12,13と取っ手として
機能する曲線部14,15が一体であることが最低限の
要件であり、図5に示したように、リング状芯材10
を、内側曲線部を備えていない構造とすることもでき
る。また、この場合、図6に示したように、対向辺部1
2,13を被覆するように当接体20を巻き付けた後、
クッション材のみからなる内側曲線部18’,19’を
配置し、各内側曲線部18’,19’の各端部を当接体
20の各端部にそれぞれ縫合連結する構成とすることも
できる。この場合には、図4のベルト素材からなり、リ
ング状芯材10の一部を構成するように設けられた内側
曲線部18,19と比較すれば、クッション材同士の連
結となるため支持力に多少劣ることになるが、曲線部1
4,15からなる第1の取っ手しか設けない態様と比較
すると、図11(c)に示したように、内側曲線部1
8’,19’に手を通した上で曲線部14,15を把持
できることから、使用時の便宜を図ることができる。
【0028】当接体20は、上記リング状芯材10の対
向辺部12,13の表面を被覆し、該対向辺部12,1
3間に掛け渡されるように配置され、かつ該リング状芯
材10に対して位置ずれしないように固定される。
【0029】当接体20は、被介護者の任意部位、例え
ば、背部、腰部、脚、腕等に直接接する機能を果たすも
のであり、上記したように、対向辺部12,13間に掛
け渡されて配設されることにより、被介護者の任意部位
に面接触でき、被介護者に対する当たり具合を柔らかく
するものである。
【0030】当接体20としては、このような機能を果
たすものである限り、その材料は限定されるものではな
いが、入浴時の介護を考慮すると、撥水性を備えた合成
樹脂繊維によって、透水性を備えるようにネット状に編
んで形成することが好ましい。また、被介護者に対する
当たり具合をより和らげる衝撃吸収特性を備えたクッシ
ョン材から形成することが好ましい。クッション材を当
接体20として使用することにより、使用開始時に急激
にかかる被介護者の体重を上記のリング状芯材10の対
向辺部12,13で支持すると共に、この当接体20に
よりその際の衝撃を吸収することができる。
【0031】このような、撥水性、透水性、衝撃吸収特
性を兼ね備えた素材として、図8に示したように、表面
メッシュ層21、裏面メッシュ層22及び該表面メッシ
ュ層21と裏面メッシュ層22とを結合する多数のパイ
ル23とを有する立体的なトラス構造(三次元構造)か
ら構成されたネット材が特に適している。
【0032】このネット材は後述するような合成樹脂繊
維からなる撚糸から形成されると共に、多数のメッシュ
を備えているため通水性も有する。また、多数のパイル
23により三次元構造となっているため、二次元のネッ
ト材と比較すると、柔らかく、かつ面剛性があり、被介
護者の身体の凹凸による点当たりや線当たりを吸収し、
被介護者の接触部位にフィットさせることができ、体圧
値(支持圧)を低減することができる。また、ウレタン
や綿等のクッション材と比較した場合、荷重がかかるこ
とによる変位に対し、バネ定数0付近を維持している範
囲が広く、すなわち、不感帯領域が広いため、反力によ
って被介護者の身体を局部的に押し返すのではなく、衝
撃を吸収した状態で被介護者の身体を抱持するように安
定して支持できる特性を有している。
【0033】この三次元構造のネット材を構成する表面
メッシュ層21は、例えば、図9に示したように、細い
糸を撚った撚糸から、ハニカム状(六角形)のメッシュ
を有する構造に形成されている。裏面メッシュ層22
は、例えば、図10に示したように、細い糸を撚った撚
糸をゴム編みにして形成され、表面メッシュ層21のハ
ニカム状のメッシュよりも小さなメッシュ(細目)を有
する構造に形成されている。パイル23は、繊維又は糸
で形成し、表面メッシュ層21と裏面メッシュ層22と
が所定の間隔を保持するように、該表面メッシュ層21
と裏面メッシュ層22との間に編み込んだもので、この
立体メッシュニットとなっている三次元構造のネット材
に所定の剛性を付与している。
【0034】なお、本実施形態では、ハニカム状のメッ
シュを有する層を当接体20の表面、すなわち、被介護
者の身体に接する面としているが、これを裏面とし、小
さなメッシュを有する層を表面として使用することもで
きる。また、後述の表1で示したように、このメッシュ
層組織としてはハニカム状や細目以外のメッシュ形状を
採用することももちろん可能である。
【0035】表面メッシュ層21、裏面メッシュ層22
及びパイル23を構成する材料としては、熱可塑性樹脂
が好ましく、繊維状に成形可能で、かつ織物にした際に
被介護者の身体を支持するために要求される所定の強度
を発揮できるものが採用される。例えば、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)などに代表される熱可塑性ポリエステル樹
脂類、ナイロン6、ナイロン66などに代表されるポリ
アミド樹脂類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどに代
表されるポリオレフィン樹脂類、あるいはこれらの樹脂
を2種類以上混合した樹脂などを用いることができる。
【0036】また、パイル23の太さとしては、90d
以上で、好ましくは180d以上がよい。これにより、
上記したように、当接体20に加わる被介護者の荷重を
各メッシュ層21,22を構成するメッシュの変形とパ
イル23の倒れによって支持することができ、応力集中
の起きない柔構造とすることができる。
【0037】表1及び表2に、当接体20として使用可
能な三次元構造のネット材の構成材料の例及びそれらの
物性値をいくつか示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1、表2において、「d」はデニールを
表し、1dは1グラムの原料を9,000m引っ張った
ときの太さの単位であり、例えば、220dは1グラム
の糸を9,000/210=42.9m引っ張ったとき
の太さの糸である。「f」はフィラメントを表し、糸が
何本の細い糸で構成されているかを示す単位で、例え
ば、70fは70本の細い糸で1本の糸を構成している
ことを意味する。引張強度の「kg/5cm」は、5c
m幅のものを引っ張ったときの強度である。パイル組織
の「パラレル」は表面メッシュ層21と裏面メッシュ層
22とを連結するパイル23が側面から見て交差してい
ない状態をいい、「クロス」とは側面から見て交差して
いる状態をいう。
【0041】本実施形態の当接体20は、上記した三次
元構造のネット材からなると共に、これをリング状芯材
10の各対向辺部12,13の両面を被覆するように、
すなわち、各対向辺部12,13間に跨ると共に、これ
らを包み込むような状態で配置される(図2、図6
(a)参照)。そして、その端縁25,26同士を縫合
している(図6(a)参照)。端縁25,26同士を縫
合する際には、縫い代が外側に突出すると、被介護者の
身体に接触して当接感が損なわれるため、端縁25,2
6をいずれも内側に折り曲げることにより縫い代を内側
に突出させ、かかる状態で両者を縫い合わせることが好
ましい。
【0042】また、当接体20は、このようにしてリン
グ状芯材10に取り付けたならば、さらに、幅方向(対
向辺部12,13が対向する方向)に沿って、リング状
芯材10を挟んで両側に位置する部位(表面側に位置す
る面20aと、裏面側に位置する面20b)同士を、対
向辺部12,13と共に縫合処理する(図1〜図3及び
図6(a)参照)。これにより、当接体20がリング状
芯材10に位置ずれしないように固定される。縫いつけ
間隔、すなわち、隣接する縫い糸20cの間隔は任意で
あるが、このようにある程度の間隔をおいて、表面側に
位置する面20aと裏面側に位置する面20b同士を縫
いつけると、縫い糸20c間の部位の面剛性を高めるこ
とができる。
【0043】また、リング状芯材10に形成された第1
の取っ手となる曲線部14,15及び第2の取っ手とな
る内側曲線部18,19にも、本実施形態では、図1〜
図3に示したように、上記した三次元構造のネット材か
らなるクッション材30が巻き付けられる。なお、図7
に示したように、介護者の手に対するフィット感を向上
させるため、ネット材の端末部が外側に露出しないよう
に、曲線部14,15及び内側曲線部18,19をそれ
ぞれ被覆した後、端末部31,32付近を内側に折り曲
げた上で、縫合処理されて取り付けられる。また、この
クッション材30の各端部33,34は、美観上の観点
から、当接体20の表面側に位置する面20aと裏面側
に位置する面20bとの間に収容された上で、該当接体
20の長手方向端部付近を縫合する縫い糸20cによっ
てこれらと一緒に縫いつけられる(図1及び図2参
照)。
【0044】本実施形態の介護用補助バンド1を使用し
て介護するに当たっては、例えば、介護者は、図11
(a)に示したように、第1の取っ手である曲線部1
4,15をクッション材30を介して把持する。あるい
は、図11(b)に示したように、第2の取っ手である
内側曲線部18,19をクッション材30を介して把持
する。さらには、より安全に保持するため、ないしは握
力の弱い介護者は、図11(c)に示したように、第2
の取っ手である内側曲線部18,19に手を通した後、
第1の取っ手である曲線部14,15をクッション材3
0を介して把持する。次に、図12(a),(b)に示
したように、被介護者を椅子に着座した状態から起立さ
せる場合には、被介護者の背部に当接体20のいずれか
の面20a,20bを当接させる。そして、図12
(c)に示したように介護者が手前に引き寄せる。これ
により、被介護者を容易に起立させることができる。
【0045】物と人の身体とが接した際に、人が、心地
よい接触感を得るのは、当該物が柔らかい部位の層と、
硬い部位の層と、バネの層との三層構造となっている場
合である。もちろん、これらの度合い(柔軟度、硬度、
弾力性)にも左右されるが、本実施形態によれば、当接
体20を構成する三次元構造のネット材のうち、表面メ
ッシュ層21又は裏面メッシュ層22が柔らかい部位の
層を構成し、パイル23がバネの層を構成し、ベルト素
材から形成されたリング状芯材10が硬い部位の層を構
成する。従って、上記のようにして被介護者の身体に当
接した場合に、被介護者の受ける接触感は心地よいもの
となり、心理的な安心感を与えることができる。
【0046】また、被介護者の支持力を発揮するリング
状芯材10の対向辺部12,13と、介護者の取っ手と
なる曲線部14,15とが一体構造であるため、リング
状芯材10を構成するベルト素材の強度がそのまま支持
力に反映されることから、信頼感が高い。特に、本実施
形態では、当接体20の構成材料として三次元構造のネ
ット材を使用しているため、不感帯領域が広いことか
ら、被介護者の体圧値を低減し、被介護者の身体とのフ
ィット感が高い。また、三次元構造のネット材は、被介
護者に接する面がメッシュになっているため、摩擦係数
が高く滑りにくく、入浴の際の介護時においても高い信
頼性を発揮できる。
【0047】なお、本発明の介護用補助バンドの使用箇
所は任意であり、被介護者の背部に当接して起立、着座
動作を補助する場合に限られないことはもちろんであ
る。当然、寝ている姿勢から起立するまでの動作を補助
したり、その逆の動作を補助したりすることもできる
し、腕や脚に当てて入浴時やリハビリ時の種々の動作を
補助することもできるし、下着等の交換のために、脚を
持ち上げる際に使用したりすることもできる。
【0048】また、例えば、事故や火災等の発生時に、
負傷者(被介護者)の動作を補助したり、あるいは、本
発明の介護用補助バンドを複数使用して負傷者(被介護
者)を搬送したりする際に使用することもできる。な
お、この場合、負傷者の血液等が付着しても再使用でき
るように、当接体の表面を、使い捨てあるいは洗浄でき
る着脱可能な不織布等からなるカバー(図示せず)で被
覆しておくことが好ましい。
【0049】
【発明の効果】本発明の介護用補助バンドによれば、被
介護者の支持力を発揮するリング状芯材の対向辺部と、
介護者の取っ手となる曲線部とが一体構造であり、対向
辺部間に被介護者の身体に直接接する当接体が配設され
ている。従って、被介護者がある動作を行おうとする場
合には、その動作の補助に役立つ部位にこの当接体を当
接し、介護者が取っ手を把持して操作するだけでよく、
極めて迅速かつ簡易に使用することができる。また、当
接体は、被介護者の任意部位に点や線ではなく面接触す
るように設けられており、かつ、取っ手となる曲線部と
一体に形成されたリング状芯材の一対の対向辺部によっ
て支持されている。このため、リング状芯材を構成する
ベルト素材そのものの強度が被介護者の支持力に反映さ
れ、安全性が高く、介護者、被介護者とも安心して使用
できる。特に、三次元構造のネット材からなる当接体を
用いた場合には、被介護者の身体の凹凸に対する追従性
等に優れ、被介護者に心地よいフィット感を与えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一の実施形態にかかる介護用
補助バンドを示す平面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は、図1のB−B線断面図である。
【図4】図4は、上記実施形態にかかるリング状芯材を
示す斜視図である。
【図5】図5は、リング状芯材の他の態様を示す斜視図
である。
【図6】図6は、クッション材のみからなる内側曲線部
を用いた介護用補助バンドの一例を示す図であり、
(a)は当接体を切り欠いた状態の斜視図であり、
(b)は完成状態の斜視図である。
【図7】図7は、曲線部にクッション材を取り付けた状
態を示す詳細図である。
【図8】図8は、上記実施形態にかかる当接体である三
次元構造のネット材の一部を示す断面図である。
【図9】図9は、上記三次元構造のネット材の表面メッ
シュ層の構造を説明するための図である。
【図10】図10は、上記三次元構造のネット材の裏面
メッシュ層の構造を説明するための図である。
【図11】図11(a)〜(c)は、第1の取っ手とし
て機能する曲線部、第2の取っ手として機能する内側曲
線部の把持方法を説明するための図である。
【図12】図12(a)〜(c)は、上記実施形態の介
護用補助バンドを用いて、被介護者を起立させる際の使
用例を示した図である。
【符号の説明】
1 介護用補助バンド 10 リング状芯材 12,13 対向辺部 14,15 曲線部 18,19,18’,19’ 内側曲線部 20 当接体 21 表面メッシュ層 22 裏面メッシュ層 23 パイル 30 クッション材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被介護者の任意部位に当接して使用さ
    れ、当該被介護者の動作を補助する介護用補助バンドで
    あって、 所定幅の扁平なベルト素材からなり、内側端縁同士が略
    対向するように離間した位置に形成された一対の対向辺
    部と、この一対の対向辺部の一端同士及び他端同士をそ
    れぞれ結ぶように形成された一対の曲線部とを有すると
    共に、該対向辺部と曲線部とが一体的に形成され、対向
    辺部が被介護者の任意部位の支持部として機能し、曲線
    部が介護者用の取っ手として機能するものであるリング
    状芯材と、 前記各対向辺部の表面を被覆すると共に、該各対向辺部
    間に掛け渡され、かつリング状芯材に対して位置ずれし
    ないように固定して配設され、被介護者の任意部位に面
    接触する当接体とを具備することを特徴とする介護用補
    助バンド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の介護用補助バンドであっ
    て、さらに、前記取っ手を構成する各曲線部の内側に、
    該各曲線部と同様に曲成されて配置されると共に、それ
    ぞれ、リング状芯材の任意部位に連結固定され、第2の
    取っ手として機能する内側曲線部を具備することを特徴
    とする介護用補助バンド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の介護用補助バンドであっ
    て、前記取っ手として機能する曲線部が、所定の範囲に
    亘って幅方向に折り曲げられて形成されていることを特
    徴とする介護用補助バンド。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の介護用補助バンドであっ
    て、前記取っ手として機能する曲線部及び内側曲線部
    が、所定の範囲に亘って幅方向に折り曲げられて形成さ
    れていることを特徴とする介護用補助バンド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1に記載の介護
    用補助バンドであって、前記当接体が、クッション材か
    ら構成されていることを特徴とする介護用補助バンド。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の介護用補助バンドであっ
    て、前記当接体を構成するクッション材が、表面メッシ
    ュ層と裏面メッシュ層とを有すると共に、該表面メッシ
    ュ層と裏面メッシュ層とが多数のパイルで結合されて構
    成された三次元構造のネット材であることを特徴とする
    介護用補助バンド。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の介護用補助バンド
    であって、前記当接体を構成するクッション材が、リン
    グ状芯材を構成する対向辺部の両面を被覆し、端縁同士
    が一面側で接合されていることを特徴とする介護用補助
    バンド。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の介護用補助バンドであっ
    て、クッション材のうち、表面側に位置する面と裏面側
    に位置する面とが、任意の間隔をおいて縫合処理されて
    いることを特徴とする介護用補助バンド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1に記載の介護
    用補助バンドであって、前記曲線部及び/又は内側曲線
    部がクッション材により被覆されていることを特徴とす
    る介護用補助バンド。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の介護用補助バンドであ
    って、前記クッション材が、表面メッシュ層と裏面メッ
    シュ層とを有すると共に、該表面メッシュ層と裏面メッ
    シュ層とが多数のパイルで結合されて構成された三次元
    構造のネット材であることを特徴とする介護用補助バン
    ド。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1に記載の
    介護用補助バンドであって、前記当接体を着脱可能なカ
    バーで被覆したことを特徴とする介護用補助バンド。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011513015A (ja) * 2008-03-11 2011-04-28 フランシスコ・ハビエル・ヒル・ビスエテ 生死にかかわる状況にある人を移動させる装置及びその使用方法
JP5965514B1 (ja) * 2015-05-12 2016-08-03 俊介 佐野 介助ベルト
JP2017000310A (ja) * 2015-06-08 2017-01-05 株式会社エナジーフロント 起立補助座面
CN106510977A (zh) * 2016-10-18 2017-03-22 陈梦杰 一种担架
JP7142383B1 (ja) * 2021-04-01 2022-09-27 有限会社メットエンタープライズ 介助ベルト、介助シート、および介助具セット

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