JP2001245678A - ナチュラルキラー細胞刺激因子 - Google Patents

ナチュラルキラー細胞刺激因子

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JP2001245678A JP2001002839A JP2001002839A JP2001245678A JP 2001245678 A JP2001245678 A JP 2001245678A JP 2001002839 A JP2001002839 A JP 2001002839A JP 2001002839 A JP2001002839 A JP 2001002839A JP 2001245678 A JP2001245678 A JP 2001245678A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト末梢血リンパ球(PBL)においてイン
ビトロでγ−インターフェロンの生産を誘発することが
出来るナチュラルキラー細胞刺激因子(NKSF)タン
パク質またはそのサブユニットに対する抗体の提供。 【解決手段】 当該タンパク質をコードするDNAを遺
伝子組換え技術により発現させることにより、当該タン
パク質またはサブユニットに対する抗体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、係属中の米国特許出願第07
/269945号(1988年11月10日出願)の一
部継続出願である。
【0002】
【発明の属する技術分野】この発明は、ナチュラルキラ
ー細胞およびその他の免疫系細胞の機能を刺激する新規
サイトカイン、および該因子を均質な形で入手する方
法、ならびに組換え遺伝子工学手法によってこれを生産
する方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】ナチュラルキラー(NK)細胞は免疫系
で活性なリンパ球のサブセットであり、ヒト末梢血単核
細胞の平均15%を占める〔G.トリンキエリ、B.ペル
ッシア、ラボラトリー・インベスティゲーション、50
巻、489頁(1984年)〕。ヒトNK細胞の同定に
使用される表面マーカーは、IgG抗体のFc断片へ低
親和性で結合するFc−γ−レセプターIIIまたはCD
16抗原のようなレセプターである〔B.ペルッシア
ら、ジャーナル・オブ・イムノロジー、133巻、18
0頁(1984年)〕。NK細胞は、生体内で腫瘍、腫
瘍転移、ウイルス感染等の防御に重要な役割を演じ、ま
た正常および悪性造血を調節していることが証明されて
いる。
【0004】免疫系細胞間のシグナルを伝達する調節タ
ンパク質の系統群が多数確認されてきた。これらの調節
分子はサイトカインとして知られている。多くのサイト
カイン類は、造血系および免疫系細胞の増殖、発育、お
よび生物学的活性を調節することが判明した。これらの
調節分子は、コロニー刺激因子(GM−CSF、G−C
SF、M−CSFおよび多能性CSF、またはインター
ロイキン−3)、インターロイキン類(IL−1〜IL
−7)、インターフェロン類(α、βおよびγ)、腫瘍
壊死因子(αおよびβ)、および白血球遊走阻止因子
(LIF)等のすべてを含む。これらのサイトカイン類
は、骨髄、末梢血、胎児性肝臓、およびその他のリンパ
系または造血系器官由来の標的細胞で広汎な生物活性を
示す〔例えばG.ウォング、S.クラーク、イムノロジー
・トゥデイ、9巻(5)、137頁(1988年)、参
照〕。
【0005】ある種のサイトカイン類の生化学的ならび
に生物学的同定、およびその特性決定は、天然供給源、
例えば血液および尿から入手し得る天然に存在する少量
の因子によって妨害される。最近、多数のサイトカイン
類が、分子クローニングされ、異種的に発現され、均質
に精製されるようになった〔D.メトカーフ、「ザ・モ
レキュラー・バイオロジー・アンド・ファンクションズ
・オブ・ザ・グラニュロサイト・マクロファージ・コロ
ニー・スティミュレーティング・ファクターズ」、ブラ
ッド、67巻、(2)、257〜267頁(1986
年)〕。これらのサイトカイン類は、γ−インターフェ
ロン、ヒトおよびマウスのGM−CSF、ヒトのG−C
SF、ヒトのCSF−1、およびヒトおよびマウスのI
L−3である。GM−CSF、G−CSF、IL−3、
およびIL−2等、精製したこれらの因子の幾つかは、
生体内で、造血系および免疫系に調節的作用を表すこと
が判明した。
【0006】その他のタンパク質についても、天然供給
源またはその他の入手源から精製することによって、免
疫応答を刺激し、または増強することができる医薬用と
して好適な均質な形で生産する技術上の必要性がなお存
在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、一態様と
して、他の哺乳動物のタンパク質を実質上含有していな
いNKSFと呼ばれる新規ヒト・ナチュラルキラー細胞
刺激因子を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】活性なNKSFは約70
kdの見掛けの分子量を有する。NKSFの精製標品に
は2つのポリペプチドの存在が認められ、これらは、結
合すると活性なNKSFを生成するサブユニットである
と予測される。現在のところ、NKSFは、大きいサブ
ユニットと小さいサブユニットが1またはそれ以上のジ
スルフィド結合を介して互いに結合することによって生
成したヘテロ2量体であると推定される。この見掛けの
ヘテロ2量体構造は、2つの個々のサブユニットの結合
により、あるいは例えばインスリンの場合のように、単
一の前駆体ポリペプチドのタンパク質分解による切断に
よって生じるのであろう。あるいはNKSFの活性型
は、大きい方のサブユニットのホモ2量体、または小さ
い方のサブユニットのホモ2量体である可能性もある。
【0009】活性な約70〜80kdのNKSFは、さ
らに後記の第I表に示したアミノ酸配列の全部または一
部を含んでいることを特徴とする。またNKSFサブユ
ニットの大きい方または小さい方のいずれかの一次配列
には、下記のアミノ酸配列(1文字略記法)の1または
それ以上が存在する。カッコ内は確実に同定できなかっ
たアミノ酸を示す。 L−T−I−Q−V K−Y−E−N−Y−T I−W−E−L−K L−M−D−P−K V−M−S−Y−L−N−A (A)−V−S−N−M−L−Q−K N−A−S−I−S−V T−F−L−R D−I−I−K−P−D−P−P−K
【0010】NKSFの大きい方のサブユニットポリペ
プチドは40kdの見掛けの分子量を有することを特徴
とする。このサブユニットは、さらに下記の配列と同一
または実質上同一のアミノ末端配列を有することを特徴
とする。 I−W−E−L−K−K−D−V−Y−V−V−E−L
−D−W−Y−P−D−A−P−G−E−M
【0011】この大きい方のポリペプチドは、さらに後
記の第I表に示した長いクローン化配列の全部または一
部を含んでいる特徴を有する。
【0012】NKSFの小さい方のポリペプチドサブユ
ニットは、約30〜35kdの見掛けの分子量を有し、
さらに下記の配列と同一または実質上同一のアミノ末端
配列を有することを特徴とする。
【0013】X−N−L−P−V−A−(PまたはX)−
P−D−P−(SまたはX)−M−F−P ここで、Xは任意のアミノ酸である。
【0014】NKSFは、試験管内で、ヒト末梢血リン
パ球(PBLs)によるγ−インターフェロン生産を誘
発する生物学的活性を示す。NKSFは均質な形で、後
に詳述するようなγ−インターフェロン誘発検定で、1
mg当たり1×107希釈単位より大きい比活性を示す特
徴を有する。
【0015】PBLsにおけるγ−インターフェロン誘
発活性以外にも、NKSFは、下記のように (1)PBLsによる顆粒球−マクロファージコロニー
刺激因子(GM−CSF)誘発検定における生物学的活
性、(2)白血病細胞および腫瘍由来細胞を致死させる
ナチュラルキラー(NK)細胞を活性化する生物学的活
性、(3)フィトヘマグルチニン(PHA)活性化Tリ
ンパ球による腫瘍壊死因子(TNF)誘発検定における
生物学的活性、(4)末梢血Tリンパ球のマイトジェン
誘起作用等の生物学的活性を示す。
【0016】この発明はもう一つの態様として、ヒトN
KSFポリペプチド、およびヒトNKSFの大きい方の
サブユニットポリペプチドおよびヒトNKSFの小さい
方のサブユニットポリペプチド発現を暗号化しているc
DNA配列を含むDNA配列を提供する。そのような配
列は、上記の1またはそれ以上のサブユニットおよびペ
プチド配列を暗号化しているヌクレオチド配列を含んで
いる。
【0017】この発明はまた、発現調節配列と機能的に
結合させたNKSFまたはNKSFサブユニットを暗号
化しているDNA配列を含んでいるベクターを提供す
る。またこの発明は、組換え体NKSFまたはその組換
え体サブユニットの生産に使用するため、そのようなベ
クターで形質転換した宿主細胞を提供する。
【0018】またこの発明は、組換え体NKSFタンパ
ク質を提供する。このタンパク質は他の哺乳動物のタン
パク質様物質を含有せず、上記の物理的、生化学的、ま
たは生物学的な活性または形質の1またはそれ以上を含
有する、1またはそれ以上の上記のサブユニットまたは
ペプチド断片を暗号化しているDNA配列の存在によっ
て特徴付けられる。
【0019】この発明のもう一つの態様は、均質または
組換え体NKSFの治療的有効量、またはNKSFサブ
ユニットの一方または双方、またはそのペプチド断片の
1またはそれ以上の有効量を含有してなる医薬組成物を
提供する。これらの医薬組成物は、γ−インターフェロ
ンおよびGM−CSF産生が昂進している状態が存在す
ることに起因するガンおよびその他の疾患状態の処置方
法に使用される。すなわちこの因子は、一般に造血細胞
数またはその活性水準の欠乏を特徴とする疾患の処置に
使用される。
【0020】したがってこの発明は、もう一つの態様と
して、好適な医薬担体とともに、NKSF、またはその
サブユニットの一方または双方、またはそのペプチド断
片の治療的有効量を患者に投与することにより、ナチュ
ラルキラー細胞機能の増強によって効果が期待できるガ
ンおよび/またはその他の病的状態を処置する方法を提
供する。これらの治療方法は、NKSF、またはそのサ
ブユニット、またはそのペプチド断片の1またはそれ以
上とともに、少なくとも1種類のその他のサイトカイ
ン、造血促進因子、インターロイキン、成長因子、また
は抗体の有効量を、同時または順次に投与することを包
含し得る。
【0021】この発明はまた、NKSF、またはそのサ
ブユニットを産生するヒト細胞系を他のタンパク質およ
びポリペプチドと混合することによって、それらの細胞
系から均質なNKSF、またはそのサブユニットを生産
する方法を提供する。この発明が提供するこの生産方法
は、NKSF、そのサブユニット、またはそのペプチド
断片産生能を有する選ばれた細胞を培養して、ならし培
地を得、5段階の基本的な精製段階を経てこのならし培
地を精製することからなる。
【0022】この発明は、もう一つの態様として、組換
え体ヒトNKSFタンパク質、そのサブユニット、また
はそのペプチド断片を生産する新規プロセスにベクター
および形質転換細胞を使用する。このプロセスでは、発
現NKSFタンパク質、そのサブユニット、またはその
ペプチド断片を暗号化しているDNA配列で形質転換し
た細胞系をその発現調節配列と機能可能に組合わせて培
養する。上記のプロセスでは、ポリペプチド発現のため
の宿主細胞として、多数の既知細胞を使用し得る。現
在、好ましい細胞系は、哺乳動物細胞系および細菌細胞
である。
【0023】この発明のその他の態様および有利性は、
以下の好ましい実施態様に関する詳細な説明を見れば明
らかである。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明が提供する新規ヒトナチ
ュラルキラー細胞刺激因子(NKSF)は、他の哺乳動
物のタンパク質様物質を実質上伴っていない均質なタン
パク質またはタンパク質様組成物である。
【0025】ナチュラルキラー細胞刺激因子は、ドデシ
ル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(S
DS−PAGE)で非還元条件下に測定した約70〜8
0kdの見掛けの分子量を有する。この70〜80kd
のペプチドは、γ−インターフェロン誘発検定で有効で
ある。
【0026】この70〜80kdバンドは、SDS−P
AGEで還元条件下に40kd(大きい方のサブユニッ
ト)および約30〜35kd(小さい方のサブユニッ
ト)の見掛けの分子量を有する2つの小サブユニットを
生じる。どちらのサブユニットとも、同一のγ−インタ
ーフェロン誘発検定による生物学的活性で、天然の70
〜80kd種の活性に比較して実質的に低下する。40
kdに低下した種および30〜35kdに低下した種か
ら、上述のように同定したアミノ末端配列が測定され、
したがって、これらは前記のNKSFヘテロ2量体のサ
ブユニットであると考えられる。現在、NKSFは、大
きい方のサブユニットと小さい方のサブユニットがジス
ルフィド結合したヘテロ2量体であると考えられる。
【0027】NKSFは、少なくとも一部、陰イオン性
の糖タンパク質である。等電点電気泳動により、NKS
Fの2つの種は4.3および4.8の等電点を有すること
が認められる。現在、2つの種は糖鎖形成パターンを異
にしているものと推測される。
【0028】NKSFは、まず実施例8で詳細に説明す
るγ−インターフェロン誘発検定で生物学的活性を有す
る特徴を有する。その他の活性としては、ヒト末梢血リ
ンパ球によるGM−CSF産生誘発能が挙げられる(G
M−CSFに関する追加的な情報は、例えば公開された
PCT出願WO86/00639参照)。またNKSF
は、末梢血Tリンパ球に対するレクチンおよびホルボー
ルジエステルのような各種マイトジェンの分裂促進活性
に対して増強効果を有し、また活性化されたヒト扁桃B
細胞に対する増殖促進効果を有する。
【0029】またNKSFは、自然細胞障害検定および
抗体依存性細胞障害(ADCC)検定により、試験管内
で白血病細胞および腫瘍由来細胞を致死させるNK細胞
の機能を増強することが認められた。
【0030】自然細胞障害検定について簡単に付言すれ
ば、NKSFの存在でヒト末梢血リンパ球または精製し
たNK細胞を8〜18時間インキュベートする。ついで
標準的な51Cr−放出検定を用いて、リンパ球およびN
K細胞を、白血病細胞系、腫瘍由来細胞系またはウイル
ス感染繊維芽細胞のような標的細胞を溶解する細胞溶解
能について検定する。NKSFは、NK細胞細胞障害活
性の既知の活性化因子であるインターフェロンαおよび
IL−2で得られた成績に匹敵する水準で、そのような
標的細胞を溶解するNK細胞の溶解能を劇的に増強する
〔例えばG.トリンキエリら、ジャーナル・オブ・エキ
スペリメンタル・メディシン、147巻、1314頁
(1978年)、およびG.トリンキエリら、ジャーナ
ル・オブ・エキスペリメンタル・メディシン、160
巻、1146頁(1984年)、参照〕。
【0031】ADCC検定では、NK細胞のFcレセプ
ターに対して結合能を有する抗体(例えばIgG2a、I
gG3等)で標的ガン細胞を被覆する。予備的なADC
C検定で、NKSFの存在は、被覆した腫瘍細胞に対す
るNK細胞の細胞致死活性を増強するようである〔例え
ば、L.M.ワイナーら、キャンサー・リサーチ、48
巻、2568〜2573頁(1988年)、P.ハーゼ
イら、キャンサー・リサーチ、46巻、6083〜60
90頁(1988年)、ADCCに関する追加的な情報
は、C.J.ハンシクら、プロシーディングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ
・ザ・USA、83巻、7893〜97頁(1986
年)参照〕。
【0032】ビーズ結合したヤギ抗ヒトIgM抗体(抗
−μ)で刺激した正常なヒトB細胞を使用するB細胞増
殖因子検定におけるNKSFの予備的な分析で、NKS
Fは、B細胞増殖因子活性を示す特徴を有する。この検
定で、B細胞表面上のIgM免疫グロブリンに対する抗
体は、B細胞を活性化してB細胞増殖因子と反応を起こ
させる〔C−TK.ツェングら、ジャーナル・オブ・イ
ムノロジー、140巻、2305〜2311頁(198
8年)〕。そのような抗体は商業的に入手し得る。
【0033】NKSFは、リンホカイン混合物を産生す
る商業的に入手可能な細胞系であるヒト細胞系RPMI
8866(ユニバーシティー・オブ・ペンシルバニア・
セル・センター)のならし培地で最初に検出された。ま
たこの因子は、他のエプスタイン−バーウイルスで形質
転換したリンパ芽球様細胞系、またはその他のヒト細胞
系からも生産され得る。天然にNKSFを産生する細胞
からこれを得るために採用する精製技術では、下記の段
階を用いる。これらの段階は、例えばQAEゼータ調製
用カートリッジ(LKBファルマケア社)のようなイオ
ン交換カラムによる精製を含み、これによってNKSF
タンパク質が陰イオン性であることが分かる。第2の精
製段階は、レンチル−レクチンカラムであり、このこと
は、NKSFが少なくとも一部糖タンパク質であること
を示している。レンチル−レクチンカラムからの溶出物
を、さらにヒドロキシルアパタイトカラムへ通し、つづ
いてヘパリン−セファロースカラムおよび高速タンパク
質液体クロマトグラフィー(FPLC)モノQカラムで
精製する。RPMI8866から得られたNKSFは、
後段の3つのカラムからそれぞれ単一のピークとして溶
出した。残存する約37kdのタンパク質混入物を、ゲ
ル濾過クロマトグラフィー単独または逆層HPLCおよ
びゲル濾過クロマトグラフィーによって除去する。精製
して得られた均質なNKSFを、実施例8に示したγ−
インターフェロン誘発検定によって生物学的活性を検定
し、1mg当たり1×107希釈単位より大きい比活性を
証明した。
【0034】すなわち実施例2で詳細に説明するが、R
PMI8866のならし培地、またはその他のヒトNK
SF供給源へ、上記の精製手段を適用することによって
均質なNKSFを入手し得る。RPMI8866細胞系
は該因子を自然に産生し得るが、細胞系をホルボールジ
ブチレートのようなホルボールエステル類で処理するこ
とによって生産水準を増強することができる。細胞は4
8時間血清が存在しなくても、なおNKSFを他のリン
ホカインと一緒に産生する。RPMI8866(実施例
1参照)またはその他のNKSF供給源細胞の培養方法
は、当業界で既知の方法である。
【0035】NKSF、またはそのサブユニットの一方
または双方、またはそのペプチドは、組換え技術によっ
ても生産し得る。クローン化したNKSF、またはその
サブユニットの一方または双方のためのDNA配列を得
るため、均質なポリペプチドのトリプシン消化物を調製
する。例えばNKSFのサブユニットで認められた9種
類のトリプシン消化物では、下記の L−T−I−Q−V K−Y−E−N−Y−T L−M−D−P−K I−W−E−L−K V−M−S−Y−L−N−A (A)−V−S−N−M−L−Q−K N−A−S−I−S−V T−F−L−R D−I−I−K−P−D−P−P−K が同定される。またNKSFの大きい方のサブユニット
および小さい方のサブユニットのアミノ末端配列は前述
のように同定した。
【0036】NKSFのこれらのトリプシン消化生産物
のアミノ酸配列を暗号化している可能性のあるすべての
配列を予測した遺伝暗号を用いて、オリゴヌクレオチド
プローブを合成する。さらにこれと同じ方法を用いて、
上述のように同定したNKSFの2つのサブユニットの
アミノ末端配列からプローブを組立て得る。これらのプ
ローブを使用してNKSF遺伝子またはサブユニット遺
伝子を同定し、ヒトゲノムライブラリーを選別すること
ができる。別法として、RPMI8866またはNKS
Fのその他の細胞供給源からのmRNAを使用してcD
NAライブラリーを作成し、これをプローブで選別し
て、NKSFポリペプチド、または大きいサブユニット
および小さいサブユニットのポリペプチドを暗号化して
いるcDNAを同定することができる。cDNAを同定
したら、それらを各種の発現ベクターの任意の一つへ同
時導入し、NKSF、または一方または双方のサブユニ
ットの発現系を作成することができる。
【0037】そのような組換え技術を用いることによっ
て、NKSFポリペプチド、またはその大きいおよび/
または小さいサブユニットのポリペプチドを暗号化して
いるDNA配列を得る。これらの配列はトリプシン消化
断片、または前述のようにして同定したアミノ末端配列
の1またはそれ以上を暗号化したDNA配列を含んでい
る。
【0038】pNK−6と命名したそのようなNKSF
クローンの一つは、少なくとも下記のDNAおよびアミ
ノ酸配列を有し、大きい方のNKSFサブユニットの全
部または一部を暗号化している。
【0039】
【表1】
【表2】
【0040】プラスミドpNK−6でクローン化したこ
の配列は、ブダペスト条約に基づく国際寄託の寄託番号
40545のもとに、ジ・アメリカン・タイプ・カルチ
ャー・コレクション(12301、パークローン・ドラ
イブ、ロックビル、マリーランド)へ1989年2月3
日に寄託した。追加的なクローン体が得られ、これらが
配列決定されれば、NKSFの大きい方のサブユニット
および/または小さい方のサブユニットの配列のカルボ
キシ末端配列を提供することが期待される。
【0041】また前記のペプチド配列および大きい方の
サブユニットを暗号化しているDNA配列の対立遺伝的
変異体、およびその類似体または誘導体もこの発明に包
含される。
【0042】すなわち、この発明は、他の霊長類タンパ
ク質を暗号化しているDNA配列を全く伴わず、NKS
Fの大きいサブユニットおよび小さいサブユニットを含
め、NKSFポリペプチドの発現を暗号化している新規
DNA配列を包含する。これらのDNA配列は、上記の
同定されたDNA、およびペプチド配列、およびそれら
の配列を緊縮ハイブリッド形成条件下に〔T.マニアテ
ィスら、モレキュラー・クローニング(ア・ラボラトリ
ー・マニュアル)、コールド・スプリング・ハーバー・
ラボラトリー(1982年)、387〜389頁参
照〕、DNA配列へハイブリッド形成した1またはそれ
以上を含んでいるDNA配列である。そのような緊縮ハ
イブリッド形成条件の1例を示せば、4×SSCで65
℃でハイブリッド形成し、ついでこれを0.1×SSC
で65℃で1時間洗浄する。別の緊縮ハイブリッド形成
条件を例示すれば、50%ホルムアミド中、4×SSC
で42℃で行う。
【0043】また緩和条件下に、その配列へNKSFま
たはそのサブユニットをハイブリッド形成し、NKSF
生物学的特性を有するNKSFペプチドの発現を暗号化
しているDNA配列も、新規NKSFポリペプチドを暗
号化している。そのような非緊縮ハイブリッド形成条件
の例は、4×SSCで50℃、または30〜40%ホル
ムアミドで42℃でハイブリッド形成する。例えばNK
SFの配列と有意な相同領域(例えば、グリコシル化部
位またはジスルフィド結合)を共有し、1またはそれ以
上のNKSF生物学的特性を有するタンパク質を暗号化
しているDNA配列は、たとえそのようなDNA配列が
NKSF配列へ緊縮ハイブリッド形成しないとしても、
明らかにNKSFポリペプチドを暗号化している。
【0044】同様にNKSF配列によって暗号化された
NKSFポリペプチドを暗号化し、ただし遺伝暗号の縮
重または対立遺伝的変異体のために、コドン配列を異に
するDNA配列(アミノ酸変化をもたらし、またはもた
らし得ない種集団に天然に存在する塩基変化)もまたこ
の発明に包含される。点突然変異により、あるいは活
性、半減期、または暗号化されたポリペプチドの生産を
増強するために誘導された修飾によって生じたNKSF
のDNA配列における変異体もまたこの発明に包含され
る。
【0045】またNKSFポリペプチドは、既知の通常
の化学合成によっても生産し得る。合成手段によるこの
発明のポリペプチドの組立て方法は、当業界で既知の技
術である。合成的に組立てられたNKSFポリペプチド
配列は、1次、2次、もしくは3次構造およびコンホー
メーション上の特徴をNKSFポリペプチドと共有して
いるから、NKSFと共通の生物学的特性を有し得る。
すなわち、これらは生物学的有効物質として、または免
疫学的代替物として天然の精製したNKSFポリペプチ
ドの代わりに治療的および免疫学的処理に使用し得る。
【0046】また本明細書で提供するNKSFは、精製
した均質な組換え体NKSFタンパク質、またはサブユ
ニットポリペプチドの配列と類似し、ただし天然に修飾
され、または意図的に操作して修飾を加えた配列によっ
て暗号化された因子を含む。
【0047】ペプチドまたはDNA配列における修飾は
当業界で既知の技術により実施できる。NKSF配列に
おける重要な修飾は、暗号配列中の選ばれたアミノ酸残
基の置換、挿入または欠失を含み得る。そのような置
換、挿入または欠失のための突然変異手法は当業界で既
知のものである(例えば、米国特許第4518584
号、参照)。
【0048】本明細書で報告するNKSFポリペプチド
またはサブユニットポリペプチド配列のその他の特殊な
突然変異は、糖鎖結合部位の修飾を含み得る。グリコシ
ル化が存在せず、または一部だけがグリコシル化された
状態は、アスパラギン連鎖した任意のグリコシル化認識
部位またはO−連鎖した炭化水素の付加によって修飾さ
れた任意の分子部位のアミノ酸置換または欠失によりも
たらされる。アスパラギン連鎖したグリコシル化認識部
位は、好適な細胞性グリコシル化酵素によって特異的に
認識されるトリペプチド配列からなる。これらのトリペ
プチド配列は、アスパラギン−X−スレオニンまたはア
スパラギン−X−セリン(ここでXは通常任意のアミノ
酸である)のいずれかである。グリコシル化認識部位の
1番目または3番目のアミノ酸位置の一方または双方に
おけるさまざまなアミノ酸置換または欠失(そして/ま
たは2番目の位置のアミノ酸欠失)は、修飾されたトリ
ペプチド配列に非グリコシル化をもたらす。
【0049】そのように変化したヌクレオチド配列を発
現すると、その位置でグリコシル化されていない変異体
が生産される。
【0050】NKSF活性の全部または一部を保有して
いると期待され得るNKSFまたはそのサブユニットの
配列のその他の類似体または誘導体も、当業者であれば
この発明の報告によって容易に作成し得る。そのような
修飾の1つは、存在するリシン残基へのポリエチレング
リコールの付着、または付着を可能にするリシン残基の
通常の技術による配列への挿入であり得る。そのような
修飾もこの発明の範囲に包含される。
【0051】この発明はまた、NKSFポリペプチドの
生産方法を提供する。この発明の方法は、既知の調節配
列の制御下に、サブユニットポリペプチドを含め、NK
SFポリペプチドの発現を暗号化しているDNA配列で
形質転換した、好適な細胞または細胞系の培養を含む。
好適な細胞または細胞系は、チャイニーズハムスター卵
巣細胞(CHO)または3T3細胞のような哺乳動物細
胞であり得る。好適な哺乳動物宿主細胞の選択、および
形質転換、培養、増強、選別、および生産物の生産なら
びに精製方法は、当業界で既知のものである〔例えば、
ゲッシングおよびサムブルック、ネーチャー、293
巻、620〜625頁(1981年)、または別法とし
てカウフマンら、モレキュラー・アンド・セルラー・バ
イオロジー、5巻(7)、1750〜1759頁(19
85年)、またはハウレイら、米国特許第441944
6号、参照〕。2つの異なったcDNAをCHO細胞で
同時発現する方法は、例えば公開されたPCT国際特許
出願WO88/08035に報告されている。その他の
好適な哺乳動物細胞系は、サルCOS−1細胞系、およ
びウイスター・インスティチュート(フィラデルフィ
ア、ペンシルバニア)で最初に開発されたCV−1細胞
系である。
【0052】同様にこの発明に好適な宿主細胞系として
有用なものは、細菌性細胞である。例えばエシェリキア
・コリの多数の株(例えばHB101、MC1061、
および後述の実施例に使用した株)はバイオテクノロジ
ーの分野で宿主として既知のものである。バシラス・サ
ブチリス、シュードモナス、およびその他の桿菌類等の
多数の株もこの発明に使用し得る。
【0053】当業界で既知である酵母細胞の多数の株も
この発明のポリペプチド発現のための宿主細胞として入
手可能である。また所望により、昆虫細胞もこの発明の
方法の宿主細胞として利用し得る〔例えば、ミラーら、
ジェネティック・エンジニアリング、8巻、277〜2
98頁(プレナム・プレス社、1986年)、参照〕。
【0054】この発明はまた、新規NKSFポリペプチ
ドを発現する方法に使用するベクター類を提供する。こ
れらのベクターは、サブユニットポリペプチドを含め、
NKSFポリペプチドを暗号化している新規NKSFの
DNA配列を含んでいる。別法として、前述のように修
飾した配列を挿入したベクターもまたこの発明の実施態
様であり、NKSFポリペプチドの生産に有用である。
この方法に使用するベクター類も、この発明のDNA暗
号配列と機能的に組合わせて、選ばれた宿主細胞での複
製および発現を指令し得る選ばれた調節配列を含んでい
る。
【0055】このように細胞供給源から均質に精製さ
れ、あるいは組換え技術または合成的に生産されたNK
SFは、NK細胞活性の増強またはγ−インターフェロ
ンまたはGM−CSFの生体内生産の増大に反応するガ
ンまたはその他の疾患状態を処置する医療用調製品また
は医薬製剤として使用し得る。そのような病的状態は、
疾病、放射線照射または薬物投与によって発生し、例え
ば、白血球減少、細菌またはウイルスによる感染、貧
血、骨髄移植に伴う免疫細胞または造血細胞欠乏を含む
B細胞またはT細胞欠乏等が挙げられる。これらのNK
SFポリペプチド組成物によるガンおよびその他の疾患
の治療的処置は、今日入手可能な薬物処置によって起こ
る不快な副作用を回避し得る。
【0056】またNKSFのサブユニットポリペプチド
の一方または双方、またはそのペプチド断片をそのよう
な医薬製剤に使用することも可能であり得る。
【0057】またこの発明のポリペプチド類は、単独ま
たは他のサイトカイン類、造血促進因子類、インターロ
イキン類、成長因子類、または抗体と組合わせてガンま
たはその他の疾患状態の処置に使用し得る。これらの新
規ポリペプチド類のその他の用途は、診断または治療的
用途のため、標準的な方法によって生じるモノクローナ
ル抗体およびポリクローナル抗体の開発である。
【0058】したがってこの発明のもう一つの態様とし
て、上述の状態を処置するための方法および治療的組成
物を提供する。そのような組成物は、この発明のNKS
Fタンパク質またはサブユニットポリペプチドの治療的
有効量、またはその断片の治療的有効量を製薬上許容し
得る担体と混合して含有する。この組成物は非経口的に
全身投与することができる。別法として、組成物を静脈
内に投与し得る。また所望により、組成物を皮下投与し
得る。全身投与する場合、この発明に使用する治療的組
成物は、発熱物質を含有しない非経口的に許容し得る水
溶液形態をとる。pH、等張性、安定性等の点を十分考
慮したそのような製薬上許容し得るタンパク質の溶液製
剤は当業界で周知のものである。
【0059】上述の状態を処置する方法に組込まれる投
与計画は、薬物の作用を修飾する各種の要素、例えば病
状、体重、患者の性別および規定食、感染の重篤度、投
与時間、その他、臨床的な要素を考慮して、主治医によ
り決定される。1日の投与計画は、一般にNKSFタン
パク質またはそのサブユニット1〜1000μg、また
は体重1kg当たりタンパク質50〜5000単位(1単
位/mlはγ−インターフェロン誘発検定で50%最大刺
激をもたらすタンパク質濃度を表す)であるべきであ
る。
【0060】またこの発明の治療方法および組成物は、
その他のヒトの因子との併用を含み得る。そのような用
途のための代表的なサイトカイン類および造血促進因子
類は、特にIL−1、IL−2、およびIL−6等であ
る(例えばPCT公開WO85/05124、WO88
/00206、およびヨーロッパ特許出願第01888
64号、参照)。NKSF治療に加え得るその他の可能
性ある候補は、IL−4、G−CSF、CSF−1、G
M−CSF、IL−3、またはエリスロポエチンであ
る。またB細胞増殖因子、B細胞分化因子、または好酸
球分化因子のような増殖因子類も、NKSFと併用する
のに有用であり得る。
【0061】これと同様に、NK細胞のFcレセプター
への結合能を有する抗体の投与と一緒にまたはその前
に、NKSFまたはそのサブユニットまたはその断片を
投与することは、腫瘍に対するADCC療法を増強し得
る。その場合の投与量は、治療用組成物中のそのような
追加成分の量を考慮して調節すべきである。処置患者の
経過は通常の方法によって監視することができる。
【0062】以下に実施例を挙げて、この発明の均質な
ヒトNKSFの精製および特性決定、およびその他の方
法および生産物について例示的に説明する。これらの実
施例は発明を説明するためのものであって、発明の範囲
を限定する目的をもつものではない。
【0063】
【実施例】実施例1 無血清RPMI8866細胞のならし培地の調製 加熱失活させた5%ウシ胎児血清(FCS)を含有する
RPMI1640培地で、ヒトBリンパ芽球様細胞系R
PMI8866を維持した。無血清ならし培地を調製す
るには、細胞を洗浄し、これを10-7Mホルボール−1
2−13−ジブチレート(PdBU)を含有する無血清
RPMI1640培地に浮遊し(106細胞/ml)、5
%CO2気流中で37℃で48時間培養した。0.2μm
フィルター〔デュラポア(商標)親水性カートリッジ型
フィルター、ミリポアー社、ベッドフォード、MA〕濾
過によって無細胞上清を回収し、ツイーン−20および
フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)を、
それぞれ0.02%および0.1mMずつ添加した。つい
で細胞ならし培地を、限外濾過カートリッジ(スパイラ
ル−ウーンド、S1、アミコン社、ダンバーズ、MA)
を使用して減圧下に50倍濃縮した。
【0064】実施例2 NKSFのならし培地からの精製 下記の方法は、実施例1で報告したRPMI8866な
らし培地から均質なNKSFタンパク質を得るため、現
在使用されているものである。
【0065】a.アニオン交換カートリッジ−クロマト
グラフィー 粗製の濃縮ならし培地2リットルを、伝導率が6m Os/
cmとなるまで蒸留水で希釈して、1Mトリス−HCl緩
衝液(pH8)でpH8に調節した。ついで並列に連結
し、0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH8)で流速15
0ml/分で予め平衡化したQAEゼータプレプ250型
カートリッジ(ファルマシア社)5個へ、濃縮物を適用
した。特に説明しない場合、精製に使用したすべての緩
衝液は0.02%ツイーン−20および0.1mM PM
SFを含有している。カートリッジを0.1Mトリス−
HCl緩衝液(pH6.8)3リットルで洗浄し、ついで
0.5M NaClを含有する0.1Mトリス−HCl緩衝
液(pH6.8)1.5リットルで洗浄して、画分300
mlを採取した。NKSF活性を0.5M NaClを含有
する洗浄液で溶出した。
【0066】b. レンチル−レクチンセファロース−ク
ロマトグラフィー 2回分のQAEゼータプレプ溶出液から得たNKSF含
有画分を合わせて、20mMトリス−HCl緩衝液(p
H7.2)で平衡化したレンチル−レクチンセファロー
ス4B(ファルマシア社)のカラム(2.5×15cm)
へ直接適用した。平衡化緩衝液5カラム容量で洗浄した
のち、0.2M α−メチル−D−マンノピラノシド(シ
グマ社)および0.5M NaClを含有する20mMト
リス−HCl緩衝液(pH7.2)3カラム容量でカラム
を溶出した。NKSF活性の約1/2がカラムに結合
し、α−メチル−D−マンノピラノシドで溶出した画分
に回収された。
【0067】c. ヒドロキシルアパタイト−クロマトグ
ラフィー レンチル−レクチンセファロースカラムへ結合したNK
SF活性プールから濃縮した物質を、0.1mM CaC
l2および0.15MNaClを含有する1mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH6.8)に対して透析し、0.1mM
CaCl2を含有する1mMリン酸カリウム緩衝液(pH
6.8)で予め平衡化したバイオゲルHT(バイオラド
社)カラム(2×5cm)へ適用した。平衡化緩衝液5カ
ラム容量でカラムを洗浄し、0.15M NaClを含有
するリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)の1mM−4
00mM直線濃度勾配100mlで溶出した。画分4mlを
採取し、NKSF活性を試験した。リン酸カリウム約2
00mM−300mMの画分で、カラムから単一の活性
ピークとして得られた。
【0068】d. ヘパリン−セファロース−クロマトグ
ラフィー バイオゲルHTカラムから溶出したNKSF含有画分を
合わせて20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
2)に対して透析し、ヘパリン−セファロース(ピアス
社、ロックフォード、IL)カラム(1×10cm)へ適
用した。20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
2)5カラム容量でカラムを洗浄し、1M NaClを含
有するこれと同じ緩衝液で溶出した。画分3mlを採取
し、NKSF活性を測定した。本質的にすべての活性を
ヘパリンカラムで結合して、1M NaCl洗浄で回収さ
れた。
【0069】e. モノQ−クロマトグラフィー ヘパリンセファロースカラムからプールした画分を、1
%エチレングリコールおよび0.1mM PMSFを含有
する(ただしツイーン−20を含有せず)20mMトリ
ス−HCl緩衝液(pH6.8)(バッファーA)に対し
て透析し、YM10メンブランを備えた撹拌セル(アミ
コン社)で2mlに濃縮した。試料をモノQ(5/5)カ
ラム(ファルマシア社−FPLCアパラタス部門)へ適
用し、バッファーA(pH6.8)の0M−1M NaC
l直線濃度勾配溶液で溶出した。画分0.5mlを採取しN
KSF活性を試験した。活性は約220mM−270m
M NaClの画分で単一のピークとして認められた。
【0070】f. ゲル濾過クロマトグラフィー モノQカラムからプールしNKSF活性を含有する画分
をスピードバック・コンセントレーター(サバント社、
ファーミングデール、NY)で100μlに濃縮し、こ
れをFPLCスーパーローズ12カラムへ適用した。
0.15M NaCl、1%エチレングリコール、0.1m
M PMSFを含有する50mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH7.2)でクロマトグラフィーを実施した。流
速を0.6ml/分とし、画分0.5mlを採取した。約37
kdのタンパク質混入物からNKSFタンパク質(70
kd)を分離した。
【0071】別法として、プールしたモノQ画分を、上
記の(f)段階の前に逆層HPLC(c8カラム)へ掛
けて、活性な70kdタンパク質からタンパク質混入物
を分離し得る。
【0072】実施例3 ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動 ラエムリの方法〔U.K.ラエムリ、ネーチチャー、22
7巻、680〜685頁(1970年)〕にしたがい、
10%アクリルアミド板状ゲル(厚さ0.75mm)を使
用してSDS−PAGEを実施した。電気泳動ののち、
銀染色試薬(バイオラド)を使用する銀−硝酸塩法によ
ってゲルを染色するか、あるいは2mmのスライスとして
これを切り出し、RPMI培地0.5mlで24℃で4時
間溶出して、NKSF活性について検定した。標準タン
パク質、ホスホリパーゼb(94kd)、ウシ血清アル
ブミン(67kd)、オボアルブミン(43kd)、カ
ルボニックアンヒドラーゼ(30kd)、大豆トリプシ
ンインヒビター(20kd)、およびラクトアルブミン
(14.4kd)によって見掛けの分子量を測定した。
【0073】NKSF活性の前に溶出する数種の画分で
開始し、活性画分を通じてずっと連続し、NKSF活性
ピークの後に溶出する画分で終了するモノQカラム画分
(実施例2、(e)段階)のSDS−PAGE分析(非還
元条件)から、2つのタンパク質(70kdおよび37
kd)の存在が、各種のモノQ画分におけるNKSF活
性の存在と相関していることが判明した。別の非還元ゲ
ルで活性画分を泳動させ、70kdおよび37kdバン
ドに対応する領域からタンパク質を溶出して、NKSF
活性を試験した。活性はすべて70kd種と対応してお
り、このタンパク質がNKSFであることが明らかにな
った。
【0074】70kd種をゲルから溶出し、クロラミン
T(シグマ社、セントルイス、MO)を使用してこれを
ヨウ素化し、還元剤β−メルカプトエタノールの存在
(10%)で2分間沸騰させたのち、別のSDSゲルで
再び泳動を行った。これらの条件下で、70kd種は分
子量40kdおよび30kdの2つの明瞭なサブユニッ
トに分解し、この事実は、天然のNKSFがこれらのサ
ブユニットポリペプチドのジスルフィド結合したヘテロ
2量体であり得ることを示している。あるいはNKSF
は、大きい方のサブユニットまたは小さい方のサブユニ
ットの集合体によって生成された2量体であり得る。天
然の70kd NKSFの還元は、γ−インターフェロ
ンの末梢血リンパ球産生を誘発するNKSFの誘発能を
すべて破壊するようである。
【0075】実施例4 タンパク質の回収 RPMI8866の無細胞ならし培地500リットルか
ら出発して、モノQカラムからプールした目的の活性画
分は、同一ゲルで並行して分析した対照タンパク質の銀
染色強度から算定して、タンパク質約10μgを含有し
ていた。この約6μgが70kd NKSFタンパク質に
対応した。算定された70kd NKSFの比活性は1
×107単位/mgであった。標品中のNKSF活性の通
算回収率は2%であった。
【0076】実施例5 NKSFタンパク質組成 上記のSDS−PAGE実施例で報告したように、均質
なNKSFを還元し、トリプシンで消化した。別法とし
て非還元NKSFを逆層HPLCカラムから得て、トリ
プシンで消化し得る。下記のアミノ酸配列を有する9種
類のトリプシン消化断片を単離した(カッコ内は仮に同
定したアミノ酸)。 断片1 − L−T−I−Q−V 断片2 − L−M−D−P−K 断片3 − K−Y−E−N−Y−T 断片4 − I−W−E−L−K 断片5 − V−M−S−Y−L−N−A 断片6 − (A)−V−S−N−M−L−Q−K 断片7 − N−A−S−I−S−V 断片8 − T−F−L−R 断片9 − D−I−I−K−P−D−P−P−K
【0077】また実施例3で報告したように、還元後、
単離したNKSFの40kd種および30kd種から、
NKSFの各サブユニットのアミノ末端のアミノ酸配列
を決定した。40kdのサブユニットからのアミノ末端
配列は、I−W−E−L−K−K−D−V−Y−V−V
−E−L−D−W−Y−P−D−A−P−G−E−Mで
あった。このアミノ末端配列、および断片1、3、4、
8、および9は、前記の第I表で同定した大きい方のサ
ブユニットのクローンのアミノ酸配列から誘導されたも
のであることが分かった。
【0078】30kdの小さい方のサブユニットからの
アミノ末端配列は、下記のように、カッコ内のアミノ酸
の同定が確定していない、(X)−N−L−P−V−A−
(P)−P−D−P−(S)−M−F−Pであった。(X)
は、この配列の最初の残基が決定できなかったことを表
す。
【0079】オリゴヌクレオチドのプール、または独特
のオリゴヌクレオチドからなるプローブを、レーズの方
法〔R.レーズ、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バ
イオロジー、183巻(1)、1〜12頁(1985
年)〕により設計した。オリゴヌクレオチドプローブ
は、自動DNA合成装置で合成した。
【0080】遺伝暗号は縮重するので(1個以上のコド
ンが同一のアミノ酸を暗号化できる)、トリプシン処理
した断片のアミノ酸配列を暗号化している可能性のすべ
てのあるヌクレオチド配列を含んでいるオリゴヌクレオ
チドの混合物を合成しなければならない。ある種のコド
ンは、真核遺伝子では希にしか利用されず、またジヌク
レオチドCpGの相対頻度は真核性暗号配列では希であ
る理由から〔J.J.ツールら、ネーチャー、312巻、
342〜347頁(1984年)参照〕、ある場合に
は、コドン利用に基づいたプローブ混合物のオリゴヌク
レオチド数を減らすことが可能である。プローブ設計に
利用するアミノ酸配列の領域は、できれば高度に縮重し
たコドンを避けることによって選ばれる。オリゴヌクレ
オチドを自動DNA合成装置で合成し、ついでプローブ
をポリヌクレオチドキナーゼおよび 32P−ATPで放射
能標識する。
【0081】ついでcDNAを、RPMI8866細胞
系からポリアデニル化したRNAから合成し、これをラ
ムダZAP(ストラタジーン・クローニング・システム
ズ社、ラ・ジョラ、CA)またはその他、好適なベクタ
ーへ確立された手法を用いて(ツールら、前掲)クロー
ン化した。このライブラリーからの組換え体を平板接種
し、複製ニトロセルロース・レプリカをプレートから作
成した。32P−γ−ATPでオリゴヌクレオチドをリン
酸化し、プローブの鎖長および塩基組成から予測した温
度で、標準的なハイブリッダイゼーション溶液中で1
夜、レプリカへハイブリッド形成した〔J.シンガー−
サムら、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・USA、
80巻、802〜806頁(1983年)、およびS.
V.サグズら、「デベロップメンタル・バイオロジー・
ユージング・ピュアリファイド・ジーンズ」、ICN−
UCLA・シンポジウム・オン・モレキュラー・アンド
・セルラー・バイオロジー、D.D.ブラウンおよびC.
F.フォックス編、(アカデミック社、NY)、23
巻、683〜693頁(1981年)参照〕。ついでオ
ートラジオグラフィーに掛けることができる許容し得る
水準にバックグラウンド放射能が低下するまで、フィル
ターを0.5×SSCで同じ温度で洗浄した。別法とし
て、ハイブリッド形成および洗浄をテトラアルキルアン
モニウム塩溶液の存在で実施し得る〔K.A.ヤコブス
ら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ、16巻、46
37〜4650頁(1988年)参照〕。複製陽性物を
プラーク精製した。ヒトNKSFを暗号化するのに必要
なヌクレオチド配列の一部または全部を含んでいるクロ
ーンが得られた。この方法によって得られたクローンの
1つは、前述のようにATCC40545として寄託し
た。
【0082】実施例6 組換え体ヒトNKSFの発現 NKSFを生産するため、そのサブユニットを暗号化し
ているcDNAを標準的な分子生物学的な手法により好
適な発現ベクターへ移入した。これらの発現ベクターに
関しては、哺乳動物、昆虫、酵母、真菌および細菌発現
のための多数の種類が当業界で既知である。哺乳動物細
胞のそのようなベクターの1つはpXMである〔Y.C.
ヤングら、セル、47巻、3〜10頁(1986
年)〕。このベクターは、SV40複製開始点およびエ
ンハンサー、アデノウイルス主後期プロモーター、アデ
ノウイルス3分節系先導配列のcDNAコピー、短いハ
イブリッド介在配列、SV40ポリアデニル化シグナル
およびアデノウイルスVAI遺伝子を、所望のcDNA
の高水準発現を哺乳動物細胞で指令する好適な関係で含
んでいる〔例えばカウフマン、プロシーディングズ・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ
・オブ・ザ・USA、82巻、689〜693頁(19
85年)〕。このpXMベクターをエンドヌクレアーゼ
酵素XhoIで直線化し、続いてNKSFの各サブユニ
ット発現の組立て体を生じ得るXhoI相補的末端を作
り出す合成オリゴヌクレオチド(コラボレーティブ・リ
サーチ、レキシントン、MA〕を付加することによっ
て、予め修飾したNKSFサブユニットを暗号化してい
るcDNAへ、当モル量ずつ別々にライゲーションし
た。2つのポリペプチドが2つの異なったmRNAから
誘導されたのであれば、2つの異なったcDNAを同一
宿主で同時に発現するか、あるいは異なった宿主でそれ
ぞれ独立して発現させ、サブユニットを別々に精製しな
ければならない。目的の活性NKSFは、個々のサブユ
ニットを再生することによって組立てられる。
【0083】もし2つのNKSFのサブユニットが単一
のmRNAから誘導されたのであれば(すなわち、それ
らが単一の前駆体ポリペプチドのタンパク質酵素分解切
断によって生じたのであれば)、前述と類似の態様で、
ベクターを個々のcDNAへ等モル量でライゲーション
する。対応するcDNAは、好適なベクターにより種々
の宿主で発現することができる。
【0084】a. 哺乳動物細胞発現 以下に説明する検定に使用するNKSFタンパク質の発
現を得るため、個々のサブユニットのためのcDNA
(それらが単一の前駆体から誘導されたものであれば、
両方のサブユニットを暗号化している単一のcDNA)
を含んでいるpXM組立て体を混合し、例えばこれをC
OS細胞へトランスフェクトする。トランスフェクトし
たCOS細胞からのならし培地は、γ−インターフェロ
ン誘発検定で測定されるNKSF生物学的活性を含有し
ている。
【0085】本明細書で報告する哺乳動物細胞発現ベク
ターは、当業界で既知の技術によって合成し得る。この
ベクターの構成(例えばレプリコン、選択遺伝子、エン
ハンサー、プロモーター等)は、既知の方法によって天
然供給源からまたは合成によって入手し得る〔カウフマ
ンら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー、159巻、511〜521頁(1982年)、およ
びカウフマン、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・U
SA、82巻、689〜693頁(1985年)参
照〕。代表的な哺乳動物宿主細胞は、形質転換細胞系を
も含め、特に霊長類細胞系およびゲッ歯類細胞系であ
る。また正常な2倍体細胞、一次組織および初代外植片
の試験管内培養から誘導された細胞株も好適である。候
補となる細胞は、選択遺伝子が優性に作用する限り、選
択遺伝子で遺伝子型的に欠損している必要はない。ベク
ターDNAの安定な組込み、および組込んだベクターD
NAのその後の増幅には、いずれも通常の方法により、
CHO細胞を使用し得る。別法として、ベクターDNA
はウシ乳頭腫ウイルスゲノム〔ラスキーら、セル、36
巻、391〜401頁(1984年)参照〕の全部また
は一部を含み、安定なエピソーム要素としてC127マ
ウス細胞のような細胞系で実施し得る。その他の好適な
哺乳動物細胞系としては、ヒーラ細胞、COS−1サル
細胞、マウスL−929細胞、スイス、Balb−cま
たはNIHマウスから誘導された3T3系、BHKまた
はHAKハムスター細胞系等が挙げられるが、これに限
定されるものではない。
【0086】NKSFタンパク質は2量体であるから、
2つのサブユニットが異なっている場合は(例えば大き
いサブユニットと小さいサブユニット)、これらを同一
宿主で同時に発現するか、または別々に発現させて、互
いに再生し、活性なNKSFを生産しなければならな
い。然し、もしNKSFサブユニットが単一のcDNA
によって暗号化されている前駆体の切断によって生じる
のであれば、少なくとも好適なプロテアーゼを含んでい
る哺乳動物細胞で、単一のcDNAを発現させて機能的
なNKSFを生産することができる。
【0087】2つのサブユニットを哺乳動物細胞で同時
に発現することが必要である場合は、2つの異なった選
別可能な遺伝子またはマーカーを用いて、2つのcDN
Aを細胞へ導入しなければならない。実施例7で報告す
るように、これは、一方のマーカーとしてジヒドロ葉酸
還元酵素(DHFR)遺伝子を、他方のマーカーとして
アデノシンデアミナーゼ(ADA)を使用して、CHO
細胞で容易に達成できる。任意の哺乳動物細胞系で独立
的に選別できる2つの遺伝子の任意の組合わせがこの目
的に有用である。例えばCHO細胞系でADAの選別下
に、一方のサブユニットの発現を独立的に生じさせ、別
の細胞系でDHFRの選別下に、他方のサブユニットの
発現を生じさせる。2重選別のもとに、細胞系をポリエ
チレングリコール中で融合して、両方のサブユニットを
発現する安定な系を生産する。別法として、2つのDN
Aを同一の細胞へ同時にまたは順次導入し、それによっ
て活性なNKSFを発現する系を生産する。
【0088】ついで標準的な免疫学的、生物学的、また
は酵素的な検定によって、生産物の発現について安定な
形質転換体を選別する。NKSFポリペプチドを暗号化
しているDNAおよびmRNAの存在は、サザンブロッ
ティングおよびRNAブロッティングのような標準的な
方法によって検出し得る。COS−1サル細胞のような
好適な宿主細胞へ発現ベクターDNAを導入したのちの
数日間、ポリペプチドを暗号化しているDNAの一過性
の発現が、培地中のタンパク質活性または免疫検定によ
って無選別に測定される。
【0089】また当業者であれば、例えば好適な酵素
で、対応するプラスミドからNKSFサブユニットのD
NA配列を挿入し、周知の組換え遺伝子工学技術を用い
て、pJL3およびpJL4〔ゴーら、EMBO・ジャ
ーナル、4巻、645〜653頁(1985年)〕、お
よびpMT2(pMT2−VWFで始まる、ATCC#
67122、PCT出願PCT/US87/00033
参照)〕のようなその他の既知のベクターを使用するこ
とにより、pXMベクターに匹敵し得るその他の哺乳動
物の発現ベクターを組立てることができる。両方のNK
SFサブユニットとともにこれらのベクターを好適な宿
主細胞へ形質転換することによって、NKSFポリペプ
チドの発現を生じることができる。
【0090】b. 細菌発現系 同様に当業者であれば、暗号配列を挟んで隣接する任意
の哺乳動物性調節配列を除去し、細菌性調節配列を挿入
して、細菌細胞により、この発明のNKSFサブユニッ
トを細胞内または細胞外に発現する細菌性ベクターを作
り出すことによって、NKSFサブユニットを暗号化し
ている配列を操作することができる。当業界で既知のよ
うに、NKSFポリペプチドを暗号化しているDNAを
さらに修飾して、細菌性発現を最適化するさまざまなコ
ドンを含有させ得る。当業界で既知の方法により、好ま
しくは成熟NKSFサブユニットを暗号化している配列
を、成熟NKSFポリペプチドの細菌発現、分泌および
プロセッシングを可能にする分泌先導ポリペプチドが暗
号化されているヌクレオチドへ、枠組みのまま機能的に
結合する。そのような分泌系を使用して、NKSFの両
方のサブユニットをエシェリキア・コリで同時発現し、
活性なヘテロ2量体の分泌を生じることが期待される。
この方法によって活性なキメラ抗体断片が得られた〔例
えばビッターら、サイエンス、240巻、1041〜1
043頁(1988年)参照〕。
【0091】別法として、細胞内に発現するベクターを
使用して、エシェリキア・コリで2つの異なったcDN
Aから個々のサブユニットを別々に成熟した形で発現
し、既知の方法によりサブユニットを別々に単離し、こ
れを混合して再生する(例えば米国特許第451292
2号参照)。
【0092】どちらの経路を介しても、細菌宿主細胞で
発現させた化合物を、ついで回収し、精製し、そして/
または物理化学的、生化学的および/または臨床的な指
標について、すべて既知の方法により特性を決定する。
【0093】c. 昆虫または酵母細胞発現 同様の操作によって昆虫細胞でNKSFポリペプチを発
現するための昆虫ベクターの組立てが実施できる(例え
ば公開されたヨーロッパ特許出願第155476号に報
告された方法、参照)。NKSFサブユニットを単一の
cDNAから誘導したのであれば、このcDNAは昆虫
細胞で発現され得る。もしそうではなく、NKSFサブ
ユニットが2つの異なったcDNAから誘導したのであ
れば、各サブユニットを昆虫細胞ベクターへ別々に挿入
し、得られた2つのベクターを昆虫細胞へ同時導入し
て、生物学的に活性なNKSFを発現する。
【0094】同様に酵母調節配列を使用して酵母ベクタ
ーを組立て、酵母細胞で個々のNKSFサブユニットを
同時発現するか、あるいはもし、タンパク質が単一の前
駆体から誘導されたのであれば、その前駆体を暗号化し
ているcDNAを酵母細胞で発現して、細胞外に分泌さ
れる活性なNKSFヘテロ2量体を生産する。別法とし
て、個々のサブユニットを酵母で細胞内に発現し、個々
のポリペプチドを単離し、最後に互いに再生して活性な
NKSFを得る(例えば、公開されたPCT出願WO8
6/00639、およびヨーロッパ特許出願EP123
289に報告された方法を参照)。
【0095】実施例7 高水準のNKSFを発現するCHO細胞系の組立て この発明のNKSFタンパク質を哺乳動物細胞から高水
準で生産する1つの方法は、個々のNKSFサブユニッ
トを暗号化している2つのcDNAの多重コピーを含ん
だ細胞を組立てるか、または、もしサブユニットが単一
ポリペプチドから誘導されるのであれば、NKSF前駆
体を暗号化しているcDNAのコピーを含んだ細胞を組
立てることを含む。
【0096】後者の場合、細胞が濃度増大するメトトレ
キセート(MTX)を含有するように、例えばカウフマ
ンおよびシャープの方法により、単一のcDNAを増幅
可能なマーカー(例えばDHFR遺伝子)と同時トラン
スフェクトする〔カウフマンおよびシャープ、ジャーナ
ル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(1982
年)、前掲〕。この方法は多数の異なった細胞型に使用
できる。
【0097】例えばNKSF前駆体遺伝子を含んでいる
pMXベクター(実施例6)を、この前駆体遺伝子の発
現を可能にする他のプラスミド配列と機能的に組合わせ
て、pAdD26SVpA3のようなDHFR発現プラ
スミド〔カウフマン、プロシーディングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・
ザ・USA、82巻、689〜693頁(1985
年)〕と一緒に、リン酸カルシウム共沈およびトランス
フェクションによって、DHFR欠乏CHO細胞DUK
X−BIIへ導入する。透析したウシ胎児血清によるα培
地における増殖によって、DHFR発現形質転換体を選
別する。生物検定、免疫検定、またはRNAブロッティ
ングにより、形質転換体をNKSF発現について検査
し、つぎに陽性プールを、MTXの濃度増大(0.0
2、0.2、1.0、5μMの段階系列)による増殖の増
幅について選別する〔カウフマンら、モレキュラー・セ
ル・バイオロジー、5巻、1750頁(1983
年)〕。増幅された系をクローン化し、NKSFタンパ
ク質発現をγ−インターフェロン誘発検定によってモニ
ターする。MTX耐性水準の増大とともにNKSF発現
が増大することが期待される。
【0098】もし2つのNKSFポリペプチドがそれぞ
れ別のmRNAから誘導されるのであれば、それぞれ対
応するcDNAをCHO細胞で同時発現する。例えばD
HFRおよびADAのような2種の異なった選別可能な
マーカーを使用し得る。cDNAの一つは、NKSFサ
ブユニットの1つを発現するDHFR系(例えばベクタ
ーpXM)を使用して発現し、また単一前駆体NKSF
タンパク質の際に報告したように、pAdD26SVp
A3を使用してDHFRを発現する。第2のサブユニッ
トもベクターpXMを使用して発現されるが、このマー
カーはプラスミドpSV2ADAとの同時トランスフェ
クトを介して得られ〔カウフマンら、プロシーディング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシズ・オブ・ザ・USA、83巻、3136頁(19
86年)〕、哺乳動物細胞でADAの発現を指令する。
第2のサブユニットを含んだpXMベクター組立て体
を、pSV2ADAと一緒にDHFR欠乏CHO DU
KX−BII 細胞へトランスフェクトする。トランスフ
ェクトされた細胞を2'−デオキシコフォルマイシン
(dCF)の0.01μg〜40μgの段階的に増大する
濃度で、増殖について選別する。個々のcDNAの発現
(一方のサブユニットは1細胞系でDHFR選別下に、
他方のサブユニットは別の細胞系でADA選別下に)
を、転写を試験するmRNAブロッティングおよびタン
パク質生産を試験する免疫検定の組合わせによって実施
する。最後に、ADA選別下にサブユニットの1つを発
現する細胞とDHFR選別下に他方のサブユニットを発
現する細胞とを、当業界で十分確立された方法を用いて
ポリエチレングリコール中で融合し、dCFおよびMT
Xのいずれにも耐性で、両方のサブユニットを発現する
単一細胞系を生産し、生物学的に活性なNKSFを生産
する。
【0099】どちらかの薬物の選別下に、どちらかのサ
ブユニットを発現する細胞系を生成することもできる。
つぎに他方のサブユニットを発現するcDNAを第2の
薬物の選別下に導入し、両方のサブユニットを同時に発
現する細胞を生産し得る(例えば公開されたPCT国際
出願WO88/08035の、DHFRへ結合した第1
の遺伝子とADA遺伝子へ結合した第2の遺伝子を別個
に増幅する例示的な報告を参照)。
【0100】また両方のNKSFサブユニットを発現す
る2つのpMX組立て体を、DHFRを発現するプラス
ミドおよびADAを発現するプラスミドと混合し得る。
両方の薬物を組合わせた選別を使用して、形質転換体を
NKSF活性について直接試験し、ヘテロ2量体を発現
する細胞系を得ることができる。
【0101】上述の発現系のいずれの場合でも、得られ
た細胞系を好適な薬物選別によってさらに増幅し、得ら
れた細胞系を再クローン化して、本明細書で報告するγ
−インターフェロン誘発検定を使用して発現水準を評価
することができる。
【0102】実施例8 ヒトNKSFの生物学的活性 下記の検定は、実施例2で報告した均質なNKSF、ま
たは部分的に精製したNKSF変異体のいずれかを使用
して実施した。分子の組換え変異体は、これらの同一の
検定またはその他の検定でNKSFの生物学的特性を有
することが期待される。
【0103】新たに調製したヒト末梢血の単核球細胞
(PBMC)、またはフィトヘマグルチニン(PHA)
で誘発した芽球をNKSFとともに培養すると、上清中
に有意なγ−インターフェロン量が検出される。さらに
NKSFは、γ−インターフェロン生産誘発においてI
L−2、ホルボールジブチレート(PdBu)、および
PHAと相乗的に作用する。ノーザンブロット分析で、
NKSFは単独または他の因子と組合わせて、γ−イン
ターフェロンmRNAの蓄積を誘発することが分かっ
た。γ−インターフェロン伝達情報は、精製したT細胞
集団およびNK細胞集団のどちらでも見いだされた。タ
ンパク質合成阻害剤シクロヘキシミド(CHX)ととも
に前温置したのち、NKSFで刺激するとγ−インター
フェロンmRNAの超誘発を生じる。HLA−DR
(+)補助細胞はT細胞およびNK細胞によるγ−イン
ターフェロン産生に必要である。γ−インターフェロン
mRNAの誘発は、PHA芽球のNKSF処理後1時間
以内に検出できる。以下にこの検定の詳細を報告する。
【0104】a. γ−インターフェロン誘発検定 ヒト末梢血リンパ球(PBLs)培養におけるγ−イン
ターフェロン(γ−IFN)発現誘発によって、NKS
F活性を測定した。この検定では、10%加熱失活させ
たFCSを加えたRPMI1640培地に浮遊したヒト
PBLs(10 7細胞/ml)100μlを微量検定プレー
ト(U−ボトム、96−ウエル、コスター社、ケンブリ
ッジ、MA)で試験試料100μlへ添加し、5%CO2
気流から無細胞上清100μlを棄て、産生されたγ−
IFN量を放射線免疫検定(セントコール・γ−インタ
ーフェロン・ラジオイムノアッセイ、セントコール社、
マルバーン、PA)により測定した。1ml当たりのNK
SF1単位は、NKSFの至適濃度の存在で生産される
最大γ−IFN量の1/2を生産するのに必要な濃度で
ある。
【0105】各ウエルで生産されるγ−IFN量と培養
内のNKSF量との間にはプラスの相関がある。
【0106】γ−IFN以外にも、NKSFは、T細胞
およびNK細胞のGM−CSFおよび腫瘍壊死因子生産
を誘発する。上述のようにこれらのサイトカイン生産の
検定を実施し、上清をサイトカイン類の存在について特
異的な生物学的検定または放射線免疫検定によって検定
した〔カチュリら、ジャーナル・オブ・エキスペリメン
タル・メジシン、165巻、1581〜1594頁(1
987年)〕。別法として、サイトカイン遺伝子の誘発
はNKSF処理したリンパ球内の3種のサイトカインの
mRNA転写物の蓄積を評価することによって測定す
る。リンパ球をNKSFと4〜18時間培養し、確立さ
れた方法によってRNAを抽出し、アガロースゲル電気
泳動によって分画し、ニトロセルロースでブロットし、
32P−標識cDNAプローブで、γ−IFN、GM−C
SF、または腫瘍壊死因子遺伝子に対して形質転換する
(ノーザンブロッティング)。形質転換の程度はオート
ラジオグラフィーおよびデンシトメトリーによって測定
する。
【0107】NKSFは、精製したヒトNK細胞からの
γ−IFNおよびTNF生産を誘発する。(a)のγ−
インターフェロン誘発検定で報告した検定では、NK細
胞は2つの作用機構によって各種の標的細胞を溶解する
ことができる。1つの作用機構は、特異的な感作なしに
白血病細胞系および固形腫瘍由来細胞系、ウイルス感染
細胞、およびある場合には、正常細胞を含む各種の標的
細胞を一過性に溶解する。第2の作用機構はADCCで
ある。予備的な根拠から、NKSFは、NK細胞のFc
レセプターへ結合可能なFc部分をIgG抗体で被覆し
た標的細胞を、一層効率的に溶解するNK細胞の細胞溶
解能を増強し得ることが判明した。
【0108】b. NK検定 NKSFによるNK細胞の一過性細胞障害性の増強を検
定するため、PBLsまたは精製したNK細胞(5×1
6細胞/ml)を10%加熱失活させたFCSを加えた
RPMI1640培地で、NKSFの各種希釈度の存在
で18時間インキュベートする。ついでPBLsを洗浄
し、U−ボトム微量滴定板の104 51Cr−標識した標
的細胞へ、PBLsを、1:1〜100:1のPBL−
標的細胞比で添加する(最終容量200μl)。4時間
後、プレートを遠心し、無細胞上清を採取して、細胞か
らの51Cr−標識の放出によって標的細胞の溶解を評価
する。標的細胞として悪性造血細胞系(即ち、K56
2、ダウディ、U937、HL−60、ML3、モルト
4、ジャーカット、THP−1)、固形腫瘍由来細胞系
(横紋筋肉腫、黒色腫)、および正常な包皮由来繊維芽
細胞株について検定を行うと、NKSFはNK細胞の細
胞障害性を数倍増大する。NKSFによるNK細胞性細
胞障害性の増強は、γ−IFN、腫瘍壊死因子またはI
L−2の産生による2次的なものではなく、NKSFで
処理したPBLによって生じたものである。細胞障害性
検定、NK細胞の精製方法、およびサイトカインによっ
て増強されたNK細胞を介する増強の定量的な評価につ
いては、G.トリンキエリら、ジャーナル・オブ・エキ
スペリメンタル・メジシン、147巻、1314頁(1
978年)、G.トリンキエリら、ジャーナル・オブ・
エキスペリメンタル・メジシン、160巻、1147頁
(1984年)、およびB.ペルッシアら、ナチュラル
・イミュニティー・アンド・セル・グロウス・レギュレ
ーション、6巻、171〜188頁(1987年)〕に
詳細に報告されている。
【0109】c. ADCC検定 標準的な抗体依存性細胞障害性の検定における予備的な
成績で、この発明の部分的に精製したNKSFは、抗体
被覆した腫瘍標的細胞のNK細胞致死作用を投与量に比
例した形で増強することが判明した。NK細胞のFcレ
セプターへ結合し得る抗体に対するNK細胞のADCC
反応は、NKSFの添加によって増強される。
【0110】d. NKSFの助マイトジェン効果 10%加熱失活させたヒトAB血清を加えたRPMI1
640培地200μlでPBLs(0.5×106/ml)
を培養する。3日後および6日後に、PBLsを3H−
チミジンで6時間パルスし、スカトロン・セル・ハーベ
スターを使用してガラスフィルターに細胞を採取し、パ
ッカード・トリカーブ・ベータ・カウンターを使用する
液体シンチレーションにより細胞内の3H−チミジンを
計数することにより、DNA合成(増殖)を評価する。
NKSFは、それ自身によるPBL増殖効果はごく僅か
であるが、フィトヘマグルチニンとの培養6日目および
ホルボールジエステル(TPA10-8またはPDBu1
-7)との培養3日目および6日目でいずれも強いマイ
トジェン誘起効果を示す。細胞周期分析は、ロンドンら
による免疫蛍光染色〔ロンドンら、ジャーナル・オブ・
イムノロジー、137巻、3845頁(1986年)〕
をDNA染色と組合わせた手技を使用するフローサイト
メトリー(サイトフルオログラフ50H、オルト・ダイ
アグノスティックス社)によって実施する。この分析か
ら、NKSFのマイトジェン誘起効果によって影響され
たPBLsはT細胞のCD4またはCD8でいずれも陽
性であることが判明した。
【0111】e.GM−CSF誘発検定 ヒトPBLsの培養でGM−CSF発現の誘発を測定し
た。この検定で、10%加熱失活させたFCSを加えた
RPMI1640培地に浮遊したヒトPBLs(10-7
細胞/ml)100μlを、微量滴定板(U−ボトム、9
6−ウエル、コスター社、ケンブリッジ、MA)で試験
試料100μlへ添加し、5%CO2気流中で37℃で1
8時間インキュベートした。インキュベーション後、各
ウエルから無細胞上清100μlを棄て、異なったエピ
トープを認識するヒトGM−CSFに対する2種のマウ
スモノクローナル抗体(3/8.20.5および2/3.
1、ジェネティックス・インスチチュート社より提供)
を使用する酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)によ
り、産生されたGM−CSF量を測定した。組換え体ヒ
トGM−CSF(ジェネティックス・インスチチュート
社)を標準として使用して、この検定の検出限界は50
pg/mlであった。
【0112】この発明を実施することによって、多数の
修飾および変更を当業者へもたらすことが期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 C07K 16/24 43/00 111 G01N 33/53 D C07K 16/24 C07K 14/52 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA // C07K 14/52 A61K 37/02 (71)出願人 594096852 ザ・ウイスター・インスティテュート THE WISTAR INSTITUT E アメリカ合衆国ペンシルベニア19104、フ ィラデルフィア、スプルース、サーティ・ シックス・ストリート(番地の表示なし) (72)発明者 ジョルジオ・トリンチェリ アメリカ合衆国19104ペンシルベニア、ウ ィンウッド、ウィスター・ロード355番 (72)発明者 バイス・ペルシア アメリカ合衆国19146ペンシルベニア、フ ィラデルフィア、ウェイバリー・ストリー ト2302番 (72)発明者 ミチコ・コバヤシ 神奈川県横浜市港北区大豆戸町931−1 大倉山B−513番 (72)発明者 スティーブン・シー・クラーク アメリカ合衆国01890マサチューセッツ、 ウィンチェスター、ジョンソン・ロード 122番 (72)発明者 ゴードン・ジー・ウォング アメリカ合衆国02130マサチューセッツ、 ジャマイカ・プレイン、アパートメント 10、ジャマイカ・ウェイ40番 (72)発明者 ロッドニー・エム・ヒューウィック アメリカ合衆国02173マサチューセッツ、 レキシントン、ウッドクリフ・ロード16番

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト末梢血リンパ球(PBL)において
    インビトロでγ−インターフェロンの生産を誘発するこ
    とが出来、SDS PAGE非還元性条件下で見掛け分
    子量約70〜80kDを有し、かつ(a)SDS PA
    GE還元性条件下で見掛け分子量約40kDであって、
    I−W−E−L−K−K−D−V−Y−V−V−E−L
    −D−W−Y−P−D−A−P−G−E−Mを含むN末
    端アミノ酸配列を有する第1サブユニットと(b)SD
    S PAGE還元性条件下で見掛け分子量約30〜35
    kDであって、X−N−L−P−V−A−X−P−D−
    P−X−M−F−P(ここで、Xは任意アミノ酸であ
    る。)を含むN末端アミノ酸配列を有する第2サブユニ
    ットを含んでなるナチュラルキラー細胞刺激因子(NK
    SF)タンパク質またはそのサブユニットに対する抗
    体。
  2. 【請求項2】 化学的に L−T−I−Q−V K−Y−E−N−Y−T L−M−D−P−K I−W−E−L−K V−M−S−Y−L−N−A (A)−V−S−N−M−L−Q−K N−A−S−I−S−V T−F−L−R D−I−I−K−P−D−P−P−K I−W−E−L−K−K−D−V−Y−V−V−E−L
    −D−W−Y−P−D−A−P−G−E−M および X−N−L−P−V−A−(PまたはX)−P−D−P−
    (SまたはX)−M−F−P(ここで、Xは任意アミノ酸
    である。)からなるアミノ酸配列の1またはそれ以上を
    含んでいる請求項1に記載のタンパク質に対する抗体。
  3. 【請求項3】 生物学的にγ−インターフェロン誘発検
    定で1mg当たり1×107希釈単位より大きい比活性を
    有する請求項1に記載のタンパク質に対する抗体。
  4. 【請求項4】 次の特性の一つまたはそれ以上を有する
    請求項1に記載のタンパク質に対する抗体: (1)等電点ゲル電気泳動で4.3の等電点、 (2)等電点ゲル電気泳動で4.8の等電点、 (3)ヒドロキシルアパタイトカラムから単一のピークと
    して溶出、 (4)ヘパリン−セファロースカラムから単一のピークと
    して溶出、 (5)FPLCモノQカラムから単一のピークとして溶
    出、 (6)PBLによるGM−CSF誘発検定における生物学
    的活性、 (7)白血病細胞および腫瘍由来細胞を致死させる活性化
    NK細胞における生物学的活性、 (8)フィトヘマグルチニン活性化Tリンパ球を使用する
    腫瘍壊死因子誘発検定における生物学的活性、 (9)末梢血Tリンパ球に対する共分裂促進活性。
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