JP2001503257A - Il―12遺伝子発現および送達系および使用 - Google Patents

Il―12遺伝子発現および送達系および使用

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Abstract

(57)【要約】 哺乳動物へのDNAコード配列送達のためのプラスミド発現系が記載されており、それは単一プラスミドからの多コード配列発現を提供する。サイズ、電荷比およびスーパーコイル型DNA比率について有利な特性を持っている特別の脂質/DNA送達系および処置のためにそのような送達系を調製および使用する方法も記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】 IL−12遺伝子発現および送達系および使用 背景技術 背景技術および本発明に関する以下の説明は、単に本発明の理解のために提供 されるものであり、本発明に対する従来の技術を記述または構成すると認めるも のではない。 本発明は遺伝子送達および遺伝子治療に関しており、哺乳類における真核生物 遺伝子発現のための新規核酸構築物、発現のための核酸構築物を組み入れた送達 のための処方、およびそのような構築物および処方を製造および使用する方法を 提供する。特に、本発明は治療的核酸の細胞送達のためのプラスミド構築物およ びサイトカイン活性の調節に関している。加えて、本発明はこれらの構築物を使 用する方法ならびにそのような構築物を製造する方法に関している。 プラスミドは遺伝子工学および遺伝子治療において必須の要素である。プラス ミドは、形質転換により細菌細胞内へ導入でき、細胞中で自律的に複製する環状 DNA分子である。プラスミドはクローン化DNAの増幅を可能にしている。い くつかのプラスミドは細胞増殖中に20から50コピーで存在し、タンパク質合 成停止後には細胞当たり1000コピーものプラスミドを発生させることができ る。(Suzuiki et al.,Genetic Analysis,p 404,(1989))。 ヒト遺伝子治療に対する現在の非ウイルス法は、可能性を持つ治療的遺伝子が プラスミド内へクローン化されることを必要としている。プラスミドを含む多量 の細菌宿主を発酵させ、続いての使用のためにプラスミドDNAが精製される。 プラスミドを使用する現在のヒト臨床試験はこの方法を利用している。(組換え 体DNA諮問委員会データ管理レポート、1994年12月、Human Ge ne Therapy 6:535−548)。遺伝子治療プラスミドを設計お よび構築する場合、通常は治療的遺伝子および患者においてその発現を調節する 要素に焦点が当てられる。一般的に、治療的遺伝子および調節要素は都合がよく および容易に利用可能な、現存するクローニングベクター内へ単に挿入される。 プラスミド設計および構築はいくつかの鍵となる因子を利用している。第一に 、プラスミド複製起点がプラスミドコピー数を決定し、それは生成収率に影響す る。より高いコピー数で複製するプラスミドは与えられた容量の培養物からのプ ラスミド収率を増加させることができるが、過度のコピー数は細菌には有害であ ることがあり、望ましくない影響を与える(Fitzwater,et al. ,Embo J.7:3289−3297(1988);Urlin,et a l.,Mol.Gen.Genet.165:167−179(1979))。 人工的に構築されたプラスミドはしばしばその保持が不安定であり、プラスミド を持たない細胞の蓄積および生成収率の低下を導く。 プラスミドを持たない細胞の問題を克服するため、抗生物質耐性表現型をコー ドする遺伝子をプラスミドに含ませ、プラスミドを持たない細胞を殺すまたは阻 害するために抗生物質が加えられる。ほとんどの一般的目的のクローニングベク ターはアンピシリン耐性(β−ラクタマーゼ、またはbla)遺伝子を含んでい る。しかしながら、アンピシリンの使用には問題があり、精製されたDNA中に 残存する抗生物質は処置された患者においてアレルギー性反応を起こすことがあ る。加えて、β−ラクタム抗生物質は疾患処置のために臨床的に重要なものであ る。抗生物質耐性遺伝子を含んだプラスミドが使用された場合、抗生物質耐性遺 伝子の病原体への転移が起こる可能性がある。 他の研究では、細菌トランスポゾンTn5由来のneo遺伝子を使用してきた 。neo遺伝子はカナマイシンおよびネオマイシンの耐性をコードしている(S mith,Vaccjne 12:1515−1519(1994))。この遺 伝予はいくつかのヒト臨床試験(組換え体DNA諮問委員会データ管理レポート 、1994年12月、Human Gene Therapy 6:535−5 48)を含む多くの遺伝子治療研究に使用されてきた。耐性が授けられるその機 構のため、残存抗生物質および病原体への遺伝子の伝播はβ−ラクタムよりも問 題が少ないであろう。 宿主細菌(大腸菌のような)内でプラスミドの挙動に影響する要素に加え、プ ラスミドベクターは真核細胞中のトランスフェクションおよび発現に影響するこ とも示されている。ある種のプラスミド配列は、シスで運ばれる場合、真核細胞 中で真核生物遺伝子の発現を減少させることが示されている(Peterson ,et al.,Mol.Cell.Biol.7:1563−1567(19 87);Yoder and Ganesan,Mol.Cell.Biol. 3:956−959(1983);Lusky and Botchan,Na ture 293:79−81(1981);およびLeite,et al. ,Gene 82:351−356(1989))。プラスミド配列はまた、偶 然に転写調節タンパク質の結合部位を含んでいることも示されている(Gher sa,et al.,Gene 151:331−332(1994);Tul ly and Cidlowski,Biochem.Biophys.Res .Comm.144:1−10(1987);およびKushner,et a ll.,Mol.Endocrinol.8:405−407(1994))。 このことは処置される患者における不適切なレベルの遺伝子発現を起こしうる。発明の要約 本発明は咄乳類のための、特定の機能性組換え体コード配列の送達のための組 成物および方法を提供する。これらの組成物は、コードされている遺伝子産物が 、組成物が投与された咄乳類において発現されるような様式で製造および投与さ れる。コード配列は治療機能を持つ分子をコードできるので、その結果として、 これらの組成物および方法は遺伝子治療に有用である。これらの組成物は、発現 系、送達系および所定のコード配列を含む。発現系は多数のコード配列の調和さ れた発現を提供するように構築される。 送達系は、陽イオン性脂質、中性補脂質およびDNA分子からなる特に有益な 製剤である。そのような製剤は、DNA上の一つまたはそれ以上のコード配列が 哺乳類で発現されるように哺乳類に投与できる(例えば、肺への送達により)。 従って、第一の態様において、本発明は二つの転写ユニットを含む、組換え体 真核生物遺伝子発現のためのプラスミドを提供する。第一の転写ユニットは、5 ’非翻訳領域、イントロン、第一のコード配列および3’非翻訳領域/ポリ(A )シグナルに転写的に連結された第一の転写調節配列を持っている。第二の転写 ユニットは、5’非翻訳領域、イントロン、第二のコード配列および別の3’非 翻 訳領域/ポリ(A)シグナルに転写的に連結された第二の転写調節配列を持って いる。抗生物質耐性遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子)のような選択可 能なマーカーをプラスミド上に提供するのはしばしば都合がよい。 そのようなプラスミドが遺伝子発現に適した環境に置かれた場合、第一および 第二の転写ユニットはコードされている遺伝子産物の両方を発現するであろう。 二つの遺伝子産物発現の相対的レベルは、付随するプロモーターの強さおよび付 随するエンハンサー要素の存在および活性化にかなりの程度で依存するであろう 。それ故、好適な実施例において、第一および/または第二の転写調節配列は、 サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター/エンハンサー配列のようなプロ モーターエンハンサー配列を含んでいる。しかしながら、当業者は、真核細胞で の発現に適した種々の他のプロモーター配列が知られており、本発明の構築物に おいて同様に使用できることを認識するであろう。 本明細書で使用される場合、用語”プラスミド”とは遺伝子材料(即ち、核酸 )で作製された構築物を意味している。これは、挿入されたコード配列が真核細 胞中で転写できるように配置された遺伝子要素を含んでいる。好適には、プラス ミドはまた、真核宿主細胞において、およびおそらくは非宿主細胞(例えば、原 核細胞)において、プラスミド産生のために複製できる。また、プラスミドはウ イルス核酸からの配列を含んでいるであろうが、そのようなウイルス配列はウイ ルス粒子内へのプラスミドの取り込みを起こさない。 用語”発現”とはコード配列によりコードされている生成物の生物学的生成を 意味している。ほとんどの場合、コード配列を含んでいるDNA配列が転写され てメッセンジャーRNA(mRNA)が生成する。メッセンジャーRNAは翻訳 されて適切な生物活性を持つポリペプチド生成物を生成する。しかしながらある 場合には、RNA生成物が適切な活性を持っており、従って、それは遺伝子産物 とみなされるであろう。また、発現の過程には、イントロンを除去するためのス プライシングのような転写によるRNA生成物のさらなるプロセシング工程、お よび/またはポリペプチド生成物の翻訳後プロセシングも含まれるであろう。 用語”転写ユニッド”とは、転写の開始および終止を指示する配列要素と一緒 に少なくとも一つのコード配列を含むヌクレオチド配列を意味している。しかし ながら、転写ユニットは迫加の配列を含んでいてもよく、それらには転写後また は翻訳後プロセシングに関する配列が含まれるであろう。 用語”転写調節配列”とは、転写的に連結されたコード領域の転写速度を調節 する配列を意味している。それ故、本用語はプロモーター、オペレーターおよび エンハンサーのような要素を含むことができる。特定の転写ユニットに対し、転 写調節配列は少なくともプロモーター配列は含んでいるであろう。本明細書の文 脈において、”転写的に連結された”とは、転写に適した系において、転写は調 節配列の指示下で開始され、その調節配列に転写的に連結されている配列によっ て進行するであろうことを意味している。好適には、生じる転写体において、生 じる翻訳産物を変化させるであろう突然変異は起こらない。 5’非翻訳領域(UTR)、3’UTR/ポリAシグナルおよびイントロンに 関係した本発明の文脈において、用語”合成の”とは、配列がその型の天然に存 在する遺伝子要素の配列から直接的に提供されるのではなく、むしろ人工的に作 製された配列(即ち、分子生物的方法により人により作製された)であることを 意味している。そのような合成配列の一つまたはそれ以上の部分は天然に存在す る配列の部分と同じであるかもしれないが、特定の遺伝子要素の全配列はその型 の天然に存在する遺伝子要素とは異なっている。そのような合成遺伝子要素の使 用は、その要素の機能的特性が所望の機能のために適切に設計されることを可能 にする。 従って、”合成イントロン”とは、天然に存在するイントロン配列ではないが 、正常の翻訳後プロセシングの間にRNA転写体から除去されるであろう配列を 表す。そのようなイントロンは種々の異なった特性を持つように設計でき、特に そのようなイントロンは所望のスプライス部位強度を持つように設計できる。 用語”コード領域”とは、正常の塩基対形成およびコドン使用関係に従って、 発現が望まれる特定の遺伝子産物をコードしている核酸配列を表す。従って、コ ード配列は、適切な長さの転写体が生成されるように、および適切な読み枠内で 翻訳が行われて機能的な所望の生成物が産生されるような関係で、転写調節要素 および翻訳開始および終止コドンに対して置かれていなければならない。そのよ うなコード配列は多くの異なった型でありうるが、好適には治療的分子またはI L−12サブユニットのような治療的分子のサブユニットをコードしている。 ”5’非翻訳領域”または”5’UTR”とはプロモーター領域の3’側およ び下流のコード領域の5’側に位置している配列を意味している。従って、その ような配列は、転写されるが、翻訳開始コドンの上流になり、ポリペプチド生成 物の一部として翻訳されない。 ”3’非翻訳領域/ポリ(A)シグナル”または”3’UTR/ポリ(A)シ グナル”は物質ポリペプチドをコードしている領域の下流(即ち、3’側)に位 置する配列である。5’UTRと同様に、この領域は一般的に転写されるが翻訳 されない。真核細胞での発現には、一般的にポリA尾部の付加を指示する配列を 含んでいることが好適である。他の合成遺伝子要素と同様に、合成3’UTR/ ポリ(A)シグナルは天然に存在するUTR要素と異なった配列を持っている。 本発明の遺伝子構築物において、第一および第二のイントロン、第一および第 二のコード配列、第一および第二の5’UTRまたは第一および第二の3’UT Rは、所望の使用または構築効率または便利さに依存して、同一のまたは異なっ た第一および第二の要素を持つことができる。 ”サイトメガロウイルスプロモーター/エンハンサー配列”とは転写プロモー ターおよび上流エンハンサー配列として真核細胞中で機能的であるサイトメガロ ウイルス由来の配列を意味している。エンハンサー配列は関連するプロモーター からのより高頻度の転写を起こすことを可能にする。 ”治療的分子”とは疾患または病状を持つ咄乳類に適切に投与された場合に薬 理学的活性を持っているものである。そのような薬理学的特性とは疾患または病 状の経過または徴候に対する有益な効果に関連していることが期待されるもので ある。治療的分子の”サブユニッド”は、一つまたはそれ以上の他の分子と結合 して適切な薬理学的活性を持っている複合体を形成する、ポリペプチドまたはR NA分子である。そのような複合体の例には、ホモダイマーおよびヘテロダイマ ー、ならびにより大きな数のサブユニットを持っている複合体が含まれる。ヘテ ロダイマーの特定の例は、p40およびp35サブユニットを持っているIL− 12である。 ”p40サブユニッド”はIL−12ヘテロダイマーの二つのサブユニットの 大きな方である。従って、それはp35サブユニットと会合してIL−12に特 徴的な活性を持っている分子を形成しうる。ヒトp40は配列ID番号:1のア ミノ酸配列を持っている。当業者は、本分子が、一つまたは数個のアミノ酸の欠 失、挿入または変更のように、配列に多数の変形を持っているが、p35と会合 した場合には未だにIL−12活性を保持していることを認識するであろう。そ のような活性な変形分子もまたp40とみなされる。 逆に、”p35サブユニッド”はIL−12ヘテロダイマーの二つのサブユニ ットの小さい方である。ヒトについて、p35は配列ID番号:5のアミノ酸配 列を持っている。p40のように、p35はその配列からの低レベルの変形を持 っているであろうが、依然としてp35とみなされる。 本発明のプラスミドでの使用に適したコード領域の特別な例はヒトIL−12 のp40およびp35サブユニットをコードしている天然配列である。従って、 好適な態様において、第一および第二のコード領域はこれらの配列のコード領域 であり、好適には、5’から3’の方向にp40、続いてp35の順である。 従って、”ヒトIL−12のp40サブユニットをコードしている配列”とは 正常の塩基対形成および翻訳コドン使用関係に基づき、上記のようなヒトIL− 12サブユニットをコードしている核酸配列である。ヒトIL−12のp35サ ブユニットをコードしている配列も同様に定義される。 上記の態様は別々の転写ユニット中の二つのコード配列の協調的発現のための プラスミドを記載しているが、本発明はまた、単一転写ユニット中に二つのコー ド配列を持つプラスミドの使用によりそのような協調的発現が行われるプラスミ ドも提供する。従って、第二の態様において、本発明は第一のコード配列および 第二のコード配列に転写的に連結された転写調節配列を含むプラスミドを提供す る。これにはまた、5’非翻訳領域、第一のコード配列の5’側のイントロン、 第一のコード配列の3’側および第二のコード配列の5’側の代替スプライス部 位が3’非翻訳領域/ポリ(A)シグナルと一緒に含まれている。そのようなプ ラスミドは二つの異なったmRNAを提供する。第一のものは転写後プロセシン グの間に第一のコード配列より前にあるイントロンの切り出しにより生じる。こ のmRNAは両方のコード領域を含んでいるが、主として第一の(即ち、5’側 ) コード領域が翻訳される。代替スプライス部位でのスプライシングによるイント ロンおよび第一のコード領域の切り出しにより第二のmRNAが生じる。このm RNAはそれ故第二のコード領域のみを含んでいる。二つのスプライス部位の強 度は、二つのコード領域の発現の適切なバランスを提供するように選択できる。 前に説明したプラスミドにおけるように、種々の特定の遺伝子要素は合成配列 であろう。また、前に説明したプラスミドにおけるように、好適な態様において 転写調節配列はサイトメガロウイルスプロモーター/エンハンサー配列を含んで いる。また、第一および第二のコード配列はヒトIL−12のp40およびp3 5サブユニットをコードする配列である。 本文脈において、”代替スプライス部位”とは、5’スプライス部位および3 ’スプライス部位間のRNAを切り出すために正常のイントロン除去過程が働く ヌクレオチド配列に沿った位置を意味している。上記のプラスミドは、そのよう な5’および3’スプライス部位を持つ第一のコード配列に先行するイントロン を含んでいる。しかしながら、それはまた第一のコード配列および第二のコード 配列間に位置している第二の3’スプライス部位も含んでいる。従って、イント ロン切り出しは第一のイントロンかまたは第一のイントロンおよび第一のコード 配列を除去することができる。これら二つの出来事の相対頻度は、部分的に、二 つの3’スプライス部位の相対強度に依存しており、それはそれらの正確なスプ ライス部位塩基配列に依存している。 本発明はまた単一の転写ユニット内の二つのコード配列の協調的発現を行うさ らに別のプラスミドを提供する。このプラスミドに対しては、協調的発現調節は 翻訳レベルで提供される。従って、本発明の第三の態様において、第一のコード 配列、IRES配列、第二のコード配列、3’非翻訳領域/ポリ(A)シグナル 、およびプロモーターと第一のコード配列との間のイントロンに転写的に連結さ れた転写調節配列を持つ組換え体真核生物遺伝子発現のためのプラスミドが提供 される。IRES配列は第一のコード配列と第二のコード配列との間に存在する 。第一および第二のコード配列はヒトIL−12のp40およびp35サブユニ ットをコードしている配列を含んでいる。前記の態様におけるように、好適な態 様において転写調節配列はサイトメガロウイルスプロモーター/エンハンサー配 列 を含んでいる。また好適な態様において、IRES配列は脳心筋炎ウイルス由来 のものである。”IRES配列”は内部リボソーム侵入部位である。そのような IRES配列は多数の異なったウイルスで記載されている。そのようなIRES 配列は、IRES配列の3’側のコード領域のキャップ非依存性翻訳を可能にす る。 遺伝子発現のためのコード配列の送達には、一般的に送達組成物を提供するの が有用である。そのような組成物は、例えば、DNAの完全性の維持およびDN Aの細胞取り込みの促進を助けることができる。従って別の態様において、本発 明は補脂質(好適には天然の補脂質)を持つ陽イオン性脂質を含む哺乳類でのD NA送達のための組成物を提供し、ここでこれらの脂質は約800nmの押し出 しサイズおよびIL−12サブユニットコード配列を持っている若干量のDNA を含むリポソームとして調製される。DNAの形は発現効率に影響を与えるので 、DNAの大部分がスーパーコイル型であることが好適である。従って好適な態 様において、組成物中のDNAの少なくとも80、90または95%がスーパー コイル型である。 陽イオン性脂質およびDNAの電荷比もまた重要な因子であるので、好適な態 様において、DNAおよび陽イオン性脂質は負対正の比が約1:3になるような 量で存在している。好適ではあるが、比は必ずしも1:3である必要はない。従 って、組成物の電荷比は好適には約1:1.5から1:20より好適には約1: 2から1:6の間である。別の好適な態様において、組成物はまた哺乳類細胞と ほぼ等張である炭水化物溶液も含んでいる。より好適には、炭水化物には約10 %のラクトースが含まれる。また好適な態様において、陽イオン性脂質はDOT MAであり、中性補脂質はコレステロールである。DOTMAは本明細書におい て援用されるEppsteinらによる米国特許第4,897,355号に開示 および説明されている。 用語”陽イオン性脂質”とは生理学的pHで正味の正電荷を持ち、好適にはそ のようなpHでは負電荷を持っていない脂質を意味している。そのような脂質の 例はDOTMAである。同様に、”中性補脂質”とは生理学的pHで通常は荷電 されていない脂質を意味している。そのような脂質の例はコレステロールである 。 従って、DNAおよび陽イオン性脂質における”負対正の電荷比”とは陽イオ ン性脂質上の正味正電荷と比較したDNA上の正味負電荷間の比を意味している 。 密接に関連した態様において、本発明は、中性補脂質を含んでいる陽イオン性 脂質およびIL−12サブユニットコード配列を含んでいる若干量のDNAを含 む、DNA分子送達のための組成物を提供する。DNAおよび陽イオン性脂質は 、負対正の電荷比が約1:3であるような量で存在している。また前と同様に、 より高い比のスーパーコイル型DNAが好適である。また好適には、組成物は等 張炭水化物溶液(好適には約10%ラクトースである)を含んでいる。再び、好 適な態様において、陽イオン性脂質はDOTMAであり、中性補脂質はコレステ ロールである。 関連する態様において、本発明は、送達されるべきコード配列を含むDNAを 調製し、陽イオン性脂質および中性補脂質を含み約800ナノメーター(nm) の押し出しサイズを持っているリポソームを調製し、DNAおよび陽イオン性脂 質が負対正の電荷比で約1:3の量になるようにリポソームとDNAを混合する ことにより、哺乳動物への送達のための組成物を調製する方法を提供する。好適 には、コード配列はIL−12サブユニットをコードしている。 別の態様において、本発明は哺乳動物の病状または疾患を処置する方法を提供 する。本方法は、病状または疾患を持つ哺乳動物にDNA送達のための若干量の 組成物を投与することを含んでいる。組成物は、IL−12サブユニットのため のコード配列を持つDNA、陽イオン性脂質および中性補脂質を含んでいる。D NAおよび陽イオン性脂質は、負対正の電荷比が約1:3であるような量で存在 している。好適には、組成物はまた約10%ラクトース溶液のような等張炭水化 物溶液も含んでいる。 投与用の組成物を調製するためには、超音波噴霧化が適当なエーロゾルを提供 するための有効な方法である。従って、好適な態様において、組成物はそのよう な超音波噴霧化による投与用に調製される。 治療的IL−12サブユニットコード配列の送達は都合よく実施でき、喘息に 治療効果を示すことが認められるであろう。図の簡単な説明 図1は単一の転写ユニットを示している発現プラスミドの図である。プラスミ ドは細菌要素である、カナマイシン耐性遺伝子(kanR)および複製のプラス ミド起点を含んでいる。プラスミドはまた真核生物要素である、CMVエンハン サー/プロモーター、合成イントロン、合成3’UTR/ポリ(A)シグナル、 および合成5’UTRも含んでいる。 図2は例示の発現系のために構築された、合成5’UTR、合成イントロン、 および合成3’UTR/ポリ(A)シグナルを含有する例示の転写ユニットの追 加の特色を示している拡大図である。 図3はIL−12のために使用された四つのプラスミド構築戦略を示している 図である。パネルAは二つのプラスミド配置を示している。パネルBは二つのコ ード領域およびそれらの間に内部リボソーム侵入部位(IRES)を持つプラス ミド構築物を示している。パネルCは二つの異なったmRNAを生成する代替R NAスプライシングを持っているプラスミド構築物を示している。パネルDは二 つの別々に転写される遺伝子を含んでいるプラスミドを示している。図において 、CMVエンハンサー/プロモーターにより特定される転写開始部位は白抜きの 矢印により示されており、ポリ(A)部位は下向きの矢印で印されている。各々 の遺伝子は図1に記載されている合成転写後要素、即ち、合成イントロン(細線 )、合成5’UTR(一緒にスプライスされる5’末端の黒く塗りつぶした部分 )および合成3’UTR/ポリ(A)シグナル(3’末端の黒く塗りつぶした部 分)を含んでいる。pIN0744中のIRES要素およびpIN0745およ びpIN0772中の代替3’スプライス部位は内部の黒塗り部分により示され ている。各々のmRNAはその5’末端のキャップ(m7G)およびその3’末 端のポリ(A)尾部(An)により定義される。 図4はヒトIL−12 p40サブユニットのアミノ酸配列を示している。 図5はヒトIL−12 p35サブユニットのアミノ酸配列を示している。 図6はトランスフェクトされたA549細胞によるヒトIL−12分泌のレベ ルを示している。6−ウェル皿中のヒトA549細胞(3x105細胞/ウェル )は24μgのリポフェクタミンとともに処方した4μgのプラスミドでトラン ス フェクトした。トランスフェクションして40時間後、細胞培養上清をELIS A(R&D Systems)によりヒトIL−12ヘテロダイマーについてア ッセイを行った。pIN0773は二つの遺伝子構築物を表している;第二の二 遺伝子構築物はpIN0744である。二つの別々のプラスミドによるコトラン スフェクシヨンはpIN0728/pIN0755により表されている。代替ス プライシング構築物、pIN0772はpIN0773の約4分の1しか効果が なかった。別の代替スプライシング構築物はpIN0745であり、IRES構 築物はpIN0774である。 図7は、CATをコードしているプラスミドDNAを2,10または50μg 含む点滴注入された製剤に対して、DNA量の関数としてラット肺中のCAT発 現の用量応答を示している。予測されたように、送達されたDNAの量が増加す ると、発現が増加した。 図8は例示的IL−12製剤の効果を評価するために使用されたモルモット抗 原誘発気道炎症モデル(モルモット喘息モデルともいわれている)のための時間 系列の図である。時間系列はオボアルブミン(OA)注射およびエ一ロゾルOA 誘発が実施された日、ならびにIL−12製剤の投与のタイミングおよび細気管 支肺胞洗浄(BAL)細胞計数の測定を示している。 図9は三つの異なったDNA投与量でのIL−12製剤投与に応答した、総B AL細胞計数量の減少ならびにBAL細胞中の好酸球計数量の減少を示している グラフである。減少はCATコード製剤(pCT0129:脂質)の投与による 影響と比較された。IL−12製剤は上記のような例示的な二転写ユニットプラ スミドを含んでいた。好ましい態様の詳細な説明 I.一般 前記の要約で説明したように、本発明は二つまたはそれ以上の遺伝子の協調的 発現のための発現系、そのような発現系または他の発現系を哺乳類に送達するた めの製剤および方法に関している。ヒトIL−12サブユニットをコードしてい るヌクレオチド配列を含む特定の遺伝子構築物が記載される。そのような構築物 は本発明の発現系を利用して、本明細書に説明されるように都合よく処方および 投与できる。 多くの分子について、2以上のコード配列を提供することが必要または都合が よい。このことは多数の発現ベクターで細胞をトランスフェクトすることにより 達成できるが、細胞を共同トランスフェクションすると単一ベクターでのトラン スフェクションより頻度が低くなるであろう。このことは活性に2以上の型の成 分分子の組み込みを必要とする多サブユニット分子では特に重要な問題である。 通常の例においては、分子は二つまたはそれ以上の異なったポリペプチド鎖を含 み、関連する生物学的活性を産生するにはそのすべてが会合していなければなら ない。しかしながら、共同トランスフェクションの難しさは多価プラスミド発現 系の使用により取り除くことができる。 一つのプラスミドからの多コード配列の共同発現は多くの方法により達成でき る。これらには別々のプロモーターの制御下の多転写ユニットの使用が含まれて いる。プロモーターの相対的強度はプラスミド構築に先立って選択でき、異なっ た生成物の発現レベルの適切なバランスが得られる。 そのようなプラスミドの都合のよい作成を可能にするためには、プラスミドが 細胞中で高いコピー数で複製されることが一般的には好適である。一般的に、そ のような産生は原核細胞(特に大腸菌(E.coli)細胞)で実施される。従 って、プラスミドは好適には原核細胞において機能的な複製起点を含んでおり、 および好適には複製起点は高コピー数の複製を指令するものである。 プラスミド構築物中に合成遺伝子要素を利用することも好適である。以下に説 明するように、これらの要素は真核生物系において転写後プロセシングに影響す る。従って、合成配列の使用は特定の応用に望まれるプロセシング特性の設計を 可能にする。普通、本要素は迅速で正確なプロセシングを提供するように設計さ れるであろう。 所望の発現産物をコードしているDNAを哺乳類系へ送達するためには、通常 、送達系を利用するのが好適である。そのような系は多くの利点(DNAの完全 さを保護する安定性を提供し、ならびに細胞取り込みを助ける)を提供できる。 陽イオン性脂質:中性補脂質混合物(DOTMA:コレステロール)はそのよう な 目的には効果的であることが示されている。加えて、脂質組み合わせを調製する 様式および存在する脂質およびDNAの相対量は、DNAコード領域からの発現 レベルを決定する有意なパラメーターであることが示されている。 本発明の組成物および方法は多くの種類の産物をコードしている遺伝子の哺乳 動物への送達に有用である。本明細書に記載されているプラスミド構築物上の遺 伝子によりコードできるタンパク質の特別の例としては、免疫系に関与するサイ トカインおよび制御タンパク質が挙げられる。 免疫系の細胞間のシグナル伝達に関与する多数の制御タンパク質が同定されて いる。これらにはコロニー刺激因子、インターロイキン、インターフェロンおよ び腫瘍壊死因子がある。 インターロイキン−12(IL−12)はもともと、ナチュラルキラー細胞を 刺激し、細胞障害性Tリンパ球(CTL)の成熟を促進させる因子として同定さ れた。IL−12はマクロファージおよびBリンパ球により産生される糖タンパ ク質サイトカインであり、免疫系の成分、特にT細胞およびナチュラルキラー( NK)細胞に関する種々の生物学的活性を持っていることが示されている。他の 効果としては、T細胞およびNK細胞からのIFN−γおよびTFNの産生を誘 導し、これらの細胞の細胞障害性活性を促進する。IL−12は細胞媒介免疫応 答の中心メディエーターであることが示されており、従って、微生物およびウイ ルス感染、ある種の癌およびアレルギー喘息を含む種々の状況における応答を刺 するための治療的用途がある。 IL−12は単一のジスルフィド結合により連結されているp35およびp4 0サブユニットからなるヘテロダイマーである。機能性IL−12ヘテロダイマ ー合成のためには、p35およびp40の前ポリペプチドが同一細胞で合成され なければならない。前ポリペプチドは小胞体/ゴルジ装置により処理されてヘテ ロダイマーが組み立てられ、機能性分子として分泌される。p40サブユニット は二量化できる。これらのp40ホモダイマーはIL−12レセプターに非生産 的に結合し、それによりIL−12機能を阻害する。II .プラスミド構築物発現系 A.プラスミド設計および構築 本発明の方法および構築物のため、遺伝子配列の送達および発現、特に二つの 異なったコード配列の協調的発現に有用である多数の異なったプラスミドが構築 された。従って、これらのプラスミドは発現されるのが望まれているポリペプチ ドのためのコード領域、ならびにこれらのコード領域の発現に必要または有用な 遺伝子要素を含んでいる。本明細書に記載されている実施態様において、コード 領域はヒトIL−12の二つのサブユニット(p40およびp35サブユニット )をコードしている。 これらの実施態様は以下に記されるような特定の起源からのIL−12 cD NAクローンを利用しているが、当業者は他起源からのIL−12コード配列を 容易に得ることができるであろうし、または公表されたIL−12サブユニット 配列に基づいたプローブを用いてライブラリー中のcDNAクローンを同定する ことによりコード配列を得ることができる。 ヒトIL−12 p35およびp40サブユニットのコード配列の起源は、G ubler et al.,1991,PNAS 88:4143−4147に 記載されているような、Ueli Gublerにより構築された完全長CLM F cDNAクローンであった。これらのコード配列はヘテロダイマー形成およ び分泌に必要なシグナル配列を含んでいる。遺伝子治療に適した発現プラスミド への合体のため、適当な制限酵素部位を持つプライマーを用いてコード配列がP CR増幅された。 増幅された配列クローンの配列分析は、p35中の点突然変異を明らかにした 。p35源として使用されたプラスミドの配列分析は同一の突然変異を明らかに した。この点突然変異はGublerら(1991)による本来のp35 cD NAのPCR増幅の間に導入されたようである。この突然変異は、制限断片をC LMF 35Kdサブユニットクローン#3(部分cDNAクローン、Ueli Gublerから得られ、これまでPCR増幅にはかけられていない)と交換 することにより修復された。DNA配列決定は修復が完全であることを証明した 。 p35およびp40のコード配列は、図1に図式的に示されているように、真 核および細菌遺伝子要素を含む発現プラスミド内へ合体された。真核遺伝子要素 はCMVエンハンサー/プロモーター、RNAプロセシングの正確性および効率 、mRNA安定性および翻訳を調節することにより遺伝子発現に影響する転写後 シグナルの組み合わせ(5’UTR、イントロン、3’UTR/ポリ(A)シグ ナル)を含んでいる。転写後要素のすべては合成オリゴヌクレオチドから誘導さ れた合成のものであり、それ故、天然の遺伝子配列からは直接的には得られない 。これらの合成要素は、送達のためのただ一つのコード領域を持つベクターを含 む多くの異なった発現ベクターでの使用に適しており、それ故、本明細書に記載 されている例示の多価プラスミド構築物での使用に制限されるわけではない。 合成イントロンは、RNAスプライシングが正確で効率がよいことを確実にす るためスプライス部位を持つように設計される。合成3’UTR/ポリ(A)シ グナルはmRNA3’末端形成およびmRNA安定性を容易にするように設計さ れる。合成5’UTRは開始および翻訳を容易にするように設計される。例示の 合成要素設計は以下により詳細に説明される。 1.合成要素の特徴の要約 以下に説明する例示の二つの転写ユニットプラスミド(pIN0773)中の 各々の転写ユニットは図2に図式的に示されているように構成されている。合成 5’UTR、イントロン、3’UTR/ポリ(A)シグナルは以下に示したよう な一般的特徴を持っている: 5’UTR 短い。 二次構造の欠如。 コザック配列。 イントロン挿入のための部位。 イントロン 5’スプライス部位配列は共通配列と一致。 5’スプライス部位配列はU1 snRNAの5’末端と正確 に相補的である。 分岐点配列は共通配列と一致。 分岐点配列はU2 snRNAに相補的である。 3’スプライス部位配列は共通配列と一致。 ポリピリミジントラクトは16塩基の長さであり、および7つ の連続的なTを含んでいる(トラクトは好適には少なくとも5 つの連続的Tを含んでいる) 内部制限酵素部位を含んでいる。 Bbslは5’ssを切断し、EarIは3’ssを切断する 。 3’UTR/ポリ(A) ウサギβ−グロビン3’UTR/ポリ(A)シグナルに基づい ている。 縦列の二つのポリ(A)シグナルから成る。 2.合成5’UTRの特色(UT6): 5’非翻訳領域(5’UTR)はメッセンジャーRNAの翻訳効率に影響し、 それ故、真核生物遺伝子発現の重要な決定要因である。合成5’UTR配列(U T6)は問題とする治療的遺伝子を発現するベクターによりコードされているm RNAの翻訳効率を最大にするように設計された。 合成5’UTR(UT6)の配列は下に示されている。コザック配列はボール ド体であり、および開始コドンには二重下線が引かれている。イントロンの位置 (残基48および49の間)は黒三角で示されており、共通スプライス部位のエ キソン部分を形成する配列は一本下線が引かれている。HindIIIおよびNc oIの制限部位は上部に線が引かれている。 キャップ部位および開始コドンの間に位置している5’非翻訳領域(5’UT R)はmRNA翻訳の効率に影響することが知られている。5’キャップ構造の 開始因子への近づき安さ、43s前開始複合体の結合および続いての移動、また は開始コドンの認識に影響するいかなる特徴も、mRNAの翻訳可能性に影響す るであろう。効率的な5’UTRは、中程度の長さで、二次構造がなく、上流開 始コドンがなく、および至適局所前後関係でAUGを持っているものであること が予想される(Kozak,1994,Biochimie 76:815−8 21;Jansen et al.,1994)。これらの特性を持つ5’UT Rは5’キャップ構造の効率的な認識、続いてのリボソームによる迅速かつ妨げ るものがないリボソーム走査を可能にするであろうし、それにより翻訳開始工程 を容易にする。 合成5’UTRの配列は中程度の長さであるように(54ヌクレオチド(nt s))、Gが少ないがCおよびA残基が豊富であるように、上流ATGが欠けて いるように、至適コザック配列(CCACCATGG)の前後関係内に意図され たATGを置くように、および二次構造の可能性がないように設計された。合成 5’UTR配列はまたmRNAが細胞質中で容易に分解されることを標的とする 、AUに富んだ配列を欠くようにも設計される。 イントロンはcDNAベクターからの遺伝子発現を増加させること、および5 ’UTR中に位置しているイントロンは3’UTR中に位置しているイントロン よりも効果的であることが実験で示されている(Huang and Gorm an,1990,Mol.Gene 84:135−142;Brinster at al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:836−840;Palmiter et al.,2992,Proc .Natl.Acad.Scl.USA 88:478−482;Choi e t al.,1991,Mol.Cell.Biol.11:3070−307 4)。従って、合成5’UTR配列は共通スプライス部位配列を有するイントロ ンを提供するように設計された。例えば、イントロンは残基48および49間に 位置するようにされるであろう(下記のイントロン配列構造を参照されたい)。 48−49位のCAGは共通5’スプライス部位のエキソン部分である。49位 のGは共通3’スプライス部位のエキソン部分である。 クロ−ニング操作を簡単にするため、合成5’UTR配列はHindIII部位 で始まり、NcoI部位で終わるように設計された。 3.合成イントロンの特色 RNAスプライシングはほとんどの真核生物遺伝子の発現に必要とされる。最 適な遺伝子発現のためには、RNAスプライシングが高度に効率的かつ正確でな ければならない。OPTIVS8Bと名付けられた合成イントロンが最大限に効 率的でおよび正確であるように設計された。 例示の合成イントロンOPTIVS8Bの構造が下記の図に示されている。5 ’スプライス部位(5’ss)、分岐点(bp)、および3’スプライス部位( 3’ss)の配列は二重下線で示されている。制限酵素BbsIおよびEarIの ための認識配列は上部に線が引かれている。BbsIの切断部位は5’ssに対 応しており、EarIの切断部位は3’ssに対応している。 5’スプライス部位(5’ss)配列は確立されている共通配列(MAG↓G TRAGT、式中、M=CまたはA、およびR=GまたはA)に一致している、 。スプライシングの機構は前mRNAの5’ssとU1 snRNAとの間の相 互作用を含んでいるため、OPTIVS8Bの5’ss配列はU1 snRNA の5’末端と正確に相補的であるように選択された。 哺乳動物において、分岐点のための共通配列(YNYTRY、式中、Y=C またはT、R=AまたはG,N=任意の塩基、および下線をつけたA残基は実際 の分岐点である)は非常にあいまいである。スプライシングの機構は前mRNA の分岐点(bp)とU2 snRNAとの間の相互作用を含んでいるため、OP TIVS8Bの分岐点配列はこの相互作用を最大にするように選択された。(分 岐点それ自身は突き出ることに注意されたい)。選ばれた配列はまた、酵母の前 mRNAスプライシングに必須であることが知られている分岐点配列と一致して いる。分岐点は典型的には3’スプライス部位の上流18−38ntに位置して いる。OPTIVS8Bにおいて、分岐点は3’スプライス部位から24nt上 流に位置している。 3’スプライス部位(3’ss)の配列は確立されている共通配列(Y11NY AG↓G、式中、Y=CまたはT、およびN=任意の塩基)に一致している、。 3’スプライス部位において、ポリピリミジントラクト(Y11)はスプライス部 位強度の主たる決定要因である。OPTIVS8Bにおける至適スプライス部位 機能のため、ポリピリミジントラクトの長さは16塩基に拡張され、その配列は 7つの連続したT残基を含むように調節されている。Roscignoら(19 93)が至適スプライシングはポリピリミジントラクト中に少なくとも5つの連 続したT残基を必要とすることを示しているため、この特徴を含ませた。 インビトロでのスプライシングは一般的に、イントロンが>80ntの長さで ある場合に最適である(Wieringa,et al.,1984;Ulfe ndahl et al.,1985,Nucl.Acids Res.13: 6299−6315)。多くのイントロンは数千塩基の長さであろうが、ほとん どの天然に存在するイントロンは90−200ntの長さである(Hawkin s,1988,Nucl.Acids Res.16:9893−9908)。 合成イントロンの長さ(118nt)はこの後者の範囲にある。 OPTIVS8Bは三つの内部制限酵素部位、BbsI,NheIおよびEa rlを持つように設計された。これらの制限部位は合成イントロン配列を含む遺 伝子のスクリーニングおよび同定を容易にする。加えて、BbsIおよびEar I部位はそれらの切断部位が正確に5’ss(BbsI)または3’ss(Ea rI)に対応するように置かれた。ポリピリミジントラクトの配列はEarI制 限部位を与えるように特別に設計された。これらの場所にBbsIおよびEar I部位を含むことは、それらが遺伝子からイントロンを正確に削除することを可 能にするので有用である。それらはまた、遺伝子内の他の場所に挿入することが 可能な”イントロンカセット”の生成も可能にする。 BbsI部位と分岐点配列との間の77塩基は、NheI制限部位が含まれて いることを除いて配列はランダムである。 4.合成3’UTR/ポリ(A)シグナルの特色 真核生物mRNAの3’末端はポリアデニル化過程により形成される。この過 程は部位特異的RNA切断、続いてのポリ(A)尾部の付加を含んでいる。ポリ (A)尾部を欠いたRNAは非常に不安定である。従って、切断/ポリアデニル 化の効率がmRNAレベル、したがって遺伝子発現レベルの主たる決定要因であ る。2XPA1はポリアデニル化において最大限に有効であるように設計された 、二つの効率のよいポリ(A)シグナルを含んでいる合成配列である。 ポリ(A)シグナルはほとんどの真核生物mRNAの3’末端の形成に必要と される。本シグナルは二つのRNAプロセシング反応を指示する:RNA転写体 の部位特異的エンドヌクレアーゼ分解的切断、および新しく発生した3’末端へ アデニル酸を段階的に付加して(約250)ポリ(A)尾部を形成する。ポリ( A)シグナルは三つの部分を持っている:ヘキサヌクレオチド、切断部位および 下流要素。ヘキサヌクレオチドは典型的にはAAUAAAであり、切断部位はし ばしばジヌクレオチドCAの3’側である(Sheetsら、1987)。下流 要素は至適ポリ(A)シグナル機能に必要であり、切断部位の下流に位置してい る。下流要素のための配列要求性はまだ完全には確立されていないが、一般的に は、UGまたはUに富んだ配列と考えられている(Wickens,1990; Proudfoot,1991,Cell 64:671−674;Wahle ,1992,Bioessays 14:113−118;Chen and Nordstrom,1992,Nucl.Acids Res.20:256 5−2572)。 天然に存在するポリ(A)シグナルはそれらの有効性において非常に変動して いる(Peterson,1992)。特定のポリ(A)シグナルの有効性はほ とんど下流要素の質により決定されている(Wahle,1992)。治療目的 の遺伝子を発現させるために設計された発現ベクターにおいては、可能な限り効 率のよいポリ(A)シグナルを持っていることが重要である。 切断およびポリアデニル化に失敗した転写体は核区画において急速に分解され るので、ポリ(A)効率は遺伝子発現に重要である。実際、非ポリアデニル化R NAは非常に不安定であるので、生きている細胞中でポリアデニル化の効率を測 定するのは困難である。mRNA安定性が必要とされるのに加え、ポリ(A)尾 部はmRNAの翻訳可能性に寄与しており、スプライシングまたはRNA輸送の ような他のRNAプロセシングにも影響しているであろう(Jackson a nd Standart,1990,Cell 62:15−24;Wahle ,1992)。 いくつかの真核生物遺伝子は2以上のポリ(A)部位を持っており、切断/ポ リアデニル化反応が第一の部位で失敗すると、後の部位の一つでそれが起こるの であろうことを暗示している。COS細胞トランスフェクション実験において、 二つの強力なポリ(A)部位を持つ遺伝子からは単一の強力なポリ(A)部位を 持つものよりも約2倍多いmRNAが得られている(Bordonaro,19 95)。これらのデータは単一の”効率のよい”ポリ(A)シグナルでさえも転 写体のかなりの割合がプロセシングを受けていないことを示唆している。従って 、2以上のポリ(A)部位を含んでいることが好適であろう。 例示の合成ポリ(A)シグナルの配列が以下に示されている。配列は2XPA と名付けられている。ヘキサヌクレオチド配列および下流要素配列は二重下線が 付けられており、二つのポリ(A)部位はpA#1およびpA#2と表示されて いる。都合のよい制限部位は上に線が付けられている。全2XPAユニットはク ローニング実験においてXbaI−KpnI断片として運搬されるであろう。内 部BspHI断片の欠落により1XPAユニットが形成される。 上記の合成ポリ(A)部位の配列は、ウサギβ−グロビン ポリ(A)シグナ ル、すなわち文献で強力であると特徴付けられているシグナル(Gil and Porudfoot,1987,Cell 49:399−406;Gil a nd Proudfoot,1984,Nature 312:473−474 )に基づいている。その一つの要点となる特色は、UGおよびUに富んだドメイ ンを含む下流要素の構造である。 1XPA配列に対応する二本鎖DNA配列が合成オリゴヌクレオチドから構築 された。1XPA配列の二つのコピーが結合されて2XPA配列が形成された。 配列は、第一のポリ(A)シグナル含有断片の5’末端に特異的XbaI部位を 持つように、および第二のポリ(A)シグナル含有断片の3’末端に特異的Kp nI部位を持つように連結された。 5.例示のプラスミド構築物 二つのコード配列(例えば、ヒトIL−12のサブユニットのための)の連結 発現のための四つの発現戦略のプラスミド構築物が構築され試験された。四つの 戦略のための例は図3に図示されており、第四の戦略については二つの可能性が 示されている。 第一の戦略には二つの発現プラスミドが含まれており、一つはp35をコード しており(pIN0755)、一つはp40をコードしている(pIN0728 )。従って、IL−12ヘテロダイマーを産生するには細胞は両方のプラスミド でコトランスフェクトされなければならない。 第二の戦略には、IRES(内部リボソーム侵入部位)配列を含むバイシスト ロンmRNAを産生する単一のプラスミドが含まれている。IRES配列の起源 は、脳心筋炎ウイルスIRESを含むpCITE2a(Novagen)であっ た。他のIRES配列も同様に使用できるであろう。pIN0744において、 配列の順序はp35−IRES−p40である。従って、p35はキャップ依存 性様式で翻訳され、p40はIRES依存性様式で翻訳される。 第三の戦略は、5’スプライス部位から二つの代替3’スプライス部位の一つ でのスプライシングにより発生される二つの別々のmRNAをコードする単一プ ラスミドを含んでいる。一つのmRNAはp35およびp40をコードしており 、p35配列の翻訳が主として起こる。他のmRNAはp40をコードしている 。二つのmRNAの均衡した産生のためには、代替3’スプライス部位の相対強 度を均衡させるのが有益である。pIN0745においては、両方の3’スプラ イス部位が同一の配列を持っており、それ故同一の強度である。pIN0772 においては、第一の3’スプライス部位の相対強度は三つの連続的TのAへの部 位特異的突然変異誘発により弱められている。従って、上記のOPTIVS8イ ントロンのための配列において、含まれている配列5’−CTTTTTTTC− 3’は5’−CTTTAAATC−3’に変更されている。 第四の戦略は、各々がそれ自身のCMVエンハンサー/プロモーターにより稼 働する二つの別々の転写体ユニットを含む単一のプラスミドを含んでいる。pI N0773においては、p40遺伝子はp35遺伝子のすぐ上流に位置している 。pIN0774においては、p35遺伝子がp40遺伝子のすぐ上流に位置す るように順序が逆になっている。 B.IL−12サブユニット配列 天然のヒトIL−12サブユニットコード配列のヌクレオチド配列は既知であ り、以下に示されている。 ヒトp40サブユニットは、約34.7kdの予想分子量を持つ306アミノ 酸ポリペプチドである。ヒトIL−12 p40サブユニットのアミノ酸配列は 図4に配列ID番号:1として示されている。下記の配列表1はヒトIL−12 p40サブユニットをコードしているヌクレオチド配列を含む。 配列表1 ヒトIL−12 p40をコードしている配列 (配列ID番号:2) ヒトp35サブユニットは、約22.5kdの予想分子量を持つ197アミ ノ酸ポリペプチドであり、そのアミノ酸配列は図5に配列ID番号:3として示 されている。上記配列表1と同様に、ヒトIL−12 p35サブユニットをコ ードしている天然のヌクレオチド配列が表2に示されている。 配列表2 ヒトIL−12 p35をコードしている配列 (配列ID番号:4) C.インビトロデータ 前記の多価発現系が、インビトロでA549(ヒト肺癌腫)細胞内へのトラン スフェクションにより、IL−12を産生する能力について評価された。細胞培 養上清へのヒトIL−12ヘテロダイマーの分泌はQUANTIKINETMシス テム(R&D Systems)を用いるELISA法によりアッセイされた。し かしながら、IL−12のための任意の高感度の方法がそのようなアッセイに使 用できる。二つの実験の代表的なデータが図6に示されている。IL−12 m RNAはノーザンブロット分析により分析された。トランスフェクトされたA5 49細胞からRNAを単離し、プローブとして放射性標識p35およびp40配 列の1:1混合物を使用するノーザンブロッティングにより分析した。各々の発 現プラスミドは135ヌクレオチド離れた二つのポリ(A)部位を持っているの で、各々のmRNA種は135ヌクレオチド異なった二つのmRNAのダブレッ トである。ノーザンブロット分析により現れたすべてのバンドは予期されたmR NAサイズに対応した。pIN0773でトランスフェクトされた、またはpI N0728/pIN0755でコトランスフェクトされた細胞においては、p4 0 mRNAは1340/1475ヌクレオチドであり、p35 mRNAは1 014/1149ヌクレオチドである。pIN0744でトランスフェクトされ た細胞において、バイシストロンmRNAは2511/2646ヌクレオチドで ある。pIN0745またはpIN0772でコトランスフェクトされた細胞に おいて、p35 mRNAは2041/2176ヌクレオチドであり、p40 mRNAは1341/1476ヌクレオチドである。 最も高い発現レベル(800−1000ng/106細胞/40時間)はpI N0773(二遺伝子系)およびpIN0728/pIN0755(二プラスミ ド系)で得られた。ノーザンブロット分析は、正しいサイズのmRNAが得られ たこと、およびp35およびp40 mRNAの蓄積および相対比率はこれら二 つの系で同様であることを示している。両方の系において、p40 mRNAレ ベルはp35 mRNAレベルよりも高い。p35およびp40遺伝子はコード 配列の性質を除いては同一であるので、mRNA蓄積レベルの相違は、多分mR NA安定性の相違を反映しているのであろう。単一プラスミドとしてのその高レ ベルのIL−12発現のため、pIN0773がインビボ評価のための構築物と して選択された。 二番目に高い発現レベル(〜400ng/106細胞/40時間)はpIN0 774で得られた。このプラスミドはpIN0773とはp35およびp40の 順序のみが異なっている。ノーザンブロッティングによるRNAプロファイルは 本質的にpIN0773と同じであった。従って、二つの遺伝子プラスミド中の 遺伝子の順序は重要な変数であろう。 三番目に高い発現レベル(〜200ng/106細胞/40時間)はpIN0 772(代替スプライシング構築物)で得られた。pIN0772は、p35お よびp40 mRNAの均衡した産生を与えるように設計されたスプライス部位 を持っている。ノーザンブロット分析は均衡したmRNA産生が達成されたこと を示している;しかしながら、全mRNA蓄積は減少していた。さらに、スプラ イス部位の組み合わせを最適化して、均衡のとれた高レベルmRNA産生を行う ことが可能である。 より低いレベルの発現がpIN0745、すなわち別の代替RNAスプライシ ング構築物で観察された。pIN0745の代替3’スプライス部位は配列では 同一であるので、RNAスプライシングは不均衡であると予期される。ノーザン ブロットデータはp35 mRNAは高レベルであるが、p40 mRNAが非 常に低いレベルであることを示している。pIN0745とpIN0728(p 40サブユニットをコードしている)のコトランスフェクションは高レベルのI L−12を発生させた。このことからpIN0745ではp40合成が制限され ていることが確認された。この構築物設計は、さらなるp40合成を提供するよ うに代替スプライス部位の相対強度を変化させることにより改良できるであろう 。 遺伝子発現はIRES含有構築物であるpIN0744でも観察された。ノー ザンブロットデータは予期されたmRNAの高レベルでの存在を示している。p IN0728またはpIN0755とのコトランスフェクション実験は、pIN 0744ではp40合成が制限されていることを示している。 上で注目したように、pIN0773は二つのポリペプチド発現に有用である 。ELISA実験(図6)は培養細胞において高レベルの分泌されたIL−12 を産生することを示している(〜1ng/106細胞/40時間)。ノーザンブ ロット実験(上記)はそれが予期されたサイズのp35およびp40 mRNA を高レベルで産生することを示している。それは単一のプラスミド内に含まれて いる。 p35およびp40 RNA転写体のスプライシングの正確さを評価するため 、RT−PCR分析が実施された。pIN0773トランスフェクト細胞からの RNAが、合成イントロンにかかるプライマーを用いるRT−PCTにより分析 された。p40 mRNAの分析のための上流プライマーは5’UTRに存在し 、下流プライマーはp40コード配列中に存在した。p35 mRNAの分析の ための上流プライマーは5’UTRに存在し、下流プライマーはp35コード配 列中に存在した。対照のため、プラスミドDNA(P)が分析された。p40 mRNA分析のため、pIN0728がプラスミド対照として使用された。p3 5mRNA分析のためには、pIN0755がプラスミド対照として使用された 。増幅された配列は、100bpマーカーを加えて電気泳動することにより分析 された。得られた電気泳動ゲルデータの比較は、各々のRNAのスプライシング は予想された位置で進行したことを示した。D.インビボデータ 前記のプラスミド構築物を送達製剤中に組み込んだ。一般的に、DNAおよび DOTMAが1:3の負対正の電荷比となるように、50μgのプラスミドDN AとDOTMA:chol(10%ラクトース中、800nmのリポソームとし て調製された等モルDOTMA:コレステロール)を混合した。製剤は気道内点 滴注入によりラット肺へ送達された。製剤、送達、アッセイおよびラット肺モデ ル系は以下により詳細に説明される。 ラット肺におけるpIN0773、pIN0744、pIN0745、pIN 0744/pIN0728、およびpIN0745/pIN0728の気道内点 滴注入後のIL−12発現の比較が行われた。50μgのIL−12発現プラス ミドがDOTMA:chol 1:3 −/+とともに処方され、点滴注入によ りラット肺に投与された。肺組織は点滴注入48時間後に採取され、ヒトIL− 12ヘテロダイマーのレベルがアッセイされた。試験されたプラスミド構築物に ついて、pIN0773で最も高くおよび最も調和したレベルのIL−12発現 が得られた(約800pg IL−12/肺)。次はpIN0744/pIN0 728コトランスフェクションであり、続いてpIN0745/pIN0728 コトランスフェクションであり、pIN0744およびpIN0745が続いて いる。 従って、pIN0773がインビボにおいて記載された構築物の内で最も高い 活性を示した。単一の多価プラスミドの送達は両方のサブユニットの同一の細胞 での発現を確かにするが、一方、二つの別々のプラスミドの送達はそうではない ので、pIN0744/pIN0728、およびpIN0745/pIN072 8よりもpIN0773のより高いインビボ活性が予想される。 ある種のIL−12コード構築物がまた、ラット肺点滴注入で記載したような 送達処方(ただし、80μgのプラスミドDNAを含んでいる)で正常モルモッ ト肺の点滴注入で評価された。対照処方はCATコードプラスミドDNAを含ん でおり、プラスミドDNAを含んでいない対照処方もまた提供された。結果は、 p0728とp0744またはp0745のコトランスフェクションはp074 4またはp0745のみのトランスフェクションよりもIL−12発現が非常に 促進されたことを示している。同様の結果が肺組織および細気管支肺胞洗浄液の 両方で観察された。III .遺伝子治療のための処方 A.一般 これまで説明してきたような発現系は適切な位置に送達された場合に発現の可 能性があるが、構築物の送達および細胞取り込みの両方を助けることができる送 達系で発現系構築物を提供するのが都合がよい。従って、本発明はまた、一つま たはそれ以上の発現系構築物(例えば、上記のようなDNAプラスミド)、陽イ オン性脂質、補脂質(好適には中性補脂質)、および処方を等浸透圧および等張 にする炭水化物剤を含む特別の処方も提供する。 一般的に、水性基剤炭化水素溶液中の陽イオン性脂質および中性補脂質は、例 えば、脂質および水性溶液を所望のサイズの孔を持つ膜を通過させることにより リポソームを形成させる。リポソームはDNAと合わせてDNA/脂質複合体を 形成させ、それは所望の送達部位に適した送達法により哺乳動物に投与できる。 前記のように、少なくとも肺への送達には、リポソームの直径およびDNA:陽 イオン性脂質の電荷比は得られる発現レベルを決定する重要なパラメーターであ る。 プラスミド構築物に関するさらなる重要な因子は開環状(OC)形ではなくス ーパーコイル(SC)形であるプラスミドのパーセントである。加えて、肺への 送達のためには、送達の様式もまた得られる発現レベルに影響する。対照的に、 発現レベルは、利用された特定のプラスミド製剤には有意に依存しないことが示 された。 B.リポソーム押し出しサイズ、DNA:陽イオン性脂質(−:+)電荷比お よびスーパーコイル型プラスミドパーセント 上に示したように、リポソームのパラメーター、すなわち押し出しサイズ、電 荷比およびスーパーコイル型プラスミドパーセントは、処方された複合体が肺へ 送達された場合、観察された発現レベルを決定する重要なパラメーターであった 。 (観察された発現レベルに対する肺送達様式および異なった様式の影響は以下に 議論される。) これらのパラメーターを評価するため、標準ラット肺モデル系が一般的に利用 された。この系では点滴注入を用いて、ラット肺におけるクロラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼ(CAT)の発現レベルを決定する。ラットは18 0−200グラムの体重であった。処方は一般に、DOTMAおよびコレステロ ール(chol)を各々陽イオン性脂質および中性補脂質として、ならびに処方 を細胞内液体とほぼ等張にするための10%ラクトースを含んでいる。しかしな がら、同様の結果が別の陽イオン性脂質および中性補脂質の組み合わせを用いて も得られる。陽イオン性脂質および中性補脂質は好適にはほぼ等モル量で存在し ている。 発現レベルに対する電荷比の影響を示す試験を除いて、DNAおよび陽イオン 性脂質は負対正の電荷比が1:3であるような相対量で存在した。ラットに対し 、処方は一般的には50μgのプラスミドDNAを含む400μlで投与された 。DNA量が変化する実験では、DNA濃度は変化させたが400μl点滴注入 量は維持された。処方は麻酔、挿管したラットの気管内への強制栄養針点滴注入 により投与された。 CATの発現レベルは点滴注入48時間後に決定された。全肺を除去してチュ ーブに入れ、凍結してビーズを用いて撹拌した。次に得られた液体中のCAT濃 度は市販のELISAアッセイ系(Boehringer Mannheimか らのCAT ELISA)を用いて決定された。放射性標識または他の酵素に基 づいたCAT検出系のような他のアッセイ系も代わりに使用することができる。 本CAT ELISA系は、試験溶液からのCATを結合するのに固定化抗CA T抗体を利用し、続いてジギトキシゲニン標識抗CAT抗体を固定化されたCA Tと複合体生成させるサンドイッチELISA法である。次に、ペルオキシダー ゼ結合抗ジギトキシゲニンを固定化複合体に結合させ、基質と反応させて発色さ せ、それを標準曲線と比較することにより試験試料中のCAT濃度が得られる。 リポソーム押し出しサイズの影響を評価するため、決められたサイズの孔を持 つ多孔性膜を通して押し出すことによりリポソームが調製された。リポソーム調 製に続いてDNAが加えられ、送達系複合体が得られた。成分の相対量は前に記 した通りである。試験の一つの組において、三つの異なった押し出しサイズ、す なわち100、400および800nm(膜の孔径)を持っているリポソームが 調製された。平均CAT発現レベルは100、400および800nm押し出し サイズの順に増加した。平均発現レベルは各々約2000、11000および1 4000pg CAT/ラット肺であった。従って、本明細書に記載された処方 については、約800nmの押し出しサイズをリポソーム調製に使用するのが好 適であるが、必ずしも必要ではない。もし複合体がリポソーム押し出し以外の方 法により調製されるなら、得られる複合体は800nmリポソーム押し出しによ り生じるサイズとほぼ同じサイズであることが望ましい。 スーパーコイル型および開環状プラスミドDNAの相対レベルの影響が上記の 処方を用いて評価され、そこではリポソームは約800nmの押し出しサイズで 調製された。DNAが主としてスーパーコイル型(SC)(約80%スーパーコ イル型)であった製剤は、主として開環状(OC)DNA、またはSCおよびO C DNAの組み合わせを持つ製剤よりも高いCAT発現レベルを示した。OC 試験は約1000pg/肺の平均CAT発現レベルを与え、一方、混合OC/S C試験は約2500pg/肺、およびSC試験は約6500pg/肺の発現レベ ルを与えた。すなわち、一般的にSC含量を増加させるにつれて発現レベルが増 加することが示されるので、高レベルのスーパーコイル型が好適である(例えば 、少なくとも70、80、85、90または95%SC)。 DNA:陽イオン性脂質(−:+)の電荷比の影響が約400nmの押し出し サイズを持つ処方を使用して評価された。CAT発現レベルの結果は1:3の負 対正の電荷比の方が1:0.5の電荷比よりも高い発現を提供したことを示した 。従って、用いられる処方は約1:3であることが好ましいが、他の電荷比(1 :3より高いおよび低いものの両方)もまた有用な発現を提供できる。 C.肺への送達および発現 種々の送達法が上記の構築物および処方に使用でき(特に、肺への送達は多く の異なった方法を用いて実施でき)、処方が作製および指示される。利用された 第一の方法は、CAT発現の分析で前に説明した挿管および点滴注入であった。 他の様式においては、処方を噴霧化してエーロゾルを作り出し、続いて肺へ方向 付けられた。噴霧化および応用技術の組み合わせには以下のものが含まれる:(1 )ジェット噴霧化/暴露チャンバー中での霧の吸い込み;(2)超音波噴霧化/ 挿管;(3)超音波噴霧化/機械的換気;および(4)カテーテル噴霧器を用い る直接噴霧化および方向付け。ほとんどの分析はCATアッセイに基づいている が、いくつかの試験はIL−12をコードしている発現系が使用された。 1.DNA:脂質複合体の気管内点滴注入 ラットにおける処方の点滴注入は一般的には前記のように実施された。すでに 説明した試験に加えて、CATコード処方およびIL−12コード処方の両方で 用量応答分析が実施された。これらの用量応答分析では、1:3の負対正の電荷 比で、DOTMA/cholおよび10%ラクトースを加えたプラスミドDNA を持っている処方が使用された。 CAT発現の用量応答結果は図7に示されている。ラット肺中のCAT量は、 三つの異なった量で点滴注入されたプラスミドDNA量(2、10および50μ gDNA)に対して決定された。グラフは試験されたDNA量の範囲にわたって ほぼ直線的用量応答であることを示している。 同様の用量応答決定がIL−12コードプラスミドDNA(下記のプラスミド pIN0773を用いて)を含む例示処方の点滴注入によるDNA量の関数とし てのラット肺におけるIL−12発現で実施された。処方は水性10%ラクトー ス中、800nm押し出しサイズリポソームとして調製された1:1モル比のD OTMA/cholを含んでおり、1:3の負対正の電荷比を持っていた。ラッ ト肺のIL−12量は四つの異なった量の点滴注入プラスミドDNA(3.13 、6.25、12.5および25μgDNA)について決定された。IL−12 量は点滴注入されたプラスミドDNAが増加するにつれて増加したが、試験され た範囲において応答は非直線的であるようであった。6.25μgプラスミドD NAでは、ラット肺当たり約50ピコグラム(pg)のIL−12が検出された 。12.5μgのDNAでは、約350pgのIL−12/肺が検出され、およ び25μgのDNAでは、約1700pgのIL−12/肺が検出された。 これらの結果は、予期されたように、所望の生成物をコードしているDNAの ある特定量が肺へ送達され、得られる発現レベルに著しく影響していることを示 している。 2.a.DNA:脂質複合体の超音波噴霧化 この実施例はエーロゾル複合体の発生および特性付けを示している。 実施例1に記載したプラスミド/脂質複合体が超音波噴霧器(モデルNE−U 07,Omron Health Care,Inc.,Lake View, IL)を使用し、使用説明書に従って噴霧化された。エーロゾル化複合体は改良 試験管インパクション装置を用いて集められた。このシステムにおいて、エーロ ゾルは融通性のあるタイゴンチューブ内へ狭いガラスピペットを通して供給され た。ピペットを出たエーロゾルは氷冷試験管に突き当てられ凝縮された。エーロ ゾルは下記のように前もって決められた時間間隔で特徴付けのために集められた 。 超音波噴霧化されたプラスミド/脂質複合体および複合体内のDNAの安定性 は上記のように動的光散乱およびドップラー電気泳動光散乱を用いて評価された 。複合体化効率およびプラスミド完全性はアガロースゲル電気泳動により決定さ れた。プラスミド完全性決定のためには、DNAは電気泳動に先だったトリトン −X処理により複合体から取り除かれた。トリトン処理試料のDNAバンドの構 造は裸のDNA対照物と比較された。 非噴霧化および噴霧化複合体中のスーパーコイル型プラスミド分画は”裸のD NA”対照中と同じであった。スーパーコイル型はプラスミド物理的形で最も有 力でありおよび壊れやすい。噴霧化後にスーパーコイル型の完全性が維持されて いたという事実は、陽イオン性脂質が小滴形成間に誘導されるせん断力からDN Aを保護する助けとなっていることを示している。 放出量および気体力学直径は米国薬局方<601>に記載されているような標 準法を用いて決定された。エーロゾルは臨界流動口(CFO)を用い、3L/分 の前もって定められた流速で0.2μmフィルター上に集められた。エーロゾル を含んでいるフィルターは5mLの5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)緩衝 液で洗浄してDNAを脂質から分離した。溶液を遠心分離し、DNA濃度を26 0nmの波長で分光学的にアッセイした。超音波噴霧器のエーロゾル出口でのD NA濃度は5μg/mLであった。 超音波噴霧器から発生されたエーロゾルは慣性インパクション技術を用いた集 団中央値気体力学的直径(MMAD)および幾何学的標準偏差(GSD)に基づ いて特徴付けられた。八つのインパクション段階および前分離器から成るAnd ersen 1 SCFM(28.3L/分)生長不能包囲サンプラーがエーロ ゾル粒子を捕捉するために用いられた。エーロゾルは5分間集められた。エーロ ゾルは各々の八つのインパクション段階でステンレス鋼ディスク上におよび0. 2μmの孔径を持つガラス繊維フィルター(GelmanタイプA/E,Gel man Sciences Inc.,Ann Arbor,MI)上に集めら れた。各々のディスクはインパクターから除かれ、ペトリ皿に置いて5mLの5 %SDSで洗浄された。各々のペトリ皿は、付着した粒子から脂質が完全に溶解 されるように周期的に振盪した。溶液を遠心分離し、DNA濃度を260nmの 波長で分光学的にアッセイした。カスケードインパクターの各々の段階で集めら れた累積集団分画は対数確率紙上でその段階の有効カットオフ直径に対してプロ ットし、最小二乗法によりデータの対数正規分布が計算された。MMAD(集団 を等しく割った回帰上の点として採られた)は2.4μmであった。GSD(集 団に見出される分布の84.1%より下の粒子サイズを集団中央値サイズで割っ て計算された)は3.2であった。エーロゾルのサイズ分布は、粒子の大多数は 吸入可能な範囲であることを示した。非噴霧化および噴霧化プラスミド/脂質複 合体の気管内点滴注入に続く導入遺伝子発現のレベルを比較するために試験が行 われた。 動物は三つの処置群に分割され(三匹の動物/群)、腹腔内へ投与された80 mg/kgのケタミンにより麻酔された。処置群には気管カテーテルが挿管され 、作業机の上にあお向けに置かれた。エーロゾルは気管カテーテルを通して送達 され、空気流を通気することにより実施された。動物はエーロゾル化複合物へ前 もって決められた時間間隔で暴露された。吸入に続いて、動物から管が外され、 麻酔から回復させて動物室に戻された。吸入48時間後にドライアイスチャンバ ーを用いるCO2窒息により動物を安楽死させ、肺組織を採取した。組織はトリ ス /HCl緩衝液でホモジナイズし、遠心分離した。上清は続いて、使用説明書に 従ってCAT発現がELISAアッセイを使用して(Boehringer M annheim CAT ELISAキット、カタログ番号1363727)分 析された。 動物のCAT発現レベルが、400μlの超音波噴霧化複合体(10分後、イ ンピンジャー上に集められた)または30分後に噴霧器貯蔵槽から分割された残 りの複合体(100μgのプラスミドDNA)の気管内挿管による点滴注入によ り比較された。結果は非噴霧化、噴霧化または残りのプラスミド/脂質複合体の 気管内点滴注入後の導入遺伝子発現のレベルは匹敵したことを示している。 b.機械的換気機を用いた超音波エーロゾル化DNA:脂質複合体の肺送達 動物の肺へ沈着されたエーロゾル化DNA:脂質複合体を増加させるため、超 音波噴霧器と組み合わせた機械的換気機使用の可能性が評価された。機械的換気 機は基本的にシリンダーおよびピストンから成る正容量ポンプである。正の機械 的サイドバルブは、吸気および排気をピストンの動きに同調させたモーター上の カムにより活性化された。動物の呼吸パラメーター(呼吸頻度、換気量および呼 気時間)は機械的換気機により制御されていた。換気機は三つのポートから成っ ていた。超音波噴霧器からのエーロゾルはピストンの逆向きのストロークの間に 底部ポート通って引き入れられた。エーロゾルは前向きのピストンストロークの 間に中央部ポートを通り、気管カテーテルを経て動物に送達された。吐き出され たエーロゾルは上部ポートを通って排気された。 以下のプラスミド/脂質複合体およびプラスミドがラクトース(10% w/ v)に処方された。 CMV−CAT/DOTMA:Chol(800nm)、 電荷比(−:+)1:3、 プラスミドDNA濃度:200μg/mL この研究において、超音波噴霧器で発生されたエーロゾルは呼吸当たり5mL の速度で動物へ送達された。換気機は100呼吸/分の頻度で働いた。暴露の持 続時間は5分であった。 エーロゾル化DNA:脂質複合体の吸入に続いて著しいレベルのCAT発現が あった。この研究で観察されたCAT発現レベルは以下の気道内点滴注入後に得 られたレベルと匹敵した。エーロゾル化複合体の大部分はエーロゾル引入口チュ ーブおよび気管カテーテルへ引っかけられたエーロゾル送達チューブで凝縮され た。続いての研究においては、換気機を低頻度で作動させることによりそのよう な凝縮は最小化された。 これらの続いての研究において、超音波噴霧器で発生されたエーロゾルは呼吸 当たり6mLの速度で動物に送達された。換気機は50および75呼吸/分の頻 度で動作させた。暴露の持続時間は各々7.5および15分へ増加させた。 改良操作法を用いても検出可能な発現レベルはほとんど変わらなかった。この 研究の結果は、機械的換気機の使用は吸入される量を増加させるための適当な方 法ではないことを示唆している。肺へ沈着されるエーロゾル化DNA:脂質複合 体量を増加させるためには別の戦略が好適である。そのような代替法には、エー ロゾル送達のための超音波噴霧化を含む挿管および噴霧化カテーテルの使用が挙 げられる。 c.挿管を用いた超音波エーロゾル化DNA:脂質複合体の肺送達 ラット肺におけるCATの発現レベルはCATをコードしているプラスミドD NAとともに800nm押し出しサイズリポソームとして調製されたDOTMA :cholを含んでいる処方を用いて決定された。負対正の電荷比はDNAおよ び陽イオン性脂質について1:3であった。処方は超音波噴霧化され、直接挿管 によりラット肺へ送達された。従って、この方法は有効なエーロゾル形成および 有効な応用部位への送達の両方を提供する。投与48時間後、肺当たりに存在す るCAT量は、前記のようにBoehringer MannheimからのC AT ELISAキットを用いて決定された。 暴露チャンバーでの霧呼吸送達と比較して、直接挿管はより速い複合体沈着を 起こした。FITC標識デキストランに対する相対沈着速度に基づいた計算では 、超音波噴霧化/挿管法は10分間の暴露においてジェット噴霧化/霧呼吸法と 比較して60倍以上の容量が沈着された。この促進された沈着速度はまた、CA T発現レベルにも反映されている。超音波噴霧化/挿管法を用いて10分間暴露 し た後のCATレベルは、240分のジェット噴霧化/霧呼吸法と同様なCAT発 現レベルを示した。 4.カテーテル噴霧化 噴霧化カテーテルは、カテーテル先端でエーロゾルを発生させるため圧縮空気 供給とともに液体給送装置を使用する。カテーテルは約0.2から1.0mmの 直径であり、いくつかの肝要な気体および液体キャピラリーから成っている。こ れらのキャピラリーはカテーテルの最先端で小さな穴として収束および終結して いる。気体および液体は各々のキャピラリーを通り、その穴を通って出ていく。 気体および液体の親密な関係は、最先端でエーロゾルを生成する。液体は換気機 の吸気フェーズと協同してパルス的にでき、またはシリンジを通して手により送 達できる。カテーテルは治療的エーロゾルの標的肺内応用のために気道に置くこ とができる。インビボ研究では、カテーテルは95%以上の噴霧化薬剤を送達し 、および約85−95%のエーロゾル化薬剤を肺に沈着させることが示されてい る。この装置により発生されたエーロゾルの集団中央値気体力学的直径(MMA D)は5μmよりも大きい。このサイズ範囲は物質相互噴霧化に適しているであ ろう。 1:3の電荷比(−:+)で処方されたCMV−CAT/DOTMA:Cho l(800nm)複合体が噴霧化カテーテルを使用してエーロゾル化された。噴 霧化された処方の容量は1mLであった。エーロゾル化DNA:脂質複合体はイ ンピンジャーに集められた。噴霧化前後の複合体の粒子サイズ分布が動的光散乱 技術を用いて決定された。集められたエーロゾル中のDNA濃度は分光学的技術 を用いて定量された。DNA:脂質複合体の安定性およびプラスミドの完全性は ゲル電気泳動を用いて評価された。 ゲル電気泳動は、噴霧化前後のDNA:脂質複合体は安定でありおよびプラス ミドの完全性も維持されていたことを示した。噴霧化前後の複合体のサイズ分布 に変化がなかったことは、複合体のコロイド特性が維持されていたことを示して いる。対照およびエーロゾル化処方中のDNA濃度は全く同じであり、本装置が 高いエーロゾル送達効率を持っていることを示唆している。 D.IL−12処方の貯蔵安定性 前記のようなIL−12処方は少なくとも4週間にわたって安定であることが 示された。凍結乾燥前後の処方化複合体の安定度が8週間まで測定された。 0週から8週までDNA:脂質複合体のサイズは変化しなかった。この観察は 、複台体のコロイド特性が湿ったおよび凍結乾燥された処方中で維持されていた ことを示している。また、複合体中のプラスミドのスーパーコイル型分画も0週 から8週まで統計的に有意な差を示さなかった。この観察は、プラスミドの完全 性は貯蔵しても維持されていたことを示唆している。 これらの観察の点から、他の生成物をコードしているDNAを含む処方も同様 の安定性を示すであろうことが期待される。IV .外因性IL−12の薬理学的活性 外因性IL−12の投与はアレルギー性喘息の動物モデルで薬理学的活性を持 っていることが示されている。このモデルにおいてIL−12の投与で観察され る結果は、ヒトでのIL−12の治療的可能性の指標である。 動物喘息モデルでのIL−12の効果の報告例はKips et al.,1 995,Int.Erch.Allergy.Immunol.107:115 −118およびKips et al.,1996,Am.J.Respir. Crit.Care Med.153:535−539に提供されている。これ らの参考文献はマウスにおける抗原誘発気道変化に対するIL−12の影響につ いて記載している。このモデルにおいては、マウスは腹腔内注射によりオブアル ブミン(OA)に対して盛んに感作された。次に注射14−21日後、動物は暴 露チャンバー内でエーロゾル化オブアルブミンに暴露された。この投与計画は気 道好酸球増加症、オブアルブミン特異的IGEの産生およびカルバコールに対す る気道過敏応答性を生じた。0−5日に注射によりIL−12を投与すると、ア レルゲンにより誘発されたBAL液中に検出される好酸球の流入を著しく減少さ せ、およびアレルゲン誘発IgE合成を阻害し、同様にカルバコールに対する過 敏応答性をなくした。このモデルにおいて、日14−21にエーロゾルオブアル ブミン暴露と一緒にIL−12投与を行うと、循環している特異的IgEは存在 するが、気道好酸球増加症および過敏応答性は起こらなかった。 これらの結果は、ニッポストロンギラス ブラシリエンシスで感染させたマウ スにおけるIL−12投与効果の結果とともに、IL−12はある種の免疫系関 連障害のための効果的な治療剤であるに違いないことを示唆している。V.モルモット抗原誘発気道炎症モデルにおけるIL−12処方送達の影響 前記のIL−12 DNA:脂質処方の投与による影響がモルモットにおける 抗原誘発気道炎症モデルを用いて評価された。モデルの時間線スキームが図8に 示されている。一般に、約250−300グラムで購入され、および450−5 00グラムの体重で使用されたHartleyモルモットを用いて試験は実施さ れた。処方は前にラットに対して説明したものと同様の様式による点滴注入によ り投与された。点滴注入処方容量は1mLであり、それは50μgのIL−12 コードプラスミドDNAおよびDOTMA:cholの10%ラクトースを含み 、負対正の電荷比は1:3であった。処方は800nm押し出しサイズリポソー ムを用いて調製された。21日目のオブアルブミン(OA)抗原攻撃6時間(い くつか試験は24時間)後、動物を殺し、肺を3x10mLのハンクス溶液で洗 浄して細胞を集めた。細胞は遠心分離により洗浄液から分離し、再懸濁し、赤血 球細胞を溶解して無傷の細胞を計数した。 この喘息のモルモットモデルを用い、50μgのIL−12コード構築物を含 む処方でのモルモットの前処置は、OA攻撃1時間前およびOA攻撃4時間後に 30mg/kgでデキサメタソンを投与したものと匹敵する程度に気管支肺胞洗 浄細胞(BAL)計数値を減少させることが示された。これらのBAL細胞計数 値はOA攻撃を行っていない細胞計数値と同等であった。比較して、OAで攻撃 されしかも処方で処置されなかったモルモット、およびOAで攻撃され続いてC ATコード発現構築物を持つ処方が送達されたモルモットは同じようなより高い BAL計数値を持っていた。 IL−12の抗炎症作用で一致したのは、観察された全BAL細胞数の顕著な 減少だけでなく、特に、BAL細胞中の好酸球数が減少したことである。図9を 参照されたい。 洗浄液中のヒトIL−12濃度もまた決定された;IL−12濃度の増加は一 般的に全BAL細胞計数値の減少と相関している。IL−12濃度はヒトIL− 12ヘテロダイマーのためのサンドイッチELISAアッセイ(R&D Sys temsからのQUANTIKINETMおよびQUANTIKINETM高感度) を使用して決定された。アッセイキットの選択は試験されるべき液体中に予想さ れるIL−12濃度に依存している。これらのアッセイは洗浄液および細胞抽出 液の両方でヒトIL−12を信頼して定量できることが示されている。CATア ッセイで示されたのと同様に、IL−12定量に他のアッセイ法もまた使用でき る。 IL−12コード処方で前処理したモルモットでのBAL細胞計数値の減少は 、動物が代わりに非IL−12コード処方成分の種々の組み合わせ、またはCA TコードDNA含有処方で前処置された場合には起こらないことも示された。一 組の試験において以下のBAL計数値が以下の処置を受けたモルモットで観察さ れた:(1)OA攻撃無し、約5x106BAL細胞/動物;(2)デキサメタ ソン処置したOA攻撃、約9x106BAL細胞/動物;(3)OA攻撃、約2 8x106BAL細胞/動物;(4)OA攻撃および10%ラクトース前処置、 約41x106BAL細胞/動物;(5)OA攻撃および50μgCATコード DNA水溶液前処置、約30x106BAL細胞/動物。 このモデルで得られた結果は、IL−12コードDNAを含んでいる本発明の 処方の肺への投与は、生物学的に有効なIL−12の発現を生み出すことを示し ている。VI .投与 本明細書で使用される場合、投与とは体内へのプラスミドまたはDNAの担体 の導入経路を意味している。前記の送達法に加え、発現系構築物および送達系処 方は種々の異なった方法により投与できる。 投与は標的組織へ直接的でも、または全身投与後の標的組織への標的化送達で もよい。特に、本発明は、遺伝子治療に有用なある種のレベルでの組織内の特定 核酸の制御された発現を確立するため、発現系または処方を体へ投与することに よる疾患の処置に使用できる。 ベクターの投与および送達のための処方に好適な手段は前に説明されている。 好適な実施態様は、動物の気道内への噴霧化処方の沈着によるものかまたは針注 入またはヒポスプレイを用いた直接注入によるものである。 選択されたベクター構築物の投与経路は発現ベクターの特定の使用に依存する であろう。一般に、使用される各々のベクター構築物のための特別な処方は、特 定の標的化組織に関するベクター取り込みに焦点が当てられ、続いて効能の証明 が続く。取り込み研究にはベクターの細胞取り込みを評価するための取り込みア ッセイおよび選択されたDNAの発現が含まれる。そのようなアッセイはまた、 取り込み後の標的DNAの局在化が決定され、および発現されたタンパク質の定 常濃度維持のための必要条件が確立される。効能および細胞毒性が次に試験でき る。毒性には細胞生存度だけではなく、細胞機能も含まれるであろう。 筋肉細胞は、溶液、懸濁液またはコロイドとしてDNA粒子を筋肉内へ単純に 投与した後に細胞外空間からDNAを取り込む独特の能力を持っている。この方 法によるDNAの発現は数ヶ月持続できる。 処方化DNAベクターの送達には、標的細胞によりエンドサイトーシスされる 巨大分子複合体へのDNAの合体が含まれる。そのような複合体には脂質、タン パク質、炭水化物、合成有機化合物または無機化合物が含まれる。好適には、複 合体はDNA、陽イオン性脂質および中性脂質を特定の比率で含んでいる。ベク ターと形成された複合物の特性(サイズ、電荷、表面特性、組成)が体内でのベ クターの生物利用性を決定する。処方の他の要素は細胞表面または内部の特定の レセプターと相互作用するリガンドとして機能している。処方の他の要素は、細 胞内への侵入の促進、エンドソームからの放出および核内への侵入に機能してい る。 送達はDNA輸送体の使用を通しても可能である。DNA輸送体とはDNAベ クターに結合でき、表皮細胞により取り込まれることができる分子を意味してい る。DNA輸送体はDNAに非共有結合で結合でき、および細胞膜を通ってDN Aを有効に輸送できる分子複合体を含んでいる。輸送体はまた核膜を通ってDN Aを輸送することが望まれる。例えば、以下の出願(そのすべては、図を含んで 、本明細書において援用される)を参照されたい:(1)Wooら、”DNA輸 送体系および使用法”と題し、1992年3月20日に出願された米国特許第0 7 /855,389号、現在放棄されている;(2)Wooら、”DNA輸送体系 および使用法”と題し、1993年3月19日に出願されたPCT/US93/ 02725、国際特許出願WO93/18759号(米国および他の国を指定し ている);(3)”核酸輸送系および使用法”と題し、1993年12月14日 に出願されたWooらによる一部継続出願、米国特許第8/167/641号; (4)Szokaらにより、”自己構築ポリヌクレオチド送達系”と題し、19 92年7月14日に出願された米国特許第07/913,669号;およびSz okaらにより、”自己構築ポリヌクレオチド送達系”と題し、1993年4月 5日に出願されたPCT/US93/03406、国際特許出願WO93/19 768(米国および他の国を指定している)。 筋肉内への直接的な遺伝子の導入は非常に有効であった。筋肉細胞内へのDN Aの直接注入による投与は注入された領域で遺伝子の発現が起きていること実験 は示している。IGF−Iを含んでいるプラスミドの注射では遺伝子の発現が比 較的一定レベルで一ヶ月続いた。注入されたDNAは組み込まれない染色体外状 態で存続するようである。この輸送手段は好適な実施態様である。 別の好適な送達法にはDNA輸送体系が含まれる。DNA輸送体系は、独立し て非共有結合でDNAと結合するいくつかの要素を含んでいる粒子から成ってい る。各々の要素は特定のレセプターまたは他の機能性基(DNAと結合する陽イ オン性基と複合体を形成するタンパク質のような)を認識するリガンドから成っ ている。使用されるであろう陽イオンの例はスペルミン、スペルミン誘導体、ヒ ストン、陽イオン性ペプチドおよび/またはポリリジンである。一つの要素はD NAベクターおよび標的細胞上の細胞表面レセプターの両方に結合できる。その ような要素の例は、アシアログリコプロテインレセプター、葉酸レセプター、マ ンノース−6−ホスフェートレセプターまたはカルニチンレセプターと相互作用 する有機化合物である。第二の要素はDNAベクターおよび核膜上のレセプター の両方に結合できる。核リガンドは核膜を通して輸送体系を認識および輸送でき る。そのようなリガンドの例はSV40ラージT抗原またはヒストンからの核標 的化配列である。第三の要素はDNAベクターおよびエピソーム溶解を誘導する 要素の両方に結合できる。例としては、アデノウイルスのような不活性化ウイル ス粒子、インフルエンザウイルスヘマグルチニンに関連するペプチドまたは前に 引用したSzokaの特許に記載されているGALAペプチドが挙げられる。 投与には前記好適な態様で説明したような脂質も含まれている。 脂質はリポソームを形成しており、それは一重膜、二重膜または多重膜様式で配 置された脂質、およびDNAのような水溶性化合物を捕捉するための内部水性空 間、0.05から数ミクロンの直径範囲のサイズから成る中空の球形小胞である 。脂質はリポソームを形成しなくても有用であろう。特別の例には、陽イオン性 脂質およびDNAおよびDNAの細胞内への侵入を容易にするために標的細胞の 膜と相互作用するDOPEを含んでいる複合体の使用が含まれる。 遺伝子送達はまた、遺伝子工学処理された細胞の移植によっても実施できる。 例えば、筋原細胞と称される未成熟筋肉細胞は筋肉繊維内へ遺伝子を運搬するの に使用されるであろう。組換え体ヒト成長ホルモンを発現するように遺伝子工学 処理された筋原細胞は動物血液中に成長ホルモンを分泌することができる。組み 込まれた遺伝子の分泌は三ヶ月以上の期間に渡って持続できる。 筋原細胞は最終的には分化して既存の筋肉組織と融合する。細胞は既存の構造 内へ合体されるので、我慢するのではなく養育しているのである。筋原細胞は遺 伝子治療を必要としている患者から筋肉組織をとることにより容易に得ることが でき、および遺伝子工学処理された細胞は患者の筋肉に損傷を与えることなく容 易に戻すことができる。同様にケラチノサイトが組織への遺伝子送達に使用され るであろう。多量のケラチノサイトを少量の生検試料の培養により発生させるこ とができる。培養物は層状シートとして調製することができ、ヒトに移植した場 合に表皮を発生し、それは多年に渡って組織型質の改良が続く。ケラチノサイト は、培養の間にケラチノサイトを適当なベクターでトランスフェクトすることに より遺伝子工学処理される。ケラチノサイトは真皮から表皮を分けている基底膜 により循環系から分離されているが、ヒトケラチノサイトは循環系内に産生した タンパク質を分泌している。 選択された送達法は、核酸カセット内にコードされている遺伝子産物の発現を 適当な生物学的効果を働かせるレベルで生じなければならない。発現の速度は疾 患、ベクターおよび遺伝子産物の薬物動力学、および投与経路に依存するであろ うが、体重/日で1−1000mg/kgの間であるべきである。このレベルは 標準法により容易に決定可能である。それは至適投与量にもより多くまたはより 少なく依存するかもしれない。処置の持続は疾患徴候の過程を通して延長される であろうが、可能ならば連続的である。用量は疾患、送達運搬体および臨床試験 からの効能データに依存するであろう。 当業者は、本発明は本明細書に固有なものはもちろん、説明された結末および 利点を得るために柔軟に改変されることを認めるであろう。本明細書に記載した プラスミド構築物、並びに処方、方法、過程および処置は例示の好適な実施態様 の現在代表的なものであり、本発明の範囲を制限することは意図されていない。 当業者によりその変形および他の使用がなされても、それらは本発明の精神内に 包含されているかまたは請求の範囲により定義されている。 当業者には、本明細書に開示された発明に種々の置換および修正が、本発明の 範囲および精神から離れることなく為されるであろうことは容易に明らかであろ う。 本明細書に記載されたすべての特許および出版物は、あたかも各々の個々の出 版物が特別におよび個々に本発明で援用されるのと同じ程度で本明細書において 援用される。
【手続補正書】 【提出日】平成11年5月20日(1999.5.20) 【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 11/06 A61P 11/06 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ノードストローム,ジェフ アメリカ合衆国テキサス州77840,カレッ ジ・ステーション,パーイヤー・ドライブ 1016 (72)発明者 フリーマーク,ブルース アメリカ合衆国テキサス州77389,スプリ ング,クラーグウェイ・ロード 6611 (72)発明者 デシュパンデ,ディーパ アメリカ合衆国テキサス州77381,ザ・ウ ッドランズ,ホリー・クリーク・コート 333,ナンバー 1306

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 組換え真核生物遺伝子発現のためのプラスミドであって、 第一の5’−非翻訳領域、第一のイントロン、第一のコード領域および第一の3 ’−非翻訳領域/ポリ(A)シグナルに転写的に連結された第一の転写調節配列 を含む第一の転写ユニット、ここで該第一のイントロンは該調節配列および該第 一のコード配列間に存在する;および 第二の5’−非翻訳領域、第二のイントロン、第二のコード領域および第二の3 ’−非翻訳領域/ポリ(A)シグナルに転写的に連結された第二の転写調節配列 を含む第二の転写ユニット、ここで該第二のイントロンは該調節配列および該第 二のコード配列間に存在する; を含み、 ここで該第一および第二のコード配列はヒトIL−12 p40サブユニットを コードしている配列ID番号:2を持つ配列およびヒトIL−12 p35サブ ユニットをコードしている配列ID番号:4を持つ配列を含む: ことを特徴とするプラスミド。 2. 該第一の転写調節ユニットまたは該第二の転写調節ユニットがサイト メガロウイルスプロモーター/エンハンサー配列を含む請求項第1項に記載のプ ラスミド。 4. 該第一のおよび第二の転写調節配列が同一のものである請求項第1項 に記載のプラスミド。 5. 該第一のおよび第二の転写調節配列が異なっている請求項第1項に記 載のプラスミド。 7. 該ヒトIL−12のp40サブユニットをコードしている配列が、ヒ トIL−12のp35サブユニットをコードしている配列の5’側にある請求項 第6項に記載のプラスミド。 8. 変異スプライシングを持つイントロン、第一のコード配列、および第 二のコード配列を含む組換え真核生物遺伝子発現のためのプラスミドであって、 該第一および第二のコード配列はヒトIL−12 p40サブユニットをコード している配列ID番号:2を持つ配列およびヒトIL−12 p35サブユニッ トをコードしている配列ID番号:4を持つ配列を含むプラスミド。 9. 第一のコード配列および第二のコード配列に転写的に連結された転写 調節配列; 5’−非翻訳領域; 該第一のコード配列の5’側のイントロン; 該第一のコード配列の3’側および該第二のコード配列の5’側の代替スプライ ス部位;および 3’−非翻訳領域/ポリ(A)シグナル: をさらに含む請求項第8項に記載のプラスミド。 11. 該転写調節ユニットがサイトメガロウイルスプロモーター/エンハン サー配列を含む請求項第9項に記載のプラスミド。 13. 組換え真該生物遺伝子発現のためのプラスミドであって、 第一のコード領域、IRES配列、第二のコード配列および3’−非翻訳領域/ ポリ(A)シグナルに転写的に連結された転写調節配列、ここで該IRES配列 は該第一のコード配列および第二のコード配列間に存在する;および 該プロモーターおよび該第一のコード配列間のイントロン; を含み、 ここで該第一および第二のコード配列はヒトIL−12 p40サブユニットを コードしている配列ID番号:2を持つ配列およびヒトIL−12 p35サブ ユニットをコードしている配列ID番号:4を持つ配列を含む、 ことを特徴とするプラスミド。 14. 該転写調節ユニットがサイトメガロウイルスプロモーター/エンハン サー配列を含む請求項第13項に記載のプラスミド。 16. 該IRES配列が脳心筋炎ウイルスからのものである請求項第13項 に記載のプラスミド。 17. 哺乳動物におけるDNA分子の送達のための組成物であって、 約800ナノメーターの押し出しサイズを持っているリポソームとして調製され た陽イオン性脂質と中性補脂質、ここで該陽イオン性脂質はDOTMAであり、 および該中性補脂質はコレステロールである;および 第一のコード配列および第二のコード配列を含む若干量のDNA; を含み、 ここで該陽イオン性脂質は負対正の電荷比が約1:3であるような量で存在して おり;および ここで該第一および第二のコード配列はヒトIL−12 p40サブユニットを コードしている配列ID番号:2を持つ配列およびヒトIL−12 p35サブ ユニットをコードしている配列ID番号:4を持つ配列を含む: ことを特徴とする組成物。 18. 該DNAは少なくとも約80%がスーパーコイル型である請求項第1 7項に記載の組成物。 19. 該DNAは少なくとも約90%がスーパーコイル型である請求項第1 8項に記載の組成物。 20. 該DNAは少なくとも約95%がスーパーコイル型である請求項第1 9項に記載の組成物。 22. さらに等張炭水化物溶液を含む請求項第17項に記載の組成物。 23. 該等張炭水化物溶液が本質的に約10%ラクトースから成る請求項第 22項に記載の組成物。 25. 哺乳動物におけるDNA分子の送達のための組成物であって、 陽イオン性脂質と中性補脂質、ここで該陽イオン性脂質はDOTMAであり、お よび該中性補脂質はコレステロールである;および 第一のコード配列および第二のコード配列を含む若干量のDNA; を含み、 ここで該陽イオン性脂質および該DNAは負対正の電荷比が約1:3で存在して おり;および ここで該第一および第二のコード配列はヒトIL−12 p40サブユニットを コードしている配列ID番号:2を持つ配列およびヒトIL−12 p35サブ ユニットをコードしている配列ID番号:4を持つ配列を含む: ことを特徴とする組成物。 26. 該DNAは少なくとも約80%がスーパーコイル型である請求項第2 5項に記載の組成物。 27. 該DNAは少なくとも約90%がスーパーコイル型である請求項第2 6項に記載の組成物。 28. 該DNAは少なくとも約95%がスーパーコイル型である請求項第2 7項に記載の組成物。 29. さらに等張炭水化物溶液を含む請求項第25項に記載の組成物。 30. 該等張炭水化物溶液が本質的に約10%ラクトースから成る請求項第 29項に記載の組成物。 32.哺乳動物におけるDNA送達のための組成物を製造する方法であって、 a.第一のコード配列および第二のコード配列を含むDNAを調製し; b.約800nmの押し出しサイズを持っているリポソームを調製し、ここで該 リポソームは陽イオン性脂質および中性補脂質を含み、該陽イオン性脂質はDO TMAであり、および該中性補脂質はコレステロールである;そして c.該リポソームと該DNAを、該陽イオン性脂質および該DNAが約1:3の 負対正の電荷比で存在するような量で混合する; の各工程を含み、 ここで該第一および第二のコード配列はヒトIL−12 p40サブユニットを コードしている配列ID番号:2を持つ配列およびヒトIL−12 p35サブ ユニットをコードしている配列ID番号:4を持つ配列を含むことを特徴とする 方法。 33. 哺乳動物の病状または疾患の処置法であって、病状または疾患を持つ 哺乳動物に、咄乳動物におけるDNA分子送達のための組成物を投与することを 含み、該組成物は 陽イオン性脂質および中性補脂質、ここで該陽イオン性脂質はDOTMAであり 、および該中性補脂質はコレステロールである;および 第一のコード配列および第二のコード配列を持っている若干量のDNA分子; を含み、 ここで該陽イオン性脂質および該DNAは約1:3の負対正の電荷比で存在して おり;および ここで該第一および第二のコード配列はヒトIL−12 p40サブユニットを コードしている配列ID番号:2を持つ配列およびヒトIL−12 p35サブ ユニットをコードしている配列ID番号:4を持つ配列を含み:および ここで該疾患または病状は喘息である、 ことを特徴とする方法。 34. 該組成物が超音波噴霧化による投与のために調製される請求項第33 項に記載の方法。
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