JP2001244777A - ラダー形弾性表面波フィルタ - Google Patents
ラダー形弾性表面波フィルタInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ラダー型弾性表面波フィルタにおいて、中心
周波数より通過域内の低域側に生じるリップルを改善す
る手段を得る。 【解決手段】 圧電基板上に弾性表面波共振子を並列、
直列、並列、・・と配置して構成したラダー形弾性表面
波フィルタにおいて、並列腕に位置する弾性表面波共振
子のＩＤＴ電極の交差幅を楕円状に重み付けする。
周波数より通過域内の低域側に生じるリップルを改善す
る手段を得る。 【解決手段】 圧電基板上に弾性表面波共振子を並列、
直列、並列、・・と配置して構成したラダー形弾性表面
波フィルタにおいて、並列腕に位置する弾性表面波共振
子のＩＤＴ電極の交差幅を楕円状に重み付けする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はラダー形弾性表面波
フィルタに関し、特に通過帯域内の特性を改善したした
ラダー形弾性表面波フィルタに関する。
フィルタに関し、特に通過帯域内の特性を改善したした
ラダー形弾性表面波フィルタに関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、弾性表面波フィルタは通信分野で
広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を
有することから特に携帯電話等に多く用いられている。
弾性表面波フィルタ（以下、ＳＡＷフィルタと称す）の
中で、減衰傾度が急峻であると共に挿入損失が小さいと
いう特徴を備えたラダー形ＳＡＷフィルタは、小型、軽
量化を図るセルラー方式携帯電話のＲＦ段に適してお
り、現在では多くの機種に用いられている。周知のよう
に、ラダー形ＳＡＷフィルタは同一圧電基板上に一端子
対弾性表面波共振子（以下、ＳＡＷ共振子と称す）複数
個を並列、直列、並列あるいは、直列、並列、直列と交
互に配置してラダー形構造に構成した共振子形ＳＡＷフ
ィルタである。
広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を
有することから特に携帯電話等に多く用いられている。
弾性表面波フィルタ（以下、ＳＡＷフィルタと称す）の
中で、減衰傾度が急峻であると共に挿入損失が小さいと
いう特徴を備えたラダー形ＳＡＷフィルタは、小型、軽
量化を図るセルラー方式携帯電話のＲＦ段に適してお
り、現在では多くの機種に用いられている。周知のよう
に、ラダー形ＳＡＷフィルタは同一圧電基板上に一端子
対弾性表面波共振子（以下、ＳＡＷ共振子と称す）複数
個を並列、直列、並列あるいは、直列、並列、直列と交
互に配置してラダー形構造に構成した共振子形ＳＡＷフ
ィルタである。
【０００３】図５は、ラダー形ＳＡＷフィルタに用いら
れるＳＡＷ共振子の構成を示す平面図の一例であって、
圧電基板１１の主面上に表面波の伝搬方向に沿って正規
型のＩＤＴ電極１２とその両側にグレーティング反射器
（以下、反射器と称す）１３ａ、１３ｂを配置してＳＡ
Ｗ共振子を構成したものである。ＩＤＴ電極１２はそれ
ぞれ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一対のく
し形電極より構成され、一方のくし形電極と、他方のく
し形電極とで一端子対ＳＡＷ共振子を構成している。こ
こで、図中に示した記号ＷはＩＤＴ電極１２の交差幅を
表している。
れるＳＡＷ共振子の構成を示す平面図の一例であって、
圧電基板１１の主面上に表面波の伝搬方向に沿って正規
型のＩＤＴ電極１２とその両側にグレーティング反射器
（以下、反射器と称す）１３ａ、１３ｂを配置してＳＡ
Ｗ共振子を構成したものである。ＩＤＴ電極１２はそれ
ぞれ互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一対のく
し形電極より構成され、一方のくし形電極と、他方のく
し形電極とで一端子対ＳＡＷ共振子を構成している。こ
こで、図中に示した記号ＷはＩＤＴ電極１２の交差幅を
表している。
【０００４】図６は従来のラダー形ＳＡＷフィルタの構
成を示す平面図であって、５個のＳＡＷ共振子１４、１
５、１６、１７、１８を表面波の伝搬する方向に沿っ
て、互いに干渉しないように間隔を開けて配置すると共
に、ＳＡＷ共振子１４、１５、１６、１７、１８を並
列、直列、並列、・・と交互に接続し、ＳＡＷ共振子１
４と１５との接続点を入力とし、ＳＡＷ共振子１７、１
８の接続点を出力としてラダー形構成のフィルタを構成
したものである。ここで、並列腕のＳＡＷ共振子の一方
の端子はそれぞれ接地する。
成を示す平面図であって、５個のＳＡＷ共振子１４、１
５、１６、１７、１８を表面波の伝搬する方向に沿っ
て、互いに干渉しないように間隔を開けて配置すると共
に、ＳＡＷ共振子１４、１５、１６、１７、１８を並
列、直列、並列、・・と交互に接続し、ＳＡＷ共振子１
４と１５との接続点を入力とし、ＳＡＷ共振子１７、１
８の接続点を出力としてラダー形構成のフィルタを構成
したものである。ここで、並列腕のＳＡＷ共振子の一方
の端子はそれぞれ接地する。
【０００５】一般にラダー形回路は、図７（ａ）に示す
ように、並列腕Ｙｐと直列腕Ｚｓとが共に１個の共振子
からなるラダー形フィルタの基本区間（以下、基本区間
と称す）を、互いにインピーダンスが整合するように、
ｎ区間（図の例では４区間）縦続接続して構成される。
影像パラメータ理論によると、基本区間の並列腕（Yp）
の反共振周波数faと、直列腕（Zs）の共振周波数fsをほ
ぼ一致させるように設定することにより、該周波数を中
心周波数とする帯域フィルタが形成され、並列腕（Yp）
の共振周波数及び直列腕（Zs）の反共振周波数によりそ
れぞれ減衰極が形成される。
ように、並列腕Ｙｐと直列腕Ｚｓとが共に１個の共振子
からなるラダー形フィルタの基本区間（以下、基本区間
と称す）を、互いにインピーダンスが整合するように、
ｎ区間（図の例では４区間）縦続接続して構成される。
影像パラメータ理論によると、基本区間の並列腕（Yp）
の反共振周波数faと、直列腕（Zs）の共振周波数fsをほ
ぼ一致させるように設定することにより、該周波数を中
心周波数とする帯域フィルタが形成され、並列腕（Yp）
の共振周波数及び直列腕（Zs）の反共振周波数によりそ
れぞれ減衰極が形成される。
【０００６】図７（ａ）に示すように基本区間を４個縦
続接続したラダー形回路において、直列腕のインピーダ
ンスZsを有する共振子を２個直列接続した回路は、周知
のようにインピーダンス２Zsの１個の共振子と等価であ
り、また、並列腕のアドミッタンスYpを有する共振子が
２個並列に接続されたものは、アドミッタンス２Ypの１
個の共振子と等価となる。従って、図７（ａ）に示した
４基本区間のラダー型回路は、同図（ｂ）に示す５素子
ラダー型回路に等価変換される。即ち、アドミッタンス
Ypを有する並列腕と、インピーダンス2Zsを有する直列
腕と、アドミッタンス２Ypの並列腕と、インピーダンス
2Zsの直列腕と、アドミッタンスYpを有する並列腕とか
らなるラダー型回路に変換される。このため、並列腕の
ＳＡＷ共振子14、16、18は同一の共振周波数を有するも
のの、ＳＡＷ共振子16はＳＡＷ共振子14、18の２倍のア
ドミッタンスを有することになる。つまり、図６に示し
たラダー形ＳＡＷフィルタの構成は、図７（ｂ）のラダ
ー形回路をＳＡＷ共振子を用いて実現したものである。
続接続したラダー形回路において、直列腕のインピーダ
ンスZsを有する共振子を２個直列接続した回路は、周知
のようにインピーダンス２Zsの１個の共振子と等価であ
り、また、並列腕のアドミッタンスYpを有する共振子が
２個並列に接続されたものは、アドミッタンス２Ypの１
個の共振子と等価となる。従って、図７（ａ）に示した
４基本区間のラダー型回路は、同図（ｂ）に示す５素子
ラダー型回路に等価変換される。即ち、アドミッタンス
Ypを有する並列腕と、インピーダンス2Zsを有する直列
腕と、アドミッタンス２Ypの並列腕と、インピーダンス
2Zsの直列腕と、アドミッタンスYpを有する並列腕とか
らなるラダー型回路に変換される。このため、並列腕の
ＳＡＷ共振子14、16、18は同一の共振周波数を有するも
のの、ＳＡＷ共振子16はＳＡＷ共振子14、18の２倍のア
ドミッタンスを有することになる。つまり、図６に示し
たラダー形ＳＡＷフィルタの構成は、図７（ｂ）のラダ
ー形回路をＳＡＷ共振子を用いて実現したものである。
【０００７】図８は、42゜Y−X LiTaO3基板を用い、中
心周波数を836.5MHz、帯域幅を25MHz以上とすべく、直
列腕のＳＡＷ共振子１５、１６の電極対数をそれぞれ50
対、交差幅を14.5λ（λは電極周期）、並列腕のＳＡＷ
共振子１４、１８の電極対数をそれぞれ100対、交差幅
を14.0λ、並列腕のＳＡＷ共振子１６の電極対数を120
対、交差幅を23.3λ、反射器の本数は全てのＳＡＷ共振
子とも100本としたラダー形ＳＡＷフィルタの通過域特
性である。
心周波数を836.5MHz、帯域幅を25MHz以上とすべく、直
列腕のＳＡＷ共振子１５、１６の電極対数をそれぞれ50
対、交差幅を14.5λ（λは電極周期）、並列腕のＳＡＷ
共振子１４、１８の電極対数をそれぞれ100対、交差幅
を14.0λ、並列腕のＳＡＷ共振子１６の電極対数を120
対、交差幅を23.3λ、反射器の本数は全てのＳＡＷ共振
子とも100本としたラダー形ＳＡＷフィルタの通過域特
性である。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように正規型ＩＤＴ電極からなるＳＡＷ共振子を用い
てラダー形ＳＡＷフィルタを構成すると、図８に示した
通過域特性から明らかなように、中心周波数より低周波
側の損失が大きくなると共に、小さなリップルが多数発
生し、平坦性を損なっている。このような設計のラダー
形ＳＡＷフィルタでは製造する際の製造偏差や温度試験
等により、ＲＦフィルタの規格、824MHzから849MHzにて
３ｄＢ以下という規格を満たさないおそれがあるという
問題があった。本発明は上記問題を解決するためになさ
れたものであって、通過域特性が平坦なラダー形表面波
フィルタを提供することを目的とする。
たように正規型ＩＤＴ電極からなるＳＡＷ共振子を用い
てラダー形ＳＡＷフィルタを構成すると、図８に示した
通過域特性から明らかなように、中心周波数より低周波
側の損失が大きくなると共に、小さなリップルが多数発
生し、平坦性を損なっている。このような設計のラダー
形ＳＡＷフィルタでは製造する際の製造偏差や温度試験
等により、ＲＦフィルタの規格、824MHzから849MHzにて
３ｄＢ以下という規格を満たさないおそれがあるという
問題があった。本発明は上記問題を解決するためになさ
れたものであって、通過域特性が平坦なラダー形表面波
フィルタを提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係るラダー形弾性表面波フィルタの請求項１
記載の発明は、圧電基板の主面上に表面波の伝搬方向に
沿って複数の弾性表面波共振子を配置すると共に、該弾
性表面波共振子を並列、直列、並列、・・と、あるいは
直列、並列、直列、・・と接続して構成したラダー形弾
性表面波フィルタにおいて、少なくとも前記並列腕を構
成する弾性表面波共振子の交差幅の形状を楕円状にした
ことを特徴とするラダー形弾性表面波フィルタである。
請求項２記載の発明は、少なくとも前記並列腕を楕円状
の交差幅を有する弾性表面波共振子複数個を直列接続し
て構成したことを特徴とする請求項１記載のラダー形弾
性表面波フィルタである。
に本発明に係るラダー形弾性表面波フィルタの請求項１
記載の発明は、圧電基板の主面上に表面波の伝搬方向に
沿って複数の弾性表面波共振子を配置すると共に、該弾
性表面波共振子を並列、直列、並列、・・と、あるいは
直列、並列、直列、・・と接続して構成したラダー形弾
性表面波フィルタにおいて、少なくとも前記並列腕を構
成する弾性表面波共振子の交差幅の形状を楕円状にした
ことを特徴とするラダー形弾性表面波フィルタである。
請求項２記載の発明は、少なくとも前記並列腕を楕円状
の交差幅を有する弾性表面波共振子複数個を直列接続し
て構成したことを特徴とする請求項１記載のラダー形弾
性表面波フィルタである。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係るラ
ダー形ＳＡＷフィルタの構成を示す平面図であって、圧
電基板１の表面波の伝搬方向に沿って、後述するＳＡＷ
共振子２、３、４、５、６を並列、直列、並列と交互に
接続して構成したラダー形ＳＡＷフィルタ（図１には５
素子ラダー形ＳＡＷフィルタを示す）である。並列腕の
ＳＡＷ共振子２、４、６の一方の端子はボンディングワ
イヤにて接地すると共に、ＳＡＷ共振子２と３との接続
部であるボンディングパッド７ａ及びＳＡＷ共振子５と
６との接続部であるボンディングパッド７ｂと、パッケ
ージ（図示しない）の入出力端子とをそれぞれボンディ
ングワイヤにて接続する。
形態に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係るラ
ダー形ＳＡＷフィルタの構成を示す平面図であって、圧
電基板１の表面波の伝搬方向に沿って、後述するＳＡＷ
共振子２、３、４、５、６を並列、直列、並列と交互に
接続して構成したラダー形ＳＡＷフィルタ（図１には５
素子ラダー形ＳＡＷフィルタを示す）である。並列腕の
ＳＡＷ共振子２、４、６の一方の端子はボンディングワ
イヤにて接地すると共に、ＳＡＷ共振子２と３との接続
部であるボンディングパッド７ａ及びＳＡＷ共振子５と
６との接続部であるボンディングパッド７ｂと、パッケ
ージ（図示しない）の入出力端子とをそれぞれボンディ
ングワイヤにて接続する。
【００１１】図２はＳＡＷ共振子の構成を示す平面図で
あって、圧電基板上に表面波の伝搬方向に沿って、ＩＤ
Ｔ電極８とその両側に反射器９ａ、９ｂを配置して構成
したＳＡＷ共振子である。ＩＤＴ電極８の交差幅Ｗｎ
は、図に示すように、その中心線Ｃ対して左右対称とす
ると共に、該交差幅Ｗｎに楕円関数の重み付けを施した
構成となっている。本発明の特徴は、ラダー形ＳＡＷフ
ィルタを構成する並列腕２、４、６に、図２に示す楕円
状の交差幅を有するＳＡＷ共振子を用いて構成したこと
にある。即ち、ＩＤＴ電極８の中央から図中右方（左方
も同様）に電極指に１、２、３、・・Ｎと番号を付すと
き、最大の交差幅で規格化した交差幅ＷｎをＷｎ＝√
（１−（（ｎ−１）／（Ｎ−１））2）と設定したこと
にある。
あって、圧電基板上に表面波の伝搬方向に沿って、ＩＤ
Ｔ電極８とその両側に反射器９ａ、９ｂを配置して構成
したＳＡＷ共振子である。ＩＤＴ電極８の交差幅Ｗｎ
は、図に示すように、その中心線Ｃ対して左右対称とす
ると共に、該交差幅Ｗｎに楕円関数の重み付けを施した
構成となっている。本発明の特徴は、ラダー形ＳＡＷフ
ィルタを構成する並列腕２、４、６に、図２に示す楕円
状の交差幅を有するＳＡＷ共振子を用いて構成したこと
にある。即ち、ＩＤＴ電極８の中央から図中右方（左方
も同様）に電極指に１、２、３、・・Ｎと番号を付すと
き、最大の交差幅で規格化した交差幅ＷｎをＷｎ＝√
（１−（（ｎ−１）／（Ｎ−１））2）と設定したこと
にある。
【００１２】図８に示したフィルタ特性から、中心周波
数より低域側にかけて通過域特性が劣化するのは、フィ
ルタの低域側特性に関与する並列腕ＳＡＷ共振子のイン
ピーダンス特性が所定の値から劣化している、即ちその
値が小さくなっていると推測した。そこで、並列腕ＳＡ
Ｗ共振子が呈する反共振周波数から低周波側にかけての
インピーダンス特性を大きくすれば、低域側のフィルタ
特性が改善できるのではないかと考えた。ＳＡＷ共振子
の反共振周波数近傍のインピーダンス特性を改善すべ
く、種々の形状の交差幅を有するＳＡＷ共振子のインピ
ーダンス特性を、高周波プローブを用いて、その反射係
数Ｓ11を測定した。図３はその一例の円線図（スミス図
表）を示すもので、破線で示す円線図は正規型ＩＤＴ電
極のＳＡＷ共振子の特性である。また、実線で示す円線
図はＩＤＴ電極に楕円の重み付けを施したＳＡＷ共振子
の円線図である。周知のように、横軸と交わる点Ｐは共
振周波数、点Ｑは反共振周波数である。ここで、αで示
す反共振周波数から共振周波数にかけての周波数領域の
インピーダンス特性が大きいＳＡＷ共振子を、ラダー形
ＳＡＷフィルタの並列腕に用いると、通過域の中心周波
数より低域側の特性が改善できると推測して、フィルタ
を試作した。
数より低域側にかけて通過域特性が劣化するのは、フィ
ルタの低域側特性に関与する並列腕ＳＡＷ共振子のイン
ピーダンス特性が所定の値から劣化している、即ちその
値が小さくなっていると推測した。そこで、並列腕ＳＡ
Ｗ共振子が呈する反共振周波数から低周波側にかけての
インピーダンス特性を大きくすれば、低域側のフィルタ
特性が改善できるのではないかと考えた。ＳＡＷ共振子
の反共振周波数近傍のインピーダンス特性を改善すべ
く、種々の形状の交差幅を有するＳＡＷ共振子のインピ
ーダンス特性を、高周波プローブを用いて、その反射係
数Ｓ11を測定した。図３はその一例の円線図（スミス図
表）を示すもので、破線で示す円線図は正規型ＩＤＴ電
極のＳＡＷ共振子の特性である。また、実線で示す円線
図はＩＤＴ電極に楕円の重み付けを施したＳＡＷ共振子
の円線図である。周知のように、横軸と交わる点Ｐは共
振周波数、点Ｑは反共振周波数である。ここで、αで示
す反共振周波数から共振周波数にかけての周波数領域の
インピーダンス特性が大きいＳＡＷ共振子を、ラダー形
ＳＡＷフィルタの並列腕に用いると、通過域の中心周波
数より低域側の特性が改善できると推測して、フィルタ
を試作した。
【００１３】図４に示す実線のフィルタ特性は、並列腕
ＳＡＷ共振子のＩＤＴ電極２、４、６の交差幅を楕円状
としたものを用いて構成した５素子のラダー型ＳＡＷフ
ィルタの特性である。圧電基板に42゜Y−X LiTaO3基板
を用い、中心周波数を836.5MHzとし、直列腕のＳＡＷ共
振子３、５の電極対数をそれぞれ50対、交差幅を14.6λ
（λは電極周期）、並列腕のＳＡＷ共振子２、６の電極
対数をそれぞれ100対、最大の交差幅を17.7λとして楕
円状に変化させ、並列腕のＳＡＷ共振子４の電極対数を
120対、最大の交差幅を29.7λとして楕円状に変化させ
たラダー形ＳＡＷフィルタの通過域特性である。なお、
反射器の電極本数は全てのＳＡＷ共振子とも100本とし
ている。また、破線で示すフィルタ特性は、並列腕、直
列腕とも正規型ＩＤＴ電極を用いた従来のラダー形ＳＡ
Ｗフィルタの特性であり、参考のために重ね書きした。
ＳＡＷ共振子のＩＤＴ電極２、４、６の交差幅を楕円状
としたものを用いて構成した５素子のラダー型ＳＡＷフ
ィルタの特性である。圧電基板に42゜Y−X LiTaO3基板
を用い、中心周波数を836.5MHzとし、直列腕のＳＡＷ共
振子３、５の電極対数をそれぞれ50対、交差幅を14.6λ
（λは電極周期）、並列腕のＳＡＷ共振子２、６の電極
対数をそれぞれ100対、最大の交差幅を17.7λとして楕
円状に変化させ、並列腕のＳＡＷ共振子４の電極対数を
120対、最大の交差幅を29.7λとして楕円状に変化させ
たラダー形ＳＡＷフィルタの通過域特性である。なお、
反射器の電極本数は全てのＳＡＷ共振子とも100本とし
ている。また、破線で示すフィルタ特性は、並列腕、直
列腕とも正規型ＩＤＴ電極を用いた従来のラダー形ＳＡ
Ｗフィルタの特性であり、参考のために重ね書きした。
【００１４】図４から明らかなように、並列腕に楕円状
の交差幅のＩＤＴ電極を有するＳＡＷ共振子を用いる
と、通過域の中心周波数より低域側において挿入損失が
改善され、リップルも小さくなることが判明した。ま
た、並列腕共振子の交差幅を楕円に類似した形状にして
も同様な効果が得られるのは言うまでもない。
の交差幅のＩＤＴ電極を有するＳＡＷ共振子を用いる
と、通過域の中心周波数より低域側において挿入損失が
改善され、リップルも小さくなることが判明した。ま
た、並列腕共振子の交差幅を楕円に類似した形状にして
も同様な効果が得られるのは言うまでもない。
【００１５】以上では圧電基板に42゜Y−X LiTaO3を用
いた例について説明したが、圧電基板はこれのみに限定
するものではなく、他の切断角度、あるいはニオブ酸リ
チウム、ランガサイト、四硼酸リチウムとの圧電基板を
用いても同様な効果が期待されることは説明する必要も
ない。また、並列腕のみならず直列腕のＳＡＷ共振子に
ついて楕円状交差幅のＩＤＴ電極を採用してもよく、通
過帯域の向上が期待できる。更に、実施例では各共振子
を単独のＳＡＷ共振子を用いて構成しているが、各共振
子として楕円状交差幅のＩＤＴ電極を有するＳＡＷ共振
子を複数個直列接続したものを用いて、ラダー形ＳＡＷ
フィルタを構成しても同様な特性が得られる。
いた例について説明したが、圧電基板はこれのみに限定
するものではなく、他の切断角度、あるいはニオブ酸リ
チウム、ランガサイト、四硼酸リチウムとの圧電基板を
用いても同様な効果が期待されることは説明する必要も
ない。また、並列腕のみならず直列腕のＳＡＷ共振子に
ついて楕円状交差幅のＩＤＴ電極を採用してもよく、通
過帯域の向上が期待できる。更に、実施例では各共振子
を単独のＳＡＷ共振子を用いて構成しているが、各共振
子として楕円状交差幅のＩＤＴ電極を有するＳＡＷ共振
子を複数個直列接続したものを用いて、ラダー形ＳＡＷ
フィルタを構成しても同様な特性が得られる。
【００１６】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、ラダー形ＳＡＷフィルタの通過域特性が改善され
たため、製造偏差、温度特性等を考慮しても要求規格を
十分に満たすと共に、本フィルタを携帯電話等に用いれ
ば、その通話品質を改良するという優れた効果を表す。
ので、ラダー形ＳＡＷフィルタの通過域特性が改善され
たため、製造偏差、温度特性等を考慮しても要求規格を
十分に満たすと共に、本フィルタを携帯電話等に用いれ
ば、その通話品質を改良するという優れた効果を表す。
【図１】本発明に係るラダー形ＳＡＷフィルタの構成を
示す平面図である。
示す平面図である。
【図２】ＩＤＴ電極の交差幅を楕円状としたＳＡＷ共振
子の構成を示す平面図である。
子の構成を示す平面図である。
【図３】楕円状の交差幅を有するＳＡＷ共振子（実線）
と正規型のＳＡＷ共振子（破線）のそれぞれの円線図を
示す図である。
と正規型のＳＡＷ共振子（破線）のそれぞれの円線図を
示す図である。
【図４】本発明になるラダー形ＳＡＷフィルタのフィル
タ特性（実線）と、従来のラダー形ＳＡＷフィルタのフ
ィルタ特性（破線）を示す図である。
タ特性（実線）と、従来のラダー形ＳＡＷフィルタのフ
ィルタ特性（破線）を示す図である。
【図５】従来の正規型ＩＤＴ電極を有するＳＡＷ共振子
の構成を示す図である。
の構成を示す図である。
【図６】従来のラダー形ＳＡＷフィルタの構成を示す平
面図である。
面図である。
【図７】（ａ）はラダー形基本区間を４区間縦続接続し
たラダー形フィルタ、（ｂ）は共振子を合成して５素子
のラダー形フィルタとした回路である。
たラダー形フィルタ、（ｂ）は共振子を合成して５素子
のラダー形フィルタとした回路である。
【図８】従来のラダー形ＳＡＷフィルタのフィルタ特性
を示す図である。
を示す図である。
１・・圧電基板 ２、３、４、５、６・・弾性表面波共振子（ＳＡＷ共振
子） ７ａ、７ｂ・・ボンディングパッド ８・・ＩＤＴ電極 ９ａ、９ｂ・・グレーティング反射器 Ｗｎ・・交差幅 Ｐ・・共振点 Ｑ・・反共振点 α・・周波数領域 Ｃ・・中心線
子） ７ａ、７ｂ・・ボンディングパッド ８・・ＩＤＴ電極 ９ａ、９ｂ・・グレーティング反射器 Ｗｎ・・交差幅 Ｐ・・共振点 Ｑ・・反共振点 α・・周波数領域 Ｃ・・中心線
Claims (2)
- 【請求項１】 圧電基板の主面上に表面波の伝搬方向に
沿って複数の弾性表面波共振子を配置すると共に、該弾
性表面波共振子を並列、直列、並列、・・と、あるいは
直列、並列、直列、・・と接続して構成したラダー形弾
性表面波フィルタにおいて、 少なくとも前記並列腕を構成する弾性表面波共振子の交
差幅の形状を楕円状にしたことを特徴とするラダー形弾
性表面波フィルタ。 - 【請求項２】 少なくとも前記並列腕を楕円状の交差幅
を有する弾性表面波共振子複数個を直列接続して構成し
たことを特徴とする請求項１記載のラダー形弾性表面波
フィルタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000051766A JP2001244777A (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | ラダー形弾性表面波フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000051766A JP2001244777A (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | ラダー形弾性表面波フィルタ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001244777A true JP2001244777A (ja) | 2001-09-07 |
Family
ID=18573378
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000051766A Pending JP2001244777A (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | ラダー形弾性表面波フィルタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001244777A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20030053113A (ko) * | 2001-12-22 | 2003-06-28 | 엘지이노텍 주식회사 | 밸런스형 표면탄성파 필터 |
| JP2007116628A (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-10 | Kyocera Corp | 弾性表面波装置及び通信装置 |
-
2000
- 2000-02-28 JP JP2000051766A patent/JP2001244777A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20030053113A (ko) * | 2001-12-22 | 2003-06-28 | 엘지이노텍 주식회사 | 밸런스형 표면탄성파 필터 |
| JP2007116628A (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-10 | Kyocera Corp | 弾性表面波装置及び通信装置 |
| JP4758197B2 (ja) * | 2005-10-24 | 2011-08-24 | 京セラ株式会社 | 弾性表面波装置及び通信装置 |
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