JP2001243977A - ナトリウム硫黄電池、電池集合体およびモジュール - Google Patents

ナトリウム硫黄電池、電池集合体およびモジュール

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JP2001243977A JP2000060398A JP2000060398A JP2001243977A JP 2001243977 A JP2001243977 A JP 2001243977A JP 2000060398 A JP2000060398 A JP 2000060398A JP 2000060398 A JP2000060398 A JP 2000060398A JP 2001243977 A JP2001243977 A JP 2001243977A
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battery
positive electrode
container
sulfur
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Tadahiko Mitsuyoshi
忠彦 三吉
Manabu Madokoro
間所  学
Hisamitsu Hato
久光 波東
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力系統のピークシフトや電気自動車などに用
いるに好適なナトリウム硫黄電池、電池集合体およびそ
れを用いたモジュールを提供する。 【解決手段】ナトリウム硫黄電池において、固体電解質
板表面に沿って、貫通孔を設けたアルミニウム板の片面
あるいは両面に耐硫黄腐食性の金属層を形成した集電体
を設け、固体電解質板と集電体の間に存在する前記正極
モールド中の炭素材の充填密度を集電体と正極容器の間
に存在する炭素材の充填密度よりも大きくするか、ある
いは、集電体と正極容器の間には炭素材を設けない。ま
た、この電池を複数個積み重ねて積層体を形成し、これ
を収納容器へ入れて積層体の最下段と収納容器とを電気
接続して、収納容器を介して外部回路と電気接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力貯蔵装置や電
気自動車などに用いるに好適なナトリウム硫黄電池、電
池集合体およびモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】負極にナトリウム、正極に硫黄などを含
浸した炭素材から成る正極モールドを用い、負極/正極
間を袋管状の固体電解質で分離したナトリウム硫黄電池
は、長寿命でエネルギー密度が大きいことから注目さ
れ、電力貯蔵装置や電気自動車などへの利用が期待され
ている。しかしながら、この電池を電力系統に接続した
り電気自動車などに利用する際には、電池電圧が約2.
1Vと低いために、多数の電池を直列に接続して使用す
る必要があり、従来の袋管状の固体電解質を用いた場合
には電池の積層が困難で、直列配列しにくいという問題
があった。この問題に対処するため、例えば、公開特許
昭49−105134号公報、公開特許平7−2727
53号公報などには平板状の固体電解質板を用いた円盤
状の二次電池が提案されている。しかしながら、平板状
の固体電解質板を用いたナトリウム硫黄電池の実用化の
ためには以下の問題があり、従来の円盤状の電池はこれ
らの問題についての検討が不十分であった。
【0003】1)ナトリウム硫黄電池においては、負極
中のナトリウムが放電時に正極へ移動するため、正極の
体積は負極よりも大きい必要がある。このために、平板
状の固体電解質板を用いた場合には、普通に用いられて
いる固体電解質袋管の内側を負極、外側を正極とした構
造に比べ、正極室の厚さを厚くする必要があり、この結
果、厚い正極モールドの影響で内部抵抗が大きくなって
電池効率が低下したり、通電時に電池が発熱して適正温
度範囲を保つのが困難になったりするという問題があ
る。この問題は、電池を電力系統のピークシフトや電気
自動車などの目的のように、比較的高出力放電の要求さ
れる目的に用いる場合には、特に大きな問題となる。
【0004】2)ナトリウム硫黄電池を室温から動作温
度である約350℃まで昇降温する場合、正極の硫黄や
硫黄とナトリウムとの反応生成物である多硫化ナトリウ
ムが相変化し、その際の体積変化によって固体電解質に
応力が加わる。この応力は平板状の固体電解質板を用い
る場合には特に大きな問題となり、固体電解質板の破損
を招き易い。また、固体電解質板が破損するとナトリウ
ムと硫黄が直接反応し、発熱して、電池大破をもたら
す。袋管状の固体電解質を用いた場合、この問題に対処
するために、例えば公開特許昭54−143825号公
報、公開特許平2−112168号公報、公開特許平8
−171931号公報などに見られるように、電池破損
時の温度上昇によってナトリウムの流路を遮断して、電
池の大破を防止する方法が提案されているが、平板状の
固体電解質板を用いた円盤状電池においては、この種の
方法は用いられておらず、電池の安全性に問題があっ
た。
【0005】また、袋管状の固体電解質を用いた場合、
例えば特許公開平3−219567号公報や特許公開平
1−235168号公報および特許公開昭62−110
270号公報などに見られるように、正極内の固体電解
質袋管表面に沿って正極モールドと集電体を兼ねた多孔
質電子伝導材を設けた電池構造や、固体電解質袋管と平
行して多孔質電子伝導材から成る集電体を設け、両者の
間に炭素繊維集合体から成る正極モールドを配置した電
池構造が提案されている。この方法によれば正極モール
ドの厚さが比較的薄くできる反面、内部抵抗低減のため
には、多孔質電子伝導材から成る集電体の電気抵抗低減
を図るとともに、集電体に設けた貫通孔を硫黄や多硫化
ナトリウムが通過する際の抵抗を低減する必要がある。
従来の方法では、このための集電体を構成する材料や貫
通孔の面積割合、貫通孔径の適正化についての検討が不
十分であった。
【0006】一方、公開特許平2−256175号公
報、公開特許平3−176968号公報などには、袋管
状の固体電解質を用いた複数個のナトリウム硫黄電池を
積み重ねて直列接続した集合体が提案されている。しか
しながら、前者では集合体間や外部回路との間の電気接
続構造について考慮されておらず、また、後者では集合
体間の電気接続構造が複雑で、共に実用化のための検討
が不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の欠点を除き、電力系統のピークシフトや電気
自動車などのような比較的高出力放電の要求される目的
に適した、直列接続が容易に行えて、内部抵抗低減と安
全性に優れたナトリウム硫黄電池を提供するにある。本
発明の他の1つの課題は、複数個のナトリウム硫黄電池
を直列接続した積層体を用い、積層体間の電気接続や積
層体と外部回路との間の電気接続が簡単に行える電池集
合体およびこれを用いたモジュールを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明の第一のナトリウム硫黄電池は、ナトリウム
を収納した負極室と、硫黄または/および多硫化ナトリ
ウムを含浸した炭素材からなる正極モールドを収納した
正極室と、前記負極室、正極室間を分離した固体電解質
板とを含むナトリウム硫黄電池であって、前記正極室内
の前記固体電解質板表面に沿って、アルミニウム板の片
面あるいは両面に耐硫黄腐食性の導電層を形成した集電
体を設けたことを特徴としている。ここで、前記固体電
解質板と前記集電体との間に存在する前記正極モールド
中の前記炭素材の充填密度が、前記集電体を境に前記固
体電解質板とは反対側の正極室内に存在する前記正極モ
ールド中の前記炭素材の充填密度よりも大きいこと、あ
るいは、前記固体電解質板と前記集電体との間に前記正
極モールドを構成する炭素材が存在し、前記集電体を境
に前記固体電解質板とは反対側の正極室内には前記炭素
材が存在しないことが望ましい。なお、前記固体電解質
板と前記集電体との間に存在する前記正極モールド中の
前記炭素材の充填密度は5〜25体積%、前記集電体を
境に前記固体電解質板とは反対側の正極室内に存在する
前記正極モールド中の前記炭素材の充填密度は20体積
%以下であることが好ましい。さらに、前記集電体の前
記正極モールドに接した面に貫通部を設け、この貫通部
の面積割合が20〜80%の範囲にあるか、あるいは、
前記集電体が複数本設けられ、前記集電体の空隙の面積
割合が20〜80%の範囲にあり、かつ、前記集電体の
厚さが5mm以下、前記アルミニウム板の厚さが0.3
mm以上であることが特に好ましい。さらに、前記炭素
材が炭素繊維の集合体、炭素粉末の集合体あるいは炭素
繊維と炭素粉末の集合体であること、および、前記耐硫
黄腐食性の導電層がCo基合金、Ni基合金、Cr、F
e/Cr合金、ステンレス合金、Al/Si合金、Ti
またはMoから構成される金属層や炭素あるいはTiや
Moの炭化物や窒化物またはSiから構成される導電体
層、または、上記金属や上記導電体の粒子や繊維の一部
を前記Al板に埋め込んだ導電層であることが望まし
い。また、前記ナトリウム硫黄電池中の硫黄とナトリウ
ムとの原子数の比が2以上であることが望ましい。
【0009】また、本発明の第二のナトリウム硫黄電池
は、ナトリウムを収納した負極室を構成する負極容器
と、硫黄または/および多硫化ナトリウムを含浸した炭
素材からなる正極モールドを収納した正極室を構成する
正極容器と、前記負極室、正極室間を分離した固体電解
質板とを含むナトリウム硫黄電池であって、前記負極室
内の前記固体電解質板に沿って金属板を設けるととも
に、前記金属板の外周部に隣接して前記負極容器、ある
いは、前記負極室内に設けた遮蔽板を配置し、前記金属
板の熱膨張率が前記負極容器あるいは前記遮蔽板の熱膨
張率よりも大きいことを特徴としている。ここで、ナト
リウムを収納し、一部に小孔を設けたナトリウム容器
を、前記金属板とともに前記負極室内に設置すること、
あるいは、ナトリウムを収納し、一部に小孔を設けたナ
トリウム容器を前記負極室内に設置し、前記ナトリウム
容器の一部で前記金属板を兼ねることができる。また、
前記ナトリウム容器の外周部に隣接して前記負極容器、
あるいは、前記遮蔽板を配置し、前記ナトリウム容器の
熱膨張率が前記負極容器あるいは前記遮蔽板の熱膨張率
よりも大きいことが望ましい。さらに、前記金属板や前
記ナトリウム容器の構成材料がアルミニウムまたはアル
ミニウム合金であり、前記負極容器あるいは前記遮蔽板
の構成材料がステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金や鉄ま
たはアルミナなどのセラミックスや鉄/ニッケル、鉄/
ニッケル/コバルトなどの低熱膨張金属合金であるか、
あるいは、前記金属板や前記ナトリウム容器の構成材料
がステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金や鉄であり、前記
遮蔽板の構成材料がアルミナなどのセラミックスや鉄/
ニッケル、鉄/ニッケル/コバルトなどの低熱膨張金属
合金であることが好ましい。なお、前記固体電解質板や
固体電解質板と接続された絶縁部材の一部で前記遮蔽板
を兼ねることもできる。
【0010】また、本発明の電池集合体は、正極と負極
とが上下に分かれて存在するナトリウム硫黄電池を複数
個上下に積重ねて積層体を形成し、前記積層体を構成す
るナトリウム硫黄電池間を直列接続して、前記積層体を
金属製の収納容器へ収納した電池集合体であって、前記
積層体のうちの最下段電池の下側電極と前記収納容器と
を電気的に接続して、前記収納容器を介して前記電池集
合体間、あるいは、前記電池集合体と外部回路との間を
電気的に接続することを特徴としている。ここで、前記
積層体が複数列前記収納容器へ収納され、前記複数列の
最下段電池の各々の下側電極が共に前記収納容器と電気
的に接続されることが望ましい。さらに、前記ナトリウ
ム硫黄電池が本発明の第一のナトリウム硫黄電池または
本発明の第二のナトリウム硫黄電池であることが特に望
ましい。
【0011】また、本発明のモジュールは、ナトリウム
硫黄電池を複数個収納容器へ収納した電池集合体を1個
または複数個保温容器内に設置したモジュールにおい
て、前記電池集合体が上述の本発明の電池集合体である
ことを特徴としている。ここで、前記ナトリウム硫黄電
池が本発明の第一のナトリウム硫黄電池または本発明の
第二のナトリウム硫黄電池であることが特に望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第一のナトリウム硫黄電
池は、内部抵抗低減のためには、固体電解質板と集電体
との間に存在する正極モールドの抵抗を低減すること、
貫通部を設けた集電体の面方向の電気抵抗を低減するこ
と、硫黄や多硫化ナトリウムの正極室内での移動、特
に、集電体に設けた貫通部を通しての移動を活発に起こ
させることが必要であるとの知見に基づいている。具体
的には、正極室内の固体電解質板の表面に沿ってアルミ
ニウムを主体とする低抵抗の集電体を設け、固体電解質
板と集電体との間に存在する正極モールドの厚さを薄く
して、電池の内部抵抗を低減している。また、この正極
モールド内の炭素材の充填密度を比較的大きくして、正
極モールド内での電気化学反応の抵抗を低減している。
さらに、集電体を境に固体電解質板とは反対側の正極室
内に存在する正極モールド中の炭素材の充填密度を比較
的小さくして、そこに含まれる硫黄や多硫化ナトリウム
の対流や移動を容易にし、かつ、集電体に設けた貫通部
を通して硫黄や多硫化ナトリウムを集電体の内側と外側
の間で行き来させて、正極室内に含まれる全ての硫黄や
多硫化ナトリウムが電池反応に寄与できるように工夫し
ている。
【0013】なお、本発明の電池構成とは逆に、集電体
を境に固体電解質板とは反対側の正極室内に存在する正
極モールド中の炭素材の充填密度を高くすると、そこに
存在する硫黄や多硫化ナトリウムの対流が制限され、集
電体に設けた貫通部を通しての硫黄や多硫化ナトリウム
の移動が困難となって、電池の内部抵抗増加や容量低下
の問題を生じやすくなる。
【0014】また、上記硫黄や多硫化ナトリウムの対流
をできるだけ円滑に進めるために、集電体を境に固体電
解質板とは反対側の正極室内には炭素材を設けないこと
も可能である。なお、集電体を境に固体電解質板とは反
対側の正極室内の正極モールドに比較的低密度に炭素材
を充填した場合、この炭素材表面でも電気化学反応が進
行するために反応面積が広くなること、この炭素材を通
って正極容器に電流が流れて、正極容器を通じても集電
されることの理由で、炭素材を充填しない場合に比べ
て、電池の内部抵抗を小さくするのが容易である。な
お、炭素材としては、炭素繊維の集合体、炭素粉末の集
合体あるいは炭素繊維と炭素粉末の集合体を用いること
ができるが、抵抗低減の目的には炭素繊維の集合体、例
えば炭素繊維マットやボール状に丸めた短繊維の集合体
などを用いるのが最も好ましい。
【0015】正極モールド中の炭素材の充填密度として
は、固体電解質板と集電体との間では5〜25体積%の
範囲であることが望ましい。充填密度がこの範囲を超え
ると、炭素材間を通過する硫黄や多硫化ナトリウムの拡
散抵抗が増大し、正極室内の他の部分に存在する硫黄や
多硫化ナトリウムとの交換が困難になって、電池抵抗増
加や容量低下を招きやすい。また、充填密度がこの範囲
を下回ると、固体電解質板と集電体との間の正極モール
ドの抵抗が増加して、電池の内部抵抗低減が困難とな
る。
【0016】一方、集電体を境に固体電解質板とは反対
側の正極室内の正極モールド中の炭素材の充填密度は、
固体電解質板と集電体との間の正極モールド中の炭素材
の充填密度以下で、かつ、20体積%以下であることが
望ましい。これより充填密度が大きくなると炭素材が対
流を妨げて、電池抵抗が増加したり、正極室内の硫黄や
多硫化ナトリウムが部分的に電池反応に寄与しなくなっ
て容量が低下するという問題が発生しやすくなる。
【0017】また、本発明の集電体は面方向の電気抵抗
を低くすること、正極モールドを形成する炭素材との接
触抵抗を小さくすること、貫通部を通しての硫黄や多硫
化ナトリウムの移動を容易にすることが必要である。こ
のため、貫通部を設けたアルミニウム板の片面または両
面に耐硫黄腐食性の導電層を設けた集電体を用いて、貫
通部の面積を大きくし、集電体の厚さを小さくして集電
体の実効導電面積が減少しても、アルミニウム板によっ
て面方向の電気抵抗を低く保ち、かつ、耐硫黄腐食性の
導電層によって硫黄や多硫化ナトリウムによる絶縁性の
アルミニウム硫化物の生成を防止して、集電体と炭素材
との接触抵抗の低減を図っている。ここで、アルミニウ
ム板としては純アルミニウムやアルミニウムを主体とす
る合金を、耐硫黄腐食性の導電層としてはCo基合金、
Ni基合金、Cr、Fe/Cr合金、ステンレス合金、
Al/Si合金、TiまたはMoなどの金属層や炭素、
Ti、Moの炭化物や窒化物またはSiなどから構成さ
れる導電体層を用いることができる。これらの導電層は
メッキ、溶射やスパッタリングなどの方法でアルミニウ
ム板上に設けることもできるし、アルミニウム板表面に
金属や導電体の粒子や繊維の一部を押し込んだり、アル
ミニウム板とのクラッド材を用いることもできる。ここ
で、集電体としてAl板とSUS板とのクラッド材を用
いれば、電池の昇降温時に正極モールドによる応力で集
電体が変形するのを防止でき、電池の信頼性が向上す
る。また、耐硫黄腐食性導電層はアルミニウム板の両面
または片面に設けることが可能であるが、片面に設ける
場合、固体電解質板に対抗した面に設けて、固体電解質
板と集電体との間に充填した炭素材との接触抵抗を下げ
ることが必要である。
【0018】なお、集電体としては、その全体の厚さが
薄く、集電体を構成するアルミニウム板の厚さが適正値
以上であることが望ましい。具体的には、集電体の炭素
材に接した面に設けた貫通部の面積割合あるいは複数本
の集電体の間の空隙の面積割合が20〜80%の範囲に
あり、かつ、集電体の厚さが5mm以下、アルミニウム
板の厚さが0.3mm以上であることが望ましい。貫通
部の面積割合が80%を越えたり、アルミニウム板の厚
さが0.3mmを下回ると、集電体の電気抵抗が大きく
なって、電池抵抗低減が困難となる。一方、貫通部の面
積割合が20%を下回ったり、集電体の厚さが5mmを
越えたりすると、貫通部を通しての硫黄や多硫化ナトリ
ウムの移動が困難となり、電池抵抗増加や容量低下が問
題となる。
【0019】また、正極室を構成する正極容器にもアル
ミニウムやアルミニウム合金あるいはアルミニウム板と
のクラッド材を用いれば、集電体と正極容器とが簡単に
接続できて、電池の製造が容易になるとともに、正極の
抵抗が一層低減できるという利点がある。
【0020】本発明の第二のナトリウム硫黄電池は、固
体電解質板の破損を防止するために、負極室内の固体電
解質板に沿って金属板を設け、硫黄や多硫化ナトリウム
が相変化によって体積膨張した際に、固体電解質板の変
形を金属板で押え、固体電解質板に加わる引っ張りや曲
げ応力を低減している。また、電池の安全性を高めるた
めに、金属板の外周部に隣接して負極容器、あるいは、
負極室内に設けた遮蔽板を配置し、金属板の熱膨張率を
負極容器あるいは遮蔽板の熱膨張率よりも大きくして、
万一の電池故障によって電池温度が上昇した場合には、
金属板が熱膨張して負極容器あるいは遮蔽板に密着し、
固体電解質板へのナトリウムの供給が防止されるように
工夫している。この目的のためには、金属板の構成材料
をアルミニウムまたはアルミニウム合金などの高熱膨張
材料とし、負極容器あるいは遮蔽板の構成材料をこれよ
り熱膨張率の小さいステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金
や鉄あるいはアルミナなどのセラミックス材料や鉄/ニ
ッケル、鉄/ニッケル/コバルトなどの低熱膨張金属合
金にすれば良い。また、金属板の剛性を高めて、固体電
解質板の変形防止をより完全にするためには、金属板の
構成材料をステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金や鉄など
の高剛性材料とし、遮蔽板の構成材料をこれより熱膨張
率の小さい材料、例えばアルミナなどのセラミックス材
料や鉄/ニッケル、鉄/ニッケル/コバルトなどの低熱
膨張金属合金とすれば良い。
【0021】また、安全性をさらに高めるためには、ナ
トリウムを収納し、一部に小孔を設けたナトリウム容器
を前記金属板とともに負極室内に設置するか、あるい
は、このナトリウム容器の一部で前記金属板を兼ねても
良い。この構造においては、大部分のナトリウムはナト
リウム容器内に収納され、必要に応じて小孔を通して固
体電解質板へ供給されるため、万一の固体電解質板故障
の場合にも硫黄と直接反応するナトリウム量が制限さ
れ、電池の安全性が向上する。さらに、ナトリウム容器
の外周部に隣接して負極容器、あるいは、遮蔽板を配置
し、ナトリウム容器の熱膨張率を負極容器あるいは遮蔽
板の熱膨張率よりも大きくすることにより、上述の金属
板の場合と同様に、万一の電池故障によって電池温度が
上昇した場合には、ナトリウム容器が熱膨張して負極容
器あるいは遮蔽板に密着し、固体電解質板へのナトリウ
ムの供給が防止される。この結果、電池の大破が防止さ
れて、安全性が確保される。この目的のためには、ナト
リウム容器の構成材料をアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金などの高熱膨張材料とし、負極容器あるいは遮蔽
板の構成材料をこれより熱膨張率の小さいステンレス鋼
や炭素鋼などの鉄合金や鉄あるいはアルミナなどのセラ
ミックスや鉄/ニッケル、鉄/ニッケル/コバルトなど
の低熱膨張金属合金にすれば良い。また、ナトリウム容
器の構成材料をステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金や鉄
などの高剛性材料とし、遮蔽板の構成材料をこれより熱
膨張率の小さい材料、例えばアルミナなどのセラミック
ス材料や鉄/ニッケル、鉄/ニッケル/コバルトなどの
低熱膨張金属合金とすることもできる。
【0022】なお、上記遮蔽板として、固体電解質板の
一部やこれと接合されたアルファアルミナなどの絶縁部
材を用いることもできる。
【0023】また、上記熱膨張による金属板やナトリウ
ム容器と遮蔽板や負極容器との密着温度は500〜60
0℃の範囲であることが望ましく、この場合には電池動
作温度である400℃以下では金属板やナトリウム容器
と遮蔽板や負極容器との間にナトリウムが通過する隙間
が確保されて、充放電が円滑に行われる。また、電池温
度が650℃を越えると硫黄の蒸気圧が10気圧以上と
なって、固体電解質板の信頼性が損なわれる危険性があ
るため、電池の安全性、信頼性を高めるには、500〜
600℃でナトリウムの流出を止め、電池温度がそれ以
上に高くなるのを防止することが望ましい。
【0024】さらに、電池の抵抗を下げて電池効率を高
めるためには、負極容器を抵抗率の小さいアルミニウム
またはアルミニウム合金として、負極の抵抗を低減する
ことが望ましい。また、同時にナトリウム容器もアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金とすれば、負極容器と簡
単に接続でき、電池の製造が容易となる。また、この際
には、遮蔽板としてステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金
や鉄またはアルミナなどのセラミックスや鉄/ニッケ
ル、鉄/ニッケル/コバルトなどの低熱膨張金属合金を
用いて、ナトリウム容器の外周に隣接させるか、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金製の金属板の外周に隣接
させることにより、電池効率向上と安全性向上の両立が
可能となる。また、金属板としてステンレス鋼や炭素鋼
などの鉄合金や鉄を用い、遮蔽板としてアルミナなどの
セラミックス材料や鉄/ニッケル、鉄/ニッケル/コバ
ルトなどの低熱膨張金属合金を用いても良い。
【0025】一方、本発明の電池集合体においては、複
数個の正極と負極とが上下に分かれて存在するナトリウ
ム硫黄電池を上下に積層して直列接続した積層体を形成
し、この積層体を例えばアルミニウムや鉄、SUSまた
はこれらの金属のクラッド材などの金属性収納容器に収
納して、積層体の最下段電池の下側電極と収納容器とを
電気接続することにより電池集合体を形成し、複数個の
電池集合体同士の間、あるいは電池集合体と外部回路と
の間を収納容器を介して電気接続している。この結果、
電池集合体の上部に存在する収納容器上端部、および、
積層体の最上段電池の上部電極をブスバと連結する簡単
な構成で、複数個のナトリウム硫黄電池から成る電池集
合体の電気接続が容易に行える。なお、ここで、積層体
側面と収納容器側面との間に絶縁体を設けることによ
り、電気配線の信頼性が向上する。また、積層体を並列
接続する際には、積層体を複数列収納容器へ収納し、複
数列の積層体の最下段電池の各々の下側電極を共に収納
容器と電気接続すれば良く、このような構造の電池集合
体を用いることにより、簡単な構成で容易に電池の直並
列接続が可能となる。なお、この際にも収納容器側面と
積層体の側面との間、あるいは、必要に応じて複数列の
積層体の側面間に絶縁体を設けることにより、電気配線
の信頼性が向上する。
【0026】また、本発明の電池集合体においては、各
々のナトリウム硫黄電池が収納容器に収納されているた
めに、万一ナトリウム硫黄電池が破損して電池からナト
リウムや硫黄などの活物質が漏洩しても、活物質は収納
容器に遮られて、それ以上の拡散が防止されるため、電
池集合体の安全性が高いという利点もある。なお、電池
破損は主に正極容器や負極容器と絶縁部材との接合界面
で起こるため、収納容器の高さは、積層体の最上段電池
の前記接合界面の高さよりも高いことが安全上特に望ま
しい。さらに、電池集合体を形成するナトリウム硫黄電
池として本発明の第一または第二のナトリウム硫黄電池
を用いることにより、複数個の電池が容易に積層できる
とともに、積層体を構成する電池間に余分な空間が少な
いために、積層体および電池集合体の電池充填密度が高
まり、電池集合体がコンパクトにできるという利点があ
る。
【0027】さらに、このような構造の集合体を複数個
保温容器内へ収納し、収納容器を介して集合体間あるい
は集合体と外部回路とを電気接続する構造を持ったモジ
ュールを用いることにより、保温容器内の電気接続構造
の簡略化が可能である。なお、この際にも保温容器側面
と電池集合体を構成する収納容器の側面との間、あるい
は、必要に応じて複数個の収納容器の側面間に絶縁体を
設けることにより、電気配線の信頼性が向上する。ま
た、上述と同様に、収納容器によって電池破損時の活物
質の拡散が防止され、モジュールの安全性が向上する。
さらに、モジュールを構成するナトリウム硫黄電池とし
て本発明の第一または第二のナトリウム硫黄電池を用い
ることにより、複数個の電池の積層体が容易に形成で
き、また、積層された電池間に余分な空間が少ないため
に、モジュールの電池充填密度が高まり、モジュールの
エネルギー密度が向上できるという利点がある。
【0028】さらに、本発明の実施形態を図に沿って説
明する。
【0029】まず、図1に示す本発明の一実施例にかか
わるナトリウム硫黄電池について述べる。
【0030】図において、1はナトリウムイオン導電性
の固体電解質板で、普通、β型やβ”型のベータアルミ
ナ焼結体が用いられる。2、3は固体電解質板とともに
それぞれ負極室4、正極室5を構成する負極容器、正極
容器であり、AlやFe、SUS、または、これらの表
面にCrやMo、Tiなどを主体とする耐食層を設けた
ものが普通に用いられる。なお、負極容器は側面21、
蓋22とナトリウム注入口23とから、正極容器は側面
31と蓋32とから構成されており、電池内部抵抗低減
およびアルミニウムブスバとの接合の容易さの観点か
ら、アルミニウムやアルミニウム合金を主体とした材料
やアルミニウムとSUSなどのクラッド材で構成される
ことが望ましい。ここで、正極容器の蓋と負極容器の蓋
はナトリウム注入口部分を除くと平面形状を有してお
り、かつ、ナトリウム注入口部分に対応する部分の正極
容器の蓋は外径が小さくなっているために、電池同士を
積み重ねるのに好都合である。
【0031】また、6は負極容器と正極容器とを絶縁
し、かつ、これらと接合された絶縁部材である。この絶
縁部材にはαアルミナセラミックスが用いられ、負極容
器、正極容器との接合にはAlまたはAl合金を用いた
熱圧接法が用いられ、絶縁部材6と固体電解質板1とは
ガラス半田によって接続されるのが一般的である。な
お、この図では固体電解質板1の端部を厚くして、ガラ
ス接合部の信頼性を向上させている。さらに、7は負極
室に収納されたナトリウム、8、9はそれぞれ固体電解
質板1と隣接した金属板および金属板の端部に隣接した
遮蔽板である。ここで、負極室4に充填したArガスな
どの不活性ガスや窒素ガスの圧力あるいは重力によって
ナトリウム7は押され、金属板と遮蔽板との隙間を通っ
て、固体電解質板表面へ供給される。なお、金属板の構
成材料をアルミニウムまたはアルミニウム合金などの高
熱膨張材料とし、遮蔽板の構成材料をこれより熱膨張率
の小さいステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金や鉄または
アルミナなどのセラミックスや鉄/ニッケル、鉄/ニッ
ケル/コバルトなどの低熱膨張金属合金にしたり、金属
板をステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金や鉄などの高剛
性材料とし、遮蔽板をこれより熱膨張率の小さい材料、
例えばアルミナなどのセラミックス材料や鉄/ニッケ
ル、鉄/ニッケル/コバルトなどの低熱膨張金属合金と
することにより、電池破損や短絡による電池異常加熱の
際に金属板が熱膨張して遮蔽板と密着し、固体電解質板
へのナトリウム供給を防止して、電池の安全性を高める
ことが可能である。
【0032】さらに、10、11は正極室に収納された
正極活物質と導電部材からなる正極モールドである。な
お、正極活物質としては硫黄や多硫化ナトリウムが用い
られ、導電部材としては、図示されていないが、カーボ
ン繊維やカーボン粒子などの炭素材が一般に用いられて
いる。また、10中に含まれる炭素材の充填密度を5〜
25体積%とするとともに、11中の炭素材の充填密度
をこれより小さく、20体積%以下にすることにより、
正極モールド10の抵抗を低減するとともに、正極モー
ルド11中で正極活物質がスムーズに対流するよう配慮
している。また、12はナトリウム硫黄電池の充電を助
けるための多硫化ナトリウム保持層で、アルミナ粒子や
アルミナ繊維集合体などから構成され、正極モールド1
0と固体電解質板1の表面に密着して形成されている。
なお、放電時に生成する多硫化ナトリウムは比重が硫黄
よりも大きくて正極モールドの下部に溜る傾向にあるた
め、図に示したように、多硫化ナトリウム保持層を正極
モールドの下部まで延ばして設けることにより、充電時
の固体電解質板表面への多硫化ナトリウムの供給がスム
ーズに行え、電池の充電特性が向上する。さらに、50
は集電体で、Al板またはAl合金板51の表面に耐硫
黄腐食性の導電層52が設けられた構造を持ち、板面に
垂直に貫通部53が設けられており、この貫通部を通っ
て硫黄や多硫化ナトリウムが行き来することにより、正
極容器中の全ての活物質が電池反応に参加し、電池容量
が確保されるとともに、電池抵抗が低減される。なお、
集電体50は正極容器の側面31、蓋32と接続され、
正極容器とともに電気化学反応に伴う電子移動の役目を
果たしている。
【0033】図2に示す本発明の他の実施例にかかわる
ナトリウム硫黄電池について述べる。図1と同じ符号で
表したものは同じ内容を示している。
【0034】図2においては、正極容器は電池の上部に
設置され、正極容器の蓋32と集電体50との間の空間
14には炭素材は充填されておらず、この空間での硫黄
や多硫化ナトリウムの対流を容易にしている。また、負
極容器内には上蓋41、下蓋42および側面43から成
るナトリウム容器40が設けられており、ナトリウム7
は負極室4中のガスに押されて側面43に設けた小孔4
4を通して、固体電解質板1の表面へ供給される。この
構造では上蓋41が図1の金属板8の役目を、負極容器
の側面21が遮蔽板9の役目を果たしており、例えばナ
トリウム容器をアルミニウム製、負極容器側面をSUS
製にして、ナトリウム容器の熱膨張率を負極容器側面よ
りも大きくすることにより、電池の異常加熱時にナトリ
ウム容器と負極容器側面とを密着させて、安全性を向上
させることが可能である。さらに、この構造では正極容
器の蓋32、負極容器の蓋22共に平面構造を有してお
り、電池同士を高密度に積み重ねるのに有利な構造とな
っている。
【0035】図3に示す本発明の他の実施例にかかわる
ナトリウム硫黄電池について述べる。
【0036】図1と同じ符号で表したものは同じ内容を
示している。
【0037】図3においては、多硫化ナトリウム保持層
12を延長し、その端部13を正極モールド11内に設
置して、充放電特性の改善を図っている。ここで、多流
化ナトリウム保持層12とともに正極モールド10の端
部を正極モールド11内に設置することができる。
【0038】また、この図ではナトリウム容器40の一
部が負極容器2と一体化され、ナトリウム容器の下蓋4
2が図1の金属板8の役目を果たすとともに、ベータア
ルミナ焼結体から成る固体電解質板1およびαアルミナ
セラミックス等から成る絶縁部材6の一部が図1の遮蔽
板9の役目を果たし、電池の異常加熱時にナトリウム容
器の下蓋が熱膨張して固体電解質板の内面や絶縁部材の
内面と密着して安全性を向上させている。なお、ナトリ
ウム容器の側面43と絶縁部材6との間に図1と同様に
低熱膨張材から成る遮蔽板を設けることも可能である。
また、この構造では、負極容器、ナトリウム容器共にア
ルミニウム系材料を用いることができ、負極の抵抗低減
が特に有効に行える。ここで、33は正極容器3の蓋3
2の表面に設けた耐硫黄腐食性の導電層であり、この層
と正極モールド11とを接触させて、電子のやりとりを
行うことにより、正極モールド11も電池反応に寄与
し、結果として電池の内部抵抗が一層低減されるという
利点を有する。
【0039】図4に示す集電体について説明する。この
集電体は前述した実施例のナトリウム硫黄電池に用いら
れる。
【0040】図4の(ロ)は集電体の平面図、図4の
(イ)は(ロ)のA−A’断面図である。図4の(ハ)
は集電体の側面をぐるりと展開した図である。この集電
体は図示されているように円筒型を有し、貫通部として
円形の貫通孔を備えている。図1と同じ符号で示したも
のは同じ内容を表している。
【0041】さて、図4では、集電体にはAl板または
Al合金板51の両面にステライトやCr/Fe合金な
どの溶射層より成る耐硫黄腐食性の導電層52が設けら
れた複合材が用いられている。また、図示したように、
Rは集電体の円筒の半径、Hは高さ、rは貫通孔の半
径、dは集電体の厚さ、tはAl板の厚さである。この
構造において貫通部の面積割合(%)は、貫通孔の数を
Nとして、100πr2N/(πR2+2πRH)とな
る。
【0042】図5に示す他の実施例の集電体について説
明する。この集電体も前述した実施例のナトリウム硫黄
電池に用いられる。
【0043】図5の(イ)は集電体の平面図、図5の
(ロ)は(イ)のA−A’断面図である。図5の(ハ)
は(イ)のB−B’断面図である。この集電体はスリッ
ト状の空隙で分離された複数本の集電体から成る集電体
集合体である。図1と同じ符号で示したものは同じ内容
を表している。
【0044】図5に示すところの集電体にはAl合金5
1と高クロムSUS52とのクラッド材が用いられてい
る。また、スリット状に形成された空隙54の幅をW、
空隙の数をN、集電体集合体の幅をL、高さをHとする
と、空隙の面積割合(%)は100NW(L+2H)/
L(L+4H)となる。
【0045】ここで、集電体の厚さdは5mm以下、A
l板の厚さtは0.3mm以上、貫通部である貫通孔ま
たは空隙の面積割合は20〜80%の範囲であることが
望ましく、この場合に集電体の電気抵抗を適切な値に保
ちながら、貫通部を通しての硫黄や多硫化ナトリウムの
移動を促進することができ、電池容量を確保するととも
に、内部抵抗の小さい、優れた特性のナトリウム硫黄電
池が得られる。なお、図5の構造は図4の構造に比べ
て、正極活物質が通過する面積、すなわち貫通部の面積
と空隙の面積が同じであっても、集電体の高さ方向の抵
抗が小さくなり、電池抵抗低減に有利である。なお、図
4に示す構造でも、貫通部を円形ではなくて楕円形や長
方形にすることにより、同様な効果を得ることができ
る。
【0046】図6に示す電池集合体について説明する。
【0047】図6は本発明のナトリウム硫黄電池を用い
た電池集合体の構造を示しており、100はナトリウム
硫黄電池で、この図では図2に示した構造のナトリウム
硫黄電池が用いられているが、正極と負極とが上下に分
かれた構造であれば、他の構造の電池でも使用可能であ
る。このナトリウム硫黄電池は複数個積層され、アルミ
ニウムやアルミニウム合金製の収納容器101内へ収納
されるとともに、電池積層体の最下部が収納容器と電気
接続されている。このような構造で、収納容器によって
電池破損時の活物質の拡散を防ぐとともに、収納容器を
介して他の電池集合体との間や外部回路との間を電気接
続することにより、電気配線の構造が簡略化される。な
お、この図ではナトリウム硫黄電池間およびナトリウム
硫黄電池と収納容器間は溶接部105で接続されている
が、場合によってはネジ止めしたり、上からバネで押え
ることも可能である。ここで、図1〜3に示した本発明
のナトリウム硫黄電池を用いれば、正極容器、負極容器
の蓋が平面形状のために電池間の積層が高密度に、か
つ、容易に行えること、正極容器、負極容器の蓋の外周
部を用いて、電池間の電気接続が容易に行えることの利
点があり、コンパクトな構造の電池集合体が容易に得ら
れる。なお、このような電池集合体の電池充填密度を高
めるためには、電池を構成する正極容器や負極容器の側
部を直方体形状にすることが望ましく、こうすることに
よって、電池積層体間の間隔低減や電池積層体と収納容
器との間隔低減が可能となる。図1〜3に示した本発明
のナトリウム硫黄電池においては、正極モールドの集電
が主に集電体50で行われるため、集電体の形状を固体
電解質板1の形状に合わせれば、正極容器3や負極容器
2の構造にかかわらず電池抵抗を低減できるため、正極
活物質量やナトリウム量に応じて正極容器の側面31や
負極容器の側面21を直方体形状とし、正極容器の蓋3
2や負極容器の蓋22を四角形状にすることが可能であ
る。また、場合によっては、固体電解質板や絶縁部材も
四角形状にすることが可能である。
【0048】また、102はブスバなどの電気接続線
で、図のように収納容器の上端部および電池積層体の最
上部と接続されており、これによって、他の電池集合体
との間や外部回路との間の電気接続が行われる。なお、
104はマイカ板などから成る絶縁体であるが、この代
わりに乾燥砂を充填して絶縁体として利用したり、絶縁
体の設置を止めて、電池積層体と収納容器との間を空気
絶縁することも可能である。
【0049】図7に示す電池集合体を用いたモジュール
について説明する。
【0050】図7は本発明のナトリウム硫黄電池から成
る電池集合体を用いたモジュールの構造例を示してお
り、図6と同じ符号で示されたものは同じ内容を表して
いる。ここで、106は真空断熱容器などの保温容器、
107は収納容器101や電気接続線102と保温容器
とを絶縁する絶縁板、108は電池間に充填した乾燥
砂、109は保温容器に設けたヒータ、110は複数列
の電池積層体間を並列接続するための導電板である。な
お、この導電板を収納容器の蓋として用いることもでき
る。このように、本発明の電池集合体を用いることによ
り、モジュール内の電気配線を簡略化し、かつ、モジュ
ールをコンパクトにすることができる。なお、図7のよ
うに複数個の電池積層体を隣接して配置する場合、電池
の正極容器や負極容器の側部を直方体形状にすることに
より、隣接する電池積層体間の隙間が低減でき、モジュ
ール内の電池充填密度が向上する。この効果は収納容器
についても同様であり、電池の側部形状に合わせて収納
容器の側部を直方体形状にすることにより、電池積層体
と収納容器との隙間や収納容器間の隙間が低減でき、結
果として、モジュールのエネルギー密度の向上が可能と
なる。
【0051】ナトリウム硫黄電池の具体例として、図1
に示すように、固体電解質板1としてリチュウムドープ
のβ”アルミナ焼結体からなる直径約400mm、肉厚
約1.5mmの円板の外周に接合部を設けたものを用い、
アルファアルミナ焼結体から成る絶縁部材6とガラス接
合した。一方、負極容器2、正極容器3にはアルミニウ
ム合金を用い、絶縁部材6と熱圧接した。また、金属板
8の材料にはアルミニウムを、遮蔽板9にはSUS30
4などの汎用SUS材を用い、ナトリウム7とともに負
極室4内に収納した。さらに、集電体50としては直径
約395mm、高さ約15mmの円筒状の板に直径約5
mmの貫通孔を多数設けたものを用い、構成材料として
はAl板の内外表面にステライト層を溶射したものを用
いて、集電体のAl部の端を正極容器の蓋32と接続し
た。
【0052】また、正極室5内の固体電解質板1と集電
体50の間には厚さ約2mmに体積密度5〜25%の炭
素繊維マットを、集電体50と正極容器の蓋32の間に
は体積密度20%以下の炭素繊維マットを充填し、硫黄
を充填して、正極モールドを形成した。なお、正極モー
ルド10と固体電解質板1との間にはアルミナ繊維の集
合体から成る厚さ約0.3mmの多硫化ナトリウム保持
層12を設け、この多硫化ナトリウム保持層は正極室5
の下部まで延長させた。また、一部試料では集電体50
と正極容器の蓋32の間に炭素繊維マットを設けない電
池、および、比較のために集電体50をSUS板または
Al板単独で形成したり、集電体を設けず、正極室5内
に体積密度5〜25%の炭素繊維を充填し、硫黄を含浸
した電池を作成した。
【0053】得られたナトリウム硫黄電池を図6に示し
たと同様の構造のアルミニウム製の収納容器に収納し、
これを図7に示したように保温容器へ入れて、モジュー
ルを完成した。電池の温度を330℃とした時の、電池
一本当りの内部抵抗と炭素繊維密度、集電体に設けた貫
通孔の面積割合、集電体およびアルミニウム板の厚さと
の関係を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】この表に見られるように、正極室内に集電
体を設け、かつ、炭素繊維密度を適切に選ぶこと、集電
体としてAl表面に耐食性の金属層を設けた複合材を用
いること、集電体やAl板の厚さを適切に選ぶことによ
り、ナトリウム硫黄電池の内部抵抗が低減される。ま
た、得られたナトリウム硫黄電池の安全性は高く、か
つ、簡単な構造で電池を直列または直並列に接続した電
池集合体やモジュールが実現される。
【0056】さらに、上述したナトリウム硫黄電池は、
ここに含まれる硫黄とナトリウムとの原子数の比が2以
上であることが望ましい。ナトリウム硫黄電池では正極
室内で電池反応に関与する硫黄とナトリウムとの原子比
が2.5以上の範囲内では、正極室内の活物質は硫黄、
Na2S5またはこれらの混合物で構成され、電池の起
電力は活物質の組成によらず一定である。またこれより
放電が進んで正極室内のナトリウム原子数が増える(硫
黄とナトリウムとの原子比が低下する)につれて、正極
活物質の組成はNa2S4,Na2S3と変化し、これ
につれて起電力が低下する。電池効率は電池の起電力と
内部抵抗によるオームロスによって決まるため、硫黄と
ナトリウムとの原子比が低下するにつれて、電池効率が
低下する。また放電が進んで正極活物質の組成がNa2
S4やNa2S3に変化するにつれて、正極活物質によ
る正極容器の腐食が進み易くなり、電池の寿命が短くな
る。このため、正極室内で電池反応に関与する硫黄とナ
トリウムとの原子比が2.5以上の範囲で電池を運転す
ることが望ましい。ここで、正極室内の硫黄は正極容器
の腐食の問題がなければ、普通、全ての硫黄が電池反応
に関与する。一方、負極室内のナトリウムを放電時に全
て正極室内に移動させると、電池抵抗が大幅に上昇し
て、その後の充電が極めて困難になるため、一般に負極
室内に含まれるナトリウムの約80%を放電に使用し、
残りの20%は負極室内に残し、電池抵抗の増加を防止
している。これらの結果、ナトリウム硫黄電池中に含ま
れる硫黄とナトリウムとの原子比を2以上とし、ナトリ
ウムの内の約80%を放電時に正極へ送って、正極室内
で電池反応に関与する硫黄とナトリウムとの原子比を
2.5以上の範囲で運転することにより、ナトリウム硫
黄電池の効率向上と長寿命化が達成される。なお、電池
を長時間運転すると正極活物質によって正極容器が少し
づつ腐食され、それによって正極質内の硫黄の一部が電
池反応に関与しなくなる。電池を30年以上利用する
と、普通正極室内の硫黄の約20%が腐食に使われて電
池反応に関与しなくなるため、それを考慮して30年後
にも正極室内で電池反応に関与する硫黄とナトリウムと
の原子比を高く保ためには、初期における電池内の硫黄
とナトリウムとの原子比を2.5以上とすることが望ま
しい。
【0057】ところで、このように硫黄とナトリウムと
の原子比を大きくして、かつ、電池容量を所定の値に保
つには、負極室内に収納されるナトリウムの量は変えず
に、正極室の容量を大きくする必要がある。この場合、
本発明の第一のナトリウム硫黄電池のように正極室内に
集電体を設ける構造では、固体電解質と集電体との間隔
を適当に保てば、電池抵抗に関係なく正極室内の容積を
大きくすることができるため、硫黄の収容量を増加させ
ることが簡単に実現でき、硫黄とナトリウムとの原子数
比を高めて電池効率の向上や長寿命化が容易に達成でき
る。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、直列接続が容易で、内
部抵抗低減と安全性に優れたナトリウム硫黄電池、およ
び、電池集合体間や外部回路との間の電気接続が簡単に
行える電池集合体やこれを用いたモジュールが得られ、
これらを用いて電力系統のピークシフトや電気自動車な
どの目的に適した電力貯蔵装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるもので、ナトリウム
硫黄電池の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施例にかかるもので、ナトリウ
ム硫黄電池の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例にかかるもので、ナトリウ
ム硫黄電池の構造を示す断面図である。
【図4】本発明の図1から図2に示す実施例に用いられ
る集電体の構造を示す図である。
【図5】本発明に用いられる集電体の他の実施例を示す
図である。
【図6】図2に示すナトリウム硫黄電池を集合した電池
集合体の構造を示す図である。
【図7】図1から図3に示すナトリウム硫黄電池をモジ
ュール化した電池モジュールの構造を示す図である。
【符号の説明】
1…固体電解質板、2…負極容器、3…正極容器、4…
負極室、5…正極室、7…ナトリウム、8…金属板、9
…遮蔽板、10、11…正極モールド、50…集電体、
51…アルミニウム板、52…耐硫黄腐食性の導電層、
53…貫通部、54…空隙、40…ナトリウム容器、4
4…小孔、100…ナトリウム硫黄電池、101…収納
容器、106…保温容器。
フロントページの続き (72)発明者 波東 久光 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 Fターム(参考) 5H029 AJ06 AJ12 AK05 AL13 AM15 BJ02 BJ03 BJ23 DJ02 DJ07 DJ08 DJ12 EJ01 HJ04 HJ07 HJ08

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナトリウムを収納した負極室と、硫黄ま
    たは/および多硫化ナトリウムを含浸した炭素材を有す
    る正極モールドを収納した正極室と、前記負極室、正極
    室間を分離した固体電解質板とを含むナトリウム硫黄電
    池であって、前記正極室内の前記固体電解質板表面に沿
    って、アルミニウム板の片面あるいは両面に耐硫黄腐食
    性の導電層が存在する集電体を設けたことを特徴とする
    ナトリウム硫黄電池。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記固体電解質板と
    前記集電体との間に存在する前記正極モールド中の前記
    炭素材の充填密度が、前記集電体を境に前記固体電解質
    板とは反対側の正極室内に存在する前記正極モールド中
    の前記炭素材の充填密度よりも大きいことを特徴とする
    ナトリウム硫黄電池。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記固体電解質板と
    前記集電体との間に存在する前記正極モールド中の前記
    炭素材の充填密度が5〜25体積%の範囲にあり、前記
    集電体を境に前記固体電解質板とは反対側の正極室内に
    存在する前記正極モールド中の前記炭素材の充填密度が
    20体積%以下であることを特徴とするナトリウム硫黄
    電池。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記固体電解質板と
    前記集電体との間に前記正極モールドを構成する炭素材
    が存在し、前記集電体を境に前記固体電解質板とは反対
    側の正極室内には前記炭素材が存在しないことを特徴と
    するナトリウム硫黄電池。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記固体電解質板と
    前記集電体との間に存在する前記正極モールド中の炭素
    材の充填密度が5〜25体積%の範囲にあることを特徴
    とするナトリウム硫黄電池。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかにおいて、前
    記集電体の前記正極モールドに接した面に貫通部を設
    け、前記貫通部の面積割合が20〜80%の範囲にあ
    り、かつ、前記集電体の厚さが5mm以下、前記アルミ
    ニウム板の厚さが0.3mm以上であることを特徴とす
    るナトリウム硫黄電池。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のいずれかにおいて、前
    記集電体が複数本設けられ、前記複数本の集電体の間の
    空隙の面積割合が20〜80%の範囲にあり、かつ、前
    記集電体の厚さが5mm以下、前記アルミニウム板の厚
    さが0.3mm以上であることを特徴とするナトリウム
    硫黄電池。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記耐硫黄腐食性の
    導電層がCo基合金、Ni基合金、Cr、Fe/Cr合
    金、ステンレス合金、Al/Si合金、TiまたはMo
    を有する金属層や炭素あるいはCrやTiの炭化物や窒
    化物またはSiを有する導電体層、または、上記金属や
    上記導電体の粒子や繊維の一部を前記Al板に埋め込ん
    だ導電層であることを特徴とするナトリウム硫黄電池。
  9. 【請求項9】 請求項1において、前記炭素材が炭素繊
    維の集合体、炭素粉末の集合体あるいは炭素繊維と炭素
    粉末との集合体であることを特徴とするナトリウム硫黄
    電池。
  10. 【請求項10】 ナトリウムを収納した負極室を構成す
    る負極容器と、硫黄または/および多硫化ナトリウムを
    含浸した炭素材を有する正極モールドを収納した正極室
    を構成する正極容器と、前記負極室、正極室間を分離し
    た固体電解質板とを含むナトリウム硫黄電池であって、
    前記負極室内の前記固体電解質板に沿って金属板を設け
    るとともに、前記金属板の外周部に隣接して前記負極容
    器、あるいは、前記負極室内に設けた遮蔽板を配置し、
    前記金属板の熱膨張率が前記負極容器あるいは前記遮蔽
    板の熱膨張率よりも大きいことを特徴とするナトリウム
    硫黄電池。
  11. 【請求項11】 請求項10において、ナトリウムを収
    納し、一部に小孔を設けたナトリウム容器を、前記金属
    板とともに前記負極室内に設置することを特徴とするナ
    トリウム硫黄電池。
  12. 【請求項12】 請求項10において、ナトリウムを収
    納し、一部に小孔を設けたナトリウム容器を前記負極室
    内に設置し、前記ナトリウム容器の一部が前記金属板を
    兼ねることを特徴とするナトリウム硫黄電池。
  13. 【請求項13】 請求項11または12において、前記
    ナトリウム容器の外周部に隣接して前記負極容器、ある
    いは、前記遮蔽板を配置し、前記ナトリウム容器の熱膨
    張率が前記負極容器あるいは前記遮蔽板の熱膨張率より
    も大きいことを特徴とするナトリウム硫黄電池。
  14. 【請求項14】 請求項10において、前記金属板の構
    成材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、
    前記負極容器あるいは前記遮蔽板の構成材料がステンレ
    ス鋼や炭素鋼などの鉄合金や鉄またはアルミナなどのセ
    ラミックスや鉄/ニッケル、鉄/ニッケル/コバルトな
    どの低熱膨張金属合金であるか、あるいは、前記金属板
    の構成材料がステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金や鉄で
    あり、前記遮蔽板の構成材料がアルミナなどのセラミッ
    クスや鉄/ニッケル、鉄/ニッケル/コバルトなどの低
    熱膨張金属合金であることを特徴とするナトリウム硫黄
    電池。
  15. 【請求項15】 請求項13において、前記ナトリウム
    容器の構成材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金
    であり、前記負極容器あるいは前記遮蔽板の構成材料が
    ステンレス鋼や炭素鋼などの鉄合金や鉄またはアルミナ
    などのセラミックスや鉄/ニッケル、鉄/ニッケル/コ
    バルトなどの低熱膨張金属合金であるか、あるいは、前
    記ナトリウム容器の構成材料がステンレス鋼や炭素鋼な
    どの鉄合金や鉄であり、前記遮蔽板の構成材料がアルミ
    ナなどのセラミックスや鉄/ニッケル、鉄/ニッケル/
    コバルトなどの低熱膨張金属合金であることを特徴とす
    るナトリウム硫黄電池。
  16. 【請求項16】 正極と負極とが上下に分かれて存在す
    るナトリウム硫黄電池を複数個上下に積重ねて積層体を
    形成し、前記積層体を構成するナトリウム硫黄電池間を
    直列接続して、前記積層体を金属製の収納容器へ収納し
    た電池集合体であって、前記積層体のうちの最下段電池
    の下側電極と前記収納容器とを電気的に接続して、前記
    収納容器を介して前記電池集合体間、あるいは、前記電
    池集合体と外部回路との間を電気的に接続することを特
    徴とする電池集合体。
  17. 【請求項17】 請求項16において、前記積層体が複
    数列前記収納容器へ収納され、前記複数列の最下段電池
    の各々の下側電極が共に前記収納容器と電気的に接続さ
    れることを特徴とする電池集合体。
  18. 【請求項18】 請求項16または17において、前記
    ナトリウム硫黄電池が請求項1または10に記載された
    ナトリウム硫黄電池であることを特徴とする電池集合
    体。
  19. 【請求項19】 ナトリウム硫黄電池を複数個収納容器
    へ収納した電池集合体を1個または複数個保温容器内に
    設置したモジュールにおいて、前記電池集合体が特許請
    求の範囲16、17または18に記載された電池集合体
    であることを特徴とするモジュール。
  20. 【請求項20】 請求項1において、前記ナトリウムと
    前記硫黄との原子数の比が2以上であることを特徴とす
    るナトリウム硫黄電池。
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