JP2001242382A - 微分干渉光学系 - Google Patents

微分干渉光学系

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JP2001242382A JP2000371496A JP2000371496A JP2001242382A JP 2001242382 A JP2001242382 A JP 2001242382A JP 2000371496 A JP2000371496 A JP 2000371496A JP 2000371496 A JP2000371496 A JP 2000371496A JP 2001242382 A JP2001242382 A JP 2001242382A
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linearly polarized
prism
differential interference
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JP2000371496A
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Kenichi Kusaka
健一 日下
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Olympus Optical Co Ltd
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    • G02B21/14Condensers affording illumination for phase-contrast observation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない種類のウォラストンプリズムまたはノ
マルスキープリズムを用いて異なった後側焦点位置の各
種対物レンズに対応可能であり、これらのプリズムから
干渉縞の局在位置までの距離が可変な微分干渉光学系を
提供する。 【解決手段】 照明光源1と、照明光源1からの光線を
直線偏光に変換する偏光子2と、その直線偏光を振動方
向が互いに直交する2つの直線偏光に分離するウォラス
トンプリズム3と、被観察物体5を照明し観察するレン
ズ系4,11と、該レンズ系通過後の前記2つの直線偏
光を合成するノマルスキープリズム12と、合成された
光線を直線偏光にする検光子8を備えている。ノマルス
キープリズム12には、分離された2つの前記2つの直
線偏光が交差する干渉縞の局在位置があり、その局在位
置までの距離が変えられ得るように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物組織などの透
明な試料や半導体などの観察に用いられる光学顕微鏡
や、試料表面の形状の測定に用いられる各種測定機に使
用される微分干渉光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19は、透過型微分干渉光学系を示し
ている。この微分干渉光学系では、照明光源1からの光
線は偏光子2により直線偏光に変換され、ウォラストン
プリズム3により振動方向が直交する2つの直線偏光に
分離される。この2つの直線偏光は僅かな分離角をもっ
て進行し、コンデンサレンズ4の集光作用により、互い
に僅かに離れた平行光線となって被観察物体5に入射す
る。そして、この2つの直線偏光は被観察物体5を通過
した後、対物レンズ6の集光作用によりウォラストンプ
リズム7上に集光し、ウォラストンプリズム7の複屈折
性により同一光路上に合成される。同一光路上に合成さ
れた2つの直線偏光は、検光子8を通過することにより
干渉し、被観察物体5の位相差を干渉色のコントラスト
として観察することを可能とする。
【0003】図20は、従来の反射型微分干渉光学系を
示している。この微分干渉光学系では、照明光源1から
の光線は偏光子2により直線偏光に変換され、ハーフミ
ラー9により光路を被観察物体5の方向に曲げられてウ
ォラストンプリズム3に入射する。直線偏光はこのウォ
ラストンプリズム3で振動方向が互いに直交する2つの
直線偏光に分離され、対物レンズ6の集光作用により互
いに僅かに離れた平行光線となり、被観察物体5に入射
する。被観察物体5から反射された2つの直線偏光は再
び対物レンズ6により集光され、ウォラストンプリズム
3で同一光路に合成され、ハーフミラー9を通り検光子
8で干渉する。
【0004】図21に示すように、ウォラストンプリズ
ムは二枚の複屈折結晶からなる楔状のプリズムの接合体
からなり、接合面はプリズム表面に対して角度αだけ傾
いている。また、この2つの楔状プリズムの光学軸は微
分干渉光学系の光軸Zに対して垂直であり、互いの光学
軸は直交している。そして、ウォラストンプリズムは接
合面において入射する光線を振動方向が互いに直交し僅
かな分離角をもつ2つの直線偏光に分離する。また、ウ
ォラストンプリズムは光線の入射する面を逆にすると、
振動方向が互いに直交し僅かな分離角をもつ2つの直線
偏光を同一光路上に合成することができる。図19の透
過型微分干渉光学系においては、ウォラストンプリズム
3はコンデンサレンズ4の前側焦点位置におかれること
により、ウォラストンプリズム3により分離された2つ
の直線偏光は平行光線となって被観察物体5に入射す
る。また、ウォラストンプリズム7は対物レンズ6の後
側焦点位置に配置され、被観察物体5から平行に射出さ
れる2つの直線偏光を同一光路上に合成する。
【0005】以上は照明レンズ4と対物レンズ6の各焦
点位置がレンズ外にある場合であるが、対物レンズは複
数のレンズにより構成され、後側焦点位置がレンズ内に
ある場合が多い。この場合はウォラストンプリズムをレ
ンズの焦点位置に配置することができないため、図22
のようなノマルスキープリズムを用いる。ノマルスキー
プリズムはウォラストンプリズムと同様に二枚の複屈折
結晶からなる楔状プリズムを接合したものであるが、一
方のプリズムの光学軸がプリズム表面から角度βだけ傾
いていることが特徴である。ノマルスキープリズムは分
離する2つの光線の交差点Aをプリズムの外に配置する
ことができる。交差点Aはノマルスキープリズムによる
干渉縞が最も鮮明に見える点であり、干渉縞の局在位置
と呼ばれる。微分干渉光学系においてノマルスキープリ
ズムは干渉縞の局在位置が対物レンズの後側焦点位置と
一致するような位置に配置されることが多い。
【0006】微分干渉光学系がよく使用されている光学
顕微鏡においては、複数の対物レンズを切り替えて観察
することが一般的である。異なった倍率の対物レンズを
切り替えて使用する場合、対物レンズの焦点距離や後側
焦点位置が異なるため、対物レンズ側またはコンデンサ
側に別のノマルスキープリズムを用意する必要がある。
加えて、同じ倍率の対物レンズでも後側焦点位置の異な
った対物レンズを使用する場合は別のノマルスキープリ
ズムを用意する必要がある。このため光学顕微鏡の微分
干渉システムではノマルスキープリズムまたはウォラス
トンプリズムの種類が非常に多くなる。
【0007】後側焦点位置の異なった対物レンズを使用
する場合を図23の透過型微分干渉光学系により説明す
る。図23(a)は図19と同様な配置の透過型微分干
渉光学系であり、図19と実質上同一の光学部材には同
一符号が付されている。図中、10,11は後側焦点位
置FBが互いに異なる2種類の対物レンズ、12はノマ
ルスキープリズムで、対物レンズ10が使用されている
場合の2つの直線偏光の光路を示している。図23
(b)は、対物レンズ10と同じ倍率で後側焦点位置F
Bが異なる対物レンズ11に切り替えた場合の2つの直
線偏光の光路を示している。後側焦点位置FBの異なる
対物レンズを使用すると、ウォラストンプリズム3で分
離した2つの直線偏光がノマルスキープリズム12を通
過した後に同一光路上に合成されず、微分干渉効果が得
られない。
【0008】対物レンズ11の使用時にノマルスキープ
リズム12を通過した後の2つの直線偏光を同一光路上
に合成する方法としては従来2つの方法が取られてお
り、その一つはノマルスキープリズム12の代わりに、
干渉縞の局在位置が対物レンズ11の後側焦点位置に一
致する新たなノマルスキープリズムを用意する方法であ
る。もう一つは、ウォラストンプリズム3の代わりに、
対物レンズ11の使用時に分離した2つの直線偏光がノ
マルスキープリズム12を通過した後に同一光路上に合
成される新たなノマルスキープリズムを用意する方法で
ある。何れの方法も後側焦点位置の異なっている対物レ
ンズ使用時は新たなノマルスキープリズムが必要とな
る。
【0009】ウォラストンプリズムとノマルスキープリ
ズムは、実用上、厚さ1mm,長さ20mm程度で厚さ
3mm程度の枠に入れた状態で使用されるが、加工の難
しい水晶などの複屈折結晶を高精度に加工する必要があ
るため高価であり、対物レンズの後側焦点位置の違いに
よるノマルスキープリズムの種類の多さは微分干渉シス
テムの価格を高くする要因となっている。
【0010】ノマルスキープリズムの種類を減らすため
には、対物レンズの後側焦点位置を一致させるレンズ設
計を行えば良いが、総ての対物レンズの後側焦点位置を
統一することは困難である。例えば、顕微鏡の対物レン
ズは色収差の補正状態によりアクロマート、セミアポク
ロマート、アポクロマートの種類があり、用途も蛍光観
察用や超作動距離のものや補正環を備えたものなど多数
の種類があり、それぞれの用途で適したレンズタイプが
異なっている。レンズタイプが異なると後側焦点位置も
変化するため、多様な用途の対物レンズの後側焦点位置
を統一するのはレンズ設計的に困難である。
【0011】このように、後側焦点位置が異なっている
複数の対物レンズを使用する微分干渉光学系において
は、プリズムの種類の増加により微分干渉システムの価
格が高くなると云う問題点があった。従来、この問題点
の解決方法の一つとして、実用新案登録第259386
5号記載の微分干渉顕微鏡が提案されており、図25は
その構成を示している。即ち、被観察物体5からの振動
方向の直交する2つの直線偏光は、対物レンズ10の後
側焦点位置で交差しノマルスキープリズム12により同
一光路上に合成される。後側焦点位置の異なる対物レン
ズ11に対しては、ノマルスキープリズム12の位置を
上下に動かして、ノマルスキープリズムの干渉縞の局在
位置を対物レンズの後側焦点位置に合わせるようにす
る。この方法は一つのノマルスキープリズムで異なった
後側焦点位置の対物レンズに対応させることができ、必
要なノマルスキープリズムの種類を減らすことができ
る。
【0012】また、コンデンサレンズに配置されるウォ
ラストンプリズムの共通化の方法として、特表平8−5
09078号記載の微分干渉顕微鏡がある。この微分干
渉顕微鏡は、交換可能なコンデンサレンズと、コンデン
サレンズに配属せしめられた回転ディスク上に配置され
た各種のウォラストンプリズムと、倍率及び焦点距離の
異なる複数の対物レンズを有する構成となっている。こ
こで、交換可能なコンデンサレンズは、複数の対物レン
ズと同一の焦点距離式の関係にあり、コンデンサレンズ
を交換してもウォラストンプリズムは共通化できるとい
うものである。また、上記の問題点を解決するものとし
て、特開平11−218679号公報に記載された如き
方式ものも提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記実用新
案登録第2593865号記載の微分干渉顕微鏡は、対
物レンズの後側焦点位置の変化分だけノマルスキープリ
ズムを上下させるため、上下動機構に大きなスペースを
必要とする。通常、光学顕微鏡の対物レンズ側ノマルス
キープリズムは、レボルバー内に配置されることが多
い。レボルバー内の限られたスペースでは、ノマルスキ
ープリズムの上下動機構で対応できる対物レンズの後側
焦点位置の変化は4〜7mm程度であるため、対物レンズ
の後側焦点位置総てに対応させることはできず、削減で
きるノマルスキープリズムの種類は限られる。また、こ
の方法は、ノマルスキープリズム自体を動かして干渉縞
の局在位置を変える方法であり、ノマルスキープリズム
から干渉縞の局在位置までの距離を変化させるものでは
ない。
【0014】また、上記特表平8−509078号記載
の微分干渉顕微鏡は、交換可能なコンデンサレンズの焦
点距離に制限があるため、製品への適用が困難である。
対物レンズの倍率は10X、20X、40Xの組み合わ
せがあり、これらの倍率では焦点距離が1/2倍で変化
する。このため、特表平8−509078号記載の微分
干渉顕微鏡を適用する場合、交換可能なコンデンサレン
ズの焦点距離を1/2倍に設定することになる。しか
し、コンデンサレンズの焦点距離が短くなると、高NA
の照明には有利であるが照明範囲が狭くなるという問題
点がある。顕微鏡は、対物レンズの倍率が1倍から10
0倍まであり照明範囲の変化が大きいため、コンデンサ
レンズの焦点距離を1/2倍にすることは困難である。
このため、特表平8−509078号記載の微分干渉顕
微鏡では、ノマルスキープリズムまたはウォラストンプ
リズムの種類の削減は難しい。
【0015】本発明は、上記の実情に鑑み、異なった後
側焦点位置の対物レンズに対応可能な、ウォラストンプ
リズムまたはノマルスキープリズムから干渉縞の局在位
置までの距離が可変な微分干渉光学系を提供し、微分干
渉光学系に必要なウォラストンプリズムまたはノマルス
キープリズムの種類を削減することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による微分干渉光学系は、照明光源と、該照
明光源からの光線を直線偏光に変換する第1の偏光素子
と、該第1の偏光素子により変換された直線偏光を振動
方向が互いに直交し僅かな分離角をもって進行する2つ
の直線偏光に分離する第1の偏光部材と、被観察物体を
照明し観察するためのレンズ系と、該レンズ系通過後の
前記2つの直線偏光を同一光路上に合成する第2の偏光
部材と、該第2の偏光部材により合成された光線を直線
偏光に変換する第2の偏光素子を有する微分干渉光学系
であって、前記第1の偏光部材と第2の偏光部材の少な
くとも一方の偏光部材は前記2つの直線偏光が交差する
干渉縞の局在位置を有し、該偏光部材から干渉縞の局在
位置までの距離が変化可能なことを特徴としている。第
1の偏光部材と第2の偏光部材の少なくとも一方の偏光
部材が干渉縞の局在位置を有する場合、即ち第1の偏光
部材と第2の偏光部材のいずれか一方の偏光部材あるい
は両方の偏光部材が干渉縞の局在位置を有する場合、こ
れらの偏光部材から干渉縞の局在位置までの距離が変化
できれば、異なった後側焦点位置の対物レンズに対して
同一の偏光部材が使用できる。よって、微分干渉光学系
に必要な第1の偏光部材と第2の偏光部材であるノマル
スキープリズムまたはウォラストンプリズムの種類を少
なくすることができる。
【0017】また、本発明によれば、前記第1の偏光部
材と第2の偏光部材の少なくとも一方の偏光部材の表面
の法線と微分干渉光学系の光軸のなす角度を変化させる
ことにより、該偏光部材から干渉縞の局在位置までの距
離が変化し得るようになっている。通常、微分干渉光学
系には第1の偏光部材や第2の偏光部材としてノマルス
キープリズムまたはウォラストンプリズムが使用されて
いるが、これに限らず、入射する光線を振動方向が互い
に直交し僅かな分離角をもって進行する2つの直線偏光
に分離する複屈折性を有する光学部材であれば第1の偏
光部材や第2の偏光部材として微分干渉光学系に使用す
ることができる。複屈折性を有する光学部材は異常光線
の屈折率が光線の進行方向によって異なるため、この光
学部材で構成された第1の偏光部材や第2の偏光部材を
微分干渉光学系の光軸に対して傾けると、異常光線に対
する屈折率が変化して干渉縞の局在位置を変化させるこ
とができる。図1は、第1及び第2の偏光部材の例とし
て、ノマルスキープリズムをプリズム表面の法線と光学
系の光軸とが角度θをなすように傾けたときの干渉縞の
局在位置が示されている。図1(a)はプリズム表面の
法線と光学系の光軸Zが平行な場合を、図1(b)はプ
リズム表面の法線と光軸Zがθの角度をなす場合をそれ
ぞれ示している。即ち、プリズムをθだけ傾けるとプリ
ズムから干渉縞の局在位置までの距離がLからL+ΔL
に変化する。ノマルスキープリズムの表面の法線と光軸
のなす角度θに対するノマルスキープリズムの干渉縞の
局在位置までの距離Lの計算例を図2に示す。ここで、
θは光学系の光軸からプリズム表面の法線を反時計周り
に測ったものである。ここで計算したノマルスキープリ
ズムは、厚さ1mm、楔の角度αが10分、光学軸の角度
βは10度である。このプリズムの場合、プリズムの上
面の法線と光軸のなす角度±10度の変化で25mm程度
干渉縞の局在位置が変化し、この範囲における対物レン
ズの後側焦点位置の変化に対応することが可能となる。
図2はノマルスキープリズムについての計算結果である
が、ウォラストンプリズムも同様にプリズムの表面の法
線と光軸のなす角度の変化により、干渉縞の局在位置の
変化が可能である。
【0018】また、本発明によれば、前記第1の偏光部
材と第2の偏光部材の少なくとも一方の偏光部材の表面
の法線と微分干渉光学系の光軸のなす角度を変化させる
と共に、該偏光部材を微分干渉光学系の光軸と垂直な方
向に移動させることが出来るようになっている。前記第
1の偏光部材と第2の偏光部材の少なくとも一方の偏光
部材を微分干渉光学系の光軸に対して傾けると、分離し
た振動方向の直交する2つの直線偏光の位相差も変化す
る。このため、上記の傾けた偏光部材を微分干渉光学系
の光軸と垂直な方向に移動することによりこの2つの直
線偏光の位相差を変化させ、傾けたことによって発生し
た位相差を打ち消すことが望ましい。微分干渉光学系の
中には、2つの直線偏光の位相差を調整する位相差調整
手段を備えている場合が多い。これは、2つの直線偏光
の位相差を変化させることで、微分干渉像のコントラス
トを変化させることが出来るからである。位相差調整手
段としては、ノマルスキープリズムを光軸と垂直な方向
に移動させる手段や、コンペンセータを用いる手段があ
る。位相差調整手段がノマルスキープリズムを光軸と垂
直な方向に移動させる手段の場合、この調整手段によっ
て上記の傾けた偏光部材を移動できるので、新たな移動
手段を必要としない。一方、位相差調整手段が前記第1
の偏光部材と第2の偏光部材とは別に設けられたノマル
スキープリズムを光軸と垂直な方向に移動させる手段や
コンペンセータを用いる手段の場合、これらの位相差調
整手段は2つの直線偏光の位相差がゼロの場合を基準に
して調整範囲が設定されている。従って、上記の傾けた
偏光部材を微分干渉光学系の光軸と垂直な方向に移動さ
せて、発生した2つの直線偏光の位相差を打ち消すよう
に構成しておけば、これらの調整範囲を有効に使用する
ことができる。また、このように構成することで、対物
レンズ切り換え時の位相差調整手段によるコントラスト
調整が不要となる。
【0019】また、本発明によれば、前記第1の偏光部
材や第2の偏光部材はウォラストンプリズムまたはノマ
ルスキープリズムである。
【0020】また、本発明によれば、前記ウォラストン
プリズムまたはノマルスキープリズムのプリズム厚d
(mm)とプリズムの表面の法線と微分干渉光学系の光軸
のなす角度の変化量Δθ(度)は、以下の関係式を満た
すようになっている。 |Δθ|×d<12(゜・mm) (1) 上述の通り、ウォラストンプリズムまたはノマルスキー
プリズムを傾けるとその干渉縞の局在位置の変化と共
に、分離した2つの直線偏光の位相差も大きくなる。プ
リズムの傾きが小さい場合は微分干渉光学系の位相差調
整手段による調整が可能であるが、プリズムの傾き角度
が大きくなると位相差調整手段による微分干渉のコント
ラスト調整ができなくなる。また、ウォラストンプリズ
ムまたはノマルスキープリズムの2つの直線偏光の位相
差はプリズムの厚さdに関係しており、プリズム厚dが
厚いほどプリズム傾け時の位相差の変化が大きくなる。
本発明ではウォラストンプリズムまたはノマルスキープ
リズムの表面の法線と光軸のなす角度の変化Δθとプリ
ズムの厚さdを上記(1)式の関係式で表わし、プリズ
ムの傾け量Δθを制限している。なお、プリズムの厚さ
dは、d≧0.5mmであるのが望ましい。プリズムの
厚さが0.5mmよりも小さくなると、プリズムの面精
度が保てなくなる。また、プリズムの厚みがあまり大き
くなると、上述したような傾けた時の問題や対物レンズ
とレボルバの間にプリズムを配置することが困難になる
などの問題が生じる。よって、0.5mm以上にするの
が望ましい。
【0021】また、本発明によれば、前記第1の偏光部
材または第2の偏光部材は、入射する光線を振動方向が
互いに直交し僅かな分離角をもって進行する2つの直線
偏光に分離する複屈折性を有する第1の複屈折素子のみ
から成るか、あるいは第1の複屈折素子と入射する光線
を振動方向が互いに直交する2つの直線偏光に分離して
平行に射出する第2の複屈折素子の組み合わせにより成
っている。前記第1の偏光部材または第2の偏光部材が
第1の複屈折素子のみからなる場合は、図1に示す構成
である。図1については既に説明しているのでここで
は、前記第1の偏光部材または第2の偏光部材が第1の
複屈折素子と第2の複屈折素子の組合せにより成ってい
る場合について説明する。図3は、第1の複屈折素子の
例であるノマルスキープリズム12と、第2の複屈折素
子13の組み合わせを示している。図3(a)はノマル
スキープリズム12のみを配置した場合、図3(b)は
ノマルスキープリズム12とその前に第2の複屈折素子
13を配置した場合の直線偏光の光路を夫々示してい
る。図3(b)の場合、光線は第2の複屈折素子13を
通過した後Wだけ分離した平行な2つの直線偏光となっ
てノマルスキープリズム12に入射し、分離角γをもっ
てノマルスキープリズム12から射出される。通常、ノ
マルスキープリズム12の楔の角度αと分離角γは非常
に小さいため、干渉縞の局在位置の変化ΔLは以下のよ
うに表わされる。 ΔL=W/γ (2) このようにノマルスキープリズム12の前に置く第2の
複屈折素子13のWを変化させることにより、干渉縞の
局在位置を変化させることが可能になる。なお、第2の
複屈折素子13のWを変化させるには、第2の複屈折素
子13を光軸に対して傾けたり、異なるWを持つ複屈折
素子を複数用意しておき交換すれば良い。図3は第1の
複屈折素子がノマルスキープリズムの場合であるが、入
射する光線を振動方向が互いに直交し僅かな分離角をも
って進行する2つの直線偏光に分離する複屈折性を有す
る光学部材であれば同様に成立する。
【0022】また、本発明によれば、第2の複屈折素子
は一枚以上の平行平面の複屈折部材から成っている。図
4は、この例として一枚の平行平面の複屈折部材を示し
たものである。この複屈折部材は光学軸が光軸Zの垂直
方向に対して傾いており、光線が入射すると2つの直線
偏光に分離して平行に射出される。しかし、このような
一枚の複屈折部材の場合には、光線の分離による干渉縞
の局在位置を変化させることはできるが、分離した2つ
の直線偏光に位相差が発生する。そのため、第2の複屈
折素子を一枚の複屈折部材で構成する場合は、位相差調
整手段によるコントラスト調整を行う必要があるが第2
の複屈折素子を一枚の複屈折部材で構成できるので、加
工や組み立てが容易な点や、コスト面で安価にできる点
で有利である。これに対して、図5のように、一枚の複
屈折部材に加え、全体で2つの直線偏光の位相差を打ち
消すようなもう一枚の平行平面の複屈折部材を組み合わ
せた場合には、微分干渉光学系の位相差調整手段による
コントラスト調整が不要となる。
【0023】また、本発明によれば、微分干渉光学系
は、前記被観察物体を照明、観察するレンズ系が、物体
を照明する照明レンズ系と物体を観察する対物レンズ系
とにより、構成される透過型微分干渉光学系である。
【0024】また、本発明によれば、微分干渉光学系
は、入射する直線偏光を振動方向が直交し僅かな分離角
をもって進行する2つの直線偏光への分離と、前記振動
方向が互いに直交し僅かな分離角をもって進行する2つ
の直線偏光の同一光路上への合成を一つの偏光部材で行
う反射型微分干渉光学系である。即ち、この場合第1の
偏光部材と第2の偏光部材は微分干渉光学系の中に別個
に存在しているわけではなく、例えば第1の偏光部材の
みしか光学系中になく、第1の偏光部材が第2の偏光部
材の機能も果たしているということである。
【0025】また、本発明による微分干渉光学系は、照
明光源と、この照明光源からの光線を直線偏光に変換す
る第1の偏光素子と、入射する直線偏光を振動方向が互
いに直交し僅かな分離角をもって進行する2つの直線偏
光に分離する少なくとも一つの偏光部材と、被観察物体
を照明し観察するためのレンズ系と、入射する光線を直
線偏光に変換する第2の偏光素子を有する微分干渉光学
系であって、前記偏光部材は前記2つの直線偏光が交差
する干渉縞の局在位置を有し、前記偏光部材から干渉縞
の局在位置までの距離が変化可能な微分干渉光学系であ
ることを特徴としている。この特徴によれば、微分干渉
光学系は透過型微分干渉光学系と反射型微分干渉光学系
の両方に適用されるようになっている。偏光部材は一方
から光線を入射させた場合、入射する直線偏光を振動方
向が互いに直交し僅かな分離角をもって進行する2つの
直線偏光に分離する偏光分離部材として機能するが、逆
向きから光線を入射させた場合、振動方向が互いに直交
し僅かな分離角をもって進行する2つの直線偏光を同一
光路上に合成する偏光合成部材としても機能する。透過
型微分干渉光学系では偏光分離手段が2つあり、一方は
偏光分離部材で他方は偏光合成部材となる。また反射型
微分干渉光学系では偏光部材が1つしかなく、これが偏
光分離部材でありなお且つ偏光合成部材である。
【0026】また、本発明によれば、前記第1の偏光部
材と第2の偏光部材の少なくとも一方の偏光部材は複数
あり、各々の偏光部材の表面の法線と微分干渉光学系と
のなす角が各々の偏光部材で異なっている。前述のよう
に、1つの偏光部材で偏光部材の表面の法線と微分干渉
光学系とのなす角を変化させようとすると、変化させる
ための機構が必要となる。しかしながら、上記のように
複数の偏光部材を用意しておけば、これらの部材を交換
することで干渉縞の局在位置を変化させることができ
る。よって、変化させるための機構やそのためのスペー
スが不要になる。
【0027】また、本発明によれば、前記第1の偏光部
材と第2の偏光部材は夫々2枚の楔状のプリズムを接合
して成る接合体を含み、少なくともその一方を所定の回
転軸を中心として回転させることにより、該偏光部材か
ら干渉縞の局在位置までの距離が変化可能なようになっ
ている。ここで、所定の回転軸とは、光軸と前記接合体
の接合面の法線を含む平面内にある回転軸である。ここ
で、前記第1の偏光部材と第2の偏光部材の回転は、光
路中に配置された状態で行なうことも可能である。しか
しながら、一般的にこれらの偏光部材が配置されている
近傍には、対物レンズやコンデンサレンズなどの光学素
子があるため、回転させるための空間を確保することは
難しい。そのため、前記第1の偏光部材や第2の偏光部
材を板状の保持部材に保持しておき、該保持部材を光路
から挿脱するようにしておくのが望ましい。このように
すると、対物レンズの交換に伴って保持部材を光路から
一旦取り外して、上記所定の回転軸の回りに回転させる
ことができる。そして、上下逆さまの状態で再び光路中
に挿入すれば、光路中に必要な空間は保持部材の厚み分
だけで済む。
【0028】また、本発明によれば、前記第1の偏光部
材と第2の偏光部材は夫々2枚の楔状のプリズムを接合
して成る接合体を含み、少なくともその一方は、夫々2
枚の楔状のプリズムを接合して成る接合体を含む第3の
偏光部材のいずれかと切り替えるようになっている。こ
の時、前記第1の偏光部材が前記第3の偏光部材と切り
替えられる場合、前記第3の偏光部材は前記第1の偏光
部材を所定の回転軸を中心として180°回転させたも
のである。同様に、前記第2の偏光部材が前記第3の偏
光部材と切り替えられる場合、前記第3の偏光部材は前
記第2の偏光部材を所定の回転軸を中心として180°
回転させたものである。ここで、所定の回転軸とは、光
軸と前記接合体の接合面の法線を含む平面内にある回転
軸である。なお、具体的に使用する際は、第1の偏光部
材と第3の偏光部材、あるいは第2の偏光部材と第3の
偏光部材は別々の保持部材に保持しておき、これらの保
持部材を使用状況に応じて光路中に挿脱すれば良い。ま
た、第1の偏光部材と第3の偏光部材、あるいは第2の
偏光部材と第3の偏光部材を同一の保持部材に予め配置
しておき、該保持部材を光路中で移動させることもでき
る。この場合、従来より知られているスライダーやター
レットのような構成を利用すればよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
した実施例に基づき説明する。実施例の説明において、
従来の技術で示したのと実質上同一の光学部材には同一
符号が付されている。 実施例1 図6は本発明の第1実施例を示し、(a)及び(b)は
後側焦点位置FBの異なる対物レンズ10,11が夫々
使用状態に置かれた同一構成の透過型微分干渉光学系を
示している。即ち、図6(a)は対物レンズ10が光路
に入っている状態であり、照明光源1からの光線は偏光
子2により直線偏光に変換され、ウォラストンプリズム
3に入射したあと振動方向の直交する2つの直線偏光に
分離される。この2つの直線偏光は、コンデンサレンズ
4の集光作用によりほぼ平行となり、被観察物体5に入
射する。2つの直線偏光は、対物レンズ10の後側焦点
位置FBで集光され、ノマルスキープリズム12により
同一光路上に合成され、検光子8により干渉する。ノマ
ルスキープリズム12は、プリズム表面の法線と微分干
渉光軸のなす角度を変化できるようになっており、図6
(b)に示すように異なる後側焦点位置FBを有する対
物レンズ11を光路に入れた場合は、ノマルスキープリ
ズム12を角度θ1だけ傾けて使用する。ノマルスキー
プリズム12のプリズム表面の法線と微分干渉光軸のな
す角度を変化させることにより、同一のノマルスキープ
リズムで異なる後側焦点位置に対応させることが出来
る。なお、ノマルスキープリズム12を傾ける場合、ノ
マルスキープリズム12によって生じる2つの直線偏光
の間の位相差がゼロになる位置を回転中心として、ノマ
ルスキープリズム12を回転させるのが望ましい。ここ
で、図6の微分干渉光学系は透過型であるため、ノマル
スキープリズム12の回転中心は、検光子8側から直線
偏光を入射させたと仮定し、その場合に生じる2つの直
線偏光の間の位相差がゼロになる位置である。このよう
に、2つの直線偏光の位相差がゼロになる位置を回転中
心としてノマルスキープリズム12を回転させると、ノ
マルスキープリズム12が微分干渉光学系の光軸に対し
て傾いても、2つの直線偏光の間に生じる位相差を小さ
く抑えることができる。また、回転中心を、ノマルスキ
ープリズム12の表面の法線方向は微分干渉光学系の光
軸に対して所定の角度で傾くと共に、ノマルスキープリ
ズム12自体が微分干渉光学系の光軸と垂直な方向に移
動するような点とすることもできる。例えば、微分干渉
光学系の光軸上の点であって、ノマルスキープリズム1
2の2つの楔の接合面と微分干渉光学系の光軸が交わる
点以外の点などがある。このようにすれば、ノマルスキ
ープリズム12が微分干渉光学系の光軸に対して所定の
角度で傾くことによって2つの直線偏光の間に位相差が
生じても、ノマルスキープリズム12自体が微分干渉光
学系の光軸と垂直な方向に移動することになるので、2
つの直線偏光の間に生じる位相差を小さく抑えることが
できる。
【0030】実施例2 図7は透過型微分干渉光学系に関する本発明の第2実施
例を示している。この実施例においても、異なる後側焦
点位置をもつ2つの対物レンズ10,11が用いられ
る。図7(a)は対物レンズ10が光路に入っている状
態であり、照明光源1からの光線は偏光子2により直線
偏光に変換され、ウォラストンプリズム3に入射したあ
と振動方向の直交する2つの直線偏光に分離される。こ
の2つの直線偏光はコンデンサレンズ4の集光作用によ
りほぼ平行となり被観察物体5に入射する。2つの直線
偏光は対物レンズ10の後側焦点位置FBで集光され、
ノマルスキープリズム12により同一光路上に合成さ
れ、検光子8により干渉する。図7(b)に示すよう
に、異なる後側焦点位置の対物レンズ11を光路に入れ
た場合は、図7(a)で使用されているノマルスキープ
リズム12と同じプリズムで、プリズム表面の法線と微
分干渉光学系の光軸がθ2だけ傾けられたノマルスキー
プリズム14を光路に入れる。実施例2では、実施例1
で必要なノマルスキープリズムの表面の法線と微分干渉
光学系の光軸とのなす角度を変化させる機構が不要とな
る。また、本実施例では、対物レンズの種類に応じてノ
マルスキープリズム12が必要になるが、ノマルスキー
プリズム12を構成する楔形状をした光学部材の組合せ
は1種類で良く、様々な角度を持つ楔を製作する必要が
ない。これにより、楔の加工に必要な高価な加工治工具
を複数用意する必要がなくなる。
【0031】実施例3 図8は透過型微分干渉光学系に関する本発明の第3実施
例を示している。この実施例においても異なる後側焦点
位置をもつ2つの対物レンズ10,11が用いられてい
る。図8(a)は対物レンズ10が光路に入っている状
態であり、照明光源1からの光線は偏光子2により直線
偏光に変換され、ウォラストンプリズム3に入射したあ
と振動方向の直交する2つの直線偏光に分離される。こ
の2つの直線偏光はコンデンサレンズ4の集光作用によ
りほぼ平行となり被観察物体5に入射する。2つの直線
偏光は対物レンズ10の後側焦点位置FBで集光され、
ノマルスキープリズム12により同一光路上に合成さ
れ、検光子8により干渉する。本実施例では、ウォラス
トンプリズム3の表面の法線と微分干渉光学系の光軸と
のなす角度を変化させることができるようになってお
り、異なる後側焦点位置の対物レンズ11を光路に入れ
た場合は、図8(b)に示すように、ウォラストンプリ
ズム3をプリズム表面が微分干渉光学系の光軸に対して
角度θ3だけ傾けられた状態で使用するようになってい
る。また、本実施例では第2実施例と同様に、異なる後
側焦点位置を持つ対物レンズ11を光路に入れた場合、
ウォラストンプリズム3と同じ構成のプリズムで、プリ
ズム表面の法線と微分干渉光学系の光軸のなす角がθ3
だけ傾けられた別のウォラストンプリズムを、ウォラス
トンプリズム3と交換して光路中に挿入しても良い。
【0032】実施例4 図9は反射型微分干渉光学系に関する本発明の第4実施
例を示している。本実施例においても異なる後側焦点位
置をもつ2つの対物レンズ10,11が使用される。図
9(a)は対物レンズ10が光路に入っている状態であ
り、照明光源1からの光線は、偏光子2により直線偏光
に変換され、ハーフミラー9により光路を被観察物体方
向に曲げられて、ノマルスキープリズム12に入射す
る。直線偏光は、ノマルスキープリズム12で振動方向
の互いに直交する2つの直線偏光に分離され、対物レン
ズ10の集光作用により平行となり、被観察物体5に入
射する。被観察物体5から反射された2つの直線偏光
は、再び対物レンズ10により集光され、ノマルスキー
プリズム12で同一光路に合成され、ハーフミラー9を
通り検光子8で干渉する。ノマルスキープリズム12は
プリズム表面の法線と微分干渉光学系の光軸とのなす角
度を変化できるようになっており、図9(b)のように
異なる後側焦点位置の対物レンズ11を光路に入れた場
合は、ノマルスキープリズム12を角度θ4だけ傾けて
使用する。反射型微分干渉光学系においても、ノマルス
キープリズムのプリズム表面の法線と微分干渉光軸のな
す角度を変化させることにより、同一のノマルスキープ
リズムで異なる後側焦点位置に対応させることが可能と
なる。
【0033】実施例5 図10は透過型微分干渉光学系に関する本発明の第5実
施例を示している。この実施例は、入射する光線を振動
方向が互いに直交する2つの直線偏光に分離して平行に
射出する偏光光学素子を使用するものである。この実施
例においても、異なる後側焦点位置をもつ2つの対物レ
ンズ10,11が使用されている。図10(a)は対物
レンズ10が光路に入っている状態であり、照明光源1
からの光線は、偏光子2により直線偏光に変換され、ウ
ォラストンプリズム3に入射したあと振動方向の直交す
る2つの直線偏光に分離される。この2つの直線偏光
は、コンデンサレンズ4の集光作用によりほぼ平行とな
り、被観察物体5に入射する。2つの直線偏光は、対物
レンズ10の後側焦点位置FBで集光され、ノマルスキ
ープリズム12により同一光路上に合成され、検光子8
により干渉する。後側焦点位置の異なった対物レンズ1
1を使用する場合は、図10(b)に示すように、ノマ
ルスキープリズム12と検光子8の間の光路に、二枚の
平行平板の複屈折部材を接合して成るプリズム15を入
れる。このプリズム15は、入射する光線を振動方向に
互いに直交する2つの直線偏光に分離して平行に射出
し、その分離量は前記(2)式による対物レンズ10と
対物レンズ11の後側焦点位置FBの差に対応するもの
となっている。また、プリズム15の二枚の平行平板
は、振動方向が直交した2つの直線偏光に関して位相差
がゼロになる関係になっており、対物レンズ切り替え時
に位相差調整手段で微分干渉のコントラストを調整する
必要がない。
【0034】実施例6 図11は反射型微分干渉光学系に関する本発明の第6実
施例を示している。この実施例においても異なる後側焦
点位置をもつ2つの対物レンズ10,11が使用され
る。図11(a)は対物レンズ10が光路に入っている
状態であり、照明光源1からの光線はバンドパスフィル
タ16を通り、準単色光に変換される。この準単色光は
偏光子2により直線偏光に変換され、ハーフミラー9に
より光路を被観察物体方向に曲げられ、一対の楔状の複
屈折結晶17に入射する。この一対の楔状の複屈折結晶
17はそれぞれ微分干渉光学系の光軸と垂直の方向に移
動可能であり、振動方向の直交する2つの直線偏光の分
離量を変えることができる。直線偏光はこの一対の楔状
の複屈折結晶17により振動方向が直交する2つの直線
偏光に分離され、ノマルスキープリズム12に入射す
る。ノマルスキープリズム12の複屈折作用により、2
つの直線偏光は対物レンズ10の後側焦点位置FBに集
光し、対物レンズ10の集光作用により、2つの直線偏
光の向きは平行となり、被観察物体5に入射する。被観
察物体5から反射された2つの直線偏光は、再び対物レ
ンズ10により集光され、ノマルスキープリズム12と
一対の楔状の複屈折結晶17で同一光路に合成され、ハ
ーフミラー9を通り検光子8で干渉する。後側焦点位置
FBの異なった対物レンズ12を光路に入れた場合は、
図11(b)に示すように、一対の楔状の複屈折結晶1
7をそれぞれ微分干渉光学系の光軸と垂直の方向に移動
させ、その偏光分離量を前記(2)式による対物レンズ
11と対物レンズ12の後側焦点位置の差に相当する分
だけ変化させれば、微分干渉観察が可能となる。
【0035】本実施例では、微分干渉光学系の位相差調
整手段の位相差調整量が0〜2πまででも微分干渉のコ
ントラスト調整可能な準単色光による観察を行ってい
る。これは、一対の楔状の複屈折結晶17による2つの
直線偏光の位相差が大きくなり、白色光観察では、微分
干渉光学系の位相差調整手段による位相差調整が出来な
くなるためである。図11には位相差調整手段が図示さ
れていないが、例えばノマルスキープリズム13を光学
系の光軸と垂直方向に移動させる機構があれば位相差調
整が可能となる。
【0036】上記の実施例は、何れも後側焦点位置の異
なる対物レンズを使用する場合を示したが、後側焦点位
置の異なるコンデンサレンズを使用する場合にも本発明
は有効である。この場合も、対物レンズ側のノマルスキ
ープリズムまたはコンデンサレンズ側のウォラストンプ
リズムを、そのプリズム表面の法線と光学系の光軸との
なす角度を変化させるか、或いは入射する光線を振動方
向が互いに直交する2つの直線偏光に分離して平行に射
出する偏光光学素子を光路に入れるかすることにより微
分干渉観察が可能となる。
【0037】また、上記の実施例は、何れも後側焦点位
置の異なる対物レンズの切替えに対応して、ノマルスキ
ープリズム,ウォラストンプリズムまたは二枚の平行平
板の複屈折部材を接合して成るプリズム等を微分干渉光
学系の光軸と直交する方向へ移動させることにより切替
えるようにしてたが、本発明によれば、対物レンズの切
替えに対応して、偏光部材としてのノマルスキープリズ
ムやウォラストンプリズム等を微分干渉光学系の光軸と
該偏光部材を構成する二枚の楔状のプリズムの接合面の
法線とを含む平面内にある回転軸を中心として180°
回転させることにより、目的を達成することも出来る。
【0038】図12は、第1及び第2の偏光部材として
ノマルスキープリズムまたはウォラストンプリズムを、
微分干渉光学系の光軸Zと該ノマルスキープリズムまた
はウォラストンプリズムを構成する二枚の楔状のプリズ
ムの接合面の法線とを含む平面内にあって該ノマルスキ
ープリズムまたはウォラストンプリズムの表面に平行な
回転軸Rを中心として180°回転させたときの干渉縞
の局在位置が示されている。図12(a)はプリズムが
回転前の第1の位置にあるときの状態(干渉縞の局在位
置がプリズムの右側にある)を、図12(b)はプリズ
ムが第1の位置から上記回転軸Rの周りに180°回転
して第2の位置に静止たときの状態(干渉縞の局在位置
がプリズムの左側にある)をそれぞれ示している。以
下、この方法を用いた実施例について説明する。 実施例7 図13は透過型微分干渉光学系に関する本発明の第7実
施例を示している。この実施例においても異なる後側焦
点位置を持つ2つの対物レンズ10,11が使用され
る。図13(a)は対物レンズ11が光路に入っている
状態であり、照明光源1からの光線は偏光子2により直
線偏光に変換され、第1の位置にあるノマルスキープリ
ズム12Bに入射したあと振動方向の直交する2つの直
線偏光に分離される。この2つの直線偏光は、コンデン
サレンズ4の集光作用によりほぼ平行となり、被観察物
体5に入射する。2つの直線偏光は、対物レンズ10の
後側焦点位置FBで集光され、ノマルスキープリズム1
2Aにより同一光路上に合成され、検光子8により干渉
する。ノマルスキープリズム12Bは、光学系の光軸と
該ノマルスキープリズム12Bを構成する二枚の楔状の
プリズムの接合面の法線とを含む平面内にあって該ノマ
ルスキープリズム12Bの表面に平行な回転軸Rを中心
として180°回転きるようになっており、図6(b)
に示すように異なる後側焦点位置FBを有する対物レン
ズ10を光路に入れた場合は、ノマルスキープリズム1
2Bを回転軸Rの周りに180°回転させることによ
り、同一のノマルスキープリズム12Bで異なる後側焦
点位置に対応させることが出来る。
【0039】実施例8 図14は透過型微分干渉光学系に関する本発明の第8実
施例を示している。この実施例は、対物レンズ11が対
物レンズ10と交換される際にノマルスキープリズム1
2Bを180°回転する代わりに予め180°回転され
た状態で用意された別のノマルスキープリズム12B´
を光路内に挿入するように構成した点で、実施例7とは
異なる。即ち、図14(a)は対物レンズ11とノマル
スキープリズム12Bが光路内に挿入された状態を、図
14(b)は対物レンズ10とノマルスキープリズム1
2B´が光路内に挿入された状態を夫々示している。こ
の実施例によれば、ノマルスキープリズムを回転させる
機構が不要となるので、構成を簡素化でき、コスト面で
も有利であるという利点がある。なお、この場合、上記
別のノマルスキープリズム12B´を用意せずに、ノマ
ルスキープリズム12Bを反転させて入れ直すようにし
ても良い。
【0040】実施例9 図15は透過型微分干渉光学系に関する本発明の第9実
施例を示している。この実施例は、ノマルスキープリズ
ム12Aが、光学系の光軸と該ノマルスキープリズム1
2Aを構成する二枚の楔状のプリズムの接合面の法線と
を含む平面内にあって該ノマルスキープリズム12Aの
表面に平行な回転軸Rを中心として180°回転きるよ
うになっており、図15(b)に示すように後側焦点位
置FBが対物レンズより飛び出しているような低倍率
(例えば、2倍)の対物レンズ10´を光路に入れた場
合、ノマルスキープリズム12Aを回転軸Rの周りに1
80°回転させることにより、同一のノマルスキープリ
ズム12Aで対応させることが出来るように構成されて
いる。
【0041】実施例10 図16は反射型微分干渉光学系に関する本発明の第10
実施例を示している。本実施例においても、ノマルスキ
ープリズム12が、光学系の光軸と該ノマルスキープリ
ズム12を構成する二枚の楔状のプリズムの接合面の法
線とを含む平面内にあって該ノマルスキープリズム12
の表面に平行な回転軸Rを中心として180°回転きる
ようになっており、図16(b)に示すように後側焦点
位置FBが対物レンズより飛び出しているような低倍率
(例えば、2倍)の対物レンズ10´を光路に入れた場
合、ノマルスキープリズム12を回転軸Rの周りに18
0°回転させることにより、同一のノマルスキープリズ
ム12で対応させることが出来る。
【0042】以上説明した実施例7乃至10において
は、何れも、偏光部材として用いられるノマルスキープ
リズムは、光学系の光軸とノマルスキープリズムを構成
する二枚の楔状のプリズムの接合面の法線とを含む平面
内にあって該ノマルスキープリズムの表面に平行で且つ
それらの中心を通る回転軸Rを中心として180°回転
きるように構成されていたが、この回転軸Rは、ノマル
スキープリズムの中心を通らずに、図17に示す如くノ
マルスキープリズムの外にあっても良いし、また、図1
8に示す如くノマルスキープリズムの表面と前記関係式
(1)を満足する角度Δθをなすように設定されても良
い。更に、ノマルスキープリズムを、上記の条件を備え
た回転軸Rを中心として180°回転した後、前記関係
式(1)を満足する角度Δθだけ傾けるように構成され
ても良い。この構成によれば、対応可能な対物レンズの
後側焦点位置の範囲を広くとることが出来る。上記実施
例7乃至10では偏光部材としてノマルスキープリズム
を用いて説明したが、これに替えてウォラストンプリズ
ムを同様にして用いることもでき、その場合の作用効果
はノマルスキープリズムを用いた場合と同様である。ま
た、偏光部材としては、ウォラストンプリズムまたはノ
マルスキープリズムと他の光学部材(プリズム等)との
組み合わせられたものであっても良い。
【0043】以上説明したように、本発明の微分干渉光
学系は、特許請求の範囲に記載された特徴の他に、下記
の特徴を有している。
【0044】(1)前記第1の偏光部材と第2の偏光部
材の少なくとも一方の偏光部材の表面の法線と微分干渉
光学系の光軸のなす角度を変化させると共に、該偏光部
材を微分干渉光学系の光軸と垂直な方向に移動させるよ
うにした請求項2に記載の微分干渉光学系。
【0045】(2)請求項2に記載の微分干渉光学系に
おいて、前記第1の偏光部材や第2の偏光部材はウォラ
ストンプリズムまたはノマルスキープリズムであること
を特徴とする微分干渉光学系。
【0046】(3)上記(2)に記載の微分干渉光学系
において、前記ウォラストンプリズムまたはノマルスキ
ープリズムのプリズム厚d(mm)とプリズムの表面の法
線と微分干渉光学系の光軸のなす角度の変化量Δθ
(度)が以下の関係式を満たすことを特徴とする微分干
渉光学系。 |Δθ|×d<12(゜・mm)
【0047】(4)請求項1に記載の微分干渉光学系に
おいて、前記第1の偏光部材または第2の偏光部材は、
入射する光線を振動方向が互いに直交し僅かな分離角を
もって進行する2つの直線偏光に分離する複屈折性を有
する第1の複屈折素子のみからなるか、あるいは第1の
複屈折素子と入射する光線を振動方向が互いに直交する
2つの直線偏光に分離して平行に射出する第2の複屈折
素子の組み合わせを備えることを特徴とする微分干渉光
学系。
【0048】(5)上記(4)に記載の微分干渉光学系
において、前記第2の複屈折素子は一枚以上の平行平面
の複屈折部材を有することを特徴とする微分干渉光学
系。
【0049】(6)上記(4)に記載の微分干渉光学系
において、前記第1の偏光部材や第2の偏光部材はウォ
ラストンプリズムまたはノマルスキープリズムであるこ
とを特徴とする微分干渉光学系。
【0050】(7)請求項1に記載の微分干渉光学系に
おいて、前記被観察物体を照明し観察するレンズ系は物
体を照明する照明レンズ系と物体を観察する対物レンズ
系とにより構成されている透過型微分干渉光学系。
【0051】(8)請求項1に記載の微分干渉光学系に
おいて、前記入射する直線偏光を振動方向が直交し僅か
な分離角をもって進行する2つの直線偏光への分離と、
前記振動方向が互いに直交し僅かな分離角をもって進行
する2つの直線偏光の同一光路上への合成を一つの偏光
部材で行うことを特徴とする反射型微分干渉光学系。
【0052】(9)照明光源と、この照明光源からの光
線を直線偏光に変換する第1の偏光素子と、入射する直
線偏光を振動方向が互いに直交し僅かな分離角をもって
進行する2つの直線偏光に分離する少なくとも一つの偏
光部材と、被観察物体を照明し観察するためのレンズ系
と、入射する光線を直線偏光に変換する第2の偏光素子
を有する微分干渉光学系であって、前記偏光部材は前記
2つの直線偏光が交差する干渉縞の局在位置を有し、前
記偏光部材から干渉縞の局在位置までの距離が変化可能
な微分干渉光学系。
【0053】(10)請求項2に記載の微分干渉光学系
において、前記第1の偏光部材と第2の偏光部材の少な
くとも一方の偏光部材は複数あり、各々の偏光部材の表
面の法線と微分干渉光学系とのなす角が各々の偏光部材
で異なっている微分干渉光学系。
【0054】(11)請求項2に記載の微分干渉光学系
において、前記第1の偏光部材と第2の偏光部材の少な
くとも一方の偏光部材は、該偏光部材によって生じる2
つの直線偏光の間の位相差がゼロになる位置を回転中心
として回転する微分干渉光学系。
【0055】(12)請求項2に記載の微分干渉光学系
において、前記第1の偏光部材と第2の偏光部材の少な
くとも一方の偏光部材は、該偏光部材の表面の法線方向
は微分干渉光学系の光軸に対して所定の角度で傾いてい
ると共に、前記偏光部材自体が微分干渉光学系の光軸と
垂直な方向に移動する点を回転中心として回転する微分
干渉光学系。
【0056】(13)請求項2に記載の微分干渉光学系
において、前記第1の偏光部材と第2の偏光部材の少な
くとも一方の偏光部材は、微分干渉光学系の光軸上の点
であって、ノマルスキープリズム12の2つの楔の接合
面と微分干渉光学系の光軸が交わる点以外の点を回転中
心として回転する微分干渉光学系。
【0057】(14)前記複数の偏光部材の各々を構成
している楔部材は、同じ形状(同じ角度)であることを
特徴とする上記(9)に記載の微分干渉光学系。
【0058】(15)光源と、第1の直線偏光素子と、
光線を反射または透過させる光線分離手段と、複屈折部
材と、観察光学系と、第2の直線偏光素子とを有し、前
記複屈折部材は光軸と該屈折部材の接合面の法線とを含
む平面内にある回転軸を中心として180°回転せしめ
られるようになっている微分干渉光学系。
【0059】(16)請求項3及び上記(15)に記載
の微分干渉光学系において、前記回転軸は、前記偏光部
材の表面に平行で且つ該偏光部材の中心線上または該偏
光部材から離れた位置に配置されていることを特徴とす
る微分干渉光学系。
【0060】(17)請求項3および上記(15)に記
載の微分干渉光学系において、前記回転軸は、前記偏光
部材の厚さをd(mm)としたとき、該偏光部材の表面
と下記条件を満たす角度Δθ(度)をなすように配置さ
れていることを特徴とする微分干渉光学系。 |Δθ|×d<12°
【0061】(18)前記第1または第2の偏光部材の
少なくとも一方の偏光部材の表面の法線と微分干渉光学
系の光軸とのなす角度を変化させ得るようになっている
請求項3に記載の微分干渉光学系。
【0062】(19)請求項3及び上記(15)乃至
(18)に記載の微分干渉光学系において、前記第1の
偏光部材や第2の偏光部材はウォラストンプリズムまた
はノマルスキープリズムであることを特徴とする微分干
渉光学系。
【0063】(20)前記第1の偏光部材と第2の偏光
部材は、夫々2枚の楔状のプリズムを接合して成る接合
体を含み、少なくともその一方を光軸と前記接合体の接
合面の法線とを含む平面内にある回転軸を中心として1
80°回転させられていることにより、該偏光部材から
干渉縞の局在位置までの距離が変化可能な請求項1に記
載の微分干渉光学系。
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、少ない種類
のウォラストンプリズムまたはノマルスキープリズムを
用いて異なった後側焦点位置の各種対物レンズに対応可
能であり、且つこれらのプリズムから干渉縞の局在位置
までの距離が可変な微分干渉光学系を提供することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための説明図である。
【図2】ノマルスキープリズムの表面の法線と光軸のな
す角度θに対するノマルスキープリズムの干渉縞の局在
位置までの距離Lの計算例を示した線図である。
【図3】(a)はノマルスキープリズムによる直線偏光
の分離の様子を、(b)は偏光光学素子とノマルスキー
プリズムの組み合わせによる直線偏光の分離の様子をそ
れぞれ示す説明図である。
【図4】一枚の平行平面の複屈折部材による直線偏光の
分離の様子を示す説明図である。
【図5】分離された2つの直線偏光の位相差をなくすた
め二枚の平行平面の複屈折部材を組み合わせた場合の直
線偏光の分離の様子を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施例の光学構成と作用を説明す
るための説明図である。
【図7】本発明の第2実施例の光学構成と作用を説明す
るための説明図である。
【図8】本発明の第3実施例の光学構成と作用を説明す
るための説明図である。
【図9】本発明の第4実施例の光学構成と作用を説明す
るための説明図である。
【図10】本発明の第5実施例の光学構成と作用を説明
するための説明図である。
【図11】本発明の第6実施例の光学構成と作用を説明
するための説明図である。
【図12】本発明の原理を説明するための説明図であ
る。
【図13】本発明の第7実施例の光学構成と作用を説明
するための説明図である。
【図14】本発明の第8実施例の光学構成と作用を説明
するための説明図である。
【図15】本発明の第9実施例の光学構成と作用を説明
するための説明図である。
【図16】本発明の第10実施例の光学構成と作用を説
明するための説明図である。
【図17】偏光部材の回転軸が偏光部材の外にある場合
の一例を示す説明図である。
【図18】偏光部材の回転軸が偏光部材の表面と交差し
て場合の一例を示す説明図である。
【図19】従来の透過型微分干渉光学系を示す図であ
る。
【図20】従来の反射型微分干渉光学系を示す図であ
る。
【図21】ウォラストンプリズムの構成と作用を示す図
である。
【図22】ノマルスキープリズムの構成と作用を示す図
である。
【図23】透過型微分干渉光学系において、後側焦点位
置の異なる2つの対物レンズを交換して使用した場合の
直線偏光光路の変化を示す図である。
【図24】後側焦点位置の異なる2つの対物レンズを用
いる場合の問題点を解決するため提案された従来の微分
干渉顕微鏡の要部構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 照明光源 2 偏光子 3,7 ウォラストンプリズム 4 コンデンサレンズ 5 被観察物体 6,10,11 対物レンズ 8 検光子 9 ハーフミラー 12,12A,12B,14 ノマルスキープリズム 13 第2の複屈折素子 15 プリズム 16 バンドパスフィルタ 17 楔状の複屈折結晶 R 回転軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光源と、該照明光源からの光線を直
    線偏光に変換する第1の偏光素子と、該第1の偏光素子
    により変換された直線偏光を振動方向が互いに直交し僅
    かな分離角をもって進行する2つの直線偏光に分離する
    第1の偏光部材と、被観察物体を照明し観察するための
    レンズ系と、該レンズ系通過後の前記2つの直線偏光を
    同一光路上に合成する第2の偏光部材と、該第2の偏光
    部材により合成された光線を直線偏光に変換する第2の
    偏光素子を有する微分干渉光学系であって、前記第1の
    偏光部材と第2の偏光部材の少なくとも一方の偏光部材
    は前記2つの直線偏光が交差する干渉縞の局在位置を有
    し、該偏光部材から干渉縞の局在位置までの距離が変化
    可能な微分干渉光学系。
  2. 【請求項2】 前記第1の偏光部材と第2の偏光部材の
    少なくとも一方の偏光部材の表面の法線と微分干渉光学
    系の光軸のなす角度を変化させることにより、該偏光部
    材から干渉縞の局在位置までの距離が変化可能な請求項
    1に記載の微分干渉光学系。
  3. 【請求項3】 前記第1の偏光部材と第2の偏光部材
    は、夫々2枚の楔状のプリズムを接合して成る接合体を
    含み、少なくともその一方を光軸と前記接合体の接合面
    の法線とを含む平面内にある回転軸を中心として180
    °回転させることにより、該偏光部材から干渉縞の局在
    位置までの距離が変化可能な請求項1に記載の微分干渉
    光学系。
  4. 【請求項4】 前記第1の偏光部材と第2の偏光部材
    は、夫々2枚の楔状のプリズムを接合して成る接合体を
    含み、少なくともその一方は、夫々2枚の楔状のプリズ
    ムを接合して成る接合体を含む第3の偏光部材と切り替
    えられ得、該切り替えられた前記第3の偏光部材を光軸
    と前記接合体の接合面の法線とを含む平面内にある回転
    軸を中心として180°回転させることにより、該偏光
    部材から干渉縞の局在位置までの距離が変化可能な請求
    項1に記載の微分干渉光学系。
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