JP2001241337A - 電磁駆動弁を有する内燃機関 - Google Patents

電磁駆動弁を有する内燃機関

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JP2001241337A
JP2001241337A JP2000051918A JP2000051918A JP2001241337A JP 2001241337 A JP2001241337 A JP 2001241337A JP 2000051918 A JP2000051918 A JP 2000051918A JP 2000051918 A JP2000051918 A JP 2000051918A JP 2001241337 A JP2001241337 A JP 2001241337A
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正明 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中低速の機関回転数領域における排気音を好
適に抑制することのできる電磁駆動弁を有する内燃機関
を提供する。 【解決手段】 内燃機関1は、電磁コイルとスプリング
との協働によって吸気弁28を開閉弁駆動する吸気側電
磁駆動弁機構30と、排気弁29を開閉弁駆動する排気
側電磁駆動弁機構31とを、各気筒21上に各々2体ず
つ備える。ECU20は、機関回転数に基づいて、内燃
機関1の運転状態が低中速回転数域にあると認識した場
合、同一気筒21上における2体の電磁駆動弁機構31
各々が駆動する排気弁29の開弁タイミングを相互に異
ならせるよう駆動回路に指令する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動弁を少な
くとも排気弁として複数搭載する内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の内燃機関としては、例え
ば特公平7−111127に記載された内燃機関のよう
に、電磁石による電磁力とスプリングによるバネ力との
協働によって直接吸排気弁を駆動する電磁駆動弁機構を
備える。この電磁駆動弁機構は、弁体と連動して直線動
作(リフト)する軸体をその動作方向の両側からスプリ
ングによって付勢することにより、同軸体を、これと連
動する弁体とともに所定位置(中立位置)に保持する。
そして、この軸体(弁体)に固有振動を生じさせるとと
も、同じくその動作方向の両側から電磁力を適宜付与す
ることにより、その動作態様を制御して各弁体の開閉弁
タイミングや開弁量(リフト量)を操作する。
【0003】このように、いわゆる電磁駆動弁としての
吸気弁或いは排気弁を搭載する内燃機関では、例えばク
ランクシャフトとベルト連結されたカムシャフトの回転
に伴って吸排気弁を開閉弁動作させるタイプ(以下、カ
ムタイプという)のものとは異なり、個々の吸排気弁を
独立して駆動制御することとなる。このため、各弁の開
閉弁動作のタイミング(バルブタイミング)、動作角の
変更にかかる制御の自由度、更には所望のリフト位置に
弁を遷移させる際の弁動作の応答性等々に関して優れた
特質を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にスプリングのバネ力によって発生するアーマチャの固
有振動が弁体の基本動作を決定づける電磁駆動弁におい
ては、特定の振幅に見合う弁体の変位速度が、基本的に
はスプリングの機械的特性(バネ定数)によって定ま
る。一方、内燃機関が、広い機関回転数の領域で好適な
運転状態を得るためには、高い機関回転数に対して十分
に速い動作速度で開閉弁動作させることが少なくとも必
要となる。この結果、通常スプリングの機械的特性は、
高い機関回転数に追従できる弁体の変位速度に見合うよ
うに選択されることとなる。
【0005】ちなみに、上記カムタイプの内燃機関で
は、機関回転数の低下に伴ってカムシャフトの回転速度
も低下するため、低い機関回転数の領域では吸排気弁の
開閉弁動作も緩やかとなる。
【0006】ところが、電磁駆動弁を搭載する内燃機関
にあって、上述のように高い機関回転数に適合するよう
設定された弁体の変位速度で機関回転数の全領域にわた
って吸排気弁の開閉弁動作を行うようにすると、カムタ
イプの内燃機関と比べて低い機関回転数の領域で排気脈
動に起因する騒音が際だってしまうこととなる。機関回
転数の低下に伴って排気脈動の周期は長くなるにも関わ
らず、排気弁の開弁動作がそのままであることから、カ
ムタイプの内燃機関との比較において、機関回転数が低
くなるほど排気の吐出速度(流速)が(カムタイプのも
のより)相対的に大きくなるためである。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、中低速の機関
回転数領域における排気音を好適に抑制することのでき
る電磁駆動弁を有する内燃機関を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電磁石の電磁力とスプリングの付勢力と
の協働によって、一方の変位端から他方の変位端にかけ
て弁体を往復させることにより開閉弁動作を行う電磁駆
動弁を、排気弁として同一気筒に複数有する内燃機関に
おいて、当該内燃機関の機関回転数に応じて、前記各排
気弁間における相対的な開弁タイミングを変更すること
を要旨とする。
【0009】内燃機関にとって、排気弁動作に要求され
る機能は当該機関の機関回転数によって異なる。例え
ば、高速回転域では、機関出力軸の高速回転動作への追
従性や排気流出の迅速性が要求され、他方、中低速回転
域では、燃焼室から排出される排気の脈動を抑制すべく
緩やかに排気を流出させることが好ましい。その一方、
電磁駆動弁ではその機械的な特質上、弁体の変位速度、
すなわち開閉弁動作にかかる弁体の動作速度を基本的に
は一定に保持するの好ましい。
【0010】同構成によれば、各排気弁間における相対
的な開閉弁タイミングを変更することにより、各弁体の
変位速度そのものを変更することなく、排気流出口の実
質的な開放速度を変化させることができるようになる。
例えば複数の排気弁を同時に開弁させる場合と、タイミ
ングをずらして順次開弁させる場合とを比較すると、後
者の方が、実質上、排気流出口を緩やかに開放すること
となる。
【0011】また、当該内燃機関の機関回転数が低くな
る程、開弁タイミングの最も早い排気弁と、最も遅い排
気弁とのタイミング差を大きくするのがよい。中低速回
転域において、燃焼室から排出される排気は緩やかに流
出させる方が排気脈動を抑制する上で好適であることは
上述した通りである。
【0012】同構成によれば、機関回転数が低くなる
程、実質上、排気流出口を緩やかに開放されることとな
り、排気脈動が好適に抑制される。よって、とくに低中
速回転域での機関運転にかかる静粛性が向上する。
【0013】また、当該内燃機関の機関回転数が所定回
転数以下である場合に、前記各排気弁間における相対的
な開弁タイミングを異ならせることとしてもよい。同構
成によっても、比較的低い機関回転数の領域における排
気脈動が好適に抑制され、同領域での機関運転にかかる
静粛性が向上する。
【0014】なお、以上の各構成は可能なかぎり組み合
わせることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を電磁駆動弁搭載の
内燃機関に適用した一実施の形態について図面を参照し
て説明する。
【0016】図1は、本実施の形態にかかる電磁駆動弁
搭載の内燃機関を概略的に示す構成図である。同図1に
示す内燃機関1は、複数の気筒21を備えるとともに、
吸入行程、圧縮行程、爆発行程及び排気行程の4行程サ
イクルを繰り返して機関出力を得るガソリンエンジンで
ある。
【0017】内燃機関1は、複数の気筒21及び冷却水
路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリ
ンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1
aとを備えている。
【0018】シリンダブロック1bには、機関出力軸で
あるクランクシャフト23が回転自在に支持され、この
クランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に装
填されたピストン22と連結されている。
【0019】ピストン22の上方には、ピストン22の
頂面とシリンダヘッド1aの壁面とに囲まれた燃焼室2
4が形成されている。シリンダヘッド1aには、燃焼室
24に臨むよう点火栓25が取り付けられ、この点火栓
25には、該点火栓25に駆動電流を通電するためのイ
グナイタ25aが接続されている。
【0020】シリンダヘッド1aには、2つの吸気ポー
ト26の開口端と2つの排気ポート27の開口端とが燃
焼室24に臨むよう形成されている。また、各吸気ポー
ト26は、内燃機関1のシリンダヘッド1aに取り付け
られた吸気枝管33の各開口端と連通している。また、
シリンダヘッド1aには、吸気ポート26に噴孔を臨ま
せるように燃料噴射弁32が取り付けられている。燃料
噴射弁32は、加圧ポンプ(図示略)を介し燃料タンク
(図示略)から移送された燃料(ガソリン)を、吸気ポ
ート26内(燃焼室24方向)に噴射供給する。吸気枝
管33は、吸気の脈動を抑制するためのサージタンク3
4に接続されている。サージタンク34には、吸気管3
5が接続され、吸気管35は、吸気中の塵や埃等を取り
除くためのエアクリーナボックス36と接続されてい
る。
【0021】吸気管35には、該吸気管35内を流れる
新気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を出力
するエアフローメータ44が取り付けられている。吸気
管35においてエアフローメータ44より下流の部位に
は、同吸気管35内を流れる吸気の流量を調整するスロ
ットル弁39が設けられている。
【0022】スロットル弁39には、ステップモータ等
からなり印加電力の大きさに応じてスロットル弁39を
開閉弁駆動するスロットル用アクチュエータ40と、ス
ロットル弁39の開度に対応した電気信号を出力するス
ロットルポジションセンサ41と、アクセルペダル42
に機械的に接続され同アクセルペダル42の操作量に対
応した電気信号を出力するアクセルポジションセンサ4
3とが取り付けられている。
【0023】一方、内燃機関1の各排気ポート27は、
シリンダヘッド1aに取り付けられた排気枝管45の各
枝管と連通している。排気枝管45は、排気浄化触媒4
6を介して排気管47に接続され、排気管47は、下流
にて図示しないマフラーと接続されている。
【0024】排気枝管45には、同排気枝管45内を流
れる排気の空燃比、言い換えれば排気浄化触媒46に流
入する排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃
比センサ48が取り付けられている。
【0025】排気浄化触媒46は、例えば、同排気浄化
触媒46に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍の所
定の空燃比であるときに排気中に含まれる炭化水素(H
C)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を浄
化する三元触媒、該排気浄化触媒46に流入する排気の
空燃比がリーン空燃比であるときは排気中に含まれる窒
素酸化物(NOx)を吸蔵し、流入排気の空燃比が理論
空燃比もしくはリッチ空燃比であるときは吸蔵していた
窒素酸化物(NOx)を放出しつつ還元・浄化する吸蔵
還元型NOx触媒、同排気浄化触媒46に流入する排気
の空燃比が酸素過剰状態にあり且つ所定の還元剤が存在
するときに排気中の窒素酸化物(NOx)を還元・浄化
する選択還元型NOx触媒、若しくは上述した各種の触
媒を適宜組み合わせてなる触媒である。
【0026】また、クランクシャフト23の端部に取り
付けられたタイミングロータ51aとタイミングロータ
51a近傍のシリンダブロック1bに取り付けられた電
磁ピックアップ51bとからなるクランクポジションセ
ンサ51は、クランクシャフト23の回転位相に応じた
電気信号を出力することで、クランク角や機関回転数N
Eを把握できるようにする。また、シリンダブロック1
bに取り付けられた水温センサ52は、内燃機関1の内
部に形成された冷却水路1cを流れる冷却水の温度を検
出する。
【0027】一方、吸気ポート26の各開口端は、シリ
ンダヘッド1aに進退自在に支持された電磁駆動弁(吸
気弁)28によって開閉されるようになっており、これ
ら吸気弁28は、シリンダヘッド1aに設けられた電磁
駆動弁機構(以下、吸気側電磁駆動弁機構と記す)30
によって開閉弁駆動されるようになっている。
【0028】また、排気ポート27の各開口端はシリン
ダヘッド1aに進退自在に支持された電磁駆動弁(排気
弁)29により開閉されるようになっており、これら排
気弁29は、シリンダヘッド1aに設けられた電磁駆動
弁機構(以下、排気側電磁駆動弁機構と記す)31によ
って開閉弁駆動されるようになっている。
【0029】ここで、吸気側電磁駆動弁機構30と排気
側電磁駆動弁機構31の具体的な構成について詳述す
る。なお、吸気側電磁駆動弁機構30と排気側電磁駆動
弁機構31とは同様の構成であるため、排気側電磁駆動
弁機構31のみを例に挙げて説明する。
【0030】図2は、排気側電磁駆動弁機構31の内部
構造を概略的に示す側断面図である。同図2に示すよう
に、排気側電磁駆動弁機構31は、シリンダヘッド1a
の頂面から燃焼室24(排気ポート27)にかけて形成
された貫通孔内に、軸体と弁体とを一体として備えた排
気弁29の軸体部分を組み込み、これを貫通孔に沿って
直線的に往復動作(変位動作)させることにより燃焼室
24に臨む排気ポート27の開口端を開閉する。
【0031】先ず、シリンダヘッド1aは、その頂面か
ら燃焼室24に向かって上層部材(アッパヘッド)1
a'、中層部材(ミドルヘッド)1a''、及び下層部材
(ロアヘッド)1a'''が積層された構造を有する。頂
面から排気ポート27にかけて形成される上記の貫通孔
は、これら各層を貫通する3つの孔が連通して形成され
ることとなっている。
【0032】これら3つの孔のうち、アッパヘッド1
a'に形成された孔300Aには、同上層部材1a'の上
下面それぞれの側から第1コア(上段)301及び第2
コア(下段)302が組み込まれる。排気弁29の軸体
(弁軸)29bは、これら第1コア301及び第2コア
302によって取り囲まれた状態で支持され、その上端
部を第1コア301の上面に延出させる。また、第1コ
ア301及び第2コア302間に確保された間隙G1内
には、弁軸29bに周設された弁駆動体(アーマチャ)
305が存在する。このアーマチャ305は、円板状の
軟磁性体からなる。さらに、第1コア301において間
隙G1に臨む部位には、第1の電磁コイル303が埋設
されており、第2コア302において同じくG2に臨む
部位には第2の電磁コイル304が埋設されている。
【0033】アッパヘッド1a'の頂面には、下端部に
フランジを形成する円筒形状のアッパキャップ310
が、第1コイル301を覆うかたちで同フランジを介し
てボルト締着されている。アッパキャップ310の上端
部は、その内径と同等の外径を有する円柱形状の蓋材3
10aによって閉塞されている。蓋材310aは、その
外周面をアッパキャップ310の内周面に螺合すること
によって取り付けられている。アッパキャップ310の
蓋材310a下面には、保持部材310b及び同保持部
材に上端部を保持された第1スプリング306が組み込
まれている。第1スプリング306はその下端部を、弁
軸29bの上端部に固定されたアッパリテーナ311に
当接させ、同アッパリテーナ311(弁軸29b)を燃
焼室24方向に向かって付勢している。
【0034】ミドルヘッド1a''を貫通する孔300B
内では、排気弁29の弁軸29bがアッパヘッド1a'
側、及びロアヘッド1a'''側に延設される二本の軸体
として分離されている。機関運転中、熱膨張により弁軸
29bが伸長することによって弁としてのシール性機能
を悪化させることが、この分離部位の存在によって防止
される。また、分離された両軸体が互いに対峙する部位
において、ロアヘッド側に延設される軸体の端部にはラ
ッシュアジャスタ29cが設けられている。このラッシ
ュアジャスタ29cは他方の軸体の端部に設けられたキ
ャップ29dとともに、孔300B内に確保された所定
空間G2に収容されることとなる。ラッシュアジャスタ
29cは、排気弁29が全閉状態(最小リフト量)とな
ったときにのみ油路P1を通じて供給されるオイルの油
圧の作用を介して、その内部に設けられたプランジャを
キャップ29dに向かって押し出す機能を有する周知の
機構である。このラッシュアジャスタの働きにより両軸
体間のあそび(クリアランス)がなくなり両軸体が好適
に連動することとなる。
【0035】ミドルヘッド1a''の孔300Bの一部
(下部)は、これと連通するロアヘッド1a'''の孔3
00Cの一部(上部)と併せて、ラッシュアジャスタ2
9cよりも大きな内径を有する円柱形状のスプリング収
容空間G3を形成している。スプリング収容空間G3の
底面には、第2スプリング307が組み込まれている。
第2スプリング307はその上端部を、弁軸29bに周
設固定されたロアリテーナ312に当接させ、同ロアリ
テーナ312(弁軸29b)をアッパキャップ310方
向に向かって付勢している。
【0036】スプリング収容空間G3につづき、同収容
空間G3の内径より小さな内径を有する孔が、同収容空
間G3の底面から排気ポート27まで貫通する。このス
プリング収容空間G3の底面から排気ポート27まで貫
通する孔の内周には、筒状のバルブガイド201が固定
されている。この筒状のバルブガイド201は、弁軸2
9bのうち、およそスプリング収容空間G3の底面から
吸気ポート26に亘る部分を軸方向に沿って進退自在に
支持する。
【0037】弁軸29bの下端(排気ポート側端部)に
固定された弁体29aは、燃焼室24における排気ポー
ト26の開口端に設けられた弁座200に着座もしくは
離座することによって排気ポート27の開閉を行う。
【0038】なお、弁軸29bの軸方向の長さは、アー
マチャ305が所定の間隙G1において第1コア301
と第2コア302との中間位置に保持されているとき、
すなわちアーマチャ305が中立状態にあるときに、弁
体29aが全開側変位端と全閉側変位端との中間の位置
(以下、中開位置と記す)に保持されるよう設定されて
いるものとする。
【0039】このように構成された排気側電磁駆動弁機
構31では、第1の電磁コイル303及び第2の電磁コ
イル304へ励磁電流(指示電流)が通電されていない
場合は、アーマチャ305が中立状態となり、それに伴
って弁体29aが中開位置に保持される。
【0040】排気側電磁駆動弁機構31の第1の電磁コ
イル303に励磁電流が通電されると、第1コア301
と第1の電磁コイル303とアーマチャ305との間に
は、アーマチャ305を第1コア301側へ変位させる
方向の電磁力が発生する。
【0041】一方、排気側電磁駆動弁機構31の第2の
電磁コイル304に指示電流が通電されると、第2コア
302と第2の電磁コイル304とアーマチャ305と
の間には、アーマチャ305を第2コア302側へ変位
させる方向の電磁力が発生する。
【0042】すなわち排気側電磁駆動弁機構31では、
第1の電磁コイル303と第2の電磁コイル304とに
交互に指示電流が通電されることにより、両電磁コイル
303,304の電磁力とスプリング306,307の
付勢力(バネ力)とが協働してアーマチャ305を進退
させる。もって弁体29aが開閉弁駆動されることにな
る。このとき、スプリング306,307のバネ力によ
ってアーマチャ305や弁体29aに固有振動が発生し
ているところに、電磁コイル303,304に対する指
示電流の通電タイミングや通電量の変更が加味されるこ
とにより、排気弁29の開閉弁タイミング(バルブタイ
ミング)や開弁量を制御することが可能となる。
【0043】なお、本実施の形態にかかる内燃機関1
は、各気筒21上に排気側電磁駆動弁機構31を2体ず
つ備える他、吸気弁28を駆動して吸気ポート26の開
口端を開閉すべく、これら排気側電磁駆動弁機構31と
ほぼ同等の構造及び機能を有する吸気側電磁駆動弁機構
30を同じく2体ずつ備えている。
【0044】図3には、内燃機関1に備えられた各気筒
21(燃焼室24)に連通する吸気ポート26及び排気
ポート27それぞれの開口端の配置関係を概略的に示す
上視図である。ちなみに、内燃機関1に備えられた全て
の気筒21について、吸気ポート26及び排気ポート2
7それぞれの開口端の配置関係は略同一であるものとす
る。
【0045】同図3に示すように、本実施の形態にかか
る内燃機関1では、気筒21の頂面に向かって吸気ポー
ト26の開口端と、排気ポート27の開口端とが各々2
つずつ並列して配設される。また、吸気ポート26の各
開口端と、排気ポート27の各開口端との直上には、各
開口端に対応する吸気側電磁駆動弁機構30(便宜上、
30A,30Bとして区別する)、若しくは排気側電磁
駆動弁機構31(同じく便宜上、31A,31Bとして
区別する)が取り付けられる。
【0046】以上のように構成された内燃機関1には、
同内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御ユニ
ット(Electronic Control Unit:ECU、以下ECU
と記す)20が併設されている(図1参照)。
【0047】ECU20には、吸気側振動センサ30
a、排気側振動センサ31a、スロットルポジションセ
ンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフロー
メータ44、空燃比センサ48、クランクポジションセ
ンサ51、水温センサ52等の各種センサが電気配線を
介して接続され、各センサの出力信号がECU20に入
力されるようになっている。
【0048】ECU20には、イグナイタ25a、吸気
側電磁駆動弁機構30、排気側電磁駆動弁機構31、燃
料噴射弁32等が電気配線を介して接続されており、E
CU20は、各種センサの出力信号値をパラメータとし
てイグナイタ25a、燃料噴射弁32、吸気側電磁駆動
弁機構30、排気側電磁駆動弁機構31等を各種駆動回
路30b,31b等を介して駆動制御する。
【0049】また、ECU20は、図4に示すように、
双方向性バス400によって相互に接続されたCPU4
01とROM402とRAM403とバックアップRA
M404と外部入力回路405と外部出力回路406と
を備えた論理演算回路として構成されている。
【0050】外部入力回路405は、吸気側振動センサ
30a、排気側振動センサ31a、スロットルポジショ
ンセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフ
ローメータ44、空燃比センサ48、クランクポジショ
ンセンサ51、水温センサ52等各種センサの出力信号
をCPU401やRAM403へ送信する。
【0051】外部出力回路406は、CPU401から
出力される制御信号をイグナイタ25a、燃料噴射弁3
2、吸気側電磁駆動弁機構30、或いは排気側電磁駆動
弁機構31の各種駆動回路30b,31b等へ送信す
る。
【0052】RAM403は、各センサの出力信号に関
するデータ、例えばクランクポジションセンサ51の出
力信号に基づいて算出される機関回転数NEといったC
PU401の演算結果等を記憶する。RAM403に記
憶される各種のデータは、クランクポジションセンサ5
1が信号を出力する度に最新のデータに書き換えられ
る。
【0053】バックアップRAM404は、内燃機関1
の運転停止後もデータを保持する不揮発性のメモリであ
る。ROM402は、燃料噴射量を決定するための燃料
噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定するための燃
料噴射時期制御ルーチン、各気筒21の点火栓25の点
火時期を決定するための点火時期制御ルーチン、スロッ
トル弁39の開度を決定するためのスロットル開度制御
ルーチン等、周知の各種アプリケーションプログラム
や、制御マップ等を記憶している。
【0054】また、ROM402は、吸気弁28を所望
の動作タイミングや動作速度をもって開閉弁駆動するた
めの(吸気弁)開弁量制御ルーチンや、排気弁29をこ
れも所望の動作タイミングや動作速度をもって開閉弁駆
動するための(排気弁)開弁量制御ルーチンを記憶して
いる。上述した各電磁駆動弁機構30,31の開閉弁駆
動は、これら制御ルーチンに従ってECU20が出力す
る指令信号に基づいて行われる。
【0055】ここで、ECU20が駆動回路30b、3
1bを介して行う各電磁駆動弁機構30、31の駆動制
御について、排気側電磁駆動弁機構31を例にとって説
明する。
【0056】図5(a)〜(c)は、排気側電磁駆動弁
機構31に取り付けられた排気弁29が閉弁状態から開
弁状態に移行する際、そのリフト量(図5(a))、第
2の電磁コイル304への通電される指示電流の電流値
(図5(b))、及び第1の電磁コイル303(図5
(c))へ通電される指示電流の電流値がどのように変
化するのか、それぞれの変化態様を同一時間軸上に示す
タイムチャートである。
【0057】先ず、図5(a)に示すように、アーマチ
ャ305が第1の電磁コイル303に当接(着座)した
状態(最小リフト量)にある排気弁29が、所定のタイ
ミングで遷移(変位)を開始する。そして或る程度まで
加速した後に所定の速度をもって上昇し、その後除々に
減速して開弁状態になったところ(最大リフト量)で停
止する。ちなみに、排気弁29が閉弁位置(最小リフト
量)に達する際には、弁体29aが気筒21内の弁座へ
到達(着座)するのとほぼ同時に、アーマチャ305が
第1の電磁コイル303へ到達(着座)する。
【0058】次に図5(b)に示すように、排気弁29
を動作させるべく駆動回路31bを介して第2の電磁コ
イル304に通電される指示電流の電流波形は、比較的
大きな電流値I1を所定時間継続し、一旦電流値I2ま
で下げ、次に比較的小さな電流値I3を所定時間継続し
て、その後さらに小さな電流値I4を保持するといった
ものとなる。
【0059】一方、図5(c)に示すように、第1の電
磁コイル303に通電する電流は、排気弁29の開弁動
作が開始される直前まで所定の電流値I5に保持する。
この状態から同電流値I5を電流値I6まで降下させ、
逆方向へ電流を流すことで排弁29の開弁動作が開始さ
れる。電流値I6は、その後さらに所定の電流値I7
(「0」値であるのが好適である)に切り替わる。
【0060】すなわち、両電磁コイル303,304に
全く通電が行われていない状態でも、アーマチャ305
を中立状態に保持するスプリングの付勢力が働いてい
る。このため、排気弁29を閉弁状態に保持するには、
所定値I5の電流(保持電流)が第1の電磁コイル30
3に通電されている必要がある。この保持電流の通電が
中断されることで(時刻t0)、スプリングの付勢力が
アーマチャ305を中立状態に復元させる力として作用
し、開弁動作が開始される。その後、時刻t1において
第2の電磁コイル304に所定量I1の電流が通電され
ることで、開弁動作が加速される。その後、一旦電流値
を所定値I2まで降下させることによって排気弁29は
減速し、弁体29a及びアーマチャ305がなめらかに
着座する(時刻tc)。着座の直前及び直後には、電流
値I2よりもやや大きな電流値I3をもって通電が行わ
れる。その後は、アーマチャ305を中立状態に復元さ
せるスプリングの付勢力にうち勝つだけの吸引力を第2
の電磁コイル304に与える所定値I4の電流(保持電
流)の通電が次回の閉弁動作の開始まで持続されること
となる。
【0061】閉弁動作に関しては、第1の電磁コイル3
03への通電が上記閉弁動作における第2の電磁コイル
304への通電と同様の態様で実行される一方、第2の
電磁コイル304への通電が上記閉弁動作における第1
の電磁コイル303への通電と同様の態様で実行され
る。
【0062】また、吸気側電磁機構30への通電態様と
吸気弁28の動作態様との関係も、上述した排気側電磁
機構31に関するものと同様である。このため、ここで
の詳しい説明は割愛する。
【0063】次に、上記排気弁29の開閉弁動作に関
し、両電磁コイル303,304への通電量を制御すべ
くECU20によって行われる制御手順の概要につい
て、フローチャートを参照して説明する。
【0064】図6には、第1の電磁コイル303及び第
2の電磁コイル304へ供給される指示電流について、
その電流量(電流値)、通電タイミング、及び通電時間
を含めた電流の波形を決定するための「開弁量制御ルー
チン」を示す。
【0065】同ルーチンは、ECU20を通じて内燃機
関1の始動と同時にその実行が開始されるとともに、所
定時間毎に周期的に実行される。同ルーチンに処理が移
行すると、ECU20は先ず、ステップS1において、
排気弁29に対する開弁要求、若しくは閉弁要求が生じ
ているか否かを判断する。そして、この判断が肯定であ
る場合には続くステップS2に移行し、否定である場合
には本ルーチンを一旦抜ける。
【0066】ステップS2においては、機関回転数NE
に基づいて、現在の機関運転状態がどの機関回転数領域
にあるのかを特定する。本実施の形態では、機関回転数
NEが予め設定された所定の機関回転数NE1を上回っ
ている場合には高速回転域、所定の機関回転数NE1以
下である場合には中低速回転域にあると認識するものと
する。またこの他、同ステップS2においてECU20
は、例えば機関負荷等運転状態を代表する他のパラメー
タの認識も行う。
【0067】続くステップS3においては、上記ステッ
プS2で認識した機関回転数領域や、運転状態を代表す
る他のパラメータに基づいて、目標となる開弁タイミン
グ若しくは閉弁タイミングや弁体29aの変位速度を含
めた各排気弁29の動作態様を設定する。
【0068】ここで設定された各排気弁29の動作態様
を実現すべく、後続のステップS4においては、駆動対
象となる各排気弁29(作動弁)について指示電流の電
流波形を決定する。なお、ここでいう指示電流の電流波
形とは、先の図5において説明した電流値I0,I1,
I2,I3,I4,I5,I6及びI7の大きさや通電
開始タイミング、さらに当該各電流値間の切り替えタイ
ミング等を意味する。
【0069】そして、続くステップS5において、各排
気側電磁駆動弁機構31に対し、決定された電流波形か
らなる指示電流を駆動回路31b(図4参照)を通じ供
給することとなる。
【0070】上記処理手順に基づき、本ルーチンでは、
内燃機関1の各気筒21上に設けられた個々の排気側電
磁駆動弁機構31に排気弁29の開閉弁動作を実行させ
る。なお、各吸気側電磁機構30については、同一気筒
上の各機構30によって駆動される吸気弁28が、機関
回転数NEに関わらず相互に同一のタイミングで開弁動
作を行うこととなる他は、上記「開弁量制御ルーチン」
と略同様の制御ロジックに従って駆動制御されることと
なる。
【0071】ところで、上記各排気弁29に関する「開
弁量制御ルーチン」において、ステップS3で排気弁2
9の開弁タイミングを設定するにあたり現在の運転状態
が高速回転域にある場合には、同一気筒21上に設けら
れた排気側電磁駆動弁機構31A,31B(図3参照)
は同一タイミングで開閉弁駆動する。一方、現在の運転
状態が低中速回転域にある場合には、同一気筒21上に
設けられた排気側電磁駆動弁機構31A,31Bを異な
るタイミングで開閉弁駆動することとなる。
【0072】例えば図7は、現在の運転状態が低中速回
転域にあるとECU20が認識した場合、排気側電磁駆
動弁機構31A,31Bによって駆動される各排気弁2
9がどのような変化態様で開閉弁動作を行うこととなる
のか、各々のリフト量推移を示すタイムチャートであ
る。なお、同図中、実線Aは排気側電磁駆動弁機構31
Aに駆動される排気弁29のリフト量推移を示し、一点
鎖線Bは排気側電磁駆動弁機構31Bに駆動される排気
弁29のリフト量推移を示す。また、制御対象となる各
電磁駆動弁機構31(31A,31B)が設けられた気
筒21について、そのクランクシャフト23の回転位相
が下死点及び上死点にあるタイミングを、それぞれBD
C(下死点)及びTDC(上死点)として時間軸(横
軸)上に示す。
【0073】同図7に示すように、各機構31A,31
Bによって駆動される排気弁が、相互に異なるタイミン
グで開弁動作し、所定時間最大リフト量を維持した後、
今度は同一タイミングで閉弁動作を行うこととなってい
る。
【0074】ちなみに、同一の条件下において、好適な
運転状態の維持に要求される排気流出の態様を、両機構
31A,31Bが同一タイミングで排気弁を開弁動作す
ることで達成する場合には、両機構31A,31Bの排
気弁は、共に破線で示されるリフト量推移を示すことと
なる。この場合、機関回転数NEに見合った好適な運転
状態は確保されるものの、運転状態が中低速回転域にあ
るにも関わらず、高速回転域である場合と同等の態様
で、排気ポート27の開口端が急速に開放されることと
なる。このため、燃焼室24から吸気ポート27への排
気の急激な吐出が生じ、中低速回転域でありながら排気
騒音が際だってしまう。さらに、中低速回転域特有の排
気脈動が、この開口端の急な開放によって一層助長され
てしまうこととなる。
【0075】この点、本実施の形態によれば、各排気弁
29の開弁タイミングを相互に異ならせることにより、
先ず、一方の排気弁29の開弁動作を開始させ、その開
弁量がある程度まで達したところで他方の排気弁29の
開弁動作を開始させるといった制御を行うこととなる。
そしてこのような制御態様により、実質上、排気ポート
27の開口端を緩やかに開放することと同等の効果が得
られ、排気の急激な吐出が抑制される。
【0076】従って、中低速回転域における排気脈動が
好適に抑制されて排気騒音の最小化が図られ、もって機
関運転にかかる静粛性が向上することとなる。また、こ
うした効果を得るために、電磁駆動弁の動作速度(弁体
の変位速度)を変更することもないため、スプリングの
バネ力によって生じる固有振動により弁体の基本動作が
決定づけられる電磁駆動弁にとっては、その制御にかか
る信頼性や制御構造の簡易性においても優位性がある。
【0077】なお、本実施の形態では、上記「開弁量制
御ルーチン」(図6)において説明したように、機関回
転数NEが予め設定された所定の機関回転数NE1以下
であれば現在の運転状態が中低速回転域にあるとECU
20が認識し、同一気筒上の2本の排気弁29の開弁タ
イミングを異ならせる制御を実行することとした。これ
に対し、基準となる機関回転数NEを複数設定する等し
て、両排気弁29間の相対的な開弁タイミングを、現在
の機関回転数NEに応じて複数段階、或いは無段階に変
更することとしてもよい。この場合、機関回転数NEが
低くなるほど、両排気弁29相互間における開弁タイミ
ングのタイミング差は、大きくなるように設定してお
く。また、単に機関回転数NEのみによって、一義的に
両排気弁29の相対的なタイミングを変更する旨や、そ
のタイミング差を決定するばかりでなく、機関負荷や冷
却水の温度等を加味することにより、現在の運転状態か
ら推定される排気脈動の振幅や周波数に応じて、各排気
弁29の相対的なタイミングを制御することとしてもよ
い。
【0078】また、本実施の形態にかかる内燃機関1の
ように、同一気筒上に吸気弁28及び排気弁29が2本
ずつ設けられたものに限らず、例えば3本以上の排気弁
を有する内燃機関に本発明を適用することもできる。こ
の場合、各弁の相対的な開弁タイミングを適宜制御すれ
ばよいが、少なくとも、開弁タイミングを最も早くする
排気弁と、開弁タイミングを最も遅くする排気弁とを決
め、両者間における開弁タイミングのタイミング差を機
関回転数NEに応じて制御することとすれば、本実施の
形態と同等若しくはこれに準ずる効果を奏することはで
きる。
【0079】また、単気筒から構成されるか、複数気筒
から構成されるかに関わらず、また同じ複数気筒から構
成される内燃機関にしても、搭載気筒数に関わらず、同
一気筒上に少なくとも複数の電磁駆動弁を排気弁として
有する内燃機関であれば、上記排気弁に関する「開弁量
制御ルーチン」の制御ロジックを適用して本実施の形態
と同等若しくはこれに準ずる効果を得ることができる。
例えば排気弁のみを電磁駆動弁として備え、吸気弁をカ
ムシャフトの回転によって開閉弁駆動するものに本発明
を適用することもできる。
【0080】また、本実施の形態で採用することとした
各電磁駆動弁機構30,31は、アーマチャの変位する
両変位端にそれぞれ電磁コイルを備えるとともに、これ
とは別途に、2本のスプリングがアーマチャを中立位置
に保持べく互いに対向する方向に向かって各リテーナ3
11、312を付勢する構成を有している。これに対
し、アーマチャの変位方向に沿って、一方の側からのみ
スプリングが弁若しくは弁と連動する部材を付勢すると
ともに他方の側にはアーマチャの変位動作を規制する規
制部材を設け、さらに、スプリングの付勢力と対向する
方向のみに向かってアーマチャに吸引力が作用するよう
に電磁石を配設するよう各電磁駆動弁機構を構成しても
よい。
【0081】また、本実施の形態にかかる電磁駆動弁機
構31(30)では、弁軸29bを2本の軸体に分離
し、分離された両軸体間にラッシュアジャスタ機構を備
えることとした。これに対し、こうしたラッシュアジャ
スタ機構を設けることなく、単に弁軸を2つの軸体に分
離し、分離された両軸体の端部が適宜互いに当接するの
みの構成としてもよい。さらに、分離部位自体をとくに
設けることなく、弁軸を一本の軸体として形成してもよ
い。
【0082】また、本実施の形態で採用することとした
内燃機関1は、吸気経路(吸気ポート)に燃料を噴射供
給するいわゆる4サイクルガソリンエンジンであるが、
各気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁32を具備し
たエンジンや、ディーゼルエンジン、さらには、2サイ
クルエンジンといった他の内燃機関にも本発明を適用す
ることはできる。
【0083】とくに、本実施の形態にかかる電磁駆動弁
機構30,31のように、高い精度をもって吸気弁や排
気弁の動作を制御することができる電磁駆動弁機構を搭
載した内燃機関1では、スロットル弁39を設けずに、
吸気弁や排気弁の開閉弁操作のみをもって当該内燃機関
1を運転させるシステム構成(いわゆるスロットルレス
・システム)を適用することとしてもよい。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、各排気弁間における相
対的な開閉弁タイミングを変更することにより、各弁体
の変位速度そのものを変更することなく、排気流出口の
実質的な開放速度を変化させることができるようにな
る。
【0085】また、機関回転数が低くなる程、実質上、
排気流出口を緩やかに開放されることとなり、排気脈動
が好適に抑制され、とくに低中速回転域での機関運転に
かかる静粛性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電磁駆動弁を有する内燃機関の
一実施の形態を示す概略構成図。
【図2】同実施の形態に採用される排気側電磁駆動弁機
構の内部構造を示す側断面図。
【図3】同実施の形態にかかる内燃機関の各気筒上にお
いて、吸気ポート及び排気ポートの配置関係を概略的に
示す上視図。
【図4】同実施の形態に採用されるECUの電気的構成
を示すブロック図。
【図5】排気弁が閉弁状態から開弁状態に移行する際の
リフト量、及び各電磁コイルに通電される指示電流の変
化態様を示すタイムチャート。
【図6】同実施の形態にかかる開弁量制御手順を示すフ
ローチャート。
【図7】低中速回転域における同一気筒上の各排気弁の
リフト量推移を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1 内燃機関 1a シリンダヘッド 1b シリンダブロック 1c 冷却水路 20 ECU 21 気筒 23 クランクシャフト 24 燃焼室 25 点火栓 25a イグナイタ 26 吸気ポート 27 排気ポート 28 吸気弁 29 排気弁 29a 弁体 29b 弁軸 29c ラッシュアジャスタ 29d キャップ 30 吸気側電磁駆動弁機構 30b 駆動回路 31 排気側電磁駆動弁機構 31b 駆動回路 32 燃料噴射弁 33 吸気枝管 34 サージタンク 35 吸気管 39 スロットル弁 40 スロットル用アクチュエータ 41 スロットルポジションセンサ 42 アクセルペダル 43 アクセルポジションセンサ 44 エアフローメータ 45 排気枝管 46 排気浄化触媒 47 排気管 48 空燃比センサ 51a タイミングロータ 51b 電磁ピックアップ 52 水温センサ 200 弁座 201 バルブガイド 301 第1コア 302 第2コア 303 第1の電磁コイル 304 第2の電磁コイル 305 アーマチャ 306 第1スプリング 307 第2スプリング 311 アッパリテーナ 312 ロアリテーナ 400 双方向性バス 401 CPU 402 ROM 403 RAM 404 バックアップRAM 405 外部入力回路 406 外部出力回路
フロントページの続き (72)発明者 田中 正明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 四重田 啓二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G018 AA05 BA38 CA12 DA34 EA02 EA03 FA07 GA32 3G092 AA01 AA05 AA11 DA01 DA02 DA07 DA14 DG02 DG09 EA03 EA04 EA09 FA14 GA05 HA01Z HA06Z HA13X HE01Z HE03Z HE08Z HF08Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁石の電磁力とスプリングの付勢力と
    の協働によって、一方の変位端から他方の変位端にかけ
    て弁体を往復させることにより開閉弁動作を行う電磁駆
    動弁を、排気弁として同一気筒に複数有する内燃機関に
    おいて、 当該内燃機関の機関回転数に応じて、前記各排気弁間に
    おける相対的な開弁タイミングを変更することを特徴と
    する電磁駆動弁を有する内燃機関。
  2. 【請求項2】 当該内燃機関の機関回転数が低くなる
    程、開弁タイミングの最も早い排気弁と、最も遅い排気
    弁とのタイミング差を大きくすることを特徴とする請求
    項1記載の電磁駆動弁を有する内燃機関。
  3. 【請求項3】 当該内燃機関の機関回転数が所定回転数
    以下である場合に、前記各排気弁間における相対的な開
    弁タイミングを異ならせることを特徴とする請求項1又
    は2記載の電磁駆動弁を有する内燃機関。
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