JP2001240928A - Ni基合金 - Google Patents
Ni基合金Info
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Abstract
くことなしに、材料価格を大幅に低減すると共に、海生
生物防汚性を格段に向上させる。 【解決手段】 質量百分率でCu:15.0%を超え、35.0%
以下、Be:1.30〜1.80%およびTi:0.10〜1.00%を含有
し、残部は実質的にNiの組成とする。
Description
ッグや消火用スプリンクラーの接点バネ等の高温バネ材
料やゴルフクラブヘッドとして、また海洋向けの耐食材
料や海生生物防汚材としての用途に用いて好適な、強度
および耐熱性、さらには海生生物防汚性に優れたNi基合
金に関し、特にその有用特性の劣化を招くことなしに、
材料価格の有利な低減を図ったものである。
クラーの接点バネ等の高温バネ材料やゴルフクラブヘッ
ドなどの使途に有用な時効硬化型合金として、いわゆる
Ni−Be二元系合金が良く知られている。しかしながら、
この合金は、所望特性を得る必要上、高価なNiをベース
とする合金であり、しかも同様に高価な元素であるBeを
1.5〜2.5mass %程度含有させることが不可欠であるた
め、どうしても材料価格が高価になる欠点があつた。
に匹敵し、しかもBe量を低減することによって材料価格
を低減させる試みが、従来から種々なされている。例え
ば、特開昭39−22492 号公報および特開昭48−34023 号
公報には、Ni−Be二元合金中に、Ti, Ta, V, Znおよび
Mg等を含有させた合金が、また特開平8−260082号公報
には、Ni−Be−Ti三元合金中に、MgやMnを添加した合金
が提案されている。しかしながら、上記した合金はいず
れも、添加元素の実質的な添力量が少ないため、機械的
特性は改善されるにしても、材料価格の低減にはつなが
らないところに問題を残していた。
材として、Be−Cu合金が優れていることが知られている
が、このBe−Cu合金は、高速流動海水下での耐食性につ
いては十分といえず、その改善が望まれていた。
状に鑑み開発されたもので、上記したNi−Be−Ti三元系
合金と同程度の引張強さおよび応力緩和特性を維持しつ
つ、しかもNi−Be−Ti三元系合金に比べて材料価格が格
段に安く、さらには高速流動海水下においても優れた耐
食性と海生生物防汚性を有するいNi基合金を提案するこ
とを目的とする。
べく、Ni−Be二元合金に対して、材料価格が比較的安い
種々の元素の添加を試みた。その結果、CuおよびTiの複
合添加が極めて有効であることの知見を得た。すなわ
ち、Ni−Be二元合金に多量のCuを含有させ、その分Ni量
を減少させることによって材料価格の大幅な低減が達成
されること、他方、Cuの多量添加に伴う引張強さや応力
緩和特性の低下については、少量のTiを添加することに
よって補償できることの知見を得た。また、かかる合金
系では、Feを微量に添加することにより、結晶粒が微細
化して製造が容易になると共に、機械的特性が一層向上
することも、併せて見出した。さらに、かような合金系
は、耐食性を兼ね備える海生生物防汚材としても極めて
有用であることの知見を得た。本発明は、上記の知見に
立脚するものである。
超え、35.0mass%以下、Be:1.30〜1.80mass%およびT
i:0.10〜1.00mass%を含有し、残部は実質的にNiの組
成になるNi基合金(第1発明)である。
え、35.0mass%以下、Be:1.30〜1.80mass%、Ti:0.10
〜1.00mass%およびFe:0.50mass%以下を含有し、残部
は実質的にNiの組成になるNi基合金(第2発明)であ
る。
て、合金成分であるCuおよびBeの原料として、ベリリウ
ム−銅合金を用いることが、材料価格の低減を図る上で
一層好ましい。
硬化能が高まることは、例えば特開平8−260082号公報
等において公知であり、代表的な成分系としてNi−1.8B
e −0.5 Ti等が知られている。しかしながら、上記した
ような従来例は、Ni−Be二元系合金に第三元素を添加し
た場合に限られていて、本発明のように、Ni−Be二元合
金にCuを多量に添加することによってNiの含有量を大幅
に下げ、材料価格の低減を図った場合、他元素の添加が
どのような影響を及ぼすかについては全く未知であっ
た。
を添加させ、Ni量を大幅に減少させることによって材料
価格を格段に低減させる一方、Cuの多量添加に伴う引張
強さ・応力緩和特性の低下については、少量のTiの添加
によって補償するものであり、かくして引張強さや硬度
等の機械的特性がNi−Be−Ti三元系合金と同等で、かつ
応力緩和特性にも優れたNi基合金を低価格で得ることに
成功したものである。
耐食性を備えるのはいうまでもなく、Cuを多量に含有さ
せることによって海生生物防汚性の有利な向上も併せて
実現したものである。
の組成範囲を上記の範囲に限定した理由について説明す
る。 Cu:15.0mass%を超え、35.0mass%以下 Cuは、Ni−Be二元合金に対し比較的多量に添加しても強
度や耐熱性等の特性をさほど劣化させず、一方海生生物
防汚性はCuの添加によって大幅に向上し、しかもNiに比
べると材料価格がはるかに安いので、Niの代替成分とし
て含有させるが、含有量が35.0mass%を超えると引張強
さが低下するだけでなく耐食性が劣化し、一方15.0mass
%以下では添加による材料価格の引き下げ効果が小さく
なると共に海生生物防汚性の劣化を招くので、Cu量は1
5.0mass%を超え、35.0mass%以下の範囲に限定した。
より好ましくは16.0〜30.0mass%である。
応力緩和特性や耐食性の改善にも有用な元素であるが、
含有量が1.30mass%に満たないとその添加効果に乏し
く、一方1.80mass%を超えると材料価格の引き下げ効果
が小さくなるので、Be量は1.30〜1.80mass%の範囲に限
定した。
性の劣化を補償する有用元素であるが、含有量が0.10ma
ss%未満では時効効果能の助長効果に乏しく、一方1.00
mass%を超えると引張強さや硬度の低下を招くので、Ti
量は0.10〜1.00mass%の範囲に限定した。
に、機械的特性を向上させる有用元素であるが、含有量
が 0.5mass%を超えるとその効果は飽和に達するので、
Feは0.50mass%以下で含有させるものとした。
の材料価格はBeが一番高く、Niの価格を 1.0とすると約
100倍にもなる。この点、Beの原料として、上記したよ
うな高価な純Beではなく、例えば4%Be−Cu合金を利用す
ると、その価格はNiの約31倍程度にすぎないから、純Be
を用いた場合に比べて、Beの価格を約1/3 に低減するこ
とができる。従って、材料価格の低減を図る上では、Be
の原料として、安価なベリリウム−銅合金を用いること
が一層有利である。
て説明する。まず、溶解・鋳造によって鋳塊を造り、熱
間鍛造や熱間圧延等の熱間加工によって、目的とする製
品の粗形に成形する。ついで、最終製品に近い形状まで
中間成形し、必要に応じて仕上げ加工(冷間圧延)を施
したのち、 950〜1080℃, 3分〜3時間程度の溶体化処
理を施し、ついで 450〜650 ℃, 1〜4時間程度の時効
処理により、本合金の強さ・硬度を上昇させて、最終製
品とする。なお、海洋材料として利用する場合には、溶
体化処理状態、さらには仕上げ加工状態での使用も可能
である。
解し、鋳造したのち、溶体化処理と冷間圧延を繰り返し
て、0.25mm厚の板材とした。ついで、最終溶体化処理と
して、1050℃で1時間加熱後、水中冷却する処理を行
い、さらに20%の冷間圧延を行ったのち、 450℃, 2時
間の時効処理を施して製品とした。かくして得られた製
品板の硬度、引張強さ、 0.2%耐力および応力緩和特性
について調べた結果を、表2に示す。
0.2%耐力の75%を最大曲げ応力として作用させ、 200
℃で 100時間保持後に曲げ荷重を解除し、その時の永久
変形量を測定し、応力残留率に換算して、求めた。ま
た、この特性は、試料を圧延方向に打ち抜いたものにつ
いて評価した。なお、No.1〜12は適合例、また No.13〜
24は比較例(なお No.13の比較例1は従来のNi−Be−Ti
三元合金)である。
れた適合例はいずれも、Ni−Be−Ti三元合金と同程度の
特性が得られている。これに対し、比較例2のように、
Ni−Be二元合金に単にCuを添加しただけの場合には、Be
の析出効果能が小さく、あまり析出硬化を期待し得ない
ので、機械的特性が低下する。これに対し、本発明に従
い、Tiを少量添加すると、Cuの添加により小さくなった
析出硬化能が回復し、機械的特性がNi−Be−Ti三元合金
と同等になる(適合例1〜6)。さらに、Feを微量添加
すると、諸特性の一層の向上を図ることができる(実施
例7〜12)。
用する成分の各金属単価は表3に示すとおりである(な
お、表3では、各金属単価について、Niの単価を 1.0と
して相対的に示してある)。
1.8Be −0.5 Ti合金について、表3の価格表に従って材
料価格を求めると、その指数は2.74(Ni単価:1.0 を基
準とする)となる。これに対し、本発明の合金系におけ
る最高額および最低額は次のとおりであり、おおよそ原
料価格を4〜24%低減することができる。 最高額 Ni−1.8Be −0.5 Ti−15Cu合金 指数:2.63 最低額 Ni−1.8Be −0.5 Ti−35Cu合金 指数:2.08
用すると、最高額および最低額は次のとおりであり、 最高額 Ni−1.8Be −0.5 Ti−15Cu合金 指数:1.45 最低額 Ni−1.8Be −0.5 Ti−35Cu合金 指数:1.19 であり、この場合には原料価格を約47〜57%程度低減す
ることができる。
体化処理、さらには時効処理を施して厚み:2.0 mm、
幅:15mm、長さ:40mmの試験片を作製したのち、人工海
水を用いた流動海水腐食試験に供し、流動海水下での耐
食性について調査した。試験条件は次のとおりである。 (1) 試験液:人工海水(ジャマリン) (2) 流速:1.5, 2.8, 6.0 m/s (3) 温度:約40℃ (4) 試験日数:100 日 なお、耐食性は、腐食試験前後における重量変化で評価
した。得られた結果を表5に示す。
いずれも、従来のBe−Cu合金(A−1)およびBe−Ni合
金(BB−1)に比べ、流動海水下においても極めて優
れた耐食性を示すことが分かる。特に時効処理材では、
Be−Ni合金に比較してCuを添加した方が腐食減量が少な
く、より優れた耐食性が得られることが分かる。
mm、長さ:300 mmの寸法の溶体化処理後の試験片を、自
然海水中に浸漬し、1年間放置した後の海生生物付着状
況について観察した。その結果を表6に示す。
Be−Cu系合金は、従来のBe−Ni合金と比較して、海生生
物防汚性が格段に向上していることが分かる。
−Be−Ti三元系合金と比較して、基本特性の劣化を招く
ことなしに、材料価格を大幅に低減することができ、さ
らには海生生物防汚性を格段に向上させることができ、
産業上極めて有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】Cu:15.0mass%を超え、35.0mass%以下、 Be:1.30〜1.80mass%および Ti:0.10〜1.00mass% を含有し、残部は実質的にNiの組成になるNi基合金。
- 【請求項2】Cu:15.0mass%を超え、35.0mass%以下、 Be:1.30〜1.80mass%、 Ti:0.10〜1.00mass%および Fe:0.50mass%以下 を含有し、残部は実質的にNiの組成になるNi基合金。
- 【請求項3】 請求項1または2において、合金成分で
あるCuおよびBeの原料として、ベリリウム−銅合金を用
いたことを特徴とするNi基合金。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000292328A JP3711007B2 (ja) | 1999-12-24 | 2000-09-26 | Ni基合金 |
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JP11-366499 | 1999-12-24 | ||
JP2000292328A JP3711007B2 (ja) | 1999-12-24 | 2000-09-26 | Ni基合金 |
Publications (2)
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---|---|
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JP3711007B2 JP3711007B2 (ja) | 2005-10-26 |
Family
ID=26581802
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000292328A Expired - Lifetime JP3711007B2 (ja) | 1999-12-24 | 2000-09-26 | Ni基合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3711007B2 (ja) |
-
2000
- 2000-09-26 JP JP2000292328A patent/JP3711007B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3711007B2 (ja) | 2005-10-26 |
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