JP2001240434A - サーモクロミック調光体の温度制御方法 - Google Patents

サーモクロミック調光体の温度制御方法

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JP2001240434A
JP2001240434A JP2000053102A JP2000053102A JP2001240434A JP 2001240434 A JP2001240434 A JP 2001240434A JP 2000053102 A JP2000053102 A JP 2000053102A JP 2000053102 A JP2000053102 A JP 2000053102A JP 2001240434 A JP2001240434 A JP 2001240434A
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Japan
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thermochromic
temperature
dimmer
transparent
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English (en)
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Kiyoshi Nakase
喜好 中瀬
Takashi Iwano
隆史 岩野
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】転移温度を境として、白濁状態から透明状態
へ、または透明状態から白濁状態へ、人為的に電気的に
加熱または冷却することで、状態変化を起こさせるサー
モクロミック調光体において、通電を開始、あるいは止
めてからの応答速度を速くする。 【解決手段】サーモクロミック調光体の温調を、転移温
度を境として狭い範囲で行い、サーモクロミック調光体
が、転移温度を境として透明状態と白濁状態に可逆的に
変化する際の応答速度を上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用内外装窓材、シ
ョーウィンド用透明基板、車両用窓材等の各種の透明基
板に用いることが可能な、所定の温度で状態変化を起こ
し、光透過率および/または色調が変化するサーモクロ
ミック調光体の温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の調光法、例えば、液晶調光
法、エレクトロクロミック調光法、フォトクロミック調
光法、サーモクロミック調光法が知られている。
【0003】液晶調光法は、液晶に対しての電圧の印加
のありなしによる分子配向の違いによって、透明状態、
あるいは白濁状態に可逆的に変化させる調光方法であ
る。
【0004】エレクトロクロミック調光法は、電気化学
反応を利用し電気的に、透明状態、あるいは着色状態に
可逆的に変化させる調光方法である。
【0005】フォトクロミック調光法は、光照射のあり
なしによって、透明状態、あるいは着色状態に可逆的に
変化させる調光方法である。
【0006】サ−モクロミック調光法は、凝集や分散に
より曇点現象を示す非イオン性界面活性剤や非イオン性
水溶性高分子の等方性水溶液であり、液状あるいは湿潤
ゲル状であるサーモクロミック材料を用いる調光方法で
ある。サーモクロミック材料は、温度変化による相転移
等で、透明状態、あるいは不透明状態(白濁状態)に可
逆的に変化する調光材料である。
【0007】一般的に、サーモクロミック材料を用いた
サーモクロミック調光体は、離間させた一対の相対向す
るガラス基板間の間隙に、サーモクロミック材料を挟み
込み周囲をシールして作られる。
【0008】サーモクロミック調光体に太陽光が当た
り、サーモクロミック材料の温度が上がることでサーモ
クロミック材料が状態変化を起こすことが利用される
が、太陽光によってサーモクロミック材料の温度を上げ
ていては、状態変化を起こすのに時間がかかるので、電
気的にサーモクロミック材料を加熱して、状態変化を起
こさせるサーモクロミック調光体が提案されている。
【0009】サーモクロミック調光体の例として、特開
平5−181169号公報には、透明板上に0℃〜80
℃の温度において、ゾルゲル転移を示すと共に、ゾル状
態とゲル状態とで、その光線透過率が異なる高分子材料
を水と共に積層して遮光層、即ち、サーモクロミック層
を形成し、透明板状体に通電する電極と、遮光層の温度
を検出しつつ温度を制御する、加熱および/または冷却
手段を組み込み、透明と不透明の状態を、環境温度に関
係なく人為的に変化させる遮光窓材が開示されている。
【0010】また、特開平6−80446号公報には、
上下2枚の透明無機ガラスの間に、曇点が39〜40℃
のポリビニルアセタールからなる水溶液である調光層を
封入して、調光層の加熱および/または冷却手段を組み
込み、透明と不透明の状態を、環境温度に関係なく、人
為的に変化させる調光合わせガラスが開示されている。
【0011】また、特開平10−316453号公報に
は、温度の上昇により、水に溶解している分子の凝集変
化により、光透過が変化する高分子水溶液またはハイド
ロゲルを直視可能な基板で積層した積層体が開示されて
いる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平5−181169号公報、特開平6−80446号
公報に記載されたサーモクロミック調光体は、サーモク
ロミック調光体が、人為的な温度変化により、ゾル状態
よりゲル状態へ、あるいはゲル状態よりゾル状態へ可逆
的に変化させるが、変化させるのに長い時間を要すると
いう問題があった。即ち、サーモクロミック調光体の構
成材料に、透明基板としてガラス基板、透明樹脂基板等
を使用した場合、透明基板の熱伝導が遅いため、サーモ
クロミック調光材料の温度を変化させるのに時間を要す
るという問題があった。
【0013】更に、前記特開平5−181169号公
報、特開平6−80446号公報に記載されたサーモク
ロミック調光体は、サーモクロミック調光体の構造が複
雑であり、サーモクロミック調光体が高価であるという
問題があった。
【0014】特開平10−316453号公報では、日
射による温度変化によって、サーモクロミック調光体
を、透明状態あるいは白濁状態に変化させており、人為
的に任意には、状態を変化させていない。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決することを目的としたものであり、サーモクロミッ
ク材料を、その転移温度より低温側に0.1℃以上、5
℃以下の温度差に加熱した状態で保持しておく、または
転移温度より高温側に0.1℃以上、5℃以下の温度差
に加熱した状態で保持しておく温度制御機能を備えてい
るもので、該サーモクロミック材料の、透明と白濁状態
の変化が非常に速い、即ち、加熱のため発熱体に通電を
開始してから、あるいは冷却のため発熱体への通電を止
めてから、サーモクロミック材料が状態変化を起こすま
での、応答速度が非常に速いサーモクロミック調光体の
温度制御方法を提供するものである。
【0016】本発明は、離間させた一対の相対向する透
明基板の周辺部をシール材により封止し、その間隙にサ
ーモクロミック材料が充填されてなるサーモクロミック
調光体において、該サーモクロミック材料をその転移温
度より低温側に0.1℃以上、5℃以下の温度差に保持
おくこと、または該転移温度より高温側に0.1℃以
上、5℃以下の温度差に保持しておくことを特徴とする
サーモクロミック調光体の温度制御方法である。
【0017】更に、本発明は、サーモクロミック材料
中、またはサーモクロミック材料の近傍に温度を感知す
る温度センサーが設けられてなることを特徴とする上記
のサーモクロミック調光体の温度制御方法である。
【0018】更に、本発明は、少なくとも一方の透明基
板は、少なくとも片側の面に、電気的に加熱可能な透明
導電膜が被覆されてなることを特徴とする上記のサーモ
クロミック調光体の温度制御方法である。
【0019】本発明は離間させた一対の相対向する透明
基板の周辺部をシール材により封止し、その間隙にサー
モクロミック材料が充填されてなるサーモクロミック調
光体の温度制御方法に関するものである。
【0020】サーモクロミック材料は、ある狭い温度域
において、透明状態と白濁状態に可逆変化する物質であ
る。即ち、サーモクロミック材料は、ある決まった温度
で、構成分子が凝集、あるいは分散することにより、曇
点現象を示す非イオン性界面活性剤および/または非イ
オン性水溶性高分子の等方性水溶液であり、液状あるい
は湿潤ゲル状の物質である。
【0021】本発明で使用するサーモクロミック材料と
しては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースのよう
なヒドロキシプロピル基をもつ多糖類誘導体やメチルセ
ルロース等を用いることができる。ヒドロキシプロピル
基をもつ水溶性高分子は高温時に凝集の度合いが強いた
め、白濁時の遮光性に優れており、耐候性も兼ね備えて
おり、更に前記特開平5−181169号公報、特開平
6−80446号公報に記載されたサーモクロミック調
光体に比較して、安価に容易に入手できるので、ヒドロ
キシプロピル基をもつ水溶性高分子を、本発明に用いる
ことが好ましい。
【0022】上記のサーモクロミック材料は、塩化ナト
リウム等の電解質を添加することで、サーモクロミック
材料が状態変化する温度を変えることが可能である。即
ち、を添加することで、サーモクロミック材料が状態変
化(透明→白濁、または白濁→透明)する温度を低くす
ることが可能である。更に、加える電解質の量を調整す
ることで、状態変化する所望の温度を得ることができ
る。電解質を多く加え、高濃度にする程、サーモクロミ
ック材料が状態変化する温度をより低く設定することが
できる。
【0023】本発明で使用するサーモクロミック調光体
を作製する際は、離間させた一対の相対向する透明基板
の周辺部をシール材により封止し、その間隙に前記のサ
ーモクロミック材料を充填する。詳しくは、相対向する
透明基板間にサーモクロミック材料を充填する前に、透
明基板の周縁部を封止する必要がある。その封止材料と
しては、充填されたサーモクロミック材料の溶媒の蒸発
または揮発を抑制し、基板との接着性がよく実使用条件
においてこれらの条件を長期間満たすものを選択するこ
とが必要であり、例えば、インナ−シ−ル材としては帯
状に成形したブチルテープ(協立化学製TB−24
0)、アウタ−シール材としてはチオコ−ル等を用いる
ことができる。
【0024】本発明のサーモクロミック材料の温度制御
方法において、サーモクロミック材料を、その転移温度
より低温側に0.1℃以上、5℃以下の温度差に加熱し
て保持した状態から、更に、人為的に加熱することで、
サーモクロミック材料の温度を上げて、状態変化(透明
→白濁)を起こす際の応答速度を上げることができる。
サーモクロミック材料の転移温度と、サーモクロミック
材料の温度差が0.1℃より小さいと、室外で使用する
場合、例えば、外気温等の影響を受けやすくなり、状態
変化が不安定になる。また、該温度差が5℃以上ある
と、加熱させてから状態変化させるまでに時間がかか
り、本発明の目的に即していない。
【0025】温度制御しない、即ち、サ−モクロミック
調光体を室温または外気温より転移温度まで加熱するこ
とに比較し、転移温度より低温側に0.1℃以上、5℃
以下の温度差に加熱して保持した状態から加熱した方
が、格段に速く転移温度に達し、状態変化を起こさせ応
答速度を速くすることができる。
【0026】本発明のサーモクロミック材料の温度制御
方法において、サーモクロミック材料を、その転移温度
より高温側に0.1℃以上、5℃以下の温度差に保持さ
せた状態から、温度を保持するための発熱体、即ち、本
発明において、発熱体として使用する透明導電膜への通
電を止めることによって、サーモクロミック材料の温度
を下げて、状態変化(白濁→透明)を起こす際の応答速
度を上げることができる。サーモクロミック材料の転移
温度と、加熱して保持したサーモクロミック材料の温度
差が0.1℃より小さいと、例えば外気温などの影響を
受けやすくなり状態変化が不安定になる。また、該温度
差が5℃以上あると、通電を止めてから状態変化させる
までに時間がかかり、本発明の目的に即していない。
【0027】サーモクロミック材料の転移温度と低温
側、あるいは高温側に0.1℃以上、5℃以下の温度差
にサーモクロミック材料の温度を制御しておく、即ち、
保持しておくことによって、その状態より電気的な加熱
手段をON、OFFすることによって、サーモクロミッ
ク材料を加熱、あるいは自然冷却させ、素速くサーモク
ロミック調光体を状態変化させることが可能である。ま
た、冷却する際は、自然冷却に限らず、冷却手段を設け
ても構わない。
【0028】本発明のサーモクロミック材料の温度制御
方法において、サーモクロミック材料の温度を感知する
温度センサーが必要であり、例えば、熱電対等が挙げら
れ、熱電対をサーモクロミック材料中に挿入する、また
はサーモクロミック材料の極近傍に設置することによっ
て、サーモクロミック材料の温度を感知することができ
る。
【0029】本発明のサーモクロミック調光体の温度制
御方法において、サーモクロミック材料を加熱するため
の発熱手段が必要である。
【0030】本発明のサーモクロミック調光体の温度制
御方法は、サーモクロミック調光体を構成する、少なく
とも一方の透明基板表面に、電気的に加熱可能な透明導
電膜、即ち、ITO(酸化インジウムと酸化錫の複合酸
化物)あるいはNESA(酸化錫)等の透明導電膜を被
覆し、該導電性膜に通電した際に発生する熱により、サ
ーモクロミック材料を人為的に自在に温度制御させるも
のである。
【0031】該透明基板に透明導電膜を被覆する面は、
サーモクロミック材料と接しない面に透明導電膜を被覆
しておく方に比較して、サーモクロミック材料と接する
面に、透明導電膜を被覆しておく方が、熱伝導率の低い
透明基板を介さずにサーモクロミック材料を直接加熱し
て、応答速度をより速くすることができるので、好まし
い。
【0032】透明基板のサーモクロミック材料と接する
側に透明導電膜が被覆された、即ち、透明基板のサーモ
クロミック材料と接する側に透明導電膜がある場合は、
透明導電膜とサーモクロミック材料を直接接触させても
よいが、サーモクロミック調光体の耐久性を考慮すれ
ば、金属からなる透明導電膜が直接サーモクロミック材
料と接すると、経時によりサーモクロミック材料が変質
したり発泡したりする懸念があるので、透明導電膜上
に、更に、シリカ等からなる絶縁膜を被覆した方が好ま
しい。
【0033】なお、本発明のサーモクロミック調光体の
温度制御方法に使用する、サーモクロミック材料は、フ
ィルム状、液状等その形態に限定されるものではない。
【0034】本発明に使用するサーモクロミック調光体
を構成する透明基板としては、各種のコーティング法で
透明基板表面に着色膜を被覆したもの、あるいは透明基
板自体が透明あるいは着色されたもの等、特に限定され
ることなく使用できる。
【0035】なお、透明基板としては、ガラス板に限ら
ず透明プラスチック板を用いることが可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】(1)サーモクロミック材料の調
製 白濁開始温度の異なる3種類のサーモクロミック材料を
調製した。ヒドロキシプロピルセルロース、5重量部、
プロピレングリコール、2.5重量部、水、8重量部を
混合し、70℃以上で白濁するサーモクロミック材料、
仮称、TCM1を調製した。次に、ヒドロキシプロピル
セルロース、5重量部、プロピレングリコール1重量
部、水、8重量部を混合し50℃以上で白濁するサーモ
クロミック材料、仮称、TCM2を調製した。さらに、
ヒドロキシプロピルセルロース5重量部、ポリオキシプ
ロピレントリメチロールプロパンエーテル、1.5重量
部、濃度4wt%の塩化ナトリウム水溶液8.5重量部
を混合し、35℃以上で白濁するサーモクロミック材
料、仮称、TCM3を調製した。
【0037】(2)調光体の構成および作用 図1の(a)に本発明のサーモクロミック調光体の一例
の概略側面図を示す。図1の(b)は、図1の(a)に
示したサーモクロミック調光体1を上側から見た概略平
面図である。サーモクロミック調光体1は、サーモクロ
ミック材料5と接する側に透明導電膜である発熱体とし
ての酸化錫膜6、次いで絶縁膜11をコーティングした
板厚3.5mm、サイズ100mmx110mmの大き
さのガラス基板2と、板厚2mm、100mmx100
mmの大きさのガラス基板3を相対向させ、インナーシ
ール材41としてブチルテープ(協立化学製TB−24
0)、アウターシール材42としてチオコール(横浜ゴ
ム製SM8000)でシールし、サーモクロミック材料
5をガラス基板2とガラス基板3の間の空隙部に充填し
た構成とした。
【0038】サーモクロミック調光材料5と接しない側
に、酸化錫膜6をコーティングした以外は、サーモクロ
ミック調光体1と同じ構成のサーモクロミック調光体
1’を図2に示す。図2はサーモクロミック調光体1’
の概略側面図である。
【0039】本発明で使用するサーモクロミック調光体
の温度制御部は、サーモクロミック調光材料5中に温度
センサーとして熱電対8を挿入し、サーモクロミック調
光体の外部に設けた温度コントローラー9と電導線によ
りつなげ、更に温度コントローラー9と発熱体である酸
化錫膜6を導電性クリップ7、およびリード線10によ
ってつなげた構成とした。
【0040】なお、導電性クリップ7と透明導電膜の接
触部分には、銀ペーストを塗布した。接触部分に銀ペー
ストを塗布すると、導電性クリップ7と透明導電膜との
電気的接触がよくなり好ましい。
【0041】熱電対8の挿入場所は、サーモクロミック
材料5中としたが、サーモクロミック材料5の極近傍の
インナーシール材41中であっても構わない。
【0042】熱電対8は、エポキシ樹脂にてシールした
後に、サーモクロミック材料5中に挿入した。サーモク
ロミック材料5側に透明導電膜がある場合、金属からな
る熱電対8が、透明導電膜に直接触れると短絡し、温度
を測れなくなる。また、熱電対8がサーモクロミック材
料5に直接触れると、経時により、サーモクロミック材
料5が変質したり、発泡したりする懸念があるので、熱
電対8をサーモクロミック材料5中に挿入する場合は、
熱電対8をエポキシ樹脂等の絶縁シール材で被覆するこ
とが好ましい。
【0043】熱電対8は、サーモクロミック材料5中の
方がより正確な温度を検出できるが、サーモクロミック
材料5側に透明導電膜があり、熱電対8をインナーシー
ル材41中に挿入する場合は、短絡防止のため、挿入部
については、透明導電膜を成膜しないこと、即ち、フォ
トリソグラフィー法等を用いてパターニングし成膜しな
いこと、または、熱電対8挿入部の透明導電膜を、予
め、透明導電膜をエッチング液によるウェットエッチン
グ方式、あるいは、スパッタ、プラズマ等のドライエッ
チング方式により、エッチング除去しておくことが好ま
しい。
【0044】熱電対8でサーモクロミック材料5の温度
を測りつつ、温度コントローラー9にてサーモクロミッ
ク材料5の温度を、任意の設定温度に制御させる機構と
した。
【0045】本発明のサーモクロミック調光体の温度制
御方法において、温度コントローラー9によってサーモ
クロミック調光体の温度が設定温度に制御された状態か
ら、人為的に加熱または冷却することによって、サーモ
クロミック材料5の温度を、設定温度より上昇、あるい
は下降させることができる。
【0046】(3)サーモクロミック調光体の作製 該サーモクロミック調光体の作製は以下のようにして行
った。ガラス基板3の中央部にサーモクロミック材料5
を2g秤量してのせた後、ガラス基板3の外周にブチル
テープをインナーシール材41として配置し、その外側
にアウターシール材42としてチオコールを配置し、シ
ール部より内側に熱電対8を配置した。更に、四角に注
射針を配置した後、その上方に、酸化錫膜6を片面に成
膜したガラス基板2を載置し、ガラス部分のみをプレス
して、ガラス2とガラス基板3を圧着した。その後、ガ
ラス基板の四隅に配置してなる4本の注射針にシリコー
ンホースを接続し、真空ポンプにてセル内の空気を排気
した。排気することによって、サーモクロミック材料5
が完全に広がった時点で、真空ポンプを停止し、エポキ
シシール材で4個の孔を封止した後、紫外光を照射して
シール材を紫外線にて反応硬化させた。
【0047】以下、実施例1〜7、及び比較例1〜7に
より本発明を具体的に説明する。
【0048】
【実施例】実施例1 サーモクロミック材料として、70℃以上で白濁するT
CM1を用いて、図1(a)に示すガラス基板2の酸化
錫膜6を被覆した膜面側が、TCM1と接するようにし
たサーモクロミック調光体1を作製した。
【0049】温度コントローラー9にて温度設定して、
TCM1の温度を65℃に温度制御し、加熱して保持し
た状態から、酸化錫膜6にAC100Vを印加し、連続
的に通電を開始すると、サーモクロミック調光体1は加
熱されて、TCM1の白濁温度である70℃に達し、通
電開始後、1秒でサーモクロミック調光体1は白濁し
た。69℃に加熱して保持した状態から、酸化錫膜6に
AC100Vを印加すると、即座にサーモクロミック調
光体1は白濁した。
【0050】実施環境は、室温下の室内、即ち、22℃
で無風の状態であった。。
【0051】以下、実施例2〜7、比較例1〜7におい
ても同様の環境で行った。 比較例1 実施例1と同様に、サーモクロミック材料として、70
℃以上で白濁するTCM1を用いて、図1(a)に示す
サーモクロミック調光体1を作製した。
【0052】TCM1を温度制御せず、室温、即ち22
℃の状態から、通電すると、通電開始後、サーモクロミ
ック調光体1が白濁するのに9秒を要した。
【0053】TCM1を温度制御して、50℃に保った
状態から、通電すると、通電開始後、サーモクロミック
調光体1が白濁するのに3秒を要した。 実施例2 サーモクロミック材料として、70℃以上で白濁するT
CM1を用いて、図2に示すガラス基板2のガラス面側
が、TCM1と接するようにしたサーモクロミック調光
体1’を作製した。
【0054】温度コントローラー9にて温度設定して、
TCM1の温度を65℃に温度制御し、加熱して保持し
た状態から、酸化錫膜6にAC100Vを印加し、連続
的に通電を開始すると、調光体は加熱されて、TCM1
の白濁温度である70℃に達し、通電開始後、3秒でサ
ーモクロミック調光体1’は白濁した。69℃に加熱し
て保持した状態から、酸化錫膜6にAC100Vを印加
すると、1秒でサーモクロミック調光体1’は白濁し
た。 比較例2 実施例2と同様に、サーモクロミック材料として、70
℃以上で白濁するTCM1を用いて、図2に示すサーモ
クロミック調光体1’を作製した。
【0055】TCM1を温度制御せず、室温、即ち22
℃の状態から、通電すると、通電開始後、サーモクロミ
ック調光体1’が白濁するのに11秒を要した。
【0056】TCM1を温度制御して、50℃に保った
状態から、通電すると、通電開始後、サーモクロミック
調光体1’が白濁するのに5秒を要した。 実施例3 サーモクロミック材料として、50℃以上で白濁するT
CM2を用いて、図1(a)に示すガラス基板2の酸化
錫膜6による膜面側が、TCM2と接するようにしたサ
ーモクロミック調光体1を作製した。
【0057】温度コントローラー9にて温度設定して、
TCM2の温度を46℃に温度制御し、加熱して保持し
た状態から、酸化錫膜にAC100Vを印加し、連続的
に通電を開始すると、サーモクロミック調光体1は加熱
されて、TCM2の白濁温度である50℃に達し、通電
開始後、1秒でサーモクロミック調光体1は白濁した。 比較例3 実施例3と同様に、サーモクロミック材料として、50
℃以上で白濁するTCM2を用いて、図1(a)に示す
サーモクロミック調光体1を作製した。
【0058】TCM2を温度制御せず、室温、即ち22
℃の状態から、通電すると、通電開始後、サーモクロミ
ック調光体1が白濁するのに4秒を要した。 実施例4 サーモクロミック材料として、50℃以上で白濁するT
CM2を用いて、図2に示す、ガラス基板2のガラス面
側がTCM2と接するようにしたサーモクロミック調光
体1’を作製した。
【0059】温度コントローラー9にて温度設定して、
TCM1の温度を46℃に温度制御し、加熱して保持し
た状態から、酸化錫膜にAC100Vを印加し、連続的
に通電を開始すると、サーモクロミック調光体1’は加
熱されて、TCM1の白濁温度である50℃に達し、通
電開始後、5秒でサーモクロミック調光体1’は白濁し
た。 比較例4 実施例4と同様に、サーモクロミック材料として、50
℃以上で白濁するTCM2を用いて、図2に示すサーモ
クロミック調光体1’を作製した。
【0060】TCM2を温度制御せず、室温、即ち22
℃の状態から、通電すると、通電開始後、サーモクロミ
ック調光体1’が白濁するのに10秒を要した。 実施例5 本実施例は、調光体に印加する電圧を、貨物自動車等の
車用電圧であるDC24Vとした以外は、実施例3と同
様にして白濁を開始するまでの時間を測定した。
【0061】温度コントローラー9にて温度設定して、
TCM2の温度を47℃に温度制御し、加熱して保持し
た状態から、酸化錫膜6にDC24Vを印加し、連続的
に通電を開始すると、サーモクロミック調光体1は加熱
されて、TCM2の白濁温度である50℃に達し、通電
開始後、30秒でサーモクロミック調光体1は白濁し
た。 比較例5 実施例3と同様に、サーモクロミック材料として、50
℃以上で白濁するTCM2を用いて、図1の(a)に示
すサーモクロミック調光体1を作製した。
【0062】TCM2を温度制御せず、室温、即ち22
℃の状態から、DC24Vを印加し通電すると、通電開
始後、サーモクロミック調光体1が白濁するのに210
秒を要した。 実施例6 サーモクロミック材料として、35℃以上で白濁するT
CM3を用いて、図1の(a)に示すガラス基板2の酸
化錫膜6による膜面側が、TCM3と接するようにした
サーモクロミック調光体1を作製した。
【0063】温度コントローラー9にて温度設定して、
TCM3の温度を31℃に温度制御し、加熱して保持し
た状態から、酸化錫膜にAC100Vを印加し、連続的
に通電を開始すると、サーモクロミック調光体1は加熱
されて、TCM1の白濁温度である35℃に達し、通電
開始後、1秒でサーモクロミック調光体1は白濁した。 比較例6 実施例6と同様に、サーモクロミック材料として、35
℃以上で白濁するTCM3を用いて、図1の(a)に示
すサーモクロミック調光体1を作製した。
【0064】TCM3を温度制御せず、室温、即ち22
℃の状態から、AC100Vを印加し通電すると、通電
開始後、サーモクロミック調光体1が白濁するのに2秒
を要した。 実施例7 本実施例は、調光体に印加する電圧を、貨物自動車等の
車用電圧であるDC24Vとした以外は、実施例6と同
様にして、図1の(a)に示すガラス基板2の酸化錫膜
6による膜面側がTCM3と接するようにした、サーモ
クロミック調光体1を用い、白濁を開始するまでの時間
を測定した。
【0065】温度コントローラー9にて温度設定して、
TCM3の温度を31℃に温度制御し、加熱して保持し
た状態から、酸化錫膜にDC24Vを印加し、連続的に
通電を開始すると、サーモクロミック調光体1は加熱さ
れて、TCM3の白濁温度である35℃に達し、通電開
始後、15秒でサーモクロミック調光体1は白濁した。 比較例7 実施例7と同様に、サーモクロミック材料として、35
℃以上で白濁するTCM3を用いて、図1に示すサーモ
クロミック調光体1を作製した。
【0066】TCM3を温度制御せず、室温、即ち22
℃の状態から、DC24Vを印加し、通電すると、通電
開始後、サーモクロミック調光体1が白濁するのに46
秒を要した。
【0067】
【発明の効果】サーモクロミック調光体の温調を人為的
に精密に制御する本発明によって、サーモクロミック調
光体が転移温度を境として、透明状態と白濁状態に可逆
的に変化する際の応答速度を速くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例1のサーモクロミック調
光体の概略側面図である。 (b)本発明の実施例1のサーモクロミック調光体の概
略平面図である。
【図2】本発明の実施例2の調光体の調光体の概略側面
図である。
【符号の説明】
1、1’調光体 2、3 ガラス基板 41 インナーシール材 42 アウターシール材 5 サーモクロミック材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H05B 3/00 365 H05B 3/00 365A 3/84 3/20 326Z Fターム(参考) 3D025 AA02 AC11 AC20 AD01 3K034 AA02 AA03 AA04 AA06 AA15 AA16 AA34 AA35 BA01 BA15 BB05 BB08 BB14 BC16 CA03 DA04 3K058 AA02 BA00 CA69 CA91 CE13 CE19 4G061 AA00 AA26 BA01 BA02 CB06 CB16 CD02 CD19 CD24 DA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】離間させた一対の相対向する透明基板の周
    辺部をシール材により封止し、その間隙にサーモクロミ
    ック材料が充填されてなるサーモクロミック調光体にお
    いて、該サーモクロミック材料をその転移温度と低温側
    に0.1℃以上、5℃以下の温度差に保持しておくこ
    と、または該転移温度より高温側に0.1℃以上、5℃
    以下の温度差に保持しておくことを特徴とするサーモク
    ロミック調光体の温度制御方法。
  2. 【請求項2】サーモクロミック材料中、またはサーモク
    ロミック材料の近傍に温度を感知する温度センサーが設
    けられてなることを特徴とする請求項1に記載のサーモ
    クロミック調光体の温度制御方法。
  3. 【請求項3】少なくとも一方の透明基板は、少なくとも
    片側の面に、電気的に加熱可能な透明導電膜が被覆され
    てなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のサーモクロミック調光体の温度制御方法。
JP2000053102A 2000-02-29 2000-02-29 サーモクロミック調光体の温度制御方法 Pending JP2001240434A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018143276A1 (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 積水化学工業株式会社 サーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び合わせガラスシステム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018143276A1 (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 積水化学工業株式会社 サーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び合わせガラスシステム
JPWO2018143276A1 (ja) * 2017-01-31 2019-11-21 積水化学工業株式会社 サーモクロミック性を有する合わせガラス用中間膜、合わせガラス及び合わせガラスシステム

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