JP2001239101A - 分離係数が1に近い混合物の蒸留分離方法および蒸留装置 - Google Patents

分離係数が1に近い混合物の蒸留分離方法および蒸留装置

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JP2001239101A
JP2001239101A JP2000056383A JP2000056383A JP2001239101A JP 2001239101 A JP2001239101 A JP 2001239101A JP 2000056383 A JP2000056383 A JP 2000056383A JP 2000056383 A JP2000056383 A JP 2000056383A JP 2001239101 A JP2001239101 A JP 2001239101A
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JP2000056383A
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Hiroshi Tachibana
博志 橘
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離係数が1に近い混合物の蒸留分離方法に
おいて、停電などにより外部からの電力供給が停止した
場合に比較的小規模のバックアップ設備を用いて連続運
転を行い、再起動時間を短縮するための運転方法を提供
する。 【解決手段】 蒸留装置として、原料中の高沸点成分を
濃縮する蒸留塔1、2、3と、該蒸留塔1、2、3に設
けられた凝縮器5、7、9と、該凝縮器5、7、9に熱
媒体を供給する熱媒体循環経路と、停電時前記熱媒体循
環経路に電力を供給可能なバックアップ電源を備えたも
のを用い、停電時該バックアップ電源を用いて前記蒸留
装置の運転を継続するバックアップ運転を行うととも
に、該バックアップ運転において、前記蒸留該装置への
原料供給量および前記蒸留装置からの製品取出し量を、
定格運転時の原料供給量および製品取出し量より小容量
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異性体や同位体な
どのように分離係数が1に近い混合物の蒸留分離方法お
よび蒸留装置に関する。
【0002】
【従来の技術】同位体や構造異性体の分離など分離係数
が1に近い混合物の分離法としては、通常、蒸留塔を備
えた蒸留装置を用いた蒸留法が用いられている。例え
ば、大気圧付近においてキシレン異性体の分離係数は約
1.2、酸素同位体18Oの分離係数は約1.1程度であ
る。この場合、蒸留塔には通常充てん塔が用いられる
が、このように分離係数が1に近い混合物の蒸留分離に
は、長い気液接触領域が必要となるため蒸留塔の数が多
くなると共に塔の高さが高くなる。従って、この方法で
は、一般に、目的成分のホールドアップ量が大きくな
り、蒸留装置を起動するのに長時間が必要となる。例え
ばDostrovskyらは、水を用いた酸素同位体分離用の蒸留
装置の起動時間(運転開始から定格運転状態に至るまで
の時間)が480日以上となることを報告している(I.
Dostrovsky and M.Epstein: "The Production of Stabl
e Isotopesof Oxygen", Stable Isotopes pp.693-702(1
982) Elsevier Scientific Publishing Company, Amste
rdam)。したがって、上記のような蒸留装置は、バック
アップ用設備を備え、停電などにより外部からの電力供
給が停止した場合においても連続して運転しつづけるの
が一般的である。しかしながら、通常、バックアップ用
設備は規模が大きく、設備コストの増加を招く問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Dostrovskyらは、水を
用いた酸素同位体分離用の蒸留装置において運転を停止
する際に、塔内の水を同位体濃度の近い部分ごとに分割
して取り出しておき、再起動する際にはこの水を用いて
近似的に濃度分布を運転停止前と同じ状態にしてから運
転を再開し、再起動時間を短縮する方法を用いている。
これは、濃度分布が定常運転時の状態に維持されていれ
ば起動時間を短縮できるということを意味している。本
発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、分離係数が
1に近い混合物の蒸留分離において、停電などにより蒸
留装置への電力供給が停止した場合でも比較的小規模の
バックアップ用設備を用いて蒸留塔内の濃度分布を定格
運転時に近い状態で維持しながら運転を継続し、再び定
格運転状態になるまでの再起動時間を短縮するための運
転方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸留分離方法
は、通常電源に加え該通常電源が停止した時に該通常電
源に代えて電力を供給するバックアップ電源を備え、塔
頂付近に凝縮器を塔底付近に蒸発器を有する複数の蒸留
塔(第1塔〜第n塔)を用いて分離係数が1に近い混合
物を蒸留分離する方法であって、前記通常電源が停止し
た時前記バックアップ電源を用いて運転を継続するバッ
クアップ運転を行うとともに、該バックアップ運転にお
いて、前記凝縮器及び前記蒸発器における交換熱量を定
格運転時の交換熱量より小さくすることを特徴とする。
本発明の蒸留分離方法は、定格運転用設備に加え装置の
連続運転が可能なように構成されたバックアップ設備を
備え、塔頂付近に凝縮器を塔底付近に蒸発器を有する複
数の蒸留塔(第1塔〜第n塔)を用いて分離係数が1に
近い混合物を蒸留分離する方法であって、前記定格運転
用設備の保守時に該定格運転用設備の少なくとも一部に
代えて前記バックアップ設備を用いて運転を継続するバ
ックアップ運転を行うとともに、該バックアップ運転に
おいて、前記凝縮器及び前記蒸発器における交換熱量を
定格運転時の交換熱量より小さくする蒸留分離方法であ
る。また、前記バックアップ運転においては、前記第1
塔に導入する原料混合物の流量および前記第n塔から取
出す製品の流量を定格運転時より小容量とするのが好ま
しい。前記バックアップ運転においては、前記第1塔へ
の原料混合物の導入および前記第n塔からの製品取出し
を停止し、かつ第k塔と第k+1(1≦k≦n−1)塔
とを連結する経路に設けられた各弁の開度を調節するこ
とにより、これら複数の塔を独立して運転することがで
きる。また本発明では、前記複数の塔をそれぞれ全還流
で運転する方法を採ることもできる。前記バックアップ
運転においては、前記複数の蒸留塔の内最初の第1塔の
み、あるいは最初の第1塔につながる数塔の運転を停止
し、残りの蒸留塔を運転することもできる。この場合、
前記運転を停止した最初の第1塔あるいは第1塔につな
がる数塔の前記凝縮器に、該停止した蒸留塔の低温を維
持する寒冷用熱媒体流体を供給するのが好ましい。本発
明の蒸留装置は、塔頂付近に凝縮器を塔底付近に蒸発器
を有する複数の蒸留塔と、通常電源遮断時該通常電源に
代えて必要な機器に電力を供給するバックアップ電源
と、定格運転時に用いる定格運転用設備の保守時該定格
運転用設備の少なくとも一部に代えて装置の連続運転が
できるように構成されたバックアップ設備とを備え、前
記バックアップ電源が前記通常電源より小容量であるこ
とを特徴とする蒸留装置である。前記バックアップ設備
は、前記定格運転用設備より小容量となるように構成す
ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、本発明の分離
係数が1に近い混合物の蒸留分離方法の第1の実施形態
例を実施するために用いられる酸素同位体分離用蒸留装
置を示すもので、ここに示す蒸留装置は、原料酸素中の
同位体重成分を低温蒸留により濃縮する蒸留塔1〜3を
有する酸素蒸留ユニットF1と、得られた濃縮物に水素
を添加して水とする水素添加反応装置40と、生成した
水をさらに蒸留することによって高濃度の同位体重成分
を含む重酸素水を製造する水蒸留ユニットF2と、必要
な機器(後述)に電力を供給するバックアップ電源87
とを備えている。なお本発明においては、蒸留装置とし
て、特願平11−23148に記載されたものを用いる
こともできる。
【0006】図1に示すように、酸素蒸留ユニットF1
は、原料酸素中の酸素の同位体重成分である17O、18
を低温蒸留によって濃縮するためのもので、第1ないし
第3塔1、2、3と、これら塔1、2、3の塔頂部付近
に設けられた第1ないし第3塔凝縮器5、7、9と、塔
1、2、3の塔底部付近に設けられた第1ないし第3塔
蒸発器6、8、10と、これら凝縮器および蒸発器に熱
媒体を供給する熱媒体供給手段である第1の熱媒体循環
経路12とを備えている。第1ないし第3塔1、2、3
の内部には、規則充填物11が充填されている。規則充
填物11としては、非自己分配促進型規則充填物および
/または自己分配促進型規則充填物を好適に用いること
ができる。これら非自己分配促進型規則充填物、自己分
配促進型規則充填物については、特願平10−3721
81、特公昭57−36009、特開昭54−1676
1、特公平7−113514、特開昭50−11001
などに記載されたものが使用可能である。
【0007】第1ないし第3塔凝縮器5、7、9は、そ
れぞれ塔1、2、3の塔頂部から導出されたガスの少な
くとも一部を冷却し液化させるためのもので、それぞれ
塔1、2、3の塔頂部から導出されたガスが導入される
第1流路5a、7a、9aと、熱媒体が流通する第2流
路5b、7b、9bを有し、上記導出ガスを熱媒体と熱
交換させることにより冷却し液化させることができるよ
うになっている。凝縮器5、7、9としては、プレート
フィン型熱交換器、あるいは直管式の熱交換器を用いる
のが好ましい。
【0008】第1ないし第3塔蒸発器6、8、10は、
それぞれ塔1、2、3の塔底部から導出された液の少な
くとも一部を加熱し気化させるためのもので、それぞれ
塔1、2、3から導出された液が導入される第1流路6
a、8a、10aと、熱媒体が流通する第2流路6b、
8b、10bを有し、上記導出液を熱媒体と熱交換させ
ることにより加熱し気化させることができるようになっ
ている。蒸発器6、8、10としては、プレートフィン
型熱交換器を用いるのが好ましい。
【0009】図4に示すように、凝縮器5の第2流路5
bと、蒸発器6の第2流路6bとは、熱媒体循環経路1
2によって接続されており、循環経路12内に窒素など
の熱媒体を循環させることによって、第1流路5aのガ
スを液化させ、第1流路6a内の液を気化させることが
できるようになっている。循環経路12には、熱媒体貯
留槽13、ブロア14、熱交換器15、熱媒体貯留槽1
6、液ポンプ17、熱交換器18が設けられており、貯
留槽13内の熱媒体を、ブロア14、熱交換器15の第
1流路15a、蒸発器6、貯留槽16、液ポンプ17、
熱交換器18の第1流路18a、凝縮器5、熱交換器1
8の第2流路18b、熱交換器15の第2流路15bを
経て貯留槽13に循環させることができるようになって
いる。また、図1に示した凝縮器7、9の第2流路7
b、9b、及び蒸発器8、10の第2流路8b、10b
は、図示せぬ経路によって前記凝縮器5の第2流路5b
及び蒸発器6の第2流路6bと同様に循環経路12に接
続され、循環経路12内を流れる熱媒体を凝縮器7、
9、蒸発器8、10を経て循環させることができるよう
になっている。
【0010】図3に示すように、水素添加反応装置40
は、図2に示す酸素蒸留ユニットF 1を経た濃縮物(酸
素ガス)に水素を添加するためのもので、この濃縮物を
一時貯留するバッファタンク41、バッファタンク41
内の酸素ガスを導く酸素供給管路42、図示せぬ供給源
から供給された水素(または重水素)を導く水素供給管
路43、これら供給管路42、43からの酸素と水素と
を反応させる燃焼室44、制御器45を有する燃焼器4
6を主たる構成要素とするものである。
【0011】燃焼室44は、燃焼室44内に供給される
酸素と水素とを混合し燃焼するバーナ44aと、該酸素
・水素混合ガスに着火するヒータ44bと、反応生成物
(水蒸気)を冷却する冷却コイル44cを備えている。
また符号44dは燃焼室44内の反応生成物(水)を弁
を介して取り出す取出口である。
【0012】制御器45は、予め設定された値による信
号と、タンク41からの酸素を燃焼室44に導く経路4
2に設けられた酸素流量検出器42aによって検出され
た酸素ガス流量に基づく信号により流量調節弁42bを
調節し、経路42を通して燃焼室44内に供給される酸
素ガスの供給量を調節することができるようになってい
る。また、制御器45は、予め設定された値による信号
と、水素を燃焼室44に導く経路43に設けられた水素
流量検出器43aによって検出された水素流量に基づく
信号により流量調節弁43bを調節し、経路43を通し
て燃焼室44内に供給される水素の供給量を調節するこ
とができるようになっている。なお、符号42c、43
cは逆止弁、符号42d、43dは逆火防止器、符号4
4eは燃焼室44内のごく少量の未反応ガス(過剰水
素)を弁を介して排出する排出用経路を示す。
【0013】図2に示す水蒸留ユニットF2は、図3に
示す水素添加反応装置40を経た反応生成物である生成
水中の同位体重成分を蒸留によってさらに濃縮するため
のもので、第1ないし第3塔21、22、23と、これ
ら塔21、22、23の塔頂部付近に設けられた第1な
いし第3塔凝縮器25、27、29と、塔21、22、
23の塔底部付近に設けられた第1ないし第3塔蒸発器
26、28、30と、凝縮器25、27、29に熱媒体
を供給する熱媒体供給手段である第2の熱媒体循環経路
32(図5に示す)を備えている。
【0014】第1ないし第3塔21、22、23の内部
には、規則充填物11が充填されている。凝縮器25、
27、29は、それぞれ図1に示した凝縮器5、7、9
と同様の構造とされている。
【0015】図5において、熱媒体循環経路32は、凝
縮器25の第2流路25bの入口側および出口側に接続
されており、循環経路32内に水などの熱媒体を循環さ
せることによって、第1流路25a内のガスを液化させ
ることができるようになっている。循環経路32には、
熱媒体貯留槽33、液ポンプ34、空冷式復水器35が
設けられており、貯留槽33内の熱媒体を、液ポンプ3
4、凝縮器25の第2流路25b、空冷式復水器35を
経て貯留槽33に循環させることができるようになって
いる。また、図2に示す凝縮器27、29の第2流路2
7b、29bは、図示せぬ経路によって前記凝縮器25
の第2流路25bと同様に循環経路32に接続され、循
環経路32内を流れる熱媒体を凝縮器27、29を経て
循環させ、第1流路27a、29a内のガスを液化させ
ることができるようになっている。
【0016】図2において、蒸発器26、28、30に
は、熱媒体として電気ヒータ26b、28b、30bが
設けられており、電気ヒータ26b、28b、30bに
よって第1流路26a、28a、30a内の液を加熱し
気化させることができるようになっている。
【0017】本実施形態例の蒸留装置において、図1に
示す酸素蒸留ユニットF1の第1塔1に接続された原料
酸素供給経路である経路51には、調節弁37が設けら
れており、第1塔1に供給される原料酸素の供給流量を
調節できるようになっている。また、図2に示す水蒸留
ユニットF2の蒸発器30に接続された製品導出経路で
ある経路86には、調節弁38が設けられており、該蒸
留装置からの製品の取出し流量を調節することができる
ようになっている。
【0018】図1に示すブロア59、65、図2に示す
ブロア77、83、図2及び図5に示す電気ヒータ26
b、28b、30b、図3に示すバーナ44a、ヒータ
44b、図4に示す循環経路12に設けられたブロア1
4、液ポンプ17、図5に示す液ポンプ34、空冷式復
水器35等の機器は、定格運転(通常運転)時に用いら
れる通常電源(図示略)に接続された定格運転用設備8
8であり、後述する定格運転時において、通常電源から
供給された電力によって稼働することができるようにな
っている。
【0019】バックアップ電源87は、停電などにより
装置への電力供給が停止した場合に装置の運転を継続さ
せるための非常用電源であり、通常電源よりも小容量と
なるように構成することができる。このバックアップ電
源87は、定格運転用設備88、すなわちブロア59、
65、77、83、電気ヒータ26b、28b、30
b、バーナ44a、ヒータ44b、ブロア14、液ポン
プ17、34、空冷式復水器35等の機器に接続され、
これら機器に電力を供給しこれらを稼働させることがで
きるようになっている。
【0020】以下、上記蒸留装置を用いた場合を例とし
て、本発明の分離係数が1に近い混合物の蒸留分離方法
の第1の実施形態例を説明する。本実施形態例では、蒸
留分離の対象となる混合物として酸素を例示する。酸素
は、通常、6種の酸素分子(1616O、1617O、16
18O、1717O、1718O、および1818O)の混合物
であり、同位体重成分(17O、18O)を含む酸素分子(
1617O、1618O、1717O、1718O、および18
18O)の1616Oに対する分離係数は1に近い値(1.
004〜1.02程度)をとる。
【0021】以下、通常電源を用いた定格運転(通常運
転)について詳しく説明する。原料酸素供給経路である
経路51を通して、原料酸素ガス、例えば空気液化分離
装置で得られた超高純度酸素ガスをフィードとして塔1
内に供給する。 第1塔1内に供給された原料酸素ガス
は、塔1内を上昇し充填物11を通過する際に、後述の
還流液(下降液)と気液接触し蒸留される。原料酸素ガ
ス中、同位体重成分を含む酸素分子(1617O、1618
O、1717O、1718O、および1818O)は、1616
Oに比べ高沸点であるため凝縮しやすく、気液接触の過
程で上昇ガス中の同位体重成分濃度は減少する。重成分
濃度が減少し塔頂部に達した上昇ガスは、経路52を通
して塔1から導出された後、二分され、一方は第1塔凝
縮器5の第1流路5aに導入され、ここで第2流路5b
内を流れる熱媒体と熱交換して凝縮し還流液として塔1
の上部に戻され、他方は経路53を通して廃ガスとして
系外に排出される。
【0022】第1塔1の塔頂部に戻された還流液は、規
則充填物11の表面を下降液となって流下しつつ塔1内
を上昇する原料酸素ガスと気液接触し、塔1の塔底部に
到達する。この気液接触の過程において、下降液中には
液化しやすい酸素同位体重成分を含む酸素分子(1617
O、1618O、1717O、1718O、および1818O)
が濃縮される。第1塔1の塔底部に達した下降液(以
下、各塔の塔底部に溜まった重成分濃縮液を塔底部液と
いう)は、経路54を通して塔1から導出され、第1塔
蒸発器6の第1流路6aに導入され、ここで第2流路6
b内を流れる熱媒体と熱交換して気化した後、蒸発器6
から導出される。
【0023】蒸発器6から導出された導出ガスの一部
は、経路55を通して塔1の下部に戻されて塔1内を上
昇する上昇ガスとなり、他部は、経路56を通して第2
塔2に導入される。第2塔2内の上昇ガスは、経路57
を通して第2塔2から導出された後、二分され、一方は
凝縮器7で凝縮し還流液として塔2の上部に戻され、他
方は経路58を通してブロア59を経て第1塔1下部に
戻される。第2塔2の塔底部液は、経路60を通して塔
2から導出され、蒸発器8において気化した後、蒸発器
8から導出される。蒸発器8から導出された導出ガスの
一部は、経路61を通して塔2の下部に戻され、他部
は、経路62を通して第3塔3に導入される。
【0024】第3塔3内の上昇ガスは、経路63を通し
て第3塔3から導出された後、二分され、一方は凝縮器
9で凝縮し還流液として塔3の上部に戻され、他方は経
路64を通してブロア65を経て第2塔2下部に戻され
る。第3塔3の塔底部液は、経路66を通して塔3から
導出され、蒸発器10において気化した後、蒸発器10
から導出される。第2塔2、第3塔3を経る過程で、同
位体重成分の濃縮がさらに進行し、蒸発器10からの導
出ガスは、同位体重成分が濃縮された濃縮物となる。蒸
発器10から導出された導出ガスの一部は、経路67を
通して塔3の下部に戻され、他部は、調節弁68a、経
路68を経由することにより大気と熱交換して、もしく
は経路68に設けられた熱交換器(図示省略)を経てほ
ぼ常温となって水素添加反応装置40に導入される。
【0025】図3において、水素添加反応装置40に導
入された酸素ガスは、先ずバッファタンク41に導入さ
れて一次貯溜され、次いで経路42を通して燃焼室44
内に導入される。同時に、図示せぬ供給源から供給され
た水素が経路43を通して燃焼室44内に供給される。
【0026】この際、制御器45によって、設定値によ
る信号および酸素流量検出器42aによって検出された
酸素ガス流量に基づくフィードバック信号により演算が
行われ、その結果の信号により流量調節弁42bが調節
されるとともに、同様に、制御器45からの設定値によ
る信号と水素流量検出器43aによって検出された水素
流量に基づくフィードバック信号により演算が行われ、
その結果の信号により流量調節弁43bが調節され、水
の生成のための化学量論量に近い量の上記酸素と水素が
燃焼室44内に供給される。
【0027】燃焼室44に供給される酸素および水素は
上記の如くフィードバック制御により常に化学量論量に
限りなく近い流量に制御されるが、それでも過剰分とし
て導入されたガスは排出用経路44eから定期的に排出
し、このガスが燃焼室44内に溜まるのを防ぐ。この排
ガス量をさらに減らすために、フィードフォワード制御
を併用するなど、より厳密な制御手段を採用することが
好ましい。
【0028】燃焼室44内に供給された上記酸素と水素
は、バーナ44aにおいて混合された後、燃焼室44内
に噴出され、ヒータ44bにより着火し、これらが反応
することにより水が生成する。生成した水は、大部分が
冷却コイル44cにより凝縮した後、取出口44dを通
して燃焼室44から導出され、経路69を経て図2に示
す水蒸留ユニットF2に導入される。この生成水は、酸
素同位体重成分の濃縮物を原料として得られたものであ
るため、酸素同位体重成分を多く含む重酸素水となる。
【0029】図2において経路69を通して第1塔21
に導入された重酸素水は、塔21内で蒸留され、塔21
内の上昇ガスは経路70を通して塔21から導出された
後、一部は凝縮器25で凝縮し塔21の上部に戻され、
他部は経路71を通して系外に排出される。第1塔21
の塔底部液は、経路72を通して塔21から導出され、
蒸発器26において気化した後、その一部は、経路73
を通して塔21の下部に戻され、他部は、経路74を通
して第2塔22に導入される。
【0030】第2塔22内の上昇ガスは、経路75を通
して塔22から導出された後、その一部は凝縮器27で
凝縮し塔22の上部に戻され、他部は経路76を通して
ブロア77を経て第1塔21下部に戻される。第2塔2
2の塔底部液は、経路78を通して塔22から導出さ
れ、蒸発器28において気化した後、一部は、経路79
を通して塔22の下部に戻され、他部は、経路80を通
して第3塔23に導入される。
【0031】第3塔23内の上昇ガスは、経路81を通
して第3塔23から導出された後、一部は凝縮器29で
凝縮し塔23の上部に戻され、他部は経路82を通して
ブロア83を経て第2塔22下部に戻される。第3塔2
3の塔底部液は、経路84を通して塔23から導出さ
れ、蒸発器30において気化した後、一部は、経路85
を通して塔23の下部に戻され、他部は、経路86、調
節弁38を通して製品として回収される。これら塔2
1、22、23を経る過程においては、重酸素水中の重
成分であるH2 17O、H2 18O、D2 17O、D2 18O、DH
17O、DH18Oが濃縮される。
【0032】上記蒸留工程においては、熱媒体を、図1
に示す酸素蒸留ユニットF1の塔1、2、3の凝縮器
5、7、9、蒸発器6、8、10に供給し、これら凝縮
器、蒸発器において熱交換を行わせるために、図4に示
す循環経路12に設けられたブロア14、液ポンプ17
を稼働し、窒素などの熱媒体を循環経路12内で循環さ
せる。同様に、図2に示す水蒸留ユニットF2の塔2
1、22、23の凝縮器25、27、29に熱媒体を供
給するため、図5に示す循環経路32に設けられた液ポ
ンプ34、空冷式復水器35を稼働し、水などの熱媒体
を循環経路32内で循環させる。さらには蒸発器26、
28、30の電気ヒータ26b、28b、30bを稼働
する。
【0033】以上説明した定格運転時(通常運転時)に
おいて、定格運転用設備88、すなわちブロア59、6
5、77、83、電気ヒータ26b、28b、30b、
バーナ44a、ヒータ44b、ブロア14、液ポンプ1
7、34、空冷式復水器35等の機器などへの電力供給
には、バックアップ電源87は用いられず、前記通常電
源(図示略)が用いられる。なお定格運転時において
は、図4に示す経路19、20、36は使用しない。
【0034】次に、停電などにより通常電源から蒸留装
置への電力供給が一時的に停止した場合などにおいて、
通常電源に代えてバックアップ電源87を用いて装置へ
の電力供給を行うバックアップ運転について説明する。
このバックアップ運転時においては、酸素蒸留ユニット
1の第1塔1に接続された経路51に設けられた調節
弁37を調節し、第1塔1に供給される原料酸素の供給
流量を小さくするとともに、水蒸留ユニットF2の蒸発
器30に接続された経路86に設けられた調節弁38を
調節し製品の取出し流量を低くする。
【0035】このバックアップ運転時の原料酸素および
製品の流量は、塔内還流液の密度補正空塔速度を所定値
以上に維持し蒸留性能を低下させない範囲で小流量にす
ることが好ましい。このバックアップ運転時の原料酸素
および製品の流量は、定格運転時の流量に対し60%か
ら100%の間の任意の量に選定することができる。ま
た還流比はほぼ一定に維持するのが好ましい。バックア
ップ運転時の原料酸素および製品の流量は、定格運転時
の流量に対し60〜70%に設定するのが好ましい。こ
の流量が上記範囲未満であると各蒸留塔内の同位体濃度
分布が定格運転時に比べ大きく変わるため再起動時間が
長くなり、流量が上記範囲を越えると、再起動時間が長
くなりやすく、しかも消費電力削減の効果が薄れること
になる。この流量は、特にほぼ60%とするのが望まし
い。60%未満の場合は、蒸留性能が低下し各蒸留塔内
の同位体濃度分布が定格運転時に比べ大きく変わるため
再起動時間が長くなる。また、60%より多い例えば8
0%の場合は、各蒸留塔内の同位体濃度分布が60%の
場合とほとんど変わらないため再起動時間もほとんど変
わらないことになる。一方60%の場合に比べ消費電力
が大きくなる。即ちバックアップ運転時の消費電力削減
の効果が薄れることになる。したがって、バックアップ
電源の容量を最小にでき設備費を低減するとともに、蒸
留性能を一定値以上に保持しつつ電力消費量を低減する
ためには、定格運転時の流量のほぼ60%となるように
設定するのが最も好ましい。なおここでいう%は、vo
l%を指す。
【0036】原料酸素および製品の流量を少なくする
と、各塔の凝縮器、蒸発器の交換熱量も小さくなる。特
に、各蒸留塔内の同位体濃度分布を維持するため還流比
をほぼ一定に維持する場合には、原料酸素および製品の
流量を少量にするのに伴い、交換熱量もほぼ同じ割合で
小さくなる。このためバックアップ運転において、装置
内に供給される原料酸素量を減少させることにより、凝
縮器、蒸発器の交換熱量を小さくすることができ、熱媒
体の流量や電気ヒーターの容量も小さく抑えることがで
きる。従って、バックアップ電源87からの電力供給に
より稼働する機器、例えばブロア59、65、77、8
3、電気ヒータ26b、28b、30b、バーナ44
a、ヒータ44b、ブロア14、液ポンプ17、34、
空冷式復水器35等における消費電力を低く抑えること
ができる。このバックアップ運転時の各塔の凝縮器、蒸
発器の交換熱量は、定格運転時の凝縮器、蒸発器の交換
熱量に対し60〜70%に設定するのが好ましい。この
交換熱量が上記範囲未満であると各蒸留塔内の同位体濃
度分布が定格運転時に比べ大きく変化し再起動時間が長
くなり、交換熱量が上記範囲を越えると消費電力削減の
効果が薄れることになる。
【0037】バックアップ運転時に、このように負荷を
小さくした蒸留操作を行っても、各蒸留塔内の濃縮物中
の同位体重成分含有分子(1618O、H2 18Oなど)の
濃度変化は小さく、変化したその濃度は定格運転時の濃
度に対してわずかの差でしかない。すなわち、このバッ
クアップ運転時においては、各蒸留塔内の濃縮物中の同
位体重成分含有分子(1618O、H2 18Oなど)濃度を
大きく変化させることなく熱媒体流体の使用量及び消費
電力の低減が可能となる。ただし、原料酸素および製品
の流量を小流量にした場合においても蒸留性能の低下を
防ぐため塔内還流液の密度補正空塔速度を0.6m/s(kg
/m3)1/2以上に維持するだけの還流比を確保するのが好
ましい。
【0038】通常電源からの電力供給の再開などにより
定格運転を再開する場合には、バックアップ電源87に
代えて通常電源を用いて上記機器を稼働させるととも
に、酸素蒸留ユニットF1の第1塔1に接続された経路
51に設けられた調節弁37を調節し、第1塔1に供給
される原料酸素の流量を定格運転時の値に戻すととも
に、水蒸留ユニットF2の蒸発器30に接続された経路
86に設けられた調節弁38を調節し、製品の取出し流
量を定格運転時の値に戻す。
【0039】本実施形態例の蒸留分離方法にあっては、
上述のように、バックアップ運転において、凝縮器及び
蒸発器における交換熱量を定格運転時の交換熱量より小
さくすることにより、定格運転時より低負荷で装置の運
転を行うことによって、各蒸留塔内の濃縮物中の同位体
重成分含有分子(1618O、H2 18Oなど)濃度を定格
運転時の濃度と略同等に維持することができ、製品中の
同位体重成分濃度は、定格運転再開後、短時間でバック
アップ運転以前の値となる。従って、停電などにより通
常電源からの電力供給が一時的に停止した場合でも、再
起動時間を大幅に短縮できる。また消費電力を低く抑え
ることができるため、バックアップ電源87として小容
量のもの、例えば容量が通常電源に比べ60〜70%で
あるものを使用でき、バックアップ電源87に要する設
備コスト削減が可能となる。
【0040】次に、本発明の蒸留分離方法の第2の実施
形態例について説明する。図6は、本実施形態例の蒸留
分離方法を実施するために用いられる蒸留装置の要部を
示すものである。本実施形態例の蒸留装置は、定格運転
用設備88、すなわち図1に示すブロア59、65、図
2に示すブロア77、83、図2及び図5に示す電気ヒ
ータ26b、28b、30b、図3に示すバーナ44
a、ヒータ44b、図4に示す循環経路12に設けられ
たブロア14、液ポンプ17、図5に示す液ポンプ3
4、空冷式復水器35等の機器に加えて、バックアップ
設備89を備えている点で、図1ないし図5に示す蒸留
装置と異なる。
【0041】このバックアップ設備89は、定格運転用
設備88の保守時などに定格運転用設備88の少なくと
も一部に代えて用いることにより運転を継続するバック
アップ運転を行うためのもので、上記定格運転用設備8
8(ブロア59、65、77、83、電気ヒータ26
b、28b、30b、バーナ44a、ヒータ44b、ブ
ロア14、液ポンプ17、34、空冷式復水器35等の
機器)が設けられた経路にバイパス経路により接続さ
れ、これらの機器を停止した場合でも、これら機器の機
能を代替し得るように構成されている。
【0042】図6に示す例において、バックアップ設備
89は、定格運転用設備88であるブロア59、65、
77、83、電気ヒータ26b、28b、30b、バー
ナ44a、ヒータ44b、ブロア14、液ポンプ17、
34、空冷式復水器35をそれぞれ代替可能に構成され
た予備機であるブロア59’、65’、77’、8
3’、電気ヒータ26b’、28b’、30b’、バー
ナ44a’、ヒータ44b’、ブロア14’、液ポンプ
17’、34’、空冷式復水器35’を備えている。
【0043】これらの機器(バックアップ設備89)
は、バックアップ電源87に接続され、バックアップ運
転時において、バックアップ電源87からの電力供給に
より稼働することができるように構成された予備機であ
る。またこれらの機器(バックアップ設備89)は、定
格運転用設備88を構成する各機器よりも小容量のもの
(例えば容量が定格運転用設備88に比べ60〜70%
であるもの)を用いることができる。また定格運転用設
備88を構成する各機器と同じ仕様のものを用いること
ができる。なお図6に示す蒸留装置において、定格運転
用設備88を構成する各機器は、バックアップ電源87
に接続されておらず、電源として利用できるのは通常電
源のみである。
【0044】一般に、ブロアや液ポンプ等の回転機及び
電気ヒーター等は、長時間連続運転を行う場合、定期的
な保守点検を行うのが好ましい。定格運転用設備88の
保守点検等を行う際には、定格運転用設備88の各機器
(ブロア59、65、77、83、電気ヒータ26b、
28b、30b、バーナ44a、ヒータ44b、ブロア
14、液ポンプ17、34、空冷式復水器35)の少な
くとも一部を停止し、停止した機器に代えて、その機器
の予備機であるバックアップ設備89を用いる。例えば
ブロア59を保守点検する際には、ブロア59が設けら
れた経路58に接続されたバイパス経路58bに設けら
れたブロア59’を用いる。保守点検を行う際には、定
格運転用設備88を構成する機器を全て停止させてもよ
いが、一部の機器のみを停止させることも可能である。
また定格運転用設備88の各機器を全て停止させる場合
においても、これらを全て同時に停止させてもよいし、
一部ずつ時間をおいて停止させてもよい。
【0045】このように、バックアップ設備89を用い
ることによって、保守点検などのために定格運転用設備
88を停止する場合でも、蒸留装置の運転を継続するこ
とができるようになる。またバックアップ設備89を構
成する機器として、定格運転用設備88を構成する各機
器よりも小容量のものを用いることによって、バックア
ップ設備89に要する設備コストを低く抑えることがで
きる。
【0046】なお、バックアップ設備を構成する各機器
は、それぞれの連続運転可能時間と装置全体の連続運転
時間の関係から、定格運転用設備を兼用して用いること
もできるし、図6に示すように定格運転設備とは別個に
設け、その全部又は一部を選択して使用することができ
る。
【0047】また上記実施形態例では、バックアップ運
転において、定格運転時に比べ原料酸素の供給流量及び
製品流量を低くする方法を説明したが、これに限らず、
調節弁37を閉じて経路51からの原料酸素の供給を停
止するとともに、調節弁38を閉じて経路86からの製
品取出しを停止し、装置内の被蒸留物(濃縮物)を全還
流させる運転を行うこともできる。全還流運転を行うこ
とによって、装置内外の熱の出入りを最小限に抑え、装
置内の温度の上昇を防ぐことができる。また同位体重成
分が未濃縮である原料酸素の導入を停止することにより
装置内の濃縮物の同位体濃度が変化するのを極力防ぐこ
とができる。
【0048】さらには、蒸留装置への原料酸素供給、お
よび該装置からの製品取出しを停止することに加え、相
隣接する2つの塔の間を連結する経路に設けられた調節
弁の開度を調節することによって、これらの塔の間の液
またはガスのやりとりを停止あるいは適当な少量に抑
え、各塔1、2、3、21、22、23においてそれぞ
れ実質的に独立に全還流あるいは適当な小負荷で運転す
ることもできる。すなわち、塔1、2間の経路56、5
8の弁56a、58a、塔2、3間の経路62、64の
弁62a、64a、塔21、22間の経路74、76の
弁74a、76a、塔22、23間の経路80、82の
弁80a、82aを調節することによって、各塔1、
2、3、21、22、23からこれに隣接する塔への液
またはガスの導入を、停止あるいは適当な少量に抑え
る。
【0049】このように、蒸留塔間の液またはガスのや
りとりを停止あるいは少量に抑えることによって、各塔
内の濃縮物の同位体濃度が、隣接する塔から導入された
濃縮物により変化するのを防ぎ、塔内の濃縮物の同位体
濃度の変化を極力抑えることができる。特に、各塔1、
2、3、21、22、23からこれに隣接する塔への液
またはガスの導入を完全に停止し、各塔を全還流で運転
することにより、塔内の同位体濃度変化を抑える効果を
高めることができる。
【0050】また蒸留塔の数は上記実施形態例のものに
限定されない。例えば、複数の蒸留塔(第1塔〜第n塔)
を備えたものを用いる場合、蒸留塔の数nは例えば2〜
100とすることができる。第1ないし第n塔を備えた
蒸留装置を用い、これらの第1塔〜第n塔においてそれ
ぞれ実質的に独立に全還流を行わせる場合には、バック
アップ運転時において、原料供給および製品取出しを停
止し、かつ第k塔(1≦k≦(n-1))と第(k+1)塔とを連結す
る経路に設けられた弁の開度を調節する。
【0051】また、酸素蒸留ユニットF1の蒸留塔の数
が少ない場合(例えば蒸留塔数1〜5)等は第1塔だ
け、あるいは塔の数が多い場合(例えば蒸留塔数6以
上)等は第1塔を含む初めの数塔(例えば第1塔〜第3
塔)の蒸留塔を停止することができる。即ち、蒸留塔に
おける凝縮器/蒸発器の交換熱量の大きさは、第1塔か
ら順次少なくなって行き、各塔の循環窒素ブロアーの所
要動力および凝縮器へ送液する液化窒素量は交換熱量に
ほぼ比例するため、蒸留装置への原料酸素供給および該
装置からの製品取出しを停止することに加えて、酸素蒸
留ユニットの第1塔だけ、あるいは第1塔を含む初めの数
塔の蒸留を停止することは、バックアップの電力および
/または熱媒体の所要量を減らす上で効果が大きい。
【0052】このときの再起動時間は、前記のような濃
度分布を維持するときのように短縮することはできない
が、初めの起動時間(従来法における起動時間)に比較
すれば十分短い時間で済む。これは、第1塔だけ、ある
いは第1塔を含む初めの数塔における目的成分のホール
ドアップ量が他の塔に比べて比較的少なく設計できるこ
とによる。また、第1塔だけ、あるいは第1塔を含む初め
の数塔の蒸留を停止するに際し、濃縮液の蒸発を防ぐた
めに必要な量(少量でよい)の液化窒素等を寒冷用熱媒
体としてこれらの塔の凝縮器に送り、低温状態を維持す
ることにより、さらに再起動時間を短縮することができ
る。
【0053】また、上記実施形態例では、バックアップ
運転時においても、定格運転時と同様の経路で熱媒体を
循環経路12、32内で循環させることとしたが、本発
明の運転方法はこれに限定されない。バックアップ運転
時においては、熱媒体の所要流量が小さく、この運転が
一時的なものであるため、図4に示すように、熱媒体を
経路19を通して貯留槽16内に導入するとともに、熱
媒体を蒸発器6を経た後、経路20を通してそのまま系
外に排出する方法を採ることもできる。この方法では、
熱交換器18の第2流路18bを経た熱媒体を、熱交換
器15、貯留槽13、ブロア14、熱交換器15を経由
させずに、経路36を通して蒸発器6に送り込むように
することができる。これによって、ブロア14を使用し
ない運転を行うことができるようになり、さらなる消費
電力の節減が可能となる。なお蒸留装置に供給する原料
は、ガスの状態で用いることもできるし、液の状態とし
て用いることもできる。
【0054】次に、上記蒸留装置を用いて重酸素水の製
造を行う場合についてコンピュータシミュレーションを
行った結果について説明する。なお、本発明の蒸留塔の
設計に採用した蒸留理論およびこのシミュレーションに
採用した蒸留理論は、物質移動に関する速度論的モデル
を用いており、いわゆるH.E.T.P(Height Equivale
nt to a Theoritical Plate)あるいは平衡段モデルは
用いていない。
【0055】この速度論的モデルを用いた蒸留理論にお
いて、質量流束Nは、拡散流束Jと対流項ρvを用いて
次のように表される。 N = JGS + ρGSGSωGS また、物質移動に関する相関式として次のものを掲げる
ことができる。 ShGS(JGS/N) = A1ReG A2・ScGS A3 ここで、Sh、Re、Scは次式でそれぞれ定義され
る。 ShGS = Nd/(ρGSGSΔωGS) ReG = ρGGd/μG ScGS = μGS/(ρGSGS) N:質量流束[kg/(m2・s)] J:拡散流束[kg/(m2・s)] d:相当直径[m] D:拡散係数[m2/s] U:充てん物表面に沿った蒸気の平均速度[m/s] ρ:密度[kg/m3] v:速度[m/s] ω:濃度[kg/kg] μ:粘性係数[Pa・s] Sh:シャーウッド数[-] Re:レイノルズ数[-] Sc:シュミット数[-] A1、A2、A3:系によって決まる定数 添え字G:気相 添え字S:気液界面 この速度論的なモデルの良さは、多成分系における中間
成分の物質移動を正確に予測できること、平衡段モデル
によって計算を行った場合に起こるマーフリー効率や
H.E.T.Pが負の値をとるような非現実的な結果とな
らないことなどにある。上記モデルについては、J.A.We
sselingh: "Non-equilibrium modelling of distillati
on" IChemE Distillation and Absorption '97, vol.1,
pp.1-21 (1997)に詳しく記載されている。
【0056】[実施例]上記モデルを用いて、図1ないし
図5に示す蒸留装置を用いて重酸素水の製造を行う場合
のシミュレーションを次のようにして行った。この実施
例では、定格運転を行った後、装置への原料酸素供給量
および装置からの製品取出し流量を定格運転時の流量の
60%にしたバックアップ運転を行い、このバックアッ
プ運転時の各種パラメータの変化や、酸素、水の同位体
成分濃度の変化を調べた。なお、本実施例では、酸素蒸
留ユニットF1の熱媒体として窒素を用い、水蒸留ユニ
ットF2の熱媒体として水を用いることを想定した。酸
素蒸留ユニットF1の第1ないし第3塔の装置仕様及び
運転諸元を表1に示す。水蒸留ユニットF2の第1ない
し第3塔の装置仕様及び運転諸元を表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】上記モデルを用いてシミュレーションを行
った結果を表3ないし表8、図7ないし図12に示す。
表3、表4は、酸素蒸留ユニットF1各工程で得られる
ガスまたは液の温度、圧力、流量、および各同位体成分
濃度を示すものである。表5、表6は、水蒸留ユニット
2各工程で得られるガスまたは液の温度、圧力、流
量、および各同位体成分濃度を示すものである。表7、
表8は、循環経路12、32の各位置における熱媒体の
温度、圧力を示すものである。表中、A101〜A11
3、B101〜B113、C101〜C109、D10
1〜D103は、図1、図2、図4、図5に示す各符号
に相当する位置の同位体成分流体及び熱媒体流体を示
す。
【0060】図7ないし図9は、それぞれ酸素蒸留ユニ
ットF1の第1ないし第3塔内における各同位体成分の
濃度分布を示すものである。図10ないし図12は、そ
れぞれ水蒸留ユニットF2の第1ないし第3塔内におけ
る各同位体成分の濃度分布を示すものである。なお循環
経路12で用いる熱媒体としては窒素を用い、循環経路
32で用いる熱媒体としては水を用いることを想定し
た。また表中、成分濃度AE−Bとは、当該成分の全体
に占める割合がAラ10-Bであることを示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】本実施例は、蒸留塔1塔当たりの高さを高
くして塔数を少なくした場合であり、この実施例におい
ては、本酸素蒸留ユニットF1の装置を起動してから定
格運転に至るまでの起動時間は6.9年と予想される。ま
た、その後、水蒸留ユニットF2の装置を起動し、定格
運転に至るまでの起動時間は0.3年と予想される。した
がって、本装置の起動時間は合わせて7.2年と予想され
る。なお、本実施例に比べ、蒸留塔1塔当たりの高さを
低くして塔数を本実施例より多くすれば、塔径が小さく
なるので目的成分の総ホールドアップ量は小さくなり、
起動時間は本実施例よりもっと短くなる。同様に、停電
等により装置が停止し、濃度分布が定格運転時の状態か
ら大きく変化した場合の再起動時間も数年を要すること
が予想される。このため、バックアップ設備等を用いて
運転を継続し、濃度分布を維持し続けることは重要であ
ることがわかる。なお、起動時間の推算には次式を用い
た(Manson Benedict, Thomas H.Pigford and Hans Wal
fgang Levi (清瀬量平 訳):原子力化学工学、第V
冊、同位体分離の化学工学、日刊工業新聞社、pp.72-75
(1985))。
【0068】
【数1】
【0069】表1、表3、表4、表7、図7〜図10よ
り、酸素蒸留ユニットF1においては、凝縮器、蒸発器
の交換熱量が、定格運転時1533kWであったのに対
しバックアップ運転時には564kWとなり、しかも濃
縮物中の同位体重成分含有酸素分子(1618Oなど)濃
度を定格時の60%前後に維持することができることが
わかる。また熱媒体の循環量を低く抑えることができる
ため、循環経路12に設けられたブロア14の所要電力
を700kWから260kW程度まで低くすることがで
きることがわかる。また液ポンプ17の所要電力も6.
3kWから2.3kW程度とすることができることがわ
かる。
【0070】表2、表5、表6、表8、図10〜図12
より、水蒸留ユニットF2においては、凝縮器、蒸発器
の交換熱量が、定格運転時25kWであったのに対しバ
ックアップ運転時には10kWとなり、しかも濃縮物中
の同位体重成分含有水分子(H2 18Oなど)濃度を定格
運転時の85%前後に維持することができることがわか
る。また熱媒体の循環量を低くすることができるため、
循環経路32に設けられた液ポンプ34の所要電力を
0.5kWから0.21kW程度まで低くすることがで
きることがわかる。また電気ヒータ26bの所要電力も
25kWから10kW程度とすることができることがわ
かる。
【0071】このように、バックアップ運転時には、同
位体濃縮率に悪影響を与えることなく消費電力を低く抑
えることができることがわかる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バックアップ運転において、凝縮器及び蒸発器における
交換熱量を定格運転時の交換熱量より小さくすることに
より、定格運転時より低負荷で装置の運転を行うことに
よって、各蒸留塔内の濃縮物中の成分濃度を定格運転時
の濃度と略同等に維持することができ、製品中の同位体
重成分濃度は、定格運転再開後、短時間でバックアップ
運転以前の値となる。従って、停電などにより通常電源
からの電力供給が一時的に停止した場合でも、再起動時
間を大幅に短縮できる。また消費電力を低く抑えること
ができるため、バックアップ電源として小容量のものを
使用でき、バックアップ電源に要する設備コスト削減が
可能となる。また、バックアップ運転を行うにあたり、
小容量のバックアップ電源及び小容量のバックアップ設
備を用いることにより、消費電力及び熱媒体消費量を小
さくすることができ、かつ装置内における同位体成分濃
度の変化を低く抑えることができる。従って、停電など
により電力供給が一時的に停止した場合でも、比較的小
規模のバックアップ設備等を用いて連続運転を行い、再
起動時間を短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分離係数が1に近い混合物の分離用
蒸留装置の運転方法の一実施形態例を実施するために用
いられる同位体分離用蒸留装置の内、酸素蒸留ユニット
の要部を示す概略構成図である。
【図2】 同様に同位体蒸留装置の内、水蒸留ユニット
の要部を示す概略構成図である。
【図3】 同様に同位体蒸留装置の内、水素添加反応装
置を示す概略構成図である。
【図4】 図1に示す酸素蒸留ユニットの熱媒体循環経
路を示す概略構成図である。
【図5】 図2に示す水蒸留ユニットの熱媒体循環経路
を示す概略構成図である。
【図6】 本発明の蒸留装置の運転方法の他の実施形態
例を実施するために用いられる同位体分離用蒸留装置の
要部を示す構成図である。
【図7】 図1ないし図5に示す装置を用いた酸素同位
体の定格運転時及びバックアップ運転時の濃縮及び重酸
素水の製造をシミュレートした結果を示すグラフであ
り、その内図1の第1塔1内の各同位体成分の濃度分布
を示すものである。
【図8】 同様に図1の第2塔2内の各同位体成分の濃
度分布を示すものである。
【図9】 同様に図1の第3塔3内の各同位体成分の濃
度分布を示すものである。
【図10】 同様に図2の第1塔21内の各同位体成分
の濃度分布を示すものである。
【図11】 同様に図2の第2塔22内の各同位体成分
の濃度分布を示すものである。
【図12】 同様に図2の第3塔23内の各同位体成分
の濃度分布を示すものである。
【符号の説明】
1、2、3、21、22、23・・・蒸留塔 5、7、9、25、27、29・・・凝縮器 6、8、10、26、28、30・・・蒸発器 37、38・・・調節弁、87…バックアップ電源、88
…定格運転用設備、89…バックアップ設備

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通常電源に加え該通常電源が停止した時
    に該通常電源に代えて電力を供給するバックアップ電源
    を備え、塔頂付近に凝縮器を塔底付近に蒸発器を有する
    複数の蒸留塔(第1塔〜第n塔)を用いて分離係数が1
    に近い混合物を蒸留分離する方法であって、前記通常電
    源が停止した時前記バックアップ電源を用いて運転を継
    続するバックアップ運転を行うとともに、該バックアッ
    プ運転において、前記凝縮器及び前記蒸発器における交
    換熱量を定格運転時の交換熱量より小さくすることを特
    徴とする蒸留分離方法。
  2. 【請求項2】 定格運転用設備に加え装置の連続運転が
    可能なように構成されたバックアップ設備を備え、塔頂
    付近に凝縮器を塔底付近に蒸発器を有する複数の蒸留塔
    (第1塔〜第n塔)を用いて分離係数が1に近い混合物
    を蒸留分離する方法であって、前記定格運転用設備の保
    守時に該定格運転用設備の少なくとも一部に代えて前記
    バックアップ設備を用いて運転を継続するバックアップ
    運転を行うとともに、該バックアップ運転において、前
    記凝縮器及び前記蒸発器における交換熱量を定格運転時
    の交換熱量より小さくすることを特徴とする蒸留分離方
    法。
  3. 【請求項3】 前記バックアップ運転において、前記第
    1塔に導入する原料混合物の流量および前記第n塔から
    取出す製品の流量を定格運転時より小容量とすることを
    特徴とする請求項1又は2記載の蒸留分離方法。
  4. 【請求項4】 前記バックアップ運転において、前記第
    1塔への原料混合物の導入および前記第n塔からの製品
    取出しを停止し、かつ第k塔と第k+1(1≦k≦n−
    1)塔とを連結する経路に設けられた各弁の開度を調節
    することにより、これら複数の塔を独立して運転するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の蒸留分離方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の塔をそれぞれ全還流で運転す
    ることを特徴とする請求項4記載の蒸留分離方法。
  6. 【請求項6】 前記バックアップ運転において、前記複
    数の蒸留塔の内最初の第1塔のみ、あるいは最初の第1
    塔につながる数塔の運転を停止し、残りの蒸留塔を運転
    することを特徴とする請求項1又は2記載の蒸留分離方
    法。
  7. 【請求項7】 前記運転を停止した最初の第1塔あるい
    は第1塔につながる数塔の前記凝縮器に、該停止した蒸
    留塔の低温を維持する寒冷用熱媒体流体を供給すること
    を特徴とする請求項6記載の蒸留分離方法。
  8. 【請求項8】 塔頂付近に凝縮器を塔底付近に蒸発器を
    有する複数の蒸留塔と、通常電源遮断時該通常電源に代
    えて必要な機器に電力を供給するバックアップ電源と、
    定格運転時に用いる定格運転用設備の保守時該定格運転
    用設備の少なくとも一部に代えて装置の連続運転ができ
    るように構成されたバックアップ設備とを備え、前記バ
    ックアップ電源が前記通常電源より小容量であることを
    特徴とする分離係数が1に近い混合物を蒸留分離する蒸
    留装置。
  9. 【請求項9】 前記バックアップ設備が、前記定格運転
    用設備より小容量であることを特徴とする請求項8記載
    の分離係数が1に近い混合物を蒸留分離する蒸留装置。
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