JP2001238467A - 電力変換システム - Google Patents

電力変換システム

Info

Publication number
JP2001238467A
JP2001238467A JP2000051141A JP2000051141A JP2001238467A JP 2001238467 A JP2001238467 A JP 2001238467A JP 2000051141 A JP2000051141 A JP 2000051141A JP 2000051141 A JP2000051141 A JP 2000051141A JP 2001238467 A JP2001238467 A JP 2001238467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switch
converter
capacitor
inverter
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000051141A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Taniguchi
勝則 谷口
Toshimasa Tanizaki
俊正 谷崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Electric Manufacturing Ltd
Original Assignee
Toyo Electric Manufacturing Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Electric Manufacturing Ltd filed Critical Toyo Electric Manufacturing Ltd
Priority to JP2000051141A priority Critical patent/JP2001238467A/ja
Publication of JP2001238467A publication Critical patent/JP2001238467A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rectifiers (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波雑音を低減し、また転流回路の動作回
数を減らし、転流回路の小型化、装置の効率向上を図る
ことにある。 【解決手段】 ZVS(零電圧スイッチング)で動作す
る新転流回路と使用し、コンバータ、インバータの全素
子を一括に転流するとともに、スナバコンデンサによる
ZVSスイッチングが可能なスイッチングについては転
流回路を動作させず、転流回路の動作回数を減らす。転
流回路の動作時点を決めるキャリア信号にのこぎり波を
使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流の力率を改善
しながら直流に変換し、その直流から任意周波数と任意
電圧を持つ交流に変換する電力変換システムにおいて、
スイッチングノイズとスイッチング損失を低減するよう
にしたソフトスイッチング電力変換システムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】交流の力率を改善しながら直流に変換
し、その直流から任意周波数と任意電圧を持つ交流に変
換する電力変換システムとしては、交流電源から直流を
得るPWMコンバータと直流を交流に変換するPWMイ
ンバータとを接続する直流リンク部に平滑用のコンデン
サだけをもち一定の直流電圧を得るハードスイッチング
電力変換システムがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ハードスイッチング電
力変換システムは、構成が簡単であるが、大きなスイッ
チングノイズとスイッチング損失を生じる。最近、電力
変換器にはEMI(電磁干渉)やEMC(電磁環境両立性)等
の規制および省エネに対する要望により、ノイズ抑制と
変換効率の向上が求められている。
【0004】本発明は上述した点に鑑みて創案されたも
ので、その目的とするところは、交流の力率を改善しな
がら直流に変換し、その直流から任意周波数と任意電圧
を持つ交流に変換するソフトスイッチング電力変換シス
テムに関するものであり、入力電流の高調波とスイッチ
ング損失を低減し、また、高周波ノイズの発生を抑制し
ながら力率を改善すると同時に、低ノイズ高効率で任意
周波数と任意電圧を持つ交流に変換できるシステムを提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】つまり、その目的を達成
するための手段は、 1.請求項1において、交流電源から直流を得るコンバ
ータと直流を交流に変換するインバータのすべてのスイ
ッチング素子にコンデンサを並列接続するとともに、前
記コンバータと前記インバータとを接続する直流リンク
部分の正母線と負母線の相互間に、逆並列ダイオードを
備え正母線方向へ向かう電流を制御し得る極性の第1の
スイッチング素子と、第1のコンデンサと、第2のコン
デンサとよりなる直列回路を設け、前記第1のスイッチ
ング素子と第1のコンデンサとの直列部に並列に、逆並
列ダイオードを備え負母線方向へ向かう電流を制御し得
る極性の第2のスイッチング素子と、リアクトルとから
なる直列回路を設けたことを特徴とする電力変換システ
ムである。
【0006】2.請求項2において、交流電源から直流
を得るコンバータと直流を交流に変換するインバータの
すべてのスイッチング素子にコンデンサを並列接続する
とともに、前記コンバータと前記インバータとを接続す
る直流リンク部分の正母線と負母線の相互間に、逆並列
ダイオードを備え正母線方向へ向かう電流を制御し得る
極性の第1のスイッチング素子と、第1のコンデンサ
と、第2のコンデンサとよりなる直列回路を設け、前記
第1のスイッチング素子と第1のコンデンサとの直列部
に並列に逆並列ダイオードを備え、負母線方向へ向かう
電流を制御し得る極性の第2のスイッチング素子と、リ
アクトルとからなる直列回路を設けてなる転流回路を有
する電力変換システムにおいて、電流極性判定手段と、
変調度指令信号と、のこぎり波形のキャリア信号を有
し、前記電流極性判定手段により、前記変調度指令信
号、または、前記キャリア信号のいずれかを反転させ、
前記2つの信号を比較することによりPWM波形を得る
とともに、前記のこぎり波の急変部分でのみ転流回路を
動作させることを特徴とする電力変換システムである。
【0007】その作用は、交流電源から直流を得るコン
バータと直流を交流に変換するインバータの直流リンク
部分に設けた転流回路により、コンバータとインバータ
のスイッチ動作の瞬間に直流リンク部分の電圧を一瞬ゼ
ロ電圧とし、ソフトスイッチングを達成するものであ
る。
【0008】転流動作開始時には、第2スイッチをオン
し、転流リアクトルに前記第2平滑コンデンサの電圧を
印加することにより転流リアクトルに電流を流す。該電
流を初期電流として、インバータ、コンバータのスイッ
チと並列に接続されたコンデンサと、転流リアクトルの
間の振動により、直流リンク部の電圧は反転しようとす
る。該電圧は、インバータ、コンバータのダイオードに
より零電圧にクリップされ、直流リンク部の電圧は一時
零電圧となる。この間にインバータ、コンバータのスイ
ッチのオフ、オン動作を行う。第1スイッチと第1ダイ
オードの逆並列接続回路は、転流動作時に平滑コンデン
サを直流リンクの正母線から切り離し、動作終了後にま
た接続するのが主な役割であり、第2スイッチと第2ダ
イオードの逆並列接続回路は、転流開始と転流初期電流
の確保が主な役目である。
【0009】また、本電力変換システムの駆動において
は、コンバータとインバータのすべてのスイッチに転流
コンデンサを並列接続し、該コンデンサの作用により零
電圧スイッチングが行なわれるスイッチについては、転
流回路を動作させないような制御方式とすることによっ
て転流回路の動作回数を低減している。さらに、後述す
るごとく、全スイッチを一斉に消弧し、各スイッチの点
弧のタイミングによりコンバータとインバータの出力電
圧を所望の波形に制御するような制御方式を採用するこ
とにより、転流回路の動作回数を低減するとともに、転
流により発生する損失を低減することができる。以下、
本発明の一実施例を図面に基づいて詳述する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明のソフトスイッチン
グ電力変換システムに関する三相−三相構成の回路図で
ある。図1中、1は電源、2はPWMコンバータ(コン
バータ回路)、3は転流回路、11はPWMインバー
タ、12は電動機等の負荷を示す。PWMコンバータ2
は周知のコンバータと同様に、IGBT等の半導体スイ
ッチ21aから21fと、ダイオード22aから22f
および交流リアクトル24から構成される。半導体スイ
ッチ21aから21fとダイオード22aから22fは
互いに逆並列に接続され、さらにブリッジ接続されコン
バータ回路を構成する。コンバータ回路2と電源1との
間に交流リアクトル24が設けられている。
【0011】本発明のPWMコンバータ2では、半導体
スイッチ21a〜21fとダイオード22a〜22fの
逆並列回路にさらにスナバコンデンサ23a〜23fが
並列に接続される。PWMインバータ11も、PWMコ
ンバータ2と同様に、半導体スイッチ111a〜111
f、ダイオード112a〜112f、スナバコンデンサ
113a〜113fからなり、その構成は前記コンバー
タ2と同じである。
【0012】このほかPWMインバータとPWMコンバ
ータとの相数とその組み合わせとしては、単相−三相、
三相−単相、単相−単相などが考えられるが、本発明は
相数に関わりなく同様に適用することができる。
【0013】転流動作を説明するために、図1の回路を
図2の等価回路で置き換える。図2において、図1と同
じ符号は同じものを示す。図2の符号30は、図1の転
流回路3を表している。図1の平滑コンデンサ9、10
の容量は十分大きいとして、図2では第1の定電圧源16
と第2の定電圧源17で表している。図1のインバータ1
1のスイッチ111a〜111fとダイオード112a
〜112fを図2では第3スイッチ18と等価ダイオード
20で代表する。図1のコンバータ2のスナバコンデンサ
23a〜23fとダイオード22a〜22fも図2の等
価回路にはコンデンサ15、等価ダイオード14として
表しているが、動作上はインバータの転流コンデンサ1
9とダイオード20に含めることができる。負荷電流が
コンバータとインバータを通して流れているものとし
て、定電流源13x、13yで表している。
【0014】転流回路動作時の各スイッチの信号波形と
リアクトル電流波形、直流リンク電圧波形を図3に示
す。図3(a)、(b)、(c)はそれぞれ第1スイッ
チ4、第2スイッチ7、第3スイッチ18への点弧信号
波形、(d)はリアクトル24の電流波形、(e)は直
流リンクの電圧波形を示す。転流動作は各素子の導通に
よって移り変わり、(f)に示した七つのモードからな
る。(f)で示した各モードの等価回路を示すと図4と
なる。同図は、各モード(f)において、図3の等価回
路に示した各スイッチやダイオードのコンデンサに流れ
る電流の有無を示しており、実線は電流が流れている部
分、波線は電流が流れていない部分を示す。
【0015】図4の(a)のモード1は、転流が行われ
る前の状態を示す。モード1では第1スイッチ4および
第1ダイオード5が導通しており、直流リンク電圧はコ
ンバータの制御により一定値Edに保たれ、直列接続さ
れた図1に示す平滑コンデンサ9、10はそれぞれEd
/2づつに分割されて充電されているものとし、図2に
示す直流電源16、17は一定値Ed/2に保たれてい
る。また、負荷電流13x、13yは、一定電流I
インバータとコンバータを循環しているものとする。
【0016】時刻T2にて第2スイッチ7がオンする
と、図4の(b)に示すモード2に移行する。第2スイ
ッチ7がオンすると、平滑コンデンサ9の第1の直流電
源16の電圧Ed/2が転流リアクトル6にかかり、図
4の(b)に示すように転流リアクトル6の電流を直線
的に増加させる。転流リアクトル6の電流が負荷電流I
より大きなある一定値Irl(Irl>I)に達す
る時刻T3にて第1スイッチ4への点弧信号をオフする
とモード3に移る。
【0017】図4の(c)に示すモード3では、第1ス
イッチ4がオフすると、スナバコンデンサ15および1
9、転流リアクトル6、第2のスイッチ7、第2の直流
電源17の経路で、スナバコンデンサ15、19と転流
リアクトル6の作用により直流リンク電圧が減少し、さ
らに負電圧になろうすると、インバータ11の等価ダイ
オード20およびコンバータ2の等価ダイオード14が
導通し、モード4に移行する。
【0018】図4の(d)に示すモード4では、インバ
ータ、コンバータの等価ダイオード20、14が導通す
ると、直流リンクの負側に接続されている直流電源17
の電圧Ed/2が転流リアクトル6にかかることになる
ので、転流リアクトル6の電流は減少しやがて零にな
る。この時、等価ダイオード14、20が導通している
間に第3スイッチ18をオンしておく。
【0019】時刻T5にて転流リアクトル6の電流は零
になると図4の(e)に示すモード5となる。等価ダイ
オード14、20が導通している間に第3スイッチ18
をオンしておくと転流リアクトル6の電流は零になった
あと反転し、第3スイッチ18が導通して、さらに、図
4の(e)に示した経路で、直流電源17の電圧が転流
リアクトル6にかかり、転流リアクトル6の電流はこれ
までとは逆の方向に増加する。転流リアクトル6の電流
が負荷電流Iより大きなある一定値Ir2(Ir2>
)に達すると第3スイッチ18をオフする。
【0020】図4の(f)に示すモード6は第3スイッ
チ18のオフにより始まる。第3スイッチ18がオフす
ると、転流リアクトル6の電流がスナバコンデンサ1
5、19を充電し直流リンク部の電圧を上昇させる。直
流リンク部の電圧が直流電源16と17の合計電圧Ed
に達すると第1ダイオード5が導通し、直流リンク部の
電圧を一定電圧Edに保つ。
【0021】図4の(g)に示すモード7は第1ダイオ
ード5の導通により始まり、転流リアクトル6の電流が
零になって終わる。モード7で第1ダイオード5が導通
している間に第1スイッチ4をオンしておくと、モード
7の終了後は直流電源16、17の直列回路は直流リン
ク部に接続されることになり、モード1へ戻る。
【0022】以上、モード1からモード7が転流回路の
一連の動作であり、第1スイッチ4、第2スイッチ7、
第3スイッチ18のオン・オフは零電圧または零電流の
ソフトスイッチングが達成されている。一連の動作の途
中、モード4とモード5は直流リンク部の電圧が零であ
るから、このモードの期間中にインバータとコンバータ
における必要なスイッチのオン・オフを行えば、システ
ムの零電圧スイッチングが達成できる。
【0023】一般に、三相PWMコンバータや三相PW
Mインバータにおいては、三相正弦波変調信号と三角波
キャリア信号との比較出力で各アームのスイッチがオン
・オフ動作されるので、キャリア信号の一周期中に三相
PWMコンバータ側と三相PWMインバータ側のそれぞ
れにおいて6回づつのオン・オフ動作がなされることに
なる。電力変換システムのソフトスイッチング動作を達
成するために、システムにおけるスイッチがオン・オフ
動作する度に直流リンク部の転流回路を動作させれば転
流回数が非常に多くなり実用的ではない。
【0024】本発明では、転流回路の動作回数を減らし
ながらシステム回路のソフトスイッチングを達成するた
めにスナバコンデンサの作用を利用する。インバータ1
1とコンバータ2の直流リンクの正側、負側に接続され
ている各アームにおける上スイッチ、下スイッチは、そ
れらに並列接続されたスナバコンデンサの作用によって
上下いずれかのスイッチのオフ動作時に転流回路の補助
を必要とせず、単独でソフトスイッチング動作を達成で
きるが、このためには負荷電流の方向が重要である。
【0025】図5は、スイッチがスイッチング時の状態
と負荷電流の方向との関係を示している。例としてイン
バータのU相の上スイッチがオフする時の例を示してい
る。
【0026】図5の(a)は、負荷電流が上スイッチと
下スイッチとの接続点であるインバータの出力端子から
負荷へ向かって流出する方向、つまり、負荷電流iuL
が正(iuL>0)であり、上アームのスイッチ111
aを通って負荷に電流が流れている場合を示す。この時
には、上スイッチ111aをオフするだけで負荷電流i
uLは、上スイッチからその時点では充電されていない
上アームのスナバコンデンサ113aに転流し、さら
に、上アームのスナバコンデンサ113aを充電、下ア
ームのスナバコンデンサ113dを放電し、ついには図
5の(b)のように下アームのダイオード112dを通
って流れるので、上スイッチは零電圧スイッチングでO
FFすることができる。下スイッチは、上記のように負
荷電流が下アームのダイオード112dを通って流れる
ようになった後でONすればよい。
【0027】一方、負荷電流iuLが負荷から上スイッ
チと下スイッチとの接続点であるインバータの出力端子
へ向かって流入する方向、負荷電流iuLが負(iuL
<0)で上アームの逆並列ダイオード112aを通って
負荷電流iuLが流れている図5(c)の状態からは、
上アームのスイッチ111aをOFFしても、負荷電流
は図5の(d)のように上アームの逆並列ダイオード1
12aを通って流れ続け変化は生じない。この状態から
下スイッチ111dをONすることはできない。下スイ
ッチ111dをONすると、それまで直流電圧に充電さ
れていた下スイッチ111dに並列のスナバコンデンサ
113dからの放電電流と、上スイッチに並列のスナバ
コンデンサ113aを充電する電流がともに下スイッチ
111dに流れ、零電圧スイッチングとならないばかり
か、過大な電流がスイッチを破損する恐れもあるからで
ある。したがって、図5の(c)の状態から、下スイッ
チをONするためには、転流回路を動作させて直流リン
ク電圧を零とした後、下スイッチ111dをONする必
要がある。
【0028】以上と同様に、下スイッチ111dがO
N、上スイッチ111aがOFFの状態から、下スイッ
チ111dをOFFし、さらに上スイッチ111aをO
Nする時には、負荷電流が負の時には、スナバコンデン
サ113dの作用により零電圧スイッチングが行なわれ
るが、負荷電流が正の時には、転流回路を動作させて直
流リンク電圧を零とした後、上スイッチ111aをON
する必要がある。
【0029】以上より、負荷電流iuLが正(iuL
0)の時の上アームから下アームへの切り替え時と、負
荷電流iuLが負(iuL<0)の時の下アームから上
アームへの切り替え時とは、スナバコンデンサによる零
電圧スイッチングが可能であるため転流回路を動作させ
ず、負荷電流iuLが正(iuL>0)の時の下アーム
から上アームへの切り替え時と、負荷電流iuLが負
(iuL<0)の時の上アームから下アームへの切り替
え時とは、転流回路を動作させて零電圧スイッチングを
行うように、負荷電流の方向により上下アームのスイッ
チのオン・オフ動作を切り替えると、転流回路の動作回
数を大幅に低減できる。
【0030】図6は本発明のソフトスイッチング電力変
換システムをより効果的に動作させるためのPWM波形
の発生原理とシステム各部の電圧波形の一例を示す。
【0031】図5について記載したように、負荷電流i
uLが正(iuL>0)となる期間では、上アームのス
イッチをオフするだけで零電圧スイッチングが可能であ
り転流回路を動作させる必要はないので、上スイッチを
オフするタイミングは、各相毎に任意の時刻に行ってよ
い。一方、各相の上アームのスイッチをオンとする際に
はソフトスイッチングを行うためには前述のように事前
に転流回路を動作させなければならない。したがって、
キャリア信号として各相に共通ののこぎり波を用い、上
アームのスイッチのオンはのこぎり波の急変部分で転流
回路を動作させて行い、上アームのオフ、下アームのオ
ンはのこぎり波の傾斜を利用して制御し各相毎に任意の
時刻に行うようにすれば、転流回路の動作はキャリア信
号周期毎に一回だけで三相PWMコンバータのソフトス
イッチング動作が実現できる。
【0032】同様に、該スイッチを流れる負荷電流i
uLが負(iuL<0)となる期間では、下アームのス
イッチのオンはのこぎり波の急変部分で転流回路を動作
させて行い、下アームのオフ、上アームのオンはのこぎ
り波の傾斜を利用して制御し任意の時刻に行うようにす
ればよい。
【0033】さらに、コンバータとインバータとについ
ても共通のこぎり波を用いることにより、システム全体
で、転流回路の動作はキャリア信号周期毎に一回だけで
ソフトスイッチング動作が実現できる。
【0034】前述のように、負荷電流の方向により、ど
のスイッチのオフまたはオンをのこぎり波の急変部分に
あわせるかを切り替えなければならない。これは、負荷
電流の方向によりのこぎり波を反転させることで実現で
きる。
【0035】PWMコンバータにおいては入力力率1の
動作が望まれるから、この動作のためにはスイッチを流
れる負荷電流iuLが電源電圧と位相が一致した固定位
相に制御されるので、電流検出をなくしてものこぎり波
の切り替えのタイミングを決定することができる。PW
Mインバータでは負荷力率が任意であるから、スイッチ
を流れる負荷電流の方向によってキャリア信号を切り換
える必要がある。
【0036】図6は三相PWMコンバータ、または三相
PWMインバータの一つのアーム例としてu相に対する
PWMパルス発生の原理および実施例を示す。図6
(a)は本システムのコンバータおよびインバータのす
べての相に共通のシステムキャリア信号eを示す。図
6(b)のSuはu相の変調信号、IuLはu相の負荷
電流を示す。図6では、負荷電流IuLは、一般的にイ
ンバータのように変調信号と位相をずらして表している
が、前述のようにコンバータではほぼ変調信号と同じ位
相になる。
【0037】ebはu相のキャリア信号であり、図6
(a)のシステムキャリア信号eと、u相の負荷電流
uLから得られる。u相のキャリア信号eは、u相
の負荷電流IuLが正、すなわち、PWMコンバータま
たはPWMインバータから電源または負荷へ向かって流
出する期間Aでは、図6(a)のシステムキャリア信号
と一致し、負荷電流IuLが負、すなはち、電源ま
たは負荷からPWMコンバータ、PWMインバータへ向
かって流入する方向の期間Bでは、図6(a)のシステ
ムキャリア信号eの極性が反転した信号である。
【0038】図6(b)の変調信号Sがキャリア信号
より高い期間は、下スイッチがオフ、上スイッチが
オンされ、変調信号Suがキャリア信号eより低い期
間は、上スイッチがオフ、下スイッチがオンされる。
【0039】その結果、負荷電流iuLが正である図6
の期間Aでは、上スイッチがオフからオンに変化する時
点は、すべてのこぎり波の急変部に発生し、上スイッチ
がオンからオフに変化する時点は、すべてのこぎり波の
傾斜部に変調信号Sにより決まる時点で発生する。つ
まり、図5の(b)に記した転流回路の動作が必要な上
スイッチをオンする動作はすべてのこぎり波の急変部に
発生し、図5の(a)に記した、スナバコンデンサの作
用によりソフトスイッチングが行われる上スイッチをオ
フする動作はすべてのこぎり波の傾斜部で発生する。し
たがって、転流回路は、図6(d)に示すように、のこ
ぎり波の急変部のみで動作させればよい。u相の出力電
圧は、図6(c)となる。
【0040】同様に、負荷電流iuLが負となる期間B
でも、のこぎり波の波形を反転させることにより、図5
の(c)に記した転流回路の動作が必要な下スイッチを
オンする動作はすべてのこぎり波の急変部に発生し、
(d)に記した、スナバコンデンサの作用によりソフト
スイッチングが行われる下スイッチをオフする動作はす
べてのこぎり波の傾斜部で発生するようになり、転流回
路は図6(d)に示すように、のこぎり波の急変部のみ
で動作させればよい。
【0041】図7は、コンバータとインバータのシステ
ム全体の動作を示している。図7(a)はシステムキャ
リア信号、(b)から(g)はPWMコンバータの動
作、(h)から(m)はPWMインバータの動作、
(n)は転流回路の動作を示している。図7(b)、
(c)はPWMコンバータのu相の動作を示し、(b)
のSucはキャリア信号、eucは変調信号、iuc
電源電流を示し、(c)はコンバータの出力電圧であ
り、アームの出力端子の電圧である。同様に、図7
(d)と(e)、(f)と(g)はPWMコンバータの
v相、w相について、(h)と(i)、(j)と
(k)、(l)と(m)はPWMインバータのu相、v
相、w相について示す。なお、図中、サフィックスu、
v,wは各相の区別をi、cはインバータ,コンバータ
の区別を示す。
【0042】図7においても、PWMインバータとPW
Mコンバータのu、v、w相の全相について、図6と同
様に、キャリア信号はシステムキャリア信号と同期し、
電源電流あるいは負荷電流の極性に応じてのこぎり波形
を反転させて得ることにより、インバータとコンバータ
の全相について、転流回路の動作を必要とするスイッチ
ングがのこぎり波の急変部に発生するようになる。
【0043】したがって、この時点で転流回路を動作さ
せ、PWMインバータとPWMコンバータの3相を一括
転流することにより、キャリア信号の1周期に1回転流
回路を動作させればよく、転流回路の動作回数を減らす
ことができる。図6では、負荷電流の方向によりのこぎ
り波を反転させたが、変調信号の極性を反転させても同
様の制御が可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、半
導体素子のスイッチングをすべてソフトスイッチングと
することにより、高周波ノイズを低減できる。さらに、
一括転流と、スイッチに並列のコンデンサの作用と、変
調方式により転流回路の動作回数を低減することによ
り、転流回路が小型化でき、システムの損失を低減で
き、高効率の電力変換システムを実現できる。また、コ
ンバータとインバータと共通に1組の転流回路を設ける
だけであるので、回路部品点数を低減でき小型の回路と
することができる。また、キャリア信号も、システムに
共通であるので、ハードにより作成する場合には回路が
簡略になり、ソフト的に発生させる場合にも、ソフトの
作成が簡単になる。また、実施例ではPWMインバータ
とPWMコンバータの相数はいずれも3相として説明し
たが、PWMインバータとPWMコンバータの相数は単
相−三相、三相−単相、単相−単相など、本発明は相数
に関わりなく同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のソフトスイッチング電力変換システ
ムの一実施例を示す回路図である。
【図2】本発明によるソフトスイッチング電力変換シス
テム回路の等価回路である。
【図3】転流回路各部の動作波形図である。
【図4】転流回路の動作モードと各モードの等価回路で
ある。
【図5】インバータ・コンバータの各アームにおける上
下スイッチのソフトスイッチング動作の説明図である。
【図6】PWM波形の発生原理および実施例の1相分の
説明図である。
【図7】PWM波形の発生原理および実施例のシステム
全体についての説明図である。
【符号の説明】
1:三相交流電源 2:三相PWMコンバータ 3、30:転流回路 4:第1スイッチ(第1のスイッチング素子) 5:第1ダイオード 6:転流リアクトル 7:第2スイッチ(第2のスイッチング素子) 8:第2ダイオード 9:第1平滑コンデンサ 10:第2平滑コンデンサ 11:三相PWMインバータ 12:三相負荷 13x、13y:定電流源 14:PWMコンバータの等価ダイオード 15:PWMコンバータの等価スナバコンデンサ 16:第1の定電圧源 17:第2の定電圧源 18:第3スイッチ 19:PWMインバータの等価スナバコンデンサ 20:PWMインバータの等価ダイオード 21a〜21f、111a〜111f:IGBTなどの
半導体スイッチ 22a〜22f、112a〜112f:ダイオード 23a〜23f、113a〜113f:スナバコンデン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H006 AA01 AA02 BB05 CA01 CB01 CB08 5H007 AA01 AA02 CA01 CB05 CC12 DA03 DA06 EA02 EA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源から直流を得るコンバータと直
    流を交流に変換するインバータのすべてのスイッチング
    素子にコンデンサを並列接続するとともに、前記コンバ
    ータと前記インバータとを接続する直流リンク部分の正
    母線と負母線の相互間に、逆並列ダイオードを備え正母
    線方向へ向かう電流を制御し得る極性の第1のスイッチ
    ング素子と、第1のコンデンサと、第2のコンデンサと
    よりなる直列回路を設け、前記第1のスイッチング素子
    と第1のコンデンサとの直列部に並列に、逆並列ダイオ
    ードを備え負母線方向へ向かう電流を制御し得る極性の
    第2のスイッチング素子と、リアクトルとからなる直列
    回路を設けたことを特徴とする電力変換システム。
  2. 【請求項2】 交流電源から直流を得るコンバータと直
    流を交流に変換するインバータのすべてのスイッチング
    素子にコンデンサを並列接続するとともに、前記コンバ
    ータと前記インバータとを接続する直流リンク部分の正
    母線と負母線の相互間に、逆並列ダイオードを備え正母
    線方向へ向かう電流を制御し得る極性の第1のスイッチ
    ング素子と、第1のコンデンサと、第2のコンデンサと
    よりなる直列回路を設け、前記第1のスイッチング素子
    と第1のコンデンサとの直列部に並列に逆並列ダイオー
    ドを備え、負母線方向へ向かう電流を制御し得る極性の
    第2のスイッチング素子と、リアクトルとからなる直列
    回路を設けてなる転流回路を有する電力変換システムに
    おいて、電流極性判定手段と、変調度指令信号と、のこ
    ぎり波形のキャリア信号を有し、前記電流極性判定手段
    により、前記変調度指令信号、または、前記キャリア信
    号のいずれかを反転させ、前記2つの信号を比較するこ
    とによりPWM波形を得るとともに、前記のこぎり波の
    急変部分でのみ転流回路を動作させることを特徴とする
    電力変換システム。
JP2000051141A 2000-02-28 2000-02-28 電力変換システム Pending JP2001238467A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000051141A JP2001238467A (ja) 2000-02-28 2000-02-28 電力変換システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000051141A JP2001238467A (ja) 2000-02-28 2000-02-28 電力変換システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001238467A true JP2001238467A (ja) 2001-08-31

Family

ID=18572822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000051141A Pending JP2001238467A (ja) 2000-02-28 2000-02-28 電力変換システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001238467A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007209130A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 電力変換装置のpwm制御回路
JP2021125962A (ja) * 2020-02-05 2021-08-30 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01501276A (ja) * 1986-09-25 1989-04-27 ウイスコンシン アラムニ リサーチ ファンデーション 静電電力変換の方法および装置
JPH0870583A (ja) * 1994-08-29 1996-03-12 Mitsubishi Electric Corp 電力変換装置
JPH1084674A (ja) * 1996-09-06 1998-03-31 Sanken Electric Co Ltd 交流−直流変換器
JPH10178785A (ja) * 1996-12-19 1998-06-30 Omron Corp ゼロ電圧回路およびインバータ
JP2000262066A (ja) * 1999-03-08 2000-09-22 Sanken Electric Co Ltd 電力変換装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01501276A (ja) * 1986-09-25 1989-04-27 ウイスコンシン アラムニ リサーチ ファンデーション 静電電力変換の方法および装置
JPH0870583A (ja) * 1994-08-29 1996-03-12 Mitsubishi Electric Corp 電力変換装置
JPH1084674A (ja) * 1996-09-06 1998-03-31 Sanken Electric Co Ltd 交流−直流変換器
JPH10178785A (ja) * 1996-12-19 1998-06-30 Omron Corp ゼロ電圧回路およびインバータ
JP2000262066A (ja) * 1999-03-08 2000-09-22 Sanken Electric Co Ltd 電力変換装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007209130A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 電力変換装置のpwm制御回路
JP2021125962A (ja) * 2020-02-05 2021-08-30 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置
JP7261530B2 (ja) 2020-02-05 2023-04-20 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1996023346A1 (en) Novel soft switched three-phase boost rectifiers and voltage source inverters
JP6783867B2 (ja) 直流電源装置、モータ駆動装置、送風機、圧縮機および空気調和機
JP2002238257A (ja) 共振型dc−dcコンバータの制御方法
Cho et al. Three level auxiliary resonant commutated pole inverter for high power applications
WO2007069314A1 (ja) 電力変換装置
JP2002233150A (ja) 共振型dc−dcコンバータ
JP2019169991A (ja) 三相ac−dcコンバータ
JP4423950B2 (ja) 交流交流直接変換器の制御装置
JP2006340410A (ja) 交流直接変換装置
JP3864799B2 (ja) Pwmサイクロコンバータ
US6125045A (en) Power converter having first and second power conversion units with thyristors
JP3379578B2 (ja) 電力変換装置
JP2001238467A (ja) 電力変換システム
JP3177085B2 (ja) 電力変換装置
JP2002199737A (ja) 電力変換装置
WO2007142009A1 (ja) 電力変換装置及び圧縮機
JP4471076B2 (ja) Pwmサイクロコンバータ
Kurokawa et al. Auxiliary resonant DC link snubber assisted voltage-source soft switching inverter with space zero voltage vector generation method
JP4389386B2 (ja) 電力変換装置
JP2549101B2 (ja) 電力変換装置
JP2712952B2 (ja) インバータ装置
JP2580108B2 (ja) 電力変換装置
JP2940525B2 (ja) 電力変換装置
BV Novel Three-Phase Smart Soft Switching PWM Inverter with Enhanced Performance
JP2000262067A (ja) 電力変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100406