JP2001237434A - ダイオード - Google Patents
ダイオードInfo
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- JP2001237434A JP2001237434A JP2000044306A JP2000044306A JP2001237434A JP 2001237434 A JP2001237434 A JP 2001237434A JP 2000044306 A JP2000044306 A JP 2000044306A JP 2000044306 A JP2000044306 A JP 2000044306A JP 2001237434 A JP2001237434 A JP 2001237434A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高速の逆方向回復動作特性を有するダイオー
ドを提供する。 【解決手段】 Si基板4と、このSi基板上に積層形
成された第1導電型のSi膜3と、この第1導電型Si
膜の上に積層形成された第2導電型のSiGe膜2とを
有する。
ドを提供する。 【解決手段】 Si基板4と、このSi基板上に積層形
成された第1導電型のSi膜3と、この第1導電型Si
膜の上に積層形成された第2導電型のSiGe膜2とを
有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速の逆方向回復
動作特性を有するダイオードに関する。
動作特性を有するダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高速動作可能なダイオードはパワ
ーエレクトロニクスの電子回路において、整流器やパワ
ートランジスタのサージ吸収の目的で広く利用されてい
る。このダイオードの性能において、順バイアス状態か
ら逆バイアス状態に変化したときに逆電流の流れる時間
の短い、すなわち高速のリカバリ特性を持つダイオード
は上記回路でのノイズ低減とサージ防止の観点から重要
視されている。
ーエレクトロニクスの電子回路において、整流器やパワ
ートランジスタのサージ吸収の目的で広く利用されてい
る。このダイオードの性能において、順バイアス状態か
ら逆バイアス状態に変化したときに逆電流の流れる時間
の短い、すなわち高速のリカバリ特性を持つダイオード
は上記回路でのノイズ低減とサージ防止の観点から重要
視されている。
【0003】従来の高速リカバリ特性をもつダイオード
としては、pin接合型のSiダイオードが広く利用さ
れてきた。これは、比較的高濃度のp型とn型のSiと
の間に高抵抗を有するSiをはさむ構造であり、この場
合ダイオードの空乏層幅が大きくなり、ダイオードの接
合容量が小さく高速動作が可能になる。
としては、pin接合型のSiダイオードが広く利用さ
れてきた。これは、比較的高濃度のp型とn型のSiと
の間に高抵抗を有するSiをはさむ構造であり、この場
合ダイオードの空乏層幅が大きくなり、ダイオードの接
合容量が小さく高速動作が可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、pin型では
逆方向電流の流れる時間(逆方向回復時間)が数百ナノ
秒以上を要するので、この時間をそれ以下に抑えるには
工夫を要する。逆方向回復時間を短くするためには、半
導体層の少数キャリアの寿命を下げることが有効であ
る。例えば、半導体層に金をドープすることにより、あ
るいは半導体層に高速荷電粒子を照射することにより少
数キャリアの寿命を低下させ、逆方向回復時間を抑える
方法が公知である。これらの方法では、金をドープした
り荷電粒子を照射したりする部位は、高抵抗を有するS
iの近傍領域、すなわち空乏層のひろがる領域のみに限
定するのが理想的である。
逆方向電流の流れる時間(逆方向回復時間)が数百ナノ
秒以上を要するので、この時間をそれ以下に抑えるには
工夫を要する。逆方向回復時間を短くするためには、半
導体層の少数キャリアの寿命を下げることが有効であ
る。例えば、半導体層に金をドープすることにより、あ
るいは半導体層に高速荷電粒子を照射することにより少
数キャリアの寿命を低下させ、逆方向回復時間を抑える
方法が公知である。これらの方法では、金をドープした
り荷電粒子を照射したりする部位は、高抵抗を有するS
iの近傍領域、すなわち空乏層のひろがる領域のみに限
定するのが理想的である。
【0005】しかし、金ドープ法は、熱拡散の影響を受
けるので、半導体層の局部のみに選択的にドーピングす
ることができない。また、荷電粒子照射法のうち電子線
を照射する方法では、半導体層の一部のみに荷電粒子を
選択的に照射する選択照射が原理的に不可能である。こ
の場合に、ダイオード自体の耐電圧特性が劣化してしま
い、漏れ電流の原因となる。また、荷電粒子としてプロ
トンまたはイオンを照射する場合は、粒子が大きいため
装置が極めて複雑で高コストとなり、最終的にできあが
るダイオード自体のコストを押し上げるという問題があ
った。
けるので、半導体層の局部のみに選択的にドーピングす
ることができない。また、荷電粒子照射法のうち電子線
を照射する方法では、半導体層の一部のみに荷電粒子を
選択的に照射する選択照射が原理的に不可能である。こ
の場合に、ダイオード自体の耐電圧特性が劣化してしま
い、漏れ電流の原因となる。また、荷電粒子としてプロ
トンまたはイオンを照射する場合は、粒子が大きいため
装置が極めて複雑で高コストとなり、最終的にできあが
るダイオード自体のコストを押し上げるという問題があ
った。
【0006】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであって、高速の逆方向回復動作特性を有するダ
イオードを提供することを目的とする。
たものであって、高速の逆方向回復動作特性を有するダ
イオードを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダイオード
は、Si基板と、このSi基板上に積層形成された第1
導電型のSi膜と、この第1導電型Si膜の上に積層形
成された第2導電型のSiGe膜と、を具備することを
特徴とする。
は、Si基板と、このSi基板上に積層形成された第1
導電型のSi膜と、この第1導電型Si膜の上に積層形
成された第2導電型のSiGe膜と、を具備することを
特徴とする。
【0008】本発明に係るダイオードは、Si基板と、
第1導電型のSi膜と、第1導電型であって前記第1導
電型Si膜よりも不純物ドープ濃度を下げたSi膜また
は高抵抗を有するSi膜と、この不純物ドープ濃度を下
げたSi膜または高抵抗を有するSi膜の上に積層形成
された第2導電型のSiGe膜と、を具備することを特
徴とする。
第1導電型のSi膜と、第1導電型であって前記第1導
電型Si膜よりも不純物ドープ濃度を下げたSi膜また
は高抵抗を有するSi膜と、この不純物ドープ濃度を下
げたSi膜または高抵抗を有するSi膜の上に積層形成
された第2導電型のSiGe膜と、を具備することを特
徴とする。
【0009】ここで、「第1導電型」および「第2導電
型」は半導体のn型とp型との接合状態を便宜上簡単に
表現するための用語であり、n型を第1導電型と呼べ
ば、p型が第2導電型となり、p型を第1導電型と呼べ
ば、n型が第2導電型となる。
型」は半導体のn型とp型との接合状態を便宜上簡単に
表現するための用語であり、n型を第1導電型と呼べ
ば、p型が第2導電型となり、p型を第1導電型と呼べ
ば、n型が第2導電型となる。
【0010】この場合に、第2導電型のSiGe膜中の
Ge濃度は、2.5原子%より大きく15原子%未満と
することが好ましく、2.5原子%より大きく10原子
%以下とすることが更に好ましい。ここでSiGe膜の
Geの濃度を限定するのは、次の理由からである。Ge
濃度が2.5原子%を下回ると、SiGe膜の特性がS
i膜とほとんど変わらなくなり、逆方向回復時間の低減
効果が得られ難くなるからである。一方、SiGe膜中
のGe濃度が過剰になると、格子歪が過大になり、漏れ
電流が増加して、ダイオードとしての電気特性が損なわ
れるようになるからである。特に膜中のGe濃度が15
原子%を超えるとダイオードとして機能しなくなること
が判明している。
Ge濃度は、2.5原子%より大きく15原子%未満と
することが好ましく、2.5原子%より大きく10原子
%以下とすることが更に好ましい。ここでSiGe膜の
Geの濃度を限定するのは、次の理由からである。Ge
濃度が2.5原子%を下回ると、SiGe膜の特性がS
i膜とほとんど変わらなくなり、逆方向回復時間の低減
効果が得られ難くなるからである。一方、SiGe膜中
のGe濃度が過剰になると、格子歪が過大になり、漏れ
電流が増加して、ダイオードとしての電気特性が損なわ
れるようになるからである。特に膜中のGe濃度が15
原子%を超えるとダイオードとして機能しなくなること
が判明している。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の種々の好ましい実
施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0012】本発明の効果をp型SiGe/高抵抗型S
i/n型Siの例を用いて説明する。以下に示す効果は
低濃度のSi膜に用いた場合、p型SiGeとn型Si
膜を直接接合させた場合、さらに上記の形で導電型を反
転させた場合、いずれの場合も以下のような効果が現れ
る。
i/n型Siの例を用いて説明する。以下に示す効果は
低濃度のSi膜に用いた場合、p型SiGeとn型Si
膜を直接接合させた場合、さらに上記の形で導電型を反
転させた場合、いずれの場合も以下のような効果が現れ
る。
【0013】ダイオードの逆方向回復時間を下げるに
は、ダイオード内でのキャリアの蓄積を下げることが必
要となる。キャリアの蓄積を下げるには、高抵抗型S
i、さらにp型Siとn型Siの高抵抗型Si付近の少
数キャリア寿命を下げる必要がある。
は、ダイオード内でのキャリアの蓄積を下げることが必
要となる。キャリアの蓄積を下げるには、高抵抗型S
i、さらにp型Siとn型Siの高抵抗型Si付近の少
数キャリア寿命を下げる必要がある。
【0014】Si中にGeを添加すると、少数キャリア
の寿命を小さくすることができる。したがってp型のS
iGe膜でのキャリア寿命は短くなる。またSiGeが
Siに対して格子定数に差があるため、SiGeとSi
の接している付近で格子歪が発生する。この格子歪は結
晶欠陥を誘起し、これがキャリアの寿命を下げる働きが
ある。格子歪はSiGeの接している高抵抗型Si膜、
n型Si膜に及ぶと考えられ、この効果で高抵抗型Si
膜とそれに近いn型Siも少数キャリアの寿命を小さく
守ることが出来る。すなわちSiGeの接合により、ダ
イオード全体のキャリア寿命を抑え、これで蓄積電荷を
下げ、高速化が可能になる。
の寿命を小さくすることができる。したがってp型のS
iGe膜でのキャリア寿命は短くなる。またSiGeが
Siに対して格子定数に差があるため、SiGeとSi
の接している付近で格子歪が発生する。この格子歪は結
晶欠陥を誘起し、これがキャリアの寿命を下げる働きが
ある。格子歪はSiGeの接している高抵抗型Si膜、
n型Si膜に及ぶと考えられ、この効果で高抵抗型Si
膜とそれに近いn型Siも少数キャリアの寿命を小さく
守ることが出来る。すなわちSiGeの接合により、ダ
イオード全体のキャリア寿命を抑え、これで蓄積電荷を
下げ、高速化が可能になる。
【0015】ここでSiGe膜のGeの濃度を限定する
のは、以下の理由からである。Ge濃度があまりに少な
すぎると膜の特性がSiと変わらなくなり、高速の効果
が得られにくくなる。またGe濃度が大きすぎると、格
子歪が過大になり、漏れ電流が増加して、ダイオードと
しての電気特性が損なわれるからである。上記の数値限
定は実験により明らかにしたものである。
のは、以下の理由からである。Ge濃度があまりに少な
すぎると膜の特性がSiと変わらなくなり、高速の効果
が得られにくくなる。またGe濃度が大きすぎると、格
子歪が過大になり、漏れ電流が増加して、ダイオードと
しての電気特性が損なわれるからである。上記の数値限
定は実験により明らかにしたものである。
【0016】(実施例1)作製した実施例1のダイオー
ドの概略断面を図1に示す。本実施例1のダイオード
は、n型Si基板4の上にSi膜3、SiGe膜2、ア
ノード電極1を順次積層し、Si基板4の裏面にカソー
ド電極5を設けたものである。
ドの概略断面を図1に示す。本実施例1のダイオード
は、n型Si基板4の上にSi膜3、SiGe膜2、ア
ノード電極1を順次積層し、Si基板4の裏面にカソー
ド電極5を設けたものである。
【0017】本実施例1のダイオードの作製方法につい
て説明する。膜抵抗値が0.001Ω・cmのn型シリ
コン基板4上に、化学気相堆積法を用いて燐(P)を約
5×1014/cm3ドープしたn型Si膜の高抵抗を有
する膜3を厚さ20μmだけ積層した。さらに、n型S
i膜3の上に化学気相堆積法によりボロン(B)を約5
×1017/cm3ドープしたp型SiGe膜2を厚さ
0.4μmだけ積層した。
て説明する。膜抵抗値が0.001Ω・cmのn型シリ
コン基板4上に、化学気相堆積法を用いて燐(P)を約
5×1014/cm3ドープしたn型Si膜の高抵抗を有
する膜3を厚さ20μmだけ積層した。さらに、n型S
i膜3の上に化学気相堆積法によりボロン(B)を約5
×1017/cm3ドープしたp型SiGe膜2を厚さ
0.4μmだけ積層した。
【0018】ここで化学気相堆積法とは、真空容器に半
導体原料ガスを供給して容器内部をガスで充満させ、加
熱した状態の基板を真空容器内に入れることにより、基
板表面に半導体膜を堆積させる方法をいう。Pドープし
たn型Si膜3の形成には、原料ガスとしてジシラン
(Si2H6)又はシラン(SiH4)とホスフィン(P
H3)とを混合した混合ガスを用いる。n型Si膜3の
Pドープ濃度はジシラン又はシランに対するホスフィン
の混合比によって決まるが、5×1014/cm3程度の
Pドープ濃度を得るためにはPH3分圧/Si2H6分圧
(又はSiH4分圧)を0.01ppm程度に設定する
必要がある。また、Bドープしたp型SiGe膜2の形
成には、原料ガスとしてジシラン(Si2H6)又はシラ
ン(SiH4)とゲルマン(GeH4)とジボラン(B2
H6)とを混合した混合ガスを用いる。p型Si膜2の
Bドープ濃度はジシラン又はシランに対するジボランの
混合比によって決まるが、5×1017/cm3程度のB
ドープ濃度を得るためにはB2H 6分圧/Si2H6分圧
(又はSiH4分圧)を20ppm程度に設定する必要
がある。なお、成膜時の基板温度は例えば650℃以上
に設定する。
導体原料ガスを供給して容器内部をガスで充満させ、加
熱した状態の基板を真空容器内に入れることにより、基
板表面に半導体膜を堆積させる方法をいう。Pドープし
たn型Si膜3の形成には、原料ガスとしてジシラン
(Si2H6)又はシラン(SiH4)とホスフィン(P
H3)とを混合した混合ガスを用いる。n型Si膜3の
Pドープ濃度はジシラン又はシランに対するホスフィン
の混合比によって決まるが、5×1014/cm3程度の
Pドープ濃度を得るためにはPH3分圧/Si2H6分圧
(又はSiH4分圧)を0.01ppm程度に設定する
必要がある。また、Bドープしたp型SiGe膜2の形
成には、原料ガスとしてジシラン(Si2H6)又はシラ
ン(SiH4)とゲルマン(GeH4)とジボラン(B2
H6)とを混合した混合ガスを用いる。p型Si膜2の
Bドープ濃度はジシラン又はシランに対するジボランの
混合比によって決まるが、5×1017/cm3程度のB
ドープ濃度を得るためにはB2H 6分圧/Si2H6分圧
(又はSiH4分圧)を20ppm程度に設定する必要
がある。なお、成膜時の基板温度は例えば650℃以上
に設定する。
【0019】基板4およびp型SiGe膜2の各々にア
ルミニウムのような金属をそれぞれ蒸着させ、カソード
電極5およびアノード電極1を形成した。
ルミニウムのような金属をそれぞれ蒸着させ、カソード
電極5およびアノード電極1を形成した。
【0020】SiGe膜2のGe濃度は5原子%とし
た。さらに、比較例として上記と同様の構造でp型のS
iGe膜2に代えてSi膜を積層したダイオードも製作
した。作製したダイオードのチップ面積は25mm2と
した。
た。さらに、比較例として上記と同様の構造でp型のS
iGe膜2に代えてSi膜を積層したダイオードも製作
した。作製したダイオードのチップ面積は25mm2と
した。
【0021】図2は横軸に時間(マイクロ秒)をとり、
縦軸に電流値(A)および電圧値(V)をとって、Si
Ge膜ダイオードのリカバリ特性とSi膜ダイオードの
リカバリ特性とを比較調査した特性線図である。図中に
て特性線AはSiGe膜ダイオードの電流波形を、特性
線BはSi膜ダイオードの電流波形を、特性線CはSi
Ge膜ダイオードの電圧波形を、特性線DはSi膜ダイ
オードの電圧波形をそれぞれ示す。
縦軸に電流値(A)および電圧値(V)をとって、Si
Ge膜ダイオードのリカバリ特性とSi膜ダイオードの
リカバリ特性とを比較調査した特性線図である。図中に
て特性線AはSiGe膜ダイオードの電流波形を、特性
線BはSi膜ダイオードの電流波形を、特性線CはSi
Ge膜ダイオードの電圧波形を、特性線DはSi膜ダイ
オードの電圧波形をそれぞれ示す。
【0022】ここでの測定では初期状態で順方向に電流
を4A流しておき、ある時点でダイオードのバイアス電
圧を逆転させたときのダイオード電流の変化をとったも
のである。電流波形において電流値がゼロレベルを越え
て再びゼロに戻るまでの時間が逆方向回復時間となる。
図中の特性線Aに示すようにSiGe膜ダイオード(実
施例)の逆方向回復時間は約150ナノ秒となった。こ
れに対して図中の特性線Bに示すようにSi膜だけで作
製したダイオード(比較例)の逆方向回復時間は約38
0ナノ秒となった。これらの結果から明らかなように、
SiGe膜を利用することによりダイオードの逆方向回
復時間を従来品の40%程度まで低減できることが判明
した。
を4A流しておき、ある時点でダイオードのバイアス電
圧を逆転させたときのダイオード電流の変化をとったも
のである。電流波形において電流値がゼロレベルを越え
て再びゼロに戻るまでの時間が逆方向回復時間となる。
図中の特性線Aに示すようにSiGe膜ダイオード(実
施例)の逆方向回復時間は約150ナノ秒となった。こ
れに対して図中の特性線Bに示すようにSi膜だけで作
製したダイオード(比較例)の逆方向回復時間は約38
0ナノ秒となった。これらの結果から明らかなように、
SiGe膜を利用することによりダイオードの逆方向回
復時間を従来品の40%程度まで低減できることが判明
した。
【0023】(実施例2)作製した実施例2のダイオー
ドの概略断面を図1に示す。
ドの概略断面を図1に示す。
【0024】本実施例2のダイオードの作製方法につい
て説明する。膜抵抗値が0.001Ω・cmのn型シリ
コン基板4上に、化学気相堆積法を用いて燐(P)を約
5×1014/cm3ドープしたn型Si膜の高抵抗を有
する膜3を厚さ20μmだけ積層した。さらに、n型S
i膜3の上に化学気相堆積法によりボロン(B)を約5
×1017/cm3ドープしたp型SiGe膜2を厚さ
0.4μmだけ積層した。さらに、基板4およびp型S
iGe膜2の各々にアルミニウムのような金属をそれぞ
れ蒸着させ、カソード電極5およびアノード電極1を形
成した。なお、SiGe膜2中のGe濃度はゼロから1
5原子%までの範囲で種々変えて作製した。作製したダ
イオードのチップ面積は25mm2とした。
て説明する。膜抵抗値が0.001Ω・cmのn型シリ
コン基板4上に、化学気相堆積法を用いて燐(P)を約
5×1014/cm3ドープしたn型Si膜の高抵抗を有
する膜3を厚さ20μmだけ積層した。さらに、n型S
i膜3の上に化学気相堆積法によりボロン(B)を約5
×1017/cm3ドープしたp型SiGe膜2を厚さ
0.4μmだけ積層した。さらに、基板4およびp型S
iGe膜2の各々にアルミニウムのような金属をそれぞ
れ蒸着させ、カソード電極5およびアノード電極1を形
成した。なお、SiGe膜2中のGe濃度はゼロから1
5原子%までの範囲で種々変えて作製した。作製したダ
イオードのチップ面積は25mm2とした。
【0025】図3は横軸にSiGe膜中のゲルマニウム
濃度(原子%)をとり、縦軸に各種SiGe膜ダイオー
ドの逆方向回復時間(マイクロ秒)をとって、各種Si
Ge膜ダイオードの逆方向回復時間のゲルマニウム濃度
依存性について調べた特性線図である。図中の特性線E
は逆方向回復時間の実測値プロットを結んでなるもので
ある。図から明らかなように、Ge濃度が2.5原子%
以下のSiGe膜では逆方向回復時間(約400ナノ
秒)の低減効果は殆どみられないが、Ge濃度が2.5
原子%より大きく10原子%以下のSiGe膜では逆方
向回復時間が約100〜150ナノ秒と大幅に低減する
ことが判明した。
濃度(原子%)をとり、縦軸に各種SiGe膜ダイオー
ドの逆方向回復時間(マイクロ秒)をとって、各種Si
Ge膜ダイオードの逆方向回復時間のゲルマニウム濃度
依存性について調べた特性線図である。図中の特性線E
は逆方向回復時間の実測値プロットを結んでなるもので
ある。図から明らかなように、Ge濃度が2.5原子%
以下のSiGe膜では逆方向回復時間(約400ナノ
秒)の低減効果は殆どみられないが、Ge濃度が2.5
原子%より大きく10原子%以下のSiGe膜では逆方
向回復時間が約100〜150ナノ秒と大幅に低減する
ことが判明した。
【0026】一方、Ge濃度が15原子%のSiGe膜
の場合は、逆バイアス時の漏れ電流が発生し、まったく
ダイオードとして機能するものが得られなかった。この
ことから逆方向回復時間を低減させるためにはSiGe
膜中のGe濃度を2.5原子%より大きく15原子%よ
り小さい範囲にすることが必要であり、Ge濃度を2.
5原子%より大きく10原子%以下の範囲とするのが更
に好ましいことが判明した。
の場合は、逆バイアス時の漏れ電流が発生し、まったく
ダイオードとして機能するものが得られなかった。この
ことから逆方向回復時間を低減させるためにはSiGe
膜中のGe濃度を2.5原子%より大きく15原子%よ
り小さい範囲にすることが必要であり、Ge濃度を2.
5原子%より大きく10原子%以下の範囲とするのが更
に好ましいことが判明した。
【0027】上記実施例ではSi基板上に化学気相堆積
法で高抵抗Si膜を積層しているが、Si基板4の一方
側の面にp型不純物のボロンを拡散させ、キャリア密度
が1014/cm3となる高抵抗Si膜を20μm形成し
てもよい。
法で高抵抗Si膜を積層しているが、Si基板4の一方
側の面にp型不純物のボロンを拡散させ、キャリア密度
が1014/cm3となる高抵抗Si膜を20μm形成し
てもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、ダイオードの逆方向回
復時間を従来品に比べて大幅に低減することができる。
特にSiGe膜中のゲルマニウム濃度を最適範囲にする
と、逆方向回復時間が従来品の40%を下回るようにな
る。
復時間を従来品に比べて大幅に低減することができる。
特にSiGe膜中のゲルマニウム濃度を最適範囲にする
と、逆方向回復時間が従来品の40%を下回るようにな
る。
【図1】本発明の実施形態に係るダイオードの概要を示
す断面図。
す断面図。
【図2】逆方向回復時の電流/電圧特性について実施例
のダイオードと比較例のダイオードとを比べて示す特性
線図。
のダイオードと比較例のダイオードとを比べて示す特性
線図。
【図3】SiGe膜ダイオードにおける逆方向回復時間
のGe濃度依存性を示す特性線図。
のGe濃度依存性を示す特性線図。
1…アノード電極、 2…SiGe膜、 3…高抵抗型あるいは低濃度としたSi膜、 4…n型Si基板、 5…カソード電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 左右田 裕 大阪府大阪市東淀川区西淡路3丁目1番56 号 株式会社三社電機製作所内
Claims (5)
- 【請求項1】 Si基板と、このSi基板上に積層形成
された第1導電型のSi膜と、この第1導電型Si膜の
上に積層形成された第2導電型のSiGe膜と、を具備
することを特徴とするダイオード。 - 【請求項2】 Si基板と、第1導電型のSi膜と、第
1導電型であって前記第1導電型Si膜よりも不純物ド
ープ濃度を下げたSi膜または高抵抗を有するSi膜
と、この不純物ドープ濃度を下げたSi膜または高抵抗
を有するSi膜の上に積層形成された第2導電型のSi
Ge膜と、を具備することを特徴とするダイオード。 - 【請求項3】 前記第2導電型のSiGe膜中のGe濃
度を2.5原子%より大きく、15原子%未満とするこ
とを特徴とする請求項1又は2のいずれか1記載のダイ
オード。 - 【請求項4】 前記第2導電型のSiGe膜中のGe濃
度を2.5原子%より大きく、10原子%以下とするこ
とを特徴とする請求項1又は2のいずれか1記載のダイ
オード。 - 【請求項5】 前記Si基板は第1導電型であることを
特徴とする請求項1又は2のいずれか1記載のダイオー
ド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2007250720A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-09-27 | Ngk Insulators Ltd | 半導体素子 |
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-
2000
- 2000-02-22 JP JP2000044306A patent/JP2001237434A/ja active Pending
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