JP2001237426A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2001237426A
JP2001237426A JP2001019352A JP2001019352A JP2001237426A JP 2001237426 A JP2001237426 A JP 2001237426A JP 2001019352 A JP2001019352 A JP 2001019352A JP 2001019352 A JP2001019352 A JP 2001019352A JP 2001237426 A JP2001237426 A JP 2001237426A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高耐圧化を実現でき、素子特性の安定性を確
保できる信頼性の高い半導体装置の提供。 【解決手段】 DMOSFETにおいて、ドレイン部1
26には、高濃度のN型ベース層419とP型アノード
領域430とを基板面に平行な方向に亘り交互に繰り返
して、基板面に対して垂直のpn接合が配列しており、
P型アノード領域430はソース電極16に導電接続し
ている。順方向阻止時には、ドレイン部において配列し
た多数のpn接合からそれぞれ空乏層が拡がり、ドレイ
ン部側での空乏化を早めることができるため、耐圧向上
に寄与する。また、多数のpn接合は基板面に対して垂
直のpn接合であることから、接合面積が大きく、電流
断面積が大きく確保できるため、電流遮断時の誘導負荷
によるアバランシェ耐量も大きくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MIS電界効果ト
ランジスタを備えた半導体装置に関し、特に、高耐圧を
目的としたパワーMISFETの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、数百ボルト以上の耐圧と数アンペ
ア程度の高電流容量(耐量)を持つパワーMOSFET
(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)と、5ボルト程
度の低電圧で作動する制御回路とをワンチップ化したパ
ワーICの開発が盛んに行なわれており、特開昭63−
314869号に開示されているように、スイッチング
電源用のICとしては既に実現されているものもある。
【0003】図11及び図12は本出願人の提出に係る
特願平4−309920号に開示のパワーICを示す。
このパワーICは、ワンチップ上にパワーMOSFET
部1と低耐圧の制御回路部2を有しており、パワーMO
SFET部1は図12に示す断面構造を有している。先
ず図12の断面図に基づきパワーMOSFET部1の構
成を説明すると、パワーMOSFET部1は横型DMO
SFETであり、P型半導体基板10の主面側に形成さ
れたN型ウェル層11の内部にはMOS部25とドレイ
ン部26を有している。MOS部25には、チャネル形
成層となる相離間した一対の第1のP型ベース層12,
12が形成されており、第1のP型ベース層12の内部
にはN型ソース層13及びP型ベースコンタク
ト層14がそれぞれ形成されている。そしてゲート絶縁
膜(図示せず)を介して一対のソース層13,13に跨
がるポリシリコンのゲート電極15が被着され、またソ
ース層13及びベースコンタクト層14にはコンタクト
孔を介してソース電極16が導電接触している。このソ
ース電極16はドレイン部26側に向かって張り出した
フィールドプレート部16aを有しており、ソース層1
2の端部の電界集中が緩和される高耐圧構造となってい
る。なお、17は層間絶縁膜、18はパシベーション膜
である。一方、ドレイン部26において、N型ウェル層
11の主面側にドレイン層となるN型ベース層19が形
成されており、このN型ベース層19の一部主面側には
型ベースコンタクト層20が形成されている。そ
してベースコンタクト層20にはコンタクト孔を介して
ドレイン電極21が導電接触している。このドレイン電
極21はMOS部側に張り出したフィールドプレート部
21aを有しており、ドレイン層であるN型ベース層1
9の端部の電界集中が緩和される高耐圧構造となってい
る。なお、22は厚い絶縁膜(LOCOS;局所酸化
膜)である。そしてまた、MOS部25とドレイン部2
6との間においては、N型ウェル層11の主面側には第
1のP型ベース層12とN型ベース層19に亘って第2
のP型ベース層23が形成されている。
【0004】このように、ゲート電極15の直下及びそ
の周辺部で構成されるMOS部25と、ドレイン電極2
1の直下及びその周辺部で構成されるドレイン部26と
の間には、第2のP型ベース層(オフセット層)23が
介在しており、図11に示すように、第2のP型ベース
層23はチップ平面上で櫛歯状に褶曲して形成され、第
2のP型ベース層23を境にその外側はソースパッド1
6bを含むMOS部25の形成領域であり、第2のP型
ベース層23を境にその内側はドレインパッド21bを
含むドレイン部26の形成領域となっている。
【0005】ここで、Nチャネルの横型DMOSFET
において、ドレインドリフト領域たるN型ウェル層11
の主面側に第1のP型ベース層12に接続させてN型ベ
ース層19の端部まで第2のP型ベース層23を形成し
た理由は次の通りである。
【0006】 MOSFETのオン時、即ち、ゲート
電極15にソース電位よりも高電位を印加すると共に、
ドレイン電極21に高電位を印加すると、ゲート電極1
5直下の第1のベース層12の表面に反転層が生成し、
多数キャリアである電子がソース層13からチャネルを
介してゲート電極15直下のN型ウェル層11に流れ出
し、縦型DMOSFETと同様に、ゲート電極15直下
のN型ウェル層11を下向きに流れ、次にN型ウェル層
11に沿って横向きの流れとなってN型ベース層(ドレ
イン層)19に達し、ドレインコンタクト層20を介し
てドレイン電極21に吸収されるが、電子の横向きの流
れ経路であるN型ウェル層11の上に第2のP型ベース
層23が存在しない場合には、大電流を流したときにホ
ットエレクトロンが絶縁膜(フィールド酸化膜)22に
注入され、電界分布を経時的に変化させ、素子信頼性に
不具合を招く。しかし、N型ウェル層11が第2のP型
ベース層23に覆われているときには、その接合は逆バ
イアスであるので、N型ウェル層11中の電子は絶縁膜
22に接することはなく、ホットエレクトロンによる影
響を無くすることができる。
【0007】 MOSFETのオフ時(順方向阻止
時)、即ち、ドレイン電極21に高電位を印加したまま
ゲート電極15の電位を低電圧(ソース電位,接地電
位)とすると、第1のP型ベース層12や第2のP型ベ
ース層23とN型ウェル層11の接合、及びN型ウェル
層11とP型半導体基板10の接合が逆バイアス状態に
なるため、それらの接合面から空乏層がN型ウェル層1
1内に拡がる。N型ベース層(ドレイン層)19側の第
1のP型ベース層12と基板10から拡がる空乏層を考
慮すると、ゲート電極15直下近傍のウェル層11の内
部がピンチオフし、JEFTと同様に電子流の経路が遮
断される。更に、第2のP型ベース23と基板10から
拡がる空乏層も考慮すると、第2のP型ベース23下の
ウェル層11の内部がピンチオフし、ここにおいてもJ
EFTと同様に電子流の経路が遮断される。
【0008】従って、逆バイアスが印加されると、ウェ
ル層11の内部にて第2のP型ベース23によるJEF
T効果によっても電流経路が確実に遮断される。このた
め、耐圧を確保する目的でN型ウェル層11のオフセッ
ト領域(第1のベース層12からN型ベース層19まで
の領域)を低濃度で長くする必要がなく、N型ウェル層
11の濃度を比較的高く設定することができ、高耐圧化
と低オン抵抗化を共に図ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
オフセット領域を覆う第2のベース層23を備えた横型
DMOSFETにおいては、次のような問題点がある。
【0010】即ち、順方向阻止状態時では第2のベース
層23下にピンチオフが発生するが、ドレイン電位が更
に高くなると、フィールドプレート部21aの端部下の
第2のベース層23とN型ウェル11の接合部位24で
図示矢印方向の電界Eが集中し、アバランシェブレイク
ダウン領域24が発生する。なぜなら、この領域24は
フィールドプレート部21aの端部に近接しており、そ
の端部電界の影響を受け易く、第2のベース層23とN
型ウェル11との垂直電界と第2のベース層23とN型
ベース層19の水平電界との合成電界Eが極大になる部
位だからである。この領域24で律速的にアバランシェ
ブレイクダウンが発生すると、発生した電子の一部は酸
化膜22に容易に注入され、ブレイクダウン発生部近傍
の電界分布を経時的に変化させる。これにより、ブレイ
クダウン電圧が経時的に変化し、素子の安定性及び信頼
性を損ねてしまう。またブレイクダウン領域24の発生
部位は拡散規模や濃度等により定位置でなく変動し易
く、ブレイクダウン電圧自体も変動する。他方、アバラ
ンシェブレイクダウンにより発生した正孔は図示してい
ないPN接合分離層(アイソレーション)に向かって横
方向に流れるが、図11に示すようにパワーMOSFE
T部1はチップ面積の相当の比率を占めているため、正
孔はPN接合分離層に至るまでに分散してしまい、これ
は素子特性の安定性の障害となる。
【0011】そこで上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、高耐圧化を実現でき、素子特性の安定性を確保でき
る信頼性の高い半導体装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る半導体装置は、第1導電型のチャネル
拡散領域内に第2導電型のソース領域を持ち、チャネル
拡散領域及びソース領域に導電接続したソース電極を有
する二重拡散型MIS部と、この二重拡散型MIS部か
ら第2導電型のドレインドリフト領域を介して隔たり、
ドレイン電極に導電接続してなるドレイン部とを備えた
半導体装置において、ドレイン部には、第1導電型領域
と第2導電型領域とを基板面に平行な方向に亘り交互に
繰り返して、基板面に対して垂直のpn接合が配列して
おり、第1導電型領域はソース電極に導電接続している
と共に、第2導電型領域は前記ドレイン電極に導電接続
していることを特徴とする。
【0013】相隣接する第2導電型領域と第1導電型領
域とはpn接合ダイオードを形成し、その繰り返し作り
込み構造によって配列した多数のpn接合ダイオードが
ドレイン部に形成されている。オン状態では、二重拡散
型MIS部からの多数キャリアはドレインドリフト領域
を介してドレイン電極に引き抜かれるが、順方向阻止時
には、チャネル拡散領域とドレインドリフト領域のpn
接合からその双方に空乏層が拡張するばかりか、ドレイ
ン部において配列した多数のpn接合からそれぞれ空乏
層が拡がり、ドレイン部側での空乏化を早めることがで
きるため、耐圧向上に寄与する。また、ドレイン部にお
いて配列した多数のpn接合は基板面に対して垂直のp
n接合であることから、接合面積が大きく、電流断面積
が大きく確保できるため、電流遮断時の誘導負荷による
アバランシェ耐量も大きくできる。従って、高耐圧化を
実現でき、素子特性の安定性を確保できる信頼性の高い
半導体装置を提供できる。
【0014】なお、複数の第1導電型領域が基板面に沿
う平面上で点在状に配置されている配置を採用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。
【0016】(第1実施例)図1は本発明の第1実施例
に係る横型DMOSFETを備えたパワーICのチップ
平面構成を示す平面図で、図2は図1中a−a′に沿っ
て切断した状態を示す断面図である。
【0017】本例のパワーICも、ワンチップ上にパワ
ーMOSFET部100と低耐圧の制御回路部150を
有しており、パワーMOSFET部100は図2に示す
断面構造を有している。先ず図2の断面図に基づきパワ
ーMOSFET部100の構成を説明する。パワーMO
SFET部100は2重拡散型MOSの横型DMOSF
ETであり、P型半導体基板10の主面側にMOS部1
25とドレイン部126を有している。MOS部125
には、P型半導体基板10の主面側に形成されたN型ウ
ェル層111の主面側にチャネル形成層となる相離間し
た一対の第1のP型ベース層(チャネル拡散層)12,
12が形成されており、第1のP型ベース層12の内部
にはN型ソース層13及びP型ベースコンタク
ト層14がそれぞれ形成されている。そしてゲート絶縁
膜(図示せず)を介して一対のソース層13,13に跨
がるポリシリコンのゲート電極15が被着され、またソ
ース層13及びベースコンタクト層14にはコンタクト
孔を介してソース電極16が導電接触している。このソ
ース電極16はドレイン部26側に向かって張り出した
フィールドプレート部16aを有しており、ソース層1
2の端部の電界集中が緩和される高耐圧構造となってい
る。なお、17は層間絶縁膜、18はパシベーション膜
である。
【0018】ドレインドリフト領域となるN型ウェル層
111のオフセット部分はドレイン部126側に延長さ
れており、P型半導体基板10の主面側に形成されたN
型ベース(ドレイン層)19に接続されている。N型ベ
ース19の一部主面側にはN 型ベースコンタクト層
20が形成されており、ベースコンタクト層20にはコ
ンタクト孔を介してドレイン電極121が導電接触して
いる。このドレイン電極121はMOS部側に張り出し
たフィールドプレート部121aを有しており、ドレイ
ン層であるN型ベース層19の端部の電界集中が緩和さ
れる高耐圧構造となっている。また、MOS部125と
ドレイン部126との間においては、N型ウェル層11
1の主面側に第1のP型ベース層12とN型ベース層1
9に亘って第2のP型ベース層23が形成されている。
なお、22は厚い絶縁膜(LOCOS;局所酸化膜)で
ある。そしてまた、ドレインコンタクト層20の真下に
おいてはN型ベース層19よりも深く、第2のベース層
111とは隔離したP型ウェル状のアノード領域130
が形成されている。図1に示すように、第2のP型ベー
ス層23はチップ平面上で櫛歯状に褶曲して形成され、
第2のP型ベース層23を境にその外側はソースパッド
16bを含むMOS部125の形成領域であり、第2の
P型ベース層23を境にその内側はドレインパッド12
1bを含むドレイン部126の形成領域となっている。
ドレインパッド121bは円形であり、このドレインパ
ッド121bの周りはドレインコンタクト層20に導電
接触するドレイン電極121である。そしてこのドレイ
ン電極121の周りはフィールドプレート部121aと
なっている。従って、円形のドレインパッド121bの
周りにはリング状のアノード領域130が形成されてい
る。
【0019】ここで、本例においては、櫛歯状に褶曲す
るソース・ドレインの1周期Tは600V程度の耐圧
で約120μmであり、ドレインパッド121bの直径
はワイヤボンダの精度から約240μmとしてあ
る。従って、ドレインパッド121bの周囲には幅寸法
が約120μmのリング状アノード領域130が
付帯している。
【0020】上述の半導体構造は次のようにして製造さ
れる。まずP型半導体基板10の主面にリンをイオン注
入によりドープすると共に、ボロンをイオン注入により
ドープした後、ドライブして、それぞれ約6μm程度の
拡散深さを持つN型ウェル層111及びP型のアノード
領域130を形成する。次に、アノード領域130を含
む領域に2μm程度の拡散深さを有するN型ベース層1
9を形成する。これにより、アノード領域130とN型
ベース層19とにより接合ダイオードが形成される。こ
の際、ボロンをイオン注入によりドープし、同時にドラ
イブすることにより、第1及び第2のP型ベース層1
2,23も形成する。次に、フィールド酸化膜22,ポ
リシリコンのゲート電極15を形成した後、ゲート電極
15をマスクとして自己整合的に第1及のP型ベース層
12にNソース層13を形成すると共に、N
ースコンタクト20を形成する。その後、層間絶縁膜1
7を形成してから、コンタクト孔を開口し、電極16,
121を設け、最後のパジベーション膜18を形成す
る。
【0021】このように、従来の横型DMOSFETに
対しドレイン電極121直下にP型アノード領域130
を有する半導体構造は、図3に示すような等価回路とな
っている。即ち、ソース層13とドレイン領域としての
N型ウェル層111,N型ベース層19及びベースコン
タクト層20とゲート電極15とにより横型パワーMO
SFETを構成しており、第1のベー層12はバックゲ
ートであるボディーを構成している。第1のベース層1
2には第2のベース層23が接続され、これがN型ウェ
ル層111を覆っているので、オフセット領域における
第2のベース層23とN型ウェル層111は接合ダイオ
ードDを構成している。ここまでの回路構成は従来
と同様であるが、本例の半導体構造においては、N型ウ
ェル層111とは孤立した領域に深いPウェル状のアノ
ード領域130が形成されている。
【0022】ここで、P型半導体基板10の裏面側は通
常導電性接着剤を以てリードフレームのダイパッドに接
合され、ダイパッドは接地電位に維持される。このた
め、P型のアノード領域130とN型ベース層19とは
上記の接合ダイオードDとは別の接合ダイオードD
を構成している。なお、本例においては半導体基板
10をダイパッドに接着剤で直接固定するようにしてい
るが、半導体基板10の裏面全面にアルミニウム等の裏
面電極を形成し、半田等でダイパッドに融着するように
しても良い。
【0023】以下に本例の半導体装置の動作を説明す
る。
【0024】〔MOSFETのオン時〕ゲート電極15
にソース電位よりも高電位を印加すると共に、ドレイン
電極121に高電位を印加すると、ゲート電極15直下
の第1のベース層12の表面に反転層が生成し、多数キ
ャリアである電子がソース層13からチャネルを介して
ゲート電極15直下のN型ウェル層111に流れ出し、
縦型DMOSFETと同様に、ゲート電極15直下のN
型ウェル層111を下向きに流れ、次にN型ウェル層1
11に沿って横向きの流れとなってN型ベース層(ドレ
イン層)19の端部に達し、ドレインコンタクト層20
を介してドレイン電極121に吸収される。ここで、N
型ウェル層111が第2のP型ベース層23に覆われて
いるため、その接合は逆バイアスであるので、N型ウェ
ル層111中の電子は絶縁膜22に接することはなく、
ホットエレクトロンによる影響を無くすることができ
る。
【0025】〔MOSFETのオフ時(順方向阻止
時)〕即ち、ドレイン電極121に高電位を印加したま
まゲート電極15の電位を低電圧(ソース電位,接地電
位)とすると、第1のP型ベース層12や第2のP型ベ
ース層23とN型ウェル層111のPN接合、及びN型
ウェル層111とP型半導体基板10の接合が逆バイア
ス状態になるため、それらの接合面から空乏層がN型ウ
ェル層111内に拡がるが、N型ベース層(ドレイン
層)19側の第1のP型ベース層12と基板10から拡
がる空乏層を考慮すると、ゲート電極15直下近傍のウ
ェル層111の内部がピンチオフし、JEFTと同様に
電子流の経路が遮断される。更に、第2のP型ベース2
3と基板10から拡がる空乏層も考慮すると、第2のP
型ベース23下のウェル層111の内部がピンチオフ
し、ここにおいてもJEFTと同様に電子流の経路が遮
断される。従って、逆バイアスが印加されると、ウェル
層111の内部にて第2のP型ベース23によるJEF
T効果によっても電流経路が確実に遮断される。このた
め、耐圧を確保する目的でN型ウェル層111のオフセ
ット領域を低濃度で長くする必要がなく、N型ウェル層
111の濃度を比較的高く設定することができ、高耐圧
化と低オン抵抗化を共に図ることができる。
【0026】本例においては、アノード領域130とN
型ベース層19とによりダイオードDが形成されて
いるため、順方向阻止時にはその接合面からも空乏層が
拡がる。このため、最初にブレイクダウンが発生する部
位124はアノード領域130とN型ベース層19の接
合面にあり、そのブレイクダウンは面状に発生する。従
って、アノード領域130とN型ベース層19とから成
るダイオードDは耐圧リミッタ用ダイオードないし
犠牲ダイオードをなっている。また、この接合面から拡
がる空乏層のほとんどが高抵抗のP型半導体基板(10
0Ω・cm程度)に伸び、表面方向への空乏層の伸びは
比較的高濃度のN型ベース層19で阻止される。このた
め、ブレイクダウンで発生した電子はNウェルに到達
し、電子流となると共に、ブレイクダウンで発生した正
孔はP型半導体基板10を介して裏面電極等へ流入す
る。ここで、上述の製造工程の後、500μm程度のウ
ェハを300μm程度になる迄裏面研磨し、裏面にコン
タクト(裏面電極)を形成してから、ダイパッドに接合
し組立時のリードフレームにより基板電位をソース電位
(接地電位)と同電位にすることで、ブレイクダウン電
流はドレイン電極121及び裏面電極を介して速やかに
放電する。この放電経路の寄生抵抗が低く抑えられてい
るため、内部発熱を抑制できる。また、ブレイクダウン
が発生する部位124は点状でなく面状であり、従前に
比して電流断面積が大きくなり、電流容量も大きくとれ
るため、電流遮断時のL(インダクタンス)負荷による
アバランシェ耐量を大きくできる。
【0027】図4は本例の図2におけるb−b′方向の
不純物分布を示す。横軸の基点はN 型ベースコンタ
クト層20の主面である。この分布から判るように、N
型ベース層19とP型アノード層130とで形成される
PN接合面は約1.3μmの深さに存在している。
【0028】図5はダイオードDのアノード領域1
30のインプラドーズ量とダイオードDの耐圧との
関係を説明するデバイスシミュレーション結果を示す。
このデバイスシュミレーションではP型半導体基板10
の抵抗率を102Ω・cm、120Ω・cm、138Ω
・cm、175Ω・cm、225Ω・cmとしてある。
インプラドーズ量を多くするとダイオード耐圧は低下す
る。図5には試作半導体装置の耐圧特性結果も併せて示
してある。試作半導体装置は図3に示すように主パワー
MOSFETとダイオードDとの並列接続であるた
め、実測値で示すように、インプラドーズ量が4.5×
1012cm以下では主パワーMOSFETの耐圧がダ
イオードDの耐圧よりも低い(ブレイクダウン発生
部124よりも以前にダイオードDがブレイクダウ
ンする)。これでは従来と同様に、耐圧変動等の問題が
発生してしまうが、本例においてはインプラドーズ量を
4.5×1012cm以上に設定してあるので、主パワ
ーMOSFETがブレイクダウンする前に必ずダイオー
ドDがブレイクダウンするようになっている。
【0029】(第2実施例)図6は本発明の第2実施例
に係る横型DMOSFETを備えたパワーICを示す断
面図である。なお、図6において図2に示す部分と同一
部分には同一参照符号を付し、その説明を省略する。本
例の半導体装置200において、図2に示す第1実施例
の構造と異なる点は、P型アノード領域230の形成部
位がドレイン電極121直下ではなく、ドレインパッド
121bの直下領域が活用されている。このため、ドレ
インパッド121bの周囲にも近接させて主パワーMO
SFETの素子領域を形成できる。なお、224はブレ
イクダウン発生部である。
【0030】(第3実施例)図7は本発明の第3実施例
に係る横型DMOSFETを備えたパワーICを示す断
面図である。なお、図7において図2に示す部分と同一
部分には同一参照符号を付し、その説明を省略する。本
例の半導体装置300において、図2に示す第1実施例
の構造と異なる点は、P型アノード領域324の形成部
位がドレイン電極121直下及びドレインパッド121
bの直下にある。従って、ダイオードDの接合部な
いしブレイクダウン発生部324の面積は図2及び図6
に示す以上を確保でき、ブレイクダウンにより発生する
電流量を大きくでき、アバランシシェブレイクダン耐量
が大きくなる。
【0031】(第4実施例)図8は本発明の第4施例に
係る横型DMOSFETを備えたパワーICを示断面
図、図9(a)は第4実施例のドレイン部126を示す
平面図、図9(b)は図9(a)中c−c′線に沿って
切断した状態を示す断面図である。
【0032】本例の半導体装置400においては、複数
のウェル状のP型アノード領域430とN型ベース層4
19とが互いにマスクパターンにより重なるように形成
されている。即ち、図9(a)に示すように、N型ベー
ス層419はドレインパッド121b直下において散在
的な非ドープ領域を以て一面に形成されており、このN
型ベース層419の非ドープ領域にP型アノード領域4
30が形成されている。従って、P型アノード領域43
0とN型ベース層419とで形成される接合部は両領域
の端部重なり領域である。このため、ブレイクダウン発
生部424は高濃度のN型ベース層419の端表面に起
こる。ここで、そのPN接合は表面にほぼ垂直に存在
し、電界の向きは表面にほぼ平行である。従って、発生
したキャリアはほとんど酸化膜22に注入されない。従
って、耐圧の経時的変化はほとんど生じない。また、ウ
ェル状のP型アノード領域430が円形であり、その周
囲にN型ベース層419が形成されているので、ダイオ
ードDの接合面積を大きくでき、より大きな誘導負
荷に対するアバランシュブレイクダウン耐量を得ること
ができる。
【0033】図10は円形ウェル状のP型アノード領域
の半径WPWとダイオードの耐圧BVのシミュレーショ
ン結果を示す。P型アノード領域の半径WPWを大きく
すると、単調減少的にダイオードDの耐圧が低下す
る。従って、P型アノード領域430及びN型ベース層
419の不純物分布を固定したまま、P型アノード領域
の半径WPW即ちマスクパターンにより一義的に耐圧が
決定される。このため、耐圧決定のための自由度が高ま
る。
【0034】なお、図8の構造においては、ドレインパ
ッド121bの直下にP型アノード領域430が形成さ
れているが、これに限らず、ドレインパッド121bの
周囲、即ちベースコンタクト層20の直下に形成しても
良いし、またドレインパッド121bの直下やその周囲
に形成しても良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ドレイ
ン部には、第2導電型領域と第1導電型領域とを基板面
に平行な方向に亘り交互に繰り返して、基板面に対して
垂直のpn接合が配列しており、第1導電型領域はソー
ス電極に導電接続していると共に、第2導電型領域はド
レイン電極に導電接続していることを特徴とする。順方
向阻止時には、チャネル拡散領域とドレインドリフト領
域のpn接合からその双方に空乏層が拡張するばかり
か、ドレイン部において配列した多数のpn接合からそ
れぞれ空乏層が拡がり、ドレイン部側での空乏化を早め
ることができるため、耐圧向上に寄与する。また、ドレ
イン部において配列した多数のpn接合は基板面に対し
て垂直のpn接合であることから、接合面積が大きく、
電流断面積が大きく確保できるため、電流遮断時の誘導
負荷によるアバランシェ耐量も大きくできる。従って、
高耐圧化を実現でき、素子特性の安定性を確保できる信
頼性の高い半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る横型DMOSFET
を備えたパワーICのチップ平面構成を示す平面図であ
る。
【図2】図1中a−a′に沿って切断した状態を示す断
面図である。
【図3】図1に示す半導体構造の等価回路を示す回路図
である。
【図4】図2におけるb−b′方向の不純物分布を示す
グラフである。
【図5】同実施例におけるアノード領域のインプラドー
ズ量とダイオードDの耐圧とのデバイスシミュレー
ション結果を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施例に係る横型DMOSFET
を備えたパワーICを示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る横型DMOSFET
を備えたパワーICを示す断面図である。
【図8】本発明の第4施例に係る横型DMOSFETを
備えたパワーICを示す断面図である。
【図9】(a)は第4実施例のドレイン部を示す平面
図、(b)は(a)中c−c′線に沿って切断した状態
を示す断面図である。
【図10】第4実施例において、円形ウェル状のP型ア
ノード領域の半径WPWとダイオードの耐圧BVのシミ
ュレーション結果を示すグラグである。
【図11】従来の横型DMOSFETを備えたパワーI
Cを示す平面図である。
【図12】図11中A−A′線に沿って切断した状態を
示す断面図である。
【符号の説明】
1,100,200,300,400…パワーMOSF
ET部 2…制御回路部 10…P型半導体基板 11,111…N型ウェル層 12…第1のP型ベース層 13…N型ソース層 14…P型ベースコンタクト層 15…ゲート電極 16…ソース電極 16a…フィールドプレート部 16b…ソースパッド 17…層間絶縁膜 18…パシべーション膜 19,419…N型ベース層 20…N型ベースコンタクト層 21,121…ドレイン電極 21a,121a…フィールドプレート部 21b,121b…ドレインパッド 22…厚い絶縁膜 23…第2のP型ベース層 24,124,224,324…ブレイクダウン発生部 25,125…MOS部 130,230,330,430…P型アノード領域
(P型ウェル) 26,126…ドレイン部。 100,200,300,400…パワーMOSFET
部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型のチャネル拡散領域内に第2
    導電型のソース領域を持ち、前記チャネル拡散領域及び
    ソース領域に導電接続したソース電極を有する二重拡散
    型MIS部と、この二重拡散型MIS部から第2導電型
    のドレインドリフト領域を介して隔たり、ドレイン電極
    に導電接続してなるドレイン部とを備えた半導体装置に
    おいて、 前記ドレイン部には、第1導電型領域と第2導電型領域
    とを基板面に平行な方向に亘り交互に繰り返して、前記
    基板面に対して垂直のpn接合が配列しており、前記第
    1導電型領域は前記ソース電極に導電接続していると共
    に、前記第2導電型領域は前記ドレイン電極に導電接続
    していることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記複数の第1導電型領域は、前記基板面に沿う平面上
    で点在状に配置されていることを特徴とする半導体装
    置。
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