JP2001235135A - 重油灰の減容無害化処理方法 - Google Patents
重油灰の減容無害化処理方法Info
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Abstract
り、埋め立て処理する量を格段に減少させることを可能
にし、かつ、減容無害化処理後に重金属が溶出するおそ
れがなくした、重油灰の減容無害化処理方法。 【解決手段】 集塵装置2により捕集した重油灰3を、
燃焼溶融炉5に供して850 〜1450℃の温度で燃焼溶融さ
せてスラグにする。
Description
害化処理方法に関し、特に重油等の液体燃料を燃焼させ
るボイラから発生する重油灰を効果的に減容、無害化す
ることができる方法を提案しようとするものである。
に、重油等を燃料とするボイラから発生する重油灰は、
電気集塵装置などにより捕集された後、一般には水を加
えて加湿してから埋め立て処理されているか、又は、セ
メントメーカーに送られ、このセメントメーカーにおい
てセメントキルンにより燃焼処理されている。しかしな
がら、捕集された重油灰は比重が小さく、かさばること
から、埋立地に搬送するのに輸送コストや埋め立て費用
が嵩むのが現状である。また、発電業界においては、火
力発電の燃料コストを低減するために、S量の多い重
油、更には減圧残査油(VRO)、あるいはオリマルジ
ョン(ORM)、ペトコーク、アスファルトといった重
質で低価格の燃料が使用されるようになってきている。
これらの減圧残査油、オリマルジョン等には、バナジウ
ム等の重金属が含有されているため、電気集塵装置にて
捕集される重油灰の中にも重金属が含まれることにな
る。このような重油灰をそのまま埋め立て処理したので
は、重金属が溶出するおそれもある。更に、重油灰に含
まれる五酸化バナジウムは、粉状である場合、劇物に指
定されている有毒物であるため、取扱いが困難である。
るならば、輸送コストや埋め立て費用を低減することが
可能となる。また、重油灰に含まれる重金属が溶出しな
いように無害化できるならば、地球環境を汚染する懸念
もなくなる。
特開平9−112870号公報に開示があるように、流
動焙焼炉により重油灰を燃焼することが試みられた。し
かし、重油灰は、粒径数十μm 程度の微粒子であり、比
重も小さく、また、硫安分が含まれているので燃焼が難
しい。そのため、一部実用化されたもののメンテナンス
費用、人件費等のコストが嵩むため、操業を止めてしま
っているのが現状である。
ント原料としてセメント製造キルンに重油灰を投入する
方法もあるが、前述したように重油灰は比重が小さく、
かさばることから、セメントキルンへ搬送するためのコ
ストが嵩むし、また、重油灰中に含まれる重金属がセメ
ント中で溶出して、セメント品質の劣化を招くおそれも
あることから、必ずしも積極的に活用されているとはい
えなかった。
法に関して、特開昭62−298489号公報等に開示
があるるように、重油灰などのバナジウム含有産業廃棄
物からフェロバナジウム原料である五酸化バナジウムを
製造する方法として、湿式のアルカリ抽出法が知られて
いる。しかしながら、アルカリ抽出法は、工程が長く、
かつ、複雑である。したがって、装置を数多く設けるこ
とが必要となり、設備コストが嵩むし、使用助剤も多
く、かつ、動力用の電力などランニングコストの上昇を
招いていた。また、五酸化バナジウムを生成するため
に、水を多量に使用する湿式プロセスを用いていること
から、排廃水が多量に発生し、その処理コストも嵩んで
いた。更に、湿式処理設備まで重油灰を搬送するのにも
コストが生じていた。したがって、アルカリ抽出法は、
バナジウム含有量の小さい重油灰を大量に処理するのに
はコスト面で問題があった。
効果的に減容し、かつ、溶融ガラス化及び無害化するこ
とより、埋め立て処理する量を格段に減少させることを
可能にし、かつ、減容処理後に重金属が溶出するおそれ
のない、重油灰の減容無害化処理方法を提案することを
目的とする。
より捕集した重油灰を、燃焼溶融炉に供して850 〜1450
℃の温度で燃焼溶融させてスラグにすることを特徴とす
る重油灰の減容無害化処理方法である。
置に隣接配置し、重油灰を燃焼溶融炉に直接又はホッパ
等のリザーバ経由で導くことは、重油灰の輸送にコスト
がかからないことから好ましく、また、燃焼溶融炉から
生じる排ガスを、ボイラの排ガス煙道に導くことは、燃
焼溶融炉から排出される重油灰等の処理を、ボイラに設
けた集塵装置等に委ねることができるので、燃焼溶融炉
にこれらの装置を新たに設ける必要がないので好まし
い。
、MgO 、ドロマイト等のフラックスを供給すること
は、溶融温度を低下させる等、操業を容易にすることが
可能となるので、より好ましい。
原油、減圧残査油、アスファルト、オリマルジョン、ペ
トコークから選ばれる少なくとも1種を燃焼させてなる
灰を含むものである。
体的に説明する。図1に示す工程図を参照しつつこの発
明を説明すると、この発明では、重油焚きボイラなどの
ような液体燃料を用いたボイラ1より排出され集塵装置
2で捕集された重油灰3を、直接又はホッパ4から燃焼
溶融炉5に供して850 〜1450℃の温度で燃焼溶融させる
ことを特徴とする。この燃焼溶融炉5は、1450℃程度と
いう高温に加熱することができるので、重油灰3を瞬時
に溶融させることが可能となる。なお、必要に応じてフ
ラックス6をホッパ7から燃焼溶融炉5に投入して、ス
ラグの流動性をコントロールすることも可能であり、こ
のフラックス6の投入により、安定して操業することが
可能となる。
び物性によって変動するが、重油灰を短時間に溶融可能
な温度とすることが必要である。重油灰の溶融可能温度
は、重油灰中に含まれるバナジウムの形態及び含有量に
よって変化し、V2O5量の割合が高ければ溶融温度が低く
なる傾向になり、逆にV2O5量の割合が低ければ溶融温度
が高くなる傾向になる。そこで、燃焼溶融炉の温度は、
この発明に用いられる重油灰中のV2O5量等を考慮して85
0 〜1450℃の範囲とし、この温度範囲でV2O5量等に応じ
て設定すればよい。
は、ボイラの燃料によっても異なるが、C、NH3 、SO4
の合計が質量割合で約8〜9割を占める。これらのC、
NH3 、SO4 は、燃焼によりCO2 ガス、NOX ガス、SOX ガ
ス、水蒸気などになって重油灰3中から分離されること
から、溶融処理後の重油灰の質量は、溶融前の1/5か
ら1/10程度になるまで減少する。また、溶融処理前
の重油灰の嵩比重は約0.1 〜0.2 g/cm3 であったのに対
して、溶融処理後は嵩比重が約2.0 〜3.0g/cm3のスラグ
が得られ、処理の前後で体積を大幅に減少させることが
できる。その結果、輸送コスト及び埋め立て処理量を格
段に少なくすることができる。
ス、コークス、石炭等の化石燃料、あるいはシュレッダ
ーダスト、廃プラスチックス等の廃棄物をエネルギー源
とすることができ、また、捕集された重油灰中に高濃度
で含まれている炭素も燃料として有効活用することがで
きる。したがって、この発明では、減容無害化処理を低
コストで行うことができ、減容無害化処理により搬送コ
ストが格段に低減していることを考慮すると、減容無害
化処理を施さずにそのまま埋め立て処理する場合よりも
低コストで埋め立て処理が可能となる。
炉5を用いると、重油灰中に含まれる重金属は溶融され
てガラス化したスラグ8となる。したがって、減容無害
化処理後のスラグを埋め立て処理した場合でも重金属成
分が溶出することはない。溶融スラグ8を固化装置9、
例えば水槽に投入して冷却し、粒状スラグ10を得る。
は、ドライプロセスであって廃排水の処理が不要であ
り、しかも、原料の加熱から溶融までを閉じたシステム
で行うから、途中で重油灰が逸散することがなく、環境
に優しい操業を行うことができる。この燃焼溶融炉のな
かでも、一体型旋回溶融炉を用いることは、重油灰を溶
融、スラグ化するのに好ましい。この一体型旋回溶融炉
は、図2に模式図を示すように、旋回加熱室11、旋回
溶融室12及び保持室13を一体としてそなえ、この旋
回溶融炉においては円筒形の加熱室11の上部に2個の
バーナー14を円筒の接線方向に並列配置し、これらの
バーナーからの火炎により、加熱室の上方から供給され
た混合原料を高温加熱、溶融させるものであり、重油灰
を溶融し、その後に水槽15に投入してスラグ化するの
に好ましい。なお、この水槽15には、ベルトコンベア
16を設けて、水槽からスラグを容易に搬出できるよう
にしている。
る。燃焼溶融炉5は溶融効率が高く、装置も簡単であ
り、連続操業が可能である。そのため、他の燃焼装置に
比べて小型の設備で足りる。したがって、集塵装置2に
隣接して燃焼溶融炉5を配置することができる。かかる
構成により重油灰3を燃焼溶融炉5に直接又はホッパ等
のリザーバを経由して導くようにすると、この重油灰3
を燃焼溶融炉5まで輸送するためのコストが不要である
ので有利である。
ス配管を、液体燃料ボイラ1の排ガス煙道における集塵
装置2よりも上流側に接続して、この燃焼溶融炉5から
生じる排ガスをボイラ1の排ガス煙道に導くようにする
こともできる。かかる構成により、燃焼溶融炉5から排
出されるガスの集塵、脱硫処理又は脱硝処理を、ボイラ
側に設けた装置に委ねることができるので、燃焼溶融炉
5にこれらの装置等を別途新たに設ける必要がなくな
る。また、燃焼溶融炉5を集塵装置2に隣接配置した場
合には、排ガスが燃焼溶融炉5の排ガス配管中で温度低
下することが少ないので、この排ガス配管が排ガスによ
り腐食されるおそれも少ない。なお、この発明では、燃
焼溶融炉に集塵装置、脱硫装置及び脱硝酸装置等を別途
新たに設けてもよいことはいうまでもない。
持室をそなえている一体型旋回溶融炉を用いて重油灰の
減容無害化処理を行った。処理する重油灰を化学分析し
たところ、表1に示す組成を有していた。
の燃料は天然ガスを用い、旋回溶融炉の温度は1250〜13
50℃にした。重油灰の投入量は1時間当たり約500 kgと
して約2000kgの重油灰を処理した。減容無害化処理後に
得られたスラグの生成量及びスラグ組成を表2に示す。
有害かつ有毒で、輸送費等が嵩み、取扱いが困難な重油
灰を、比較的簡単な設備により、オンサイトで効果的に
かつ、低コストに減容化、無害化することができる。こ
の減容無害化処理により生成されたスラグは、埋め立て
処分を行っても重金属が溶出するおそれはない。更に、
減容無害化処理により生ずる排ガスは、ボイラ煙道に戻
すことができるので、排ガス処理設備を設けるためのコ
ストが発生することもない。もちろん、排ガス処理設備
を設けることも可能である。日本における重油灰の発生
量は、約20万トンと推定され、このように大量発生す
る重油灰の減容無害化処理を、この発明では安価にかつ
安全に行うことができ、環境保全に多大の貢献が可能と
なる。
図である。
適な一体型旋回溶融炉の模式図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 集塵装置により捕集した重油灰を、燃焼
溶融炉に供して850 〜1450℃の温度で燃焼溶融させてス
ラグにすることを特徴とする重油灰の減容無害化処理方
法。 - 【請求項2】 重油灰を、集塵装置に隣接配置した燃焼
溶融炉に導くことを特徴とする請求項1記載の重油灰の
減容無害化処理方法。 - 【請求項3】 燃焼溶融炉から生じる排ガスを、ボイラ
の排ガス煙道に導くことを特徴とする請求項1又は2記
載の重油灰の減容無害化処理方法。 - 【請求項4】 燃焼溶融炉にフラックスを供給すること
を特徴とする請求項1記載の重油灰の減容無害化処理方
法。 - 【請求項5】 重油灰が、重油、原油、減圧残査油、ア
スファルト、オリマルジョン、ペトコークから選ばれる
少なくとも1種を燃焼させてなる灰を含むものである請
求項1記載の重油灰の減容無害化処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000045751A JP2001235135A (ja) | 2000-02-23 | 2000-02-23 | 重油灰の減容無害化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000045751A JP2001235135A (ja) | 2000-02-23 | 2000-02-23 | 重油灰の減容無害化処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001235135A true JP2001235135A (ja) | 2001-08-31 |
Family
ID=18568287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000045751A Pending JP2001235135A (ja) | 2000-02-23 | 2000-02-23 | 重油灰の減容無害化処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001235135A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100860122B1 (ko) | 2008-02-01 | 2008-09-25 | 쌍용양회공업(주) | 중유회의 시멘트 자원화 방법 |
-
2000
- 2000-02-23 JP JP2000045751A patent/JP2001235135A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100860122B1 (ko) | 2008-02-01 | 2008-09-25 | 쌍용양회공업(주) | 중유회의 시멘트 자원화 방법 |
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