JP2001234215A - ステーブクーラーの製造方法 - Google Patents

ステーブクーラーの製造方法

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JP2001234215A JP2000049938A JP2000049938A JP2001234215A JP 2001234215 A JP2001234215 A JP 2001234215A JP 2000049938 A JP2000049938 A JP 2000049938A JP 2000049938 A JP2000049938 A JP 2000049938A JP 2001234215 A JP2001234215 A JP 2001234215A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳込みレンガの亀裂・破壊等を回避できるス
テーブクーラー提供する。 【解決手段】 (1)耐火レンガと鉄皮の間にあるステ
ーブクーラーにおいて、前記耐火レンガ側および前記鉄
皮側を除く鋳込みレンガの少なくとも四面が最高使用温
度600℃超のシートで覆われ、さらに該シートが金属
板で覆われている。(2)金属板の融点が600℃以上
であり、金属板の厚みが0.01mm以上5mm以下であ
る。(3)シートが0.5mm以上10mm以下の厚みであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉等の炉壁冷却
に使用されるステーブクーラーに関し、特に鋳込みレン
ガの亀裂・破壊等を回避できるステーブクーラーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在の鉄鋼製造プロセスにおいて、溶銑
の生産としては高炉を用いた鉄鉱石の溶融還元法が主流
になっている。
【0003】この高炉の炉壁は一般にステーブクーラー
(以下、単にステーブともいう)と呼ばれる冷却装置を
備えている。
【0004】図1は、高炉炉壁にステーブが組み込まれ
ている場所を示す概念図である。
【0005】同図に示すように、ステーブ1は、鉄皮2
の内側に設置され、ステーブ1を保護するための炉体レ
ンガ3に覆われている。
【0006】ステーブ1を鉄皮2の内側に設置するの
は、炉内からの熱負荷を低減することで鉄皮の変形や割
れを防止するためである。
【0007】図2(a)、(b)は、ステーブの構成を
示す説明図であり、図2(a)はステーブの側面図を、
図2(b)はステーブの平面図を示す。
【0008】同図に示すように、ステーブ1内には冷却
水を通水するための冷却パイプ6が設置され、ステーブ
1の炉内側には耐火レンガ4が鋳込まれた銑鉄5により
固定されている。この鋳込まれた銑鉄5により固定され
た耐火レンガ4は、鋳込みレンガあるいは鋳ぐるみレン
ガと呼ばれている(以下、鋳込みレンガという)。
【0009】この鋳込みレンガ4は、炉体レンガが損耗
し、脱落または消失した時のバックアップ耐火物として
機能するため、通常は炉体レンガと同じ材質のレンガを
鋳込みレンガに用いることが多い。
【0010】高炉の炉体レンガは高炉各部位の使用環境
により、高アルミナ、シャモットなどの酸化物系耐火物
や炭化珪素、カーボン−炭化珪素、アルミナ−カーボン
などの非酸化物系耐火物や炭素含有耐火物が使用されて
いる。
【0011】ステーブは、所定の形状の砂型に鋳込みレ
ンガと冷却パイプをあらかじめ設置しておき、その砂型
に成分調整された溶銑を注入することにより鋳造して製
作される。
【0012】溶銑を注入する際に、鋳込みレンガは13
00℃程度の溶銑と接触することになり、鋳込みレンガ
には大きな熱衝撃が加わり、破壊または亀裂が発生する
おそれがある。
【0013】鋳込みレンガに生じた亀裂がステーブの外
面に表れている場合には、製作後の検査で破壊を確認す
ることは可能であるが、ステーブの内部に発生した場合
には確認は不可能である。
【0014】高炉の稼働初期の炉体レンガが健全な時期
は鋳込みレンガの破壊の影響は軽微であるが、炉体レン
ガが消失した後には、鋳込みレンガは装入物や炉内の熱
の影響を直接受けるため破壊が進行する。最終的には、
鋳込みレンガは強度を失ってステーブから脱落し、ステ
ーブ寿命が非常に短くなる。
【0015】上記の問題点を考慮して、ステーブの製作
時において鋳込みレンガが熱衝撃により破壊されるのを
防止する方法が種々提案されている。
【0016】例えば、特開昭63−192804号公報
には、レンガ側の面を金属板で覆った後に溶銑を鋳込む
ことにより、レンガと溶銑が直接接触することを防止
し、鋳込みレンガが熱衝撃により破壊されるのを防止す
る方法が開示されている。
【0017】また、特開昭63−192805公報に
は、メタルウールを鋳込みレンガ表面に被せた後に溶銑
を注入してステーブを製作する方法が開示されている。
【0018】これらの発明は、金属板、またはメタルウ
ールを使用して、鋳込みレンガと溶銑が直接接触するこ
とを防止することで鋳込みレンガを保護することを狙っ
たものである。
【0019】しかし、これらの金属板、またはメタルウ
ールは溶銑注入時の受熱により容易に溶融固化するた
め、むしろ鋳込みレンガが熱衝撃を受け易く破壊するお
それがある。
【0020】この溶銑注入時の熱衝撃による破壊を防止
する方法として鋳込みレンガの外周に耐熱繊維を原料と
したセラミックシート( 以下、単にシートともいう) で
覆う方法が開示されている。
【0021】例えば、昭52- 8241号公報及び昭5
2- 31811号公報にはシートの原料繊維としてロッ
クウールを用いる方法が開示されている。
【0022】この方法はロックウールが断熱材として働
き、鋳込みレンガが熱衝撃により破壊されるのを防止す
るとともに、鋳込みレンガ自体の受熱による膨張が抑制
されることを期待できる。
【0023】しかしロックウールの最高使用温度は40
0〜650℃と比較的低温であり、鋳込み時の溶銑の保
有熱によって容易にロックウールは溶融固化し、断熱材
としての機能を期待できない。
【0024】なお、最高使用温度とは、繊維が溶融し始
める温度であり、形状を維持できない温度を意味する。
【0025】このため、最高使用温度が高い耐熱繊維を
原料としたシートを使用することが行われている。
【0026】この耐熱繊維としてはアルミナシリカ繊維
やアルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等がこの
例として挙げられ、いずれもロックウールよりも最高使
用温度が高い。
【0027】また、耐熱繊維で成形されたシートを使用
するには、鋳込み前に予め鋳込みレンガの外周にシート
を固定することが必要であり、これには一般にセメント
や接着剤が使用される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの方法では鋳
込み時の溶銑の保有熱でこれらの接着剤とシートが化学
反応し変質したり、鋳込み前に接着剤の液分が耐熱繊維
にしみ込んで変質したりして、シートの弾力性が失われ
るおそれがある。
【0029】すなわち、接着剤を使用したシートを使用
する場合には、シートの弾力性が乏しくなるため、熱膨
張した鋳込みレンガは、周囲の溶銑との間に圧縮応力を
生じて亀裂・破壊等起こす危険性がある。
【0030】本発明の目的は、ステーブクーラーの鋳込
みレンガの亀裂・破壊等を回避できるステーブクーラー
を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋳込みレンガ
に各種材質のシートを固定する方法を種々変えた試験を
行い、その優劣を評価した結果、下記の要旨の発明を完
成した。
【0032】(1)耐火レンガと鉄皮の間にあるステー
ブクーラーにおいて、前記耐火レンガ側および前記鉄皮
側を除く鋳込みレンガの少なくとも四面が最高使用温度
600℃超のシートで覆われ、さらに該シートが金属板
で覆われていることを特徴とするステーブクーラー。
【0033】(2)金属板の融点が600℃以上であ
り、金属板の厚みが0.01mm以上5mm以下であること
を特徴とする請求項1に記載のステーブクーラー。
【0034】(3)シートが0.5mm以上10mm以下の
厚みであることを特徴とする請求項1または2に記載の
ステーブクーラー。
【0035】
【発明の実施の形態】試験用の鋳込みレンガは、市販の
高アルミナ質、粘土質およびカーボン−炭化珪素質レン
ガを使用した。
【0036】シートを固定する試験方法は、以下の
(A)〜(E)に記載の通りであり、(A)〜(D)は
鋳込みレンガの耐火レンガ側、鉄皮側を除く4面を、(
E) は耐火レンガ側を除く5面をそれぞれ被覆した方法
である。
【0037】( A) A−1:シート(材質:アルミナシリカ繊維(最高使用
温度1400℃))と鋳込みレンガとの間に接着剤を平
均厚みで約1mm塗布してシートを固定した。表1に使用
した接着剤の主成分および特性値を示す。
【0038】
【表1】
【0039】A−2:シート(材質:アルミナシリカ繊
維(最高使用温度1400℃))と鋳込みレンガとの間
にA−1と同じ接着剤を平均厚みで約3mm塗布してシー
トを固定した。
【0040】( B) B−1:シート(材質:アルミナシリカ繊維(最高使用
温度1400℃))と鋳込みレンガとの間にアルミナセ
メントを平均厚みで約1mm塗布してシートを固定した。
【0041】表2に使用したアルミナセメントの主成分
および特性値を示す。
【0042】
【表2】
【0043】B−2:シート(材質:アルミナシリカ繊
維(最高使用温度1400℃))と鋳込みレンガとの間
にアルミナセメントを平均厚みで約3mm塗布してシート
を固定した。
【0044】( C) C−1:シート(材質:アルミナシリカ繊維(最高使用
温度1400℃))で鋳込みレンガを覆い、そのシート
の外周を0.08mmの厚みの鋼板でさらに覆い固定し
た。
【0045】なお、使用した鋼板の融点は約1500℃
であり、以下で使用した鋼板は同じものである。
【0046】C−2:シート(材質:アルミナシリカ繊
維(最高使用温度1400℃))で鋳込みレンガを覆
い、そのシートの外周を鋼製の直径2mmの針金を巻い
てシートを固定した。
【0047】なお、使用した針金の融点は約1500℃
である。
【0048】( D) D−1:シート(材質:ロックウール( 最高使用温度6
00℃) ))で鋳込みレンガ(材質:高アルミナ質)を
覆い、そのシートの外周を0.08mmの厚みの鋼板でさ
らに覆い固定した。
【0049】D−2:シート(材質:グラスウール( 最
高使用温度400℃) ))で鋳込みレンガ(材質:高ア
ルミナ質)を覆い、そのシートの外周を0.08mmの厚
みの鋼板でさらに覆い固定した。
【0050】D−3:シート(材質:アルミナシリカ繊
維( 最高使用温度1400℃) ))で鋳込みレンガ(材
質:高アルミナ質)を覆い、そのシートの外周を0.0
8mmの厚みの鋼板でさらに覆い固定した。
【0051】D−4:シート(材質:シリカ繊維( 最高
使用温度1000℃) )で鋳込みレンガ(材質:高アル
ミナ質)を覆い、そのシートの外周を0.08mmの厚み
の鋼板でさらに覆い固定した。
【0052】D−5:シート(材質:アルミナ繊維( 最
高使用温度1600℃) )で鋳込みレンガ(材質:高ア
ルミナ質)を覆い、そのシートの外周を0.08mmの厚
みの鋼板でさらに覆い固定した。
【0053】D−6:シート(材質:ジルコニア繊維(
最高使用温度1800℃) )で鋳込みレンガ(材質:高
アルミナ質)を覆い、そのシートの外周を0.08mmの
厚みの鋼板でさらに覆い固定した。
【0054】(E) E−1:シート(材質:アルミナシリカ繊維(最高使用
温度1400℃))と鋳込みレンガ(材質:高アルミナ
質)との間に接着剤を平均厚みで約1mm塗布してシート
を固定した。
【0055】E−2:シート(材質:アルミナシリカ繊
維(最高使用温度1400℃))で鋳込みレンガ(材
質:高アルミナ質)を覆い、そのシートの外周を0.0
8mmの厚みの鋼板でさらに覆い固定した。
【0056】図3(a)、(b)は、試験評価用に使用
した銑鉄ブロックの製作方法を示す概念図であり、図3
(a)は、銑鉄ブロックの斜視図、図3(b)は、銑鉄
ブロックのA−A断面である。なお、押え棒9は、図3
(b)では、図示していない。
【0057】同図(a)、(b)に示すように、銑鉄ブ
ロック8は、形状が150×150×250(各単位:
mm)の直方体となるように製作した鋳型内に、各種材質
のシートを各種方法にて固定した各種材質の鋳込みレン
ガ4を入れて、注銑用陶管7から溶銑を鋳込んで製作し
た。この溶銑を鋳型内に鋳込む際、鋳込みレンガ4の比
重が溶銑に比較して小さいため、銑鉄製の押え棒9で鋳
込みレンガ4を押えながら溶銑を注入した。銑鉄ブロッ
ク8を製作するに必要な溶銑量は約37kgであり、溶
銑の注入速度をほぼ一定の8〜10kg/秒で行い、約
4秒で注銑が完了した。
【0058】鋳型はケイ砂に粘結剤としてフェノール樹
脂を使用したものを用いた。なお、銑鉄ブロック8の製
作の前処理として、バチ形状の鋳込みレンガ4を110
℃で24時間乾燥した。
【0059】図4は前記A−1またはA−2のシート固
定方法を示す概略図である。図4に示すように、鋳込み
レンガ4の耐火レンガ側および鉄皮側を除く4面(同図
では溶銑注入面およびその反対面を除く4面)にシート
10を被せ、このシート10を被せた鋳込みレンガ4を
前記図3に示す方法で鋳型内に固定し、溶銑を注銑し
た。
【0060】図5は前記C−1のシート固定方法を示す
概略図である。図5に示すように、鋳込みレンガ4の4
面をシート10で覆い、このシート10の外周を更に金
属板12として例えば鋼鈑で覆い、その後、前記図3に
示す方法で鋳型内に固定し、溶銑を注入した。
【0061】この時、シート10を鋳込レンガに仮に固
定するためにデキストリンを使用したが、この他にもデ
ンプン、糖蜜、糊またはポリビニールアルコール等の1
000℃以下の温度で分解する天然のりまたは合成のり
で行ってもよい。
【0062】また、金属板12を固定するため、金属板
の張り合わせ部分を電気溶接したが、この他に針金を巻
き付けて固定したり、粘着テープ等で金属板の張り合わ
せ部分を固定することもできる。なお、粘着テープは紙
やビニール等の可燃性の材質が望ましい。
【0063】また、ステーブクーラー内の鋳込みレンガ
の耐火レンガ側および鉄皮側を除く少なくとも4面にシ
ート10の被覆および金属板の被覆を行えばよいが、耐
火レンガ側および/または鉄皮側の面にもシート10の
被覆および金属板12の被覆を行ってもよい。鋳込みレ
ンガの耐火レンガ側はステーブ製造時に溶鉄と接触しな
いため、この位置にシート10および金属板12を被覆
する必要はないが、他の面にこれらを被覆するのに必要
で有れば被覆しても良い。
【0064】図6は前記E−1のシート固定方法を示す
概略図であり、鋳込みレンガの鉄皮側の面もシート10
で覆った形の鋳込みレンガを示す概略図である。
【0065】図7は前記E−2のシート固定方法を示す
概略図であり、図6で示す鉄皮側の面のシート10をさ
らに金属板12で被覆した形の鋳込みレンガを示す概略
図である。
【0066】表3に各シート材の組成および特性値を示
す。
【0067】
【表3】
【0068】表4に使用した溶銑の組成を示し、溶銑の
温度は1280℃一定とした。
【0069】
【表4】
【0070】製作した銑鉄ブロックを自然冷却により室
温まで冷却し、冷却後、図3(a)に示したA−A断面
で切断し、図3(b)に示した鋳込みレンガの切断面を
目視観察して鋳込みレンガとシートとの間の接着状況
(溶銑の差し込み有無)とシートの弾力性の有無を確認
した。
【0071】表5に各方法による鋳込みレンガとシート
との接着状況を、表6に方法(A)〜(C)および
(E)のシートの弾力性の有無を示す。
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】表5および表6に示すように、C−1およ
び(E)−2の方法は、鋳込みレンガとシートとの間に
溶銑の差し込みがなく、シートの弾力性も維持でき、鋳
込みレンガの熱膨張を十分吸収していると判断できた。
またC−1とE−2共に鋳込みレンガの破壊は認められ
ず、差は見出せなかった。
【0075】表7に、C−1の方法で各種シート材質を
変更したときのシートの弾力性の有無を示す。
【0076】
【表7】
【0077】表7に示すように、最高使用温度が600
℃以下のロックウールおよびグラスウールは、溶融固化
し、弾力性が無くなることが判明した。
【0078】さらに、検討を重ねた結果、金属板の厚み
および融点、ならびにシートの厚みおよび最高使用温度
について望ましい範囲を見出した。
【0079】すなわち、金属板の厚み:0.01mm以上
5mm以下、 金属層の融点:600℃以上、 シートの厚み:0.5mm以上10mm以下、 シートの最高使用温度:1000℃以上。
【0080】金属板の厚みが0.01mm未満では、金属
板が溶銑の保有熱で溶損し、シートを固定することが困
難となるおそれがあり、5mmを超えると、鋳込みレンガ
とシートとの間に空隙が生じ易くなり、この空隙に溶銑
の差し込みが発生し、鋳込みレンガが溶銑の保有熱によ
る熱衝撃で鋳込みレンガに亀裂が起きたり鋳込みレンガ
が破壊するおそれがある。
【0081】また、金属板の融点が600℃未満である
と、溶銑の保有熱で溶損するおそれがある。
【0082】シートの厚みは0.5mm未満だと鋳込みレ
ンガの膨張代が不足するおそれがあり、周囲の溶銑との
間に圧縮応力を生じて鋳込みレンガに亀裂が起きたり鋳
込みレンガが破壊するおそれがある。
【0083】10mmを超えると周囲の溶銑による鋳込み
レンガの拘束力が減少し、ステーブ稼働時にステーブよ
り鋳込みレンガが抜け落ちるおそれがある。
【0084】シートの最高使用温度が1000℃未満で
あると、溶銑の保有熱によって繊維が溶融固化するおそ
れがあり、最高使用温度が1000℃以上のシートであ
ることが望ましい。
【0085】
【実施例】前記A−1、A−2、C−1およびE−2の
方法にて鋳込みレンガにシートの固定を行い、ステーブ
を4基製作した。なお、前記表3に示すアルミナシリカ
繊維をシートに用いた。
【0086】ステーブ1基の寸法は1700×950×
300(単位:mm)であり、1基のステーブに合計48
ヶの鋳込みレンガを8段6列となるように鋳込んだ。な
お、高アルミナ質レンガを鋳込みレンガに用いた。
【0087】また、これらのステーブの製作は通常の製
作方法に準じておこない、鋳型はケイ砂に粘結剤として
フェノール樹脂を加えた砂型を使用し、表8に示す組成
の溶銑(温度:1290℃)を鋳込んだ。
【0088】
【表8】
【0089】さらに、これら4基のステーブの交換は高
炉の休風時に行い、高炉のシャフト位置に4基のステー
ブを取り付け、6ヶ月間連続使用後に、これら4基のス
テーブを回収し、鋳込みレンガの断面を含むようにステ
ーブをそれぞれ切断し、鋳込みレンガの損傷状態とシー
トの弾力性の有無等の評価を行った。
【0090】表9に評価結果を示す。
【0091】
【表9】
【0092】同表に示したように、本発明例のC−1お
よびE−1の方法は鋳込みレンガに亀裂が無かった。ま
た、シートの弾力性が維持されており、鋳込みレンガの
膨張代を吸収していた。
【0093】これに対して比較例1のA−1の方法では
シートの弾力性はあるが、鋳込みレンガとシートの間に
溶銑が差し込んでおり、鋳込みレンガが破壊していた。
【0094】この破壊は、鋳込みレンガの亀裂に溶銑の
侵入があることが認められることから、シートの固定が
不十分であったためと推定された。
【0095】また、比較例2のA−2の方法ではシート
と接着剤が固着しており、シートに弾力性が認められな
かった。また、鋳込みレンガは稼働面、すなわちステー
ブ前面位置で小さな亀裂が発生していた。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、鋳込みレンガの亀裂・
破壊等を回避することが可能となり、耐用性に優れたス
テーブクーラーを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉炉壁にステーブが組み込まれている場所を
示す概念図である。
【図2】図2(a)、(b)は、ステーブの構成を示す
説明図であり、図2(a)はステーブの側面図を、図2
(b)はステーブの平面図を示す。
【図3】図3(a)、(b)は、試験評価に使用した銑
鉄ブロックの製作方法を示す概念図であり、図3(a)
は、銑鉄ブロックの斜視図、図3(b)は、銑鉄ブロッ
クのA−A断面である。
【図4】A−1またはA−2のシート固定方法を示す概
略図である。
【図5】C−1のシート固定方法を示す概略図である。
【図6】E−1のシート固定方法を示す概念図である。
【図7】E−2のシート固定方法を示す概念図である。
【符号の説明】
1:ステーブ 2:鉄皮 3:炉体レンガ 4:鋳込みレンガ 5:銑鉄 6:冷却パイプ 7:注銑用陶管 8:銑鉄ブロック 9:押さえ棒 10:シート 11:接着剤 12:金属板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火レンガと鉄皮の間にあるステーブク
    ーラーにおいて、前記耐火レンガ側および前記鉄皮側を
    除く鋳込みレンガの少なくとも四面が最高使用温度60
    0℃超のシートで覆われ、さらに該シートが金属板で覆
    われていることを特徴とするステーブクーラー。
  2. 【請求項2】 金属板の融点が600℃以上であり、金
    属板の厚みが0.01mm以上5mm以下であることを特徴
    とする請求項1に記載のステーブクーラー。
  3. 【請求項3】 シートが0.5mm以上10mm以下の厚み
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のステ
    ーブクーラー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT413033B (de) * 2003-01-29 2005-10-15 Vai Ind Uk Ltd Kühlstave für schachtöfen

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AT413033B (de) * 2003-01-29 2005-10-15 Vai Ind Uk Ltd Kühlstave für schachtöfen

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