JP2001233939A - 液状封止樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents

液状封止樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置

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JP2001233939A
JP2001233939A JP2000043815A JP2000043815A JP2001233939A JP 2001233939 A JP2001233939 A JP 2001233939A JP 2000043815 A JP2000043815 A JP 2000043815A JP 2000043815 A JP2000043815 A JP 2000043815A JP 2001233939 A JP2001233939 A JP 2001233939A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子等を封止する液状封止樹脂組成物
において、より高い信頼性を有する液状封止樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 (A)式(1)で示されるエポキシ樹
脂、(B)硬化剤、(C)シリカからなる液状封止樹脂
組成物である。また、半導体素子を上記の液状封止樹脂
組成物を用いて封止して製作された半導体装置である。 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の封止に用
いられる液状封止樹脂組成物に関するものであり、その
樹脂組成物を用いた半導体装置である。
【0002】
【従来の技術】近年半導体チップの大型化、パッケージ
の多ピン化、多様化に伴い周辺材料である樹脂材料に対
する信頼性の要求は年々厳しいものとなってきている。
従来はリードフレームに半導体チップを接着しモールド
樹脂で封止したパッケージが主流であったが、多ピン化
の限界からボールグリッドアレイ(BGA)の様なパッ
ケージがかなり増えてきている。
【0003】BGAはモールド樹脂又は液状樹脂により
封止されるが、基板、ソルダーレジスト、及び金、ニッ
ケル等のメッキ部分から構成されているためそれらに対
する接着性が重要である。また表面実装方式でマザーボ
ードと接合するため耐半田クラック性が必要である。更
に信頼性の一環として温度サイクル試験(T/C試験)があ
り、パッケージには高い信頼性が要求される。
【0004】例えば、その要求される信頼性の条件とし
ては、 ・耐半田クラック性:30℃、60%RHの条件でパッ
ケージを一週間吸湿させた後リフロー処理し剥離、クラ
ックのないこと ・T/C試験:-55℃〜125℃(各温度さらし時間30
分)、1000サイクル以上の処理をした後、剥離、クラッ
クのないことなどである。
【0005】しかし、より厳しい要求は、例えば、 ・耐半田クラック性:85℃、85%RHでパッケージ
を一週間吸湿させた後リフロー処理し剥離、クラックの
ないこと ・T/C試験:-65℃〜150℃(各さらし時間30分)、100
0サイクル以上の処理をした後、剥離、クラックのない
ことなどリードフレーム型パッケージと同等のより厳し
い条件が要求されている。しかし、半導体を封止する液
状封止樹脂組成物においてこのような信頼性を満足する
材料はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】液状封止樹脂組成物に
おいて、耐半田クラック性試験、T/C試験等を満足す
る信頼性の高い液状封止樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のこ
のような問題を解決するために鋭意検討を重ねてきた結
果、式(1)で示されるエポキシ樹脂、硬化剤、シリカ
からなる液状封止樹脂組成物が低応力性を有し信頼性に
優れていることを見出し本発明を完成させるに至った。
【化2】 (nは1から50までの整数)
【0008】更に好ましい形態としては、上記硬化剤が
アルキル化ジアミノジフェニルメタンである液状封止樹
脂組成物である。また、半導体素子が上記の液状封止樹
脂組成物を用いて封止された半導体装置である。
【0009】
【発明の実施の態様】本発明に用いられる式(1)で示
されるエポキシ樹脂(A)を用いると、硬化物が低弾性
率化され、液状封止樹脂に求められる低応力性を有する
ことを見いだした。また、信頼性の優れた液状封止樹脂
組成物を得るために、硬化剤のNa+、Cl-等のイオン性不
純物はできるだけ少ないものが好ましい。
【0010】(B)硬化剤としてはアミン、酸無水物、
フェノール樹脂等があるが特に限定されない。より好ま
しくはアルキル化ジアミノジフェニルメタンである。ア
ルキル化ジアミノジフェニルメタンの例としては、エチ
ル化ジアミノジフェニルメタン、メチル化ジアミノジフ
ェニルメタン等がある。これを用いた場合、特に金属、
ソルダーレジスト等BGAパッケージに必須の被着体へ
の接着性が、式(1)で示されるエポキシ樹脂との組み
合わせにおいて特に優れるからである。また、信頼性の
優れた液状封止樹脂組成物を得るために、硬化剤のN
a+、Cl-等のイオン性不純物はできるだけ少ないものが
好ましい。
【0011】主剤である全エポキシ樹脂(A)と、硬化
剤との配合モル比は0.8〜1.2が望ましい。0.8未満の場
合は、過剰に未反応の硬化剤の反応基が残存することと
なり、耐湿性の低下、信頼性の低下に繋がる。逆に1.2
を越えると硬化が不十分となり、信頼性の低下に繋が
る。
【0012】(C)の無機フィラーとしては、樹脂の充
填に用いることができるものなら何れも使用できる。そ
の中でもシリカが好ましく、例えば、結晶シリカ、溶融
シリカ等が用いられる。形状は一般に球状、破砕状、フ
レーク状等があるが、充填材をより多く添加することに
より線膨張係数の低減化が図られ、その効果をあげるた
めには球状の無機充填材が最も良い。
【0013】添加量は、最終硬化物に対し、60wt%〜
90wt%が望ましい。60wt%未満だと、硬化物の線膨張
係数が大きくなり、硬化後のパッケージへの応力蓄積や
T/C試験での樹脂クラックを起こす恐れがある。一方、
90wt%を越えると結果として得られる液状封止樹脂組
成物の粘度が高くなり過ぎ、実用レベルではないため好
ましくない。
【0014】本発明の液状封止樹脂組成物には、前記の
必須成分の他に必要に応じて、硬化促進剤、希釈剤、顔
料、カップリング剤、難燃剤、レベリング剤、消泡剤等
の添加物を用いても差し支えない。液状封止樹脂組成物
は、各成分、添加物等を3本ロールにて分散混練し、真
空下で脱泡処理して製造する。
【0015】本発明の液状封止樹脂組成物を用いて半導
体装置を製作すると、従来より信頼性の高い半導体装置
を得ることが出来る。半導体装置の製造方法は公知の方
法を用いることが出来る。
【0016】
【実施例】本発明を実施例及び比較例で説明する。 <実施例1>式(1)で示されたエポキシ樹脂(等量2
25)100重量部、硬化剤としてエチル化ジアミノジ
フェニルメタン(カヤハート゛A-A、日本化薬社製、当量65)3
0重量部、密着性助剤としてγ-グリシジルトリメトキ
シシラン6重量部、平均粒径6μm、最大粒径50μm
の球状シリカ320重量部、希釈剤として、ブチルセロ
ソルブアセテート7.5重量部、カーボンブラック1重
量部を秤量し、これらの原材料を3本ロールにて分散混
練し、真空下脱泡処理をして液状封止樹脂組成物を得
た。次に、得られた液状封止樹脂組成物を用いて接着
性、靱性値の尺度として破壊エネルギー及び信頼性試験
を行った。
【0017】<実施例2>式(1)で示されたエポキシ
樹脂(等量225)100重量部、硬化剤としてアリル
フェノールノボラック(MEH-8000、明和化成製、水酸基
141)62重量部、密着性助剤としてγ-グリシジルトリ
メトキシシラン7重量部、平均粒径6μm、最大粒径5
0μmの球状シリカ395重量部、希釈剤として、ブチ
ルセロソルブアセテート7.5重量部、カーボンブラッ
ク1重量部を秤量し、これの原材料を3本ロールにて分
散混練し、真空下脱泡処理をして液状封止樹脂組成物を
得た。次に、得られた液状封止樹脂組成物を用いて接着
性、靱性値の尺度として破壊エネルギー及び信頼性試験
を行った。
【0018】<比較例1>ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(当量165)100重量部、硬化剤としてエチル化ジ
アミノジフェニルメタン(カヤハート゛A-A、日本化薬社製、
当量65)40重量部、密着性助剤としてγ-グリシジルト
リメトキシシラン6重量部、平均粒径6μm、最大粒径
50μmの球状シリカ350重量部、希釈剤としてブチ
ルセロソルブアセテート7.5重量部、カーボンブラッ
ク1重量部を秤量し、これらの原材料を3本ロールに
て、分散混練し真空下脱泡処理をして液状封止樹脂組成
物を得た。次に、得られた液状封止樹脂組成物を用いて
接着性、靱性値の尺度として破壊エネルギー及び信頼性
試験を行った。
【0019】<比較例2>ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(当量165)100重量部、硬化剤としてアリルフェ
ノールノボラック(MEH-8000、明和化成製、水酸基141)
83重量部、密着性助剤としてγ-グリシジルトリメト
キシシラン6重量部、平均粒径6μm、最大粒径50μ
mの球状シリカ445重量部、希釈剤としてブチルセロ
ソルブアセテート7.5重量部、カーボンブラック1重
量部を秤量し、これらの原材料を3本ロールにて分散混
練し、真空下脱泡処理をして液状封止樹脂組成物を得
た。次に、得られた液状封止樹脂組成物を用いて接着
性、靱性値の尺度として破壊エネルギー及び信頼性試験
を行った。
【0020】各試験の方法は次のとおりである。 1)接着性;ソルダーレジスト(太陽インキ社製、PSR4
000AUS05/CA-40AUS2)が塗布されたガラス−エポキシ
基板に液状封止樹脂組成物を塗布し、上から6x6mmのチ
ップをマウントし、150℃、3時間で硬化させ、200
℃のホットプレートに載置しタ゛イシェアー強度を測定した。 2)弾性率;幅10mm、厚み4mm、長さ13mmの試験片
を作製し(試験片の硬化条件:150℃,3時間)、万
能試験機を用いて曲げ試験を行い、ひずみ−応力グラフ
より計算し求めた。
【0021】3)信頼性−1;BT基板製の15mm角のシ
リコンチップがマウントされたBGA基板に液状封止樹
脂組成物を塗布し(キャヒ゛ティサイス゛:25mmx25mmx1mmt)、1
50℃、3時間の条件で硬化させて、試験片を作製し
た。次に、T/C処理(−55℃/30分←→125℃
/30分、1000サイクル)を施した後、超音波探傷機
(SAT)にて半導体チップとプリント基板界面との剥
離、クラックの有無を確認した。試験に用いたサンプル
数は10個である。
【0022】4)信頼性−2;上記の信頼性−1と同じ
条件で作製したテストピース10個を、85℃、85%
RHの条件で72時間の湿度処理を施したのち、IRリ
フロー(最大温度240℃、90秒)にて2回処理した
後、SATにて剥離、クラックの有無を確認した。
【0023】測定した結果を表1に示す。
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明による液状封止樹脂組成物は、低
応力性を有し、よって耐半田クラック性試験、T/C試
験等を満足し、信頼性の高い液状封止樹脂組成物であ
り、半導体装置である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CD051 DJ017 EN076 FD017 FD146 GQ05 HA01 4J036 AK09 DC10 FA05 JA07 KA03 4M109 AA01 BA04 CA05 EA02 EB02 EB04 EB06 EB07 EB08 EB12 EB18 EC01 EC03 EC04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)式(1)で示されるエポキシ樹
    脂、(B)硬化剤、(C)無機フィラーからなることを
    特徴とする液状封止樹脂組成物。 【化1】 (nは1から50までの整数)
  2. 【請求項2】 該硬化剤がアルキル化ジアミノジフェニ
    ルメタンである請求項1記載の液状封止樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の液状封止樹脂組成物を用
    いて半導体素子を封止して製作された半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005322831A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Kanazawa Inst Of Technology 超伝導素子の封止剤及び封止方法並びに超伝導素子

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