JP2001233751A - 液体齲蝕予防剤組成物 - Google Patents

液体齲蝕予防剤組成物

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JP2001233751A
JP2001233751A JP2000105553A JP2000105553A JP2001233751A JP 2001233751 A JP2001233751 A JP 2001233751A JP 2000105553 A JP2000105553 A JP 2000105553A JP 2000105553 A JP2000105553 A JP 2000105553A JP 2001233751 A JP2001233751 A JP 2001233751A
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fraction
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Ayumi Sase
あゆみ 佐瀬
Takao Yokoo
孝男 横尾
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】長期間保存しても不溶性の沈殿物を生じること
がない液体齲蝕予防剤の提供。 【解決手段】マンサク科、シソ科、バラ科、フトモモ科
に属する植物の群より選ばれる1種又は2種以上の植物
の水抽出液に、低級アルコールを添加して生成した沈殿
を除去し、さらに加熱した後に生成した沈殿を除去して
得られた画分を配合する。 【効果】上記方法により製造した組成物は洗口剤、水は
みがき、液体歯磨、スプレー剤、ドリンク剤等の液体剤
型の齲蝕予防剤組成物に応用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、齲蝕予防効果が高
く、長期間に亘って不溶性沈殿物の発生しない液体齲蝕
予防剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】歯の表面に付着する歯垢は、約70%の
細菌、細菌により形成された約20%の多糖、及び食物
残渣約10%よりなる。この歯垢は、ストレプトコッカ
ス・ミュータンス(以下、ミュータンス菌と略)を中心
とする口腔内細菌によって、口腔内に存在するショ糖を
利用して形成されることが知られている。すなわち、ミ
ュータンス菌はグルコシルトランスフェラーゼ(デキス
トラン合成酵素、以下GTFと略)を産生し、これによ
りショ糖からデキストラン、ムタン等の粘着性多糖を合
成する。そして、この合成された多糖はミュータンス菌
をはじめ、他の菌をまきこみ、歯垢を形成する。また、
ミュータンス菌等の菌は、種々の糖を利用して酸を産生
し、この酸は歯垢中に滞留することにより、エナメル表
面を脱灰していく。これが齲蝕の発生メカニズムである
と考えられている。
【0003】従って、歯垢の形成を抑制、阻止すること
は、齲蝕を予防するという点から非常に有効なことであ
る。
【0004】一方、従来、様々な植物の薬理活性に関す
る研究が行われてきた。その中で、ある種の植物抽出物
が、GTF阻害活性を有し、齲蝕予防剤に有用であるこ
とが明らかとなった。具体的には、マンサク科植物(第
1449281号特許公報)、バラ科およびシソ科植物
(第158815号特許公報)、フトモモ科植物(特開
平5−255098号公報)等である。この効果は、分
子中に複数のフェノール性水酸基を有する成分、いわゆ
るポリフェノール(以下、PPと略)と呼ばれる成分に
よるものであることが明らかとなっている。ところが、
一般的にPPは、酸素や光、熱などにより重合・縮合反
応し、不溶性の沈殿物を生じやすいという性質を有して
いる。そのために、当該成分を齲蝕予防成分として含有
する液体齲蝕予防剤組成物を長期間保存すると、PPが
重合・縮合反応して不溶性の沈殿を生じ、実使用上不都
合があった。さらに、植物抽出物を液体齲蝕予防剤組成
物の製造原料として保管している際にも、同様にPPが
重合・縮合反応して不溶性の沈殿を生じやすく、組成物
の製造原料としての不都合もあった。
【0005】植物から有用な成分を抽出する際の溶媒と
して、水、メタノール、エタノール等の低級アルコー
ル、アセトン、エチルエーテル、酢酸エチル等の極性溶
媒、ベンゼン、ヘキサン、石油エーテル等の非極性溶
媒、およびこれらの混合溶媒等が用いられてきた。しか
し、有機溶媒を用いて抽出した成分は、水に対する溶解
性が低いため、液体齲蝕予防剤組成物に配合した場合、
長期間保存後に沈殿物を生じる場合があり、実使用上不
都合があった。
【0006】クローブ(別名チョウジ、フトモモ科)の
純水抽出物よりなる齲蝕予防剤組成物(特開平5−25
5098)が公知であるが、抽出後の濃縮・希釈につい
ては述べられているものの、精製手段については記載が
ない。試みに、マンサク科植物を用いて、純水抽出物を
調製したところ、保管中に不溶性の沈殿物を生じた。
【0007】植物の溶媒抽出物を濃縮乾固した後に、水
に溶解してエーテル洗浄し、さらに酢酸エチルで抽出し
たものを濃縮乾固して用いる方法(特開昭59−152
311)があるが、本発明とは異なる。
【0008】植物の溶媒抽出物を水蒸気蒸留した後に、
活性炭、珪藻土、酸性白土等の吸着剤で精製する方法
(特開昭62−155210)があるが、本発明とは異
なる。
【0009】植物からの抽出工程に、デンプン分解酵
素、タンパク質分解酵素、微生物等の生化学的手段を用
いる方法(特開平7−274977)があるが、有機溶
媒の存在下では酵素や微生物がその作用を十分に発揮す
ることができず、また反応条件の制御も容易ではない。
また、生化学的手段はコストもかかるため、工業的に好
適な方法とは言い難い。
【0010】石菖根及び/又はビワ葉からの熱水抽出物
にエタノールを加え、冷所放置もしくは遠心分離するこ
とによって、上清と沈殿とに分離する方法が知られてい
る(特開平8−127511)。この方法では、上清か
ら低分子画分が得られ、また沈殿からは、それを水に溶
解して不溶物を除去し、凍結乾燥することにより、多糖
性画分が得られる。しかし、この方法は、スキンケア剤
に配合するメラニン生成抑制物質の精製を目的としたも
のであり、本発明とはその目的を異にする。尚、マンサ
ク科植物を用いてこの方法を試みたところ、上清由来の
画分を保管した際に不溶性の沈殿物が多量に発生した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、齲蝕予防成
分PPの重合・縮合反応生成物や、水に対する溶解性の
低い成分に由来する不溶性沈殿物の生成という課題を解
決しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、マンサク科、シソ科、
バラ科、フトモモ科に属する植物の群より選ばれるい1
種又は2種以上の植物からの水抽出液に、低級アルコー
ルを添加して、生成した沈殿を除去し、さらに加熱した
後に生成した沈殿を除去して得られた画分を齲蝕予防剤
組成物に配合することにより、長期保存後にも不溶性沈
殿物が発生せず、かつ当該画分を液体齲蝕予防剤組成物
の製造原料として保管中にも不溶性沈殿物を生じないこ
とを知見し、本発明をなすに至った。以下、本発明につ
いて詳述する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、具体的には洗口剤、水
はみがき、液体歯磨、スプレー剤、ドリンク剤等の液体
剤型の齲蝕予防剤組成物に応用しうるものである。
【0014】まず、植物について説明する。それぞれの
科に属する代表的な植物の名称を挙げるが、本特許に係
る植物は、これらに限定されるものではない。マンサク
科の植物としてマンサク、トキワマンサク、ハマメリス
等、シソ科の植物としてコガネバナ、シソ、サルビア、
セージ、ローズマリー、ラベンダー、バジル等、バラ科
の植物としてビワ、ワレモコウ、ノバラ、サンザシ、リ
ンゴ等、フトモモ科の植物としてチョウジ、ユーカリ、
オールスパイス、バンジロウ、テンニンカ、グアバ等を
例示することができる。
【0015】これらの植物の適宜な部位、すなわち葉、
花、花蕾、果実、未熟果、偽果、種子、茎、根、根茎等
を必要に応じて乾燥・切断・粉砕・粉末化・圧搾等の前
処理を行った後に水で抽出を行う。その際、抽出は室温
で行うことが望ましい。これは、抽出時に加熱を行う
と、低温における溶解度の低い成分も抽出されるためで
ある。
【0016】このようにして得られた植物抽出物を必要
に応じて濃縮した後、低級アルコールを加える。ここ
で、低級アルコールとして、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、プロピレングリコール、1,3
−ブチレングリコール、ブタノールが例示でき、特にエ
タノール、1,3−ブチレングリコールが好適に使用で
きる。また、低級アルコールの量は、溶媒全体の60〜
95%(質量百分率、以下同様)となることが望まし
い。低級アルコールを加えた後、冷所に静置し、生じた
沈殿を除去する。この沈殿は、溶媒の極性の変化および
溶解度の影響により生じたものである。この工程は、水
に対する溶解性の低い成分を除去することを目的として
いる。
【0017】次に、この植物抽出物を加熱する。加熱温
度は35〜60℃が適切であり、これを超えた温度で
は、齲蝕予防剤組成物にコゲ味を生じ、コゲ味が喜ばれ
ない製品では使用上不適切である。加熱した後、冷所に
静置し、生じた沈殿を除去する。この工程は、植物抽出
物中に含まれる反応性の高い成分を熱によって重合・縮
合させ、除去することを目的としている。
【0018】以上の工程により得られた植物抽出物画分
を必要に応じて濃縮・希釈する。その際、蒸発残分が
2.5%以下になるようにすることが望ましい。また、
エタノールを15%以上含有させることが、防腐力を確
保するためには望ましい。この液を液体齲蝕予防剤組成
物に配合する。その配合量は0.001〜5%とするこ
とが望ましい。これよりも低い濃度では、齲蝕予防活性
を示さない。これよりも高い濃度で配合すると、渋味・
苦味を生じ、渋味・苦味が喜ばれない製品においては使
用に困難をきたす。
【0019】次に、本発明の液体齲蝕予防剤組成物に適
宜配合しうる任意成分について説明する。任意成分は、
液体齲蝕予防剤組成物の種類等に応じて、一般に使用さ
れる成分が選択される。例えば、界面活性剤、溶剤、緩
衝剤、湿潤剤、防腐剤、殺菌剤、香料、甘味剤等であ
る。
【0020】界面活性剤は、汎用されている界面活性
剤、例えばポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレン共重合体、ショ糖脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸エタノールアミ
ド、ベタイン類、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
ット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及
びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
塩、ポリオキシエチレンフィトステロール及びフィトス
タノール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルリン酸及びその塩、ポリオキシエチレンラノリン及び
ラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン及び脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、N−アシルタウリン塩、
N−アシルアミノ酸塩等を用いることができる。特に、
ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレン共重合体、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、脂肪酸エタノールアミド、ベタイン
類、アルキル硫酸塩が好適に用いられる。液体齲蝕予防
剤組成物中の界面活性剤濃度は、0.1〜5%が適当で
ある。
【0021】溶剤としては、精製水、エタノール等が用
いられる。エタノール原料としては、無水エタノール、
含水エタノール、香料変性アルコール、ゲラニオール変
性アルコール、色素変性アルコール等を用いることがで
きる。液体齲蝕予防剤組成物中のエタノール濃度は、洗
口剤、水はみがき、液体はみがき等にあっては0〜30
%、スプレー剤にあっては10〜70%が適当である。
エタノール濃度がこれよりも高いと、使用時に口腔粘膜
が刺激され、液体齲蝕予防剤組成物がその効果を発現す
るのに十分な時間、口中に液体齲蝕予防剤組成物を滞留
させておくことができなくなる傾向がある。
【0022】緩衝剤としては、クエン酸及びその塩、リ
ンゴ酸及びその塩、リン酸及びその塩などの1種または
2種以上を配合しうる。通常その配合量は0.01〜
1.0%の範囲である。
【0023】湿潤剤としては、汎用されている多価アル
コールを挙げることができる。具体的には、例えば、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセ
リン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エ
リスリトール等を用いることができる。液体齲蝕予防剤
組成物中への配合量は0.05〜30%、特に0.1〜
20%とすることが望ましい。
【0024】防腐剤、殺菌剤としては、安息香酸及びそ
の塩、サリチル酸及びその塩、パラベン類、塩化セチル
ピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウ
ム、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノ
ール、トリクロサン、ヒノキチオール等の1種又は2種
以上を配合しうる。通常その配合量は0.001〜0.
5%の範囲である。
【0025】香料成分は、香味の調和を図るために添加
されるもので、爽快感や香りで液体齲蝕予防剤組成物を
使いやすくする機能がある。具体的には、ペパーミント
油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウインタ
ーグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セー
ジ油、レモン油、オレンジ油、ローズマリー油、ローレ
ル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベ
イ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル
油等の天然香料及びメントール、カルボン、アネトー
ル、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアル
デヒド、オイゲノール、チモール、リナロール、リナリ
ールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテ
ート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレ
ゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド等の単
品香料、更に、エチルアセテート、エチルブチレート、
アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラ
ニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリ
ン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアル
コール等の単品香料及び/又は天然香料も含む調合香料
のストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナ
ナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレ
ーバー、マンゴーフレーバー、トロピカルフルーツフレ
ーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルー
ツミックスフレーバー等の周知の香料を使用することが
でき、後記の実施例記載の香料に限定されるものではな
い。通常その配合量は0.00001〜1%の範囲であ
る。
【0026】甘味剤としては、サッカリンナトリウム、
ステビアエキス、アスパルテーム等を配合しうる。更に
必要により、色素その他の成分を配合し得、所望の成分
を適量の水やエタノールと混合することにより液体齲蝕
予防剤組成物を製造し得る。
【0027】又、本発明においては、トラネキサム酸、
イプシロンアミノカプロン酸等の抗プラスミン剤、アス
コルビン酸類、トコフェロールエステル等のビタミン
類、グリチルリチン塩類、アラントイン類、デキストラ
ナーゼ、ムタナーゼ、塩化リゾチーム等の酵素、フッ化
ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化
物、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸塩、重炭酸
塩、セスキ炭酸塩等の塩類、銅クロロフィリンナトリウ
ム、グルコン酸銅、塩化亜鉛、ゼオライト、水溶性無機
リン酸化合物、乳酸アルミニウム等の有効成分を1種又
は2種以上配合しうる。その配合量は有効性、嗜好性か
ら適量が決められるが、一般的には0.001〜10%
の範囲内である。
【0028】本発明の液体齲蝕予防剤組成物を充填する
容器は、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと
も略)、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等の合成樹脂およびガラス等のボト
ル、スクイズボトル、アトマイザー等が好適に使用でき
る。これらのボトル素材に、チヌビン等の紫外線吸収剤
や顔料を練合すると、光によるPPの重合・縮合反応を
効果的に防止できるため、推奨される。また、ラミネー
トフィルム製のポーションパックとしてもよい。ラミネ
ートフィルムの材質は、アルミニウム箔、金箔、銀箔等
の金属の薄膜、ポリエチレンテレフタレート等のポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、キャスティン
グポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチ
レンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリ
ル、ポリアミド等の樹脂フィルム及び紙類等の中から適
宜選択され、その層構成は通常2〜5層程度である。ラ
ミネートフィルムに、アルミニウム箔、金箔、銀箔等の
金属の薄膜からなる層を用いると、液体齲蝕予防剤組成
物中の水、アルコール等の揮散を防ぐことができるだけ
でなく、直射日光に起因するPPの重合・縮合反応を効
果的に防止することができるため、推奨される。
【0029】
【発明の効果】本発明の液体齲蝕予防剤組成物は、長期
間保存しても不溶性の沈殿物を生じることがないため、
使用上好都合である。尚、本発明組成物の原料である植
物抽出物画分は、その保管中に不溶性の沈殿物を生じな
いため、製造適性がよい。
【0030】以下、実験例および実施例により、本発明
を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。
【0031】下記の(イ)、(ロ)の方法により得られ
た植物抽出物画分を用いて、[実験1]、[実験2]、
[実験3]および[実験4]を行った。尚、蒸発残分の
測定は、化粧品原料基準一般試験法の蒸発残留物試験法
に従った。(イ)基原植物1kgを精製水20Lに浸漬
し、室温に6時間静置し、抽出液を得た。この液を減圧
濃縮し、エタノールを加え、溶媒中のエタノール量が7
0%となるように調整した。冷所に一昼夜静置し、発生
した沈殿を除去した。この液を45℃で1時間加熱し、
冷所に一昼夜静置し、発生した沈殿を除去した。この液
を蒸発残分が2.5%以下となるように希釈し、植物抽
出物画分Aを得た。(ロ)基原植物1kgをエタノール
10Lに浸漬し、還流装置を用い、60℃で2時間抽出
し、抽出液を得た。残渣に新たにエタノール10Lを加
え、同様に抽出を行った。このようにして得られた2回
分の抽出液を合わせ、蒸発残分が2.5%以下となるよ
うに濃度を調整し、植物抽出物画分Bを得た。
【0032】[実験1]液体齲蝕予防剤組成物の保存安
定性 表1に示す組成の液体齲蝕予防剤組成物(配合香料組成
を表2に示す)を作製し、50℃の恒温槽で1ヶ月間保
存した後、下記の評価基準に従って沈殿物の有無を評価
した。その結果を表3に示す。表3の評価結果は、マン
サク科、シソ科、バラ科、フトモモ科に属する植物群よ
り選ばれる植物からの精製水抽出液に、低級アルコール
を添加して、生成した沈殿を除去し、さらに加熱した後
に生成した沈殿を除去して得られた画分を齲蝕予防剤組
成物に配合することにより、不溶性沈殿物の発生を防止
することができることを示している。尚、香料組成中の
バナナフレーバーをストロベリーフレーバー、アップル
フレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレー
バー、マンゴーフレーバー、トロピカルフルーツフレー
バー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツ
ミックスフレーバーに代替しても同様の結果が得られ
た。評価基準 〇:不溶性沈殿物なし ×:不溶性沈殿物あり
【0033】[実験2]植物抽出物画分の保存安定性 植物抽出物画分を無色透明なPET製容器に充填し、常
温で1ヵ月間保管した後、下記の評価基準に従って沈殿
物の有無を評価した。その結果を表3に示す。表3の評
価結果は、マンサク科、シソ科、バラ科、フトモモ科に
属する植物群より選ばれる植物からの精製水抽出液に、
低級アルコールを添加して、生成した沈殿を除去し、さ
らに加熱した後に生成した沈殿を除去することにより、
保管時における不溶性沈殿物の発生を防止できることを
示している。評価基準 ○:不溶性沈殿物なし ×:不溶性沈殿物あり
【0034】[実験3]植物抽出物画分中のポリフェノ
ールの確認試験 植物抽出物画分1mLを試験管に取り、塩化第二鉄9g
を精製水に溶解して100mLとした液2滴を加えて混
合した後、色調を観察し、下記の評価基準に従って判定
した。植物抽出物の代わりに精製水を加え、比較の対照
とした。この実験は、フェノール性水酸基の定性反応と
して汎用されている方法である。その結果を表3に示
す。表3の評価結果は、(イ)、(ロ)いずれの方法で
製した植物抽出物分画も、PPを含有していることを示
している。評価基準 〇:液は緑褐色〜暗色を呈した ×:液は緑褐色〜暗色を呈さなかった
【0035】[実験4]植物抽出物画分のGTF阻害活
性の確認 植物抽出物画分を10mol/Lリン酸緩衝液(pH
7.0)で10倍希釈し、検体とした。ミュータンス菌
の培養液を透析により精製し、これを10mol/Lリ
ン酸緩衝液(pH7.0)で10倍希釈し、GTF溶液
とした。シュークロースを10mol/Lリン酸緩衝液
(pH7.0)に溶解し、4%シュークロース溶液とし
た。試験管に10mol/Lリン酸緩衝液(pH7.
0)300μL、4%シュークロース溶液500μL、
検体100μL、GTF溶液100μLを取り、混合し
た後、37℃で20時間インキュベートした。これを1
0000rpm、0℃の条件で15分間遠心分離し、沈
殿を得た。これを10mol/Lリン酸緩衝液(pH
7.0)で2回洗浄した後、1mol/L水酸化ナトリ
ウム水溶液1mLを加え、30分間、超音波分解を行っ
た。この液0.5mLを取り、アンスロン試液2.5m
Lを加え、100℃で10分間煮沸し、冷却後、波長6
20nmにおける吸光度を測定した。検体の代わりに精
製水を用いて同様に操作し、ブランクとした。グルコー
ス水溶液を用いて作成した検量線に、波長620nmに
おける吸光度の数値を外挿し、生成した糖の量を算出し
た。検体における糖の生成量とブランクにおける糖の生
成量について統計解析を行った。その結果を表3に示
す。表3の結果は、(イ)、(ロ)いずれの方法で製し
た植物抽出物画分も、GTF阻害活性を有しており、本
発明の精製方法によりGTF阻害活性が損なわれていな
いことを示している。評価基準 ○:糖の生成量はブランクよりも有意に少なかった ×:糖の生成量はブランクと差がなかった
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】以下に示す組成の液体齲蝕予防剤組成物を
調製し、50℃の恒温槽で1ヶ月間保存した後に、不溶
性沈殿物の有無を評価したところ、いずれも不溶性沈殿
物は発生しておらず、良好な安定性を示した。
【0040】 [実施例1]洗口剤(容器:チヌビン練合透明PET製ボトル) クエン酸 0.2 (%) クエン酸ナトリウム 1.5 安息香酸ナトリウム 0.2 キシリトール 7.0 グリセリン 5.0 エタノール 5.0 ポリオキシエチレン硬化ひまし油 1.5 香料A 0.3 ハマメリス抽出物 0.1精製水 残 合計 100.0 *ハマメリス抽出物:上記実験例に示す方法(イ)により製した画分 *香料Aの代わりに香料B、C、D、E、F、Gを用いた場合も、同様の結果が 得られた。
【0041】 [実施例2]洗口剤(容器:白色顔料練合PET製ボトル) 政府所定変性アルコール 5.0 (%) ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2.0 キシリトール 10.0 チョウジ抽出物 0.02 クエン酸 0.1 クエン酸三ナトリウム 0.75 安息香酸ナトリウム 0.2 グルコン酸銅 0.01 香料B 0.2 精製水 残 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合計 100.00 *チョウジ抽出物:上記実験例に示す方法(イ)により製した画分 *香料Bの代わりに香料A、C、D、E、F、Gを用いた場合も、同様の結果が 得られた。
【0042】 [実施例3]水はみがき (容器:ラミネートフイルム製ポーションパック、層構成:外側からPET/ア ルミニウム/キャスティングポリプロピレン) エタノール 10.0 (%) ポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油 2.0 キシリトール 7.0 グリセリン 3.0 ローズマリー抽出物 0.01 ノバラ抽出物 0.01 リンゴ酸 0.01 リンゴ酸ナトリウム 0.04 香料C 0.2 安息香酸ナトリウム 0.2 β−シクロデキストリン 0.02 塩化ベンゼトニウム 0.005 精製水 残 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合計 100.00 *ローズマリー抽出物:上記実験例に示す方法(イ)により製した画分 ノバラ抽出物:上記実験例に示す方法(イ)により製した画分 *香料Cの代わりに香料A、B、D、E、F、Gを用いた場合も、同様の結果が 得られた。
【0043】 [実施例4]スプレー剤(容器:白色顔料練合ポリエチレン製スクイズ容 器) エタノール 45.0 (%) グリセリン 10.0 ポリオキシエチレン(40)硬化ひまし油 2.5 香料D 0.5 塩化ベンザルコニウム 0.001 キシリトール 3.0 ステビアエキス 0.005 グアバ抽出物 0.01 精製水 残 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合計 100.00 *グアバ抽出物:上記実験例に示す方法(イ)により製した画分 *香料Dの代わりに香料A、B、C、E、F、Gを用いた場合も、同様の結果が 得られた。
【0044】 [実施例5]液体歯磨(容器:チヌビン練合PET製ボトル) フッ化ナトリウム 0.2 (%) リンゴ酸 0.05 リンゴ酸ナトリウム 0.2 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体 2.5 ソルビット液(60%) 2.0 キシリトール 5.0 ビワ抽出物 0.05 塩化リゾチーム 0.1 安息香酸ナトリウム 0.3 メチルパラベン 0.1 香料E 0.2 精製水 残 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合計 100.00 *ビワ抽出物:上記実験例に示す方法(イ)により製した画分 *香料Eの代わりに香料A、B、C、D、F、Gを用いた場合も、同様の結果が 得られた。
【0045】 [実施例6]洗口剤(容器:白色顔料練合PET製ボトル) エタノール 5.0 (%) ポリエチレングリコール#400 2.0 エリスリトール 3.0 リン酸二水素カリウム 0.34 無水リン酸一水素ナトリウム 0.36 安息香酸ナトリウム 0.2 イソプロピルメチルフェノール 0.01 ステビアエキス 0.005 ショ糖脂肪酸エステル 1.5 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.1 ユーカリ抽出物 0.01 香料F 0.2 精製水 残 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合計 100.00 *ユーカリ抽出物:上記実験例に示す方法(イ)により製した画分 *香料Fの代わりに香料A、B、C、D、E、Gを用いた場合も、同様の結果が 得られた。
【0046】 [実施例7]ドリンク剤(容器:褐色ガラスボトル) クエン酸ナトリウム 0.1 (%) リンゴ抽出物 0.1 水溶性アップルフレーバー 0.2 アスパルテーム 0.01 クチナシ色素 微量 安息香酸ナトリウム 0.05 精製水 残 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合計 100.00 *リンゴ抽出物:上記実験例に示す方法(イ)により製した画分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/02 A61P 1/02 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AA122 AB282 AB472 AC101 AC102 AC122 AC132 AC172 AC212 AC302 AC312 AC432 AC472 AC482 AC692 AC932 AD222 AD252 AD532 CC41 DD08 DD23 EE32 FF01 4C088 AB12 AB38 AB51 AB57 AC03 AC04 AC05 AC11 AC13 BA09 CA05 MA13 MA17 MA23 MA52 MA57 ZA67

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンサク科、シソ科、バラ科、フトモモ
    科に属する植物の群より選ばれる1種又は2種以上の植
    物の水抽出液に、低級アルコールを添加して生成した沈
    殿を除去し、さらに加熱した後に生成した沈殿を除去し
    て得られた画分を配合することを特徴とする液体齲蝕予
    防剤組成物。
  2. 【請求項2】 洗口剤、水はみがき、液体歯磨、スプレ
    ー剤又はドリンク剤である請求項1記載の液体齲蝕予防
    剤組成物。
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