JP2001233177A - シートベルト巻取装置 - Google Patents

シートベルト巻取装置

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JP2001233177A
JP2001233177A JP2000042965A JP2000042965A JP2001233177A JP 2001233177 A JP2001233177 A JP 2001233177A JP 2000042965 A JP2000042965 A JP 2000042965A JP 2000042965 A JP2000042965 A JP 2000042965A JP 2001233177 A JP2001233177 A JP 2001233177A
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JP
Japan
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webbing
reel
rotation
gear
seat belt
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JP2000042965A
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English (en)
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Ryuji Yano
矢野竜司
Hiromasa Tanji
丹治寛雅
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Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】動力駆動の回転駆動手段でウェビングの巻取を
行い、この回転駆動手段が巻取トルクを発生しないとき
にもウェビングの巻取を確実に行う。 【解決手段】モータの巻取トルクが正常に発生される場
合、内歯ギア46の内周と外歯ギア45の外周との間に
間隙αが形成され、外歯ギア45がリール回転軸6と一
体に回転するが、内歯ギア46はリール回転軸6と一体
回転しない。モータ7が巻取トルクを発生しないとき、
ワイヤ47を所定の引張力で上方に引っ張るとせん断ピ
ン48が切断され、内歯ギア46は自由になって支持部
49bの支点49cを中心に矢印方向に回動し、内歯4
6aが外歯45aに噛合する。更に、ワイヤ47を上方
に引っ張ると、内歯ギア46が矢印方向に回転するので
外歯ギア45も矢印方向に回転し、リール回転軸6が回
転して、ウェビングがリールに巻き取られ、ウェビング
と乗員との間のスラックが除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両シートに付設
されてウェビングを巻取引出可能に巻き取るシートベル
ト巻取装置の技術分野に属し、特に、シートベルト非装
着時にモータでウェビングの巻取格納を行うとともに、
乗員のシートベルト装着状態や外部からの信号によりモ
ータでウェビングを巻き取ることでベルトテンション制
御を行うモータ巻取方式によるシートベルト巻取装置の
技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に装備されている、ウェ
ビングを巻き取るシートベルト巻取装置は、衝突時等の
車両に大きな車両減速度が作用した場合のような緊急時
に、ウェビングで乗員を拘束することにより乗員のシー
トからの飛び出しを阻止して、乗員を保護している。
【0003】従来の一般的なシートベルト巻取装置にお
いては、非装着時にリターンスプリングのばね力でウェ
ビングを巻き取り格納するようになっている。このた
め、ウェビングはリターンスプリングのばね力で常時ウ
ェビング巻取方向に付勢されている。また、シートベル
トの通常の装着時には、このリターンスプリングのばね
力により、余分に引き出したウェビングを巻き取って乗
員とウェビングとの間にスラックをなくしてウェビング
を乗員にフィットさせるようになっている。
【0004】ところで、リターンスプリングのばね力で
ウェビングの巻取を行うようにした場合、ウェビングの
巻取格納を確実にするためにリターンスプリングのばね
力を強くしてウェビングの巻取力を大きくする必要があ
るが、リターンスプリングのばね力を強くすると、シー
トベルトの通常の装着時にベルトテンションにより乗員
への圧迫感が大きくなってしまう。また、通常の装着時
での乗員への圧迫感を小さくするために、リターンスプ
リングのばね力を弱くすると、ウェビングの巻取力が小
さくなり、ウェビングの格納性が低下してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本出願人は、ウェビングの巻取にリターンスプリングを
用いずに、シートベルト非装着時におけるウェビングの
巻取格納およびシートベルト装着時のベルトテンション
制御のためのウェビングの巻取をモータの駆動力で行う
ようにすることで、リターンスプリングを用いずにウェ
ビングの巻取を行うようにしたモータ巻取方式によるシ
ートベルト巻取装置を特許出願している(特願平11ー
010184号)。
【0006】このシートベルト巻取装置によれば、シー
トベルトの装着、非装着状況に応じてモータの駆動力を
制御することで、ベルトテンションを適切に制御可能と
なるので、シートベルト非装着時にはウェビングの巻取
力を大きくしてウェビングの格納性を向上することがで
き、また、シートベルトの通常装着時には乗員とウェビ
ングとの間のスラックを除去できるとともにウェビング
のベルトテンションを小さくして乗員の圧迫感を解消す
ることができ、更に緊急時にはベルトテンションを大き
くして乗員の拘束保護を確実にすることができるように
なる。
【0007】ところで、このようなモータ巻取方式によ
るシートベルト巻取装置においては、シートベルトの通
常装着時での乗員とウェビングとの間のスラックの確実
な除去や乗員の確実な拘束のために、ウェビングをより
確実に巻き取ることができるようにすることが理想的で
ある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、動力により駆動される回
転駆動手段でウェビングの巻取を行うようにしながら、
しかも、少なくともこの回転駆動手段の巻取トルクが発
生しないときにもウェビングの巻取を確実に行うことの
できるシートベルト巻取装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、乗員を拘束するウェビング
と、このウェビングを巻き取るリールと、緊急時に前記
リールの少なくともウェビング引出方向の回転をロック
するロック機構と、動力により前記リールを回転させる
第1の回転駆動手段と、必要時に前記リールを少なくと
もウェビング巻取方向に回転させる第2の回転駆動手段
とを備えていることを特徴としている。
【0010】また、請求項2の発明は、前記第2の回転
駆動手段が手動操作により駆動されるようになっている
ことを特徴としている。更に、請求項3の発明は、前記
第2の回転駆動手段が、通常時この第2の回転駆動手段
を前記リールに連結させなく、また手動操作により前記
第2の回転駆動手段を前記リールに連結させる連結手段
を備えていることを特徴としている。更に、請求項4の
発明は、前記第2の回転駆動手段が前記リールに連結さ
れたとき、この連結状態を保持する連結保持手段を備え
ていることを特徴としている。
【0011】更に、請求項5の発明は、前記第2の回転
駆動手段が、前記リールと一体回転可能にかつこのリー
ルと同心状に設けられた、外歯を有する外歯ギアと、こ
の外歯ギアの外周を囲むようにして設けられた、前記外
歯と噛合可能な内歯を有する環状の内歯ギアと、前記内
歯ギアに巻かれて引っ張ることによりこの内歯ギアを回
転させるひも状操作部材とを備え、前記連結手段が、通
常時前記内歯ギアを前記外歯に対して、前記内歯が前記
外歯と噛合しないように保持するとともに、前記ひも状
操作部材を所定値以上の引張力で引っ張ったとき、前記
内歯と前記外歯とが噛合するように前記内歯ギアを移動
可能にする連結部材を備え、前記ひも状操作部材を所定
値以上の引張力で引っ張ったとき、前記内歯と前記外歯
とが噛合して前記内歯ギアが回転し、この内歯ギアの回
転により前記外歯ギアを介して前記リールが前記ウェビ
ング巻取方向に回転して前記ウェビングを巻き取るよう
になっていることを特徴としている。
【0012】更に、請求項6の発明は、前記連結部材
が、前記ひも状操作部材を所定値以上の引張力で引っ張
ったときに作用する力で切断するピンであることを特徴
としている。更に、請求項7の発明は、前記ひも状操作
部材の操作により、前記リールが前記ウェビングを所定
量巻き取ったとき、前記ひも状操作部材をその状態にロ
ックすることで前記ウェビングの引出を阻止するように
なっていることを特徴としている。
【0013】更に、請求項8の発明は、前記第2の回転
駆動手段が、前記リールと一体回転可能にかつこのリー
ルと同心状に設けられた回転部材と、回転力を発生する
回転力発生手段とを備え、前記連結手段が、通常時前記
回転力発生手段をその回転力が前記回転部材に作用しな
いように保持するとともに、手動操作により前記回転力
発生手段をその回転力が前記回転部材に作用可能にする
連結部材を備え、前記連結部材を手動操作したとき、前
記回転力発生手段の回転力が前記回転部材に作用するこ
とで前記回転部材が回転し、この回転部材の回転により
前記リールが前記ウェビング巻取方向に回転するように
なっていることを特徴としている。
【0014】更に、請求項9の発明は、前記回転力発生
手段がぜんまいばねから構成されているとともに、前記
連結部材が手動操作可能なピンから構成されており、前
記ぜんまいばねが、通常時その内側端が固定されている
とともにその外側端が前記ピンに支持されることで前記
ぜんまいばねの回転力が前記回転部材に作用しないよう
に保持され、前記ピンが手動操作されてその外側端が前
記ピンの支持から外れて前記回転部材に係止すること
で、前記ぜんまいばねの回転力が前記回転部材に作用す
るようになっていることを特徴としている。
【0015】更に、請求項10の発明は、前記ぜんまい
ばねの外側端にこのぜんまいばねの巻き方向と反対方向
に曲げられた曲げ部が形成されており、この曲げ部が、
通常時は前記ピンに係止支持されているとともに、前記
ピンが手動操作されて前記曲げ部が前記ピンの係止支持
から外れたときは前記回転部材の係止部に係止するよう
になっていることを特徴としている。
【0016】更に、請求項11の発明は、前記ぜんまい
ばねの使用範囲が、前記ウェビング全巻取量から全引出
量までの前記リールの回転量の2倍に設定されていると
ともに、前記ぜんまいばねの設定ばね力が前記リールの
回転量の2倍の範囲の中間点に対応するばね力となるよ
うに設定されていることを特徴としている。更に、請求
項12の発明は、前記第2の回転駆動手段が前記リール
の回転軸と別体に設けられており、必要時にこの第2の
回転駆動手段は前記リールの回転軸に連結されることを
特徴としている。更に、請求項13の発明は、前記動力
が電力であり、前記第1の回転駆動手段がこの電力で駆
動されるモーターであることを特徴としている。
【0017】
【作用】このように構成された請求項1の発明にかかる
シートベルト巻取装置においては、通常時は動力で駆動
される第1の回転駆動手段でリールを回転させることに
より、ウェビングの巻取が行われる。そして、第1の回
転駆動手段による巻取トルクが発生されない場合で、例
えば乗員とウェビングとの間のスラックを除去するため
等の必要時には第2の回転駆動手段でリールをウェビン
グ巻取方向に回転させることにより、ウェビングが巻き
取られるようになる。これにより、第1の回転駆動手段
の巻取トルクが発生されなくても、第2の回転駆動手段
でウェビングが確実に巻き取られ、ウェビングの乗員と
のスラックが確実に除去されるようになる。
【0018】また、請求項2の発明においては、手動操
作により第2の回転駆動手段が駆動されて、ウェビング
が巻き取られるようになる。このように、手動操作でウ
ェビングが巻き取られるようになることで、特別な動力
手段を必要としなく、コスト上のメリットがきわめて大
きいものとなるとともに、構造が簡素化されるようにな
る。
【0019】更に、請求項3の発明においては、通常時
は連結手段が第2の回転駆動手段をリールに連結しな
く、第1の回転駆動手段でリールを回転することで、ウ
ェビングの巻取が行われる。また第1の回転駆動手段が
巻取トルクを発生しない場合に、手動操作により連結手
段を作動することにより、第2の回転駆動手段がリール
に連結され、第2の回転駆動手段でリールが回転される
ことで、ウェビングの巻取が行われる。このように、連
結手段が通常時は第2の回転駆動手段をリールに連結し
ないようにしているので、第2の回転駆動手段は第1の
回転駆動手段によるリール回転動作を阻害するようなこ
とはない。しかも、通常時第2の回転駆動手段がリール
に連結されることにより発生するヒステリシスによるエ
ネルギロスを回避することができるようになる。
【0020】更に、請求項4の発明においては、第2の
回転駆動手段がリールに連結されたとき、連結保持手段
によりこの連結状態が保持されるようになる。これによ
り、第2の回転駆動手段がリールに一度連結されると、
この連結は外れることがない。したがって、第1の回転
駆動手段が巻取トルクを発生することができない場合、
第2の回転駆動手段によるウェビングの巻取が確実に行
われるようになる。
【0021】更に、請求項5の発明においては、通常時
は内歯ギアが外歯ギアに噛合しなく、第1の回転駆動手
段によりでリールが回転されて、ウェビングの巻取が行
われる。このとき、リールの回転で外歯ギアがリールと
一体に回転するが、内歯ギアに回転が伝達されなく、内
歯ギアが回転することはない。これにより、内歯ギアは
第1の回転駆動手段によるリール回転動作を阻害しな
く、エネルギロスが回避されるようになる。また、ひも
状操作部材を所定値以上の引張力で引っ張ることで、内
歯ギアと外歯ギアとが噛合しかつ内歯ギアが回転し、こ
の内歯ギアの回転により外歯ギアを介してリールがウェ
ビング巻取方向に回転してウェビングが巻き取られ、前
述のスラックが除去されるようになる。
【0022】更に、請求項6の発明においては、ひも状
操作部材を所定値以上の引張力で引っ張ったときに、ピ
ンが切断されて内歯ギアと外歯ギアとが噛合しかつ内歯
ギアが回転するようになる。このように、内歯ギアと外
歯ギアとの噛合がピンの切断で行われることにより、構
造が簡単になり、コストが低減する。更に、請求項7の
発明においては、ひも状操作部材の操作により、リール
がウェビングを所定量巻き取ってスラックを除去したと
き、ひも状操作部材がその状態にロックされるようにな
る。これにより、ウェビングの引出が阻止され、スラッ
クが再び発生することが防止されるようになる。
【0023】更に、請求項8の発明においては、通常時
は連結部材により回転力発生手段の回転力が回転部材に
作用しないようにされ、第1の回転駆動手段でリールを
回転することで、ウェビングの巻取が行われる。また第
1の回転駆動手段が巻取トルクを発生しない場合に、手
動操作により連結部材を作動することで、回転力発生手
段の回転力が回転部材に作用されるようになる。そし
て、この回転力発生手段の回転力により回転部材を介し
てリールが回転され、ウェビングが巻き取られてスラッ
クが除去されるようになる。このように、連結部材が通
常時は回転力発生手段の回転力を回転部材に作用させな
いようにしているので、回転力発生手段の回転力が第1
の回転駆動手段によるリール回転動作を阻害しないとと
もに、エネルギロスが回避されるようになる。
【0024】更に、請求項9の発明においては、通常時
はぜんまいばねの外側端がピンに支持されることでぜん
まいばねの回転力が回転部材に作用されない。これによ
り、ぜんまいばねの回転力が第1の回転駆動手段による
リール回転動作を阻害しないとともに、ぜんまいばねの
エネルギロスが回避される。また、ピンが手動操作され
てぜんまいばねの外側端がピンの支持から外れて回転部
材に係止することで、ぜんまいばねの回転力が回転部材
に作用するので、このぜんまいばねの回転力によりウェ
ビングが巻き取られてスラックが除去されるようにな
る。このように構造の簡単なぜんまいばねとピンとを用
いることで、構造が簡素化されるようになる。
【0025】更に、請求項10の発明においては、ぜん
まいばねの外側端に形成された曲げ部が通常時はピンに
係止支持されるようになるので、ぜんまいばねの回転力
は回転部材に作用しない。また、ピンが手動操作されて
曲げ部がピンの係止支持から外れたときは回転部材の係
止部に係止し、ぜんまいばねの回転力が回転部材に作用
するようになる。したがって、ぜんまいばねの外側端の
曲げ部はピンに係止支持されることでぜんまいばねのエ
ネルギ保持として機能し、またピンとの係止支持が外れ
ることで回転部材に係止してぜんまいばねのエネルギを
回転部材に作用させるように機能する。すなわち、曲げ
部はこのような2つの機能を発揮させるために利用され
るようになる。
【0026】更に、請求項11の発明においては、ぜん
まいばねの使用範囲がウェビング全巻取量から全引出量
までのリールの回転量の2倍に設定され、しかも、ぜん
まいばねの設定ばね力がリールの回転量の2倍の範囲の
中間点に対応するばね力となるように設定される。この
ようにすることで、ウェビングの全巻取位置から全引出
位置の間のいかなるウェビングの位置でピンが手動操作
されても、ぜんまいばねはウェビング全巻取量から全引
出量まで対応することが可能となる。
【0027】更に、請求項12の発明においては、リー
ルの回転軸と別体に設けられた第2の回転駆動手段が必
要時にリールの回転軸に連結され、この第2の回転駆動
手段を操作することでウェビングが巻き取られて、スラ
ックが除去される。このように、第2の回転駆動手段を
リールの回転軸と別体に設けられることで、シートベル
ト巻取装置が小型コンパクトに形成されるようになる。
更に、請求項13の発明においては、通常時は電力で駆
動されるモーターでウェビングの巻取が行われるように
なる。このように、シートベルト巻取装置をモータ巻取
方式にすることで、乗員の圧迫感を低減するなど、種々
多様化するベルトテンションの要求に対して柔軟にかつ
確実に対応がされるようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明にかかるシートベ
ルト巻取装置の基本的構成を示す分解斜視図、図2は図
1に示すシートベルト巻取装置における減速機構を示す
分解斜視図、図3は図2に示す減速機構の正面図、図4
は図3に示す減速機構の各ギアの中心を通る線に沿う縦
断面図である。
【0029】図1に示すように、このシートベルト巻取
装置1は本出願人によって先になされた特許出願(特願
平11−010184号)のものと同じであり、コ字状
のフレーム2と、このフレーム2に回転可能に支持され
た、ウェビング3を巻き取るリール4と、必要時にこの
リール4の少なくともウェビング引出方向の回転をロッ
ク作動するロック機構5と、リール4と一体回転可能に
設けられたリール回転軸6と、リール4をウェビング巻
取方向に回転するための駆動力を発生する駆動源である
DCモータや超音波モータ等の可変速制御可能なモータ
7(本発明の第1の回転駆動手段に相当)と、このモー
タ7の駆動力を減速してリール回転軸6を介してリール
4に伝達する減速機構8と、ウェビング3の引出を検知
するウェビング引出検知手段9と、リール4の回転量を
検知するリール回転検知手段10とを備えている。
【0030】この例のシートベルト巻取装置1の前述の
構成のうち、フレーム2、リール4、およびロック機構
5の構成は、従来の周知の一般的なスプリング手段でリ
ールをウェビング巻取方向に付勢する従来のシートベル
ト巻取装置の構成と同じであるので、それらの具体的な
構造および作用の説明は省略する(なお、上記特許出願
にも簡単に記載されている)。
【0031】図2ないし図4に示すように、減速機構8
は、モータ7の駆動力がモータギア11を介して伝達さ
れるこのモータギア11より大径の第1ギア12を備え
ている。また、この第1ギア12には、第1ギア12よ
り小径の第2ギア13が同心状にかつ一体回転可能に設
けられている。更に、第1ギア12より大径の第3ギア
14が第2ギア13に常時噛合するようにして設けられ
ており、この第3ギア14の中心部に断面正六角形の貫
通孔14aを有するボス14bが形成されている。
【0032】リール回転軸6の突出軸部6aにはブッシ
ュ15が相対回転可能に支持されており、このブッシュ
15は第3ギア14の貫通孔14aに嵌合されて回転的
に連結される断面正六角形の回転連結部15aと一端部
に同心状に設けられたサンギア16とを有している。ま
た、リール回転軸6の突出軸部6aの端に形成されたス
プライン溝6bには、第4ギア17が同心状にスプライ
ン嵌合されていて、減速されたモータ7の駆動力をリー
ル回転軸6に伝達するようになっている。第3ギア14
の側面にはロータリダンパ18が固定されているととも
に、このロータリダンパ18はローター軸18aを有し
ている。ローター軸18aには、内部に封入されたオイ
ルの粘性抵抗により回転速度に応じて設定された所定の
設定抵抗トルクが付与されるようになっている。このロ
ーター軸18aには第5ギア19が一体回転可能に取り
付けられており、この第5ギア19は第4ギア17に常
時噛合している。そして、ロータリダンパ18および第
5ギア19により滑り機構20が構成されている。
【0033】次に、この滑り機構20の作動について説
明する。まず、モータ7の低速回転によるウェビング3
の巻取時には、後述するように第3ギア14も低速回転
するため、この第3ギア14の回転トルクはローター軸
18aの設定抵抗トルク以下となる。このため、図5
(a)に示すように第4ギア17は第3ギア14に対し
て相対回転しなく、この第3ギア14と一体的に回転す
るようになる。すなわち、モータ17の低速回転では滑
り機構20は作動しない。また、モータ7の高速回転に
よるウェビング3の巻取時には、第3ギア14も高速回
転するため、この第3ギア14の回転トルクはローター
軸18aの設定抵抗トルク以上なる。このため、図5
(b)に示すように第4ギア17は第5ギア19を介し
てローター軸18aに付与されている設定抵抗トルクを
受けながら第3ギア14に対して相対的に制動回転する
ようになる。すなわち、モータ7の高速回転では滑り機
構20が作動し、第3ギア14と第4ギア17との間に
滑りが生じて、第3ギア14から第4ギア17への回転
トルクの伝達が遮断されるようになる。
【0034】更に、図6に示すように、モータ7の低速
回転でリール4によりウェビング3が巻き取られている
最中に、乗員がウェビング3を押さえてその巻取を阻止
したり、あるいは逆にウェビング3を引き出したりする
と、第4ギア17は回転停止するかあるいはウェビング
3の引出方向に回転する。すると、第3ギア14も回転
停止するかあるいはウェビング3の引出方向に回転する
ため、ウェビング巻取方向に回転駆動しているモータ7
に逆方向の負荷がかかる。そして、モータ7にこの負荷
がかかった瞬間に、第4ギア17の回転トルクがロータ
リーダンパ18のローター軸18aの設定抵抗トルクを
上まわるため、第4ギア17はモータ7の回転方向とは
反対向きに回転し、ローター軸18aに連結された第5
ギア19との間に滑りが生じるようになる。これによ
り、後述するようにウェビング引出検知手段9によりウ
ェビング3の引出が検知されてモータ7の回転が停止す
ることと相俟って、乗員はウェビング3を容易に引き出
すことができるようになる。
【0035】環状かつ円板状のキャリア21が、ブッシ
ュ15に設けられたサンギア16と同心状にかつこのサ
ンギア16に対し相対回転可能に設けられている。この
キャリア21の中央部には、リール回転軸6の断面六角
形の動力伝達部6cが内嵌されてリール回転軸6とウェ
ビング3の巻取方向に回転的に連結されるとともに、リ
ール4が外嵌されてリール4とウェビング3の巻取方向
に回転的に連結される断面六角形の筒状のソケット部2
1aが設けられている。また、キャリア21の側面に突
設された一対の支軸21bには、それぞれ2枚の大小径
からなるプラネタリピニオンギア22,22が回転可能
に支持されており、これらのプラネタリピニオンギア2
2,22の大径側はともにサンギア16に常時噛合して
いる。更に、リングギア23がサンギア16と同心状に
かつこのサンギア16に対し相対回転可能に設けられて
おり、このリングギア23には、その内周側に2枚のプ
ラネタリピニオンギア22,22の小径側が常時噛合す
る内歯23aが形成されているとともに、その外周側に
ラチェット歯23bが形成されている。そして、サンギ
ア16、キャリア21、プラネタリピニオンギア22,
22およびリングギア23によって遊星歯車減速機構2
4が構成されている。
【0036】更に、リングギア23の回転の許容および
阻止を制御するリングギア回転制御装置25が設けられ
ている。このリングギア回転制御装置25は、回転可能
に設けられたレバーストッパ26と、このレバーストッ
パ26を作動するソレノイド27と、レバーストッパ2
6を常時付勢するスプリング28とからなっている。レ
バーストッパ26は、回転可能に設けられた二股状の駆
動レバー29と、この駆動レバー29に所定の角度を置
いて一体に設けられた回転可能な従動レバー30と、駆
動レバー29および従動レバー30の回転軸と偏心して
相対回転可能に枢支されているとともにL字状に折れ曲
げられて先端に係合解除部31aが形成された、ラチェ
ット歯23bに係止可能な係止爪31と、レバーストッ
パ26の回転軸部に周回して装着され、ソレノイド27
の非励磁時に係止爪31を従動レバー30に押圧して従
動レバー30と一体化した状態に保持する線材ばね32
とからなっている。また、ソレノイド27はその励磁時
にソレノイド27内に引き込まれるプランジャ33を有
しており、このプランジャ33の先端に二股状の駆動レ
バー29が係合している。更に、スプリング28が駆動
レバー29をプランジャ33の引き込み力に対抗するよ
うにして常時付勢している。そして、通常時のソレノイ
ド27の非励磁時には、スプリング28のばね力で駆動
レバー29が付勢されてソレノイド27のプランジャ3
3が伸長する方向に回転し、また、ソレノイド27の励
磁時にはプランジャ33が引き込まれることで、駆動レ
バー29がスプリング28のばね力に抗して回転するよ
うになっている。
【0037】このリングギア回転制御装置25の作動に
ついて説明する。図7(a)に示すソレノイド27の非
励磁の通常状態では、スプリング28のばね力で駆動レ
バー29が図7(a)において時計方向に回転し、プラ
ンジャ33が最大に伸長した状態に保持されている。こ
のとき、線材ばね32のばね力で従動レバー30と係止
爪31とが一体化した状態に保持されているとともに、
係止爪31がリングギア23のラチェット歯23bに係
合しない状態となっている。この状態で、ソレノイド2
7が励磁されると、図7(b)に示すようにプランジャ
33が最大に引き込まれ、駆動レバー29がスプリング
28のばね力に抗して図7(b)において反時計方向に
回転する。このとき、駆動レバー29の反時計方向の回
転で従動レバー30も反時計方向に回転するので、係止
爪31は従動レバー30に押されて同様に反時計方向に
回転し、その折曲部が所定の押圧力でラチェット歯23
bに係合した状態となる。この係止爪31がラチェット
歯23bに係合した状態では、リングギア23がウェビ
ング引出方向の回転がロックされる。
【0038】このリングギア23がロックされた状態か
ら、ソレノイド27が非励磁にされると、スプリング2
8のばね力で駆動レバー29が図7(b)において時計
方向に回転し、この駆動レバー29の回転で、図7
(c)に示すようにプランジャ33が伸長するととも
に、従動レバー30も時計方向に回転する。しかし、こ
のとき係止爪31はその折曲部が所定の押圧力でラチェ
ット歯23bに係合しているので、従動レバー30が時
計方向に回転しても、係止爪31は従動レバー30に追
従して回転しなく、係止爪31とラチェット歯23bと
の係合状態が保持されている。このとき、従動レバー3
0は線材ばね32のばね力に抗して回転するようにな
る。
【0039】駆動レバー29および従動レバー30が更
に時計方向に回転すると、係止爪31の枢支点も同方向
に回転するようになるので、係止爪31はその係合解除
部31aとラチェット歯23bの頂部との接触部を中心
に図7(c)において反時計方向に回転し、これによ
り、係止爪31とラチェット歯23bとの係合が解除さ
れる。そして、プランジャ33が再び最大に伸長した状
態となると、駆動レバー29および従動レバー30の回
転もともに停止するとともに、線材ばね32のばね力で
係止爪31が従動レバー30に押圧されて一体化された
状態となり、リングギア回転制御装置25は図7(a)
に示す非作動状態となる。
【0040】図8に示すように、このリングギア回転制
御装置25の作動制御により、減速機構8は、モータ7
の駆動力を小減速比でリールに伝達する第1動力伝達経
路DT1とモータ7の駆動力を大減速比でリールに伝達
する第2動力伝達経路DT2とが設定されるようにな
る。モータ7は、衝突の可能性が予知されたとき第2動
力伝達経路DT2に設定された状態でウェビング巻取方
向に回転して、ウェビング3を通常走行時の後述するコ
ンフォートモードにおける第1設定ベルトテンションF
1より大きい第2設定ベルトテンションF2となるように
巻き取って乗員の拘束力を通常走行時より増大させるプ
リテンモータ(本発明の第1のプリテンショナー)が構
成されている。モータギア11、第1ギア12、第2ギ
ア13、第3ギア14、ブッシュ15の回転連結部15
a、第4ギア14、滑り機構20およびリングギア回転
制御装置25は減速機構8のケーシング34内に収納さ
れている。
【0041】次に、このように構成された減速機構8の
作動について説明する。まず、ソレノイド27が非励磁
でリングギア回転制御装置25が作動していない状態で
は、係止爪31がラチェット歯23bに係合しない図7
(a)に示す位置に設定されてリングギア23が回転自
由となり、減速機構8は第1動力伝達経路DT1に設定
される。この状態でモータ7が低速回転でウェビング3
の巻取方向に回転駆動されると、モータギア11、第1
ギア12および第2ギア13を介して第3ギア4が所定
の減速比でウェビング3の巻取方向に低速回転する。こ
のとき、第3ギア4の回転トルクが滑り機構20のロー
タリ−ダンパ18のローター軸18aの設定抵抗トルク
以下であるので、滑り機構20は滑り作動を行わず、前
述のように第4ギア17が第3ギア4と一体的に回転す
る。第4ギア17の回転は、この第4ギア17とスプラ
イン嵌合されているリール回転軸6、リール回転軸6の
動力伝達部6cおよびキャリア21のソケット部21a
を介してリール4に伝達され、リール4がウェビング3
の巻取方向回転し、ウェビング3が巻き取られる。この
第1動力伝達経路DT1では減速比が小さいので、リー
ル4にウェビング巻取方向の小さな回転トルクが付与さ
れ、リール4はこの小さなトルクでウェビング3を巻き
取るようになる。
【0042】なお、第3ギア14が回転すると、サンギ
ア16が第3ギア14と一体回転するが、第1動力伝達
経路ではリングギア23が回転自由となっているため、
結局、リール回転軸6、第3ギア14、サンギア16、
第4ギア17、キャリア21、リングギア23およびリ
ール4が互いに相対回転しないで一体的にウェビング巻
取方向に回転するようになる。
【0043】一方、ソレノイド27が励磁されてリング
ギア回転制御装置25が作動すると、係止爪31がラチ
ェット歯23bに係合する図7(b)に示す位置に設定
されてリングギア23のウェビング引出方向の回転がロ
ックされ、減速機構8は第2動力伝達経路DT2に設定
される。この状態でモータ7が高速回転でウェビング3
の巻取方向に回転駆動されると、モータギア11、第1
ギア12および第2ギア13を介して第3ギア4が所定
の減速比でウェビング3の巻取方向に高速回転する。第
3ギア4が回転すると、サンギア16も同方向に一体的
に回転する。すると、このサンギア16の回転でプラネ
タリピニオンギア22,22がウェビング引出方向に自
転し、このプラネタリピニオンギア22,22の自転で
リングギア23がウェビング引出方向に回転付勢され
る。しかし、リングギア23のウェビング引出方向の回
転がロックされているため、リングギア23は回転しな
い。このため、プラネタリピニオンギア22,22がサ
ンギア16のまわりを公転するようになり、その結果、
キャリア21がウェビング3の巻取方向に大きく減速回
転する。このキャリア21の大きな減速回転でソケット
部21aを介してリール4にウェビング巻取方向の大き
な回転トルクが付与され、リール4はこの大きなトルク
でウェビング3を巻き取るようになる。
【0044】同時に、第3ギア14の回転トルクがロー
タリー軸18aの設定抵抗トルクより大きくなっている
ため、前述のように滑り機構20が作動して第3ギア1
4と第4ギア17との間に滑りが生じ、第4ギア17は
第5ギア19を介してローター軸18aに付与されてい
る設定抵抗トルクを受けながら第3ギア14に対して相
対的に制動回転する。これにより、第3ギア14から第
1動力伝達経路の第4ギア17への回転トルクの伝達が
遮断される。したがって、この第2動力伝達経路の設定
時に、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とが直結す
ることが回避される。
【0045】図1、図3、図4および図9に示すよう
に、ウェビング引出検知手段9はケーシング34内に第
4ギア17に隣接して配設されており、扇形形状を有す
るスイッチプレート35と、このスイッチプレート35
を扇の要の位置で軸支する回動ピン36と、スイッチプ
レート35の扇の要からスイッチプレート35と逆方向
に延設された接点アーム37と、この接点アーム37に
よりON、OFF制御されるリミットスイッチ38とか
ら構成されている。スイッチプレート35の扇の円弧状
縁辺35aの両端に、それぞれ一対のガイド35b,3
5cが周方向に所定の間隔を置いて径方向外方に突設さ
れている。このスイッチプレート35は、第4ギア17
のリング状突部17aが一対のガイド35b,35cの
間に位置しかつ円弧状縁辺35aに当接するようにして
設けられている。これにより、スイッチプレート35の
回動角度は、一方のガイド35bがリング状突部17a
に当接する位置から他方のガイド35cがリング状突部
17aに当接する位置までの回動角度に規制されてい
る。更に、スイッチプレート35には、円弧状孔35d
が円弧状縁辺35aに沿って穿設されており、円弧状縁
辺35aがリング状突部17aに当接したとき、この円
弧状孔35dと円弧状縁辺35aとの間の部分35eに
押圧力が付与されてこの部分35aが若干撓んでいる。
これにより、リング状突部17aの回転にともなって、
スイッチプレート35が滑ることなく回動できるように
なっている。
【0046】このように構成されたウェビング引出検知
手段9においては、図9に示すようにスイッチプレート
35が点線で示す非作動位置からリール4のウェビング
引出方向の回転にともなって回動ピン36を中心にウェ
ビング巻取方向に回動する。すると、接点アーム37も
同方向に回転してリミットスイッチ38に当接し、リミ
ットスイッチ38がONに設定される。このリミットス
イッチ38のONにより、ウェビング3の引出がウェビ
ング引出検知手段9によって検知される。そして、ウェ
ビング引出検知手段9によりウェビング3が引き出され
た瞬間が検知されることで、モータ7を制御する中央処
理装置(CPU)39の図示しない電源がONされるよ
うになる。
【0047】更に、図1、図3、図4および図9に示す
ように、リール回転検知手段10はロック機構5の外側
に配設されており、リール回転軸6のスプライン溝6b
と反対側の縮径された端部6dに取り付けられた回転取
出ギア41と、この回転取出ギア41から得られたリー
ル4の回転を減速して伝達するギアトレイン42と、減
速された伝達される回転角を可変抵抗の電気抵抗変化量
として検出する回転角検出器43とから構成されてい
る。このように構成されたリール回転検知手段10にお
いては、リール4が回転したとき、その回転が減速され
て回転角検出器43に伝達され、その可変抵抗の電気抵
抗値が変化することで、その可変抵抗にかかる電圧が変
化する。そして、その電圧変化量を検出することで、リ
ール4の回転状態、すなわちリール4の回転および停
止、リール4の回転方向(つまり、ウェビング3の引出
方向および巻取方向)を検出する。
【0048】そして、この例のシートベルト巻取装置1
では、これらのウェビング引出検知手段9およびリール
回転検知手段10により、乗員のウェビング3の引出時
のモータ7の駆動を制御するようになっている。すなわ
ち、通常のモータ7の駆動でウェビング3の巻取が行わ
れているときに、乗員がウェビング3をつかんでその巻
取を阻止したりあるいはウェビング3を逆に引き出した
りすると、スイッチプレート35がウェビング巻取方向
に若干回動してリミットスイッチ38がONしてウェビ
ング3の引出を検出するか、および/または回転角検出
器43により電圧の変化を検出してウェビング3の引出
を検出するかして、モータ7の駆動が停止する。これに
より、乗員はウェビング3を軽い力で引き出すことがで
きるようになる。乗員によるウェビング3の引出が終了
しウェビング3が停止すると、ウェビング引出検知手段
9およびリール回転検知手段10の少なくとも一方によ
りこのウェビング引出終了が検出されてモータ7が再び
駆動されて、ウェビング3の巻取が再開される。更に、
この例のシートベルト巻取装置1においては、モータ7
以外でもウェビング3を巻き取ることができるようにな
っている。
【0049】図10は、本発明にかかるシートベルト巻
取装置の実施の形態の一例を模式的に示す図、図11
は、図10に示すシートベルト巻取装置の一部を示す分
解斜視図である。図10および図11に示すように前述
の特願平11−010184号のシートベルト巻取装置
1における減速機構8に隣接して第2のウェビング巻取
装置44(本発明の第2の回転駆動手段に相当)が設け
られている。
【0050】この第2のウェビング巻取装置44につい
て説明する。図11および図12(a),(b)に示す
ように、第2のウェビング巻取装置44は、外歯45a
を有する外歯ギア45と内歯46aを有する環状の内歯
ギア46とを備えている。図12(b)に示すように、
リール回転軸6のスプライン溝6bが形成された突出軸
部6aが減速機構8のケーシング34を回転自在に貫通
してケーシング34の外部に突出されており(図1ない
し図4には図示省略されている)、ケーシング34から
突出したこの突出軸部6aのスプライン溝6bに、外歯
ギア45がスプライン嵌合されかつ図示しない適宜の位
置決め手段で突出軸部6aに対して軸方向に位置決めさ
れて突出軸部6aつまりはリール回転軸6と一体回転可
能に設けられている。
【0051】また、外歯ギア45の外周を囲うように、
環状の内歯ギア46が図示しない適宜の位置決め手段で
突出軸部6aの軸方向に位置決めされて配設されてい
る。この内歯ギア46の外周には一対の円形状のフラン
ジ46b,46cが形成されているとともに、これらの
フランジ46b,46cの間の内歯ギア46の外周には
ワイヤ47(本発明のひも状操作部材に相当)が数回巻
かれている。更に、内歯ギア46の一側の側面にはせん
断ピン48(本発明の連結手段に相当)が突設されてお
り、図12(b)に示すようにこのせん断ピン48の突
出端は、第2のウェビング巻取装置44のケース49に
支持されている。更に、図12(a)に示すように内歯
ギア46の一対のフランジ46b,46cの外周が、こ
の内歯ギア46の中心に関しせん断ピン48とほぼ反対
側の位置でケース49に設けられた、フランジ46b,
46cの外周と同径の円弧状支持面49aを有する支持
部49bに支持されている。このケース49は減速機構
8のケーシング34に取り付けられている。
【0052】そして、せん断ピン48がケース49に支
持され、かつ一対のフランジ46b,46cの外周が支
持部49bに支持されている状態では、環状の内歯ギア
46はリール回転軸6および外歯ギア45と同心に配置
されていて、内歯ギア46の内周と外歯ギア45の外周
との間には、所定の環状の間隙αが形成されている。し
たがって、このときには外歯ギア45の外歯45aと内
歯ギア46の内歯46aとが噛合しなく、リール回転軸
6のウェビング引出方向およびウェビング巻取方向のい
ずれの方向の回転時に外歯ギア45はリール回転軸6と
一体に回転するが、内歯ギア46は何ら回転しないよう
になっている。
【0053】このように構成されている第2のウェビン
グ巻取装置44の手動によるウェビング巻取の作動につ
いて説明する。図13(a)に示すようにモータ7によ
るウェビング3の巻取トルクが正常に発生可能な場合に
は、前述と同様に内歯ギア46はリール回転軸6および
外歯ギア45と同心に配置され、内歯ギア46の内周と
外歯ギア45の外周との間に環状の間隙αが形成され、
外歯ギア45がリール回転軸6と一体に回転し、内歯ギ
ア46はリール回転軸6の回転に関係なく停止してい
る。
【0054】この状態で、何らかの原因でモータ7が巻
取トルクを発生しなくなったとき、例えばウェビング3
と乗員との間のスラックを除去するなどのためにウェビ
ング3を巻き取る必要が生じた場合、ワイヤ47を図1
3において上方に引っ張ると、このワイヤ47の引張力
で、せん断ピン48にせん断力が加えられるようにな
る。このせん断ピン48に加えられるせん断力が設定せ
ん断力を超えると、せん断ピン48がせん断破壊によっ
て切断され、内歯ギア46がケース49から自由にな
り、内歯ギア46はワイヤ47の引張力で、図13
(b)に示すように支持部49bの支点49cを中心に
矢印方向に回動し、内歯ギア46の内歯46aが外歯ギ
ア45の外歯45aに噛合するようになる。
【0055】更に、ワイヤ47が上方に引っ張られる
と、図13(c)に示すように内歯ギア46がその外周
を支持部49bに支持されかつその内周を外歯ギア45
に支持されながら矢印方向に回転するようになる。する
と、内歯46aと外歯45aとが噛合しているので、こ
の内歯ギア46の回転で外歯ギア45も矢印方向に回転
し、その結果、リール回転軸6がウェビング巻取方向に
回転するようになる。これにより、ウェビング3がリー
ル4に巻き取られ、例えばウェビング3と乗員との間の
スラックが除去される。このとき、内歯ギア46はワイ
ヤ47およびケース49の支持部49bにより内歯46
aと外歯45aとが径方向に噛合した状態に保持される
ようになっており、これらのワイヤ47および支持部4
9bにより、噛合保持機構(本発明の連結保持手段に相
当)が構成されている。
【0056】また、図13(b),(c)に示すように
外歯45aと内歯46aとが噛合している状態では、ウ
ェビング3が引き出されてリール4がウェビング引出方
向に回転したとき、このリール4の回転がリール回転軸
6および外歯ギア45を介して内歯ギア46に伝達され
るので、内歯ギア46は回転してワイヤ47を巻き取る
ようになる。このようにして、モータ7が巻取トルクを
発生しなくなっても、第2のウェビング巻取装置44に
よってウェビング3を巻き取ることが可能となり、乗員
とウェビング3との間のスラックを除去でき、また、所
定の拘束力で乗員を拘束することができるようになる。
【0057】なお、せん断ピン48は1本以外に複数本
設けることもできる。また、せん断ピン48は減速機構
8のケーシング34に支持するようにすることもできる
し、このせん断ピン48はケーシング34あるいはケー
ス49側に設けることもできる。更に、せん断ピン48
は、内歯ギア46、ケーシング34あるいはケース49
とのいずれにも別体に設けて、内歯ギア46に設けた孔
とケーシング34あるいはケース49に設けた孔とに嵌
合支持するようにすることもできる。
【0058】更に、この例のシートベルト巻取装置1に
おいては、図14に示すように、第2のウェビング巻取
装置44によるウェビング3の手動巻取が行われた後、
ウェビング3を巻き取った状態に保持するためのウェビ
ング引出ロック機構50が設けられている。
【0059】このウェビング引出ロック機構50につい
て説明する。図14に示すように、ウェビング引出ロッ
ク機構50はケース49に所定の間隔を置いて設けられ
た一対のガイド51,52を備えているとともに、これ
らのガイド51,52の間に所定の間隔を置いて設けら
れた一対のチャック53,54を備えている。一対のガ
イド51,52は、それぞれ、それらの相対向する面が
図において上方にいくにしたがって互いに接近するよう
な傾斜面51a,52aにされている。また、一対のチ
ャック53,54は、それぞれ、それらの相対向する面
が図において上下方向に延びる鉛直面53a,54aと
されているとともに、ガイド51,52の傾斜面51a,
52aにそれぞれ対向する面がこれらの傾斜面51a,
52aと同様に傾斜する傾斜面53b,54bとされて
いる。一対のチャック53,54はケース49に上下方
向に一体に移動可能に設けられているとともに、上下方
向と直交する方向(図において左右方向)に互いに独立
して移動可能となっている。また、一対のチャック5
3,54の相対向する鉛直面53a,54aの間には、ワ
イヤ47が貫通している。
【0060】そして、図示のウェビング引出ロック機構
50の非作動時は、一対のチャック53,54は、それ
ぞれそれらの自重で下方に移動してケース49の一対の
チャック支持部49d,49eに支持された下限位置に
保持されている。このように一対のチャック53,54
が下限位置に保持されている状態では、ガイド51,5
2の傾斜面51a,52aとチャック53,54の傾斜面
53b,54bとが互いに離間している。したがって、
一対のチャック53,54の間を貫通するワイヤ47は
これらのチャック53,54に挟圧されることはなく、
チャック53,54の間を図14において上下方向に自
由に移動可能となっている。
【0061】また、一対のチャック53,54が上方に
移動すると、チャック53,54の傾斜面53b,54b
がガイド51,52の傾斜面51a,52aに当接し、更
にチャック53,54が上方に移動することで、一対の
チャック53,54はガイド51,52の傾斜面51a,
52aに案内されて互いに接近する方向に移動するよう
になっている。一対のチャック53,54の接近によ
り、ワイヤ47が一対のチャック53,54の鉛直面5
3a,54aで挟圧されるようになる。このように一対
のチャック53,54によりワイヤ47が挟圧される
と、ワイヤ47はこれらのチャック53,54の間を移
動不能となり、ロックされるようになっている。その場
合、チャック53,54の傾斜面53b,54bとガイド
51,52の傾斜面51a,52aとの楔効果により、ワ
イヤ47はチャック53,54に強固に挟圧されるよう
になっている。そして、一対のチャック53,54が下
限位置に保持されている状態で、これらのチャック5
3,54は、ワイヤ47が上方へゆっくり移動するとき
はそれらの自重で下限位置に保持されたまま移動しない
が、ワイヤ47が上方へ素早く移動するときは、このワ
イヤ47の素早い移動につられて上方へ移動するように
なっている。
【0062】このように構成されているウェビング引出
ロック機構50の作動について説明する。図15(a)
に示すウェビング引出ロック機構50の非作動時は、一
対のチャック53,54は、それぞれそれらの自重で下
方に移動して下限位置に保持された状態となっている。
いま、ワイヤ47が強く引っ張られて第2のウェビング
巻取装置44が作動され、ウェビング3が巻き取られ
て、例えば乗員とウェビングとの間のスラックが除去さ
れ、内歯ギア46の内歯46aが外歯ギア45の外歯4
5aに噛合した状態で、ウェビング3をゆっくり引き出
した場合は、ワイヤ47は図15(a)において上方へ
ゆっくりと移動する。ワイヤ47のこのゆっくりとした
上方移動では、一対のチャック53,54はこのワイヤ
47の上方移動に追従しなく、それらの自重で下限位置
に保持されたまま移動しない。
【0063】前述のように内歯ギア46の内歯46aが
外歯ギア45の外歯45aに噛合した状態で、いま、ウ
ェビング3を素早く引き出すと、ワイヤ47も上方へ素
早く移動する。ワイヤ47のこの素早い上方移動ではウ
ェビング引出ロック機構50が作動し、一対のチャック
53,54がこのワイヤ47の上方移動につられて上方
へ移動する。すると、図15(b)に示すように一対の
チャック53,54の傾斜面53b,54bがそれぞれ一
対のガイド51,52の傾斜面51a,52aに当接する
とともに、一対のチャック53,54はガイド51,52
の傾斜面51a,52aにガイドされて互いに接近する
方向に移動してワイヤ47を傾斜面51a,52aと傾
斜面53b,54bとの楔効果で挟圧するので、ワイヤ
47はそれ以上上方へ移動しない。
【0064】このように、ウェビング3の素早い引き出
しで、ウェビング引出ロック機構50が作動することで
ワイヤ47の移動が素早くロックされてウェビング3の
引出が阻止され、ウェビング3が乗員とのスラックが除
去された状態に保持される。その場合、ワイヤ47をロ
ックするためにウェビング3を若干引き出すようになる
が、ウェビング3をスラックの除去のため以上に若干強
く巻き取った後、ウェビング3の素早い引き出しでワイ
ヤ47をロックすることで、乗員に圧迫感を抱かせない
ようにして乗員とのスラックを除去することができる。
【0065】なお、ウェビング3の巻取による乗員との
スラックの除去以外に、ウェビング3を強く巻き取って
乗員を拘束する場合にも、同様にしてウェビング引出ロ
ック機構50が作動されてワイヤ47がロックされるこ
とで、ウェビング3の引出が阻止され、乗員の拘束状態
が保持される。また、図15(b)に示すワイヤ47の
ロック状態から、ワイヤ47が下方に引かれると、図1
5(c)に示すように一対のチャック53,54が下方
に移動して、下限位置に保持され、一対のチャック5
3,54によるワイヤ47の挟圧が解除されて、ワイヤ
47は自由に移動可能となる。
【0066】図16は、外歯ギア45と内歯ギア46と
の噛合状態を保持する噛合保持機構の他の例を模式的に
示し、(a)は噛合保持機構を構成する板ばねを模式的
に示す図、(b)は(a)の板ばねを用いた第2のウェ
ビング巻取装置44の非作動状態を模式的に示す図、
(c)は(a)の板ばねを用いた第2のウェビング巻取
装置44の作動状態を模式的に示す図である。
【0067】前述の例ではワイヤ47およびケース49
の支持部49bにより噛合保持機構が構成されている
が、この例では、図16(a)に示すように噛合保持機
構は、円弧状の板ばね55により構成されている。この
板ばね55はその一端がケース49に突設された支持ピ
ン56に回動可能にまたは回動不能に支持されていると
ともに、その他端がケース49に設けられたばね支持部
49fに支持されている。板ばね55はこのように支持
された状態では支持ピン56を中心に図16(a)にお
いて少なくともそれ以上の反時計方向の回転が不能にな
っている。
【0068】また、図16(b)に示すように内歯ギア
46は2本のせん断ピン48a,48bを有しており、
前述の例のせん断ピン48と同様にしてこれらのせん断
ピン48a,48bがケース49またはケーシング34
に支持されることで、内歯ギア46がこれらのケース4
9またはケーシング34に外歯ギア45およびリール回
転軸6と同心状に支持されている。そして、このように
内歯ギア46がケース49またはケーシング34に支持
された状態では、内歯ギア46のフランジ46b,46
cの外周が円弧状の板ばね55を所定量撓ませた状態で
この板ばね55に支持されている。
【0069】したがって、内歯ギア46は板ばね55の
ばね力で常時内歯46aが外歯45aに噛合する方向に
付勢されており、その場合、後述する図16(c)に示
す内歯46aが外歯45aに噛合した状態においても、
内歯ギア46は板ばね55のばね力で同方向に付勢され
るようになっている。また、第2のウェビング巻取装置
44の非作動状態において、内歯ギア46が板ばね55
のばね力で付勢されても、2本のせん断ピン48a,4
8bにより内歯ギア46が移動することはなく、内歯ギ
ア46はリール回転軸6との同心状態が保持されてい
る。
【0070】次に、このように構成されたこの例の噛合
保持機構の作動について説明する。図16(b)に示す
第2のウェビング巻取装置44の非作動状態から、ワイ
ヤ47を所定の引張力で引っ張ると、前述の例のせん断
ピン48と同様にして2本のせん断ピン48a,48b
が切断し、第2のウェビング巻取装置44が作動する。
すると、図16(c)に示すように内歯ギア46が径方
向に移動して内歯46aが外歯45aに噛合し、ワイヤ
47の更なる引っ張りで内歯ギア46および外歯ギア4
5がともにウェビング巻取方向に回転して、ウェビング
が巻き取られる。
【0071】このとき、板ばね55のばね力で内歯ギア
46が内歯46aと外歯45aとの噛合方向に付勢され
ているので、ワイヤ47の引っ張りを停止してワイヤ4
7を自由にしても、内歯46aと外歯45aとが噛合状
態に確実に保持される。したがって、ワイヤ47の引出
時に、このワイヤ47の引出運動がウェビング3に確実
に伝達され、ウェビング3がワイヤ47の引出運動に伴
って確実に巻き取られるようになる。また、逆にウェビ
ング3の引出時に、このウェビング3の引出運動がワイ
ヤ47に確実に伝達され、ワイヤ47がウェビング3の
引出運動に伴って確実に巻き取られるようになる。この
例の噛合保持機構の他の構成および他の作動は、前述の
例と同じである。
【0072】なお、この例では2本のせん断ピン48
a,48bを用いているが、第2のウェビング巻取装置
44の非作動状態において、内歯ギア46が板ばね55
のばね力で付勢されてもリール回転軸6との同心状態を
保持されれば、1本のせん断ピン48でもよい。また、
もちろん3本以上のせん断ピンを用いることもできる。
また、板ばね55は円弧状板ばねに限定されることはな
く、図16(a)に二点鎖線で示すように直線状の板ば
ねを用いることもできる。また、円弧状板ばねは、内歯
ギア46と同方向に湾曲した円弧状板ばね以外に、内歯
ギア46と逆方向に湾曲した円弧状板ばねを用いること
もできる。
【0073】図17は、噛合保持機構の更に他の例を模
式的に示し、(a)は噛合保持機構を構成する板ばねを
模式的に示す図、(b)は(a)の板ばねを用いた第2
のウェビング巻取装置44の非作動状態を模式的に示す
図、(c)は(a)の板ばねを用いた第2のウェビング
巻取装置44の作動状態を模式的に示す図である。
【0074】前述の図6に示す例の噛合保持機構では比
較的長い1枚の板ばね55を用いているが、図17
(a)ないし(c)に示すように、この例の噛合保持機
構では比較的短い2枚の板ばね55a,55bを用いて
いる。これらの2枚の板ばね55a,55bはそれぞれ
ケース49に突設された支持ピン56a,56bに所定
の間隔を置いて支持されている。そして、前述の例の板
ばね55と同様に、内歯ギア46は2枚の板ばね55
a,55bの各ばね力で常時内歯46aが外歯45aに
噛合する方向に付勢されている。この例の噛合保持機構
の他の構成は前述の図16に示す例と同じであり、ま
た、この例の噛合保持機構の作動は、2枚の板ばね55
a,55bの作動が1枚の板ばね55の作動と単に異な
るだけで、図16に示す例の作動と実質的に同じであ
る。
【0075】図18は、第2のウェビング巻取装置44
の他の例を模式的に示し、(a)はその非作動状態を模
式的に示す図、(b)は(a)におけるXVIIIBーXVIIIB
線に沿う断面図、(c)はその作動状態を模式的に示す
図である。図18(a)および(b)に示すように、こ
の例の第2のウェビング巻取装置44は、円形の香箱5
7と、ばね支持軸58と、ぜんまいばね59と、ばね支
持ピン60とを備えている。円形の香箱57は、リール
回転軸6の突出軸部6aのスプライン溝6bに軸方向に
位置決めされてスプライン嵌合され、リール回転軸6と
一体回転するようになっている。この香箱57の外周縁
には軸方向に延びる環状のフランジ57aが設けられて
いるとともに、このフランジ57aの内周面には、所定
数の係止爪57b,57b,…が円周方向に所定間隔をお
いて設けられている。
【0076】また、ばね支持軸58は、ケーシング34
に取り付けられた第2のウェビング巻取装置44のケー
ス49の内側にリール回転軸6と同軸状に一体に突設さ
れている。更に、ぜんまいばね59はケース49内に香
箱57の係止爪57b,57b,…に対向するようにして
配設されており、このぜんまいばね59の一端59aは
ばね支持軸58に固定支持されている。ぜんまいばね5
9の他端59bはこのぜんまいばね59の巻方向と反対
方向に湾曲されて曲げ部が形成されていて、ケース49
に抜き差し可能に支持されたばね支持ピン60に係止支
持されている。
【0077】このぜんまいばね59のばね力は後述する
図18(c)に示すようにぜんまいばね59の他端59
bが係止爪57bに係止したとき、このぜんまいばね5
9のばね力で香箱57を介してリール回転軸6をウェビ
ング巻取方向に所定量回転させることができる大きさに
設定されている。
【0078】次に、このように構成されたこの例の第2
のウェビング巻取装置44の作動について説明する。通
常時は、図18(a)および(b)に示すようにばね支
持ピン60がケース49に挿入支持されているととも
に、このばね支持ピン60にぜんまいばね59の他端5
9bが係止支持されている。このため、香箱57はぜん
まいばね59から自由となっていて、ウェビング3の引
出および巻取時のリール4の回転で、リール回転軸6を
介して一体に回転する。
【0079】モータ7の巻取トルクが発生しなく、しか
し、ウェビング3を巻き取る必要がある場合、ばね支持
ピン60をケース49から引き抜くと、ぜんまいばね5
9の他端59bがばね支持ピン60から外れて自由状態
となる。すると、ぜんまいばね59がそのばね力で自由
状態になろうとするので、他端59bは図18(a)に
おいて反時計方向に回転しながら径方向に展開し、図1
8(c)に示すように香箱57の係止爪57bの1つに
係止する。すると、ぜんまいばね59のばね力が係止爪
57bを介して香箱57にウェビング巻取方向に加えら
れるので、香箱57は同方向に回転する。この香箱57
の回転で、リール回転軸6を介してリール4がウェビン
グ巻取方向に一体に回転するので、ウェビング3が巻き
取られる。これにより、例えば乗員とウェビング3との
間のスラックが除去される。
【0080】このように、この例の第2のウェビング巻
取装置44においては、前述の例の第2のウェビング巻
取装置44におけるワイヤ47の引張によるウェビング
3の巻取と異なり、ばね支持ピン60を単に引き抜くだ
けで、ぜんまいばね59のばね力で、ウェビング3が自
動的に巻き取られるようになる。その場合、前述の例で
はワイヤ47の引張力を調整することでウェビング3の
巻取量が種々変更可能であるが、この例では、ウェビン
グ3の巻取量はぜんまいばね59の設定ばね力で決定さ
れる。
【0081】なお、図示しないが、例えば電磁ソレノイ
ド等のばね支持ピン抜取手段を設けるとともに、例えば
ピラー、ドアトリム、計器板、インストルメントパネル
等の車体の所定位置にスイッチを設け、このスイッチを
作動することでばね支持ピン抜取手段を駆動して、この
ばね支持ピン抜取手段によりばね支持ピン60を直接あ
るいはリンク等を介して抜き取るようにすることもでき
る。
【0082】ところで、この例の第2のウェビング巻取
装置44において、ぜんまいばね59の使用範囲を、図
19に示すようにぜんまいばね59のばね特性がほぼリ
ニアに変化する範囲内でウェビング全巻取量から全引出
量までのリール4の回転量aの2倍に設定するととも
に、ぜんまいばね59の設定ばね力(ウェビング巻取ト
ルク)をこのaの2倍の範囲の中間点に対応するばね力
(トルク)Tとなるように支持ピン60により設定する
ようにする。このようにすることで、ウェビング3の全
巻取位置から全引出位置の間のいかなるウェビング3の
位置でばね支持ピン60が解除されても、ぜんまいばね
59はウェビング全巻取量から全引出量まで対応するこ
とが可能となる。
【0083】図20は、第2のウェビング巻取装置44
の更に他の例を模式的にかつ部分的に示す断面図であ
る。図20に示すように、この例の第2のウェビング巻
取装置44は、リール回転軸6の突出軸部6aのスプラ
イン溝6bに軸方向に位置決めされてスプライン嵌合さ
れ、リール回転軸6と一体回転するブッシュシャフト6
1と、このブッシュシャフト61を手動で回転させるた
めのハンドル62とを備えている。
【0084】ブッシュシャフト61は減速機構8のケー
シング34に回転可能に支持されており、このブッシュ
シャフト61の、突出軸部6aとの嵌合側と反対側に
は、断面多角形の回転駆動用穴61aが突出軸部6aと
同軸上に穿設されている。また、ハンドル62は、回転
駆動用穴61aに挿入されてブッシュシャフト61と回
転方向に係合可能な、回転駆動用穴61aと同様の断面
多角形の駆動軸部62aと、一端がこの駆動軸部62a
に直角に連結されたレバー部62bと、このレバー部6
2bの他端にレバー部62bと直角に連結された把持部
62cとからクランク状に形成されている。このハンド
ル62は、図示しないが車両の適宜の場所に保管されて
いる。
【0085】次に、このように構成されたこの例の第2
のウェビング巻取装置44の作動について説明する。通
常時は、図20に示すようにブッシュシャフト61はウ
ェビング3の引出および巻取時のリール4の回転で、リ
ール回転軸6を介して一体に回転する。モータ7の巻取
トルクが発生しなく、しかし、ウェビング3を巻き取る
必要がある場合、ハンドル62を取り出して、駆動軸部
62aをブッシュシャフト61の回転駆動用穴61a内
に挿入し、この状態で把持部62cを握って手動でハン
ドル62をウェビング巻取方向に回転する。すると、駆
動軸部62aがブッシュシャフト61と回転方向に係合
するので、ブッシュシャフト61およびリール回転軸6
を介してリール4がウェビング巻取方向に回転する。こ
れにより、ウェビング3が巻き取られ、例えば乗員とウ
ェビング3との間のスラックが除去される。このよう
に、この例の第2のウェビング巻取装置44において
は、駆動軸部62aを回転駆動用穴61a内に挿入して
ハンドル62を単にウェビング巻取方向に回転するだけ
で、ウェビング3が簡単に巻き取られるようになる。
【0086】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明にかかるシートベルト巻取装置によれば、第1
の回転駆動手段の巻取トルクが発生されなくても、第2
の回転駆動手段でウェビングを確実に巻き取ることがで
き、ウェビングの乗員とのスラックを確実に除去できる
ようになる。また、請求項2の発明によれば、手動操作
でウェビングを巻き取るようにしているので、特別な動
力手段を必要としなく、コスト上のメリットがきわめて
大きいとともに、構造を簡素化できるようになる。
【0087】更に、請求項3の発明によれば、通常時は
第2の回転駆動手段をリールに連結しないようにしてい
るので、第2の回転駆動手段が第1の回転駆動手段によ
るリール回転動作を阻害することを防止できる。しか
も、通常時第2の回転駆動手段がリールに連結されるこ
とにより発生するヒステリシスによるエネルギロスも回
避することができる。更に、請求項4の発明によれば、
第2の回転駆動手段がリールに一度連結されると、この
連結が外れないようにしているので、第1の回転駆動手
段が巻取トルクを発生することができない場合、第2の
回転駆動手段によるウェビングの巻取を確実に行うこと
ができるようになる。
【0088】更に、請求項5の発明によれば、通常時は
内歯ギアが外歯ギアに噛合しないようにしているので、
内歯ギアが第1の回転駆動手段によるリール回転動作を
阻害することを防止できるとともに、エネルギロスを回
避できるようになる。また、ひも状操作部材を所定値以
上の引張力で引っ張ることで、簡単にスラックを除去す
ることができる。更に、請求項6の発明によれば、ひも
状操作部材を所定値以上の引張力で引っ張ったときに、
ピンが切断して内歯ギアと外歯ギアとが噛合しかつ内歯
ギアが回転するようにしているので、簡単な構造にで
き、コストを低減できる。更に、請求項7の発明によれ
ば、ひも状操作部材の操作によりウェビングを所定量巻
き取ってスラックを除去したとき、ひも状操作部材をそ
の状態にロックするようにしているので、ウェビングの
引出を阻止でき、スラックが再び発生することを防止で
きる。
【0089】更に、請求項8の発明によれば、第1の回
転駆動手段が巻取トルクを発生しない場合に、手動操作
により連結部材を作動することで、回転力発生手段の回
転力を回転部材に作用するようにしているので、この回
転力発生手段の回転力によりウェビングを巻き取ること
でスラックを除去できるようになる。このように、連結
部材が通常時は回転力発生手段の回転力を回転部材に作
用させないようにしているので、回転力発生手段の回転
力が第1の回転駆動手段によるリール回転動作を阻害す
ることを防止できるとともに、エネルギロスを回避でき
る。
【0090】更に、請求項9の発明によれば、通常時は
ぜんまいばねの外側端をピンに支持することでぜんまい
ばねの回転力を回転部材に作用しないようにしているの
で、ぜんまいばねの回転力が第1の回転駆動手段による
リール回転動作を阻害することを防止できるととも
に、、ぜんまいばねのエネルギロスを回避できる。ま
た、ピンが手動操作されてぜんまいばねの外側端がピン
の支持から外れて回転部材に係止することで、ぜんまい
ばねの回転力が回転部材に作用するようにしているの
で、このぜんまいばねの回転力によりウェビングを巻き
取ることでスラックを除去できるようになる。このよう
に構造の簡単なぜんまいばねとピンとを用いることで、
構造を簡素化できる。
【0091】更に、請求項10の発明によれば、ぜんま
いばねの外側端の曲げ部をピンに係止支持されることで
ぜんまいばねのエネルギ保持として機能させ、またピン
との係止支持が外れることで回転部材に係止してぜんま
いばねのエネルギを回転部材に作用させるように機能さ
せているので、1つの曲げ部を2つの機能に効果的に利
用できるようになる。
【0092】更に、請求項11の発明によれば、ぜんま
いばねの使用範囲をウェビング全巻取量から全引出量ま
でのリールの回転量の2倍に設定し、しかも、ぜんまい
ばねの設定ばね力をリールの回転量の2倍の範囲の中間
点に対応するばね力となるように設定しているので、ウ
ェビングの全巻取位置から全引出位置の間のいかなるウ
ェビングの位置でピンが手動操作されても、ぜんまいば
ねをウェビング全巻取量から全引出量まで柔軟にかつ確
実に対応することが可能となる。
【0093】更に、請求項12の発明によれば、リール
の回転軸と別体に設けられた第2の回転駆動手段を必要
時にリールの回転軸に連結して、この第2の回転駆動手
段を操作することでウェビングを巻き取るようにしてい
るので、スラックを除去することができる。しかも、第
2の回転駆動手段をリールの回転軸と別体に設けている
ので、シートベルト巻取装置を小型コンパクトに形成で
きるようになる。更に、請求項13の発明によれば、通
常時は電力で駆動されるモーターでウェビングの巻取を
行うことでシートベルト巻取装置をモータ巻取方式にし
ているので、乗員の圧迫感を低減するなど、種々多様化
するベルトテンションの要求に対して柔軟にかつ確実に
対応できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるシートベルト巻取装置の基本
的構成を示す分解斜視図である。
【図2】 図1に示す例のシートベルト巻取装置におけ
る減速機構を示す分解斜視図である。
【図3】 図2に示す減速機構の正面図である。
【図4】 図3に示す減速機構の各ギアの中心を通る線
に沿う縦断面図である。
【図5】 図1に示す例のシートベルト巻取装置におけ
る滑り機構のウェビング巻取時の作動を説明し、(a)
は非作動状態を示す図、(b)は作動状態を示す図であ
る。
【図6】 図1に示す例のシートベルト巻取装置におけ
る滑り機構のウェビング引出時の作動を説明する図であ
る。
【図7】 図1に示す例のシートベルト巻取装置におけ
るリングギア回転制御装置の作動を説明する図である。
【図8】 図1に示す例のシートベルト巻取装置におけ
る減速機構の作動を説明し、(a)は第1動力伝達経路
を示す図、(b)は第2動力伝達経路を示す図である。
【図9】 図1に示す例のシートベルト巻取装置におけ
るウェビング引出検知手段およびリール回転検知手段の
各作動を説明する図である。
【図10】本発明にかかるシートベルト巻取装置の実施
の形態の一例を示し、図1に示すシートベルト巻取装置
の基本構成に第2のウェビング巻取装置を備えたシート
ベルト巻取装置を模式的に示す図である。
【図11】図10に示すシートベルト巻取装置の一部を
示す分解斜視図である。
【図12】図11に示す第2のウェビング巻取装置を模
式的に示し、(a)は図10におけるXIIAーXIIA線に沿
う断面図、(b)は(a)におけるXIIBーXIIB線に沿う
断面図である。
【図13】図12に示す第2のウェビング巻取装置44
の作動について説明し、(a)は第2のウェビング巻取
装置44の非作動状態を示す図、(b)は内歯ギアと外
歯ギアとの噛合を説明する図、(c)は第2のウェビン
グ巻取装置44の作動状態を示す図である。
【図14】図12に示す第2のウェビング巻取装置44
に設けられているウェビング引出ロック機構を模式的に
示す図である。
【図15】図14に示すウェビング引出ロック機構50
の作動について説明し、(a)はウェビング引出ロック
機構50の非作動状態を示す図、(b)はウェビング引
出ロック機構50の作動状態を示す図、(c)はウェビ
ング引出ロック機構50の作動解除を説明する図であ
る。
【図16】外歯ギア45と内歯ギア46との噛合状態を
保持する噛合保持機構の他の例を模式的に示し、(a)
は噛合保持機構を構成する板ばねを模式的に示す図、
(b)は(a)の板ばねを用いた第2のウェビング巻取
装置44の非作動状態を模式的に示す図、(c)は
(a)の板ばねを用いた第2のウェビング巻取装置44
の作動状態を模式的に示す図である。
【図17】外歯ギア45と内歯ギア46との噛合状態を
保持する噛合保持機構の更に他の例を模式的に示し、
(a)は噛合保持機構を構成する板ばねを模式的に示す
図、(b)は(a)の板ばねを用いた第2のウェビング
巻取装置44の非作動状態を模式的に示す図、(c)は
(a)の板ばねを用いた第2のウェビング巻取装置44
の作動状態を模式的に示す図である。
【図18】第2のウェビング巻取装置44の他の例を模
式的に示し、(a)はその非作動状態を模式的に示す
図、(b)は(a)におけるXVIIIBーXVIIIB線に沿う断
面図、(c)はその作動状態を模式的に示す図である。
【図19】図18に示す第2のウェビング巻取装置44
におけるぜんまいばね59の使用範囲の設定を説明する
図である。
【図20】第2のウェビング巻取装置44の更に他の例
を模式的にかつ部分的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…シートベルト巻取装置、3…ウェビング、4…リー
ル、5…ロック機構、6…リール回転軸、6a…突出軸
部、6b…スプライン溝、7…モータ、8…減速機構、
34…ケーシング、44…第2のウェビング巻取装置、
45…外歯ギア、45a…外歯、46…内歯ギア、46
a…内歯、47…ワイヤ、48,48a,48b…せん断
ピン、49…ケース、49a…円弧状支持面、49b…
支持部、49d,49e…チャック支持部、50…ウェ
ビング引出ロック機構、51,52…ガイド、53,54
…チャック、55…板ばね、56…支持ピン、57…香
箱、57b…係止爪、58…ばね支持軸、59…ぜんま
いばね、60…ばね支持ピン、61…ブッシュシャフ
ト、62…ハンドル

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員を拘束するウェビングと、このウェ
    ビングを巻き取るリールと、緊急時に前記リールの少な
    くともウェビング引出方向の回転をロックするロック機
    構と、動力により前記リールを回転させる第1の回転駆
    動手段と、必要時に前記リールを少なくともウェビング
    巻取方向に回転させる第2の回転駆動手段とを備えてい
    ることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の回転駆動手段は手動操作によ
    り駆動されるようになっていることを特徴とする請求項
    1記載のシートベルト巻取装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の回転駆動手段は、通常時この
    第2の回転駆動手段を前記リールに連結させなく、また
    手動操作により前記第2の回転駆動手段を前記リールに
    連結させる連結手段を備えていることを特徴とする請求
    項1または2記載のシートベルト巻取装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の回転駆動手段が前記リールに
    連結されたとき、この連結状態を保持する連結保持手段
    を備えていることを特徴とする請求項3記載のシートベ
    ルト巻取装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の回転駆動手段は、前記リール
    と一体回転可能にかつこのリールと同心状に設けられ
    た、外歯を有する外歯ギアと、この外歯ギアの外周を囲
    むようにして設けられた、前記外歯と噛合可能な内歯を
    有する環状の内歯ギアと、前記内歯ギアに巻かれて引っ
    張ることによりこの内歯ギアを回転させるひも状操作部
    材とを備え、 前記連結手段は、通常時前記内歯ギアを前記外歯に対し
    て、前記内歯が前記外歯と噛合しないように保持すると
    ともに、前記ひも状操作部材を所定値以上の引張力で引
    っ張ったとき、前記内歯と前記外歯とが噛合するように
    前記内歯ギアを移動可能にする連結部材を備え、 前記ひも状操作部材を所定値以上の引張力で引っ張った
    とき、前記内歯と前記外歯とが噛合して前記内歯ギアが
    回転し、この内歯ギアの回転により前記外歯ギアを介し
    て前記リールが前記ウェビング巻取方向に回転して前記
    ウェビングを巻き取るようになっていることを特徴とす
    る請求項3または4記載のシートベルト巻取装置。
  6. 【請求項6】 前記連結部材は、前記ひも状操作部材を
    所定値以上の引張力で引っ張ったときに作用する力で切
    断するピンであることを特徴とする請求項5記載のシー
    トベルト巻取装置。
  7. 【請求項7】 前記ひも状操作部材の操作により、前記
    リールが前記ウェビングを所定量巻き取ったとき、前記
    ひも状操作部材をその状態にロックすることで前記ウェ
    ビングの引出を阻止するようになっていることを特徴と
    する請求項3または4記載のシートベルト巻取装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の回転駆動手段は、前記リール
    と一体回転可能にかつこのリールと同心状に設けられた
    回転部材と、回転力を発生する回転力発生手段とを備
    え、 前記連結手段は、通常時前記回転力発生手段をその回転
    力が前記回転部材に作用しないように保持するととも
    に、手動操作により前記回転力発生手段をその回転力が
    前記回転部材に作用可能にする連結部材を備え、 前記連結部材を手動操作したとき、前記回転力発生手段
    の回転力が前記回転部材に作用することで前記回転部材
    が回転し、この回転部材の回転により前記リールが前記
    ウェビング巻取方向に回転するようになっていることを
    特徴とする請求項3記載のシートベルト巻取装置。
  9. 【請求項9】 前記回転力発生手段はぜんまいばねから
    構成されているとともに、前記連結部材が手動操作可能
    なピンから構成されており、 前記ぜんまいばねは、通常時その内側端が固定されてい
    るとともにその外側端が前記ピンに支持されることで前
    記ぜんまいばねの回転力が前記回転部材に作用しないよ
    うに保持され、前記ピンが手動操作されてその外側端が
    前記ピンの支持から外れて前記回転部材に係止すること
    で、前記ぜんまいばねの回転力が前記回転部材に作用す
    るようになっていることを特徴とする請求項8記載のシ
    ートベルト巻取装置。
  10. 【請求項10】 前記ぜんまいばねの外側端にこのぜん
    まいばねの巻き方向と反対方向に曲げられた曲げ部が形
    成されており、この曲げ部は、通常時は前記ピンに係止
    支持されているとともに、前記ピンが手動操作されて前
    記曲げ部が前記ピンの係止支持から外れたときは前記回
    転部材の係止部に係止するようになっていることを特徴
    とする請求項9記載のシートベルト巻取装置。
  11. 【請求項11】 前記ぜんまいばねの使用範囲が、前記
    ウェビング全巻取量から全引出量までの前記リールの回
    転量の2倍に設定されているとともに、前記ぜんまいば
    ねの設定ばね力が前記リールの回転量の2倍の範囲の中
    間点に対応するばね力となるように設定されていること
    を特徴とする請求項9または10記載のシートベルト巻
    取装置。
  12. 【請求項12】 前記第2の回転駆動手段が前記リール
    の回転軸と別体に設けられており、必要時にこの第2の
    回転駆動手段は前記リールの回転軸に連結されることを
    特徴とする請求項2記載のシートベルト巻取装置。
  13. 【請求項13】 前記動力は電力であり、前記第1の回
    転駆動手段はこの電力で駆動されるモーターであること
    を特徴とする請求項1ないし12のいずれか1記載のシ
    ートベルト巻取装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009525908A (ja) * 2006-02-07 2009-07-16 オートリブ ディベロップメント アクティエボラーグ カップリングブロッケードを備えたベルトリトラクター
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